JP2001143325A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

Info

Publication number
JP2001143325A
JP2001143325A JP31962899A JP31962899A JP2001143325A JP 2001143325 A JP2001143325 A JP 2001143325A JP 31962899 A JP31962899 A JP 31962899A JP 31962899 A JP31962899 A JP 31962899A JP 2001143325 A JP2001143325 A JP 2001143325A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
water absorption
incident surface
surface layer
difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31962899A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Kojima
竹夫 小島
Takayuki Kizawa
隆行 鬼澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP31962899A priority Critical patent/JP2001143325A/ja
Publication of JP2001143325A publication Critical patent/JP2001143325A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー光が入射する読み取り面側を薄
型化して高記録密度化を可能とする光ディスクを得る。 【解決手段】 情報信号34が形成されている基板1の
信号面上に反射膜35を成膜し、この反射膜35の上部
に透過性の接着剤により前記基板1より薄い透過膜5を
設けた光情報記録媒体に於いて、前記基板1素材と透過
膜5素材の吸水率の差が0.5%以下である光情報記録
媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光情報記録媒体(以
下、光ディスクと呼ぶ)に係わり、特にレーザー光が入
射する読み取り面側を薄型化して高記録密度化を可能と
する光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクは高密度、大容量、小
型化を目指し開発が進められている。高密度化は、レー
ザー光の波長を短くすることや光学ピックアップの記録
・再生時の光を照射するための対物レンズの開口数を大
きくして記録・再生光のスポット径を小さくすることで
可能である。このように、対物レンズの開口数を大きく
すると、再生光が照射されてこれが通過する光ディスク
の入射面側の基板の厚みを薄くする必要がある。これ
は、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直
からずれる角度(チルト角)の許容量が小さくなるため
であり、このチルト角が基板の厚さによる収差や複屈折
の影響を受けやすいためである。従って、基板の厚さを
薄くしてチルト角を可能な限り小さくするようにしてい
る。例えば、CDの入射面側の厚みは約1.2mmなの
に対し、記録容量がCDの6〜8倍であるDVDは約
0.6mm程度にしている。
【0003】また、最近ではCDやDVDと同じ大きさ
のディスク1面当たり、15GB以上の大記録容量とす
る要求があり、一例として述べると入射面側の基板厚み
を約0.3mmとすると15GBとなり、また約0.1
mmなら20GBの記録容量となる。このような高記録
容量のディスクを従来の射出成形法で製作するのは基板
が薄く困難であるため、別の作製方法が幾つか提案され
ている。その概要を図9〜図11を用いて説明する。図
9は、従来の光ディスクの製造工程を示す第1の説明
図、図10は、従来の光ディスクの製造工程を示す第2
の説明図、図10は、従来の光ディスクの製造工程を示
す第3の説明図である。
【0004】(1)第1の作製方法 第1の方法を図9を用いて説明する。従来技術と同様、
射出成形等により情報信号34が記録されたポリカーボ
ネート(PC)樹脂製の基板31(以下、基板31と呼
ぶ)を作製し、情報信号34面上にアルミニウム等の反
射膜35を成膜し、その上に基板31と同じ大きさの透
過(光)性シート32を透過性接着剤(図示せず)を用
いてスピンコート法等で貼り合せる。この場合、再生光
の入射は透過性シート32側から行うため、射出成形用
樹脂は光学特性の優れた樹脂に拘ること無く、CDやD
VDで使用している樹脂程度のヤング率やガラス転移点
等の物理特性を有し転写性も良好な樹脂なら何でも使え
る利点がある。また基板31の厚みは従来技術で可能な
0.6mm以上になる。
【0005】(2)第2の作製方法 第2の方法を図10を用いて説明する。透過性シート3
2の片面に、例えば、2P法により情報信号34を形成
し、この情報信号34面上にアルミニウム等の反射膜3
5を成膜し、透過性シート32と同じ大きさに加工した
基板31に情報信号34面を基板側にしてスピンコート
法等で貼り合せる。この場合も、再生光の入射は透過性
シート32側から行うため、基板材料は第1の製造方法
と同様の樹脂が使える。更には基板31には情報信号を
形成する必要が無いため、基板31は射出成形法等で作
る必要は無く、溶融法で作製した市販のプラスチック板
(CDやDVDで使用している樹脂程度のヤング率やガ
ラス転移点等の物理特性を持ったもの)が使用できる利
点がある。また接着剤も透過性である必要が無い。
【0006】(3)第3の作製方法 第3の方法を図11を用いて説明する。従来技術と同様
射出成形等により情報信号34が記録された基板31を
作製し、情報信号34面上にアルミニウム等の反射膜3
5を成膜し、その上部に、例えば、アクリル系の紫外線
硬化型樹脂を用いてスピンコート法により再生光の入射
面層33を形成する。この場合も、再生光の入射は紫外
線硬化型樹脂を用いた入射面層33側から行うため、射
出成形用樹脂は光学特性の優れた樹脂に拘ること無く、
CDやDVDで使用している樹脂程度のヤング率やガラ
ス転移点等の物理特性を有し転写性も良好な樹脂なら何
でも使える利点がある。また基板厚みは、従来技術で可
能な0.6mm以上になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の3種
類の方法で作製した高密度光ディスク(入射面層0.1
mm、総厚1.2mm)を室内に一定時間放置した場
合、ラジアル方向の反り角(以下反り角と呼ぶ)が大き
くなり再生できなくなることが分かった。同じ室内に置
いたポリカーボネート(PC)樹脂(以下、PC樹脂と
呼ぶ)でできているCD(音楽用)は、反り角変化が小
さいのに対し、同じPC樹脂を用い、強度等が同じこと
から反り角変化も同じになるもの考えられていた上記3
種類の高密度光ディスクの中には、大きく反り角が変化
するものが発生したことから大きな問題点となった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる点に鑑
みなされたものであり、第1の発明として、情報信号3
4が形成されている基板1の信号面上に反射膜35を成
膜し、この反射膜35の上部に透過性の接着剤により前
記基板1より薄い透過膜5を設けた光情報記録媒体に於
いて、前記基板素材と透過膜素材の吸水率の差が0.5
%以下である光情報記録媒体を、第2の発明として、基
板1と、この基板1より薄く、かつ、情報信号34が形
成されている透過膜5の信号面上に反射膜が成膜されて
おり、信号面を基板側にして前記基板1と接合した光情
報記録媒体に於いて、前記基板素材と透過膜素材の吸水
率の差が0.5%以下である光情報記録媒体を、第3の
発明として、情報信号34が形成されている基板1の信
号面上に反射膜35を成膜し、この反射膜35の上部に
紫外線硬化型樹脂により再生光の入射面層を形成した光
情報記録媒体に於いて、前記基板素材と固化後の紫外線
硬化型樹脂素材の吸水率の差が0.5%以下である光情
報記録媒体をそれぞれ提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施例を詳
述する。まず、発明の背景について説明する。本発明者
等は、前記した高密度光ディスク36の反り角変動の原
因究明を行った結果、室内の相対湿度が変わることによ
り、この光ディスク36の反り角が変動していることを
突き止めた。その現象につき、図1及び図2を参照して
その概要を模式的に説明する。なお、従来と同一部分に
ついては同一符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0010】図1は、基板31素材と入射面層形成素材
32の吸水率差が同じか、ほぼ同じ場合の反り角発生メ
カニズムを説明するための概念図である。第1の作製方
法や第2の作製方法のように、入射面層に透過性シート
32を使用した場合は、基板31と透過性シート32を
同じ相対湿度の場所に数日置き両方の水分量が飽和した
状態で貼り合せた時の値を反り角の初期値とする。第3
の作製方法のように、入射面層に紫外線硬化型樹脂33
を使用している場合は、入射面層作製後の光ディスク3
6を放置し、基板31と固化後の紫外線硬化型樹脂33
の水分量が飽和した状態で貼り合せた時の値を反り角の
初期値とする。(通常1.1mm厚程度のプラスチック
板なら約3日程度で飽和し、0.1mm厚なら数時間で
飽和する(図1(A)参照)。
【0011】そして、この光ディスク36を低湿度のデ
シケータ(図示せず)に入れ、基板31と入射面層32
を十分脱水させる。その後、このディスク36を高湿度
の室内に移し反り角変化を調べると、移した直後のディ
スク36は基板31と入射面層32の水分含有率が同じ
なので、反り角は初期値とほぼ同じ値になる(図1
(B)参照))。このまま放置すると基板31と入射面
層32は表面部及び側面部から吸水が始り、入射面層3
2はその厚み(この場合は0.1mm)だけ吸水が進む
と基板31側もほぼ同じ厚みだけ吸水する(図1(C)
参照)。反り角変動は力学的中立面(ディスク層厚の1
/2の所)を中心とした上下のモーメントのバランスが
崩れた時に発生するが、図1(C)までは上下のバラン
スは揃っており反り角変動は無い。更にディスク36を
放置して吸水させると、基板31側の吸水が力学的中立
面まで進む(図1(D))。この場合、入射面層32側
の吸水はアルミニウムの反射膜35に阻止されそこで停
止している。よって上下のバランスは崩れ反り角変動と
なる。
【0012】一般に、プラスチックは吸水すると膨張す
るので、反り方向は図1(D)に示すように上反りにな
る。また反り角変化量は、基板31側の吸水が力学的中
立面に達した時が最大になり、その後下がる。なお、反
り角変化量は、製造マージン等で若干異なるものである
が、0.2°以内であれば、実用上問題ないとされてい
る。更に吸水が進むと基板31側もアルミニウムの反射
膜35で阻止されそこで停止し、アルミニウムの反射膜
35層を除く全部が吸水される(図1(E)参照)。こ
こで、基板31素材と入射面層素材32は、吸水率が同
じかほぼ同じなので、全てが吸水されると力学的中立面
に対して上下が同じ状態となる。すなわち、この時の反
り角は図1(A)及び図1(B)の時とほぼ同じにな
る。
【0013】次に、基板31素材と入射面層素材32の
吸水率差が比較的大きな場合につき、図2を参照して説
明する。図2は基板31素材よりも入射面層素材32の
吸水率が大きい場合の反り角発生メカニズムを説明する
ための概念図である。図1と同様に入射面層に透過性シ
ート32を使っている場合は、基板31と透過性シート
32を同じ相対湿度の場所に数日置き両方の水分量が飽
和した状態で貼り合せた時の値を反り角の初期値とす
る。入射面層32に紫外線硬化型樹脂33を使っている
場合は、入射面層作製後の光ディスク36を放置し、基
板31と固化後の紫外線硬化型樹脂の水分量が飽和した
状態で貼り合わせた時の値を反り角の初期値とする(図
2(A)参照)。この光ディスク36を低湿度(相対湿
度15%)のデシケータ(図示せず)に入れ基板31と
入射面層32(33)を十分脱水させる。
【0014】その後、このディスク36を高湿度(相対
湿度平均68%)の室内に移し反り角変化を調べると、
移した直後のディスク36は図2(B)のように上反り
になる。この原因は、一般にプラスチックは脱水すると
収縮するが、光ディスク36を低湿度のデシケータに入
れた時、基板31素材より吸水率の大きい入射面層素材
32(33)は脱水量も大きいため、図2(B)に示す
ように上反りになったと考えられる。このまま放置する
と基板31側と入射面層32(33)側の表面及び側面
から吸水が始り、入射面層32(33)側の吸水がアル
ミニウムの反射膜35で阻止され停止した時、基板31
素材側も同じ位置だけ吸水すると考えられる(側面から
の吸水を無視した場合)が、この時の反り角は、入射面
層素材32(33)の吸水率が基板31素材より大きい
ため、吸水量も大きくなっていると考えられるので、一
時的に下がる(図2(C)参照)。
【0015】更に放置し、基板31素材側の吸水が力学
的中立面まで進むが、入射面層32(33)側の吸水
は、前記した如く、アルミニウムの反射膜35で阻止さ
れているので、基板31素材側が膨張し反り角が上がる
(図2(D)参照)。更に吸水が進み力学的中立面を超
えると、基板31素材側は、力のモーメントが下方向に
作用して反り角は下がり始める。
【0016】最終的には図2(E)に示すように、アル
ミニウムの反射膜35層を除く全てが吸水されるが、そ
の時の反り角は初期値と同じにはならない。それは以下
の理由による。相対湿度は一定では無く常に変化してい
るが、湿度コントロールの無い室内等では、湿度は周期
的に変動するとは考えずらく、初期値測定時の相対湿度
と同じ周期になる可能性が低い。一般的にプラスチック
は、湿度変化による吸水脱水を繰り返すが、素材により
吸水率や吸水脱水時間が異なる。
【0017】基板31素材と入射面層素材32(33)
で吸水率差が大なる今回のような組み合わせの場合は、
基板31素材側と入射面層素材32(33)側の相対湿
度に対する膨張による変化量または収縮による変化量が
異なるため、僅かな湿度変化でも反り角変動は大きくな
ると考えられるからである。なお、図2(E)に示すも
のは、吸水率差が大なる場合であっても、僅かな湿度変
化で、反り角が実用上問題ない程度の平坦さになった事
例を示すものである。
【0018】このように基板31素材と入射面層素材3
2(33)とで吸水率が異なる場合は、反り角が発生す
るものであるが、図1で説明した如く、その差は出来る
だけ小さい方がよく、例えば、その差が0.5%以下の
場合は、後述する如く実用上問題がないレベルであるこ
とが実験的に証明されている。また、図2を参照して基
板31素材よりも入射面層素材32(33)の吸水率が
大きい場合について説明したが、基板31素材よりも入
射面層素材32(33)の吸水率が小さい場合の反り角
傾向はこの逆になるものである。
【0019】次に上記現象を実際のデータと照らし合わ
せてみる。図3は、基板31素材と入射面層素材32
(33)の吸水率差が小さい光ディスクと、吸水率差が
大きい光ディスクを低湿度(相対湿度15%)にした図
示しないデシケータに約85時間入れた後、湿度の高い
室内(相対湿度平均68%)に移し反り角の経時変化を
調べたグラフである。この図3より明らかな如く、反り
角の変化の傾向は、前記した図1,図2の現象説明、す
なわち、基板31素材と入射面層素材32(33)の吸
水率差が小さい場合等は、反り角が小さいということと
一致するものである。
【0020】図4は基板31素材と入射面層素材32
(33)の吸水率差と反り角の関係を示す概念図(初期
値を0degとして補正した時の反り角変化量)である
が、吸水率差が小さい光ディスクは、時間の経過にした
がって反り角が変動し1山分布になる。これに対して吸
水率差が大きな光ディスクは、初期と時間が経過してか
らの反り角が変動する2山分布になり、初期段階の反り
角変動の方が大きい。吸水率差が中間の光ディスクの反
り角は2山分布になるが、初期段階の反り角はそれほど
大きくならないことが分かった。
【0021】更には、吸水率差が中間の組み合わせで時
間の経過にしたがって反り角変化量がどのように変化す
るのかを調べたが、時間が経過した時点(図4、A部)
よりも初期段階の時点の反り角変化量(図4、B部)が
同等かあるいは小さくなる光ディスクは、湿度変化に対
して反り角変化があまり大きくならないことが分かっ
た。
【0022】尚、上記のデシケータを用いたシミュレー
ションは、例えば、梅雨時の雨の日(高湿度)にこの高
密度光ディスクを買い、除湿してある室内(低湿度)で
すぐに再生したが、映像も音声も再生されないと言う問
題が起こりかねない点を想定したものである。また吸水
率とは、23℃±0.5℃の蒸留水中に同じ大きさ(5
0mm*50mm厚み0.1mm)の試験片を24時間
浸漬し、その試験片の増加した重さの浸水前の重さに対
する百分率である。
【0023】一方、反り角規格も厳しくなると予想され
且つ、相対湿度変化による反り角変動が起こる高密度光
ディスクの場合は、製造時の湿度環境と使用時の湿度環
境を考慮する必要がでてくる。一般的には、この反り角
は初期段階で0.15°程度である。ここで、例えば同
じ湿度化で製造した複数の光ディスクを国内の最高湿度
場所(根室7月92%)と最低湿度場所(東京1月50
%)の両方で同レベル(反り角変動を同じにする)で再
生するには、製造時の相対湿度は71%(最高湿度と最
低湿度の平均値)の環境下で行うのがベストである。更
には、世界各国の相対湿度を調べると、ほとんどが10
%〜95%の範囲であり、この高密度光ディスクを世界
各国で使用できるようにするには、相対湿度52.5%
の環境で製造するのがベストである。この製造時の湿度
コントロール範囲を0%にするのは困難であり、製造設
備コスト及び反り角の製造マージンから考えると±10
%程度が妥当であると思われる。
【0024】
【実施例】以下、本発明に係わる実施例を詳述する。従
来の技術でも述べているように、15GB容量の基板厚
は約0.3mmで有り、これを従来の射出成形法で形成
するのは困難である。一方、高密度光ディスクの総厚を
考えると、取り扱い上からCDやDVDと同じ1.2m
mと推測される。よって次世代高密度光ディスクの一形
態としては、例えば、入射面層の厚みが0.3mmと仮
定するならば0.9mm厚の情報信号が記録された基板
を射出成形法等で作製し、情報信号面上に反射膜を成膜
し、更にその上部に透過性シートを透過性の接着剤で貼
り、光の入射面は透過性シート側から行う方法が考えら
れる。
【0025】更に高密度化が進み透過性シートが0.1
mmになった時は、情報信号が記録された基板は1.1
mmとなる。即ち透過性シートの厚みは情報信号が記録
された基板より薄くなる。本実施例では入射面層は0.
1mm、基板厚は1.1mmの組み合わせで行っている
が、光ディスクの総厚が同じなら湿度変化に対する反り
角変化量はこの組み合わせが一番大きくなるため、この
組み合わせ条件で目的とする値に入れば、他の組み合わ
せになってもクリアできる。また入射面層は0.1mm
に限定したものではない。
【0026】一方、実施例では再生専用型(ROM型)
について述べているが、本発明はこれに限定したもので
はなく、例えば追記型、書き換え可能型、光磁気ディス
クにも適用可能である。更には本実施例では、従来例で
述べた第1の製造方法、第3の製造方法を使用している
ので、光ディスクグレードのPC樹脂を用いて情報信号
を転写した基板を使用しているが、樹脂はこれに限定し
たものではなく、従来のレーザーディスクやCD、DV
Dに使っている樹脂の光学特性を除く(この高密度光デ
ィスクの再生光の入射面は基板からでないため)物理特
性程度の性能があり、転写性の良い材料ならどれでも使
える。
【0027】また第2の製造方法を使用する場合であれ
ば、射出成形基板の必要もなく市販のプラスチック材料
が使えるものである(例えば射出成形樹脂ならアクリル
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂等、市販
プラスチックならアクリル板、ポリカーボネート板、塩
化ビニル板等)。
【0028】以下に、本発明の具体的実施例につき図5
〜図8を用いて詳細に説明する。図5は、情報信号が記
録された、例えば、PC樹脂よりなる基板1と入射面層
としてそれと同一素材であるPC樹脂よりなる透過性シ
ート5を貼り合せる方法を示す装置の概略図、図6は、
情報信号が記録された、例えば、PC樹脂よりなる基板
1と入射面層として紫外線硬化型樹脂14を積層する方
法を示す装置の概略図、図7は、基板材料と透過性シー
トとの吸水率差等を示す説明図、図8は、基板と入射面
層との吸水率差の違いによる反り角の経時変化を示す実
施例と比較例の説明図である。
【0029】
【実施例1】まず、シリンダー温度380℃で溶融した
光ディスクグレードのPC樹脂を情報信号の母型である
スタンパーが付いた金型(金型設定温度115℃)内に
入れてこれを成型し、冷却によりPC樹脂を固化し、外
径φ120mm、内径φ15mm、厚み1.1mmの情
報信号が記録された基板1を作製する。しかる後、情報
信号面上にスパッタリングによりアルミニウムの反射膜
(図示せず)を60nm付けたこの基板1を全てのテス
トサンプル(実施例1〜3及び比較例)に使用した。次
に、入射面層を前記した素材を用いた透過性シート5と
した時のこの透過性シート5の紫外線硬化型樹脂4上へ
の貼り付け方について、図5を参照して説明する。
【0030】前記した方法で作製された基板1を、情報
信号面を上側にした状態で図5に示すターンテーブル2
の中心に設けたセンターピン3をガイドとして載置し、
図示しない減圧吸着により基板1をターンテーブル2上
に固定する。次にターンテーブル2を低速回転(60r
pm)させながらノズル8より図示しない反射膜上に紫
外線硬化型接着剤4を滴下し、この紫外線硬化型接着剤
4が反射膜の円周状に適当量行き渡った段階でターンテ
ーブル2の回転と紫外線硬化型接着剤4の供給を停止す
る(図5(a)参照)。
【0031】次に、予め別工程で作製した外径φ120
mm、内径φ15mm、厚み0.1mmの透過性シート
5を、センターピン3をガイドとして紫外線硬化型接着
剤4上に載置し、紫外線硬化型接着剤4が延伸後ターン
テーブル2を高速回転させ(実施例では3000rp
m)余分な紫外線硬化型接着剤4と気泡を取り除く(図
5(b)参照)。その後、ターンテーブル2の回転を止
め、紫外線硬化型接着剤4を介して一体となった基板1
と透過性シート5を紫外線照射装置7のターンテーブル
6に移動させ、これを低速回転させながら透過性シート
5側より紫外線を照射して、紫外線硬化型接着剤4を固
化させ、(図5(c)参照)高密度光ディスクを得る。
【0032】図7の実施例1より明らかな如く、この方
法で作製したテスト用サンプルは基板材料1と透過性シ
ート5は、同一材料であるPC樹脂(シート)を用いて
おり、その吸水率が0.25%で同一であるので吸水率
差は0%となる。
【0033】
【実施例2】次に、入射面層を紫外線硬化型樹脂とした
時、この紫外線硬化型樹脂の基板1への貼り方につい
て、図6を参照して説明する。図示しない反射膜が設け
られた、例えば、PC樹脂よりなる基板1を、情報信号
面を上側にして図6に示すターンテーブル12の中心に
設けたセンターピン13をガイドとして載置し、図示し
ない減圧吸着によりこの基板1をターンテーブル12上
に固定する。次に、ターンテーブル12を低速回転(6
0rpm)させながらノズル18より反射膜上に入射面
層形成用の紫外線硬化型樹脂14を滴下する(図6
(a)参照)。
【0034】その後、紫外線硬化型樹脂14が設けられ
たターンテーブル12を高速回転させ、この紫外線硬化
型樹脂14をターンテーブル12上に均一に塗布すると
共に余分な紫外線硬化型樹脂14を取り除く(図6
(b)参照)。更にその後、ターンテーブル12の回転
を止め、紫外線硬化型樹脂14が均一に塗布された基板
1を紫外線照射装置17のターンテーブル16に移動さ
せ、低速回転させながら紫外線硬化型樹脂14側より紫
外線を照射して、紫外線硬化型樹脂14を固化させる
(図6(c)参照)。
【0035】この工程によれば、1度で0.1mm厚の
入射面層を塗布するのは困難なので数回に分けて行う。
また高速回転時の回転数は紫外線硬化型樹脂14の粘度
と1回の工程でどの位の厚みを付けるかで決まるが、今
回この方法で作製したテスト用サンプルは、図7の実施
例2より明らかな如く、基板材料としてPCシート(吸
水率0.25%)を用い、透過性シートとして大日本イ
ンキ工業社製のUV樹脂(SD661:吸水率0.5%
回転数1300rpm)を用いている。従って、実施
例2の吸水率差は0.25%となる。
【0036】
【実施例3】実施例1と全く同じ方法を用い、透過性シ
ートとしてセルロース系シートを用いたものが実施例3
である。この実施例3の場合は、図7より明らかな如
く、セルロース系シートの吸水率が0.75%、基板素
材であるPCシートの吸水率が0.25%であるので、
吸水率差は0.5%となる。
【0037】
【比較例】一方、比較例としては、基板材料としてPC
シート(吸水率0.25%)を用い、透過性シートとし
て大日本インキ工業社製のUV樹脂(SD211:吸水
率1.1% 回転数400rpm)を用いている。従っ
て、この場合の吸水率差は0.85%となる。なお、テ
ストサンプルを作製した部屋は、相対湿度平均68%、
温度23℃のクリーンルームで、PC基板・透過性シー
ト共その室内に置き、十分吸水させた後貼り合わせたも
のである。
【0038】このようにして、入射面層が紫外線硬化型
樹脂14であるテストサンプル板(実施例2、比較例)
は塗布後、その室内に数日放置し吸水させた。その後4
種類のテストサンプルは同時期に反り角測定を行い(反
り角の初期値となる)、相対湿度15%、温度23℃の
デシケータに垂直に入れ、全テストサンプル(実施例1
〜3、比較例)を充分脱水(デシケータ内に約85時間
放置)させた。その後、相対湿度平均68%、温度23
℃の室内に戻し、反り角の経時変化を調べた。その結果
の反り角の初期値を0°として補正した値を図8に示
す。
【0039】この図8より明らかな如く、基板と入射面
層の吸水率差が0.5%以下であれば、光ディスクの反
り角変動は小さいことが分かる。また入射面層素材であ
る透過性シートと紫外線硬化型樹脂の反り角の挙動を比
べると、吸水率差0%(透過性シート)と吸水率差0.
25%(紫外線硬化型樹脂)の比較及び吸水率差0.5
%(透過性シート)と吸水率差0.85%(紫外線硬化
型樹脂)の比較から、どちらも同じ挙動を示しておりそ
の差は無いと言える。従って、入射面層素材である透過
性シートとしてUV樹脂を使用する場合であっても、吸
水率差がある範囲内に入っている場合は、充分その仕様
に耐えられるものである。
【0040】尚、透過性シートに2P法で情報信号を形
成して基板に貼る光ディスクと、実施例で述べた情報信
号入り基板に透過性シートを貼る光ディスクとの違い
は、透過性シートに2P法で信号を形成するか否かであ
り、その信号層は0.005mm程度と薄いため、信号
層は湿度変化に対する反り角変化に及ぼす影響は非常に
少ない。よって、相対湿度と反り角の関係として見ると
この2種類はほぼ同等と言える。従って、どちらを使用
しても実用上差支えがないものである。
【0041】更に本実施例では、信号形成面にアルミニ
ウムの反射膜を成膜し、直ぐに貼り合わせを行っている
が、製造工程の都合から情報信号を保護する目的で、反
射膜上に紫外線硬化樹脂等の保護膜を塗布する場合もあ
る。この場合も、保護膜は0.005mm程度の厚みな
ので湿度に対する反り角の影響は極めて少ないと言え
る。従って、これまたどちらを使用しても実用上差支え
がないものである。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光ディス
クによれば、相対湿度変化に伴う高密度光ディスクの反
り角変化に於いて、変化量の少ない高密度光ディスクが
得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反り角発生メカニズムを説明する
ための一実施例の概念図である。
【図2】本発明に係る反り角発生メカニズムを説明する
ための概念図である。
【図3】基板と入射面層との吸水率差の違いによる反り
角の経時変化を示す説明図である。
【図4】吸水率差と反り角の関係を示す概念図である。
【図5】基板と透過性シートを貼り合わせる方法を説明
する模式図である。
【図6】基板と紫外線硬化型樹脂を貼り合わせる方法を
説明するための模式図である。
【図7】基板材料と透過性シートとの吸水率差等を示す
説明図である。
【図8】基板と入射面層との吸水率差の違いによる反り
角の経時変化を示す実施例と比較例の説明図である。
【図9】従来の光ディスクの製造工程を示す第1の説明
図である。
【図10】従来の光ディスクの製造工程を示す第2の説
明図である。
【図11】従来の光ディスクの製造工程を示す第3の説
明図である。
【符号の説明】 1 基板 2、6、12、16 ターンテーブル 3、13 センターピン 4 紫外線硬化型接着剤 5 透過(光)性シート 7、17 紫外線照射装置 14 紫外線硬化型樹脂 34 情報信号 35 反射膜(アルミニウム) 36 高密度光ディスク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報信号が形成されている基板の信号面上
    に反射膜を成膜し、この反射膜の上部に透過性の接着剤
    により前記基板より薄い透過膜を設けた光情報記録媒体
    に於いて、前記基板素材と透過膜素材の吸水率の差が
    0.5%以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】基板と、この基板より薄く、かつ、情報信
    号が形成されている透過膜の信号面上に反射膜が成膜さ
    れており、信号面を基板側にして前記基板と接合した光
    情報記録媒体に於いて、前記基板素材と透過膜素材の吸
    水率の差が0.5%以下であることを特徴とする光情報
    記録媒体。
  3. 【請求項3】情報信号が形成されている基板の信号面上
    に反射膜を成膜し、この反射膜の上部に紫外線硬化型樹
    脂により再生光の入射面層を形成した光情報記録媒体に
    於いて、前記基板素材と固化後の紫外線硬化型樹脂素材
    の吸水率の差が0.5%以下であることを特徴とする光
    情報記録媒体。
JP31962899A 1999-11-10 1999-11-10 光情報記録媒体 Pending JP2001143325A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31962899A JP2001143325A (ja) 1999-11-10 1999-11-10 光情報記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31962899A JP2001143325A (ja) 1999-11-10 1999-11-10 光情報記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001143325A true JP2001143325A (ja) 2001-05-25

Family

ID=18112420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31962899A Pending JP2001143325A (ja) 1999-11-10 1999-11-10 光情報記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001143325A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009110185A1 (ja) * 2008-03-05 2009-09-11 オリンパス株式会社 複合光学素子及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009110185A1 (ja) * 2008-03-05 2009-09-11 オリンパス株式会社 複合光学素子及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3008819B2 (ja) 光ディスク
WO1999000794A1 (fr) Support d'enregistrement optique et dispositif de disque optique
JP4258037B2 (ja) 光記録媒体と、これを用いた光記録再生装置
JP2001043566A (ja) 光情報媒体およびその製造方法
JP2002117584A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法
US20050271856A1 (en) Optical recording medium and method for producing the same
WO2000072318A1 (fr) Disque optique et son procede de production
MXPA04012285A (es) Medio optico para grabacion de informacion.
JP2001143325A (ja) 光情報記録媒体
JP2001160241A (ja) 光情報記録媒体
JP2003123316A (ja) 光情報媒体
JP4185140B2 (ja) 光ディスクスピンコーティング用の装置
JPH0750035A (ja) 光ディスクの製造方法及びその製造装置
JP2002170284A (ja) 光情報担体及びその製造方法
JP2001250272A (ja) 光情報記録媒体
JP4284888B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2001202655A (ja) 光ディスク
JP2000322767A (ja) 光ディスク
JP3537918B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2002203339A (ja) 貼合わせ型光記録媒体
JP2000090485A (ja) 光ディスク
JP2002150610A (ja) 情報記録担体及び情報記録担体の製造方法
JPH1074341A (ja) 光学記録媒体の製造方法
JP2005018882A (ja) 光ディスク
JP2002304770A (ja) 光ディスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080311