JPH0972864A - X線回折測定装置 - Google Patents

X線回折測定装置

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JPH0972864A
JPH0972864A JP7226809A JP22680995A JPH0972864A JP H0972864 A JPH0972864 A JP H0972864A JP 7226809 A JP7226809 A JP 7226809A JP 22680995 A JP22680995 A JP 22680995A JP H0972864 A JPH0972864 A JP H0972864A
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JP
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axis
sample
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measurement
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JP7226809A
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English (en)
Inventor
Kimitoshi Mieno
公利 三重野
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NIPPON DENSHI ENG
Jeol Ltd
Jeol Engineering Co Ltd
Original Assignee
NIPPON DENSHI ENG
Jeol Ltd
Jeol Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置を大型化することなく、X線回折測定装
置の測定精度を向上させること。 【解決手段】 固定支持された円弧状X線検出部を有す
る位置敏感型比例計数管12と、第1軸線χの回りに回
転可能な第1回転部材13と、第1回転部材13によ
り、前記第1軸線χに交わる第2軸線ω回りに回転可能
に支持された第2回転部材17と、前記第2回転部材1
7により前記第1軸線χおよび第2軸線ωの交点を通り
前記第2軸線ωに垂直な面内に有る第3軸線φ回りに回
転可能に支持された第3回転部材23と、第3軸線φに
平行なZ軸方向に移動可能で且つ、前記第2回転部材1
7と前記第3回転部材23との間に設けられたZテーブ
ル19と、前記Z軸と共に直交する3軸を構成するX軸
およびY軸の各軸方向にそれぞれ移動可能で且つ、前記
第3回転部材23に支持されたXテーブル27およびY
テーブル29とを備えたX線回折測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直交するχ軸、ω
軸、φ軸の3つの回転軸回りに回転可能に支持された試
料にX線を照射して、そのX線が照射された試料からの
回折X線を検出するPSPC(Position Sensitive P
roportional Counter)を用いたX線回折測定装置に関
する。本発明のX線回折測定装置は、試料に含まれる極
めて微小な介在物や、微小試料の結晶構造あるいは微視
的残留応力等の研究、検査、測定等に使用される。
【0002】
【従来の技術】前記種類の従来のX線回折測定装置とし
ては、特開平6−300717号公報、特開平7−65
774号公報等が知られている。これらの公報に記載さ
れたX線回折測定装置は、互いに直交するχ軸、ω軸、
φ軸の3つの回転軸のいずれかの軸回りに順次回転自在
に支持される第1、第2、第3の回転部材と、前記3つ
の回転軸とは異なる直交するX軸、Y軸、Z軸の中の2
軸(例えばX軸およびY軸)に沿って移動制御され且つ
Z軸方向に手動で位置設定されるるXYテーブルとを用
いて試料の位置および姿勢を制御する手段と、前記試料
にX線ビームを照射するX線照射装置と、試料からの回
折X線を検出する検出器等により構成されている。そし
て、試料の位置および姿勢を制御する手段は、前記第
1、第2、第3の回転部材を回転させる回転駆動手段
と、前記XYテーブルをX軸、Y軸方向に移動させる移
動手段と、試料の複数の測定点を前記3つの回転軸の交
点に移動させた際のXYテーブルのX座標およびY座標
を記憶する手段と、前記試料の複数の測定点を所定の順
序で前記交点に移動させるように前記移動手段を制御す
る装置等により構成されている。
【0003】前記従来のX線回折測定装置では、平板状
の試料表面の複数の測定点を測定する場合、試料の測定
点のZ軸方向の位置を手動で設定し、その後、試料の複
数の測定点に対応して記憶されたXY座標データを順次
読出して、XYテーブルを自動的に移動させながら測定
を行っていた。図7は前記従来のX線回折測定装置の測
定方法の説明図である。図7は、試料表面を測定点に区
切って番地を付けた図である。測定方式にはA1番地か
ら順番にA9番地までスキャニングする方法とA1,A
5,A9等任意に抽出して記憶させた番地のみを測定する
マッピング測定方式とがある。これらの方法において、
従来は試料高さはある測定点で設定しただけで、その他
の測定点での測定では高さ位置は前記設定した高さで測
定していた。
【0004】次に、試料の残留応力をX線回折測定装置
を用いて測定する場合の試料位置の誤差について説明す
る。図8は試料の表面(以下、「試料面」ともいう)S
に対する入射X線および回折X線の説明図であり、図8
Aは試料面と回折面との角度ψが大きくなると試料の格
子面間隔dおよび残留応力σが大きくなることを示す
図、図8Bは試料面と回折面との角度ψと、入射X線お
よび回折X線が試料面となす角度との関係を示す図であ
る。図8Bに示すように、入射X線が試料面となす角度
がθ−ψの場合には回折X線と試料面とのなす角度はθ
+ψとなる。
【0005】図9は前記試料面に高さ方向の誤差が生じ
た場合の測定値への影響を示す図である。図9におい
て、X線ビーム照射装置01はX線発生源02およびコ
リメータ03を有しており、試料Sの測定点OにX線ビ
ームを照射する。試料Sの位置が測定点Oにある場合の
回折X線の方向はL1であり、試料SがΔzずれてS′
に在る場合にはX線ビームは試料の点Aに入射し、その
場合の回折X線の方向はL2となる。この場合、PSP
Cの回折X線検出用のワイヤ04に入射する回折X線は
L3から入射したものとして検出されるため、角度Δ2
θの誤差が生じることになる。なお、前記誤差Δ2θは
下記の式で定まることは周知である。前記測定点Oを中
心とする前記ワイヤ04の半径をr、測定点OからL2
に下ろした垂線の足をH、試料S′に下ろした垂線の足
をBとすると、次の式が成り立つ。 Δz/Δx=OB/AB=tan(θ−ψ) …………………………(1) OH=rsinΔ2θ ………………………………………………………(2) OB=Δz OA=Δz/sin(θ−ψ) 角OAH=π−2θ OH=OAsin(π−2θ)……………………………………………(3) 前記式(2)および(3)より次式が得られる。 Δ2θ=sin\t-1\t{Δz sin(π−2θ)}/{r si
n(θ−ψ)} また、前記式(1)より次式が得られる。 Δx=Δz cot(θ−ψ)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、試料
の高さ(Z方向の位置)に誤差が生じるとX線回折測定
装置の測定値に誤差が生じることは従来周知である。し
かしながら、前述したように従来技術では、試料のZ軸
方向の位置は一度手動で設定した後は、XYテーブルを
移動させて試料の測定点のXY座標を移動させても、Z
方向の位置は調整していなかった。この理由は、前記Z
方向の位置の誤差は小さく、X線回折測定装置の測定値
には余り大きく影響しないと考えられていたからと思わ
れる。しかしながら、試料をXYテーブル上に固定する
際に接着剤や、両面テープ等を使用する方法を採用する
と、装置の上下、左右方向に機械的誤差が無くても、試
料表面には傾きが生じているものと考えられる。試料に
傾きが生じた場合には、試料表面の測定点を移動させる
ためにXYテーブルを移動させた際、新たな測定点のZ
座標は異なることになる。すなわち、装置の上下、左右
方向に機械的誤差が無くても、試料のZ軸方向の位置に
は誤差を生じている。
【0007】本発明者の研究によれば、前記試料の測定
点毎に、XYテーブルの位置だけでなく、Z軸方向の位
置も調節することにより非常に高精度のX線回折測定装
置が得られることが分かった。また、本発明者の研究に
よれば、X線回折測定装置において、直交するχ軸、ω
軸、φ軸の3つの回転軸の軸回りに順次回転自在に支持
される第1、第2、第3の回転部材の中の前記第3回転
部材に、位置が自動制御されるXYZテーブルを支持
し、そのXYZテーブルに試料保持部を支持する構成を
採用すると、XYZテーブルが移動してもχ軸、ω軸、
φ軸の交点位置(試料測定位置)が変化しない。したが
って、そのような構成を採用すると、都合が良いが、次
の様な問題点が有ることが分かった。
【0008】図10において、05はPSPCの内側ケ
ースを示し、06は外側ケースを示す。例えばr=90
mmとした場合、内側ケース05の半径r1は70mm
程度となる。前記第3の回転部材にXYZテーブルTを
支持してχ軸、ω軸、φ軸回りに回転させたときに、X
YZテーブルTおよび第3の回転部材が前記内側ケース
05に当たらないようにする必要がある。前記XYZテ
ーブルTで厚さ30mmの試料Sを支持して測定点Oに
試料を配置する必要が有る場合、XYZテーブルTおよ
び第3の回転部材が内側ケース05に当たらないように
するためには、XYZテーブルTおよび第3の回転部材
の高さは40mm以下にする必要がある。しかしなが
ら、XYZテーブルTおよび第3の回転部材を前記40
mm以内に配置することは容易なことではない。前記問
題点を解決するために、前記XYZテーブルTおよび第
3の回転部材の高さを例えば60mmにして、前記rを
120mm、r1を100mmとすることは可能である
が、その場合、装置が大型となるばかりではなく、rが
長くなるため、検出される回折X線の強度が低下すると
いう問題点が生じる。
【0009】本発明は、前述の事情および研究結果に鑑
み、下記の記載内容を課題とする。 (O01)X線回折測定装置の測定精度を向上させるこ
と。 (O02)装置を大型化することなく、X線回折測定装置
の測定精度を向上させること。
【0010】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。ま
た、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0011】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明のX線回折測定装置は、下記の要件を
備えたことを特徴とする、(Y01)固定支持された円弧
状X線検出部を有する位置敏感型比例計数管(12)、
(Y02)第1軸線(χ)回りに回転可能な第1回転部材
(13)、(Y03)前記第1回転部材(13)により前
記第1軸線(χ)に交わる第2軸線(ω)回りに回転可
能に支持された第2回転部材(17)、(Y04)前記第
2回転部材(17)により前記第1軸線(χ)および第
2軸線(ω)の交点を通り前記第2軸線(ω)に垂直な
面内に有る第3軸線(φ)回りに回転可能に支持された
第3回転部材(23)、(Y05)前記第3回転部材(2
3)に支持される試料保持部、(Y06)前記第3軸線
(φ)に平行なZ軸方向に移動可能で且つ、前記第2回
転部材(17)と前記第3回転部材(23)との間に設
けられたZテーブル(19)、(Y07)前記Z軸と共に
直交する3軸を構成するX軸およびY軸の各軸方向にそ
れぞれ移動可能で且つ、前記第3回転部材(23)に支
持されたXテーブル(27)およびYテーブル(2
9)、(Y08)前記第1軸線(χ)、第2軸線(ω)、
および第3軸線(φ)からなる回転3軸線の交点にX線
ビームを照射するX線照射装置(1)、(Y09)前記試
料保持部に保持された試料の複数の測定点をそれぞれ前
記回転3軸線の交点に配置したときのXテーブル(2
7)、Yテーブル(29)およびZテーブル(19)の
各座標を記憶した座標記憶メモリ、(Y010)前記試料
保持部に保持された試料の複数の測定点を前記回転3軸
線(χ,ω,φ)の交点に移動させるように、前記X,
YおよびZテーブル(27,29,19)をそれぞれ移
動させるXテーブル移動手段(D5+28)、Yテーブ
ル移動手段(D6+30)およびZテーブル移動手段
(D4+21)、(Y011)前記試料保持部に保持された
試料の複数の測定点を前記回転3軸線(χ,ω,φ)の
交点に所定の順序で移動させるように、前記Xテーブル
移動手段(D5+28)、Yテーブル移動手段(D6+3
0)およびZテーブル移動手段(D4+21)の作動を
制御するテーブル移動制御手段(C)。
【0012】(第2発明)また、本出願の第2発明のX
線回折測定装置は、下記の要件を備えたことを特徴とす
る、(Y01)固定支持された円弧状X線検出部を有する
位置敏感型比例計数管(12)、(Y02)第1軸線
(χ)回りに回転可能な第1回転部材(13)、(Y0
3)前記第1回転部材(13)により前記第1軸線
(χ)に交わる第2軸線(ω)回りに回転可能に支持さ
れた第2回転部材(17)、(Y04)前記第2回転部材
(17)により前記第1軸線(χ)および第2軸線
(ω)の交点を通り前記第2軸線(ω)に垂直な面内に
有る第3軸線(φ)回りに回転可能に支持された第3回
転部材(23)、(Y05)前記第3回転部材(23)に
支持される試料保持部、(Y06′)互いに直交するX
軸、Y軸およびZ軸の各軸方向にそれぞれ移動可能で且
つ、前記第3回転部材(23)に支持されたXテーブル
(27)、Yテーブル(29)およびZテーブル(1
9)、(Y08)前記第1軸線(χ)、第2軸線(ω)、
および第3軸線(φ)からなる回転3軸線(χ,ω,
φ)の交点にX線ビームを照射するX線照射装置
(1)、(Y09)前記試料保持部に保持された試料の複
数の測定点をそれぞれ前記回転3軸線(χ,ω,φ)の
交点に配置したときのXテーブル(27)、Yテーブル
(29)およびZテーブル(19)の各座標を記憶した
座標記憶メモリ、(Y010)前記試料保持部に保持され
た試料の複数の測定点を前記回転3軸線(χ,ω,φ)
の交点に移動させるように、前記X,YおよびZテーブ
ル(27,29,19)をそれぞれ移動させるXテーブ
ル移動手段(D5+28)、Yテーブル移動手段(D6+
30)およびZテーブル移動手段(D4+21)、(Y0
11)前記試料保持部に保持された試料の複数の測定点を
前記回転3軸線(χ,ω,φ)の交点に所定の順序で移
動させるように、前記Xテーブル移動手段(D5+2
8)、Yテーブル移動手段(D6+30)およびZテー
ブル移動手段(D4+21)の作動を制御するテーブル
移動制御手段(C)。
【0013】
【作用】次に、前述の特徴を備えた本発明の作用を説明
する。 (第1発明の作用)前述の特徴を備えた本出願の第1発
明のX線回折測定装置では、第1軸線(χ)回りに回転
可能な第1回転部材(13)により、第2回転部材(1
7)が前記第1軸線(χ)に交わる第2軸線(ω)回り
に回転可能に支持されている。前記第2回転部材(1
7)にZ軸方向に移動可能に支持されたZテーブル(1
9)のZ軸は、前記第1軸線(χ)および第2軸線
(ω)の交点を通り前記第2軸線(ω)に垂直な面内に
有る第3軸線(φ)と平行に設定されている。そして第
3回転部材(23)は、前記第3軸線(φ)回りに回転
可能に支持される。したがって、第3軸線(φ)は、第
2回転部材(17)を第2軸線(ω)回りに回転させる
ことにより、前記第1軸線(χ)および第2軸線(ω)
の交点を通るようにすることができる。その状態(すな
わち、前記第1、第2および第3軸線(χ,ω,φ)か
らなる回転3軸線(χ,ω,φ)が1点で交わる状態)
で、前記Zテーブル(19)をZ軸方向に移動させた場
合、前記Z軸と平行な第3軸線(φ)は同一直線上に有
るので、常に前記回転3軸線(χ,ω,φ)の交点を通
ることになる。
【0014】前記第3回転部材(23)に支持されたX
テーブル(27)およびYテーブル(29)は、前記Z
軸と共に直交する3軸を構成するX軸およびY軸の各軸
方向にそれぞれ移動可能である。試料保持部は、前記第
3回転部材(23)に前記Xテーブル(27)およびY
テーブル(29)を介して支持される。前記第1軸線
(χ)、第2軸線(ω)および第3軸線(φ)からなる
回転3軸線(χ,ω,φ)の交点が1点で交わっている
状態で、前記試料保持部に保持された試料の高さ(Z方
向の位置)が前記交点からずれている場合には、Zテー
ブル(19)を移動させることにより試料の測定面を前
記交点に一致させることができる。その場合、Zテーブ
ル(19)の移動と共に第3軸線(φ)も移動するが、
Z軸と第3軸線(φ)とが平行なので、回転3軸線
(χ,ω,φ)の交点は移動しない。
【0015】試料の測定点を前記回転3軸線(χ,ω,
φ)の交点に保持した状態で、X線照射装置(1)によ
り、前記回転3軸線(χ,ω,φ)の交点(すなわち、
試料の測定点が配置された位置、すなわち、測定位置)
にX線ビームを照射すると、試料からでてくる回折X線
は、固定支持された位置敏感型比例計数管(12)の円
弧状X線検出部により検出される。座標記憶メモリは、
前記試料保持部に保持された試料の複数の測定点をそれ
ぞれ前記回転3軸線(χ,ω,φ)の交点に配置したと
きのXテーブル(27)、Yテーブル(29)およびZ
テーブル(19)の各座標を記憶している。テーブル移
動制御手段(C)は、前記Xテーブル移動手段(D5+
28)、Yテーブル移動手段(D6+30)およびZテ
ーブル移動手段(D4+21)の作動を制御して、前記
試料保持部に保持された試料の複数の測定点を前記回転
3軸線(χ,ω,φ)の交点(測定位置)に所定の順序
で移動させる。したがって、前記座標記憶メモリに記憶
された試料の複数の測定点を所定の順序で測定位置に移
動させて、その測定点に対して順次X線回折測定を行う
ことができる。
【0016】(第2発明の作用)前述の特徴を備えた本
出願の第2発明のX線回折測定装置では、第1軸線
(χ)回りに回転可能な第1回転部材(13)により、
第2回転部材(17)が前記第1軸線(χ)に交わる第
2軸線(ω)回りに回転可能に支持されている。前記第
3回転部材(23)は、前記第2回転部材(17)によ
り、前記第1軸線(χ)および第2軸線(ω)の交点を
通り前記第2軸線(ω)に垂直な面内に有る第3軸線
(φ)回りに回転可能に支持される。したがって、第3
軸線(φ)は、第2回転部材(17)を第2軸線(ω)
回りに回転させることにより、前記第1軸線(χ)およ
び第2軸線(ω)の交点を通るようにすることができ
る。
【0017】前記第3回転部材(23)に支持されたX
テーブル(27)、Yテーブル(29)およびZテーブ
ル(19)は、直交する3軸を構成するX軸、Y軸およ
びZ軸の各軸方向にそれぞれ移動可能である。試料保持
部は、前記第3回転部材(23)に前記Xテーブル(2
7)、Yテーブル(29)、およびZテーブル(19)
を介して支持される。この場合、前記Xテーブル(2
7)、Yテーブル(29)、およびZテーブル(19)
を移動させても、前記第1軸線(χ)、第2軸線(ω)
および第3軸線(φ)からなる回転3軸線(χ,ω,
φ)の交点は変化しない。前記第1軸線(χ)、第2軸
線(ω)および第3軸線(φ)からなる回転3軸線
(χ,ω,φ)の交点が1点で交わっている状態で、前
記試料保持部に保持された試料の高さ(Z方向の位置)
が前記交点からずれている場合には、Zテーブル(1
9)を移動させることにより試料を前記交点に一致させ
ることができる。
【0018】試料の測定点を前記回転3軸線(χ,ω,
φ)の交点に保持した状態で、X線照射装置(1)によ
り、前記回転3軸線(χ,ω,φ)の交点(すなわち、
試料の測定点が配置された位置、すなわち、測定位置)
にX線ビームを照射すると、試料からでてくる回折X線
は、固定支持された位置敏感型比例計数管(12)の円
弧状X線検出部により検出される。座標記憶メモリは、
前記試料保持部に保持された試料の複数の測定点をそれ
ぞれ前記回転3軸線(χ,ω,φ)の交点に配置したと
きのXテーブル(27)、Yテーブル(29)およびZ
テーブル(19)の各座標を記憶している。テーブル移
動制御手段(C)は、前記Xテーブル移動手段(D5+
28)、Yテーブル移動手段(D6+30)およびZテ
ーブル移動手段(D4+21)の作動を制御して、前記
試料保持部に保持された試料の複数の測定点を前記回転
3軸線(χ,ω,φ)の交点(測定位置)に所定の順序
で移動させる。したがって、前記座標記憶メモリに記憶
された試料の複数の測定点を所定の順序で測定位置に移
動させて、その測定点に対して順次X線回折測定を行う
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら、本発明
のX線回折測定装置の実施の形態を説明するが、本発明
は以下の実施の形態に限定されるものではない。 (実施例1)図1は本発明の実施例1のX線回折測定装
置の全体斜視図である。図1において、X線回折測定装
置Uは、図示しない基板部材により支持されたX線照射
装置1を有している。X線照射装置1は、X線発生装置
2およびコリメータ3を有し、X線発生装置で発生した
X線をコリメートしてビーム状のX線を所定の測定位置
Oに向けて出射する機能を有している。前記図示しない
基板部材に対して固定支持されたベース板4上にはχ軸
駆動ケース6、χ軸フレーム7、顕微鏡取付台8等が固
定支持されている。顕微鏡取付台8には顕微鏡9が支持
されている。顕微鏡9は試料観察および試料の位置決め
の際に用いられる。前記χ軸フレーム7には、検出器取
付板11を介してPSPC検出器(位置敏感型比例計数
管)12が固定支持されている。
【0020】前記χ軸フレーム7の内部にはχ軸回転板
(第1回転部材)13がχ軸回りに回転可能に支持され
ている。χ軸回転板13は前記χ軸フレーム7に支持さ
れたχ軸モータM1により回転駆動されるように構成さ
れている。χ軸回転板13には、連結板を介してω軸固
定アーム14が固定されている。ω軸固定アーム14に
は、ω軸ケース16が固定されている。前記ω軸ケース
16にはω軸回転板(第2回転部材)17がω軸回りに
回転可能に支持されている。ω軸回転板17はω軸モー
タM2(図2参照)により前記χ軸に垂直なω軸回りに
回転駆動されるように構成されている。ω軸回転板17
にはZ軸用固定板18が固定されている。前記Z軸用固
定板18にはZテーブル19が、Z軸用固定板18に対
して設定されたZ軸方向に移動可能に支持されている。
前記Zテーブル19はZ軸用モータ21により移動され
るように構成されている。なお、移動板をモータにより
所定方向に移動させる構成は従来周知であり、前記Z軸
移動板19を移動させる構成としては、従来周知の種々
の構成を採用することが可能である。
【0021】前記Zテーブル19には、φ軸取付台22
が固定支持されている。φ軸取付台22の上面には、φ
軸回転板(第3回転部材)23が回転自在に支持されて
いる。φ軸取付台22の下面にはφ軸ケース24が支持
されており、φ軸ケース24にはφ軸モータM3が支持
されている。前記φ軸回転板23は前記φ軸モータM3
により前記χ軸およびω軸に垂直なφ軸回りに回転駆動
されるように構成されている。そして、前記互いに垂直
なχ軸、ω軸、φ軸は、それらの交点が所定の測定位置
Oに一致するように配置されている。前記φ軸回転板2
3上にはX軸用固定板26が固定されている。X軸用固
定板26にはXテーブル27が、X軸用固定板26上に
前記Z軸に対して垂直に設定されたX軸方向に移動可能
に支持されている。前記Xテーブル27はX軸用モータ
28により移動されるように構成されている。前記Xテ
ーブル27上にはYテーブル29がXテーブル27上に
前記Z軸、X軸に対して垂直に設定されたY軸方向に移
動可能に支持されている。前記Yテーブル29はY軸用
モータ30により移動されるように構成されている。そ
して、Yテーブル29上面には両面テープまたは接着剤
により試料Sが支持される。すなわち、この実施例では
Yテーブル29上面により試料支持部が構成されてい
る。
【0022】次に図2により、本実施例の制御部の構成
を説明する。図2において、コンピュータCは、外部と
の信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行う
I/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行う
ためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM
(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記
憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、なら
びに、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた入出
力制御および演算処理等を行うCPU(中央演算処理装
置)等により構成されている。
【0023】前記コンピュータCには、測定点設定用操
作パネル31が接続されている。測定点設定用操作パネ
ル31は、前記顕微鏡9を見ながら操作するパネルであ
り、移動ピッチ設定スイッチ32、Xテーブル移動スイ
ッチ33、Yテーブル移動スイッチ34、Zテーブル移
動スイッチ35、リバーススイッチ36、座標記憶指令
スイッチ37、設定開始、終了スイッチ38等を有して
いる。移動ピッチ設定スイッチ32は、前記各移動スイ
ッチ33,34,35が1回押された際のX,Y,Zの
各テーブルの移動ピッチを設定するスイッチであり、最
小ピッチ設定スイッチ32a、中間ピッチ設定スイッチ
32b、最大ピッチ設定スイッチ32cを有している。前
記コンピュータCは、前記移動ピッチ設定スイッチ32
により設定されたピッチの大小に応じて、前記各移動ス
イッチ33,34,35が1回押された際のX,Y,Z
の各テーブル27,29,19の移動量を増減すること
ができるように構成されている。また、リバーススイッ
チ36は、押す度にONの状態とOFFの状態が交代す
るスイッチであり、OFFの状態とONの状態とでは、
前記各移動スイッチ33,34,35が1回押された際
のX,Y,Zの各テーブル29,27,19の移動方向
が逆になるように、前記パソコンCが動作するようにな
っている。
【0024】また、前記パソコンCには、前記X,Y,
Zの各テーブル29,27,19のホーム位置を検出す
るテーブルホーム位置センサ41の検出信号が入力され
ている。また、前記パソコンCには、前記χ軸、ω軸、
φ軸まわりに回転する各回転板13,17,23のホー
ム位置を検出する回転部材ホーム位置センサ42の検出
信号が入力されている。また、前記パソコンCには、測
定開始スイッチ43、測定終了スイッチ44、キーボー
ド45、前記試料Sの測定面を撮像するCCDカメラ4
6等が接続されている。
【0025】前記パソコンCの出力側にはディスプレイ
D、χ軸モータ駆動回路D1、ω軸モータ駆動回路D2、
φ軸モータ駆動回路D3が接続されている。前記各駆動
回路D1,D2,D3はそれぞれ、前記χ軸モータM1、ω
軸モータM2、φ軸モータM3を回転駆動するための回路
である。また、前記パソコンCの出力側にはZ軸用モー
タ駆動回路D4、X軸用モータ駆動回路D5、Y軸用モー
タ駆動回路D6が接続されている。前記Z軸用モータ駆
動回路D4およびZ軸用モータ21によりZテーブル移
動手段(D4+21)が構成されている。また、X軸用
モータ駆動回路D5およびX軸用モータ28によりXテ
ーブル移動手段(D5+28)が構成されている。ま
た、Y軸用モータ駆動回路D6およびY軸用モータ(3
0)によりYテーブル移動手段(D6+30)が構成さ
れている。また、前記コンピュータCにより、前記Zテ
ーブル移動手段(D4+21)、Xテーブル移動手段
(D5+28)およびYテーブル移動手段(D6+30)
を制御するテーブル移動制御手段(C)が構成されてい
る。
【0026】(実施例1の作用)次に前述の構成を備え
た本発明の実施例1の作用を説明する。図3および図4
は、試料Sの測定点を記憶するフローを示すフローチャ
ートである。図3、図4に示す試料Sの測定点記憶フロ
ーのフローチャートの各ステップの処理は、前記コンピ
ュータCのROMに記憶されたプログラムに従って行わ
れる。図3、図4に示す試料Sの測定点記憶フローは、
そのフローが実行されていない時に、前記図2に示す設
定開始終了スイッチ38を押すことにより開始される。
測定点記憶フローが開始されると、ステップST1にお
いて、Zテーブル19、Xテーブル27、Yテーブル2
9をホーム位置に移動させ、停止させる。
【0027】次にステップST2において、測定点番号
を記憶するメモリに測定点番号NとしてN=1を入れ
る。次にステップST30において、図5に示すサブルー
チン(移動ピッチ設定フロー)を実行して、X,Y,Z
テーブル27,29,19の移動ピッチを設定する。な
お、図5に示す移動ピッチ設定フローに関しては後述す
る。前記ステップST30の次にステップST3に移る。
ステップST3において、リバーススイッチ36(図2
参照)がONか否か判断する。ノー(N)の場合はステ
ップST4に移る。ステップST4において、Zテーブル
移動スイッチ35(図2参照)がONされたか否か判断
する。イエス(Y)の場合はステップST5に移る。ス
テップST5において、前記ステップST30で設定され
た移動ピッチだけZテーブル19をZ方向へ移動させ
る。前記移動ピッチの設定値は、後述する図5に示す移
動ピッチ設定フローによって、設定ピッチ記憶メモリに
記憶されている値である。前記ステップST4でノー
(N)の場合は次のステップST6に移る。そして、前
記ステップST4,ST5でのZテーブル19のZ方向の
移動と同様に、ステップST6,ST7においてXテーブ
ル27の移動を行う。ステップST6においてノー
(N)の場合はステップST8に移る。そして、前記Z
テーブル19、Xテーブル27の場合と同様に、ステッ
プST8,ST9においてYテーブル29の移動を行う。
ステップST8においてノー(N)の場合はステップS
T10に移る。
【0028】前記ステップST4〜ステップST9におい
ては、試料Sを顕微鏡9で目視しながら、またはディス
プレイD(図2参照)に表示されるモニタ画面(図2に
示すCCDカメラで撮像した画面)で監視しながら、
X,Y,Zテーブル27,29,19の移動を行う。そ
して、測定する必要がある測定点を見つけると、試料の
測定点を顕微鏡9の焦点に合わせる。そして、前記座標
記憶指令スイッチ37を押す。ステップST10におい
て、座標記憶指令スイッチ37(図2参照)がONか否
か判断する。ノー(N)の場合は前記ステップST3に
戻り、イエス(Y)の場合は図4のステップST17に移
る。ステップST17において、X,Y,Zテーブル2
7,29,19の現在位置の座標を測定点番号Nに対応
する測定点記憶メモリに記憶する。なお、X,Y,Zテ
ーブル27,29,19を移動させるX軸用モータ2
8、Y軸用モータ30、およびZ軸用モータ21はステ
ッピングモータであり、その回転量はコンピュータCに
より検出されている。したがって、X,Y,Zテーブル
27,29,19は、ホーム位置からの移動量が常にコ
ンピュータCによって検出されている。したがって、
X,Y,Zテーブル27,29,19の現在位置の座標
は常に知ることができるので、前記座標記憶指令スイッ
チ37(図2参照)がONになった時に各テーブルの座
標を記憶することができる。
【0029】次にステップST18に移り、N=N+1と
置く。すなわち、測定点番号Nに1を加える。次にステ
ップST19において、設定開始終了スイッチ38がON
したか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ステップ
ST3に戻り、イエス(Y)の場合は測定点記憶フロー
を終了する。前記図3のステップST3においてイエス
(Y)の場合はステップST11に移る。ステップST11
〜ステップST16の処理は、前記ステップST4〜ステ
ップST9の処理と略同様であるが、リバーススイッチ
36がONであるので、X,Y,Zテーブル27,2
9,19の移動方向が逆になる点で異なる。
【0030】次に図5により、前記図3のステップST
30で実行する移動ピッチ設定フローについて説明する。
ステップST31において、最小ピッチ設定スイッチ32
a(前記図2参照)がONされたか否か判断する。イエ
ス(Y)の場合はステップST32において設定ピッチ記
憶メモリ(コンピュータCのRAM)に最小移動ピッチ
を記憶する。この最小移動ピッチが記憶されている場合
に、例えば前記図3のステップST4でZテーブル移動
スイッチ35(図2参照)が1回押されると、ステッピ
ングモータにより構成されたZ軸用モータ21が1ステ
ップだけ回転してZテーブル19が最小移動ピッチだけ
移動するようになっている。
【0031】ステップST31においてノー(N)の場合
は次のステップST33に移る。ステップST33において
中間ピッチ設定スイッチ32b(図2参照)がONされ
たか否か判断する。イエス(Y)の場合はステップST
34に移る。ステップST34において、設定ピッチ記憶メ
モリに中間移動ピッチを記憶する。この中間ピッチは前
記最小移動ピッチの5倍の長さのピッチである。前記ス
テップST33においてノー(N)の場合はステップST
35に移る。ステップST35において最大ピッチ設定スイ
ッチ32cがONされたか否か判断する。イエス(Y)
の場合はステップST36に移る。
【0032】ステップST36において、設定ピッチ記憶
メモリに最大移動ピッチを記憶する。この最大移動ピッ
チは前記最小移動ピッチの10倍の長さのピッチであ
る。前記ステップST35においてノー(N)の場合は、
前記図3のステップST3に移る。この図5に示す移動
ピッチ設定フローで記憶されたピッチに応じたピッチ
で、前記図3、図4の測定点記憶フローでのX,Y,Z
テーブル27,29,19の移動が行われるのである。
【0033】前記図3〜5で説明したフローにより、試
料Sの複数の測定点をそれぞれ測定位置に配置するとき
のX,Y,Zテーブル27,29,19の座標が測定点
番号Nに対応して定まる。したがって、前記各測定点番
号Nに対するX線回折測定を行う場合には、測定点番号
を順次指定して、自動的に全測定番号に対する精密なX
線回折測定を行うことが可能となる。次に図6によりX
線回折測定を行う場合の測定フローについて説明する。
【0034】前記図2に示す測定開始スイッチ43を押
すと、図6に示す測定フローが開始される。図6のステ
ップST41において、測定点指定番号メモリKにK=1
を入れる。次に、ステップST42において、測定点指定
番号メモリKの値に一致する測定点番号Nにより定まる
測定点のX,Y,Zテーブル27,29,19の座標位
置を読出し、読出した座標位置にX,Y,Zテーブル2
7,29,19を移動させる。
【0035】次にステップST43において、前記測定点
番号Kで指定した測定点に対するX線回折測定を行う。
このX線回折測定は、前記χ軸モータM1、ω軸モータ
M2、φ軸モータM3を駆動して、試料Sをχ軸、ω軸、
φ軸の直交3軸回りに回転させながらX線照射装置1か
らのX線を試料Sに照射してX線回折測定を行う。この
実施例では、前述したように、従来のXYテーブルの座
標の指定に加えてZ座標の指定を加えたので、試料Sの
傾きや凹凸から生じるX線光軸と試料位置の微小な高さ
誤差を除くことができる。したがって、前述した回折角
度誤差Δ2θおよび測定位置誤差Δxを生じることな
く、高精度なX線回折測定を行うことができる。
【0036】前記ステップST43で測定点番号Kで指定
した測定点に対するX線回折測定を行ってから、次のス
テップST44に移る。ステップST44において、測定点
指定番号KにK=K+1を入れる。すなわち、測定点指
定番号Kに1を加えて次の測定点を指定する。次にステ
ップST45において、測定終了スイッチ44(図2参
照)がONされたか否か判断する。イエス(Y)の場合
は測定フローを終了する。ノー(N)の場合は、次のス
テップST46に移る。ステップST46において、次に測
定すべき測定点が有るか否か判断する。この判断は測定
点指定番号Kで指定した測定点番号Nが有るか否かによ
って行う。ノー(N)の場合は前記ステップST42に戻
り、イエス(Y)の場合は測定フローを終了する。
【0037】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。
【0038】(H01)試料Sの測定面が平坦な場合に
は、試料測定面の任意の3点について、X,Y,Z座標
を読取って、コンピュータCに入力し、測定面の傾斜を
表す方程式を作成し、各測定点のX,Y座標から演算に
よりZ座標を定めることが可能となる。この場合、各測
定点に対応して記憶する座標はX,Y座標のみとし、Z
座標は前記方程式を用いた演算により定めれば良い。ま
た、前記方程式を作成するために必要な試料測定面の任
意の3点のX,Y,Z座標は、X,Y座標に対応するZ
座標を、試料の高さを測定可能な距離測定装置例えば、
レーザビームを用いた距離測定装置を用いて定めること
が可能である。前記距離測定装置を用いた場合には、設
定した任意の3点のX,Y座標とそれに対応するZ座標
とを全自動で求めることができる。、その場合、試料の
傾斜を定める前記方程式も自動的に定めることが可能と
なる。 (H02)X,Y,Zテーブルを圧電素子により構成する
ことが可能である。この場合、X,Y,Zテーブルの全
体の高さを低く構成することが可能となる。したがっ
て、前記第2回転部材17および第3回転部材23間の
Zテーブルを省略して、第1〜第3回転部材13,1
7,23を順次χ軸、ω軸、φ軸回り回転自在に支持
し、前記第3回転部材上に前記圧電素子により構成され
たX,Y,Zテーブルを支持することが可能となる。 (H03)第1回転部材をχ軸、第2回転部材をω軸回り
に回転自在にする代わりに、第1回転部材をω軸、第2
回転部材をχ軸回りに回転自在に支持することが可能で
ある。 (H04)測定点設定用操作にパネル31に代えて、CR
T上に各スイッチを表示し、マウスによりスイッチを指
定して操作してもよい。
【0039】
【発明の効果】前述の本発明のX線回折測定装置は、下
記の効果を奏することができる。 (E01)試料の測定点のZ座標位置を制御することによ
り、試料の傾きや、光軸と試料位置の微小な高さ誤差を
除くことができるので、回折角度誤差Δ2θや照射位置
誤差Δxを生じることなく、高精度に回折角度を測定す
ることができる。 (E02)前記直交するX軸,Y軸,Z軸に沿って移動す
るX,YおよびZテーブルの中の前記Z軸方向に移動可
能なテーブルを、前記第2回転部材と前記第3回転部材
との間に設けた場合、第3回転部材にはXY平面内で移
動可能なXYテーブルのみを配置すれば良い。このた
め、第3回転部材上のX,Yテーブルの高さが高くなら
ないので、前記高さよりも大きな寸法を必要とする位置
敏感型比例計数管の半径を大きくしなくても良くなる。
したがって、装置を大型にすることなく、高精度のX線
回折測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1のX線回折測定装置
の全体斜視図である。
【図2】 図2は同実施例の制御部の構成説明図であ
る。
【図3】 図3は、試料Sの測定点を記憶するフローを
示すフローチャートである。
【図4】 図4は、試料Sの測定点を記憶するフローを
示すフローチャートで、前記図3に続く処理を示す図で
ある。
【図5】 図5は前記図3のステップST30で実行する
移動ピッチ設定フローのフローチャートである。
【図6】 図6は同実施例のX線回折測定を行う場合の
測定フローのフローチャートである。
【図7】 図7は前記従来のX線回折測定装置の測定方
法の説明図で、試料表面を測定点に区切って番地を付け
た図である。
【図8】 図8は試料の表面(以下、「試料面」ともい
う)Sに対する入射X線および回折X線の説明図であ
り、図8Aは試料面と回折面との角度ψが大きくなると
試料の格子面間隔dおよび残留応力σが大きくなること
を示す図、図8Bは試料面と回折面との角度ψと、入射
X線および回折X線が試料面となす角度と関係を示す図
である。
【図9】 図9は前記試料面に高さ方向の誤差が生じた
場合の測定値への影響を示す図である。
【図10】 図10は従来のX線回折測定の問題点の説
明図である。
【符号の説明】
C…テーブル移動制御手段(コンピュータ)、χ…第1
軸線(χ軸)、ω…第2軸線(ω軸)、φ…第3軸線
(φ軸)、(χ,ω,φ)…回転3軸線 1…X線照射装置、12…位置敏感型比例計数管(PS
PC検出器)、13…第1回転部材(χ軸回転板)、1
7…第2回転部材(ω軸回転板)、23…第3回転部材
(ω軸回転板)、19…Zテーブル、27…Xテーブ
ル、29…Yテーブル、(D5+28)…Xテーブル移
動手段、(D6+30)…Yテーブル移動手段、(D4+
21)…Zテーブル移動手段、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とするX
    線回折測定装置、(Y01)固定支持された円弧状X線検
    出部を有する位置敏感型比例計数管、(Y02)第1軸線
    回りに回転可能な第1回転部材、(Y03)前記第1回転
    部材により前記第1軸線に交わる第2軸線回りに回転可
    能に支持された第2回転部材、(Y04)前記第2回転部
    材により前記第1軸線および第2軸線の交点を通り前記
    第2軸線に垂直な面内に有る第3軸線回りに回転可能に
    支持される第3回転部材、(Y05)前記第3回転部材に
    支持される試料保持部、(Y06)前記第3軸線に平行な
    Z軸方向に移動可能で且つ、前記第2回転部材と前記第
    3回転部材との間に設けられたZテーブル、(Y07)前
    記Z軸と共に直交する3軸を構成するX軸およびY軸の
    各軸方向にそれぞれ移動可能で且つ、前記第3回転部材
    に支持されたXテーブルおよびYテーブル、(Y08)前
    記第1軸線、第2軸線、および第3軸線からなる回転3
    軸線の交点にX線ビームを照射するX線照射装置、(Y
    09)前記試料保持部に保持された試料の複数の測定点を
    それぞれ前記回転3軸線の交点に配置したときのXテー
    ブル、YテーブルおよびZテーブルの各座標を記憶した
    座標記憶メモリ、(Y010)前記試料保持部に保持され
    た試料の複数の測定点を前記回転3軸線の交点に移動さ
    せるように、前記X,YおよびZテーブルをそれぞれ移
    動させるXテーブル移動手段、Yテーブル移動手段およ
    びZテーブル移動手段、(Y011)前記試料保持部に保
    持された試料の複数の測定点を前記回転3軸線の交点に
    所定の順序で移動させるように、前記Xテーブル移動手
    段、Yテーブル移動手段およびZテーブル移動手段の作
    動を制御するテーブル移動制御手段。
  2. 【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とするX
    線回折測定装置、(Y01)固定支持された円弧状X線検
    出部を有する位置敏感型比例計数管、(Y02)第1軸線
    回りに回転可能な第1回転部材、(Y03)前記第1回転
    部材により前記第1軸線に交わる第2軸線回りに回転可
    能に支持された第2回転部材、(Y04)前記第2回転部
    材により前記第1軸線および第2軸線の交点を通り前記
    第2軸線に垂直な面内に有る第3軸線回りに回転可能に
    支持された第3回転部材、(Y05)前記第3回転部材に
    支持される試料保持部、(Y06′)互いに直交するX
    軸、Y軸およびZ軸の各軸方向にそれぞれ移動可能で且
    つ、前記第3回転部材に支持されたXテーブル、Yテー
    ブルおよびZテーブル、(Y08)前記第1軸線、第2軸
    線、および第3軸線からなる回転3軸線の交点にX線ビ
    ームを照射するX線照射装置、(Y09)前記試料保持部
    に保持された試料の複数の測定点をそれぞれ前記回転3
    軸線の交点に配置したときのXテーブル、Yテーブルお
    よびZテーブルの各座標を記憶した座標記憶メモリ、
    (Y010)前記試料保持部に保持された試料の複数の測
    定点を前記回転3軸線の交点に移動させるように、前記
    X,YおよびZテーブルをそれぞれ移動させるXテーブ
    ル移動手段、Yテーブル移動手段およびZテーブル移動
    手段、(Y011)前記試料保持部に保持された試料の複
    数の測定点を前記回転3軸線の交点に所定の順序で移動
    させるように、前記Xテーブル移動手段、Yテーブル移
    動手段およびZテーブル移動手段の作動を制御するテー
    ブル移動制御手段。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6798863B2 (en) * 2001-05-29 2004-09-28 Sii Nanotechnology Inc. Combined x-ray analysis apparatus
JP2006292551A (ja) * 2005-04-11 2006-10-26 National Institute For Materials Science 酸化チタンの分析方法とこの方法を実施する酸化チタンの分析装置
CN110596160A (zh) * 2019-09-19 2019-12-20 西安交通大学 单色x射线的单晶/定向晶应力测量系统和测量方法

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