JP2001160241A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2001160241A
JP2001160241A JP34182099A JP34182099A JP2001160241A JP 2001160241 A JP2001160241 A JP 2001160241A JP 34182099 A JP34182099 A JP 34182099A JP 34182099 A JP34182099 A JP 34182099A JP 2001160241 A JP2001160241 A JP 2001160241A
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JP
Japan
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substrate
layer
water absorption
incident surface
thickness
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JP34182099A
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English (en)
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Takeo Kojima
竹夫 小島
Takayuki Kizawa
隆行 鬼澤
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジアル方向の反り角が小な高密度光デ
ィスクを得る。 【解決手段】 情報信号34が形成されている基板31
の前記情報信号34面上に反射膜35を成膜し、この反
射膜35の上部に透過性の接着剤により前記基板31よ
り薄い入射面層21を設け、前記基板31の他方の面に
レーベル層22が設けられている光情報記録媒体20で
あって、前記入射面層21の吸水率と厚みの積がレーベ
ル層22の吸水率と厚みの積とほぼ等しいように設定し
たことを特徴とする光情報記録媒体20。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光情報記録媒体(以
下、光ディスクと呼ぶ)に係わり、特にレーザー光が入
射する読み取り面側を薄型化して高記録密度化を可能と
する光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクは高密度、大容量、小
型化を目指し開発が進められている。高密度化は、レー
ザー光の波長を短くすることや光学ピックアップの記録
・再生時の光を照射するための対物レンズの開口数を大
きくして記録・再生光のスポット径を小さくすることで
可能である。このように、対物レンズの開口数を大きく
すると、再生光が照射されてこれが通過する光ディスク
の入射面側の基板の厚みを薄くする必要がある。これ
は、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直
からずれる角度(チルト角)の許容量が小さくなるため
であり、このチルト角が基板の厚さによる収差や複屈折
の影響を受けやすいためである。従って、基板の厚さを
薄くしてチルト角を可能な限り小さくするようにしてい
る。
【0003】例えば、CDの入射面側の厚みは約1.2
mmなのに対し、記録容量がCDの6〜8倍であるDV
Dは約0.6mm程度にしている。また、最近ではCD
やDVDと同じ大きさのディスク1面当たり、15GB
以上の大記録容量とする要求があり、一例として述べる
と入射面側の基板厚みが約0.3mmとすると15GB
となり、また約0.1mmなら20GBの記録容量とな
る。このような高記録容量のディスクを従来の射出成形
法で製作するのは基板が薄く困難であるため、別の作製
方法が幾つか提案されている。その概要を図18〜図2
0を用いて説明する。図18は、従来の光ディスクの製
造工程を示す第1の説明図、図19は、従来の光ディス
クの製造工程を示す第2の説明図、図20は、従来の光
ディスクの製造工程を示す第3の説明図である。
【0004】(1)第1の作製方法 第1の方法を、図18を用いて説明する。従来技術と同
様、射出成形等により情報信号34が記録されたポリカ
ーボネート(PC)樹脂製の基板31(以下、基板31
と呼ぶ)を作製し、情報信号34面上にアルミニウム等
の反射膜35を成膜し、その上に基板31と同じ大きさ
の透過性シート32を透過性接着剤(図示せず)を用い
てスピンコート法等で貼り合せる。この場合、再生光の
入射は透過性シート32側から行うため、射出成形用樹
脂は光学特性の優れた樹脂に拘ること無く、CDやDV
Dで使用している樹脂程度のヤング率やガラス転移点等
の物理特性を有し転写性も良好な樹脂なら何でも使える
利点がある。また基板31の厚みは従来技術で可能な
0.6mm以上になる。
【0005】(2)第2の作製方法 第2の方法を、図19を用いて説明する。透過性シート
32の片面に、例えば、2P法により情報信号34を形
成し、この情報信号34面上にアルミニウム等の反射膜
35を成膜し、透過性シート32と同じ大きさに加工し
た基板31に情報信号34面を基板側にしてスピンコー
ト法等で貼り合せる。この場合も、再生光の入射は透過
性シート32側から行うため、基板材料は第1の製造方
法と同様の樹脂が使える。更には基板31には情報信号
を形成する必要が無いため、基板31は射出成形法等で
作る必要は無く、溶融法で作製した市販のプラスチック
板(CDやDVDで使用している樹脂程度のヤング率や
ガラス転移点等の物理特性を持ったもの)が使用できる
利点がある。また接着剤も透過性である必要が無い。
【0006】(3)第3の作製方法 第3の方法を、図20を用いて説明する。従来技術と同
様射出成形等により情報信号34が記録された基板31
を作製し、情報信号34面上にアルミニウム等の反射膜
35を成膜し、その上部に、例えば、アクリル系の紫外
線硬化型樹脂を用いてスピンコート法により再生光の入
射面層33を形成する。この場合も、再生光の入射は紫
外線硬化型樹脂を用いた入射面層33側から行うため、
射出成形用樹脂は光学特性の優れた樹脂に拘ること無
く、CDやDVDで使用している樹脂程度のヤング率や
ガラス転移点等の物理特性を有し転写性も良好な樹脂な
ら何でも使える利点がある。また基板厚みは、従来技術
で可能な0.6mm以上になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の3種
類の方法で作製した高密度光ディスク(入射面層0.1
mm、総厚1.2mm)を室内に一定時間放置した場
合、ラジアル方向の反り角(以下反り角と呼ぶ)が大き
くなり再生できなくなることが分かった。同じ室内に置
いたポリカーボネート(PC)樹脂(以下、PC樹脂と
呼ぶ)でできているCD(音楽用)は、反り角変化が小
さいのに対し、同じPC樹脂を用い強度等が同じことか
ら反り角変化も同じになるものと考えられていた上記3
種類の高密度光ディスクの中には、大きく反り角が変化
するものが発生したことから大きな問題点となった。
【0008】そして、かかる課題を解決する発明とし
て、本出願人は先に、特願平11−319628号(平
成11年11月10日)として特許出願をしている。本
出願は、かかる課題を更に実用面から検討したものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明になる光ディスク
は、第1の発明として、一方の面に情報信号34が形成
されている基板31の前記情報信号34面上に反射膜3
5を成膜し、この反射膜35の上部に透過性の接着剤に
より前記基板31より薄い入射面層21を設け、前記基
板31の他方の面にレーベル層22が設けられている光
情報記録媒体20であって、前記入射面層21の吸水率
と厚みの積がレーベル層22の吸水率と厚みの積とほぼ
等しいように設定した光情報記録媒体20を、第2の発
明として、基板31と、この基板31より薄く、かつ、
情報信号34が形成されている透過性シート32の前記
情報信号34面上に反射膜35が成膜されており、前記
情報信号34面を基板側にして前記基板31と接合し、
前記基板31の他方の面にレーベル22が設けられてい
る光情報記録媒体20であって、前記透過性シート32
素材の吸水率と厚みの積がレーベル22素材の吸水率と
厚みの積とほぼ等しいように設定した光情報記録媒体2
0を、第3の発明として、一方の面に情報信号34が形
成されている基板31の前記情報信号34面上に反射膜
35を成膜し、この反射膜35の上部に紫外線硬化型樹
脂33を設けることにより再生光の入射面層21を形成
し、前記基板31の他方の面にレーベル層22が設けら
れている光情報記録媒体20であって、前記入射面層2
1を形成する紫外線硬化型樹脂33の硬化後の吸水率と
厚みの積がレーベル層22の吸水率と厚みの積とほぼ等
しいように設定した光情報記録媒体20を、第4の発明
として、一方の面に情報信号34が形成されている基板
31の前記情報信号34面上に反射膜35を成膜し、こ
の反射膜35の上部に透過性の接着剤により前記基板1
より薄い入射面層21を設け、前記基板31の他方の面
にレーベル層22が設けられている光情報記録媒体20
であって、前記基板31とレーベル層22の間に防水層
23を設けてなり、前記入射面層21の吸水率と厚みの
積がレーベル層22の吸水率と厚みの積とほぼ等しいよ
うに設定した光情報記録媒体20を、第5の発明とし
て、基板31と、この基板31より薄く、かつ、情報信
号34が形成されている透過性シート32の前記情報信
号34面上に反射膜35が成膜されており、前記情報信
号34面を基板側にして前記基板31と接合し、前記基
板31の他方の面にレーベル22が設けられている光情
報記録媒体20であって、前記基板31とレーベル層2
2の間に防水層23を設けてなり、前記透過性シート3
2素材の吸水率と厚みの積がレーベル22素材の吸水率
と厚みの積とほぼ等しいように設定した光情報記録媒体
20を、第6の発明として、一方の面に情報信号34が
形成されている基板31の前記情報信号34面上に反射
膜35を成膜し、この反射膜35の上部に紫外線硬化型
樹脂33を設けることにより再生光の入射面層21を形
成し、前記基板31の他方の面にレーベル層22が設け
られている光情報記録媒体20であって、前記基板31
とレーベル層22の間に防水層23を設けてなり、前記
入射面層21を形成する紫外線硬化型樹脂33の硬化後
の吸水率と厚みの積がレーベル層22の吸水率と厚みの
積とほぼ等しいように設定した光情報記録媒体20をそ
れぞれ提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる一実施例を
詳述する。まず、発明の背景について説明すると共に、
前記した高密度光ディスク36の反り角変動の原因究明
を行った結果、室内の相対湿度が変わることにより、こ
の光ディスク36の反り角が変動していることを突き止
めたので、その現象につき、図1及び図2を参照してそ
の概要を模式的に説明する。なお、従来と同一部分につ
いては同一符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0011】図1は、基板31素材と入射面層形成素材
32の吸水率が同じか、ほぼ同じ場合の反り角発生メカ
ニズムを説明するための概念図である。第1の作製方法
や第2の作製方法のように、入射面層に透過性シート3
2を使用した場合は、基板31と透過性シート32を同
じ相対湿度の場所に数日置き両方の水分量が飽和した状
態で貼り合せた時の値を反り角の初期値とする。第3の
作製方法のように、入射面層に紫外線硬化型樹脂33を
使用している場合は、入射面層作製後の光ディスク36
を放置し、基板31と固化後の紫外線硬化型樹脂33の
水分量が飽和した状態で貼り合せた時の値を反り角の初
期値とする。(通常1.1mm厚程度のプラスチック板
なら約3日程度で飽和し、0.1mm厚なら数時間で飽
和する(図1(A)参照)。
【0012】そして、この光ディスク36を低湿度のデ
シケータ(図示せず)に入れ、基板31と入射面層32
を十分脱水させる。その後、このディスク36を高湿度
の室内に移し反り角変化を調べると、移した直後のディ
スク36は基板31と入射面層32の水分含有率が同じ
なので、反り角は初期値とほぼ同じ値になる(図1
(B)参照))。このまま放置すると基板31と入射面
層32は表面部及び側面部から吸水が始り、入射面層3
2はその厚み(この場合は0.1mm)だけ吸水が進む
と基板31側もほぼ同じ厚みだけ吸水する(図1(C)
参照)。反り角変動は力学的中立面(ディスク層厚の1
/2の所)を中心とした上下のモーメントのバランスが
崩れた時に発生するが、図1(C)までは上下のバラン
スは揃っており反り角変動は無い。更にディスク36を
放置して吸水させると、基板31側の吸水が力学的中立
面まで進む(図1(D))。この場合、入射面層32側
の吸水はアルミニウムの反射膜35に阻止されそこで停
止している。よって上下のバランスは崩れ反り角変動と
なる。
【0013】一般に、プラスチックは吸水すると膨張す
るので、反り方向は図1(D)に示すように上反りにな
る。また反り角変化量は、基板31側の吸水が力学的中
立面に達した時が最大になり、その後下がる。なお、反
り角変化量は、製造マージン等で若干異なるものである
が、0.2°以内であれば、実用上問題ないとされてい
る。更に吸水が進むと基板31側もアルミニウムの反射
膜35で阻止されそこで停止し、アルミニウムの反射膜
35層を除く全部が吸水される(図1(E)参照)。こ
こで、基板31素材と入射面層素材32は、吸水率が同
じかほぼ同じなので、全てが吸水されると力学的中立面
に対して上下が同じ状態となる。すなわち、この時の反
り角は図1(A)及び図1(B)の時とほぼ同じにな
る。
【0014】次に、基板31素材と入射面層素材32の
吸水率が比較的大なる場合につき、図2を参照して説明
する。図2は基板31素材よりも入射面層素材32の吸
収率が大きい場合の反り角発生メカニズムを説明するた
めの概念図である。図1と同様に入射面層に透過性シー
ト32を使っている場合は、基板31と透過性シート3
2を同じ相対湿度の場所に数日置き両方の水分量が飽和
した状態で貼り合せた時の値を反り角の初期値とする。
入射面層32に紫外線硬化型樹脂33を使っている場合
は、入射面層作製後の光ディスク36を放置し、基板3
1と固化後の紫外線硬化型樹脂の水分量が飽和した状態
で貼り合わせた時の値を反り角の初期値とする(図2
(A)参照)。この光ディスク36を低湿度(相対湿度
15%)のデシケータ(図示せず)に入れ基板31と入
射面層32(33)を十分脱水させる。
【0015】その後、このディスク36を高湿度(相対
湿度平均68%)の室内に移し反り角変化を調べると、
移した直後のディスク36は図2(B)のように上反り
になる。この原因は、一般にプラスチックは脱水すると
収縮するが、光ディスク36を低湿度のデシケータに入
れた時、基板31素材より吸水量の大きい入射面層素材
32(33)は脱水量も大きいため、図2(B)に示す
ように上反りになったと考えられる。このまま放置する
と基板31側と入射面層32(33)側の表面及び側面
から吸水が始り、入射面層32(33)側の吸水がアル
ミニウムの反射膜35で阻止され停止した時、基板31
素材側も同じ位置だけ吸水すると考えられる(側面から
の吸水を無視した場合)が、この時の反り角は、入射面
層素材32(33)の吸水率が基板31素材より大きい
ため、吸水量も大きくなっていると考えられるので、一
時的に下がる(図2(C)参照)。
【0016】更に放置し、基板31素材側の吸水が力学
的中立面まで進むが、入射面層32(33)側の吸水
は、前記した如く、アルミニウムの反射膜35で阻止さ
れているので、基板31素材側が膨張し反り角が上がる
(図2(D)参照)。更に吸水が進み力学的中立面を超
えると、基板31素材側は、力のモーメントが下方向に
作用して反り角は下がり始める。
【0017】最終的には図2(E)に示すように、アル
ミニウムの反射膜35層を除く全てが吸水されるが、そ
の時の反り角は初期値と同じにはならない。それは以下
の理由による。相対湿度は一定では無く常に変化してい
るが、湿度コントロールの無い室内等では、湿度は周期
的に変動するとは考えずらく、初期値測定時の相対湿度
と同じ周期になる可能性が低い。一般的にプラスチック
は、湿度変化による吸水脱水を繰り返すが、素材により
吸水率や吸水脱水時間が異なる。
【0018】基板31素材と入射面層素材32(33)
で吸水率差が大なる今回のような組み合わせの場合は、
基板31素材側と入射面層素材32(33)側の相対湿
度に対する膨張による変化量または収縮による変化量が
異なるため、僅かな湿度変化でも反り角変動は大きくな
ると考えられるからである。なお、図2(E)に示すも
のは、吸水率差が大なる場合であっても、僅かな湿度変
化で、反り角が実用上問題ない程度の平坦さになった事
例を示すものある。
【0019】このように基板31素材と入射面層素材3
2(33)とで吸水率が異なる場合は、反り角が発生す
るものであるが、図1で説明した如く、その差は出来る
だけ小さい方がよく、例えば、その差が0.5%以下の
場合は、後述する如く実用上問題がないレベルであるこ
とが実験的に証明されている。また、図2を参照して基
板31素材よりも入射面層素材32(33)の吸水率が
大きい場合について説明したが、基板31素材よりも入
射面層素材32(33)の吸水率が小さい場合の反り角
傾向はこの逆になるものである。
【0020】次に上記現象を実際のデータと照らし合わ
せてみる。図3は、基板31素材と入射面層素材32
(33)の吸水率差が小さい光ディスクと、吸水率差が
大きい光ディスクを低湿度(相対湿度15%)にした図
示しないデシケータに約85時間入れた後、湿度の高い
室内(相対湿度平均68%)に移し反り角の経時変化を
調べたグラフである。この図3より明らかな如く、反り
角の変化の傾向は、前記した図1,図2の現象説明、す
なわち、基板31素材と入射面層素材32(33)の吸
水率差が小さい場合等は、反り角が小さいということと
一致するものである。
【0021】図4は基板31素材と入射面層素材32
(33)の吸水率差と反り角の関係を示す概念図(初期
値を0degとして補正した時の反り角変化量)である
が、吸水率差が小さい光ディスクは、時間の経過にした
がって反り角が変動し1山分布になる。これに対して吸
水率差が大きな光ディスクは、初期と時間が経過してか
らの反り角が変動する2山分布になり、初期段階の反り
角変動の方が大きい。吸水率差が中間の光ディスクの反
り角は2山分布になるが、初期段階の反り角はそれほど
大きくならないことが分かった。
【0022】更には、吸水率差が中間の組み合わせで時
間の経過にしたがって反り角変化量がどのように変化す
るのかを調べたが、時間が経過した時点(図4、A部)
よりも初期段階の時点の反り角変化量(図4、B部)が
同等かあるいは小さくなる光ディスクは、湿度変化に対
して反り角変化があまり大きくならないことが分かっ
た。
【0023】尚、上記のデシケータを用いたシミュレー
ションは、例えば、梅雨時の雨の日(高湿度)にこの高
密度光ディスクを買い、除湿してある室内(低湿度)で
すぐに再生したが、映像も音声も再生されないと言う問
題が起こりかねない点を想定したものである。また吸水
率とは、23℃±0.5℃の蒸留水中に同じ大きさ(5
0mm*50mm厚み0.1mm)の試験片を24時間
浸漬し、その試験片の増加した重さの浸水前の重さに対
する百分率である。
【0024】一方、反り角規格も厳しくなると予想され
且つ、相対湿度変化による反り角変動が起こる高密度光
ディスクの場合は、製造時の湿度環境と使用時の湿度環
境を考慮する必要がでてくる。一般的には、この反り角
は初期段階で0.15°程度である。ここで、例えば同
じ湿度化で製造した複数の光ディスクを国内の最高湿度
場所(根室7月92%)と最低湿度場所(東京1月50
%)の両方で同レベル(反り角変動を同じにする)で再
生するには、製造時の相対湿度は71%(最高湿度と最
低湿度の平均値)の環境下で行うのがベストである。更
には、世界各国の相対湿度を調べると、ほとんどが10
%〜95%の範囲であり、この高密度光ディスクを世界
各国で使用できるようにするには、相対湿度52.5%
の環境で製造するのがベストである。この製造時の湿度
コントロール範囲を0%にするのは困難であり、製造設
備コスト及び反り角の製造マージンから考えると±10
%程度が妥当であると思われる。
【0025】本発明の目的とするところは、前記した図
2に示した基板31素材と入射面層素材32(33)の
吸水率差が大きな組合せの場合であっても、反り角変化
を小さくする方法を提供し、更なる高密度光ディスクを
考慮すれば反り角及び反り角変化は更に小さくする必要
があり、また、図1に示した基板31素材と入射面層素
材32(33)の吸水率差が小さい場合であっても、更
に反り角変化を小さくする方法を提供するものである。
【0026】すなわち、この湿度に対するディスクの反
り角変化をキャンセルする具体的方法としては、CDと
同様に高密度光ディスクも再生光の入射面とは反対の面
にタイトル等を入れるレーベル層を例えばスクリーン印
刷等で作製するものであるが、このレーベル層を利用し
て入射面層形成素材の吸水率と入射面層厚みの積がレー
ベル層形成素材の吸水率とレーベル層厚みの積とをほぼ
等しくなるようにすれば、湿度変化によるディスクの反
り角変動はCDと同レベルになることが実験的に証明さ
れたものなので、ここで、出願するに至ったものなので
ある。
【0027】以下、その知見について説明する。前記し
たように、湿度変化により各種の素材は吸水・脱水を繰
り返す。また湿度変化による水分含有変化量は吸水率に
比例する(例えば吸水率1%の素材が湿度変化により1
g変化すれば、同じ条件なら吸水率2%の素材は2g変
化する)。よって、入射面層形成素材の吸水量(吸水率
とその厚みの積)と、レーベル層素材の吸水量(吸水率
とその厚みの積)とをほぼ等しく設定すれば、湿度変化
による反り角変化の影響は入射面層とレーベル層は打ち
消し合うので、基板31のみの吸水量を考慮すればよい
ものと考えられる。なお、本来吸水量は吸水率と体積の
積で表すが、本発明の入射面層とレーベル層はほぼ同じ
面積であるので、吸水率とその厚みの積を吸水量と定義
する。
【0028】以下、図5〜図6を参照してその概要を模
式的に説明する。なお、図1,図2等と同一部分は同一
符号を用いその詳細な説明は省略する。図5は、情報信
号の入った基板31の情報信号面側にアルミニュウムの
反射膜35を成膜し、その上に入射面層21を設け、こ
の入射面層21とは反対の基板面31a側に、例えば、
入射面層素材の吸水率の2倍の素材で厚みは入射面層2
1の半分としたレーベル層22を、例えばスクリーン印
刷により設けた場合の湿度変化による反り角発生メカニ
ズムを説明するための概念図である。
【0029】図6は、前記した基板31のどの部分が反
り角変化に影響を及ぼしているかを示す概念図であり、
影響を及ぼしている部分を斜線で示している。前記した
図1(A)や図2(A)は、入射面層21を形成した時
に光ディスク36が平ら(反り角が0°付近)になるよ
う構成しているが、この光ディスク36に入射面層素材
の吸水率の2倍で厚みは半分にしたレーベル層22を設
けると、時間が経つにつれレーベル層素材が吸水され膨
張し、力学的中立面を中心とした上下のモーメントのバ
ランスが崩れて上反りになるため、レーベル層22を設
ける基板31はその量を見込んで、予め逆反りにさせた
ものを使用する。基板31の反り角コントロールは、基
板成形時の金型温度を固定側と可動側とで変えることで
容易にできる。
【0030】このように形成した光ディスク20を数日
放置し、全体の水分量が飽和した時、おおよそ平になる
ような光ディスク20を作製する(図5(A)参照)。
そして、この光ディスク20を低湿度のデシケータ(図
示せず)に入れ、基板31と入射面層21及びレーベル
層22を十分脱水させる。その後、この光ディスク20
を高湿度の室内に移し反り角変化を調べると、移した直
後のディスク20は、前記した如く、入射面層21の水
分量、すなわち吸水率とその厚さの積とレーベル層22
の水分量、すなわち吸水率とその厚さの積が同じに設定
してありかつ、力学的中立面からの距離もほぼ同じに設
定してあるので、モーメントはほぼ同じになり、従っ
て、互いに相殺されるので、反り角は初期値とほぼ同じ
値になる(図5(B)参照))。
【0031】尚、反り角変化に大きな影響を与えるのは
入射面層21やレーベル層22のように力学的中立面か
らの距離が離れている場合と、吸水率が高い素材を使っ
ている場合があり、この2つが重なると最も悪くなる。
そして、図5(B)の状態のまま放置すると、レーベル
層22と入射面層21は表面部及び側面部から、また基
板31は側面部からと、それぞれ吸水が始り、入射面層
21はその厚み(この場合は0.1mm)だけ吸水が進
むとレーベル層22側もほぼ同じ厚みだけ吸水する(図
5(C)参照)。
【0032】この時入射面層21とレーベル層22は上
述のようにモーメントが相殺されるが、前記した如くレ
ーベル層22の厚みが入射面層21のそれより薄いた
め、吸水は基板31a側に入り、具体的には、図6
(C)に斜線で示す基板31a側部分の吸水量が増える
ことになるので、両者のバランスが崩れ、基板31は上
反りになる。この時の反り角変化量は、入射面層素材の
吸水率とその厚みの積が、レーベル層素材の吸水率とそ
の厚みの積と等しくなるようにレーベル層22を薄くし
ていった場合は、図6(C)の斜線部の厚みが増えるの
で更に大きくなるが、吸水率が0.5%以下の素材でで
きた基板31を用いれば、レーベル層22の厚みは、入
射面層厚みの1/4程度までなら反り角変化は実用上問
題がないレベルであることが実験的に証明されている。
【0033】更に光ディスク20を放置して吸水させる
と、レーベル層22及び基板31側の吸水が力学的中立
面まで進む(図5(D))。この場合、入射面層21側
の吸水はアルミニウムの反射膜35に阻止されそこで停
止している。しかしながら、レーベル層側は力学的中立
面まで進んでいるので、図6(D)の斜線で示す如く基
板側の吸水量が増え、反り角変化は更に大きくなる。こ
の反り角変化量は、レーベル層側の吸水が力学的中立面
に達した時が最大になり、その後下がる。なお、反り角
変化量は、製造マージン等で若干異なるものであるが、
0.2°程度であれば、実用上問題ないとされている。
【0034】更に吸水が進むとレーベル層側もアルミニ
ウムの反射膜35で阻止されそこで停止し、アルミニウ
ムの反射膜35層を除く全部が吸水される(図5(E)
参照)。入射面層21とレーベル層22は、入射面層2
1の吸水率とその厚さの積とレーベル層の吸水率とその
厚さの積とが同じに設定してあり、力学的中立面からの
距離もほぼ同じに設定してあるので、モーメントはほぼ
同じになり、互いに相殺されるので、反り角は図5
(A)及び図5(B)の時とほぼ同じになる。このよう
にして、完成したのが図8で示す光ディスク20であ
る。なお、図8中、34は基板31に形成された情報信
号である。
【0035】次に、図7を参照して他の実施例につき説
明する。この実施例は、基板31の入射面層側とは異な
る側である基板31a面上に防水層23を設け、更に、
この防水層23の上部にレーベル層22を形成した光デ
ィスク20であり、その反り角発生メカニズムの説明を
図7を参照して説明する。図7(A)は図5と同じで、
レーベル層素材の吸水率が入射面層素材の2倍で厚みが
半分のレーベル層22が例えば、スクリーン印刷により
形成されており、前記した如く、この基板31とレーベ
ル層22との間に、更に防水層23が設けられているも
のである。またレーベル層22形成後数日放置し全体の
水分量が飽和した時、おおよそ平ら(反り画0°付近)
になるように形成した光ディスク20である。この光デ
ィスク20を低湿度のデシケータ(図示せず)に入れ、
基板31と入射面層21及びレーベル層22を十分脱水
させる。
【0036】その後、この光ディスク20を高湿度の室
内に移し反り角変化を調べると、移した直後の光ディス
ク20は、前記した如く、入射面層21の水分量、すな
わち吸水率とその厚さの積と、レーベル層22の水分
量、すなわち吸水率とその厚さの積とが同じに設定して
あり、かつ、力学的中立面からの距離もほぼ同じに設定
してあるので、モーメントはほぼ同じになり、従って、
互いに相殺されるので、反り角は初期値とほぼ同じ値に
なる(図7(B)参照))。
【0037】図7(B)の状態を、このまま放置すると
レーベル層22と入射面層21は表面部及び側面部か
ら、また基板31は側面部31b、31cからと、それぞ
れ吸水が始り、入射面層21はその厚み(この場合は
0.1mm)だけ吸水が進んだ時、レーベル層22は防
水層23に阻止され吸水が停止する。この時のレーベル
層素材の吸水量は、前記した如く、吸水率が2倍であり
厚みが半分に設定されているので、入射面層素材の吸水
量と同じになり両者は相殺されるため反り角変化は起き
ない。また基板31は側面31d、31eのように吸水量
が増えるが、それは厚み方向に対し一様に吸水するた
め、ここでも反り角変化は発生しない(図7(C)参
照)。
【0038】更にディスク20を図7(C)の状態より
放置して吸水させると、入射面層側はアルミニウムの反
射膜35で阻止され、レーベル層側も防水層23で阻止
され基板31の側面からのみ吸水が進み31f、31gの
ように吸水量が増える。ここでも側面からの吸水は一様
なので、反り角変化は起きない(図7(D))。そし
て、図7(E)のように全て吸水された時でも、基板3
1の吸水は側面からのみなので、反り角変化は発生しな
い。このようにして、完成したのが図9で示す光ディス
ク20である。この光ディスク20は、防水層23が設
けられていることにより、基板31の湿度変化による吸
水脱水は側面からだけとなり、力学中立面に対しバラン
スが取れていることがわかる。なお、図9中、34は基
板31に形成された情報信号である。
【0039】このメカニズムで理解できるように、レー
ベル層22と基板31との間に防水層23を設け、更に
入射面層素材の吸水量(吸水率とその厚みの積)と、レ
ーベル層素材の吸水量(吸水率とその厚みの積)とが等
しくなるような形態の光ディスク20は、どのポイント
でも反り角が所定の範囲内にあって、範囲外になるよう
大きく変化することはないので、図2のような基板31
と入射面層素材の吸水率差が大きな場合はもとより、図
1に示した基板31と入射面層素材の吸水率差が小さな
時の反り角変化量より更に小さくできる。
【0040】尚、この実施例では、レーベル層素材の吸
水率を入射面層素材の吸水率の2倍とし厚みを半分とし
たが、入射面層素材の吸水率とその厚みの積が、レーベ
ル層素材の吸水率とその厚みの積と等しくなるようにす
ることにより、湿度変化による入射面層素材とレーベル
層素材の水分変化量を同じにすることが目的であり、こ
れに限定したものではない。
【0041】図10は、本発明の光ディスクの更に他の
実施形態を示す図で、前記した図8とほぼ同じ反り角メ
カニズム傾向を示すものであり、基板31の入射面層2
1とは異なる側である基板31a面上に入射面層21と
同じ素材同じ厚みでできた反り角緩和層24を設け、そ
の上にレーベル層22を形成した光ディスク20であ
る。入射面層21と反り角緩和層24は同じ素材同じ厚
みでできており、力学的中立面からの距離もほぼ等しい
ので反り角変化に及ぼすモーメントはほぼ同じになり、
この2つの層で互いに反りを打ち消し合う。通常、この
形態の光ディスクは、基板素材とレーベル層素材の吸水
率が反り角変化に影響を与えると考えられるが、前述の
ように吸水率が0.5%以下の素材でできた基板31を
用いて、尚かつレーベル層素材はCDやDVD等で使わ
れている吸水率が比較的小さい素材を用いれば実用上問
題ないレベルであることが実験的に証明されている。
尚、CDやDVDで使わせているレーベル層素材の吸水
率は0.3%程度のUVインキである。また、反り角緩
和層24は入射面層素材と同じ素材にする必要はなく、
吸水率が同じなら他の素材であっても良い。
【0042】図11は、本発明の光ディスクの更に他の
実施形態を示す図で、前記した図9とほぼ同じ反り角メ
カニズム傾向を示すものであり、基板31の入射面層2
1とは異なる側である基板31a面上に防水層23を設
け、更にその上に入射面層21と同じ素材同じ厚みでで
きた反り角緩和層24を設けた後、また更にその上にレ
ーベル層22を形成した光ディスク20である。入射面
層21と反り角緩和層24は同じ素材同じ厚みでできて
おり、力学的中立面からの距離もほぼ等しいので反り角
変化に及ぼすモーメントはほぼ同じになり、この2つの
層で互いに反りを打ち消し合う。また基板31の吸水も
防水層23があるため基板側面からだけとなり基板31
が吸水しても反り角変化に影響を与えない。通常、この
形態の光ディスク20は、レーベル層素材の吸水率が反
り角変化に影響を与えると考えられるが、これもCDや
DVD等で使われている吸水率が比較的小さい素材を用
いれば実用上問題ないレベルであることが実験的に証明
されている。尚、CDやDVDで使わせているレーベル
層素材の吸水率は0.3%程度のUVインキである。ま
た、反り角緩和層24は入射面層素材と同じ素材にする
必要はなく、吸水率が同じなら他の素材であっても良
い。
【0043】湿度変化による反り角変動は、図4より1
山分布と2山分布があるが、前記した4形態の反り角キ
ャンセル方法は入射面層21とレーベル層22で1山分
布か2山分布かを合せる必要はあるが、値そのものは合
せる必要はない。更にまた、反り角変動が1山分布のも
のは図1(D)に示すように基板側の吸水が入射面の厚
みを越えてから力学的中立面に到達する間に反り角変動
が発生している。よって、入射面とは反対側の基板面に
防水層を設けることにより、基板の吸水はその側面から
のみとなり、基板の吸水が反り角変動に与える影響力は
小さくなり、反り角変動に大きく影響するのは入射面層
のみとなる。そして、この入射面層は薄いため、湿度に
よるディスクの反り角変動は今までのものより小さくな
る。
【0044】
【実施例1】以下、本発明に係わる具体例を詳述する。
従来の技術でも述べているように15GB容量の基板厚
は約0.3mmで有り、これを従来の射出成形法で形成
するのは困難である。一方、高密度光ディスクの総厚を
考えると取り扱い上からCDやDVDと同じ1.2mm
と推測される。よって次世代高密度光ディスクの一形態
としては例えば入射面層の厚みが0.3mmと仮定する
ならば0.9mm厚の情報信号入り基板を射出成形法等
で作製し、情報信号面上に反射膜を成膜し、更にその上
に透過性シートを透過性の接着剤で貼り、光の入射面は
透過性シート側から行う方法が考えられる。
【0045】更に高密度化が進み透過性シートが0.1
mmになった時は情報信号の入った基板は1.1mmと
なる。即ち透過性シートの厚みは情報信号の入った基板
より薄くなる。本実施例では入射面層は0.1mm、基
板厚は1.1mmの組み合わせで行っているが、これに
限定したものではない。
【0046】一方、実施例では再生専用型(ROM型)
について述べているが、本発明はこれに限定したもので
はなく、例えば追記型、書き換え可能型、光磁気ディス
クにも適用可能である。更には実施例では従来例で述べ
た第1の製造方法、第3の製造方法を使っているので光
ディスクグレードのポリカーボネート樹脂を用いて情報
信号を転写した基板を使用しているが、樹脂はこれに限
定したものではなく、従来のレーザーディスクやCD、
DVDに使っている樹脂の光学特性を除く(この高密度
光ディスクの再生光の入射面は基板からでないため)物
理特性程度の性能があり、転写性の良い材料ならどれで
も使える。
【0047】また第2の製造方法を使用する場合であれ
ば、射出成形基板の必要もなく市販のプラスチック材料
が使えるものである(例えば射出成形樹脂ならアクリル
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂等、市販
プラスチックならアクリル板、ポリカーボネート板、塩
化ビニル板等)。
【0048】
【実施例2】以下に本発明の具体的実施例について図1
2、図13及び図14〜図16を用いて詳細に述べる。
図12は情報信号が記録された、例えば、PC樹脂より
なる基板1と入射面層としてそれと同一素材であるPC
樹脂よりなる透過性シート5を貼り合せる方法を示す装
置の概略図、図13は、情報信号が記録された例えば、
PC樹脂よりなる基板1と入射面層として紫外線硬化型
樹脂14を積層する方法を示す装置の概略図、図14〜
図16は図12や図13の装置により各種シートや各種
紫外線硬化型樹脂により、入射面層の吸水率が異なる各
種の光ディスクを作製し、入射面とは反対側の基板面に
防水層や反り角緩和層を施し、その上にレーベル層を設
けた光ディスクの湿度による反り角変化量を調べた実施
例と比較例の説明図である。
【0049】まず、シリンダー温度380℃で溶融した
光ディスクグレードのPC樹脂(ポリカーボネート樹
脂)を情報信号の母型であるスタンパーが付いた金型
(金型設定温度115℃)内に入れてこれを成型し、冷
却によりPC樹脂を固化し、外径φ120mm、内径φ
15mm、厚み1.1mmの情報信号が記録された基板
1を作製する。しかる後、情報信号面上にスパッタリン
グによりアルミニウムの反射膜(図示せず)を60nm
付けたこの基板1を全てのテストサンプルに使用した。
次に入射面層を前記した素材を用いた透過性シート5と
した時のこの透過性シート5の紫外線硬化型樹脂4への
貼り方について図12を参照して説明する。
【0050】前記した方法で作製された基板1を、情報
信号面を上側にした状態で図12に示すターンテーブル
2の中心に設けたセンターピン3をガイドとして載置
し、図示しない減圧吸着により基板1をターンテーブル
2上に固定する。次にターンテーブル2を低速回転(6
0rpm)させながらノズル8より図示しない反射膜上
に紫外線硬化型接着剤4を滴下し、紫外線硬化型接着剤
4が反射膜の円周状に適当量行き渡った段階でターンテ
ーブル2の回転と紫外線硬化型接着剤4の供給を停止す
る。(図12(a)参照)
【0051】次に、予め別工程で作製した外径φ120
mm、内径φ15mm、厚み0.1mmの透過性シート
5を、センターピン3をガイドとして紫外線硬化型接着
剤4上に載置し、紫外線硬化型接着剤4が延伸後ターン
テーブル2を高速回転させ(実施例では3000rp
m)余分な紫外線硬化型接着剤4と気泡を取り除く。
(図12(b)参照)
【0052】その後、ターンテーブル2の回転を止め、
紫外線硬化型接着剤4を介して一体となった基板1と透
過性シート5を紫外線照射装置7のターンテーブル6に
移動させ、これを低速回転させながら透過性シート5側
より紫外線を照射して、紫外線硬化型接着剤4を固化さ
せ、(図12(c)参照)高密度光ディスクを得る。更
に入射面層を紫外線硬化型樹脂とした時、この紫外線硬
化型樹脂の基板1への貼り方について図13を参照して
説明する。
【0053】情報信号が記録された、例えば、PC樹脂
よりなる基板1上に、図示しない反射膜が設けられたこ
の基板1を、情報信号面を上側にして図13に示すター
ンテーブル12の中心に設けたセンターピン13をガイ
ドとして載置し、図示しない減圧吸着によりこの基板1
をターンテーブル12上に固定する。次にターンテーブ
ル12を低速回転(60rpm)させながらノズル18
より反射膜上に入射面層形成用の紫外線硬化型樹脂14
を滴下する。(図13(a)参照)
【0054】その後、紫外線硬化型樹脂14が設けられ
たターンテーブル12を高速回転させ、この紫外線硬化
型樹脂14をターンテーブル12上に均一に塗布すると
共に余分な紫外線硬化型樹脂14を取り除く。(図13
(b)参照)更にその後、ターンテーブル12の回転を
止め、紫外線硬化型樹脂14が均一に塗布された基板1
を紫外線照射装置17のターンテーブル16に移動さ
せ、低速回転させながら紫外線硬化型樹脂14側より紫
外線を照射して、紫外線硬化型樹脂14を固化させる。
(図13(c)参照)
【0055】この工程によれば、1度で0.1mm厚の
入射面層を塗布するのは困難なので数回に分けて行う。
また高速回転時の回転数は紫外線硬化型樹脂14の粘度
と1回の工程でどの位の厚みを付けるかで決まるが、今
回この方法で作製したテスト用サンプルで使用した紫外
線硬化型樹脂14は400rpm(大日本インキ工業社
製SD211)で行った。上記の方法で透過性シート5
や紫外線硬化型樹脂14の入射面層を形成した基板1の
反対側の面にレーベル層22をスクリーン印刷により取
り付けた。
【0056】スクリーン印刷機は通常のCD作製工程で
使用しているものであり、塗布条件はCD作製工程とほ
ぼ同じである。また湿度による反り角変化量を調べるた
め、レーベル層を付ける前に防水層や反り角緩和層を設
けたテストサンプルやスクリーン印刷に使う紫外線硬化
型インキ(以後UVインキと記載)の硬化後の吸水率が
違うテストサンプル、レーベル層の厚みを変えたテスト
サンプル等を作製した。(図14〜図16参照)
【0057】更にテストサンプルを作製した部屋は、相
対湿度平均68%、温度23℃のクリーンルームで基板
・透過性シート共十分その部屋に置き、吸水させた後貼
り合わせた。一方、入射面層21が紫外線硬化型樹脂1
4のテストサンプルは塗布後、その部屋に数日間放置さ
せ吸水させた。その後テストサンプルを相対湿度15
%、温度23℃のデシケータに垂直に入れ、テストサン
プルを十分脱水(デシケータ内に約85時間放置)させ
た。その後、相対湿度平均68%、温度23℃の部屋に
戻し反り角の経時変化(3日間)を調べた。その経時変
化のP−P値を反り角変化量とした。図14〜図16を
参照しながらその点につき更に具体的に説明する。
【0058】
【実施例3】サンプルNo.1〜サンプルNo.6は、
基板31と入射面層21素材の吸水率差が比較的大き
く、レーベル層22を設けない時は図2の反り角傾向を
示すサンプルである。入射面層素材として、紫外線硬化
型樹脂(大日本インキ社製SD211)14を用いたも
のである。入射面層21を、図13で示した方法により
PC樹脂で形成された基板31に形成し、この入射面層
21とは反対側の基板31a面にレーベル層22や防水
層23及び反り角緩和層24等を設け上述のように湿度
が変化した時の光ディスク20の反り角変化を調べた。
【0059】
【実施例4】各種の光ディスク20の具体的構成を述べ
ると、サンプルNo.1は、図8の形態をした光ディス
ク20でありレーベル層素材の吸水率は、入射面層素材
の吸水率の2倍で厚みは半分で構成された光ディスク2
0である。
【0060】
【実施例5】サンプルNo.2とサンプルNo.3は、
図9の形態をした光ディスク20であり、レーベル層2
2と基板31の間に防水層23を設け、更にレーベル層
22はサンプルNo.1と同じ構成をした光ディスク2
0である。尚、サンプルNo.2は、防水層23として
吸水率0.05%のメタリックフィラー入りのUVイン
キをスクリーン印刷により10μm厚で基板31の全面
に設けた。またサンプルNo.3は、防水層23として
60nm厚のアルミニュウム膜をスパッタリングにより
成膜した。
【0061】
【実施例6】サンプルNo.4は、図10の形態をした
光ディスク20であり、レーベル層素材はCDやDVD
等で一般に使われている従来のUVインキを使用してい
る。
【0062】
【実施例7】サンプルNo.5は、図11の形態をした
光ディスク20であり、入射面層21とは反対の基板面
31a面に防水層23をサンプルNo.3と同様の方法
で設け、その上に入射面層21と同じ素材、同じ厚みで
形成された反り角緩和層24を入射面層形成方法と同様
の方法で形成した後、更にその上にレーベル層22を設
けてサンプルNo.4と同じ構成にした光ディスク20
である。
【0063】図14で示す如く、基板31と入射面層2
1素材の吸水率差が比較的大きな構成としたこれらサン
プルNo.1〜サンプルNo.5の反り角変化量を比較
すると、サンプルNo.1やサンプルNo.4はサンプ
ルNo.6(比較例1)の半分以下であり、前記した構
成による効果のほどが分かる。更には防水層23を設け
たサンプルNo.2やサンプルNo.3、また更には防
水層23と反り角緩和層24を設けたサンプルNo.5
の反り角変化量は、0.1deg以下と良好な結果が得
られた。尚、通常スクリーン印刷による1回の塗布厚は
10μm程度なので、サンプルNo.1〜サンプルN
o.3の場合は、40μmは全面印刷とし、最後の層を
文字印刷とした。またサンプルNo.4〜サンプルN
o.6は全面ベタ印刷とした。
【0064】
【比較例1】サンプルNo.6は、基板31と入射面層
21素材の吸水率差が比較的大きな構成としたサンプル
No.1〜サンプルNo.5の比較例であり、この比較
例1としての入射面層21は、サンプルNo.1〜サン
プルNo.5と同じ構成で、レーベル層素材はCDやD
VD等で一般に使われているUVインキを使用してお
り、また防水層23、反り角緩和層24が設けられてい
ないCDやDVD等と同じレーベル層構成をした光ディ
スクである。この図14より明らかなように、比較例1
の構成では、入射面層をサンプルNo.1〜サンプルN
o.5と同じ構成にしているにも拘わらず、本発明のよ
うに、入射面層の吸水率と厚みの積が、レーベル層の吸
水率と厚みの積とほぼ等しいように設定する構成、及び
防水層を設けた構成、更には、反り角緩和層を設けた構
成を有さないものであるから、反り角変化量がサンプル
No.1やサンプルNo.4の2倍以上であり、実用に
供さないものであることが分かる。
【0065】次に、基板31と入射面層21素材の吸水
率が、前記したサンプルNo.1〜サンプルNo.6よ
り共に低く、かつその吸水率がほぼ同程度のサンプルで
あって、レーベル層22を設けない時は図1のような反
り角傾向を示し、反り角変化も小さい組み合わせの光デ
ィスク20に於いて、更に反り角変化量を小さくしたい
場合をサンプルNo.7〜サンプルNo.9として、そ
の実施例等につき図15を参照して説明する。図15に
おいて、サンプルNo.7〜サンプルNo.9は、入射
面層素材として基板素材と同じPC樹脂を用いており、
図12に示した方法で入射面層21を形成し、この入射
面層21とは反対側の基板面31aにレーベル層22や
防水層23及び反り角緩和層24等を設け上述のように
湿度が変化した時の光ディスク20の反り角変化を調べ
たものである。
【0066】
【実施例8】各種の光ディスク20の具体的構成を述べ
ると、サンプルNo.7は図9に示す形態の光ディスク
20であり防水層23及びレーベル層22はサンプルN
o.3と同様の方法で設けた光ディスク20である。
【0067】
【実施例9】サンプルNo.8は図11に示す形態の光
ディスク20であり防水層23、反り角緩和層24及び
レーベル層22はサンプルNo.5と同様の方法で設け
た光ディスク20である。
【0068】図15で示す如く、基板31と入射面層2
1素材の吸水率が共に低く、かつほぼ同等の構成とした
これらサンプルNo.7、サンプルNo.8の反り角変
化量をサンプルNo.9(比較例2)と比較すると、サ
ンプルNo.7やサンプルNo.8は、サンプルNo.
9(比較例2)の3分の1程度であり、前記した構成に
よる効果のほどが分かる。しかも、このように、基板3
1と入射面層21素材の吸水率が共に低く、かつほぼ同
等の構成を採用した場合は、反り角変化量が前記した実
施例のものより更に向上するもので、より高密度の反り
角変化量の小さな光ディスク20を得たい場合には充分
対応できるものである。
【0069】
【比較例2】サンプルNo.9はサンプルNo.7とサ
ンプルNo.8の比較例であり、入射面層21は、サン
プルNo.7及びサンプルNo.8と同じ構成をしてお
り、レーベル層22は、サンプルNo.6と同様の方法
で設けた光ディスク20である。この図15より明らか
なように、反り角変化量を比較してみると、この比較例
2のサンプルNo.9は、基板素材と入射面層素材の吸
水率が共に低く、かつ等しいので反り角変化量も比較的
小さな値であるが、サンプルNo.7やサンプルNo.
8と比較しては約3倍である。従って、より高密度の反
り角変化量の小さな光ディスク20を得たい場合には、
サンプルNo.7及びサンプルNo.8のように防水層
や反り角緩和層を設けなければならないことが分かる。
【0070】更には基板素材と入射面層素材の吸水率差
がかなり大きく、通常では実用に供しにくいものであっ
ても、防水層23や反り角緩和層24を設けることによ
り反り角変化量が小さくできる場合をサンプルNo.1
0〜サンプルNo.12として、その実施例等につき図
16を参照して説明する。
【0071】
【実施例10】このサンプルNo.10〜サンプルN
o.12は、入射面層素材としてTAシート(トリアセ
テートシート)を用いており、基板素材と入射面層素材
の吸水率差は3.2%とかなり大きく、レーベル層22
を設けない時は図2のような反り角傾向を示すものであ
る。この実施例では、図12に示した方法で入射面層2
1を形成し、この入射面層21とは反対側の基板面31
aにレーベル層22や防水層23及び反り角緩和層24
等を設け、上述のように湿度が変化した時の光ディスク
20の反り角変化を調べたものである。
【0072】
【実施例11】各種の光ディスク20の具体的構成を述
べると、サンプルNo.10は図10に示す形態の光デ
ィスク20であり、反り角緩和層24及びレーベル層2
2はサンプルNo.4と同様の方法で設けた光ディスク
20である。
【0073】
【実施例12】サンプルNo.11は図11に示す形態
の光ディスク20であり、防水層23や反り角緩和層2
4及びレーベル層22はサンプルNo.5と同様の方法
で設けた光ディスク20である。
【0074】図16で示す如く、基板素材と入射面層素
材の吸水率差がかなり大きく、通常では実用に供しにく
いものであっても、これらサンプルNo.10、サンプ
ルNo.11の反り角変化量をサンプルNo.12(比
較例3)と比較すると、サンプルNo.10やサンプル
No.11は、サンプルNo.12(比較例3)の10
分の1以下であり、前記した構成による効果のほどが分
かる。このように、基板素材と入射面層素材の吸水率差
がかなり大きなものであっても、防水層23や反り角緩
和層24を設けることにより、反り角変化量が比較例3
より遥かに向上し、良好な結果が得られた。
【0075】
【比較例3】サンプルNo.12は、サンプルNo.1
0とサンプルNo.11の比較例であり、入射面層21
はサンプルNo.10及びサンプルNo.11と同じ構
成をしており、レーベル層22はサンプルNo.6と同
様の方法で設けた光ディスク20である。この図16よ
り明らかなように、反り角変化量を比較してみると、こ
の比較例3であるサンプルNo.12は、サンプルN
o.10やサンプルNo.11の10倍以上であり、到
底実用に供せないものであることが分かる。尚、レーベ
ル層素材として吸水率0.3%のものは実施例及び比較
例では厚みを10μmとしたが、実施例や比較例で用いた
基板の吸水率は0.25%とレーベル層素材とほぼ等し
いため防水層がないものは例えレーベル層が50μm程度
に厚くなっても反り角変化はあまり変らないと考えられ
る。
【0076】尚、入射面層素材である透過性シートと紫
外線硬化型樹脂の反り角の挙動比較を図15に示すが、
反り角変化の小さいサンプルA(透過性シート)とサン
プルB(紫外線硬化型樹脂)及び反り角変化の大きいサ
ンプルC(透過性シート)とサンプルD(紫外線硬化型
樹脂)の比較から、どちらも同じ挙動を示しておりその
差は無いと言える。
【0077】また、透過性シートに2P法で情報信号を
形成し、これを基板に貼る光ディスクと、実施例で述べ
た情報信号が記録された基板に透過性シートを貼る光デ
ィスクとの違いは、透過性シートに2P法で信号を形成
するか否かであり、その信号層は0.005mm程度と
薄いため、信号層は湿度変化に対する反り角変化に及ぼ
す影響は非常に少ない。よって、相対湿度と反り角の関
係として見るとこの2種類はほぼ同等と言える。更には
本実施例では信号形成面にアルミニウムの反射膜を成膜
し、直ぐに貼り合わせを行っているが製造工程の都合か
ら情報信号を保護する目的で反射膜上に紫外線硬化樹脂
等の保護膜を塗布する場合もある。この場合も保護膜は
0.005mm程度の厚みなので湿度に対する反り角の
影響は極めて少ないと言える。
【0078】本発明は、前記した請求項以外に次のよう
な発明が存在するものである。すなわち、一方の面に情
報信号が形成されている基板の前記情報信号面上に反射
膜を成膜し、この反射膜の上部に透過性の接着剤により
前記基板より薄い入射面層を設け、前記基板の他方の面
にレーベル層が設けられている光情報記録媒体であっ
て、前記入射面層と同一素材及び厚みで形成された反り
角緩和層を、前記基板とレーベル層との間に設けたこと
を特徴とする光情報記録媒体。
【0079】基板と、この基板より薄く、かつ、情報信
号が形成されている透過性シートの前記情報信号面上に
反射膜が成膜されており、前記情報信号面を基板側にし
て前記基板と接合し、前記基板の他方の面にレーベルが
設けられている光情報記録媒体であって、前記入射面層
と同一素材及び厚みで形成された反り角緩和層を、前記
基板とレーベル層との間に設けたことを特徴とする光情
報記録媒体。
【0080】一方の面に情報信号が形成されている基板
の前記情報信号面上に反射膜を成膜し、この反射膜の上
部に紫外線硬化型樹脂を設けることにより再生光の入射
面層を形成し、前記基板の他方の面にレーベル層が設け
られている光情報記録媒体であって、前記入射面層と同
一素材及び厚みで形成された反り角緩和層を、前記基板
とレーベル層との間に設けたことを特徴とする光情報記
録媒体。
【0081】一方の面に情報信号が形成されている基板
の前記情報信号面上に反射膜を成膜し、この反射膜の上
部に透過性の接着剤により前記基板より薄い入射面層を
形成し、前記基板の他方の面にレーベル層が設けられて
いる光情報記録媒体であって、前記基板とレーベル層と
の間で前記基板側に防水層を、レーベル層側に入射面層
と同一素材及び厚みで形成された反り角緩和層を設けた
ことを特徴とする光情報記録媒体。
【0082】基板と、この基板より薄く、かつ、情報信
号が形成されている透過性シートの前記情報信号面上に
反射膜が成膜されており、前記情報信号面を基板側にし
て前記基板と接合し、前記基板の他方の面にレーベルが
設けられている光情報記録媒体であって、前記基板とレ
ーベル層との間で前記基板側に防水層を、レーベル層側
に入射面層と同一素材及び厚みで形成された反り角緩和
層を設けたことを特徴とする光情報記録媒体。
【0083】一方の面に情報信号が形成されている基板
の前記情報信号面上に反射膜を成膜し、この反射膜の上
部に紫外線硬化型樹脂を設けることにより再生光の入射
面層を形成し、前記基板の他方の面にレーベル層が設け
られている光情報記録媒体であって、前記基板とレーベ
ル層との間で前記基板側に防水層を、レーベル層側に入
射面層と同一素材及び厚みで形成された反り角緩和層を
設けたことを特徴とする光情報記録媒体。
【0084】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光情報記
録媒体を用いれば、相対湿度変化に伴う高密度光情報記
録媒体の反り角変化に於いて、変化量の少ない高密度光
情報記録媒体を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反り角発生メカニズムを説明する
ための概念図である。
【図2】本発明に係る反り角発生メカニズムを説明する
ための概念図でる。
【図3】基板と入射面層との吸水率差の違いによる反り
角の経時変化を示す説明図である。
【図4】吸水率差と反り角の関係を示す概念図である。
【図5】本発明に係る反り角発生メカニズムを説明する
ための一実施例の概念図である。
【図6】本発明に係る反り角発生メカニズムを説明する
ための一実施例の要部概念図である。
【図7】本発明に係る反り角発生メカニズムを説明する
ための他の実施例の概念図である。
【図8】本発明の高密度光ディスクの一形態を示す概略
図である。
【図9】本発明の高密度光ディスクの一形態を示す他の
概略図である。
【図10】本発明の高密度光ディスクの一形態を示す他
の概略図である。
【図11】本発明の高密度光ディスクの一形態を示す他
の概略図である。
【図12】基板と透過性シートを貼り合わせる方法を説
明する模式図である。
【図13】基板と紫外線硬化型樹脂を貼り合わせる方法
を説明する模式図である。
【図14】基板材料、レーベル層、反り角変化量等との
関係を説明するための説明図である。
【図15】基板材料、レーベル層、反り角変化量等との
関係を説明するための説明図である。
【図16】基板材料、レーベル層、反り角変化量等との
関係を説明するための説明図である。
【図17】基板と入射面層との吸水率差の違いによる反
り角の経時変化を示す実施例と比較例の説明図である。
【図18】従来の光ディスクの製造工程を示す第2の説
明図である。
【図19】従来の光ディスクの製造工程を示す第2の説
明図である。
【図20】従来の光ディスクの製造工程を示す第2の説
明図である。
【符号の説明】
1、31 基板 2、6、12、16 ターンテーブル 3、13 センターピン 4 紫外線硬化型接着剤 5、32 透過性シート 7、17 紫外線照射装置 14、33 紫外線硬化型樹脂 21 入射面層 22 レーベル層 23 防水層 24 反り角緩和層 34 情報信号 35 反射膜(アルミニウム) 20、36 高密度光ディスク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面に情報信号が形成されている基板
    の前記情報信号面上に反射膜を成膜し、この反射膜の上
    部に透過性の接着剤により前記基板より薄い入射面層を
    設け、前記基板の他方の面にレーベル層が設けられてい
    る光情報記録媒体であって、前記入射面層の吸水率と厚
    みの積がレーベル層の吸水率と厚みの積とほぼ等しいよ
    うに設定したことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】基板と、この基板より薄く、かつ、情報信
    号が形成されている透過性シートの前記情報信号面上に
    反射膜が成膜されており、前記情報信号面を基板側にし
    て前記基板と接合し、前記基板の他方の面にレーベルが
    設けられている光情報記録媒体であって、前記透過性シ
    ート素材の吸水率と厚みの積がレーベル素材の吸水率と
    厚みの積とほぼ等しいように設定したことを特徴とする
    光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】一方の面に情報信号が形成されている基板
    の前記情報信号面上に反射膜を成膜し、この反射膜の上
    部に紫外線硬化型樹脂を設けることにより再生光の入射
    面層を形成し、前記基板の他方の面にレーベル層が設け
    られている光情報記録媒体であって、前記入射面層を形
    成する紫外線硬化型樹脂の硬化後の吸水率と厚みの積が
    レーベル層の吸水率と厚みの積とほぼ等しいように設定
    したことを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】一方の面に情報信号が形成されている基板
    の前記情報信号面上に反射膜を成膜し、この反射膜の上
    部に透過性の接着剤により前記基板より薄い入射面層を
    設け、前記基板の他方の面にレーベル層が設けられてい
    る光情報記録媒体であって、前記基板とレーベル層の間
    に防水層を設けてなり、前記入射面層の吸水率と厚みの
    積がレーベル層の吸水率と厚みの積とほぼ等しいように
    設定したことを特徴とする光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】基板と、この基板より薄く、かつ、情報信
    号が形成されている透過性シートの前記情報信号面上に
    反射膜が成膜されており、前記情報信号面を基板側にし
    て前記基板と接合し、前記基板の他方の面にレーベルが
    設けられている光情報記録媒体であって、前記基板とレ
    ーベル層の間に防水層を設けてなり、前記透過性シート
    素材の吸水率と厚みの積がレーベル素材の吸水率と厚み
    の積とほぼ等しいように設定したことを特徴とする光情
    報記録媒体。
  6. 【請求項6】一方の面に情報信号が形成されている基板
    の前記情報信号面上に反射膜を成膜し、この反射膜の上
    部に紫外線硬化型樹脂を設けることにより再生光の入射
    面層を形成し、前記基板の他方の面にレーベル層が設け
    られている光情報記録媒体であって、前記基板とレーベ
    ル層の間に防水層を設けてなり、前記入射面層を形成す
    る紫外線硬化型樹脂の硬化後の吸水率と厚みの積がレー
    ベル層の吸水率と厚みの積とほぼ等しいように設定した
    ことを特徴とする光情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002101736A1 (fr) * 2001-06-07 2002-12-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de production de supports d'enregistrement d'informations optiques
JP2009277346A (ja) * 2009-07-24 2009-11-26 Sharp Corp 光情報記録媒体及びその製造方法

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