JPH09278417A - 高純度過酸化水素水溶液の製造法 - Google Patents

高純度過酸化水素水溶液の製造法

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JPH09278417A
JPH09278417A JP9255496A JP9255496A JPH09278417A JP H09278417 A JPH09278417 A JP H09278417A JP 9255496 A JP9255496 A JP 9255496A JP 9255496 A JP9255496 A JP 9255496A JP H09278417 A JPH09278417 A JP H09278417A
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exchange resin
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Toshinori Matsumoto
年視 松本
Manabu Yamada
学 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高純度の過酸化水素水溶液を提供する。 【解決手段】過酸化水素濃度を少なくとも45重量%の
濃度に調製した過酸化水素水溶液を−0.5℃〜−5
6.1℃の温度で冷却して固相を析出させ、得られた固
相を融解し、カチオン交換樹脂層、アニオン交換樹脂層
およびカチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂混合層の少
なくとも2種の互いに異なる層と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカチオン性純物、ア
ニオン性不純物、有機不純物を含む過酸化水素水溶液を
精製し、極めて高純度な過酸化水素水溶液を得る方法に
関する。本発明により精製された高純度過酸化水素水溶
液は半導体分野で使用される。
【0002】
【従来の技術】現在、過酸化水素水溶液は主にアントラ
キノンの自動酸化法により製造されている(以下、アン
トラキノン法と記すことがある)。この方法は一般に、
2−アルキルアントラキノンを有機溶媒中で水素化触媒
の存在下で水素化して、対応するアントラヒドロキノン
とし、触媒を濾別後、酸素または空気により酸化してア
ントラヒドロキノンを2−アルキルアントラキノンに再
生するとともに過酸化水素を生成させ、生成した過酸化
水素を水で抽出することによって粗過酸化水素水溶液を
得る。得られた過酸化水素水溶液は減圧蒸留、精留する
ことによって精製および濃縮される。その後、場合によ
っては水で所定濃度に希釈され、一般には約20〜70
重量%の過酸化水素を含む水溶液とされる。
【0003】このような方法により製造された過酸化水
素水溶液には、製造装置や貯蔵装置からの溶出、安定剤
の添加などによって約5ppb〜約10ppm程度の種
々のカチオン、および約10ppb〜約10ppm程度
の種々のアニオン、さらにはアントラキノン法で使用さ
れる有機物質、またはそれらの変質物の混入などにより
全有機炭素量として10ppm〜数100ppm程度の
有機不純物が含まれている。
【0004】一方、過酸化水素水溶液は従来から反応試
剤、漂白、化学研磨などの分野で広く利用されてきた。
現在は半導体製造の分野でウェハーの洗浄、エッチング
などの分野への過酸化水素水溶液の利用が増大し、これ
に伴って極めて高純度の過酸化水素水溶液が要求されて
いる。
【0005】過酸化水素水溶液の精製法としては、一般
にカチオン交換樹脂を用いてカチオン不純物を除去する
方法やアニオン交換樹脂を用いてアニオン不純物を除去
する方法、吸着剤を用いて有機不純物を除去する方法、
またこれらの方法を組み合わせてカチオン不純物、アニ
オン不純物、有機不純物を除去する方法が知られてい
る。
【0006】例えば特開平1−17105号公報には重
炭酸塩型または炭酸塩型アニオン交換樹脂を用い、水中
の解離指数pKaが5以下の酸またはその塩を、連続的
または反連続的に添加しつつアニオン性不純物を除去す
ることが記載されている。
【0007】米国特許第5268160号明細書には過
酸化水素水溶液をスチレン重合体のような吸着樹脂と接
触させて有機不純物を除去する方法が記されている。特
開昭63−156004には過酸化水素水溶液をハロゲ
ン含有多孔性樹脂と接触させることにより有機不純物を
除去する方法が記されている。
【0008】また、米国特許第4999179号明細書
には、カチオン交換樹脂層、ハロゲン含有多孔性樹脂
層、アニオン交換樹脂層の順、または、ハロゲン含有多
孔性樹脂層、カチオン交換樹脂層、アニオン交換樹脂層
の順、または、ハロゲン含有多孔性樹脂層、カチオン交
換樹脂/アニオン交換樹脂の混合層の順で過酸化水素を
接触処理し、カチオン不純物、アニオン不純物、有機不
純物を除去することが記されている。
【0009】しかしながら、前記したような従来方法に
よる精製では、カチオン性不純物、あるいはアニオン性
不純物は所望される不純物の濃度を達成することはでき
るが、カチオン性不純物、アニオン性不純物および有機
不純物のすべてを所望される濃度、すなわちカチオン性
不純物が0.5ppb以下、アニオン不純物が10pp
b以下で、かつ有機不純物は全有機炭素量として3pp
m以下を満足する高純度の過酸化水素水溶液を得ること
は極めて困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は過酸化水素水
溶液中の不純物を高い除去効率で、かつ安全に除去し、
高純度の過酸化水素水溶液を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、過酸化水素水
溶液を特定の条件下で固相の析出操作を行って過酸化水
素水溶液中の有機不純物を除去し、次いでカチオン交換
樹脂層、アニオン交換樹脂層またはカチオン交換樹脂/
アニオン交換樹脂混合層と接触させることにより、従来
から知られている方法よりも不純物含量の少ない純度の
高い過酸化水素水溶液を得ることができることを見い出
した。
【0012】すなわち、本発明は、通常得られる過酸化
水素水溶液をそのまま、または希釈、あるいは濃縮して
調製された少なくとも45.2重量%の過酸化水素を含
有する過酸化水素水溶液を−0.5〜−56.1℃の温
度範囲で冷却して固相を析出させ、得られた固相を融解
し、10〜70重量%の過酸化水素を含む過酸化水素水
溶液に調製し、カチオン交換樹脂層、アニオン交換樹脂
層およびカチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂混合層か
ら選ばれる少なくとも2種の互いに異なる層と接触させ
ることによる高純度過酸化水素水溶液の製造法である。
【0013】
【発明の実施の態様】本発明の方法において、原料過酸
化水素水溶液は少なくとも45.2重量%の過酸化水素
を含有する過酸化水素水溶液が用いられる。特に好まし
くは45.2〜61.2重量%の過酸化水素を含有する
過酸化水素水溶液であり、このような濃度の過酸化水素
水溶液を使用することによって、固相析出時に得られる
固相が過酸化水素の水和物の結晶となり、取り扱い上安
全面で好ましい。61.2重量%を超える濃度の過酸化
水素水溶液を原料として用いると、析出する固相が過酸
化水素の結晶となり、過酸化水素水溶液の精製には効果
はあるが、過酸化水素濃度が100重量%であるため取
り扱いは困難となる。
【0014】一方、45.2重量%未満の濃度の過酸化
水素を含む過酸化水素水溶液を原料とすると、固相とし
て水の結晶が析出するので、固相の析出操作においては
過酸化水素水溶液の精製には効果はない。
【0015】本発明において原料として使用する過酸化
水素水溶液は、アントラキノン法により製造されたもの
が好適であるが、アントラキノン法による過酸化水素水
溶液に限らず、その他の方法で製造されたものでもよ
い。
【0016】固相の析出操作は、少なくとも45.2重
量%の過酸化水素を含む過酸化水素水溶液を原料とし、
これを−0.5〜−56.1℃の間の温度で冷却して過
酸化水素、あるいは過酸化水素水和物の固相を析出せし
め、不純物含量の少ない、特に他の精製方法では除去し
難い、有機不純物の含有量が極めて少ない固相を回収、
融解する操作である。
【0017】固相の析出に当たっては、析出する固相と
同じ過酸化水素濃度を有する固相を種結晶として添加す
ることが好ましい。種結晶の添加はごく少量でよく、1
リットルの原料過酸化水素水溶液に対して0.5〜1g
程度でよい。種結晶を添加する際の温度は、原料過酸化
水素水溶液濃度における凝固点温度よりも低い温度で、
かつその温度差は小さいことが好ましい。不純物をより
効果的に除去するには、その温度差を5℃以内とするの
がより好ましい。
【0018】固相を析出させる際の固相の生成速度は小
さくすることが好ましい。固相の生成速度が小さいほ
ど、固相に含まれる不純物の量が少なくなり、精製効果
は高くなる。しかし、固相の生成速度がある一定以下に
なると、Fe、Crなどの金属不純物が固相に含まれ易
くなり、その濃度が増加する傾向が見られる。また、製
造設備の容量が同じである場合、固相の生成速度を小さ
くすると単位時間当たりの生産量が少なくなり、工業的
観点から好ましくない。
【0019】他方、固相の生成速度が大きくなると単位
時間当たりの生産量は上がるが、不純物の除去効率が低
下し好ましくない。これらのことから、固相の生成速度
は18〜150g/リットル−原料過酸化水素水溶液・
hrとすることが好ましく、より好ましくは60〜15
0g/リットル−原料過酸化水素水溶液である。
【0020】生成した固相は液相と分離される。生成し
た固相を液相から分離する方法はいかなる方法を用いて
も構わないが、液相には不純物が濃縮されているので、
これが固相に付着するような方法は好ましくない。一般
的には遠心脱水機による分離方法が好適である。
【0021】また、液相から分離して得られる生成した
固相を、高純度の過酸化水素水溶液で洗浄することによ
り、固相に付着した母液を除去することも効果的であ
る。
【0022】融解された固相は、カチオン交換樹脂層、
アニオン交換樹脂層、およびカチオン交換樹脂/アニオ
ン交換樹脂混合層からなる群から選ばれた少なくとも2
種の互いに異なる層と接触し精製される。これら樹脂層
の配列順序に制限はないが、最終的にアニオン交換樹脂
層、またはカチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂混合層
と接触させることが好ましい。
【0023】このときの過酸化水素水溶液は必要に応じ
て希釈、あるいは濃縮して10〜70重量%、好ましく
は20〜60重量%の過酸化水素を含む過酸化水素水溶
液が使用される。
【0024】本発明において、カチオン交換樹脂として
はイオン交換基としてSO3 H基を有するものが使用さ
れるが、強酸性でかつ架橋性の高い樹脂が好ましい。こ
のようなカチオン交換樹脂は例えば、オルガノ(株)
製、商品名;アンバーライト200C、アンバーライト
200CT、アンバーライト252や三菱化学(株)
製、商品名;ダイヤイオンのPKシリーズ(例えばPK
224、PK228)が使用できる。
【0025】カチオン交換樹脂層に過酸化水素水溶液を
接触せしめる温度は、約30℃以下、好ましくは−10
〜20℃の範囲が好ましい。30℃を超えるとイオン交
換基(SO3 H基)が溶出する割合が増えるので好まし
くない。
【0026】また本発明において使用されるアニオン交
換樹脂としては、強塩基性であり、かつ架橋性の高い樹
脂であることが好ましい。このようなアニオン交換樹脂
は、第4級アンモニウム基を有する強塩基性樹脂、第3
級アンモニウム基を有する弱塩基性樹脂またはビニルピ
リジン系樹脂であることができるが、好ましくは第4級
アンモニウム基を有する強塩基性樹脂であり、特に好ま
しくは第4級アンモニウム基の炭酸塩または重炭酸塩を
有する樹脂である。
【0027】このようなアニオン交換樹脂は例えば、オ
ルガノ(株)製、商品名;アンバーライトのIRAシリ
ーズ(例えば、IRA−900、IRA−904)、三
菱化学(株)製、商品名;ダイヤイオンのPAシリーズ
(例えば、PA316、PA318)などが挙げられ
る。
【0028】アニオン交換樹脂層に過酸化水素水溶液を
接触せしめる温度は、約10℃以下、好ましくは−10
℃から5℃の範囲が適当である。10℃を超えると過酸
化水素が分解し易くなるので好ましくない。
【0029】またカチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂
混合層を用いる場合は両者の容積比を3:97〜97:
3となるように混合して使用することが好ましい。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例により限定されるものではない。
【0031】金属不純物の測定は、Caはフレームレス
原子吸光法、それ以外は、ICP−MS(Induct
icvely coupled plazma Mas
sspectrometry)法による。
【0032】アニオン性不純物はイオンクロマト法によ
って測定した。原料と有機不純物は全有機体炭素計を用
いて全有機炭素量として測定した。なお、原料として使
用した過酸化水素水溶液中の不純物は、精製水で31重
量%に希釈して測定した。
【0033】実施例1 内容積2Lのステンレス製容器の中に過酸化水素55重
量%含有する過酸化水素水溶液2200gを原料として
入れ、撹拌しながら水溶液を−53℃まで冷却した後、
過酸化水素水和物結晶を種結晶として約0.5g添加
し、当該原料過酸化水素水溶液中に過酸化水素水和物結
晶を少量析出せしめた。さらに固相の生成速度を60g
/リットル−原料過酸化水素水溶液・hrに調節し、水
溶液の温度が−54.5℃になるまで冷却を続けた。つ
いで固相と液相の混在する過酸化水素水溶液をバスケッ
ト型の遠心脱水機にいれて一部の結晶を融解させながら
固相と液相を分離する操作を行った。得られた固相を融
解し、48.8重量%の過酸化水素を含む過酸化水素水
溶液550gを得た。
【0034】得られた過酸化水素水溶液を過酸化水素濃
度31重量%まで希釈した後、1000ml/hrで、
カチオン交換樹脂充填カラム、アニオン交換樹脂充填カ
ラム、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合物が
充填されたカラムに、この順序で通液した。各充填カラ
ムは、それぞれ内径20mmφのフッ素樹脂製カラム管
に20mlずつイオン交換樹脂を充填して作成した。こ
こで使用したカチオン交換樹脂は商品名;ダイヤイオン
PK228LH(三菱化学(株)製)、アニオン交換樹
脂は商品名;ダイヤイオンPA318HCO3 (三菱化
学(株)製)であり、カチオン交換樹脂/アニオン交換
樹脂混合層にはダイヤイオンPK228LHとダイヤイ
オンPA318HCO3 を容積比1:1で充分混合した
樹脂混合物を使用した。
【0035】精製後の不純物含有量は第1表に示した如
くであり、カチオン性不純物0.5ppb以下、アニオ
ン性不純物10ppb以下、有機不純物は全有機炭素量
として3ppm以下が達成された。
【0036】実施例2 内容積2Lのステンレス製容器の中に過酸化水素を55
重量%含有する過酸化水素水溶液2200gを原料とし
て入れ、撹拌しながら水溶液を−53℃まで冷却した
後、過酸化水素水和物結晶を種結晶として約0.5g添
加し、当該原料過酸化水素水溶液中に過酸化水素水和物
結晶を少量析出せしめた。さらに固相の生成速度を60
g/リットル−原料過酸化水素水溶液・hrに調節し、
水溶液の温度が−54.5℃になるまで冷却を続けた。
次いで固相と液相の混在する過酸化水素水溶液をバスケ
ット型の遠心脱水機にいれて一部の結晶を融解させなが
ら固相と液相を分離する操作を行った。得られた固相を
融解し、48.8重量%の過酸化水素を含む過酸化水素
水溶液550gを得た。
【0037】得られた過酸化水素水溶液を過酸化水素濃
度31重量%まで希釈した後、1000ml/hrで、
カチオン交換樹脂充填カラム、アニオン交換樹脂充填カ
ラムに、この順序で通液した。各充填カラムは、それぞ
れ内径20mmφのフッ素樹脂製カラム管に20mlず
つイオン交換樹脂を充填して作成した。ここで使用した
カチオン交換樹脂は商品名;ダイヤイオンPK228L
H(三菱化学(株)製)、アニオン交換樹脂は商品名;
ダイヤイオンPA318HCO3 (三菱化学(株)製)
である。
【0038】精製後の不純物含有量は第1表に示した如
くであり、カチオン性不純物0.5ppb以下、アニオ
ン性不純物10ppb以下、有機不純物は全有機炭素量
として3ppm以下が達成された。
【0039】実施例3 固相の生成速度を18g/リットル−原料過酸化水素水
溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を行
った。精製後の不純物含有量は第1表に示した如くであ
り、カチオン性不純物0.5ppb以下、アニオン性不
純物10ppb以下、有機不純物は全有機炭素量として
3ppm以下が達成された。
【0040】比較例1 実施例1で用いたと同様の過酸化水素水溶液を原料と
し、これを過酸化水素濃度31重量%まで希釈した後、
1000ml/hrで、カチオン交換樹脂充填カラム、
アニオン交換樹脂充填カラム、カチオン交換樹脂/アニ
オン交換樹脂混合物が充填されたカラムに、この順序で
通液した。イオン交換樹脂充填カラムは実施例1と同じ
ものを用いた。
【0041】精製後の不純物含有量は第1表に示した如
くであり、カチオン性不純物0.5ppb以下、アニオ
ン性不純物10ppb以下は達成されたが、有機不純物
は全有機炭素量として3ppm以下を達成できなかっ
た。
【0042】比較例2 原料とする過酸化水素水溶液を過酸化水素濃度31重量
%まで希釈した後、吸着樹脂充填カラムに通液せしめる
ことにより有機物を吸着除去する操作を行った。吸着樹
脂充填カラムは内径10mmφのフッ素樹脂性カラム管
に吸着剤としてブロム化スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体の多孔性樹脂で商品名;セパビーズSP207
(三菱化学(株))を10ml充填して作成した。その
後、実施例1と同様の操作で、カチオン交換樹脂充填カ
ラム、アニオン交換樹脂充填カラム、カチオン交換樹脂
とアニオン交換樹脂の混合物が充填されたカラムに、こ
の順序で通液した。
【0043】精製後の不純物含有量は第1表に示した如
くであり、カチオン性不純物0.5ppb以下、アニオ
ン性不純物10ppb以下は達成されたが、有機不純物
は全有機炭素量として3ppm以下を達成できなかっ
た。
【0044】比較例3 固相の生成速度を300g/リットル−原料過酸化水素
水溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を
行った。精製後の不純物含有量は第1表に示した如くで
あり、カチオン不純物0.5ppb以下、アニオン不純
物10ppb以下は達成されたが、有機不純物は全有機
炭素量として3ppm以下を達成できなかった。
【0045】
【表1】 第1表 過酸化水素水溶液中の不純物(単位:ppb) Al Fe Ni Cr Cl SO4 TOC(*) 原料 79 6 0.6 1.5 8 8 20 実施例1 0.06 0.09 0.04 0.03 3 2 0.6 実施例2 0.1 0.1 0.08 0.06 4 2 0.6 実施例3 0.07 0.1 0.04 0.03 4 2 0.3 比較例1 0.08 0.09 0.07 0.04 8 2 10 比較例2 0.06 0.08 0.05 0.03 3 2 5 比較例3 0.07 0.1 0.06 0.04 4 3 4 (*)TOCの単位はppm
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば過
酸化水素水溶液中のカチオン性およびアニオン性金属不
純物、ならびに有機不純物を十分に低能度にまで除去す
ることができ、高純度の過酸化水素水溶液を提供するこ
とができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも45.2重量%の過酸化水素を
    含有する過酸化水素水溶液を、−0.5℃〜−56.1
    ℃の温度で冷却して固相を析出させ、得られた固相を融
    解した後、10〜70重量%の過酸化水素を含む過酸化
    水素水溶液に調製し、カチオン交換樹脂層、アニオン交
    換樹脂層、およびカチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂
    混合層からなる群から選ばれた少なくとも2種の互いに
    異なる層と接触させることを特徴とする過酸化水素水溶
    液の製造法。
  2. 【請求項2】固相の生成速度が18〜150g/リット
    ル−原料過酸化水素水溶液・hrである請求項1記載の
    過酸化水素水溶液の製造法。
  3. 【請求項3】原料過酸化水素水溶液が45.2〜61.
    2重量%の過酸化水素を含む過酸化水素水溶液である請
    求項1記載の過酸化水素水溶液の製造法。
  4. 【請求項4】カチオン交換樹脂は交換基としてSO3
    基を有するカチオン交換樹脂である請求項1記載の過酸
    化水素水溶液の製造法。
  5. 【請求項5】アニオン交換樹脂は交換基として第4級ア
    ンモニウム基であって、かつ該基は炭酸塩または重炭酸
    塩の形である請求項1記載の過酸化水素水溶液の製造
    法。
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