JPH0972682A - フィンチューブ及びその製造方法 - Google Patents

フィンチューブ及びその製造方法

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JPH0972682A
JPH0972682A JP22508095A JP22508095A JPH0972682A JP H0972682 A JPH0972682 A JP H0972682A JP 22508095 A JP22508095 A JP 22508095A JP 22508095 A JP22508095 A JP 22508095A JP H0972682 A JPH0972682 A JP H0972682A
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JP
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fin
tube
fin tube
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frequency induction
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JP22508095A
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Hideki Furubayashi
秀規 古林
Chiyuugo Shiyukutani
忠五 宿谷
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 節炭器や熱回収装置に用いられるフィンチュ
ーブのフィンの変形や表面の磨耗を改善する。 【解決手段】 金属製チューブ12の外周面に立設させ
られたフィン14を有するフィンチューブ10におい
て、前記フィン14の突出させられた外表面のうち少な
くとも開放側先端部の硬度を高くした。また、フィンチ
ューブ10の製造方法として、金属製チューブ12の外
周面に立設させられたフィン14を有するフィンチュー
ブ10と、該フィンチューブ10の一部外周を覆う高周
波誘導コイル22とを相対的に移動させつつ、フィン1
4の少なくとも開放側先端部を所定の温度までに昇温
し、その後、加熱されたフィンチューブ10のフィン1
4を冷却装置26により冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィンチューブとそ
の製造方法に関し、より詳しくは発電所やその他のボイ
ラなどで使用される熱交換機に用いられるフィンチュー
ブとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラ設備などにおいて、排ガスなどに
含まれる熱を利用するために、管内の水温を上げたり、
蒸気を発生させる節炭器や熱回収装置が用いられてい
る。この節炭器や熱回収装置には熱効率を向上させるた
めにフィンチューブが組み込まれているが、排ガス中に
含まれる煤などがフィンとフィンとの間に蓄積し、次第
に熱効率が低下してくる。
【0003】このため、フィンとフィンとの間に蓄積し
た煤などを除去する必要があり、その煤落としの方法と
して、鋼球を利用した方法が案出された。すなわち、こ
の方法は鋼球をフィンチューブの側面上部から落下さ
せ、鋼球がそのフィンの先端部などに衝突することによ
って生ずる振動や、フィンとフィンとの間を通過すると
きに蓄積した煤などの塊に衝突したり、接触して、煤な
どの塊を破壊することによって、迅速且つ効果的な煤落
としが可能となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、落下させら
れた鋼球は相当速い速度でフィンの先端部や先端側面部
に衝突するため、フィンが変形したり、磨耗したりす
る。その結果、フィンチューブの表面における排ガスな
どの流れが悪くなったり、フィンの表面積が減少したり
して、熱交換効率が悪くなるなどの課題が生じた。
【0005】そこで、本発明者らはフィンチューブのフ
ィンに焼き入れを行うこととし、鋭意検討を重ねた結
果、フィンチューブの製造において、予めフィンを作る
素材に焼き入れを行った後に、その素材を鋼管に巻いて
フィンを形成することも可能であるが、フィンの製造工
程を変更しなければならないなどの課題が生じた。この
ため、更に研究と検討を重ねた結果、本発明に至ったの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフィンチュ
ーブの要旨とするところは、金属製チューブの外周面に
ほぼ垂直方向にスパイラル状又はリング状に立設させら
れたフィンを有するフィンチューブにおいて、前記フィ
ンの突出させられた外表面のうち少なくとも開放側先端
部の硬度が高くされていることにある。
【0007】また、かかるフィンチューブにおいて、前
記フィンの突出させられた外表面のうち少なくとも開放
側先端部が、焼入れ、浸炭又は窒化などの表面硬化処理
により硬度が高くされていることにある。
【0008】次に、本発明に係るフィンチューブの製造
方法の要旨とするところは、金属製チューブの外周面に
ほぼ垂直方向にスパイラル状又はリング状に立設させら
れたフィンを有するフィンチューブと、該フィンチュー
ブの一部外周を覆う高周波誘導コイルとを相対的に移動
させつつ、該高周波誘導コイルを備えた高周波誘導加熱
装置によりフィンチューブのフィンの少なくとも開放側
先端部を所定の温度にまで昇温し、その後、加熱された
フィンチューブを冷却することにある。
【0009】更に、かかるフィンチューブの製造方法に
おいて、前記フィンチューブは回転させられながら高周
波誘導コイルと相対的に移動させられることにある。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るフィンチュー
ブとその製造方法の実施の形態について、図面に基づい
て詳しく説明する。
【0011】図1に示すように、まずフィンチューブ1
0は金属製のチューブ12とその外周に形成された金属
製のフィン14とから構成されている。ここで、チュー
ブ12はいわゆるボイラチューブが使用されることが多
く、その材質は使用温度によって、炭素鋼、モリブデン
鋼、クロム−モリブデン鋼、ステンレス鋼などが主とし
て使用される。一方、フィン14は通常加工性に優れた
軟鋼が使用されるが、本発明においては焼き入れを容易
にするため、炭素量を多くしたり、あるいはクロムやモ
リブデンなどを添加したものが使用される。
【0012】このフィンチューブ10の製造方法は、た
とえばチューブ12の外周に帯状の素材をその幅方向が
チューブ12の外周面に対して立設するように成形して
スパイラル状に巻き付けて配設し、その接触部を全周溶
接したり、あるいは巻き付けられたフィン14がチュー
ブ12から離れないように少なくとも両端部を含む要部
について溶接して固定されている。なお、フィン14と
チューブ12の接触部を溶接することによって、熱伝導
の効率が高くなるだけでなく、強度を向上させることが
できる。また、帯状の素材を断面L字形に折り曲げて、
チューブ12に巻き付け、接触面積を確保したり、ある
いはチューブ12の表面にスパイラル状の溝を形成し、
その溝にフィン14の端部を嵌合させて、熱伝導と強度
を確保するように構成するなど、公知の方法を適用する
ことができる。更に、上述のスパイラル状のフィン14
だけでなく、たとえば金属製の板をリング状に打ち抜
き、そのリング状の部材をチューブ(12)の外周に配
設して、リング状のフィン(14)としても良く、特に
限定されない。
【0013】以上の構成に係るフィンチューブ10のフ
ィン14について、特にそのフィン14の先端部につい
て焼き入れが施される。フィン14の焼き入れ装置16
は、同図に示すように、フィンチューブ10をほぼ一定
の速度で回転させつつ一定方向に移動させるためにフィ
ンチューブ10を支持する支持ローラ18を備えた回転
移動装置20と、フィンチューブ10の一部外周を覆う
高周波誘導コイル22を備えた高周波誘導加熱装置24
と、高周波誘導コイル22によって加熱されたフィンチ
ューブ10のフィン14を急冷させて焼き入れする冷却
装置26とを備えて構成されている。
【0014】回転移動装置20は、予め形成されたフィ
ンチューブ10を支持する支持ローラ18を回転させる
ことにより、フィンチューブ10を回転させつつ移動さ
せ、あるいは別途配設された回転引張り装置又は回転押
圧装置によりフィンチューブ10を回転させつつ移動さ
せるように構成されている。回転移動装置20によりフ
ィンチューブ10を移動させることによって、たとえば
長さ10m〜20mのフィンチューブ10を連続的に熱
処理することができる。また、回転移動装置20により
フィンチューブ10を回転させることによって、フィン
14をほぼ均一に加熱するとともにほぼ均一に急冷する
ことが可能となる。
【0015】ここで、フィンチューブ10の移動(送
り)速度は、フィンチューブ10のサイズと材質、高周
波誘導加熱装置24の出力の大きさ、及び昇温温度など
によって定まり、これらをパラメーターとして適宜設定
されるのが好ましい。また、フィンチューブ10の回転
速度は、高周波誘導加熱装置24における高周波誘導コ
イル22内にフィンチューブ10の任意の1点が入った
後、出るまでの間に、1回転以上、回転させられるよう
に設定されるのが、加熱温度の均一性を確保する上で好
ましい。
【0016】次に、高周波誘導加熱装置24は加熱ヘッ
ドである高周波誘導コイル22と、この高周波誘導コイ
ル22に高周波電流を印加するための高周波発生装置2
8を備えている。高周波発生装置28は周波数10KH
z以上で、出力30Kw以上より好ましくは50〜20
0Kwの高周波電流を発生させることのできる装置が用
いられる。また、高周波誘導コイル22はフィンチュー
ブ10の外径に適合したコイル内径を備えたものが用い
られ、したがって、フィンチューブ10の外径が変更さ
れる場合は、その外径に適合したコイル内径を備えた高
周波誘導コイル22に変更されるのが好ましい。
【0017】ここで、高周波誘導コイル22に印加され
る高周波発生装置28からの発振器出力Pは、フィンチ
ューブ10のフィン14の板厚t、加熱幅w、山数(フ
ィン14の枚数)n、及び加熱速度vに比例すると考え
られ、次式で表される。すなわち、 P=t・w・n・v・K P:発振器出力(Kw) t:フィン14の板厚(mm) w:フィン14の加熱幅(mm) n:1インチ(25.4mm)あたりのフィン14の枚数 v:加熱速度(m/min) K:比例常数 また、高周波発生装置28からの発振器出力Pは、フィ
ン14の材質に伴う熱伝導、比熱、固有抵抗などによっ
ても異なり、更に、フィンチューブ10(フィン14)
の外径寸法によって影響を受けると考えられることか
ら、比例常数Kは次式で表される。すなわち、 K=k1・k2 k1:フィン14の材質による常数 k2:フィン14の外径による常数 で表され、常数k1の値は次の表1で表される数値の中
から選定される。
【0018】
【表1】
【0019】また、常数k2の値は次の表2で表される
数値の中から選定される。
【0020】
【表2】
【0021】次に、高周波誘導コイル22によって加熱
されたフィンチューブ10のフィン14を急冷させて焼
き入れする冷却装置26は冷却水をシャワー状にフィン
14に向けて噴出する装置によって構成される。この冷
却装置26は高周波誘導コイル22の出口の近傍部に配
設され、高周波誘導コイル22によって加熱されたフィ
ン14が徐冷させられないうちに、急冷し得るように配
設されている。なお、冷却装置26は水を用いるだけで
なく、油であっても良く、更に水に焼き入れ用の薬剤を
添加したものなどを用いることが可能である。
【0022】以上の構成に係る焼き入れ装置16を用い
て、フィンチューブ10のフィン14の開放側先端部に
焼き入れが行われる。フィン14の焼き入れ深さは加熱
幅wによって適宜設定され、また、焼き入れによって得
られる硬度は少なくとも蓄積した煤などを落とすための
鋼球の硬度よりも高くなるように設定される。
【0023】
【実施例】1例に、フィンチューブ10の材質として炭
素鋼を用い、チューブ12の外径が38.1mm、フィン
14の外径が69.9mmのフィンチューブ10について
焼き入れを行った。用いたフィンチューブ10のフィン
14の板厚tは1.5mm、フィン14の山数nは2山/
インチ、常数KはK=k1・k2=1×5=5として、
フィン14の焼き入れ深さすなわち加熱幅wを3.5m
m、及び加熱速度vを2m/minに設定し、上記高周
波発生装置28からの発振器出力Pを表わす式によりP
=105Kwを求め、かかる条件により焼き入れを行っ
た。その結果、フィン14先端部における硬度はビッカ
ース硬度計により測定したところ、HV=600〜64
0であった。この硬度は鋼球の硬度より高い値であり、
鋼球の落下によりフィン14が変形させられたり、磨耗
させられることがないのが確かめられた。
【0024】次に、フィンチューブ10のフィン14の
硬度は煤落とし用の鋼球の硬度よりも高ければ良く、必
ずしも焼き入れによる必要はない。すなわち、公知の表
面硬化処理技術により、浸炭処理、窒化処理などを行
い、フィン14の表面硬度を高めるようにしても良い。
本例においても、フィン14の表面全体を硬化処理する
必要はなく、フィン14の開放側先端部について適宜の
幅(深さ)を硬化処理すれば足りる。
【0025】以上、本発明に係るフィンチューブ及びそ
の製造方法について、代表的な実施の形態と実施例を示
したが、本発明はこれらに限定されるものではない。た
とえば、フィンに施される表面硬化処理において、その
硬度は煤落とし用の鋼球の硬度と同等乃至それより高く
設定されるが、フィンの硬度が必要以上に高すぎるとフ
ィンが欠けたり、割れたりする恐れがあり、鋼球の硬度
より若干高い程度が好ましい。
【0026】また、フィンチューブを支持し、且つ搬送
するための支持ローラは、フィンチューブを極力振動さ
せないように構成されているのが好ましく、円筒状ある
いは太鼓状などの支持ローラが用いられる。更に、この
支持ローラは駆動装置によって駆動させられても良い
が、回転させられるフィンチューブとの摩擦力によって
従動させられるように構成されていても良い。
【0027】更に、フィンチューブの焼き入れ装置は図
示するように横型が好ましいが、フィンチューブの長さ
が短い場合には縦型とすることも可能である。また、焼
き入れの均一性を確保するために、フィンチューブを回
転させるのが好ましいが、縦型の場合や、均一性を必要
としない場合にはフィンチューブを回転させる必要はな
い。特に、フィンチューブの取付け方向が確定し、落下
させられる鋼球が衝突する側が一定している場合には、
その片面について充分な焼き入れがなされていれば良
い。
【0028】また、フィンチューブの焼き入れ装置にお
いて、フィンチューブと高周波誘導コイル及び冷却装置
とが相対的に移動させられれば良く、上述の実施の形態
とは逆に、たとえば、フィンチューブが一定の位置で回
転させられ、高周波誘導コイル及び冷却装置がフィンチ
ューブの軸方向に移動させられるように構成しても良
い。
【0029】その他、冷却装置における水などの冷却剤
の噴出方向は、冷却剤が高周波誘導コイルにかからない
ように、高周波誘導コイルと反対方向に設定されるのが
好ましいなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内
で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を
加えた態様で実施し得るものである。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るフィンチューブは、チュー
ブの外周に形成されたフィンの開放側先端部に所定の幅
で表面硬化処理が施され、煤落とし用の鋼球の硬度より
同等乃至それ以上の硬度とされているため、かかるフィ
ンチューブが取り付けられた熱交換器などにおいて、煤
落としのために鋼球が落下させられても、フィンが変形
したり、磨耗したりすることはない。したがって、熱交
換器の熱交換効率を維持するために随時、煤落としを行
っても、熱交換器の寿命を縮めることはない。
【0031】また、かかる本発明のフィンチューブを製
造するのにあたり、高周波誘導コイルを備えた高周波誘
導加熱装置を用いることにより、チューブの外周に形成
されたフィンの先端部のみを迅速に加熱することがで
き、冷却装置により急冷して、迅速且つ連続的に、しか
もほぼ均一に焼き入れを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィンチューブ及びその製造方法
に用いられる焼き入れ装置を示す要部断面説明図であ
る。
【符号の説明】
10:フィンチューブ 12:チューブ 14:フィン 16:焼き入れ装置 18:支持ローラ 20:回転移動装置 22:高周波誘導コイル 24:高周波誘導加熱装置 26:冷却装置 28:高周波発生装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製チューブの外周面にほぼ垂直方向
    にスパイラル状又はリング状に立設させられたフィンを
    有するフィンチューブにおいて、前記フィンの突出させ
    られた外表面のうち少なくとも開放側先端部の硬度が高
    くされていることを特徴とするフィンチューブ。
  2. 【請求項2】 前記フィンの突出させられた外表面のう
    ち少なくとも開放側先端部が、焼入れ、浸炭又は窒化な
    どの表面硬化処理により硬度が高くされていることを特
    徴とする請求項1に記載するフィンチューブ。
  3. 【請求項3】 金属製チューブの外周面にほぼ垂直方向
    にスパイラル状又はリング状に立設させられたフィンを
    有するフィンチューブと、該フィンチューブの一部外周
    を覆う高周波誘導コイルとを相対的に移動させつつ、該
    高周波誘導コイルを備えた高周波誘導加熱装置によりフ
    ィンチューブのフィンの少なくとも開放側先端部を所定
    の温度にまで昇温し、その後、加熱されたフィンチュー
    ブを冷却することを特徴とするフィンチューブの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記フィンチューブは回転させられなが
    ら高周波誘導コイルと相対的に移動させられることを特
    徴とする請求項3に記載するフィンチューブの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109599979A (zh) * 2017-10-02 2019-04-09 东芝三菱电机产业系统株式会社 全封闭旋转电机及冷却器
CN113637824A (zh) * 2021-08-09 2021-11-12 湘潭大学 一种搅拌筒内叶片高频感应加热热处理装置及其实施方法

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