JPH0974067A - ドーピング方法及びドーピング装置 - Google Patents

ドーピング方法及びドーピング装置

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JPH0974067A
JPH0974067A JP22797495A JP22797495A JPH0974067A JP H0974067 A JPH0974067 A JP H0974067A JP 22797495 A JP22797495 A JP 22797495A JP 22797495 A JP22797495 A JP 22797495A JP H0974067 A JPH0974067 A JP H0974067A
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JP
Japan
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semiconductor substrate
dopant
main surface
doping
gas
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JP22797495A
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Takashi Murakami
隆志 村上
Yutaka Inaba
豊 稲葉
Koji Umeda
浩司 梅田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のレーザ光を用いた半導体基板へのドー
ピング方法では、ドーピングする領域の半導体基板を溶
融するため、半導体基板及び半導体基板上に形成したパ
ターンに損傷を与えるという問題があった。また、広範
囲のドーピング、全面ドーピングの場合に処理時間が長
くなるという問題があった。 【解決手段】 この発明では、ドーピングする半導体基
板を所定温度に設定し、この半導体基板に対して、所定
距離離して平行にレーザ光を照射し、雰囲気中のドーパ
ントガスを励起分解してドーパント原子を発生させ、ド
ーピングを行うため、レーザ光が直接半導体基板に照射
されることはなく、精度の高いドーピングを行うことが
でき、さらに広範囲のドーピングの際のスループットが
向上するという効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の製
造工程である半導体基板の一主面に浅い接合を形成する
際の、不純物ドーピング方法、及びドーピング装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は例えば電気情報通信学会技術報告
SDM89−114、『B26を用いたエキシマレーザ
によるシリコンへの浅い接合の形成』に示されたレーザ
ドーピング装置を示す該略図である。図において、1は
レーザ光を発振するArFエキシマレーザ、2及び3は
ArFエキシマレーザ1から発振されるレーザ光が通過
する凸レンズ及び凹レンズ、4はレンズ2、3を透過し
たレーザ光をチャンバ5内部に取り込むチャンバの窓、
6はチャンバ5内部に形成されたシリコンの単結晶から
なる半導体基板7を支持するステージ、8、9はそれぞ
れ半導体基板7の一主面にドーピングするドーパント原
子を含むガスのガス導入口とガス排出口である。さら
に、この装置においては、ステージ6上に設置された半
導体基板7の一主面に対するレーザ光の照射方向は垂直
となっている。
【0003】図9のドーピング装置を用いたドーピング
方法について説明する。チャンバ5内部にガス導入口8
からドーパント原子(ボロン原子)を含むB26または
BF3からなるガスを導入し5Torr程度の分圧とな
るようにする。次に、ArFエキシマレーザ1からレー
ザ光を0.6〜1.2J/cm2のパワー密度で半導体
基板7の一主面に対して垂直に照射すると、レーザ光が
照射された部分の半導体基板7の表面から100Å程度
の深さまでの部分の温度が上昇して溶融する。さらに、
この反応と同時にレーザ光はチャンバ5内部に存在する
26またはBF3を熱励起効果及び光励起効果によっ
て分解し、ドーパント原子であるボロン原子を発生させ
る。発生したドーパント原子は溶融した半導体基板7の
シリコン中に液相拡散し、ドーピングされる。
【0004】また、上述のようなドーピング装置を用い
て、レーザ光の強度を0.06〜0.12J/cm2
度に下げた場合のドーピングでは、半導体基板7の表面
のシリコンを溶融することなく、また半導体基板7に対
して加熱していないため、チャンバ5内のB26または
BF3は熱励起効果及び光励起効果によってドーパント
原子に分解するが、半導体基板7上にはB原子を含む化
合物が積層される。その後、0.7J/cm2程度の強
さのレーザ光を照射することで半導体基板7の温度を上
昇させ、半導体基板7内にボロンを固相拡散(熱拡散)
させることでドーピングを行う。このように、従来では
液相拡散、固相拡散のいずれかの場合も半導体基板7の
加熱とドーパント原子の生成をレーザ光を照射すること
によって行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のドーピング方法
では、大規模集積回路等の製造過程において、上記のよ
うにドーピングを行うために、レーザ光を半導体基板に
直接照射し、半導体基板の表面温度を上昇させ、その部
分を溶融し、ドーパント原子を液相拡散させていたた
め、半導体基板上に既に形成されているパターン、例え
ばゲート電極の形状が熱変形したり、レジストパターン
が焼けたり、半導体基板に損傷を与える等の問題があっ
た。また、ドーパント原子を液相拡散させない場合にお
いては、比較的弱いレーザ光によってドーパント原子を
発生させ、ドーパント原子を含む化合物を半導体基板上
に積層し、次に、同じ位置に比較的強いレーザ光を照射
し半導体基板の温度を上昇させることでドーパント原子
を半導体基板内に固相拡散させるという処理を行ってい
た。しかし、ドーパント原子を発生させる際に弱いレー
ザ光を用いると処理時間が長くなり、スループットが低
下する等の問題があった。この発明は上記のような問題
点を解消するためになされたものであり、半導体基板上
に形成済みのパターンを変形させることなく、さらに半
導体基板に損傷を与えることなくドーパント原子をドー
ピングでき、スループットを向上させることができ、ま
た選択的にドーピングを行うことが可能なドーピング方
法及びドーピング装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によるドーピン
グ方法は、所定温度に加熱した半導体基板の一主面から
所定距離離してレーザ光を照射する工程、上記半導体基
板の周囲の雰囲気中のドーパント原子を含むドーパント
ガス若しくはイオンまたはラジカルを励起分解してドー
パント原子を生成し、生成したドーパント原子を上記半
導体基板の一主面にドーピングする工程を含むものであ
る。
【0007】また、この発明によるドーピング方法は、
少なくとも半導体基板の一主面の一部をフッ化水素処理
する工程、上記フッ化水素処理した半導体基板の一主面
を超純水でリンスして水素終端する工程、上記水素終端
した半導体基板の一主面に対して所定のイオン若しくは
ラジカルを反応させ水素終端を切る工程、レーザ光を半
導体基板の一主面から所定距離離して照射する工程、上
記半導体基板の周囲の雰囲気中のドーパント原子を含む
ドーパントガス若しくはイオンまたはラジカルを励起分
解してドーパント原子を生成し、生成したドーパント原
子を上記半導体基板の一主面に積層する工程、上記半導
体基板を加熱し、上記半導体基板の一主面に積層された
ドーパント原子を半導体基板内に熱拡散させてドーピン
グする工程を含むものである。
【0008】さらに、この発明によるドーピング方法
は、所定温度に加熱した半導体基板の一主面から所定距
離離してレーザ光を照射する工程、上記半導体基板の周
囲の雰囲気中のドーパント原子を含むドーパントガス若
しくはイオンまたはラジカルと窒素化合物を励起分解し
てドーパント原子及び窒素原子を生成し、生成したドー
パント原子及び窒素原子を上記半導体基板の一主面にド
ーピングする工程を含むものである。
【0009】また、この発明によるドーピング方法は、
半導体基板の一主面上に所望のマスクパターンを形成す
る工程、レーザ光を半導体基板の一主面から所定距離離
してレーザ光を照射する工程、上記半導体基板の周囲の
雰囲気中のドーパント原子を含むドーパントガス若しく
はイオン、ラジカルを励起分解してドーパント原子を生
成し、生成したドーパント原子を上記半導体基板の一主
面上に積層する工程、マスクパターンと上記マスクパタ
ーン上に積層されたドーパント原子を同時に除去する工
程、半導体基板を加熱し、半導体基板の一主面に積層さ
れたドーパント原子を半導体基板内に拡散させる工程を
含むものである。
【0010】また、この発明によるドーピング方法は、
上記のような手段に加え、レーザ光を半導体基板の一主
面に対して平行に照射するものとする。
【0011】さらに、この発明によるドーピング方法
は、上記のような手段に加え、ドーパント原子をドーピ
ングする際に半導体基板を回転させるものとする。
【0012】また、この発明によるドーピング方法は、
上記のような手段に加え、半導体基板の周囲の所定位置
に配置された反射板によってレーザ光を反射させ、光路
長を長くし、上記半導体基板の一主面に、レーザ光によ
ってドーパントガス、若しくはドーパント原子を含むイ
オン、若しくはラジカルを励起分解させて生じるドーピ
ング原子をドーピングするものとする。
【0013】さらに、この発明によるドーピング方法
は、半導体基板の一主面を水素終端し、レーザ光を半導
体基板の一主面に照射し、水素終端を切るとともに、チ
ャンバ内の酸素ガスを励起分解し、酸素原子を発生さ
せ、水素終端が切れた部分に酸素原子を結合させ、シリ
コン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜を不純物ドー
ピングの際にマスクとして用い、ドーピングを行うもの
である。
【0014】また、この発明によるドーピング装置は、
少なくとも内部に半導体基板を設置するステージを備え
たチャンバ、上記チャンバ内にドーパントガスを導入、
排出するガス導入口及びガス排出口、上記半導体基板の
一主面に対して平行にレーザ光を照射するエキシマレー
ザ、上記エキシマレーザから発振するレーザ光を吸収す
る反射防止板を備えたものとする。
【0015】さらに、この発明によるドーピング装置
は、少なくとも内部に半導体基板を設置するステージを
備えたチャンバ、上記チャンバ内にドーパントガスを導
入、排出するガス導入口及びガス排出口、上記半導体基
板の一主面に対して平行にレーザ光を照射するエキシマ
レーザ、上記エキシマレーザから発振するレーザ光を半
導体基板の一主面に対して平行に反射させる反射板を備
えたものとする。
【0016】また、この発明によるドーピング装置は、
少なくとも内部に半導体基板を設置するステージを備え
たチャンバ、上記チャンバ内にドーパントガスを導入、
排出するガス導入口及びガス排出口、上記ステージ上に
設置された半導体基板の一主面に対して垂直にレーザ光
を照射するエキシマレーザ、上記エキシマレーザから発
振するレーザ光の光路上に設置したマスクを備えたもの
とする。
【0017】さらに、この発明によるドーピング装置
は、少なくとも内部に半導体基板を設置するステージを
備えたチャンバ、上記チャンバ内にドーパントガスを導
入、排出するガス導入口及びガス排出口、上記ステージ
上に設置された半導体基板の一主面の任意の領域に対し
て垂直にレーザ光を照射するレーザビーム走査機構を備
えたものとする。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明を実施する際に用いるド
ーピング装置を概略的に示す図であり、ドーピング装置
の側面の断面図である。図において、10は半導体基板
7を設置するステージ6の高さを調整し、ステージ6を
回転させる調整機構、11はエキシマレーザ1から発振
し、チャンバの窓4から入射し、半導体基板7の一主面
の近傍を透過して、このレーザ光が照射されるチャンバ
5の内壁に設けられた反射防止板である。また、この発
明においてドーピング装置の構成要素であるレンズ2、
3は複数個のレーザ光調整用レンズを指すものであり、
その他、従来の技術の説明に用いた図に付した符号と同
一符号は同一若しくは相当部分を示すものである。
【0019】上記のようなドーピング装置を用いて、大
規模集積回路内に形成するMOSトランジスタのソース
/ドレイン領域の拡散層形成におけるドーパント原子の
ドーピング方法について説明する。例えばシリコンの単
結晶からなる半導体基板7をステージ6上にセットし、
チャンバ5の内部にガス導入口8からB26ガスを分圧
5Torrとなるように導入し、次に、ArFエキシマ
レーザからチャンバ5内の半導体基板7の一主面に平行
となる位置を通過するレーザ光を発振させる。このとき
のチャンバ5内に導入したドーパントガスB26は波長
193nmのレーザ光を照射されると、このレーザ光を
吸収し、励起され分解する。この193nmのレーザ光
に対するB26の吸収係数は0.00150〜0.00
304cm-1Torr-1であり、ドーパントガスの分圧
5Torr、光路長40mmに対して3.0〜5.9%
の吸収となる。
【0020】このドーパントガスに含まれる分子がレー
ザ光を吸収し、励起分解反応することにより、半導体基
板7の表面にドーパント原子(ボロン原子)の高濃度領
域が形成される。このときにランプを用いて半導体基板
7の上方から半導体基板7を400〜1100℃の温度
に加熱しておくことで、励起分解して生じたドーパント
原子が半導体基板7の表面から内部へ拡散させることが
できる。また、別の加熱方法として、半導体基板7を設
置するステージ6内部にヒータを内臓しておき、所定温
度に加熱しても良い、このときにステージ6の平面を半
導体基板7と同じ形状となるように形成することで効率
良く加熱することができ、またステージ6の平面の大き
さを半導体基板7の平面の面積以下の大きさとすること
で、ステージ6そのものにドーパント原子がドーピング
されることを抑制することが可能となる。さらに、反射
した光の一部が半導体基板に照射されて半導体基板にダ
メージを与えることを防ぐことができる。
【0021】このときのドーピングによる拡散層の深さ
は、半導体基板7の温度が高いと拡散速度が大きくなる
ため深くなり、温度が低いと拡散が遅いために浅くな
る。また、加熱時間にも依存し、長時間加熱した状態に
保つとドーパント原子が深くドーピングされる。このと
きに従来のように半導体基板7の表面のシリコンを溶融
させることなく低温でのドーパント原子のドーピングが
可能となるため、半導体基板7内にドーピングされたド
ーパント原子の熱拡散が抑制でき、半導体基板7の表面
からの拡散層の深さが0.1μm程度の浅い接合を形成
することが可能である。また、半導体基板7の温度を4
00℃以下とした場合においては、半導体基板7の温度
が低いため、レーザ光によって励起分解したドーパント
原子は拡散することなく半導体基板7の表面に純粋なボ
ロン原子からなる層として積層される。このドーパント
原子の積層後、半導体基板7の温度をランプを用いて上
昇させることで半導体基板7の内部に熱拡散させ、ドー
パント原子のドーピングを行い、拡散層を形成すること
が可能となる。さらに、ドーピングの前に、半導体基板
7上のドーピングが不要な領域に、あらかじめシリコン
酸化膜、シリコン窒化膜等のマスクとなり得る膜をパタ
ーン形成しておくことで、選択的にドーピングすること
が可能となる。
【0022】また、チャンバ5内において、半導体基板
7の近傍でドーパントガスに吸収されなかったレーザ光
は、チャンバ5内の光路上に設けられた反射防止板11
に吸収させることで、レーザ光の局部的な照射によるチ
ャンバ5の損傷を抑制することが可能となる。このとき
に、レーザ光の光強度をモニタする機能を持つ反射防止
板11をArFエキシマレーザ1に対向する位置に設置
することで光強度を調整することが可能になり、これに
よってドーパント原子のドーピング量の調整を精度良く
行うことが可能となる。また、ドーパント原子であるボ
ロン原子が半導体基板7中を非常に拡散し易い性質を持
っていることを考慮し、このボロン原子の熱拡散防止の
ために、窒素原子をあらかじめ拡散層にドーピングして
おくことで、ドーパント原子の拡散を抑えることがで
き、寸法精度の良い素子の形成が可能となる。さらに、
ドーパント原子のドーピングの際に調整機構10を駆動
させ、半導体基板7を回転させることで、半導体基板7
の表面にドーパント原子を均一にドーピングすることが
でき、短時間で広範囲にドーピングすることが可能にな
る。これに加え、半導体基板7上に平行に照射されるレ
ーザ光をレンズ及びコリメータレンズを介して照射する
ことで、レーザ光の幅を広げることができ、より高スル
ープットで広範囲のドーピングが可能になる。
【0023】実施の形態2.図2は、また別の実施の形
態によるドーピング装置を示す図であり、半導体基板7
の一主面に対して平行な断面図を示している。図におい
て符号12a〜12eはレーザ光を反射させる反射板で
あり、符号13はArFエキシマレーザ1から発振する
レーザ光の光路を示しており、その他、既に説明した符
号と同一符号は同一、若しくは相当部分を示すものであ
る。
【0024】この実施の形態2と実施の形態1の相違点
は、実施の形態1ではチャンバ5内のレーザ光をチャン
バの窓4に対向する位置に設けた反射防止板11で吸収
していたが、この実施の形態2ではチャンバ5内に反射
板12aないし12eを設置し、チャンバ5内でレーザ
光を反射させた点である。この反射板12aないし12
eの角度を調整し、この反射板12aないし12eに入
射したレーザ光が反射し、半導体基板7の一主面の近傍
を通過し、且つ一主面に対して平行に反射するように設
定することで、チャンバ5内部でのレーザ光の光路長を
長くする。このような反射板12aないし12eを用い
る場合は、同じ量のドーパント原子を同じ処理時間で発
生させるのに小さい光強度で効率良く処理することが可
能となる。さらに、反射したレーザ光が半導体基板7上
を透過するように反射板角度を調整することで半導体基
板7上にある光路長を効率良く大きくすることが可能と
なる。実施の形態1の説明に示したように、レーザ光の
照射によってチャンバ5内部に導入されているドーパン
トガスB26又はBF3はレーザ光を吸収し、励起分解
してドーパント原子(ボロン原子)が生じる。このとき
に、本実施の形態ではレーザ光の光路長が長いため、短
時間でかつ小さなレーザ光強度で効率良くドーパント原
子を発生させることができる。このときの半導体基板7
の温度が400℃未満の場合はドーパント原子からなる
層またはシリコン原子とドーパント原子の化合物層は半
導体基板7上に積層され、その後の半導体基板の加熱に
よってドーパント原子が熱拡散し、拡散層が形成され、
400〜1100℃の場合はドーパント原子は半導体基
板7上に積層されずに半導体基板7内部に拡散し、拡散
層が形成される。
【0025】また、半導体基板7の全面に、若しくは一
部をシリコン酸化膜やシリコン窒化膜でマスクした半導
体基板7の表面に選択的に、均一濃度のドーピングを行
う場合では、レーザ光が及ぶ範囲が平均的になるように
調整し、半導体基板7の一主面上でのドーパント原子の
発生率を均一とすることで、適切なドーピングを実現で
きる。このときに、ステージに連動されている調整機構
10でステージ6の高さを調整し、さらに調整機構10
の軸部分を回転させることによって、半導体基板7を回
転させ、さらにドーピングの均一性を高めることがで
き、また、広範囲のドーピングを短時間で行うことが可
能になる。
【0026】また、逆に半導体基板7の一主面に部分的
に高濃度な拡散層を形成する場合では、反射板12aな
いし12eの角度を調整し、高濃度の拡散層とする領域
上をレーザ光が通過する回数が多くなるように設定する
ことで、拡散層のドーパント原子の濃度を調整すること
が可能となる。この実施の形態2においても実施の形態
1の場合と同様に半導体基板7に直接レーザ光を照射す
ることがないため、低温でのドーピングを実現でき、半
導体基板7上にパターニングされた導電層等が変形する
ことがなく、レジストパターンが焼け焦げることも抑制
できる。さらに、チャンバ内でのレーザ光の光路長を長
くしているため、比較的弱いレーザ光強度でもドーパン
ト原子の生成量が一定値に達するまでに要する時間は短
く、スループットの向上が可能となる。また、ドーパン
ト原子であるボロン原子が半導体基板7中を非常に拡散
しやすい性質を持っていることを考慮し、このボロンの
熱拡散防止のために、窒素原子をあらかじめ拡散層にド
ーピングしておくことで、ドーパント原子の拡散を抑え
ることができ、寸法精度の良い素子の形成が可能とな
る。
【0027】実施の形態3.図3は、この発明第三の実
施の形態を示す図であり、半導体基板7へのドーパント
原子の選択的なドーピング方法を示すフロー図である。
図において、14はドーパント原子のドーピングを行わ
ない領域上に形成されたレジストパターン、15はドー
パント原子が積層されて形成されたドーパント原子層、
16はドーパント原子層15からドーパント原子が半導
体基板7の一主面から所定距離の深さまで拡散して形成
された拡散層をそれぞれ示している。その他、既に説明
に用いた符号と同一符号は同一、若しくは同等部分を示
すものである。この発明によるドーピング方法の特徴
は、レジストパターンをドーピングを行わない領域にま
ず形成し、レジストパターンが形成されていない領域に
選択的にドーピングを行うという点にある。
【0028】この発明によるドーピング方法は、まず、
図3(a)に示すように、写真製版装置等を用いて半導
体基板7上のドーピングを必要としない領域上にレジス
トパターン14を形成する。その後、半導体基板7を実
施の形態1、2のいずれかに示したドーピング装置内の
ステージ上に設置し、ドーパントガスの導入口8から例
えばドーパントガス(B26)を導入し、ArFエキシ
マレーザ1からレーザ光を照射し、ドーパントガスがこ
のレーザ光を吸収することでドーパント原子と水素分子
に励起分解する。このとき生じたドーパント原子(ボロ
ン原子)は、レジストに影響を与えない程度の温度、1
50℃以下の温度としておき、この温度の範囲で、比較
的高い基板温度の場合は半導体基板7の表面のシリコン
と結合してSiB6からなるドーパント原子層15が形
成され、また、この場合よりもさらに比較的低い基板温
度が低い場合は励起分解したドーパント原子が半導体基
板7表面及びレジストパターン14上に積層され純粋な
ボロン原子からなるドーパント原子層15が図3(b)
に示すように形成される。
【0029】その後、メガソニック洗浄処理を行うか、
若しくは、まず湿式レジスト除去処理を行ない、半導体
基板7上に形成したレジストパターン14を除去して図
3(b)で示すレジストパターン14の部分を空洞化さ
せる。その後、高圧の水流を用いて空洞化した部分の上
層に形成されているドーパント原子層15のみを取り去
り、図3(c)に示すような状態とする。次に、半導体
基板7をステージ6内部に形成したヒータによって、1
000℃程度に加熱するか、チャンバ5内から取り出
し、あらかじめ1000℃に加熱してあったホットプレ
ートに載せて30秒程度の加熱を行うか、若しくはチャ
ンバ5の内部に設置した加熱用ランプによって半導体基
板7を1000℃の温度で30秒間加熱するか、あらか
じめ800〜900℃程度の温度に加熱した炉の中に3
0分間程度置きアニールすることで、ドーパント原子層
15からドーパント原子(ボロン原子)を半導体基板7
内に熱拡散させ、ドーピングを行い、図3(d)に示す
ように拡散層16を形成する。
【0030】この熱拡散の際に、ドーパント原子層15
が薄く形成されている場合は、ドーパント原子がすべて
半導体基板7内に吸収されてしまうが、ドーパント原子
層15が半導体基板内に拡散させる量よりも多くのドー
パント原子から成っており、さらに、熱処理の時間が短
かい場合、非常に浅い拡散層を形成する場合では、熱拡
散後においてもドーパント原子層15が残るため、これ
をフッ化アンモニウム水溶液中に浸すことで除去し、そ
の後、洗浄することで図3(e)に示す拡散層16を備
えた半導体基板7を形成することが可能になる。また、
ドーパント原子であるボロン原子が半導体基板7中を非
常に拡散し易い性質を持っていることを考慮し、このボ
ロン原子の熱拡散防止のために、窒素原子をあらかじめ
拡散層にドーピングしておくことで、ドーパント原子の
拡散を抑えることができ、寸法精度の良い素子の形成が
可能となる。さらに、レーザ光を半導体基板の一主面に
対して平行に照射しているために、広範囲のドーピング
の場合もスループットを向上させることができる。
【0031】実施の形態4.図4は、この発明の実施の
形態4を示すドーピング装置であり、この装置の構造は
実施の形態1ないし3において用いるドーピング装置に
プラズマ生成室17を付加した構造となっている。ま
た、この図4に付した符号は、既に説明に用いた符号と
同一符号は同一、若しくは相当部分を示すものである。
この図4に示したドーピング装置を用いて、深さ0.1
μm程度の浅い拡散層を形成する工程について説明す
る。
【0032】まず、ドーピングしようとする半導体基板
7をチャンバ5内のステージ6に載せる。次に実施の形
態1ないし3と同様に、ガス導入口8からプラズマ生成
室17内にドーパントガス(B26またはBF3)を導
入し、プラズマ生成室17内に満たす。プラズマ生成室
17内ではプラズマ放電を行うことによりボロン(ボロ
ン原子)を含んだイオン、またはラジカルが発生する。
発生したイオンやラジカルは、空間的に接続されている
チャンバ5の内部に導入され、その後は、実施の形態1
ないし3のいずれかと同様に、半導体基板7の一主面に
平行にArFエキシマレーザ1から発振するレーザ光を
照射し、レーザ光がドーパント原子(ボロン原子)を含
むイオン若しくはラジカルと反応してドーパント原子が
発生し、このドーパント原子が半導体基板7の一主面に
積層される。
【0033】ドーパント原子を含むイオンやラジカルは
レーザ光に対する反応性が非常に高いためにドーパント
原子の発生率が高く、ドーピングに要する時間の短縮が
行え、スループットが向上する、または弱い光強度のレ
ーザを用いてもドーパント原子を十分に発生させること
が可能となる効果がある。ドーパント原子を発生させた
ときの半導体基板7の温度が400°C以上の温度であ
る場合は雰囲気中のドーパント原子が半導体基板7内部
に直接拡散し、拡散層が形成される。また、400°C
よりも低い温度の場合は半導体基板7の一主面上にドー
パント原子層が形成され、その後、半導体基板7を加熱
することでドーパント原子層中のドーパント原子(ボロ
ン原子)を半導体基板7に拡散させ、拡散層を形成する
ことが可能となる。また、ドーピング装置に半導体基板
7を設置する前に、あらかじめシリコン酸化膜やシリコ
ン窒化膜でドーピングをしない領域にマスクをかけてお
き、その後、ドーパント原子のドーピングを行うことで
マスクを形成していない領域に対して、選択的なドーピ
ングを行うことも可能であり、MOSトタンジスタのソ
ース/ドレイン領域の形成等に用いることが可能であ
る。また、ドーパント原子であるボロン原子が半導体基
板7中を非常に拡散し易い性質を持っていることを考慮
し、このボロン原子の熱拡散防止のために、窒素化合物
からなるガスをチャンバ5内に導入し、レーザ光を照射
することで窒素原子を生成し、半導体基板7にドーピン
グする等して、窒素原子をドーピングすることで、ドー
パント原子の拡散を抑えることができ、寸法精度の良い
素子の形成が可能となる。
【0034】実施の形態5.図5は、この発明の実施の
形態5のドーピング方法を示す工程図である。この図5
において、符号18は半導体基板7の表面に対してフッ
化水素処理し、超純水でリンスすることによって水素終
端した水素終端部を示すものであり、符号19は水素終
端から離脱した水素を示している。また、符号20は半
導体基板7の一主面に対して平行に照射されるレーザ
光、21は半導体基板7上にドーパント原子が積層さ
れ、若しくは吸着されて形成されるドーパント原子層を
示しており、その他、既に説明に用いた符号と同一符号
は同一、若しくは相当部分を示すものである。次に、こ
のドーピング方法を図面を参照して説明する。
【0035】まず、半導体基板7のドーピングをしない
領域上にレジストパターン14を形成し、その後、フッ
化水素処理を行い、超純水でリンスする。これによっ
て、半導体基板の一主面の、レジストパターン14が形
成されていない領域を水素終端し、水素終端部18を形
成する。その後、図4に示したプラズマ生成室17を備
えたドーピング装置に、この半導体基板7を設置する。
このときの半導体基板7の温度は150°C以下とし、
パターニングしたレジストパターン14の形状、組成に
影響を与えないように設定する。次に、ガス導入口8か
らプラズマ生成室17にアルゴンガスを導入し、プラズ
マ放電を行うことによってアルゴンイオン、若しくはラ
ジカルを発生させる。ここで発生したアルゴンイオン若
しくはラジカルが空間的に接続された状態にあるチャン
バ5内に導入され、半導体基板7上に到達すると、水素
終端部18と反応し、水素終端の水素19は切り離さ
れ、半導体基板7の水素終端部18はダングリングボン
ドに変化する。この状態を図5(a)に示す。水素終端
部18の水素19が切除され、ダングリングボンドで覆
われた面は、ダングリングボンドで覆われていないレジ
ストパターン14の表面と比較して、非常にドーパント
原子(ボロン原子)を吸着し易い状態となっている。
【0036】次に、アルゴンガスを含む雰囲気をガス排
出口9から排出し、その後、ガス導入口8からドーパン
ト原子を含むドーパントガス(B26若しくはBF3
を導入し、チャンバ5の内部にドーパントガスを充満さ
せる。その後、ArFエキシマレーザ1からレーザ光を
発振させ、半導体基板7の一主面に対して平行に照射
し、例えばB26若しくはBF3を励起分解することで
ドーパント原子(ボロン原子)を発生させる。このドー
パント原子はダングリングボンドをその表面に有する半
導体基板7に選択的に結合し、短時間の処理でドーピン
グ領域上に対して高い選択性を持ってドーパント原子層
21を形成することが可能となる。この状態を図5
(b)に示す。その後、レジストパターン14を除去し
(図5(c))、半導体基板7を加熱することによって
ドーパント原子層21内のドーパント原子を半導体基板
7内部に拡散させ、拡散層16を形成することができる
(図5(d))。
【0037】このドーピングの際のドーパント原子層2
1はレジストパターンが形成されていない部分に集中的
に積層形成され、レジストパターン14上には、ほとん
どドーパント原子は積層されないか、レジストパターン
14が形成されていない領域に比べて非常に薄い層が形
成されるかのいずれかの状態となり、レジストパターン
14上にドーパント原子層21が形成された場合におい
ても、レジスト上の層が薄いために、実施の形態3と同
様に、リフトオフ処理を行うことによって、容易にレジ
ストパターン14とその上層に積層された層を除去する
ことが可能となる。また、ドーパント原子であるボロン
原子が半導体基板7中を非常に拡散し易い性質を持って
いることを考慮し、このボロン原子の熱拡散防止のため
に、拡散層に窒素原子をドーピングすることで、ドーパ
ント原子の拡散を抑えることができ、寸法精度の良い素
子の形成が可能となる。
【0038】さらに、ドーパント原子であるボロン原子
が半導体基板7中において拡散し易い性質を持っている
ことを考慮し、このボロン原子の熱拡散防止のために、
窒素原子をあらかじめ拡散層にドーピングしておくと、
その後の熱処理工程におけるボロン原子の拡散を抑える
ことができ、微細加工に必要な0.1μm程度の浅い接
合が形成でき、寸法精度の良い素子の形成が可能とな
る。
【0039】窒素原子を拡散層16にドーピングする方
法としては、ドーパントガスをチャンバ内に導入する際
に、NH3ガス(アンモニアガス)を混入させておき、
ドーパント原子のドーピングと同時に半導体基板7の表
面にドーピングするという方法がある。さらに、別の方
法として、ドーパント原子のドーピングと窒素原子のド
ーピングを別々の工程で行っても、その後の熱処理工程
におけるドーパント原子の熱拡散を抑制することが可能
となる。
【0040】実施の形態6.次に、別の発明の実施の形
態について説明する。この発明は、半導体基板の一主面
に対して、選択的に不純物をドーピングする際の半導体
基板上に形成するシリコン酸化膜からなるマスクの形成
に特徴がある。図6はこの発明のドーピング方法を示す
工程図である。まず、単結晶シリコンからなる半導体基
板7の一主面をフッ化水素処理し、その後、超純水でリ
ンスすることで図6(a)に示すように半導体基板7の
一主面を水素終端面22とする。
【0041】その後、実施の形態4の説明に用いた図4
に示すドーピング装置のチャンバ5内部に酸素ガスを導
入し、ドーピング装置内の調整機構10によって半導体
基板7の一主面のレーザ光に対する角度を調整し、半導
体基板の一主面の不純物のドーピングを必要としない領
域に対してレーザ光23を垂直に照射し、水素終端面2
2の水素終端を部分的に切除する(図6(b))。さら
に、この水素終端の切除とともに、レーザ光23の照射
により、チャンバ5内部の酸素分子がこの光を吸収し、
励起分解して酸素原子が生成される。生成された酸素原
子は水素終端を切除され、ダングリングボンドとなって
いる半導体基板7の一主面に結合し、シリコン酸化膜2
4となる(図6(c))。
【0042】次に、チャンバ5内の酸素ガスをガス排出
口9から排出し、その後、ガス導入口8からアルゴンガ
スを導入し、プラズマ生成室17内でプラズマを発生さ
せ、アルゴンイオン、ラジカルを生成する。ここで生成
されたアルゴンイオン、ラジカルはチャンバ5内部に移
動し、半導体基板7の一主面の水素終端面22に到達す
ると、水素終端と反応して水素を半導体基板7の表面か
ら切り離し、シリコン酸化膜24が形成されていない領
域はダングリングボンドが形成され、他の物質が結合し
易い状態となる。
【0043】その後、チャンバ5内及びプラズマ生成室
17内のアルゴンガスを排出し、ドーパントガス(B2
6ガス)を導入する。次に、ArFエキシマレーザ1
からレーザ光が照射された場合に、このレーザ光の光路
が半導体基板7の一主面に対して平行となるように調整
機構10で半導体基板7の角度を調整し、さらに、半導
体基板7の一主面から所定距離離し、一主面に対して平
行にレーザ光25を照射する。このレーザ光25がドー
パントガスのB26分子に照射されると、この分子は光
を吸収し、励起分解し、ドーパント原子(ボロン原子)
が生成される。このドーパント原子は半導体基板7の一
主面のダングリングボンドとなっている部分に結合し、
ドーパント原子層26が形成される(図6(d))。
【0044】次に、半導体基板7をステージ6内部に形
成したヒーターによって、1000℃程度に加熱する
か、チャンバ5内から取り出し、あらかじめ1000℃
に加熱してあったホットプレートに載せて30秒程度の
加熱を行うか、若しくはチャンバ5の内部に設置した加
熱用ランプによって半導体基板7を1000℃の温度で
30秒間加熱するか、あらかじめ800〜900℃程度
の温度に加熱してあった炉の中に30分間程度置きアニ
ールすることで、ドーパント原子層26からドーパント
原子(ボロン原子)を半導体基板7内に熱拡散させ、ド
ーピングを行い、拡散層を選択的に形成することが可能
となる。
【0045】実施の形態7.また、半導体基板7の一主
面上に選択的に拡散層を形成する別の方法について説明
する。まず、図7に示すように、実施の形態6と同様
に、水素終端した半導体基板7の一主面がArFエキシ
マレーザ1から照射されるレーザ光の光路に対して垂直
となるように設置する。次に、ArFエキシマレーザ1
と半導体基板7の一主面との間に、ドーパント原子のド
ーピングを行う領域を抜いたマスク27を設置し、この
マスク27を介して、半導体基板7表面の任意の領域に
対してレーザ光の選択的な照射を行う。このときにチャ
ンバ5内にドーパント原子を含む、ドーパントガス(B
26ガス)を導入した状態としておくことで、このB2
6分子にレーザ光が照射された場合に、B26分子が
レーザ光を吸収して励起分解し、ドーパント原子(ボロ
ン原子)が生成される。
【0046】このドーパント原子の生成と同時に、半導
体基板7の表面の、レーザ光が照射された部分は温度が
上昇し、ドーパント原子を吸収し易い状態となる。ま
た、ドーピングを行おうとする領域上でドーパント原子
を発生させるため、半導体基板7の一主面に選択的にド
ーパント原子をドーピングすることが可能となる。
【0047】また、図7に示したレンズ2、3、マスク
27の代わりに、図8に示すように、レーザ光を微小ス
ポットに絞り、走査することが可能なレーザビーム走査
機構28を設けることでも、少ない処理工程で半導体基
板7に対して選択的なドーピングが可能となる。また、
レーザビーム走査機構28により、レーザ光を照射する
領域を任意に変化させることで、半導体基板7に対して
選択的なドーピングを行うことが可能となる。
【0048】さらに、図7、図8に示した装置を用い
て、半導体基板7上に、二酸化シリコンからなる任意の
形状の膜を形成することが可能である。シリコン酸化膜
は、ドーパント原子の全面ドーピングを行う際に、あら
かじめドーピングを必要としない領域上に酸化膜を形成
しておくことで、この酸化膜が形成されていない領域に
対して、選択的にドーピングすることが可能となるとい
う効果がある。
【0049】また、一般的に、酸化膜の形成の際には、
半導体基板を炉に入れるなどして、高温酸化処理する方
法が用いられるが、このように、半導体基板全体を加熱
する場合は部分的な加熱よりも時間的にも、エネルギー
的にも効率が悪く、既にパターンを形成済みの半導体基
板には、パターン変形の恐れがあるためこの方法を用い
ることができないという問題があった。
【0050】図7、図8に示したドーピング装置を用い
たシリコン酸化膜の形成方法では、ArFエキシマレー
ザ1から発振するレーザ光がチャンバ5内の半導体基板
7の一主面に垂直に照射されるように半導体基板7の位
置を調整し、チャンバ5内に酸素ガスを導入し、マスク
27を介してレーザ光を照射するか、レーザビーム走査
機構28で任意の形状に調整したレーザ光を照射する。
半導体基板7表面のレーザ光が照射された領域は、その
温度が上昇するため、雰囲気中の酸素と反応して、シリ
コン酸化膜に変化する。このように、選択ドーピングの
際のマスクとなるシリコン酸化膜を形成することで、酸
化膜以外の領域を無駄に加熱することがないため、あら
かじめ形成済みのパターンの寸法制度の悪化を抑制する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態によるドーピング装置
を示す図。
【図2】 この発明の実施の形態によるドーピング装置
を示す図。
【図3】 この発明の実施の形態によるドーピング方法
を示す図。
【図4】 この発明の実施の形態によるドーピング装置
を示す図。
【図5】 この発明の実施の形態によるドーピング方法
を示す図。
【図6】 この発明の実施の形態によるドーピング方法
を示す図。
【図7】 この発明の実施の形態によるドーピング装置
を示す図。
【図8】 この発明の実施の形態によるドーピング装置
を示す図。
【図9】 従来の技術によるドーピング装置を示す図。
【符号の説明】
1.ArFエキシマレーザ 2、3.レンズ 4.チャンバの窓 5.チャンバ 6.ステージ 7.半導体基板 8.ガス導入口 9.ガス排出口 10.調整機構 11.反射防止板 12a〜12e.反射板 13.レーザ光 14.レジストパターン 15.ドーパント
原子層 16.拡散層 17.プラズマ生
成室 18.水素終端部 19.水素 20.レーザ光 21、26.ドー
パント原子層 22.水素終端面 23、25.レー
ザ光 24.シリコン酸化膜 27.マスク 28.レーザビーム走査機構

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定温度に加熱した半導体基板の一主面
    から所定距離離してレーザ光を照射する工程、上記半導
    体基板の周囲の雰囲気中のドーパント原子を含むドーパ
    ントガス若しくはイオンまたはラジカルを励起分解して
    ドーパント原子を生成し、生成したドーパント原子を上
    記半導体基板の一主面にドーピングする工程を含むドー
    ピング方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも半導体基板の一主面の一部を
    フッ化水素処理する工程、上記フッ化水素処理した半導
    体基板の一主面を超純水でリンスして水素終端する工
    程、上記水素終端した半導体基板の一主面に対して所定
    のイオン若しくはラジカルを反応させ水素終端を切る工
    程、上記半導体基板の一主面から所定距離離してレーザ
    光を照射する工程、上記半導体基板の周囲の雰囲気中の
    ドーパント原子を含むドーパントガス若しくはイオンま
    たはラジカルを励起分解してドーパント原子を生成し、
    生成したドーパント原子を上記半導体基板の一主面に積
    層する工程、上記半導体基板を加熱し、一主面に積層さ
    れたドーパント原子を上記半導体基板内に熱拡散させて
    ドーピングする工程を含むドーピング方法。
  3. 【請求項3】 所定温度に加熱した半導体基板の一主面
    から所定距離離してレーザ光を照射する工程、上記半導
    体基板の周囲の雰囲気中のドーパント原子を含むドーパ
    ントガス若しくはイオンまたはラジカルと窒素化合物を
    励起分解してドーパント原子及び窒素原子を生成し、生
    成したドーパント原子及び窒素原子を上記半導体基板の
    一主面にドーピングする工程を含むドーピング方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板の一主面上に所望のマスクパ
    ターンを形成する工程、上記半導体基板の一主面から所
    定距離離してレーザ光を照射する工程、上記半導体基板
    の周囲の雰囲気中のドーパント原子を含むドーパントガ
    ス若しくはイオンまたはラジカルを励起分解してドーパ
    ント原子を生成し、生成したドーパント原子を上記半導
    体基板の一主面上に積層する工程、上記マスクパターン
    と上記マスクパターン上に積層されたドーパント原子を
    同時に除去する工程、上記半導体基板を加熱し、一主面
    に積層されたドーパント原子を上記半導体基板内に拡散
    させる工程を含むドーピング方法。
  5. 【請求項5】 レーザ光は半導体基板の一主面に対して
    平行に照射することを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか一項記載のドーピング方法。
  6. 【請求項6】 半導体基板はドーパント原子をドーピン
    グする際に回転させることを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれか一項記載のドーピング方法。
  7. 【請求項7】 半導体基板の周囲の所定位置に配置され
    た反射板によってレーザ光を反射させ、光路長を長く
    し、上記半導体基板の一主面に、レーザ光によってドー
    パントガス、若しくはドーパント原子を含むイオン若し
    くはラジカルを励起分解させて生じるドーパント原子を
    多数ドーピングすることを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれか一項記載のドーピング方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも半導体基板の一主面の一部を
    フッ化水素処理する工程、上記フッ化水素処理した半導
    体基板の一主面を超純水でリンスして水素終端する工
    程、上記半導体基板を設置したチャンバ内に酸素ガスを
    導入する工程、半導体基板の一主面にレーザ光を照射
    し、半導体基板上の水素終端を切るとともにチャンバ内
    の酸素ガスを励起分解し、酸素原子を発生させる工程、
    上記半導体基板上の水素終端が切れた領域に酸素原子を
    結合させ、シリコン酸化膜を形成する工程、上記シリコ
    ン酸化膜をマスクにし、半導体基板の一主面にドーパン
    ト原子をドーピングする工程を含むドーピング方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも内部に半導体基板を設置する
    ステージを備えたチャンバ、上記チャンバ内にドーパン
    トガスを導入、排出するガス導入口及びガス排出口、上
    記ステージ上に設置された半導体基板の一主面に対して
    平行にレーザ光を照射するエキシマレーザ、上記エキシ
    マレーザから発振するレーザ光を吸収する反射防止板を
    備えたことを特徴とするドーピング装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも内部に半導体基板を設置す
    るステージを備えたチャンバ、上記チャンバ内にドーパ
    ントガスを導入、排出するガス導入口及びガス排出口、
    上記ステージ上に設置された半導体基板の一主面に対し
    て平行にレーザ光を照射するエキシマレーザ、上記エキ
    シマレーザから発振するレーザ光を半導体基板の一主面
    に対して平行に反射させる反射板を備えたこと特徴とす
    るドーピング装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも内部に半導体基板を設置す
    るステージを備えたチャンバ、上記チャンバ内にドーパ
    ントガスを導入、排出するガス導入口及びガス排出口、
    上記ステージ上に設置された半導体基板の一主面に対し
    て垂直にレーザ光を照射するエキシマレーザ、上記エキ
    シマレーザから発振するレーザ光の光路上に設置したマ
    スクを備えたことを特徴とするドーピング装置。
  12. 【請求項12】 少なくとも内部に半導体基板を設置す
    るステージを備えたチャンバ、上記チャンバ内にドーパ
    ントガスを導入、排出するガス導入口及びガス排出口、
    上記ステージ上に設置された半導体基板の一主面の任意
    の領域に対して垂直にレーザ光を照射するレーザビーム
    走査機構を備えたことを特徴とするドーピング装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012256879A (ja) * 2011-06-07 2012-12-27 Ultratech Inc 集積回路の製造における、パターン密度効果を低減させた超高速レーザーアニーリング
WO2016031019A1 (ja) * 2014-08-28 2016-03-03 国立大学法人九州大学 レーザ照射装置及びレーザ照射方法
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CN116631916B (zh) * 2023-07-14 2024-01-12 深圳快捷芯半导体有限公司 一种半导体硅片局部掺杂装置

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