JPH0971611A - 末端に不飽和基を有するイソブチレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

末端に不飽和基を有するイソブチレン系重合体及びその製造方法

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JPH0971611A
JPH0971611A JP16980696A JP16980696A JPH0971611A JP H0971611 A JPH0971611 A JP H0971611A JP 16980696 A JP16980696 A JP 16980696A JP 16980696 A JP16980696 A JP 16980696A JP H0971611 A JPH0971611 A JP H0971611A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な官能基化率でイソブチレン系重合体を
製造できるハロゲンを含まない溶媒成分で、なおかつ容
易に溶媒の再利用が可能である系を提供する。 【解決手段】 沸点が105℃以上であり融点が−90
℃以下である炭化水素溶媒を用いる末端に不飽和基を有
するイソブチレン系重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能基を有するイ
ソブチレン系重合体の製造方法及び該製造方法によって
製造される官能基を有するイソブチレン系重合体に関
し、特に重合反応時に使用する溶剤種に関する。
【0002】
【従来の技術】末端官能性重合体、例えば両末端にビニ
ル基などを有する重合体は、光硬化性樹脂、UV硬化性
樹脂、電子線硬化性樹脂、エレクトロニクス用封止材、
接着剤、改質剤、コーティング材、建築用シーリング材
などの原料として有用である。末端官能性重合体の一種
である、例えば末端に3級炭素と結合した塩素原子を有
するイソブチレン系重合体は、1、4ービス(αークロ
ロイソプロピル)ベンゼン[以下単に(p−DCC)と
記す]あるいは1、3、5ートリス(αークロロイソプ
ロピル)ベンゼン[以下単に(TCC)と記す]を開始
剤、三塩化ホウ素を触媒としてイソブチレンをカチオン
重合させるイニファー法により製造されることが知られ
ている(米国特許第4、276、394号明細書)。さ
らに、上記カチオン重合反応をエレクトロンドナー存在
下、ハロゲン化炭化水素類例えば塩化メチルまたは塩化
メチレンを含む溶剤中で行った場合、GPCでのMw/
Mn値の小さい、すなわち分子量の揃ったイソブチレン
系重合体が得られることがKennedyらにより数多
く報告されている[J. Macromol. Sci. - Chem., A18
(1), 25 (1982), Polym. Bull. , 20, 413 (1988), P
olym. Bull., 26, 305 (1991) , 特開平1−3180
14号明細書等]。上記のようにハロゲン化炭化水素は
適度な誘電率を与えて生長末端を安定化させることから
カチオン重合の溶剤として広く使用されている。しかし
ハロゲン化炭化水素は取り扱いが困難であったり、環境
への排出を防ぐために多大の注意が必要であったりとい
う問題がある。すなわち塩化メチルは、沸点が−23.
7℃と低く、さらに毒性が高く、法的にも高圧ガスのみ
ならず毒性ガスにも指定されており、極めて取り扱いが
困難な物質であるといえる。一方塩化メチレンは水への
溶解度が2.0%(20℃)と高く、また水に溶けた塩
化メチレンを無害化することが困難である。このように
ハロゲン化炭化水素に代わるより安全性の高い溶剤を使
用することが望まれている。本発明の目的のひとつは、
良好なイソブチレン系重合体を与え得るような新規な非
ハロゲン化炭化水素溶剤成分を提供することにある。
【0003】イニファー法によるイソブチレン重合体合
成の大きな特徴は、末端にオレフィン官能基を容易に導
入することが可能であることである。イソブチレン系重
合体の末端にオレフィンを導入する方法としてはイソブ
チレン系重合体の塩素基末端にルイス酸の存在下でアリ
ルトリメチルシランを作用させることによってアリル基
を導入することが知られている(特開昭63−1050
05号明細書)。この反応ではトリメチルクロルシラン
が副生する。この反応では、反応終了後にルイス酸の失
活を水を用いて行っている。このためにイソブチレン系
重合体の末端アリル化反応で副生したトリメチルクロル
シランは分解し、ヘキサメチルジシロキサンとなる。反
応系で生じるヘキサメチルジシロキサンはイソブチレン
系重合体製造において、重合反応を阻害する特性を有し
ている。具体的にはヘキサメチルジシロキサンを含む溶
媒系で重合反応を行うと得られる重合体の分散度(Mw
/Mn)が大きくなり好ましくないので、実質的にヘキ
サメチルジシロキサンを含まない系で重合を行うことが
望ましい。従って、イソブチレン系重合体の製造におい
て反応溶媒を再利用することを考えた際にはヘキサメチ
ルジシロキサンを除去することが必須となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好なイソ
ブチレン系重合体を製造できるハロゲンを含まない新規
な溶媒成分で、なおかつ容易に溶媒の再利用が可能な系
を提供することである。さらに具体的には、炭化水素系
の溶媒で、蒸留により容易にヘキサメチルジシロキサン
を除去できる溶媒成分を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の理由により、本発
明者らがハロゲン化炭化水素に代わる溶剤を探すべく鋭
意検討を行ない、本発明を完成した。本発明では反応終
了後に生じるヘキサメチルジシロキサンを除去すること
が必須である。この化合物の沸点が100℃であること
から、この化合物よりも低沸点あるいは高沸点の溶媒系
であれば、原理的には蒸留によってヘキサメチルジシロ
キサンは反応終了後の溶媒から除去できることになる。
しかしながら、反応終了後の溶媒中に生成するヘキサメ
チルジシロキサンは用いるアリルシランから定量的に生
成するとして、溶液量の2wt%以下である。これを蒸
留で分離する際には、ヘキサメチルジシロキサンよりも
高沸点の溶媒系を選択することによって、初留としてヘ
キサメチルジシロキサンを除去することができれば、蒸
留時の熱効率あるいは蒸留装置のコストの点から有利と
なる。そこで溶媒の沸点はヘキサメチルジシロキサンよ
りも高沸点であることが望ましい。この条件を満足し、
良好なイソブチレン系重合体を与える溶媒系の検討を行
い、有効な系を見出した。
【0006】すなわち本発明の構成は以下の通りであ
る。 (1)沸点が105℃以上であり融点が−90℃以下で
ある炭化水素溶媒中で反応することを特徴とするイソブ
チレン系重合体の合成方法に関する。 (2)下記〜の成分を−100℃以上0℃以下の温
度で混合することを特徴とするイソブチレン系重合体の
製造方法である。 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマー 一般式(1):
【0007】
【化2】
【0008】[式中、R1は芳香環基または置換もしく
は非置換の脂肪族炭化水素基を示す。R2、R3は同一ま
たは異なっていてもよく、水素原子、または置換もしく
は非置換の1価の炭化水素基を示す。ただしR1が脂肪
族炭化水素基の場合にはR2、R 3は同時に水素原子では
ない。式中、Xはハロゲン原子、R4COO−基(R4
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)また
はR5Oー基(R5は水素原子または炭素数1〜5のアル
キル基を示す)を表す。nは1以上8以下の整数であ
る。]で表される化合物 ルイス酸 種々の化合物の電子供与体(エレクトロンドナ−)と
しての強さを表すパラメ−タ−として定義されるドナ−
数が15〜50である電子供与体成分。 沸点が105℃以上であり融点が−90℃以下である
炭化水素溶媒 アリルトリメチルシラン (3)上記沸点が105℃以上であり融点が−90℃以
下である炭化水素溶媒で反応を行う際に、溶媒中におけ
るヘキサメチルジシロキサンを実質的に含まないことを
特徴とする(1)または(2)記載のイソブチレン系重
合体の製造方法。
【0009】(4)沸点が105℃以上であり融点が−
90℃以下である炭化水素溶媒がトルエン、エチルシク
ロヘキサン、2、2、3−トリメチルペンタン、2、
2、5−トリメチルヘキサンからなる群から選択される
ことを特徴とする(1)または(2)または(3)記載
のイソブチレン系重合体の製造方法。 (5)沸点が105℃以上であり融点が−90℃以下で
ある炭化水素溶媒がトルエンとエチルシクロヘキサンの
混合物であることを特徴とする(4)記載のイソブチレ
ン系重合体の製造方法。 (6)トルエンとエチルシクロヘキサンの混合比率が体
積比率でトルエン:エチルシクロヘキサン=8:2〜
7:3の混合物であることを特徴とする(5)記載のイ
ソブチレン系重合体の製造方法。 (7)上記ルイス酸成分が、三塩化ホウ素、四塩化チタ
ン、四塩化スズから選ばれることを特徴とする、(2)
または(3)または(4)または(5)または(6)記
載の製造方法。 (8)上記電子供与体成分が、ピリジン類、アミン類、
アミド類またはスルホキシド類から選ばれることを特徴
とする、(2)または(3)または(4)または(5)
または(6)記載の製造方法。 (9)(2)の〜およびに示す物質の使用量が以
下の範囲であることを特徴とする、イソブチレン系重合
体の製造方法及び得られるイソブチレン系重合体。 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーの濃
度、0.1〜10mol/l 一般式(1)で表わされる化合物の使用量、イソブチ
レンを含有するカチオン重合性モノマーの0.01〜2
0重量% ルイス酸の使用量、上記一般式(1)で表わされる化
合物に対して0.1〜100倍モル 電子供与体成分の使用量、一般式(1)で表わされる
化合物に対して0.01〜10倍モル アリルトリメチルシランの使用量、一般式(1)で表
わされる化合物に対して0.75〜1.5倍モル (10)上記(1)記載のイソブチレン系重合体の製造
方法によって製造されたことを特徴とするイソブチレン
系重合体。 (11)上記(9)記載のイソブチレン系重合体の製造
方法によって製造されたことを特徴とするイソブチレン
系重合体。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、不飽和基を有
するイソブチレン系重合体の数平均分子量(Mn)およ
びMw/Mn値(Mw:重量平均分子量)は、ポリスチ
レンゲルカラム(昭和電工(株)製Shodex K−
804、移動相クロロホルム)を用いたGPCにより求
めている(ポリスチレン換算値)。本発明において、G
PCにより求める数平均分子量(Mn)は通常500〜
300000であるが、好ましくは1000〜5000
0である。Mnが500より小さい場合はイソブチレン
系重合体得有の優れた特徴が無くなり、また30000
0より大きくなると重合体が固体状になり、作業性が極
端に悪くなってしまう。本発明において、イソブチレン
を含有するカチオン重合性モノマーとは、イソブチレン
のみからなるモノマーに限定されるものではなく、イソ
ブチレンの50モル%(以下単に(%)と記す)以下を
イソブチレンと共重合し得るカチオン重合性モノマーで
置換したモノマーを意味する。イソブチレンと共重合し
得るカチオン重合性モノマーとしては、例えば、炭素数
3〜12のオレフィン類、共役ジエン類、ビニルエーテ
ル類、芳香族ビニル化合物類、ノルボルネン類、ビニル
シラン類などが挙げられる。これらの中でも炭素数3〜
12のオレフィン類及び芳香族ビニル化合物類などが望
ましい。
【0011】上記イソブチレンと共重合し得るカチオン
重合性モノマーとしては、通常、具体的には、プロペ
ン、1−ブテン、2 −ブテン、2 −メチル−1−ブテ
ン、3 −メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シ
クロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、5 −エチリデン
ノルボルネン、5 −プロピリデンノルボルネン、ブタジ
エン、イソプレン、シクロペンタジエン、メチルビニル
エ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ
−テル、ビニルカルバゾ−ル、メトキシスチレン、エト
キシスチレン、t−ブトキシスチレン、ヘキセニルオキ
シスチレン、スチレン、α−メチルスチレン、メチルス
チレン、ジメチルスチレン、クロロメチルスチレン、ク
ロロスチレン、インデン、β−ピネン、ビニルトリクロ
ロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチ
ルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニ
ルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニ
ルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1、3
ージビニル−1、1、3、3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等を使用できる。
【0012】これらの中で、プロペン、1−ブテン、2
- ブテン、シクロペンタジエン、5−エチリデンノルボ
ルネン、イソブチルビニルエ−テル、メトキシスチレ
ン、スチレン等が望ましい。これらイソブチレンと共重
合し得るカチオン重合性モノマ−は、1種単独でイソブ
チレンと併用しても良いし、2種以上で併用しても良
い。また、本発明において、例えばバッチ式でのイソブ
チレンを含有するカチオン重合性モノマーの濃度は、通
常0.1〜10mol/lであるが、好ましくは0.5
〜6mol/lである。本発明においては、上記一般式
(1)で表される化合物としては、例えば一般式
(2): AYn (2) [式中、Aは1〜4個の芳香環を有する基を示す。Yは
一般式(3):
【0013】
【化3】
【0014】[式中、R6、R7は同一または異なって水
素原子または炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
す。Xはハロゲン原子、R4COO−基(R4は水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基を示す)またはR5
−基(R5は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
を示す)を表す。〕nは1以上8以下の整数である。]
で表される化合物、一般式(4): BZm (4) [式中、Bは炭素数4〜40、好ましくは9〜20の置
換あるいは非置換の炭化水素基を示す。Zは第3級炭素
原子に結合したハロゲン原子、R8COO−基(R8は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)または
9O−基(R9は水素原子または炭素数1〜5のアルキ
ル基を示す)を表す。mは1〜4の整数である。]で表
される化合物及びα−ハロスチレン単位を有するオリゴ
マ−等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらの化合物は単独で用いても良いし、2種以上
併用しても良い。
【0015】一般式(2)で表される化合物における1
〜4個の芳香環を有する基であるAは、縮合反応により
形成されたものでもよく、非縮合系のものでも良い。こ
のような芳香環を有する基としては、例えば、1〜6価
のフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセ
ン基、フェナンスレニル基、ピレニル基、Ph−(CH
2l−Ph基(Phはフェニル基、lは1〜10の整
数)等が挙げられ、これらの芳香環を有する基は炭素数
1〜20の直鎖及び(または)分枝の脂肪族炭化水素基
や、水酸基、エ−テル基、ビニル基などの官能基を有す
る基で置換されていても良い。一般式(4)で表される
化合物としては、例えばビニル基、シリル基などのZ以
外の官能基を有するものを使用することもできる。開始
剤兼連鎖移動剤として用いることのできるα−ハロスチ
レン単位を有するオリゴマ−としては、例えばα−クロ
ロスチレンのオリゴマ−や、α−クロロスチレンとこれ
と共重合し得る単量体とを共重合させたオリゴマ−等が
挙げられる。本発明において、一般式(1)で表わされ
る化合物のうち、ハロゲン原子、R 4COO−基(R4
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す)また
はR 5O−基(R5は水素原子または炭素数1〜5のアル
キル基を示す)を2個以上有するもの、またはハロゲン
原子、R4COO−基またはR5O−基と他の反応性官能
基とを有する化合物を開始剤兼連鎖移動剤として用いる
と、生成する重合体の官能化度を高くできるので非常に
有効である。上記一般式(1)で表わされる化合物とし
ては、通常、具体的に例えば、
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】[式中、Xはハロゲン原子、R4COO−
基(R4は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を
示す)またはR5O−基(R5は水素原子または炭素数1
〜5のアルキル基を示す)を表わす。]あるいはα−ク
ロロスチレンのオリゴマ−等を使用するが、これらに限
定されるものではない。これらの化合物の中で好ましい
ものとしては、
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】のような化合物や、
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】のようなCH3COO−基含有化合物や、
【0025】
【化10】
【0026】のようなCH3O−基含有化合物が挙げら
れる。これらの化合物は、開始剤として使用される成分
であり、本発明においては、1種または2種以上混合し
て用いられる。また、これらの化合物の使用量を調節す
ることにより、得られるイソブチレン系重合体の数平均
分子量を任意に設定することができる。本発明におい
て、上記一般式(1)で表わされる化合物の使用量は、
通常、イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ−
の0.01〜20モル%の範囲であり好ましくは0.1
〜10重量%の範囲である。本発明において、ルイス酸
としては、通常、例えばAlCl3、SnCl4、TiC
4、VCl5、FeCl3、BCl3、BF3等の金属ハ
ロゲン化物およびEt2AlCl、EtAlCl2等の有
機アルミニウム化合物などを使用するがこれらに限定さ
れるものではない。好ましいルイス酸としては、SnC
4、TiCl4、BCl3が挙げられる。また本発明に
おいて、ルイス酸は、通常上記一般式(1)で表わされ
る化合物に対して0.1〜100倍モルの範囲で用いる
が、好ましい使用量は0.3〜30倍モルの範囲であ
る。
【0027】本発明において、電子供与体成分として
は、そのドナー数が15〜50のものもあれば、従来公
知のものを広く使用できる。好ましい電子供与体成分と
しては、例えばピリジン類、アミン類、アミド類、また
はスルホキシド類を挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。本発明において、種々の化合物
の電子供与体(エレクトロンドナー)としての強さを表
すパラメーターとして定義されるドナー数が15〜50
である電子供与体成分として[種々のドナー数について
は、『ドナーとアクセプター』(グードマン著(大瀧、
岡田訳)学会出版センター(1983))に示されてい
る]、通常、具体的には、2、6−ジ−t−ブチルピリ
ジン、2−t−ブチルピリジン、2、4、6−トリメチ
ルピリジン、2、6−ジメチルピリジン、2−メチルピ
リジン、ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチルア
ミン、N、N−ジメチルアニリン、N、N−ジメチルホ
ルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N、N−
ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチ
ルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、リン酸トリメチ
ル、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が使用できるが、
好ましいものとして、2、6−ジ−t−ブチルピリジ
ン、2、6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、
ピリジン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドを挙げる
ことができる。さらに好ましいものとしては、ピコリン
類を挙げることができるが、これらの中でも、ドナ−数
が比較的低いにもかかわらず添加効果が顕著である2−
メチルピリジンが特に好ましい。また本発明において、
電子供与体成分は、通常、一般式(1)で表わされる化
合物に対して0.01〜10倍モルの範囲で用いるが、
好ましくは、0.2〜2倍モルの範囲である。
【0028】本発明において、通常、溶媒としては単独
溶媒としての沸点が105℃以上で融点が−90℃以下
である化合物を用いているが、混合溶媒として反応温度
で固体化しない炭化水素化合物も反応に用いることもで
きる。本発明に用いる沸点が105℃以上、融点が−9
0℃以下の炭化水素系溶媒としては種々の溶媒が使用可
能であるが、溶媒を選択する目安の一つとして、得られ
るイソブチレン系重合体が重合途中で析出しないような
溶媒を選択することが好ましい。生成するイソブチレン
系重合体が重合途中で析出すると、得られる重合体の特
性が低下するので好ましくない。目的とするイソブチレ
ン系重合体が重合途中で析出しない溶媒であっても、目
的とするイソブチレン系重合体の−70℃における溶解
度が溶媒100gあたり15g(溶解度15重量%)以
上、更に19重量%以上、特に22重量%以上となるよ
うな溶媒を選択することが商業的生産の観点から好まし
いが、目的とするイソブチレン系重合体が重合操作中に
析出せず溶解する範囲であれば特にこの範囲に限定され
るものではない。ハロゲン系炭化水素の併用により、溶
媒の取扱性、重合の操作性、環境への溶媒の排出を防ぐ
点等で特に問題がない範囲であれば、本発明に用いる沸
点が105℃以上、融点が−90℃以下の炭化水素系溶
媒にハロゲン系溶媒を併用することは差し支えない。
【0029】沸点が105℃以上であり融点が−90℃
以下である炭化水素溶媒のうち、本発明においてはトル
エン、エチルシクロヘキサン、2、3、3−トリメチル
ペンタン、2、2、5−トリメチルヘキサンからなる群
から選択されることが好ましい。特に好ましい溶媒系は
トルエンとエチルシクロヘキサンの混合物である。本発
明において、末端官能化剤として、アリルトリメチルシ
ランを用いているがアリルトリメチルシランは、多官能
性開始剤の官能基数に対して通常0.75〜1.5当量
用いるが、1〜1.5当量用いることが好ましい。例え
ば、p−DCCのような二官能型開始剤を用いた場合、
開始剤に対して通常2〜3倍モルの範囲で使用している
が、2倍モルで反応を行うことにより定量的に官能基化
が進行することから、2倍モルが好ましい。反応時間は
通常10〜200分、好ましくは30〜180分、更に
好ましくは90〜180分、重合条件と同じ温度でイソ
ブチレン系重合体と反応させることによりビニル基末端
のイソブチレン系重合体を得ることができる。本反応系
は、反応終了後に水を用いて触媒の失活を行う。この際
に末端にオレフィンを導入する際に生じたトリメチルク
ロルシランも水の存在下で反応し、ヘキサメチルジシロ
キサンとなる。このヘキサメチルジシロキサンが存在す
る溶媒系でイソブチレン系重合体の製造を行うと得られ
る重合体の分散度(Mw/Mn)が大きくなり、これに
伴って得られた重合体の粘度が増大することから好まし
くないので、実質的にヘキサメチルジシロキサンを含ま
ない系で重合を行うことが好ましい。イソブチレン系重
合体の粘度は重合体の分子量によって異なり、分子量が
大きくなると実質的にヘキサメチルジシロキサンの影響
は受け難くなる。イソブチレン系重合体の粘度は、GP
Cによる数平均分子量が7000〜10000程度の重
合体の場合には、ヘキサメチルジシロキサン含量が用い
る溶媒中に1〜2wt%以下、数平均分子量が1700
0〜25000程度の分子量の場合には3wt%以下で
ある場合には大きな変化は観察されず、このため、ヘキ
サメチルジシロキサンが実質的に含まれていないとみな
せるが、イソブチレン系重合体製造の重合系にヘキサメ
チルジシロキサンが含まれないことがより好ましい。重
合反応において得られる溶媒中のヘキサメチルジシロキ
サンを蒸留によって除去することについての検討を行っ
たところ、得られた溶媒中のヘキサメチルジシロキサン
量は50ppm以下であった。このことから、溶媒のリ
サイクルが可能となった。
【0030】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をより一層明ら
かにするが、本発明は実施例により何ら限定されるもの
ではない。尚、本実施例に示す分子量は、GPC及びN
MRで測定した。 GPC分析(システム):Waters社製システム(ポンプ600E、示差 屈折計401) (カラム) :昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリ スチレンゲル) (移動相:クロロホルム、数平均分子量等はポリスチレン換算)1 H−NMR(300Hz):Valian社製 Gemini−300 Fn(ビニル)はイソブチレン系重合体中の開始剤あた
りのビニル基の数を表し、NMRスペクトルの測定結果
により算出できる。Fn(ビニル)*はイソブチレン系
重合体1分子当たりに含有するビニル基の数を表し、N
MRスペクトルおよびGPCの測定結果より算出でき
る。このFn(ビニル)*の求め方は、 1)NMRにおいて各官能基に含まれるH原子に帰属す
るピ−クの積分値を求める。 2)1)で求めた積分値をそれぞれのH原子の数で割
る。− 3)開始剤に対応するの値で各官能基に対応するの
値を割る。これをオリゴマ−1分子当たりの官能基の数
Fnとする。 4)GPCから求められる分子量Mn (GPC )をイソ
ブチレン基の分子量56で割り、オリゴマー1分子当た
りに含まれるイソブチレン基の数を求める。これをn*
とする。 5)イソブチレン基に対応するの値をn*で割る。―
6)各官能基に対応するの値をで割る。これをオリ
ゴマー1分子当たりの官能基の数Fn*とする。 イソブチレン系重合体の粘度はE型粘度系(東京計器
製、VISCONICEHD)を用い、50℃で測定し
た。
【0031】実施例1 500mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付
け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内
に、エチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブス3A
とともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)
54mlおよびトルエン(モレキュラーシーブス3Aと
ともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)1
26ml、p−DCC1.16g(5.02mmol)
を加えた。次にイソブチレンモノマ−56mlが入って
いるニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方
コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス
/エタノールバス中につけて冷却した後、真空ポンプを
用いて容器内を減圧にした。ニードルバルブを開け、イ
ソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内に
導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入するこ
とにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピリ
ジン0.093g(1.0mmol)を加えた。次に、
四塩化チタン1.65ml(15.1mmol)加えて
重合を開始した。反応時間70分後に、アリルトリメチ
ルシラン1.22g(10.8mmol)を加えてポリ
マー末端にアリル基の導入反応を行った。反応時間12
0分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄したあ
と、溶剤を留去することによりイソブチレン系重合体を
得た。結果を表1に示す。
【0032】実施例2 添加する溶剤に0.022wt%(0.045ml)の
ヘキサメチルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同
様にしてイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結
果を表1に示す。
【0033】実施例3 添加する溶剤に0.05wt%(0.090ml)のヘ
キサメチルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同様
にしてイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果
を表1に示す。
【0034】実施例4 添加する溶剤に0.1wt%(0.18ml)のヘキサ
メチルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同様にし
てイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表
1に示す。
【0035】実施例5 添加する溶剤に0.5wt%(0.9ml)のヘキサメ
チルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同様にして
イソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表1
に示す。
【0036】実施例6 添加する溶剤に1.0wt%(1.8ml)のヘキサメ
チルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同様にして
イソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表1
に示す。
【0037】実施例7 添加する溶剤に2.5wt%(4.5ml)のヘキサメ
チルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同様にして
イソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表1
に示す。
【0038】実施例8 添加する溶剤に5.0wt%(9.0ml)のヘキサメ
チルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同様にして
イソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表1
に示す。
【0039】実施例9 添加する溶剤に10.0wt%(18.0ml)のヘキ
サメチルジシロキサンを加えた以外は実施例1と同様に
してイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を
表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(注)シロキサン のwt%=シロキサン 重量/(シロキサン
重量+トルエン重量+エチルシクロヘキサン重量)
【0042】実施例10 500mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付
け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内
に、エチルシクロヘキサン(モレキュラ−シ−ブス3A
とともに一夜間以上放置することにより乾燥したもの)
36mlおよびトルエン(モレキュラ−シ−ブス3Aと
ともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)1
44ml、p−DCC447mg(1.93mmol)
を加えた。次にイソブチレンモノマ−58mlが入って
いるニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方
コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス
/エタノ−ルバス中につけて冷却した後、真空ポンプを
用いて容器内を減圧にした。ニ−ドルバルブを開け、イ
ソブチレンモノマ−を液化ガス採取管から重合容器内に
導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入するこ
とにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メチルピリ
ジン0.072g(0.772mmol)を加えた。次
に、四塩化チタン1.67ml(15.2mmol)を
加えて重合を開始した。反応時間100分後に、アリル
トリメチルシラン461mg(4.03mmol)を加
えてポリマ−末端にアリル基の導入反応を行った。反応
時間120分後に、反応溶液を水200mlで4回洗浄
したあと、溶剤を留去することによりイソブチレン系重
合体を得た。結果を表2に示す。
【0043】実施例11 添加する溶剤に0.89wt%(1.8ml)のヘキサ
メチルジシロキサンを加えた以外は実施例10と同様に
してイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を
表2に示す。
【0044】実施例12 添加する溶剤に2.2wt%(4.5ml)のヘキサメ
チルジシロキサンを加えた以外は実施例10と同様にし
てイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表
2に示す。
【0045】実施例13 添加する溶剤に4.5wt%(9.0ml)のヘキサメ
チルジシロキサンを加えた以外は実施例10と同様にし
てイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表
2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】(注)シロキサン のwt%=シロキサン 重量/(シロキサン
重量+トルエン重量+エチルシクロヘキサン重量)
【0048】これらの検討結果によって、反応系にヘキ
サメチルジシロキサンが存在することによって得られる
ポリマ−における分散度が大きくなる傾向が観察され
た。さらにこの分散度の値は、ヘキサメチルジシロキサ
ンの添加量が多くなるに従って大きくなる傾向が観察さ
れた。
【0049】実施例14 500mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付
け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内
に、エチルシクロヘキサン(モレキュラ−シ−ブス3A
とともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)
36mlおよびトルエン(モレキュラ−シ−ブス3Aと
ともに一夜間以上放置することにより乾燥したもの)1
44ml、p−DCC1.98g(8.56mmol)
を加えた。次にイソブチレンモノマ−58mlが入って
いるニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方
コックに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス
/エタノ−ルバス中につけて冷却した後、真空ポンプを
用いて容器内を減圧にした。ニ−ドルバルブを開け、イ
ソブチレンモノマ−を液化ガス採取管から重合容器内に
導入した後、三方コック内の一方から窒素を導入するこ
とにより容器内を常圧に戻した。次に、2ーメチルピリ
ジン0.072g(0.772mmol)を加えた。次
に、四塩化チタン1.67ml(15.2mmol)加
えて重合を開始した。反応時間40分後に、アリルトリ
メチルシラン2.41g(21.1mmol、トルエン
溶液)を加えてポリマ−末端にアリル基の導入反応を行
った。反応時間120分後に、反応溶液を水200ml
で4回洗浄したあと、溶剤を留去することによりイソブ
チレン系重合体を得た。結果を表3に示す。
【0050】実施例15 添加するイソブチレンモノマーを45ml、p−DCC
1.55g(6.7mmol)に変えた以外は実施例1
4と同様にしてイソブチレン系重合体を製造し、評価し
た。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】(注)モノマー濃度(wt%)=モノマー重量/(モノマー重量
+トルエン重量+エチルシクロヘキサン重量)
【0053】実施例16 300mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付
け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内
に、エチルシクロヘキサン(モレキュラ−シ−ブス3A
とともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)
17.5mlおよびトルエン(モレキュラ−シ−ブス3
Aとともに一夜間以上放置することにより乾燥したも
の)70.2ml、p−DCC0.58g(2.5mm
ol)を加えた。次にイソブチレンモノマ−28mlが
入っているニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管
を、三方コックに接続して、重合容器を−70℃のドラ
イアイス/エタノ−ルバス中につけて冷却した後、真空
ポンプを用いて容器内を減圧にした。ニ−ドルバルブを
開け、イソブチレンモノマーを液化ガス採取管から重合
容器内に導入した後、三方コック内の一方から窒素を導
入することにより容器内を常圧に戻した。次に、2−メ
チルピリジン0.047g(0.50mmol)を加え
た。次に、四塩化チタン0.83ml(7.6mmo
l)加えて重合を開始した。反応時間60分後に、反応
溶液を水100mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去す
ることによりイソブチレン系重合体を得た。結果を表4
に示す。
【0054】実施例17 添加する溶剤量をエチルシクロヘキサン26.8ml、
トルエン62.4mlに変えた以外は実施例16と同様
にしてイソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果
を表4に示す。
【0055】実施例18 添加する溶剤量をエチルシクロヘキサン35.8ml、
トルエン53.7mlに変え、アリルトリメチルシラン
を無添加とした以外は実施例16と同様にしてイソブチ
レン系重合体を製造し、評価した。結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】表3及び4の結果を観ると、イソブチレン
系重合体を得る反応においては適切な溶液濃度及び溶剤
混合比率が存在していることが理解できる。
【0058】実施例19 300mlの耐圧ガラス製容器に、三方コックを取り付
け、容器内を窒素置換した後、注射器を用いて容器内
に、n−オクタン(モレキュラ−シ−ブス3Aとともに
1夜間以上放置することにより乾燥したもの)17.5
mlおよびトルエン(モレキュラ−シ−ブス3Aととも
に一夜間以上放置することにより乾燥したもの)70.
2ml、p−DCC0.58g(2.5mmol)を加
えた。次にイソブチレンモノマー28mlが入っている
ニ−ドルバルブ付耐圧ガラス製液化採取管を、三方コッ
クに接続して、重合容器を−70℃のドライアイス/エ
タノ−ルバス中につけて冷却した後、真空ポンプを用い
て容器内を減圧にした。ニードルバルブを開け、イソブ
チレンモノマーを液化ガス採取管から重合容器内に導入
した後、三方コック内の一方から窒素を導入することに
より容器内を常圧に戻した。次に、2ーメチルピリジン
0.047g(0.50mmol)を加えた。次に、四
塩化チタン0.83ml(7.6mmol)加えて重合
を開始した。反応時間100分後に、反応溶液を水10
0mlで4回洗浄したあと、溶剤を留去することにより
イソブチレン系重合体を得た。結果を表5に示す。
【0059】実施例20 添加する溶剤量をn−オクタン26.3ml、トルエン
61.4mlに変えた以外は実施例19と同様にしてイ
ソブチレン系重合体を製造し、評価した。結果を表5に
示す。
【0060】
【表5】
【0061】
【発明の効果】本発明によりハロゲン化合物をを全く含
まない炭化水素系溶剤中で、分子量分布が狭く、末端に
不飽和基を有するイソブチレン系重合体を良好な官能基
化率で得ることが可能となった。さらに、反応に用いた
溶媒を容易に精製することが出来ることから、溶媒のリ
サイクルが可能となり、製造プロセスの低コスト化が実
現できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸点が105℃以上であり融点が−90
    ℃以下である炭化水素溶媒中で反応することを特徴とす
    るイソブチレン系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 下記〜の成分を−100℃以上0℃
    以下の温度で混合することを特徴とするイソブチレン系
    重合体の製造方法。 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマ− 一般式(1): 【化1】 [式中、R1は芳香環基または置換もしくは非置換の脂
    肪族炭化水素基を示す。R2、R3は同一または異なって
    いてもよく、水素原子、または置換もしくは非置換の1
    価の炭化水素基を示す。ただしR1が脂肪族炭化水素基
    の場合にはR2、R 3は同時に水素原子ではない。式中、
    Xはハロゲン原子、R4COO−基(R4は水素原子また
    は炭素数1〜5のアルキル基を示す)またはR5O−基
    (R5は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示
    す)を表す。nは1以上8以下の整数である。]で表さ
    れる化合物 ルイス酸 種々の化合物の電子供与体(エレクトロンドナ−)と
    しての強さを表すパラメ−タ−として定義されるドナ−
    数が15〜50である電子供与体成分 沸点が105℃以上であり融点が−90℃以下である
    炭化水素溶媒 アリルトリメチルシラン
  3. 【請求項3】 上記沸点が105℃以上であり融点が−
    90℃以下である炭化水素溶媒で反応を行う際に、溶媒
    中におけるヘキサメチルジシロキサンを実質的に含まな
    いことを特徴とする請求項1または2記載のイソブチレ
    ン系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記沸点が105℃以上であり融点が−
    90℃以下である炭化水素溶媒がトルエン、エチルシク
    ロヘキサン、2、2、3−トリメチルペンタン、2、
    2、5−トリメチルヘキサンからなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1または2または3記載のイソ
    ブチレン系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記沸点が105℃以上であり融点が−
    90℃以下である炭化水素溶媒がトルエンとエチルシク
    ロヘキサンの混合物であることを特徴とする請求項4記
    載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 トルエンとエチルシクロヘキサンの混合
    比率が体積比率でトルエン:エチルシクロヘキサン=
    8:2〜7:3の混合物であることを特徴とする請求項
    5記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記ルイス酸成分が、三塩化ホウ素、四
    塩化チタン、四塩化スズから選ばれることを特徴とす
    る、請求項2または3または4または5または6記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 上記電子供与体成分が、ピリジン類、ア
    ミン類、アミド類またはスルホキシド類から選ばれるこ
    とを特徴とする、請求項2または3または4または5ま
    たは6または7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記請求項2の〜およびに示す物
    質の使用量が以下の範囲であることを特徴とする、イソ
    ブチレン系重合体の製造方法。 イソブチレンを含有するカチオン重合性モノマーの濃
    度、0.1〜10mol/l 一般式(1)で表わされる化合物の使用量、イソブチ
    レンを含有するカチオン重合性モノマーの0.01〜2
    0重量% ルイス酸の使用量、上記一般式(1)で表わされる化
    合物に対して0.1〜100倍モル 電子供与体成分の使用量、一般式(1)で表わされる
    化合物に対して0.01〜10倍モル アリルトリメチルシランの使用量、一般式(1)で表
    わされる化合物の末端官能基に対して0.75〜1.5
    倍モル
  10. 【請求項10】請求項1記載のイソブチレン系重合体の
    製造方法によって製造されたことを特徴とするイソブチ
    レン系重合体。
  11. 【請求項11】請求項9記載のイソブチレン系重合体の
    製造方法によって製造されたことを特徴とするイソブチ
    レン系重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004525197A (ja) * 2000-12-12 2004-08-19 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト ポリイソブテンの製法

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