JPH097234A - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体の製造方法

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JPH097234A
JPH097234A JP7151498A JP15149895A JPH097234A JP H097234 A JPH097234 A JP H097234A JP 7151498 A JP7151498 A JP 7151498A JP 15149895 A JP15149895 A JP 15149895A JP H097234 A JPH097234 A JP H097234A
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sheet
recording medium
polycarbonate
film
optical information
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JP7151498A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Chiba
潔 千葉
Toshiaki Yatabe
俊明 谷田部
Satoshi Igarashi
聡 五十嵐
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明基板の一方の側に所定の間隔を隔てた2
層以上の記録層を有し、他方の側から各記録層別に読み
出しできるようにした光情報記録媒体の製造方法に関
し、安価で大量に媒体を提供できる、より簡便で工業的
に生産性が高い光情報記録媒体の製造方法の提供 【構成】 透明基板の一方の側に所定の間隔を隔てた2
層以上の記録層を有し、他方の側から各記録層別に読み
出しできるようにした光情報記録媒体の製造方法におい
て、少なくとも片面に予め該記録層の一層を形成した該
読み取り光波長で光学等方性のポリカーボネートのシー
ト状成型物を透明基板上に貼り合わせ、該ポリカーボネ
ート状成型物により前記記録層の間の間隔を形成するこ
とを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ等の光により情
報の記録、再生、消去等を行う光ディスク等の光情報記
録媒体の製造方法に関するものであり、特に、透明基板
の一方の側に2層以上の記録層を有し、記録層を他方の
側から読み出すようにした光情報記録媒体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは、高密度、大容量の情報記
録媒体として種々の研究、開発、商品化が行われてい
る。特に近年、マルチメディア時代の到来と共に、光デ
ィスクに動画情報を含む大容量の記憶が可能なような種
々の技術が開発されている。その1つに、片面から多層
の情報を読み出す多層光ディスク技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、該複層の光
ディスクの製造の従来の方法では、これらの複数の記録
層の間に数10μm〜数100 μmの空気層を設けるか、フ
ォトポリマー層を充填する方法が使われている。ところ
がこれらの方法は、工業的には次の欠点がある。
【0004】空気層は気圧の変動などで変形の問題があ
る。数10μm〜数100 μmのフォトポリマー層は、紫外
線による硬化時間が長く生産性が悪く、また厚み方向の
硬化の程度が不均一となり、情報のエラーが生じやすい
という問題がある。
【0005】本発明はかかる現状に鑑みなされたもの
で、上述の問題がなく、安価で大量に媒体を提供でき
る、より簡便で工業的に生産性が高い光情報記録媒体の
製造方法を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、以下の本
発明により達成される。すなわち、本発明は、透明基板
の一方の側に所定の間隔を隔てた2層以上の記録層を有
し、他方の側から各記録層別に読み出しできるようにし
た光情報記録媒体の製造方法において、少なくとも片面
に予め該記録層の一層を形成した該読み取り光波長で光
学等方性のポリカーボネートのシート状成型物を透明基
板上に貼り合わせ、該ポリカーボネート状成型物により
前記記録層の間の間隔を形成することを特徴とする光情
報記録媒体の製造方法である。
【0007】本発明の光情報記録媒体は、光ディスクな
どのレーザー光などの光学的手段で情報の読み取り、ま
たは/及び情報の書き込み、または/及び消去を行う媒
体である。
【0008】本発明の記録媒体は透明基板の一方の側に
2層以上の記録層を有する。この透明基板は広く光ディ
スクに使われているポリカーボネート、ポリメチルメタ
クリレート、ポリオレフィン、エポキシなどの光学的に
透明なプラスチックスや、ガラスである。特にコンパク
トディスク、レーザディスク、CD-ROM、ビディオディス
ク、コンピュータ用の光ディスクなどでは材料特性と工
業的生産性の利点から射出成型によるポリカーボネート
基板が好ましく使われる。また、複屈折などの光学的特
性を改善するため、平均分子量が20,000未満、特に15,0
00程度のポリカーボネートが特に好ましく使われる。
【0009】基板の厚みは光ディスクでは通常1.2mm 、
さらに用途によっては0.8mm や0.6mm がある。本発明で
は特にこの厚みを限定するものではない。
【0010】本発明の光情報記録媒体は透明基板の一方
の側に2層以上の記録層を有し、記録層を他方の側から
読み出す。2層以上の記録層があり、基板を介し読み出
し光が記録面に入射および反射し、戻り光で記録情報を
読み出す。この2層以上の記録層の情報を読み出すため
には、各層に読み出し光が到達し、また反射部からの光
が基板を介し情報読み出しの検知器に戻る必要がある。
【0011】このために、本発明に於ける光情報記録媒
体の2層以上の記録層で基板に近い側の記録層は少なく
とも読み出し光を部分的に透過し、基板により遠い側の
記録層の読み取りを可能とすることが必要である。この
目的には、各記録層の膜厚の部分的光透過を可能とする
調整、また記録層の材料の選択が適宜行われる必要があ
る。本発明の光情報記録媒体に於ける記録層は光により
情報の読みだし、及び/または記録、及び/または消去
が行われる。
【0012】これらの記録層は読みだしだけが可能なRO
M 型、読みだしと書き込みだけが可能なWORM型、および
または読み出し、書き込み、消去が可能な書き換え可能
型がある。ROM 型には誘電体やAlなどの光反射膜を利用
するCD,CD-ROM やビディオディスク、また書き込み型は
有機色素やTeなどの無機材料を用いるCD-Rや一般の追記
形ディスク、また書き換え型はTbFeCoに代表される光磁
気記録媒体やGeTeSbに代表される相変化記録媒体があげ
られる。本発明の媒体はこれらの材料に限られるもので
はない。また、本発明の媒体の2層以上の記録層にはこ
れらが同種および/または異種あるいは混在していても
よい。
【0013】本発明の記録媒体は、該記録層の間に該読
み取り光波長で光学等方性のポリカーボネートのシート
状成型物を介在させる。該記録層の間とは隣接する記録
層の間であり、本発明ではここに読み取り波長に対し、
偏光を含む波面への影響が記録層に形成されている情報
の読み取りに実用的に許容される範囲の光学的な擾乱の
範囲内であるポリカーボネートのシート状成型物を介在
させる。
【0014】この光学的な擾乱の範囲は、記録層の種類
などによっても異なるが、光ピックアップへのサーボ信
号への影響と信号レベルなどへの影響より、リタデーシ
ョンの値がシート状成型物を厚み方向にシングルパスで
通過する光に対し25nm以下、好ましくは20nm以下、さら
に好ましくは15nm以下である。さらにこれらは読み取り
光の再生信号へのモジュレーションを小さくし、再生信
号レベルを安定化するためシート状成型物でのバラツキ
は5nm 以下が好ましい。
【0015】また、高密度光記録は記録スポットを小さ
くすることで、一層の高密度化が達成される。小さなス
ポットサイズの記録を読み出す、あるいは書き込む場合
には、高いNA(開口数)を持つ光学系を採用すること
が好ましく、高いNAを有する光学系は急激な焦点の絞
り込みにより基板および中間層のフィルムの中に収束さ
れる光束が大きな入射角をもって通過することになる。
この場合後述のnz の軸がバラつくとノイズの原因とな
る。また3次元の屈折率異方性示す下式で定義されるパ
ラメーターKの絶対値が大きくなるとノイズ増大の原因
となる。この面から介在させるポリカーボネートのシー
ト状物は、そのnz の軸のバラツキが±10度以内である
ことが好ましく、更に好ましくは±5 度以内であり、K
の絶対値は好ましくは100nm 以下、更に好ましくは60nm
以下である。なお、この測定値は、前述のリタデーショ
ンと同様に可視光線630nm での測定値である。
【0016】
【数2】
【0017】ここで、nx は面内方向の面内遅相軸方向
の屈折率、ny は面内進相軸方向の屈折率、nz は厚み
方向の屈折率で、dはシート状物の厚みである。また、
光学的な擾乱は光軸の揺ぎが影響する。この理由からシ
ート状成型物の光軸のバラツキ、特にこの性質をあらわ
す一つの指標である遅相軸のバラツキは±10度以内であ
ることが好ましい。
【0018】ポリカーボネートのシート状成型物とは、
厚みが500 μm以下で、成型物の長さ方向の形状が連続
的なものであり、離散的な成型物となる射出成型以外の
方法で連続的に作成されるものである。該シート状成型
物の形成は、熔融押し出しと液体流延の方法がある。該
光学等方性をもつシートの工業的生産性が良い方法とし
ては液体流延法がより好ましい。該記録媒体では各層別
に読み出しを可能とする。これは読み出しで、光ピック
アップによる焦点位置の調節などで行われる。厚みは2
層以上の記録層の再生信号のクロストークが小さくなる
ために30μm以上が好ましく、また光ピックアップの記
録層間のジャンプの容易さや、再生信号の状態などから
80μm以下がより好ましい。
【0019】該記録層にはレーザなどの光が高いエネル
ギー密度でμmオーダー以下の微少領域に繰り返し入射
する。これは記録層近傍のミクロな領域に熱的ストレス
を与える。とくに光書き込みが、また繰り返し行われる
場合は、この影響が材料に影響を与え、界面でのミクロ
な剥離などが起こり記録の信頼性に影響を与える。この
理由により該ポリカーボネートのシート状成型物は熱安
定性が高いことが好ましい。ポリカーボネートの熱安定
性は平均分子量が高い方がより高い傾向にある。よっ
て、平均分子量は20,000以上、さらに熱的安定性よりは
30,000以上が好ましい。熱安定性は120 ℃で1時間熱処
理後フィルムの流れ方向と幅方向それぞれの寸法安定性
が0.05% 以下であり、かつ150 ℃で30分の熱処理後のフ
ィルムの流れ方向と幅方向でそれぞれ寸法安定性が0.1%
以下であることが好ましい。
【0020】また、光情報記録媒体は高温高湿環境下で
も高い信頼性が要求される。該記録層の間に介在するポ
リカーボネートのシート状成型物はこの環境下でも特に
記録膜へ信頼性を損なう影響を与えないことが必要であ
る。該シート状成型物中に残存溶媒が多くあると、記録
膜の界面でのボイドの発生や劣化の問題を生ずる。特
に、残存溶媒がメチレンクロライドなどのハロゲン系で
あると、Alなどの膜にピンホールを生ずるなど影響をあ
たえる。よってシート状の膜中の残存溶媒濃度が0.1 重
量% 以下であることが好ましい。
【0021】また、本発明の光情報記録媒体は将来の高
密度化に対し、光学等方性を有することが好ましい。高
密度化の一つの方向として、光ピックアップのレーザ波
長の短波長化が考えられている。熱的安定性に加え、こ
れらの理由から該ポリカーボネートに共重合での改質が
行われている。特に、ビスフェノールAに対して共重合
比5-30mol%のパーヒドロイソホロン骨格あるいはフルオ
レン骨格からなるビスフェノール成分を共重合させたこ
とよりなるものが好ましい。または該ポリカーボネート
が、ビスフェノールAに対して共重合比5-45mol%のテレ
フタル酸あるいはイソフタル酸あるいはその混合物を共
重合させたことによりなるものが好ましい。また、該ポ
リカーボネートが、ビスフェノールAに対して共重合比
5-30mol%でパーヒドロイソホロン骨格あるいはフルオレ
ン骨格からなるビスフェノール成分、およびテレフタル
酸あるいはイソフタル酸あるいはその混合物を共重合さ
せたものも好ましい。
【0022】該ポリカーボネートのシート状成型物は透
明基板の一方の側に2層以上の記録層を作るために積層
する。この積層は機械的方法、熱的方法、化学的方法、
物理的方法などいかなる方法を用いても良いが、接着層
を設けても良い。この接着層は該光情報記録媒体の光学
的特性を損なわないものであれば無機物、有機物などい
かなるものでも良い。例えば、アクリル系、エポキシ
系、ウレタン系などがある。硬化の方法には、紫外線照
射などの光照射、ホットメルトなどの熱的方法、重合開
始剤などの化学的方法、超音波接着などの物理的方法な
どがある。本発明はこれらの方法に限定されるものでは
ない。
【0023】本発明の製造方法では好ましくは該透明基
板が平板基板を用い、その上に該ポリカーボネートのシ
ート状成型物を2層以上積層し、該2層以上の記録層を
形成する。この製造方法に於いて、積層時に該シート状
成型物をそのシート成型時の長手方向が交互に直交した
配置となるように積層することが好ましい。この方法で
フィルムに残る光学異方性を補償すると共に、2層以上
の記録層が工業的生産性良く製造できる。
【0024】また、該ポリカーボネートのシート状成型
物の上に光サーボ用のガイドなどを形成しても良い。こ
の方法は数μm程度の厚さの光硬化性(2P)樹脂などを
設ける場合もある。しかしながら、この場合でも記録層
間の読み出しの分離の大部分の機能は該ポリカーボネー
トのシート状成型物が担うことから、2P樹脂などは単独
でスペーサを形成する時よりははるかに薄くすみ、工業
生産上、優れる。
【0025】また、該ポリカーボネートのシート状成型
物には界面での接着性の改善にアンカー層を設けても良
い。この目的にはフェノキ樹脂を含む樹脂などが好まし
いが、該材料に限定されるものではない。
【0026】該光情報記録媒体では、2層以上の記録層
を形成する。これらの記録層の光反射膜の形成には塗布
法などの化学的方法、及びまたは真空蒸着やスパッタリ
ングなどの物理的方法などがある。これらの方法は限定
されない。また、通常の光記録媒体と同様に保護膜、ハ
ードコート膜などを適宜設けても良い。
【0027】本発明では該ポリカーボネートのシート状
成型物、好ましくはロールに巻き上げたロール状のシー
ト状成形物から巻き戻しつつ、少なくともその片面にあ
らかじめ情報記録層を連続的に形成し、その後、複数の
記録層を必要な組み合わせに応じ適宜貼り合わし作成す
ることが好ましい。この方法では情報記録層は情報の種
類に応じ、ROM 、追記型、書き換え型など適宜、簡易に
組み合わせることが可能となり、安価で生産性の高い方
法である。
【0028】以下に、本発明の光情報記録媒体の製造法
を実施例で示し、説明する。なお、本発明はこの実施例
に限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
【0030】〔実施例1〕ビスフェノール成分がビスフ
ェノールAだけからなる平均分子量37,000のポリカーボ
ネート樹脂を、メチレンクロライドに20重量% 溶解し
た。そしてこの溶液を、ダイコーティング法により厚さ
175 μmのポリエステルフィルム上に流延した。これを
その後乾燥炉に通過させ、残留溶媒濃度が13重量% 近く
になった時点で、ポリエステルフィルから剥離した。そ
してさらに温度120 ℃の乾燥炉中で、縦横の張力をバラ
ンスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重量% になるまで
乾燥させた。こうして得られたフィルムは厚みが60μ
m、幅方向の膜厚ムラは±2 μmであった。寸法安定性
は、120 ℃で1時間の熱処理後は0.03% であり、150 ℃
で30分後の熱処理後は0.08% であった。630nm における
リタデーションは幅方向で5nm であり、遅相軸はMD方向
に向いておりそのバラツキは±8 度であった。この方法
でポリカーボネートの光学等方性フィルムを得た。
【0031】以上の方法で得た光学等方性の巾20cm、長
さ10m の2本のロール状のポリカーボネートフィルムの
それぞれの表面に次の方法で第1の情報の記録層(1) と
第2の情報の記録層(2) を作成した。
【0032】該フィルムをロールから巻き戻しつつ連続
的に走行させ、コーターで紫外線硬化性のフェノールノ
ボラックエポキシアクリレート樹脂を5 μm厚に塗布し
た。
【0033】次いで、このフィルムを間欠的に走行さ
せ、第1の情報のCD-ROM信号が入ったスタンパーに押し
付け、フィルム側から紫外線を照射することにより、第
1の情報のピットからなる記録層(1) を表面に形成し、
ロールに巻き上げた。
【0034】このロールフィルムをフィルム巻き取り機
構のついた真空蒸着装置に入れ、脱ガス後、フィルムを
巻き戻しつつ連続的に走行させ、情報1のピットがある
面にZnS 蒸着源から厚さ80nmの誘電体膜を形成した。
【0035】次に、別のロールフィルムをピットの形成
に第2の情報がはいったスタンパーを使い、また真空蒸
着でZnS の変わりにAlを用いて50nm厚のAl膜を形成する
以外は上記と同様にして第2の情報のピットからなる記
録層(2) を表面に有するフィルムを形成した。
【0036】この記録層(1) 、(2) をもつ各フィルムを
120mm のCD寸法にあわせ円形に打ち抜いた。この2つの
フィルムの記録層側と反対側の非情報面のポリカーボネ
ート面に接着層として、シクロヘキサノンとメチルエチ
ルケトンの1:1 溶媒に固形分が30重量% 溶解したポリウ
レタン(日本ポリウレタン工業(株)製のニッポラン51
96)をコーターで塗布した。この後、溶媒をとばすた
め、130 ℃で5 分加熱した。
【0037】この2枚のフィルムを平均分子量15,000の
ポリカーボネートを射出成型で形成した厚さ1.1mm 、直
径120mm の平板透明基板に、フィルムの非情報面を基板
側に向け、記録層(1) のフィルム、記録層(2) のフィル
ムの順に、フィルム成型時の長手方向を互いに直交した
配置で重さね、ラミネートした後、130 ℃で5 分加熱
し、接着した。接着層の厚みは約3μm であった。
【0038】最後にこの複層光ディスクを、スピンコー
ターに取り付け紫外線硬化性のフェノールノボラックエ
ポキシアクリレート樹脂を塗布した。紫外線を照射し樹
脂を硬化させ、保護膜を形成した。この樹脂の厚さは約
5 μmであった。
【0039】以上、基板上に記録層を有するフィルムが
強固に接着した、フィルムに残る光学異方性を補償した
2層の記録層がフィルムで隔てられた複層光ディスクが
簡易に生産性よく作成できた。
【0040】得られた複層光ディスクは、光ピックアッ
プの焦点位置を変えることで片面から2つの記録層(1)
、(2) の情報を個別に安定に読み取ることができた。 〔実施例2〕実施例1において、記録層(2) を光磁気記
録膜とする以外は、実施例1と同じ方法で同じ構成の2
層記録層の複層光ディスクを作成した。
【0041】記録層(2) の光磁気記録膜は次の方法で作
成した。まず、ポリカーボネートフィルム面に紫外線硬
化性のフェノールノボラックエポキシアクリレート樹脂
を5μm厚に塗布した。この層にスタンパーと紫外線露
光により公知の2P法でサーボトラック用のガイドを1.6
μmピッチで深さ70nmの溝でスパイラル状に形成した。
【0042】次いで、このフィルムから前述のCDの円形
ディスクを打ち抜き、ガイド溝付きフィルム基板を作成
した。このフィルム基板を、3ターゲットの高周波マグ
ネトロンスパッタ装置(アネルバ製SPF-430 型)の真空
槽内に固定し、5.3x10-5Paになるまで排気した。なお、
膜形成においては基板は15rpm で回転させた。ガイド溝
側にフィルム側からAlSiN/TbFeCo/AlSiN/Al 膜を膜厚が
それぞれ110nm 、20nm、25nm、80nmとなるようにスパッ
タ法で形成した。なお、光磁気記録膜のTbFeCoの組成
は、22:71:7(原子% 比) である。
【0043】このフィルム基板の記録層側でない非情報
面のポリカーボネート面に接着層として、シクロヘキサ
ノンとメチルエチルケトンの1:1 溶媒に固形分が30重量
% 溶解したポリウレタン(日本ポリウレタン工業(株)
製のニッポラン5196)をコーターで塗布した。この後、
溶媒をとばすため、130 ℃で5 分加熱した。
【0044】このフィルム基板を接着層側を平板透明基
板側にし、平板透明基板上に記録層(1) のフィルム、記
録層(2) のフィルムの順にフィルム成型時の長手方向が
互いに直交した配置になるように重さね、ラミネートし
た後、130 ℃で5 分加熱し、平板透明基板に接着し、複
層光ディスクを得た。接着層の厚みは約3 μmであっ
た。
【0045】最後にこの複層光ディスクを、スピンコー
ターに取り付け紫外線硬化性のフェノールノボラックエ
ポキシアクリレート樹脂を塗布した。紫外線を照射し樹
脂を硬化させ、保護膜を形成した。この樹脂の厚さは約
5 μmであった。
【0046】以上、フィルムで隔てられたROM 記録層と
光磁気記録層の2層の記録層を片面有し、フィルムに残
る光学異方性を補償した複層光ディスクが生産性よく作
成できた。
【0047】得られた複層光ディスクは、光磁気用の光
ピックアップを用い、また焦点位置を変えることで片面
から2つの記録層の情報を個別に安定に読み取ることが
できた。また外部磁界を加え、記録層(2) に光磁気記録
することもできた。 〔実施例3〕表面にサーボトラック用のガイドを形成し
たポリカーボネート樹脂からなる光ディスク基板を用意
した。この基板は、外形が直径130mm 、厚さ1.2mm の円
盤で、表面にサーボトラック用ガイドとして1.6μm ピ
ッチで深さ70nmの溝がスパイラル状に形成してある。
【0048】この基板を3ターゲットの高周波マグネト
ロンスパッタ装置(アネルバ製SPF-430 型)の真空槽内
に固定し、5.3x10-5Paになるまで排気する。なお、膜形
成においては基板は15rpm で回転させた。そしてガイド
上の誘電体層として、AlSiN膜を次のようにして形成し
た。すなわち、ターゲットとしては直径100mm 、厚さ5m
m の円盤状のAlSi(50:50) の焼結体を用い、真空槽内に
Ar/N2 混合ガス(N2 30vol%) を導入し、圧力0.4Pa にな
るようにガス流量を調整した。そして放電電力400W、放
電周波数13.56MHzで高周波スパッタリングを行い、ガイ
ド上の誘電体層としてAlSiN 膜を80nm堆積した。
【0049】この基板をスパッタリング装置から取り出
し、スピンコーターに取り付けた。そして基板を3000rp
m で回転させながら、紫外線硬化性のフェノールノボラ
ックエポキシアクリレート樹脂を塗布した。このとき、
樹脂は塗布前にブチルアルコールによって希釈し、温度
20℃にて粘度がおよそ40cpとなるように調整した。塗布
後、スピンコーターから取り外し、紫外線照射装置を通
過させて樹脂を硬化させ、ガイド上以外の領域で厚さが
約250nm となる表面が平坦な平坦化層を設けた。本基板
を第1の平坦化基板1とする。
【0050】次に、Alターゲットを用いAlSiN 膜のかわ
りに厚さ50nmのAl膜をつける以外は平坦化基板1と同じ
構造をもつ、第2の平坦化基板2を作成した。
【0051】一方、ビスフェノールAとフルオレン骨格
のビスフェノール成分を、ホスゲン法をもちいて共重合
した。そして平均分子量37,000の芳香族ポリカーボネー
ト樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の共重合
比は、ビスフェノールA/フルオレン骨格=90/10(mol
比) であり、ガラス転移温度は170 ℃であった。このポ
リカーボネート樹脂を、メチレンクロライドに25重量%
溶解した。そしてこの溶液を、ダイコーティング法によ
り厚さ175 μmのポリエステルフィルム上に流延した。
これをその後乾燥炉に通過させ、残留溶媒濃度が13重量
% 近くになった時点で、ポリエステルフィルから剥離し
た。そしてさらに温度130 ℃の乾燥炉中で、縦横の張力
をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.07重量% にな
るまで乾燥させた。
【0052】こうして得られたフィルムは厚みが60μ
m、幅方向の膜厚ムラは±2 μmであった。寸法安定性
は、120 ℃で1時間の熱処理後は0.02% であり、150 ℃
で30分後の熱処理後は0.07% であった。630nm における
リタデーションは幅方向で4nmであり、遅相軸はMD方向
すなわち流延方向に向いており、そのバラツキは±7.5
度であった。
【0053】このフィルムの両面に記録層として、該ス
パッタ装置でTeのターゲットから、Te膜を20nmの厚さに
スパッタ法で形成した。このフィルムの両面に実施例2
と同様にポリウレタンを塗布し、130 ℃で5 分加熱し
た。このフィルムを該平坦化基板1と2の間に該基板の
トラック用のサーボガイド面を内側にしてはさみ、ラミ
ネートし、130 ℃で10分加熱し貼り合わせ、フィルムで
隔てられた2 層の記録層を片面に有する複層光ディスク
を得た。
【0054】この複層光ディスクは、光ピックアップの
焦点位置を変えることで片面からそれぞれの記録面に情
報を光書き込みでき、またそれぞれの層の情報を読み取
ることができた。
【0055】この方法は2層の記録層の作成がロールフ
ィルムを使い連続的に高速にできるので、生産性がよい
方法である。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上の通り、フィルムに予め
記録層を形成しておくので、記録層の形成の生産性が向
上する共に、プロセスを平行して進めることができるの
でこの面でも生産性が向上する。その上、記録層の間隔
はフィルムの厚みで規制されるので均一で安定する。
【0057】このように、本発明は、品質の安定した、
生産性のよい片面読み出しによる複層の記録層をもつ光
情報記録媒体の製造方法を提供するものであり、大容量
光情報記録媒体の工業生産に大きな寄与をなすものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の一方の側に所定の間隔を隔て
    た2層以上の記録層を有し、他方の側から各記録層別に
    読み出しできるようにした光情報記録媒体の製造方法に
    おいて、少なくとも片面に予め該記録層の一層を形成し
    た該読み取り光波長で光学等方性のポリカーボネートの
    シート状成型物を透明基板上に貼り合わせ、該ポリカー
    ボネート状成型物により前記記録層の間の間隔を形成す
    ることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 該ポリカーボネートのシート状成型物の
    ロールから巻き戻しつつ、その上に記録層を連続的に形
    成する請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 該ポリカーボネートのシート状成型物が
    読み取り光波長でのリタデーションが20nm以下で、かつ
    膜中の残存溶媒濃度が0.1 重量% 以下である請求項1ま
    たは2に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 該ポリカーボネートのシート状成型物
    が、nx を面内方向の面内遅相軸方向の屈折率、ny
    面内進相軸方向の屈折率、nz を厚み方向の屈折率で、
    dをシート状物の厚みとした時、下式で定義される3次
    元屈折率異方性を示すパラメーターKの絶対値が100nm
    以下であり、且つnz の軸のバラツキが面の法線方向に
    対し±10度以内であるポリカーボネートフィルムである
    請求項1〜3に記載のいずれかの光情報記録媒体の製造
    方法。 【数1】
  5. 【請求項5】 該透明基板が平板基板である請求項1〜
    4に記載のいずれかの光情報記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 記録層を形成したシート状成型物を2枚
    以上積層して複数の記録層を形成するに際し、該シート
    状成型物をシート成型時の長手方向が交互に直交した配
    置となるように積層する請求項1〜5に記載のいずれか
    の光情報記録媒体の製造方法。
JP7151498A 1995-06-19 1995-06-19 光情報記録媒体の製造方法 Pending JPH097234A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001073780A1 (fr) * 2000-03-29 2001-10-04 Teijin Limited Garniture de protection pour support d'enregistrement optique et support d'enregistrement optique
US7480928B2 (en) 2001-09-28 2009-01-20 Sony Corporation Optical recording medium and method of producing the same

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