JPH0974U - 織 布 - Google Patents

織 布

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JPH0974U
JPH0974U JP005700U JP570096U JPH0974U JP H0974 U JPH0974 U JP H0974U JP 005700 U JP005700 U JP 005700U JP 570096 U JP570096 U JP 570096U JP H0974 U JPH0974 U JP H0974U
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yarns
stretched tape
stretched
tape yarn
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JP005700U
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Inventor
聰 川淵
正雄 湯原
清広 小西
Original Assignee
森下化学工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度を向上させるとともに、柔軟性を維持
し、しかも、波打ちを防止し、また、能率良く織成作業
を行うことができるようにする。 【解決手段】 縦方向の帯状領域における縦方向の糸と
して、第1の合成樹脂製の延伸テープヤーンをこれと同
じ材質の第2の合成樹脂製の延伸テープヤーンにより非
接着状態で被覆した複層延伸テープヤーンを用いる。帯
状増強部6以外の縦方向の糸および各横方向の糸として
は、従来からの合成樹脂製の延伸テープヤーンを用い
る。複層延伸テープヤーンから成る縦方向の糸を用いる
ことにより、織劣化を抑制し、打ち込み本数を増やして
増強することができる。例えば、コンテナ本体の胴部を
構成することにより、帯状増強部6の上部に吊り手段の
基部をミシン糸により縫着して取付強度を向上させるこ
とができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、定置網のアンカー用土のう、若しくはセメント、農産物等の粉粒体 等を収納して輸送し、または保管するフレキシブルコンテナ、若しくはテント、 若しくは工業材料、農産物等を雨などに濡れないように被覆するシート、細幅固 定用バンド、細幅吊りベルト等に用いる織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来、ワンウエイタイプのフレキシブルコンテナは、ポリエチレン、 ポリプロピレン等、ポリオレフィン系の合成樹脂製延伸テープヤーンにより織成 した織布を用いて筒状の胴部を形成し、この胴部の上下に投入口と排出口を有す る上蓋と下蓋を取り付け、胴部に帯状の吊り手段を縫着している。
【0003】 このようなフレキシブルコンテナは、折畳みが可能であり、しかも、軽量、簡 便、安価であるので、特に近時、大量に使用されてきている。このフレキシブル コンテナは吊り手段を利用して吊り下げることにより、内容物の投入、運搬、排 出の便を図っている。
【0004】 しかしながら、上記のようにフレキシブルコンテナを吊り下げる場合、コンテ ナ本体の胴部と吊り手段との縫着部に大きな荷重が加わるが、コンテナ本体の胴 部は上記のように合成樹脂製延伸テープヤーンから成る織布で構成しているため 、胴部に対する吊り手段の縫着部、特に、胴部における吊り手段の下縁部が上記 荷重に耐えられずに切断し、最悪の場合、コンテナ本体、若しくは内容物が落下 して危険である。
【0005】 そこで、従来においては、上記危険を防止するため、実開昭48−62246 号公報、特開昭53−89578号公報、実開昭61−117186号公報に記 載されているように、胴部における吊り手段との縫着部をコンテナ本体の胴部の 地糸と同一の縦方向の糸を用いてコンテナ本体より高密度に織って帯状に増強し 、または、コンテナ本体の胴部の地糸より太く、若しくは引張強度に優れた質を 異にする縦方向の増強糸を用いてコンテナ本体の胴部の主要部とほぼ同じ密度で 、若しくは多い打込み本数で織って帯状に増強した構成が知られている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフレキシブルコンテナのようにコンテナ本体の胴部 を構成する織布自身に帯状増強部を形成した構成では、織成に際し、延伸テープ ヤーン等の外側面が織機のガイド、おさ、シャットルと擦れ、10〜20%程度 の織劣化が生じる。このため、帯状増強部の強度に劣り、信頼性に劣る。また、 前者のように縦方向の糸を高密度に織る構成では、高密度化、すなわち、強度に 限界がある。また、後者において、帯状増強部に地糸とは質を異にする増強糸の みを用いた場合、地糸である延伸テープヤーンとの引張強度、弾性率等の差によ り織成作業に困難を伴う。仮に、織成できたとしても、特に、胴部主要部と帯状 増強部の境界が波打つなど、外観において劣るばかりでなく、増強糸が引張強度 に優れていても、地糸との引張強度、弾性率、伸度等が異なるため、引張強度の 弱い部分から破れ、若しくは引き裂かれ始め、糸そのものの引張強度に比例して その特性が生かされず、結局、引張強さに優れたフレキシブルコンテナを得るこ とができない。しかも、増強糸が地糸より太い場合には、重量が大きくなるばか りでなく、帯状増強部の柔軟性に劣り、空の場合に扁平に折畳みにくく、フレキ シブルコンテナの特徴が失われ、内容物を充填する際、折畳んだ癖が取れ難く、 展開し難くなる。更に、地糸とは材質を異にする増強糸を用いた場合、その織布 の一面、若しくは両面に合成樹脂製フィルムをラミネートしようとしても、材質 を異にする合成樹脂同士は熱融着することができないため、防水性を要求される 用途には用いることができないなどの問題があった。
【0007】 このような問題は上記のようなフレキシブルコンテナを構成する織布に限らず 、例えば、土のうのように縦横に帯状に増強し、または全体を補強する織布、若 しくはテント、シート、バンド、ベルト等に用いる織布においても生じる。
【0008】 本考案は、上記のような従来の問題を解決するものであり、複層延伸テープヤ ーンを用いることにより、糸の打込み本数を容易に増やし、しかも、その打込み 本数を増やした糸の織劣化を抑制して増強することができ、また、複層延伸テー プヤーンはこれを構成する同じ材質の延伸テープヤーンを非接着状態として柔軟 性を有し、長手方向への相対的なずれを許すようにし、織成に際し、延伸テープ ヤーンのずれを利用して円滑に交叉させることができ、したがって、織成作業を 確実に、かつ能率良く行うことができ、しかも、強度を向上させて破損や危険の 発生等を防止することができるようにした織布を提供することを目的とし、また 、上記目的に加え、増強に用いる糸にその他の糸と同じ材質のものを用いること により、全体の伸びをほぼ均一として、増強部とその他の部分との境界部におけ る波打ちを抑制することができるとともに、全体として引張強度を向上させるこ とができ、したがって、外観を向上させることができるとともに、破損するのを 更に一層効果的に防止することができ、しかも、必要に応じて合成樹脂製フィル ムを胴部全面に確実に熱融着することができ、したがって、防水性が要求される 場合に対応することができ、更に、原糸の管理が容易で結果的にコストの低下を 図ることができるようにした織布を提供することを目的とし、また、増強しても 柔軟性を維持することができ、したがって、扁平に折畳むことができ、しかも、 展開作業を容易に行うことができ、更には軽量化を図って取扱いの利便性等を向 上させることができるようにした織布を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本考案の技術的手段は、合成樹脂製の延伸テープヤ ーンから成る縦方向の糸および横方向の糸により織成され、上記糸の一部に第1 の延伸テープヤーンと、この第1の延伸テープヤーンと同じ材質で形成され、こ の第1の延伸テープヤーンを非接着状態で被覆する第2の延伸テープヤーンとか ら成る複層延伸テープヤーンを用いて増強されたものである。
【0010】 また、上記技術的手段において、複層延伸テープヤーンを構成する第1と第2 の延伸テープヤーンが、他の延伸テープヤーンと同じ材質のポリオレフィン系合 成樹脂により形成されたものである。
【0011】 また、合成樹脂製の第1の延伸テープヤーンと、この第1の延伸テープヤーン と同じ材質で形成され、この第1の延伸テープヤーンを非接着状態で被覆する合 成樹脂製の第2の延伸テープヤーンとから成る複層延伸テープヤーンを縦方向の 糸および横方向の糸として織成されたものである。
【0012】 また、上記第1と第2の延伸テープヤーンの両者が共に長手方向に沿って折り 曲げられたものである。
【0013】
【作用】
本考案によれば、縦方向と横方向の糸の一部、若しくは全部に第1の合成樹脂 製の延伸テープヤーンと、この第1の延伸テープヤーンと同じ材質で形成され、 この第1の延伸テープヤーンを非接着状態で被覆する第2の合成樹脂製の延伸テ ープヤーンとから成る複層延伸テープヤーンを用いて増強するので、糸の打込み 本数を容易に増やし、しかも、第2の延伸テープヤーンで被覆された第1の延伸 テープヤーンが織機のガイド、おさ、シャットルと擦れて割れたり、ささくれた りするのを防止し、織劣化を抑制して増強することができる。また、上記のよう に複層延伸テープヤーンはこれを構成する同じ材質の延伸テープヤーンを非接着 状態として柔軟性を有し、長手方向への相対的なずれを許すようにし、織成に際 し、延伸テープヤーンのずれを利用して円滑に交叉させることができる。
【0014】 また、増強に用いる複層延伸テープヤーンに他の延伸テープヤーンと同じ材質 のものを用いることにより、全体の伸びをほぼ均一として、補強部とその他の部 分との境界部における波打ちを抑制することができるとともに、全体として引張 強度を向上させることができる。しかも、すべての延伸テープヤーンに同じ材質 のものを用いることにより、必要に応じて上記延伸テープヤーンと同じ材質の合 成樹脂製フィルムを用いてこのフィルムを全面に確実に熱融着することができる 。更に、原糸として一種類の延伸テープヤーンを用いることにより、品質、在庫 等の管理が容易となる。
【0015】 また、第1と第2の延伸テープヤーンの両者を共に長手方向に沿って折り曲げ るようにし、両者が柔軟性を有し、しかも、延伸テープヤーンの打込み本数を増 やして増強しているので、増強しても柔軟性を維持することができる。更に、全 体を薄い延伸テープヤーンのみで織成しているので、軽量化を図ることができる 。
【0016】
【実施例】
以下、本考案の実施例について図面を参照しながら説明する。 図1は本考案の織布をフレキシブルコンテナ用に構成した一実施例を示す一部 拡大図、図2、図3、図4は同織布の帯状増強部における縦方向の糸に用いる複 層延伸テープヤーンの例を示す一部拡大斜視図、図5、図6、図7、図8は同織 布の帯状増強部以外の縦方向の糸および横方向の糸に用いる延伸テープヤーンの 例を示す一部拡大斜視図、図9は同織布を用いて構成したフレキシブルコンテナ を示す概略斜視図、図10は本考案の織布を定置網のアンカー用土のう用に構成 した他の実施例を示す一部拡大図である。
【0017】 図9に示すように、コンテナ本体1は胴部2の上部に上蓋3が縫着等により取 付けられ、上蓋3に投入口4が縫着等により取り付けられ、胴部2の下部に下蓋 (図示省略)が縫着等により取付けられ、下蓋に排出口(図示省略)が縫着等に より取付けられている。胴部2を構成する本考案実施例の織布5には吊り手段縫 着用の縦方向の帯状増強部6が対応する一対ずつ、計2対、上端から下端までの 全長に亘って形成されている。
【0018】 その詳細について説明すると、図1に示すように、織布5は、ポリエチレン、 ポリプロピレン等、ポリオレフィン系の合成樹脂製の延伸テープヤーンにより織 成される。帯状増強部6の各縦(経)糸7には図2、若しくは図3、若しくは図 4に示す第1の延伸テープヤーン8と、第2の延伸テープヤーン9とから成る複 層延伸テープヤーン10が用いられ、その他の各縦(経)糸11および各横(緯 )糸12には図5、図6、図7、若しくは図8に示す一本の延伸テープヤーン1 3が用いられる。
【0019】 図2に示す複層延伸テープヤーン10は、ポリオレフィン系で同じ材質の樹脂 製フィルムが二枚重ねられて所望の幅で細長く切断され、二枚重ねの状態でガイ ドに通され、両側長手縁部が同じ側に折り返されて両側長手縁の端面が突き合わ され、若しくは突き合わされるように接近される。このように折られた状態で9 0℃〜180℃で加熱されて引取方向に4〜10倍延伸され、第1の延伸テープ ヤーン8の外面が第2の延伸テープヤーン9により互いに接着されることなく被 覆されている。または、ポリオレフィン系樹脂フィルムが所望の幅で細長く切断 されて上記と同様に延伸され、延伸後の同じ材質の二本のテープヤーン8、9が 重ねられ、この状態でガイドに通され、両側長手縁部が同じ側に折り返されて両 側長手縁の端面が突き合わされ、若しくは突き合わされるように接近されてヒー トセットされ、第1の延伸テープヤーン8の外面が第2の延伸テープヤーン9に より互いに接着されることなく被覆されている。
【0020】 図3に示す複層延伸テープヤーン10は、ポリオレフィン系で同じ材質の樹脂 製フィルムが二枚重ねられて所望の幅で細長く切断され、二枚重ねの状態でガイ ドに通され、一側長手縁部が折り返され、続いて他側長手縁部が上記一側長手縁 部上に重ねられるように折り返される。このように折り返された状態で上記と同 様に延伸され、第1の延伸テープヤーン8の外面が第2の延伸テープヤーン9に より互いに接着されることなく被覆される。または、ポリオレフィン系樹脂フィ ルムが所望の幅で細長く切断されて上記と同様に延伸され、延伸後の同じ材質の 二本のテープヤーン8、9が重ねられ、この状態でガイドに通され、一側長手縁 部が折り返され、続いて他側長手縁部が上記一側長手縁部上に重ねられるように 折り返されてヒートセットされ、第1の延伸テープヤーン8の外面が第2の延伸 テープヤーン9により互いに接着されることなく被覆されている。
【0021】 図4に示す複層延伸テープヤーン10は、ポリオレフィン系で同じ材質の樹脂 製フィルムが三枚重ねられて所望の幅で細長く切断され、三枚重ねの状態でガイ ドに通され、両側長手縁部が同じ側に折り返されて両側長手縁の端面が突き合わ され、若しくは突き合わされるように接近される。このように折られた状態で上 記と同様に延伸され、二本の第1の延伸テープヤーン8、8の外面が1本の第2 の延伸テープヤーン9により互いに接着されることなく被覆されている。または 、ポリオレフィン系樹脂フィルムが所望の幅で細長く切断されて上記と同様に延 伸され、延伸後の同じ材質の三本のテープヤーン8、8と9が重ねられ、この状 態でガイドに通され、両側長手縁部が同じ側に折り返されて両側長手縁の端面が 突き合わされ、若しくは突き合わされるように接近されてヒートセットされ、2 本の第1の延伸テープヤーン8、8の外面が1本の第2の延伸テープヤーン9に より互いに接着されることなく被覆されている。
【0022】 図5に示す延伸テープヤーン13は、ポリオレフィン系樹脂製フィルムが所望 の幅で細長く切断され、ガイドに通され、両側長手縁部が同じ側に折り返されて 両側長手縁の端面が突き合わされ、若しくは突き合わされるように接近される。 このように折られた状態で上記と同様に延伸される。または、ポリオレフィン系 樹脂フィルムが所望の幅で細長く切断されて上記と同様に延伸され、ガイドに通 され、両側長手縁部が同じ側に折り返されて両側長手縁の端面が突き合わされ、 若しくは突き合わされるように接近されてヒートセットされる。
【0023】 図6に示す延伸テープヤーン13は、ポリオレフィン系樹脂製フィルムが所望 の幅で細長く切断され、ガイドに通され、一側長手縁部が折り返され、続いて他 側長手縁部が上記一側長手縁部上に重ねられるように折り返される。このように 折られた状態で上記と同様に延伸される。または、ポリオレフィン系樹脂フィル ムが所望の幅で細長く切断されて上記と同様に延伸され、ガイドに通され、一側 長手縁部が折り返され、続いて他側長手縁部が上記一側長手縁部上に重ねられる ように折り返されてヒートセットされる。
【0024】 図7、若しくは図8に示す延伸テープヤーン13は従来から使用されており、 ポリオレフィン系樹脂製フィルムが薄い場合には幅広に、厚い場合には幅狭に細 長く切断されて上記と同様に延伸される。
【0025】 上記各延伸テープヤーン8、9、13としては、1500デニールで、引張強 度が4g/d以上、引張伸度が室温20℃の条件下で15%以上、縦裂け強度が 90g/mm以上であるのが望ましい。
【0026】 そして、図5ないし図8のいずれかに示す幅3〜6mmの延伸テープヤーン1 3を帯状増強部6を除く部分の縦糸11として用い、図5ないし図8のいずれか に示す幅3〜6mmの延伸テープヤーン13を各横糸12として用い、図2、図 3、若しくは図4に示す幅2〜4mm程度の複層延伸テープヤーン10を帯状増 強部5の各縦糸7として用いて織布5が織成され、帯状増強部6はその縦糸7と して複層延伸テープヤーン10が用いられることにより、打ち込み本数が増やさ れて増強される。この織布5により図9に示すように、縦方向に帯状増強部6を 有する胴部2が構成される。
【0027】 このとき、帯状増強部6の縦糸7は、上記のように第1の延伸テープヤーン8 を第2の延伸テープヤーン9で被覆した複層延伸テープヤーン10を用い、第1 の延伸テープヤーン8は織機のガイド、おさ、シャットルにより擦られないので 、割れたり、ささくれたりするのが防止され、織劣化を生じるおそれはなく、織 劣化を10%以内に抑えることができる。また、複層延伸テープヤーン10はこ れを構成する同じ材質の第1の延伸テープヤーン8と第2の延伸テープヤーン9 を非接着状態として柔軟性を有し、長手方向への相対的なずれを許すようにし、 織成に際し、延伸テープヤーン8、9のずれを利用して円滑に交叉させることが できるので、円滑に、かつ確実に織成して強度を向上させることができる。また 、帯状増強部6を薄い延伸テープヤーン8、9、13のみで織成するので、織布 5全体としても柔軟性を維持することができる。そして、上記のように複層延伸 テープヤーン10および延伸テープヤーン13を同じ材質で形成することにより 、ほぼ同じ物性値を得ることができるので、複層延伸テープヤーン10を用いて 帯状増強部6の縦糸7の打ち込み本数を例えば1.4倍とすれば、この部分は上 記のように織劣化が少ないので、打ち込み本数に比例して1.4倍の引張強さが 得られる。また、各延伸テープヤーン10、13を同じ材質で形成することによ り、全体の伸びをほぼ均一として、帯状増強部6と胴部2の主要部との境界にお ける波打ちを抑制することができる。胴部2を構成する織布5は、防水性が要求 される場合、その表面と裏面のいずれか一方、若しくは両方にポリエチレン、ポ リプロピレン等、ポリオレフィン系樹脂製フィルムがラミネートされる。このと き、上記のように各延伸テープヤーン10、13を同じ材質で形成し、しかも、 波打ちを抑制することにより、各延伸テープヤーン10、13と同じ材質のフィ ルムを用いて全面に亘って確実に熱融着することができる。
【0028】 図9に示すベルト状の吊り手段14は上記織布5の帯状増強部6と同様に構成 され、若しくは上記複層延伸テープヤーン10のみを縦糸および横糸をして織成 され、若しくは合成繊維により織成されるなどにより所望の強度を有する帯状に 形成され、一対用いられる。各吊り手段14は中央部で湾曲されて両側部が胴部 2の帯状増強部6の上部外面に重ねられ、吊り手段14が帯状増強部6にミシン 糸15により縫着されている。このように帯状増強部6に吊り手段14を縫着す る際、帯状増強部6は薄い延伸テープヤーンのみで構成しているので、ミシン針 およびミシン糸が容易に貫通し、ミシン針の発熱を抑制するとともに、延伸テー プヤーンの割れ等を防止して縫い劣化を10%以下に抑えることができる。上記 吊り手段14と帯状増強部6との縫着面積は用途、目的等に応じて適宜選択する ことができる。そして、この縫着面積は縦方向に広げることができ、帯状増強部 6はその横方向の幅を必要以上に広くする必要がない。
【0029】 以下、上記構成のフレキシブルコンテナの使用要領について説明する。 一対の吊り手段14をクレーンのフック等に掛けて吊り下げ状態に保持し、粉 粒体等を投入口4からコンテナ本体1内に投入する。投入後、投入口4を閉じ、 所望の場所に保管等のために下降する。このようにして粉粒体等を収納したフレ キシブルコンテナを運搬するには、一対の吊り手段14をクレーンのフック等に 掛けて吊り下げるが、吊り手段14の取付け部がコンテナ本体1の胴部2の帯状 増強部6に取付けられているので、上記取付け部に大きな荷重が加わっても、そ の取付け部が取れたり、破袋するのを防止することができる。したがって、内容 物が落下したり、コンテナ本体1が内容物と共に落下するなどの危険を防止する ことができる。
【0030】 また、図10に示すように、筒織により胴部16を織成する際、ほぼ180度 位相をずらせた位置で上記のように縦糸7に複層延伸テープヤーン10を用いて 縦方向に帯状増強部6を形成し、胴部16の上部に両側一対のロープ挿通部をそ の開放部が上記帯状増強部6に位置するように形成し、各ロープ挿通部にロープ を挿通することにより定置網のアンカー用土のうを構成することができる。
【0031】 なお、帯状増強部6のすべての縦方向の糸に複層延伸テープヤーン10を用い なくてもよく、図5ないし図8に示す従来から用いられている延伸テープヤーン 13と適宜隣り合わせに組み合わせて用いることもできる。また、定置網のアン カー用土のう、テント、被覆シート等を構成する織布の場合には、必要な部分の み複層延伸テープヤーン10を用いて帯状に増強してもよく、全体に複層延伸テ ープヤーン10を用いて全体を増強してもよい。また、上記実施例では、複層延 伸テープヤーン10は第2の延伸テープヤーン9で被覆される第1の延伸テープ ヤーン8が一本、若しくは二本であるが、二本以上の複数本であってもよい。こ のほか、本考案は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々変更することが できる。
【0032】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、縦方向と横方向の糸の一部、若しくは全 部に第1の合成樹脂製の延伸テープヤーンと、この第1の延伸テープヤーンと同 じ材質で形成され、この第1の延伸テープヤーンを非接着状態で被覆する第2の 合成樹脂製の延伸テープヤーンとから成る複層延伸テープヤーンを用いて増強す るので、糸の打込み本数を容易に増やし、しかも、第2の延伸テープヤーンで被 覆された第1の延伸テープヤーンが織機のガイド、おさ、シャットルと擦れて割 れたり、ささくれたりするのを防止し、織劣化を抑制して増強することができる 。また、上記のように複層延伸テープヤーンはこれを構成する同じ材質の延伸テ ープヤーンを非接着状態として柔軟性を有し、長手方向への相対的なずれを許す ようにし、織成に際し、延伸テープヤーンのずれを利用して円滑に交叉させるこ とができる。したがって、織成作業を確実に、かつ能率良く行うことができ、し かも、強度を向上させて破損や危険の発生を防止することができる。更に、岩な どの角で擦れた場合の耐久性を向上させることができる。
【0033】 また、増強に用いる複層延伸テープヤーンに他の延伸テープヤーンと同じ材質 のものを用いることにより、全体の伸びをほぼ均一として、補強部とその他の部 分との境界部における波打ちを抑制することができるとともに、全体として引張 強度を向上させることができる。したがって、外観を向上させることができると ともに、破損するのを更に一層効果的に防止することができる。しかも、すべて の延伸テープヤーンに同じ材質のものを用いることにより、必要に応じて上記延 伸テープヤーンと同じ材質の合成樹脂製フィルムを用いてこのフィルムを全面に 確実に熱融着することができる。したがって、防水性が要求される場合に対応す ることができる。更に、原糸として一種類の延伸テープヤーンを用いることによ り、品質、在庫等の管理が容易となり、結果的にコストの低下を図ることができ る。
【0034】 また、第1と第2の延伸テープヤーンの両者を共に長手方向に沿って折り曲げ るようにし、両者が柔軟性を有し、しかも、延伸テープヤーンの打込み本数を増 やして増強しているので、増強しても柔軟性を維持することができる。したがっ て、扁平に折畳むことができ、しかも、展開作業を容易に行うことができる。更 に、全体を薄い延伸テープヤーンのみで織成しているので、軽量化を図ることが でき、したがって、取扱いの利便性等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の織布をフレキシブルコンテナ用に構成
した一実施例を示す一部拡大図
【図2】同織布の帯状増強部における縦方向の糸に用い
る複層延伸テープヤーンの一例を示す一部拡大斜視図
【図3】同織布の帯状増強部における縦方向の糸に用い
る複層延伸テープヤーンの他の例を示す一部拡大斜視図
【図4】同織布の帯状増強部における縦方向の糸に用い
る複層延伸テープヤーンの更に他の例を示す一部拡大斜
視図
【図5】同織布の帯状増強部以外の縦方向の糸および横
方向の糸に用いる延伸テープヤーンの一例を示す一部拡
大斜視図
【図6】同織布の帯状増強部以外の縦方向の糸および横
方向の糸に用いる延伸テープヤーンの他の例を示す一部
拡大斜視図
【図7】同織布の帯状増強部以外の縦方向の糸および横
方向の糸に用いる延伸テープヤーンの他の例を示す一部
拡大斜視図
【図8】同織布の帯状増強部以外の縦方向の糸および横
方向の糸に用いる延伸テープヤーンの更に他の例を示す
一部拡大斜視図
【図9】同織布を用いて構成したフレキシブルコンテナ
を示す概略斜視図
【図10】同織布を定置網のアンカー用土のう用に構成
した他の実施例を示す一部拡大図
【符号の説明】
1 コンテナ本体 2 胴部 5 織布 6 帯状増強部 7 縦糸 8 第1の延伸テープヤーン 9 第2の延伸テープヤーン 10 複層延伸テープヤーン 11 縦糸 12 横糸 13 延伸テープヤーン 14 吊り手段 15 ミシン糸

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製の延伸テープヤーンから成る
    縦方向の糸および横方向の糸により織成され、上記糸の
    一部に第1の延伸テープヤーンと、この第1の延伸テー
    プヤーンと同じ材質で形成され、この第1の延伸テープ
    ヤーンを非接着状態で被覆する第2の延伸テープヤーン
    とから成る複層延伸テープヤーンを用いて増強された織
    布。
  2. 【請求項2】 複層延伸テープヤーンを構成する第1と
    第2の延伸テープヤーンが、他の延伸テープヤーンと同
    じ材質のポリオレフィン系合成樹脂により形成された請
    求項1記載の織布。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製の第1の延伸テープヤーン
    と、この第1の延伸テープヤーンと同じ材質で形成さ
    れ、この第1の延伸テープヤーンを非接着状態で被覆す
    る合成樹脂製の第2の延伸テープヤーンとから成る複層
    延伸テープヤーンを縦方向の糸および横方向の糸として
    織成された織布。
  4. 【請求項4】 第1と第2の延伸テープヤーンの両者が
    共に長手方向に沿って折り曲げられた請求項1ないし3
    のいずれかに記載の織布。
JP005700U 1996-05-30 1996-05-30 織 布 Pending JPH0974U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007031919A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Japan Gore Tex Inc ポリテトラフルオロエチレン製のスリットヤーン及びその製造方法

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