JPH0971899A - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

Info

Publication number
JPH0971899A
JPH0971899A JP22804795A JP22804795A JPH0971899A JP H0971899 A JPH0971899 A JP H0971899A JP 22804795 A JP22804795 A JP 22804795A JP 22804795 A JP22804795 A JP 22804795A JP H0971899 A JPH0971899 A JP H0971899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
dispersed
plating film
layer
composite plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22804795A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Isono
純 磯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP22804795A priority Critical patent/JPH0971899A/ja
Publication of JPH0971899A publication Critical patent/JPH0971899A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、高荷重のかかる過酷な摺動条件下で、
複合メッキ皮膜の利点を生かし、摺動初期から定常領域
に至るまでの摺動形態の変化に対応するように各種分散
粒子を配合し、その特性を十分に引き出すことによっ
て、潤滑性、耐焼き付き性、耐摩耗性に優れた摺動部材
を提供する。 【解決手段】 鉄系材料製の基材1の上には、複合メッ
キ皮膜層8として、粒径約0.1〜10μmの炭化珪素
セラミックス粒子3と二硫化モリブデン粒子6とを、容
積比で合わせて約3〜30%分散させた無電解Ni−P
メッキ皮膜4が、約2〜100μmの膜厚で形成されて
いる。炭化珪素セラミックス粒子3は、複合メッキ皮膜
層8の中で、メッキ表面層9から基材1に近づくにつれ
て分散率を増していき、一方、二硫化モリブデン粒子6
は、逆に基材1からメッキ表面層9に近づくにつれて分
散率を増していくように配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、初期馴染み性、耐
焼付き性、及び耐摩耗性に優れた金属メッキ皮膜を形成
した摺動部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種機械の中の軸、軸受部や内燃
機関中のピストンリング、シリンダ部等、極力摩耗せ
ず、また焼き付くことなく摩擦抵抗も低い安定した摺動
を要求される箇所には、表面改質の一手法として、硬質
クロムメッキ、無電解Ni−Pメッキ等の金属メッキ皮
膜形成による表面硬化法が多々用いられてきた。
【0003】表面処理方法の中でも、金属メッキ皮膜法
は、イオンプレーティング法や溶射法等の他の表面改質
法に比べると、安価で簡便な方法として広く普及してき
ている。しかし、このような金属メッキ皮膜単体では、
摺動条件によっては十分な耐摩耗性を有しているとは言
えず、また自己潤滑性にも乏しい。そのため、耐摩耗性
を高める目的で、セラミックス等の硬質粒子を複合分散
させたり、耐焼付き性及び自己潤滑性を高める目的で、
テフロン樹脂や二硫化モリブデン等の固体潤滑粒子を複
合分散させる等の摺動特性の向上措置がとられていた。
また、最近では、耐摩耗性と自己潤滑性を同時に付与す
る目的で、金属マトリックス中に硬質粒子と固体潤滑粒
子の双方を同時に複合分散させる複合メッキ皮膜が、例
えば特開平2−213498号公報に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような複合メッキ皮膜では、例えば金属マトリックス中
に硬質粒子のみを複合分散させた場合、皮膜を形成した
側の耐摩耗性は向上するが、潤滑性は向上せず、焼き付
き防止に対しては効果を有さない。また、例えば工業用
ミシンの主軸及びそれを支える軸受や、針棒及びそれを
支える軸受等のように、高速・高荷重のかかる摺動環境
下では、各部品を組み付け、運転を開始した際に、互い
の摺動面間での初期馴染み過程において、どうしても初
期摩耗による摩耗粉が発生し、その摩耗粉中に複合メッ
キ皮膜からの硬質粒子が混入するために、摩耗によって
摺動面間に噛み込まれた硬質の摩耗粒子が、アブレージ
ョン作用により、自身材料及び相手材料の摩耗を必要以
上に促進させてしまうことがあった。
【0005】一方、金属マトリックス中に固体潤滑粒子
のみを複合分散させた場合では、潤滑性、耐焼き付き性
は向上しても、強度の低い軟質材料を含有するために、
耐摩耗性に劣り、上記のような過酷な摺動条件では早期
に皮膜層が消失してしまうことがあった。
【0006】また、金属マトリックス中に硬質粒子と固
体潤滑粒子の双方を複合分散させた場合においても、上
記の硬質粒子のみを複合分散させた場合と同様、初期摩
耗時の摩耗粉に混入する硬質粒子による相手材攻撃性の
増加は避けられない。さらに、定常摩耗域に入った後に
おいても、固体潤滑粒子の存在による潤滑性は向上して
も、上記の固体潤滑粒子のみを複合分散させた場合と同
様、全体として耐摩耗性の低下は避けられず、結局、複
合分散することにより付与される摺動特性が中途半端に
なってしまうという問題点があった。
【0007】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、工業用ミシンのような高速・高
荷重のかかる過酷な摺動条件下で、複合メッキ皮膜の利
点を生かし、摺動初期から定常領域に至るまでの摺動形
態の変化に対応するよう各分散粒子を配合し、その特性
を十分に引き出すことによって、潤滑性、耐焼き付き
性、そして耐摩耗性に優れた摺動部材を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の摺動部材では、微粒子粉末
を金属メッキ皮膜中に分散させる複合メッキ皮膜を施
し、複合メッキ皮膜中に、粒径がそれぞれ約0.1〜1
0μmの硬質粒子及び固体潤滑粒子が、基材近くには硬
質粒子の容積割合が多く、皮膜表層近くには固体潤滑粒
子の容積割合が多くなるように複合分散されている。
【0009】摺動の初期馴染み過程における初期摩耗を
見越して、皮膜表層近くに固体潤滑粒子が多くなるよう
に分散させているため、摺動面間に硬質粒子が噛み込ま
れ、摩耗を促進させることがほとんどない。また、初期
馴染み過程においては、摺動面間の微視的な片当たりと
それに伴う高い局部面圧によって、摺動状態は不安定で
摺動抵抗も高く、焼き付きも発生しやすいが、固体潤滑
粒子の潤滑作用により摺動抵抗が軽減され、焼き付きが
防止される。初期馴染み過程が終了し、摺動面間の面圧
が低下して一定になると、比較的摩耗率の低い安定した
摺動状態である定常摩耗域に落ち着く。ここでは、硬度
の高い材料ほど耐摩耗性には優れ、摺動部材としての寿
命も長い。この摺動部材では、固体潤滑粒子の多い皮膜
表層に近い部分は、初期摩耗によって消失し、その下
に、新生面として硬質粒子の多い部分が現れる。これに
より、負荷荷重を硬質粒子の露出部分が支え、定常摩耗
域における皮膜の耐摩耗性を飛躍的に向上させる。
【0010】また、請求項2記載の摺動部材では、複合
メッキ皮膜中の、硬質粒子の容積割合が皮膜表層から基
材側に近づくほど増加し、固体潤滑粒子の容積割合が皮
膜表層から基材側に近づくほど減少するように複合分散
されている。
【0011】これによれば、請求項1に記載の摺動部材
と同様に、初期馴染み過程では、固体潤滑粒子が作用
し、定常摩耗域では硬質粒子が作用する。また、初期馴
染み過程から定常摩耗域へ移行する時間は、部材の材質
や面粗さによって異なるが、皮膜内の固体潤滑粒子が減
少しつつ硬質粒子が増加するので、移行のタイミングが
一定の幅を持っていても、スムーズに対応できる。
【0012】さらに、請求項3記載の摺動部材では、複
合メッキ皮膜が、複数の複合メッキ皮膜層から形成さ
れ、その各皮膜層内に含まれる前記硬質粒子及び/又は
前記固体潤滑粒子の容積割合が各皮膜層毎に異なり、か
つ、各皮膜層内の前記硬質及び固体潤滑各粒子の容積割
合が、約3〜30%となっている。
【0013】これによれば、請求項1及び2に記載の摺
動部材と同様に、初期馴染み過程では、固体潤滑粒子
が、定常摩耗域では硬質粒子が作用し、初期馴染み過程
から定常摩耗域への移行のタイミングが一定の幅を持っ
ていても、皮膜内の固体潤滑粒子が減少しつつ硬質粒子
が増加するので、スムーズに移行できる。さらに、皮膜
を層構造にするため、簡単な工程で硬質粒子と固体潤滑
粒子の増減を実現できる。
【0014】また、請求項4記載の摺動部材では、複合
メッキ皮膜が、基材表面に形成した硬質粒子のみを分散
した第1層と、その第1層上に形成した固体潤滑粒子の
みを分散した膜厚1〜10μmの第2層とから構成され
ている。
【0015】これによれば、初期馴染み過程では固体潤
滑粒子のみが、定常摩耗域では硬質粒子のみが作用する
ため、摺動形態の変化に確実に対応できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態を図面を参照して説明する。
【0017】図1は、複合メッキ皮膜を施した摺動部材
の断面図である。鉄系材料製の基材1の上には、複合メ
ッキ皮膜層8として、粒径約0.1〜10μmの炭化珪
素セラミックス粒子3と二硫化モリブデン粒子6とを、
容積比で合わせて約3〜30%分散させた無電解Ni−
Pメッキ皮膜4が、約2〜100μmの膜厚で形成され
ている。ここで、炭化珪素セラミックス粒子3は、複合
メッキ皮膜層8の中で、メッキ表面層9から基材1に近
づくにつれて分散率を増していき、一方、二硫化モリブ
デン粒子6は、逆に基材1からメッキ表面層9に近づく
につれて分散率を増していくよう、配合されている。
【0018】基材1には、使用目的・用途に応じて金
属、セラミックス、樹脂等、様々な材料が適用できる。
複合メッキ皮膜のマトリックスには、上記の無電解Ni
−P系メッキの他、無電解Ni−B系、電解Ni、硬質
クロム等の金属メッキを用いても良い。
【0019】複合メッキ皮膜層8に複合分散する硬質粒
子としては、上記の炭化珪素セラミックス粒子3の他
に、窒化珪素(Si34)、アルミナ(Al23)、ジ
ルコニア(ZrO2)、クロミア(Cr23)等のセラ
ミックスや、WC等の超硬金属等、一般にビッカース硬
さで1000以上の材料を用いると良い。また、固体潤
滑粒子としては、上記の二硫化モリブデン粒子6の他
に、黒鉛(C)、窒化ボロン(BN)、テフロン樹脂
(PTFE)等の低摩擦材料を用いると良い。
【0020】これら分散粒子の分散率を、容積比で約3
〜30%としたのは、分散率約3%以下では、焼き付き
の防止・耐摩耗性の向上等の、これらの粒子を分散させ
た効果が現れないためであり、分散率約30%以上で
は、メッキ皮膜の脆弱化を招くことによる。また、それ
ぞれ粒径を約0.1〜10μmとしたのは、約0.1μ
m以下では、やはり分散粒子の効果が現れないためであ
り、約10μm以上では、特に硬質粒子による相手材攻
撃性が増してしまうこと、そして複合メッキ皮膜の生成
面に大きな凸部を生じさせて、面粗さを悪化させてしま
うことによる。
【0021】ここで、複合メッキ皮膜層8のような、一
皮膜中の各分散粒子の分散率が膜厚方向で変化する、傾
斜機能メッキ皮膜の製造方法としては、以下のような方
法がある。
【0022】硬質粒子と固体潤滑粒子の分散量を変化さ
せたメッキ液を、数種類用意しておく。1番目のメッキ
液は、硬質粒子のみを分散させたもので、2番目は、硬
質粒子の量を多少減らし、その分、固体潤滑粒子を加え
る。3番目、4番目と進むに連れて、さらに硬質粒子の
量を減らし、代わりに固体潤滑粒子の量を増やしてい
き、最後のメッキ液は固体潤滑粒子のみを分散させたも
のとする。このような一連のメッキ液で、被処理材を1
番目から順にメッキ処理を施していき、それぞれ、処理
時間等で膜厚を制御していけば、最終的に膜厚方向でそ
れぞれの粒子の分散率が傾斜するメッキ皮膜が形成され
る。
【0023】また、複数のメッキ液を用意する代わり
に、メッキ処理の済んだ溶液から粒子を濾過し、次のメ
ッキ液に必要な粒子を加え、それを用いて次のメッキ処
理をする過程を繰り返すようにしてもよい。
【0024】本実施形態の摺動部材を用いた場合の作用
について以下に説明する。
【0025】この摺動部材を部品等に使用して、運転を
開始すると、メッキ表面層9近くに分散させた二硫化モ
リブデン(MoS2)粒子6の潤滑作用により、初期馴
染み過程における摺動抵抗が軽減され、焼き付きが防止
される。初期馴染み過程が進行するとともに、摩耗によ
り、複合メッキ皮膜層8は、メッキ表面層9から徐々に
消失する。これに伴い、皮膜の表面には、二硫化モリブ
デン(MoS2)粒子6に代わって、炭化珪素セラミッ
クス粒子3が露出する量が多くなってくる。初期馴染み
過程が終了し、定常摩耗域に入ると、ほぼ炭化珪素セラ
ミックス粒子3ばかりとなるので、負荷荷重をこの露出
部分が支え、耐摩耗性が向上する。
【0026】次に、図2に、本発明の他の実施形態を示
す。鉄系材料製の基材1の上には、複合メッキ皮膜第1
層2として、粒径約0.1〜10μmの炭化珪素(Si
C)セラミックス粒子3を、容積比で約3〜30%均一
分散させた無電解Ni−Pメッキ皮膜4が、約2〜10
0μmの膜厚で形成されている。さらに、複合メッキ皮
膜第1層2の上には、複合メッキ皮膜第2層5として、
粒径約0.1〜10μmの二硫化モリブデン(Mo
2)粒子6を容積比で約3〜30%均一分散させた無
電解Ni−Pメッキ皮膜7が、約1〜10μmの膜厚で
形成されている。この複合メッキ皮膜第2層5は、初期
馴染みの過程で摩耗して消失するものとして、適当な膜
厚に設定する。
【0027】複合メッキ皮膜第1層2・第2層5のマト
リックスには、第一の実施形態と同様、無電解Ni−B
系、電解Ni、硬質クロム等の金属メッキを用いても良
い。また、複合メッキ皮膜第1層2のマトリックスに、
耐摩耗性の優れた硬質クロムメッキや、無電解Ni−P
メッキで形成した後に熱処理を施して硬度を高めたもの
を用い、一方、複合メッキ皮膜第2層5のマトリックス
には、比較的軟らかい電解Ni等を用いるといった使い
分けをしても良い。
【0028】複合メッキ皮膜第1層2に用いられる硬質
粒子、複合メッキ皮膜第2層5に用いられる固体潤滑粒
子、基材1には、第一の実施形態で挙げたものと同様の
ものが適用できる。また、粒子の分散率を容積比で約3
〜30%、分散粒子の粒径を約0.1〜10μmとする
理由も第一の実施形態と同様である。
【0029】本実施形態の摺動部材を用いた場合の作用
について以下に説明する。
【0030】この摺動部材を部品等に使用して、運転を
開始すると、摺動の初期馴染み過程に入るが、複合メッ
キ皮膜第2層5内の二硫化モリブデン(MoS2)粒子
6の潤滑作用により、摺動抵抗が軽減され、焼き付きが
防止される。この複合メッキ皮膜第2層5は、初期馴染
み過程における摩耗で消失し、複合メッキ皮膜第1層2
が新生面として現われる。初期馴染み過程が終了し、定
常摩耗域に入ると、複合メッキ皮膜第2層5の表面に露
出した炭化珪素セラミックス粒子3が、負荷荷重を支
え、耐摩耗性が向上する。
【0031】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の請求項1に記載の摺動部材によれば、複合メッキ
皮膜中に、基材近くには硬質粒子の容積割合が多く、皮
膜表層近くには固体潤滑粒子の容積割合が多くなるよう
に複合分散されている。このため、摺動抵抗が高く、焼
き付きが発生しやすい初期馴染み過程では、摺動面間に
固体潤滑粒子が供給され、潤滑性及び耐焼き付き性を高
めることができる。また、初期摩耗が終了した後の定常
摩耗域では、表層に近い部分が消失し、硬質粒子の多い
部分が現れるために、硬質粒子によって皮膜の耐摩耗性
が高められる。このように、固体潤滑粒子による潤滑性
・耐焼き付き性の向上効果と、硬質粒子による耐摩耗性
の向上効果を、摺動初期から安定領域に至るまで、それ
ぞれの効果を要求される時期に効率よく付与することが
できる。
【0032】また、請求項2記載の摺動部材によれば、
複合メッキ皮膜中の、硬質粒子の容積割合が、皮膜表層
から基材側に近づくほど増加し、固体潤滑粒子の容積割
合が皮膜表層から基材側に近づくほど減少するように複
合分散されている。このため、請求項1に記載の摺動部
材と同様に、初期馴染み過程では固体潤滑粒子の、定常
摩耗域では硬質粒子の効果が得られる。また、皮膜内の
固体潤滑粒子が減少しつつ硬質粒子が増加するので、初
期馴染み過程から定常摩耗域への移行のタイミングが一
定の幅を持っていても、スムーズに対応できる。
【0033】さらに、請求項3記載の摺動部材によれ
ば、複合メッキ皮膜が、複数の複合メッキ皮膜層から形
成され、その各皮膜層内に含まれる硬質粒子及び/又は
固体潤滑粒子の容積割合が各皮膜層毎に異なり、かつ、
各皮膜層内の前記硬質及び固体潤滑各粒子の容積割合
が、約3〜30%となっている。このため、請求項1及
び2に記載の摺動部材と同様に、初期馴染み過程では固
体潤滑粒子の、定常摩耗域では硬質粒子の効果が得ら
れ、初期馴染み過程から定常摩耗域への移行のタイミン
グが一定の幅を持っていても、皮膜内の固体潤滑粒子が
減少しつつ硬質粒子が増加するので、スムーズに移行で
きる。さらに、皮膜を層構造にしたので、簡単な工程で
硬質粒子と固体潤滑粒子の増減を実現できる。
【0034】また、請求項4記載の摺動部材によれば、
複合メッキ皮膜が、基材表面に形成した硬質粒子のみを
分散した第1層と、その第1層上に形成した固体潤滑粒
子のみを分散した膜厚1〜10μmの第2層とから構成
されている。このため、初期馴染み過程では、固体潤滑
粒子のみの、定常摩耗域では硬質粒子のみの効果が得ら
れ、摺動形態の変化に確実に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の摺動部材の断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施形態の摺動部材の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基材 2 複合メッキ皮膜第1層 3 炭化珪素セラミックス粒子 4 無電解Ni−Pメッキ皮膜 5 複合メッキ皮膜第2層 6 二硫化モリブデン粒子 7 無電解Ni−Pメッキ皮膜 8 複合メッキ皮膜層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子粉末を金属メッキ皮膜中に分散さ
    せた複合メッキ皮膜を施した摺動部材において、 前記複合メッキ皮膜は、その皮膜中に、粒径がそれぞれ
    約0.1〜10μmの硬質粒子及び固体潤滑粒子が、基
    材近くには前記硬質粒子の容積割合が多く、皮膜表層近
    くには前記固体潤滑粒子の容積割合が多くなるように複
    合分散されていることを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記複合メッキ皮膜は、前記硬質粒子の
    容積割合が皮膜表層側から基材側に近づくほど増加し、
    かつ、前記固体潤滑粒子の容積割合が皮膜表層側から基
    材側に近づくほど減少するように複合分散されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記複合メッキ皮膜は、複数の複合メッ
    キ皮膜層から形成され、その各皮膜層内に含まれる前記
    硬質粒子及び/又は前記固体潤滑粒子の容積割合が各皮
    膜層毎に異なり、かつ、各皮膜層内の前記硬質及び固体
    潤滑各粒子の容積割合が、約3〜30%であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の摺動部材。
  4. 【請求項4】 前記複数の複合メッキ皮膜層は、基材表
    面に形成した、前記硬質粒子のみを分散した第1層と、
    その第1層上に形成した、前記固体潤滑粒子のみを分散
    した膜厚約1〜10μmの第2層とから構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の摺動部材。
JP22804795A 1995-09-05 1995-09-05 摺動部材 Pending JPH0971899A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22804795A JPH0971899A (ja) 1995-09-05 1995-09-05 摺動部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22804795A JPH0971899A (ja) 1995-09-05 1995-09-05 摺動部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0971899A true JPH0971899A (ja) 1997-03-18

Family

ID=16870375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22804795A Pending JPH0971899A (ja) 1995-09-05 1995-09-05 摺動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0971899A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001193686A (ja) * 2000-01-14 2001-07-17 Shimadzu Corp 真空ポンプ
WO2002010603A1 (en) * 2000-07-27 2002-02-07 Taiho Kogyo Co., Ltd. Sliding bearing
JP2002276653A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Citizen Watch Co Ltd すべりスライド及びその製造方法
JP2005233267A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Daido Metal Co Ltd 内燃機関用すべり軸受
JP2006327073A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Azuma Denkosha:Kk 他物体との接触摩擦により表面が摩耗することを考慮した物品
WO2010073811A1 (ja) 2008-12-25 2010-07-01 大豊工業株式会社 斜板とその製造方法
JP2014500394A (ja) * 2010-09-09 2014-01-09 フェデラル−モーグル ヴィースバーデン ゲーエムベーハー 摺動構成部品用層状複合材料、その製造方法及びその使用
US20150093593A1 (en) * 2013-10-02 2015-04-02 Shimano Inc. Slide member, bicycle component using slide member, fishing tackle component using slide member, and method of manufacturing slide member
US20150093595A1 (en) * 2013-10-02 2015-04-02 Shimano Inc. Slide member, bicycle component using slide member, and fishing tackle component using slide member
JP2015071803A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 株式会社シマノ 摺動部材、摺動部材を用いた自転車用部品、摺動部材を用いた釣り具用部品、及び摺動部材の製造方法
JP2015092009A (ja) * 2013-10-02 2015-05-14 株式会社シマノ 摺動部材、摺動部材を用いた自転車用部品、及び摺動部材を用いた釣り具用部品
JP2018028343A (ja) * 2016-08-17 2018-02-22 Jfeスチール株式会社 油井管のネジ継手

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001193686A (ja) * 2000-01-14 2001-07-17 Shimadzu Corp 真空ポンプ
WO2002010603A1 (en) * 2000-07-27 2002-02-07 Taiho Kogyo Co., Ltd. Sliding bearing
US6802649B2 (en) 2000-07-27 2004-10-12 Taiho Kogyo Co., Ltd. Sliding bearing
EP1304493A4 (en) * 2000-07-27 2006-01-11 Taiho Kogyo Co Ltd BEARINGS
JP2002276653A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Citizen Watch Co Ltd すべりスライド及びその製造方法
JP2005233267A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Daido Metal Co Ltd 内燃機関用すべり軸受
JP2006327073A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Azuma Denkosha:Kk 他物体との接触摩擦により表面が摩耗することを考慮した物品
US9657818B2 (en) 2008-12-25 2017-05-23 Taiho Kogyo Co., Ltd. Swash plate and production method of the same
WO2010073811A1 (ja) 2008-12-25 2010-07-01 大豊工業株式会社 斜板とその製造方法
US8939644B2 (en) 2008-12-25 2015-01-27 Taiho Kogyo Co., Ltd. Swash plate and production method of the same
JP2014500394A (ja) * 2010-09-09 2014-01-09 フェデラル−モーグル ヴィースバーデン ゲーエムベーハー 摺動構成部品用層状複合材料、その製造方法及びその使用
US20150093595A1 (en) * 2013-10-02 2015-04-02 Shimano Inc. Slide member, bicycle component using slide member, and fishing tackle component using slide member
JP2015071803A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 株式会社シマノ 摺動部材、摺動部材を用いた自転車用部品、摺動部材を用いた釣り具用部品、及び摺動部材の製造方法
JP2015092009A (ja) * 2013-10-02 2015-05-14 株式会社シマノ 摺動部材、摺動部材を用いた自転車用部品、及び摺動部材を用いた釣り具用部品
US20150093593A1 (en) * 2013-10-02 2015-04-02 Shimano Inc. Slide member, bicycle component using slide member, fishing tackle component using slide member, and method of manufacturing slide member
US10465139B2 (en) * 2013-10-02 2019-11-05 Shimano Inc. Slide member, bicycle component using slide member, and fishing tackle component using slide member
JP2018028343A (ja) * 2016-08-17 2018-02-22 Jfeスチール株式会社 油井管のネジ継手

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0971899A (ja) 摺動部材
KR20120085231A (ko) 미끄럼 베어링, 제조방법 및 내연기관
CN1269875A (zh) 带有涂层的滚动元件轴承
JP2891745B2 (ja) ピストンリング
JP2008514818A (ja) 軸受材料および軸受材料を製造するための方法
EP2162561A1 (en) Piston ring with a sulphonitriding treatment
GB2264336A (en) Bearings.
US11098761B2 (en) Sliding member
GB2589723A (en) Sliding member
JP2003013163A (ja) 粉末アルミニウム合金製摺動部材及びシリンダとピストンリングの組み合わせ
JP2552638B2 (ja) ピストンリング
JP4203971B2 (ja) 低フリクション炭素薄膜
JPH0988961A (ja) 摺動部材
GB2246145A (en) Nickel-born alloy composite slidable surface
JPS6082654A (ja) 摺動部材
JP2004176848A (ja) 非晶質硬質炭素被覆部材と鉄系部材の組み合わせ
JP3513273B2 (ja) 気体軸受けユニット
JP3005263B2 (ja) 摺動部材
JP3335744B2 (ja) 摺動部材の組合せ
JP3816203B2 (ja) ピストンリング
JPH04236297A (ja) 耐焼付き性摺動部材
JPH03186667A (ja) 摺動部材
SU984818A2 (ru) Способ придани поверхности металлов противозадирных свойств
JP2701532B2 (ja) 摺動部材
JPH04210165A (ja) 摺動部材