JPH0972829A - ブレーキテスターのローラ及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真の路面における値に近い制動力を測定でき
るブレーキテスターのローラ及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 外面に高摩擦樹脂５を塗布した鋼板１ｂ
をローラ本体１ａの外周に巻き付けて接着剤で固定さ
せ、円筒状体とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車の制動力を試
験するのに好適なブレーキテスターのローラ及びその製
造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】ローラ駆動形ブレーキテスターによって
各タイヤの制動力を測定する場合、自動車の車輪を各２
本のローラ上に乗せ、駆動ローラをモータで一定速度で
回転させて車輪を回転させてから自動車のブレーキをか
け、モータの反力、駆動機構の反力或いはモータとロー
ラの間に装着したトルク計により制動力を検出する。

【０００３】従来のブレーキテスターでは、金属製の駆
動ローラの外周面上に多条の軸方向の溝加工を施して、
タイヤとの摩擦係数を高めるように工夫されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のブレーキテスタ
ーの駆動ローラの表面には溝加工が施されているため、
ブレーキをかけてタイヤロックが発生した際に該ローラ
溝のエッジがタイヤを削る力が発生する恐れがあった。

【０００５】又、このタイヤを削る力の作用により、こ
の時計測した制動力は見掛け上の値を検出しており、真
の制動力とは異なってくるという問題点があった。

【０００６】本発明はこれらの問題点を解消し、真の路
面における値に近い制動力を測定できるブレーキテスタ
ーのローラ及びその製造方法を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するべく、ローラとしてその外周に高摩擦樹脂を塗布
した円筒状体としたことを特徴とし、又ローラの製造方
法として表面に高摩擦樹脂を塗布した鋼板をローラ本体
に巻き付け、接着剤にて固定して作製したことを特徴と
する。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明による第１の実施の形態を
図面により説明する。

【０００９】ブレーキテスターの各駆動ローラ１は、ロ
ーラ本体１ａの外面に高摩擦樹脂５を塗布した鋼板１ｂ
を巻き付けて接着剤にて固定させてあり、該高摩擦樹脂
５の表面はアスファルト舗装路面と類似の凹凸に形成さ
れている。

【００１０】尚、誘導ローラ２の外周にも高摩擦樹脂５
を塗布した鋼板１ｂを接着してもよい。

【００１１】そして前記ローラ１は次のように製造され
る。

【００１２】先ず図２の如く所定の寸法に切断した平面
状の鋼板１ｂの表面に、高摩擦樹脂５の噴射ガン６によ
り高摩擦樹脂５を均一に塗布していく。その後図３の如
くローラ本体１ａの表面に、前記鋼板１ｂを湾曲状に曲
げながら接着剤により接着してローラ１を得る。

【００１３】このように平面状の鋼板１ｂに噴射ガン６
により塗布してからローラ本体１ａの表面に接着したの
でローラ１の表面には高摩擦樹脂５が均一に付着され、
後述するブレーキテストにおいて精確な測定が可能とな
る。尚７はローラ１の回転軸を示す。

【００１４】図４はブレーキテスターＡの平面図を示
し、２は誘導ローラ、３は両ローラ１、２の各１端を支
承すると共に、駆動ローラ１の駆動用モータと制動力を
測定するための計測装置（図示せず）を収容している駆
動箱である。

【００１５】尚、４は駆動ローラ１及び誘導ローラ２の
各他端を支承する軸受箱である。

【００１６】次に本第１の実施の形態の作用について説
明する。

【００１７】図５の斜視図において、自動車Ｂの制動力
を測定する左右の車輪を一対のブレーキテスターＡの上
に乗せる。

【００１８】次に各駆動ローラ１、１を左右の駆動箱
３、３内の駆動用モータにより一定速度で回転させて車
輪を回転させてから自動車Ｂのブレーキをかけ、前記モ
ータの反力より制動力を検出する。

【００１９】本発明による駆動ローラ１は、外周上に溝
を有しないため、溝エッジによるタイヤ削り力が発生し
ないと共に、該ローラと接しているタイヤの接地面積が
増え、舗装路面における真値に近い制動力を測定するこ
とができる。

【００２０】尚、該駆動ローラ１の外周の高摩擦樹脂面
の凹凸や摩擦係数を種々と変更することにより、各種路
面における制動力を測定することができる。

【００２１】本発明による第２の実施の形態について説
明する。

【００２２】本第２の実施の形態は、前記第１の実施の
形態におけるブレーキテスターにスピードメータテスタ
ーの機能を兼ね持たせるようにした複合試験機である。

【００２３】本ブレーキテスターをスピードメータテス
ターとして使用する場合は、図４及び図５に示すブレー
キテスターＡ上に自動車の駆動輪を乗せ、該自動車のエ
ンジンにより該駆動輪を駆動して前記駆動ローラ１を回
転させ、該駆動ローラ１の回転数を計測することにより
該自動車のスピードを算出する。

【００２４】尚、スピードメータテスターとして使用す
る際は、駆動ローラ１と前記駆動用モータとの接続を切
り離してもよい。又、左右一対からなる駆動ローラ１、
１が一体となって回転するように、軸受箱４内において
両者の断続が可能なクラッチ機構を設けてもよい。

【００２５】本発明の特徴である駆動ローラ１の表面が
舗装路面と同じ摩擦抵抗にできることから、正確なスピ
ードを計測することができる。

【００２６】本発明による第３の実施の形態について説
明する。

【００２７】本第３の実施の形態は、前記第１の実施の
形態又は第２の実施の形態におけるブレーキテスターに
シャシーダイナモメータの機能を兼ね持たせるようにし
た複合試験機である。

【００２８】本ブレーキテスターをシャシーダイナモメ
ータとして使用する場合は、前記駆動用モータを電気動
力計として作用させる。

【００２９】即ち、図４及び図５に示すブレーキテスタ
ーＡ上に自動車の駆動輪を乗せ、該自動車のエンジンに
より該駆動輪を駆動して前記駆動ローラ１を回転させ、
該駆動ローラ１の回転数を計測すると共に、前記駆動用
モータを電気動力計として該駆動ローラ１に回転抵抗ト
ルクを与える。

【００３０】該駆動ローラ１の回転数と該回転抵抗トル
クから、自動車の駆動輪の駆動馬力を算出する。

【００３１】前記電気動力計により該回転抵抗トルクを
調節することにより、各種の路面状況に相当する走行状
態での自動車の性能試験を行うことができる。

【００３２】尚、シャシーダイナモメータとして使用す
る際は、左右一対からなる駆動ローラ１、１が一体とな
って回転するように、軸受箱４内において両者の断続が
可能なクラッチ機構を設けてもよい。

【００３３】本発明の特徴である、駆動ローラ１の表面
を舗装路面と同じ摩擦抵抗にできることから、舗装路面
における実走に近い走行状態を再現することができる。

【００３４】又、該駆動ローラ１の外周の高摩擦樹脂面
の凹凸や摩擦係数を種々と変更することにより、各種路
面における走行状態を再現することもできる。

【００３５】

【発明の効果】このように本発明によれば、従来の駆動
ローラにおけるような溝加工がないので、該ローラ溝の
エッジがタイヤを削る力の発生する恐れがないと共に、
路面における制動力の真値に近い計測値が得られる効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態のローラの断面図で
ある。

【図２】、

【図３】ローラの製造方法を示す正面図である。

【図４】ブレーキテスターの平面図である。

【図５】装置全体の斜視図である。

【符号の説明】

1、2 ローラ 1a ローラ本体 1b 鋼板 ５ 高摩擦樹脂

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２本のローラ上に自動車の車輪を乗せ、
   各タイヤに発生する制動力を測定する方式のローラ駆動
   形ブレーキテスターにおいて、該ローラは外周に高摩擦
   樹脂を塗布した円筒状体としたことを特徴とするブレー
   キテスターのローラ及びその製造方法。
2. 【請求項２】 前記ローラは、表面に高摩擦樹脂を塗布
   した鋼板をローラ本体に巻き付け、接着剤にて固定して
   作製したことを特徴とする請求項１に記載のブレーキテ
   スターのローラ及びその製造方法。
3. 【請求項３】 前記ローラの表面は、アスファルト舗装
   路面と類似の凹凸を持つように高摩擦樹脂にて形成され
   ていることを特徴とする請求項１に記載のブレーキテス
   ターのローラ及びその製造方法。
4. 【請求項４】 前記ブレーキテスターは、スピードメー
   タテスターを兼ねた複合試験機であることを特徴とする
   請求項１に記載のブレーキテスターのローラ及びその製
   造方法。
5. 【請求項５】 前記ブレーキテスターは、シャシーダイ
   ナモメータを兼ねた複合試験機であることを特徴とする
   請求項１に記載のブレーキテスターのローラ及びその製
   造方法。