JPH0971541A - 親水性粘着性基剤 - Google Patents

親水性粘着性基剤

Info

Publication number
JPH0971541A
JPH0971541A JP8162861A JP16286196A JPH0971541A JP H0971541 A JPH0971541 A JP H0971541A JP 8162861 A JP8162861 A JP 8162861A JP 16286196 A JP16286196 A JP 16286196A JP H0971541 A JPH0971541 A JP H0971541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
hydrophilic
adhesive base
polyvinyl alcohol
drug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8162861A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Inagi
敏男 稲木
Makoto Kanebako
眞 金箱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Co Ltd
Original Assignee
Kowa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kowa Co Ltd filed Critical Kowa Co Ltd
Priority to JP8162861A priority Critical patent/JPH0971541A/ja
Publication of JPH0971541A publication Critical patent/JPH0971541A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)(a)(メタ)アクリル酸グルコ
シルオキシアルキルエステル、(b)(メタ)アクリル
酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
アルキルエステル、及び(c)多官能性モノマーを重合
させて得られる親水性高分子架橋体、並びに (B)ポリビニルアルコールを含有する親水性粘着性基
剤。 【効果】 含水率が低下することがなく、しかも優れた
機械的強度及び皮膚に対する粘着性を有し、貼付剤の粘
着層、各種医療用パッド、更に薬剤を含浸させた皮膚外
用剤などとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の親水性高分
子架橋体及びポリビニルアルコールを含有し、優れた機
械的強度及び皮膚に対する粘着性を有し、貼付剤、医療
用パッド、皮膚外用剤等として有用な親水性粘着性基剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、経皮吸収を目的として水溶性薬剤
を含浸させた粘着性パッド基剤について、数多くの研究
がなされている。例えば、ポリアクリルアミドゲル(O
kabe K.et al.,J.Control R
el.,4,p318,1986)、ポリアクリル酸及
びその塩に多価金属塩を添加したゲル(特開平3−16
7117号公報)、スルホン酸基を有するモノマーから
なるゲル(特開平4−91021号公報)等が知られて
いるが、一般に水溶性薬剤は水溶液中では解離している
ものが多く、またペプチド、タンパク等も等電点以外で
は+又は−の電荷を帯びているため、これらの基剤中で
解離している官能基が、解離した薬剤とイオン結合し
て、薬剤の皮膚への移行を阻害してしまうという問題が
あった。
【0003】また、寒天ゲル(芳賀 信ら,日本薬学会
第112回講演要旨集,4,p52,1992)、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースゲル(Riviere
J.E.et al.,J.Pharm. Sc
i.,81(6),p504,1992)、ポリ2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレートゲル(Banga A.
K.et al.,Pharm.Res.,10
(5),p697,1993)、ポリグリコシルオキシ
エチル(メタ)アクリレート又はポリグリコシルオキシ
プロピル(メタ)アクリレートに可塑剤を配合したゲル
(特開平3−193057号公報)は、非イオン性であ
るものの、皮膚に対する粘着力が弱いという問題があっ
た。
【0004】更に、ポリビニルアルコールに高吸水性樹
脂又は親水性高分子を配合したゲル(特開平5−230
313号公報)も知られているが、このゲルは粘着性は
あるものの、機械的強度が弱く、ゲルの成型も困難であ
るという問題があった。このため、機械的強度を向上さ
せる目的で、グルタルアルデヒド等の縮合剤を添加した
り、放射線を照射することにより架橋密度を増大させる
試みもなされたが、この方法では機械的強度は向上する
ものの、それに伴い含水率及び粘着性も低下してしまう
ため、吸収性等の点で問題が生じる。
【0005】含水率を低下させずに機械的強度を向上さ
せるために、ポリビニルアルコール濃厚水溶液を低温で
短時間で凍結させ融解する方法(以下「凍結融解法」と
いう)や、低温で短時間で凍結させ、融解せずに乾燥さ
せる方法(以下「凍結乾燥法」という)が試みられてい
る。しかしながら、凍結融解法を適用した場合、凍結1
回ではゲルが形成せず、また、凍結回数を増やせばゲル
化の度合いは大きくなるが、機械的強度が非常に弱く、
粘着剤としての適用は困難であった。一方、凍結乾燥法
では、ゲル中の含水率が低下してしまうという問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、含水率が低下することなく、優れた機械的強度及び
皮膚に対する粘着性を有する粘着性基剤を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、特定の親水性高分子
架橋体及びポリビニルアルコールを含有する親水性粘着
性基剤が、含水率を低下させることなく、優れた機械的
強度及び皮膚に対する粘着性を有することを見出し、本
発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、次の成分(A)及び
(B): (A)(a)(メタ)アクリル酸グルコシルオキシアル
キルエステル、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
ル、及び(c)多官能性モノマーを重合させて得られる
親水性高分子架橋体、 (B)ポリビニルアルコールを含有する親水性粘着性基
剤を提供するものである。
【0009】また、本発明は、当該親水性粘着性基剤及
び薬剤を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる成分(A)の
親水性高分子架橋体は、前記(a)、(b)及び(c)
を重合させて得られるものである。ここで、(a)(メ
タ)アクリル酸グルコシルオキシアルキルエステルとし
ては、例えば次の一般式(1)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示
し、G-O-は保護基を有さない糖残基を示し、nは2又は
3を示す)で表わされるものが挙げられる。
【0013】一般式(1)中、G-O-で示される糖残基
(グルコシルオキシ基)としては、糖単位1〜10、特
に1〜5の単糖又はオリゴ糖の残基が好ましい。ここで
単糖の具体例としては、例えば、グルコース、マンノー
ス、ガラクトース、グルコサミン、マンノサミン、ガラ
クトサミンなどの六炭糖類、アラビノース、キシロー
ス、リボースなどの五炭糖類が挙げられる。また、オリ
ゴ糖の具体例としては、マルトース、ラクトース、トレ
ハロース、セロビオース、イソマントース、ゲンチオビ
オース、メリビオース、ラミナリビオース、キトビオー
ス、キシロビオース、マンノビオース、ソホロースなど
の二糖類、マルトトリオース、イソマルトトリオース、
マルトテトラオース、マルトペンタオース、マンノトリ
オース、マンニノトリオースなどやデンプン、セルロー
ス、キチン、キトサン、マンナンなどの加水分解物(例
えば、局方デキストリン、アクロデキストリン、ブリテ
ィッシュガム、セリデキストリンなど)などが挙げられ
る。
【0014】Rとしてはメチル基が、nとしては2が好
ましい。特に好ましい(メタ)アクリル酸グルコシルオ
キシアルキルエステルとしては、2−グルコシルエチル
メタクリレート、2−マンノシルエチルメタクリレー
ト、2−ガラクトシルエチルメタクリレートが挙げられ
る。。
【0015】また、(b)のうち、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ
る。これらのうち、ゲルの成型性がより良好であること
から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
n−ブチルが特に好ましい。
【0016】また、(b)のうち、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル(2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシプロピル等が挙げられる。これらのうち、生体に対
する安全性等の点から、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートが特に好ましい。
【0017】これらの(a)(メタ)アクリル酸グルコ
シルオキシアルキルエステル及び(b)(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シアルキルエステルの混合比は、モル比で10:0.1
〜10:10であるのが好ましく、特に10:1.5〜
10:10が好ましい。特に、(b)として(メタ)ア
クリル酸メチルを用いる場合は、このモル比が10:
0.1〜10:10が好ましく、(メタ)アクリル酸n
−ブチルを用いる場合は、10:0.5〜10:2が好
ましく、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを用いる
場合は、10:0.5〜10:1が好ましい。また、
(b)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを
単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0018】(c)多官能性モノマーとしては、1分子
中に2以上の官能基を有するものであればいずれでもよ
く、例えばN,N′−メチレンビスアクリルアミド、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ
(メタ)アクリレート等の1分子中に2個以上のビニル
基を有するもの;ジアリルフタレート、ジアリルマレー
ト、ジアリルアジペート、トリアリルイソチアネート、
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の1分
子中に2個以上のアリル基を有するもの等が挙げられ
る。これらのうち、特にN,N′−メチレンビスアクリ
ルアミドが好ましい。
【0019】これらの(c)多官能性モノマーと、
(a)(メタ)アクリル酸グルコシルオキシアルキルエ
ステル及び(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステル
又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの
合計量とのモル比は、1:100〜1:3200である
のが好ましく、特に1:200〜1:800が好まし
い。多官能性モノマーのモル比が少ないほど膨潤率は増
加するが、その反面、機械的強度が低下し、また、モル
比がこれを超えると、ゲルは形成されるものの、もろく
くずれやすくなる傾向があるため、上記範囲内のモル比
であるのが好ましい。
【0020】また、本発明で用いる親水性高分子架橋体
には、前記(a)〜(c)のモノマー以外のモノマーを
重合させることもできる。かかる他のモノマーとして
は、例えばカルボキシル基を有するもの、アミド基を有
するもの、アミノ基を有するもの等が挙げられる。カル
ボキシル基を有するモノマーとしては、例えば(メタ)
アクリル酸等の不飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸等が挙げられ;アミド基を有するモノマ
ーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、ジメチル
(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルア
ミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキ
シエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)
アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられ;アミ
ノ基を有するモノマーとしては、例えばジメチルアミノ
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリ
レート等が挙げられ;更に、酢酸ビニル、スチレン、塩
化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、
ブタジエン等を挙げることができる。
【0021】(a)(メタ)アクリル酸グルコシルオキ
シアルキルエステル、(b)(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
エステル及び(c)多官能性モノマーの重合は、通常の
方法に従って行えばよく、重合方法は特に制限されるも
のではない。
【0022】ラジカル重合による場合の方法は特に制限
されず、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のい
ずれでも良く、また用いられる重合開始剤も特に制限さ
れず、モノマーや反応溶媒等によって、適宜選択するこ
とができる。例えば、水溶性モノマー、又は反応溶媒と
して水若しくは水を含有する溶媒を用いる場合には、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイド
ロクロライド等のアゾ化合物の塩酸塩、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩などが挙げられ、疎
水性モノマー又は反応溶媒として有機溶媒を用いる場合
には、t−ブチルパーオクタノエート;過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ジ第三ブチル、過酸化アセチル等の過酸化
物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチ
ル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)
等のアゾ化合物などが挙げられる。
【0023】重合開始剤は、モノマー合計量に対して
0.01〜10重量%添加するのが好ましい。
【0024】溶液重合により重合を行う場合に用いられ
る溶媒としては、例えば水、メタノール、イソプロピル
アルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセト
ン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、こ
れらは単独又は2種以上の組合わせで用いることができ
る。
【0025】重合反応は、例えば通常のラジカル重合用
開始剤を用いる場合は、40〜80℃で2〜72時間行
うのが好ましい。特に、重合開始剤を分解して重合度を
上げるためには、一定時間反応させた後更に温度を上げ
て重合させるのが好ましい。
【0026】また、重合開始剤を使用せずに、放射線、
光、紫外線、低温プラズマ等をモノマーに照射し、重合
活性種を生成させた後重合させることも可能である。こ
こで、放射線としては、α線、β線、γ線、加速電子、
X線などの高エネルギー電離性放射線が使用可能であ
り、これらのうちγ線、加速電子を使用するのが好まし
い。光、紫外線は、一般に水銀ランプを使用し、このう
ちフィルターを用い、300nm以上の波長を使用するの
が好ましい。低温プラズマとしては、グロー放電、コロ
ナ放電が好ましい。これらの反応は、酸素補足剤を添加
して行うのが好ましい。重合開始剤を使用しないことに
より、重合開始剤の毒性を排除することができる。
【0027】このように重合反応を行って得られる親水
性高分子架橋体のうち、特に2−グルコシルオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート
及びN,N′−メチレンビスアクリルアミドを重合させ
て得られたものが好ましい。
【0028】このようにして得られる親水性高分子架橋
体は、そのまま又は板状にして用いることができるが、
微粉砕して用いると、ゲルの成型性及び粘着性をより向
上させることができる。微粉砕することにより、ポリマ
ー中に均一に溶媒を含浸させることができ、また単位重
量当りの表面積を増大させ、膨潤速度及び膨潤度を増大
させることができる。本発明においては、ポリマーを微
粉砕したときの粒径が200〜50メッシュであるのが
好ましい。
【0029】成分(A)の親水性高分子架橋体は、水の
吸収量として、水を吸収した後の重量が自重の4〜40
倍、特に6〜20倍となるものが好ましい。この範囲内
であると、ポリビニルアルコール水溶液中で均一に膨潤
するとともに、優れた機械的強度が得られ好ましい。水
の吸収量を高めるためには、架橋密度を低くしたり、架
橋剤として鎖長の長いものを用いれば良く、機械的強度
を損なわない範囲で適宜選択すればよい。また、水の吸
収量は、本発明の粘着性基剤の用途等に応じて、適宜設
定するのが好ましい。
【0030】また、上記のように親水性高分子架橋体が
吸収する水の量については、次式により求められる膨潤
率によっても示すことができ、例えば水を吸収した後の
重量が自重の4倍となるという場合には、膨潤率が30
0%となる。すなわち、成分(A)の親水性高分子架橋
体を水に浸漬したときの膨潤率は、300〜3900
%、特に500〜1900%が好ましい。
【0031】
【数1】
【0032】更に、溶媒を含浸して膨潤したポリマー
は、ガラスに対する剥離強度が20g/cm2以上である
のが好ましく、特に25g/cm2以上であると、皮膚に
対して優れた粘着性が得られるので好ましい。
【0033】なお、剥離強度は、次式により求めること
ができる。
【0034】
【数2】
【0035】成分(A)の親水性高分子架橋体は、前記
(a)、(b)及び(c)の3成分を重合させることが
必要であり、(a)を含まない(メタ)アクリル酸塩共
重合体を用いたのでは、含水率を低下させずに十分な機
械的強度を得ることはできず、ゲルの成型が困難であ
る。
【0036】本発明で用いられる成分(B)のポリビニ
ルアルコールとしては、けん化度95mol%以上、特に
98mol%以上のものが好ましく、また平均重合度10
00〜3000、特に1700〜2400のものが好ま
しい。
【0037】本発明の親水性粘着性基剤は、例えばポリ
ビニルアルコール水溶液に親水性高分子架橋体を混合
し、これを凍結した後融解させる凍結融解法により製造
することができる。具体的には、例えば成分(A)及び
(B)を含有する水溶液を、任意の厚さのスペーサーを
入れたシリコーン、テフロン等の表面不活性樹脂又はゴ
ムの間で任意の面積に展延し、密封した後、室温以下の
低温で放置して凍結させ、融解させる方法により製造す
ることができる。ここで、凍結させる温度は、5℃以
下、時間は1時間以上が好ましく、特に−10℃以下、
10時間以上が好ましい。融解させる温度は室温以下、
特に5℃付近が好ましい。また、凍結融解の回数は、1
〜5回、特に2〜4回が好ましい。
【0038】この場合に、成分(B)のポリビニルアル
コールは、水に溶解した濃度が3〜10重量(w/w)
%、特に4〜7重量(w/w)%となるのが好ましく、
また成分(A)は、このようなポリビニルアルコール水
溶液中に15〜50重量(w/w)%、特に15〜30
重量(w/w)%となるように混合するのが好ましい。
【0039】本発明の親水性粘着性基剤は、前記のよう
にポリビニルアルコール水溶液を用い、凍結融解法によ
り製造することができるが、この水溶液中に、更に親水
性高分子を添加することができ、これにより成型性及び
粘着性をより向上させることができる。
【0040】ここで用いられる親水性高分子としては、
例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース誘導体;デキストリ
ン、α−シクロデキストリン、プルラン等のデンプン誘
導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマ
ー等の合成高分子;アラビアゴム、ヒアルロン酸ナトリ
ウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレング
リコールエステル、カンテン、ゼラチン、乳糖、白糖、
キサンタンガム等の天然高分子などが挙げられる。これ
らの親水性高分子は単独で又は2種以上を組合わせて用
いることができ、ポリビニルアルコール水溶液中に0〜
10重量(w/w)%、特に0.2〜5重量(w/w)
%となるように配合するのが好ましい。
【0041】また、親水性高分子と同様にして、防腐剤
を配合することもでき、かかる防腐剤としては、例えば
アジ化ナトリウム、アミノエチルスルホン酸、安息香
酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、エデト酸
ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウム、無水硫酸ナトリウム、パ
ラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソ
プロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息
香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ
安息香酸メチル等が挙げられる。これらの防腐剤は単独
で又は2種以上を組合わせて用いることができ、ポリビ
ニルアルコール水溶液中に0.001〜10重量(w/
w)%、特に0.01〜5重量(w/w)%となるよう
に配合するのが好ましい。
【0042】本発明の粘着性基剤は、既製の支持体に付
着させて用いることも可能である。ここで用いられる支
持体としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニロン、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ナイロン等のプラスチックシート
や、レーヨン、ポリエステル等の不織布及びポリエステ
ル、アクリル、絹、綿等の織布が挙げられる。
【0043】本発明の親水性粘着性基剤は、水溶液中に
各種薬剤等を溶解させることにより、皮膚外用剤として
適用することができ、薬剤の吸収性も良好とすることが
できる。ここで用いられる薬剤としては、例えばタンパ
ク・ペプチド剤、解熱消炎鎮痛剤、ステロイド系抗炎症
剤、血管拡張剤、抗高血圧・不整脈剤、血圧降下剤、鎮
咳去痰剤、抗腫瘍剤、局所麻酔剤、ホルモン剤、抗喘息
・アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、抗凝血剤、鎮痙剤、
脳循環・代謝改善剤、抗うつ・抗不安剤、ビタミンD
剤、血糖降下剤、抗潰瘍剤、睡眠剤、抗真菌剤、鎮静
剤、気管支拡張剤、抗ウイルス剤、排尿障害治療剤、抗
生物質等が挙げられる。
【0044】タンパク・ペプチド剤としては、例えばイ
ンスリン、カルシトニン、エルカトニン、バソプレシ
ン、バトロキソビン、酢酸ゴナドレリン、酢酸オクトレ
オチド、酢酸デスモプレシン、酢酸ナファレリン、酢酸
ブセレリン、酢酸リュープロレリン、サケカルシトニ
ン、ソマトロピン、ヒアルロニダーゼ、プロチレリン、
アンギオテンシンII、アルギニン−バソプレシン等が挙
げられる。
【0045】解熱消炎鎮痛剤としては、例えばインドメ
タシン、サリチル酸、アスピリン、アセトアミノフェ
ン、ジクロフェナックナトリウム、イブプロフェン、ス
リンダック、ナプロキセン、ケトプロフェン、フルフェ
ナム酸、イブフェナック、フェンブフェン、アルクロフ
ェナック、フェニルブタゾン、メフェナム酸、ベンザダ
ック、ピロキシカム、フルルビプロフェン、ペンタゾシ
ン、塩酸ブプレノフィン、酒石酸ブトルファノール、サ
リチル酸ナトリウム等が挙げられる。
【0046】ステロイド系抗炎症剤としては、例えばヒ
ドロコルチゾン、プレドニゾロン、フルオシノロンアセ
トニド、フルドロキシコルチド、メチルプレドニゾロ
ン、酢酸ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニ
ド、デキサメタゾン、酢酸ベタメサゾン、吉草酸ジフル
コルトロン、プロピオン酸クロベタゾール、フルオシオ
ニド等が挙げられる。
【0047】血管拡張剤としては、例えばジルチアゼ
ム、ベラパミル、四硝酸ペンタエリスリトール、ジピリ
ダモール、硝酸イソソルビド、ニフェジピン、ニコチン
酸、ノルエピネフリン等が挙げられる。
【0048】抗高血圧・不整脈剤としては、例えばプロ
パノロール、アテノロール、ピンドロール、硫酸キニジ
ン、アジマリン、塩酸アルプレノロール、酒石酸メトプ
ロロール、ナドロール、マレイン酸チモロール、ジソピ
ラミド等が挙げられる。
【0049】血圧降下剤としては、例えば塩酸クロニジ
ン、カプトプリル、塩酸プラゾシン、硫酸ペンブトロー
ル、酢酸グアナベンズ、塩酸グアンファシン、塩酸ブナ
ゾシン、マレイン酸エラナプリル、塩酸アロチノロー
ル、塩酸ビニトロロール、硫酸グアネチジンなどが挙げ
られる。
【0050】鎮咳去痰剤としては、例えば塩酸プロカテ
ロール、硫酸テルブタリン、臭化水素酸フェノテロー
ル、塩酸ツロブテロール、塩酸アンブロキソール、塩酸
ピルブテロール、塩酸マブテロール、塩酸クレンブトー
ル、塩酸トリメトキノール、フマル酸フォルモテロール
等が挙げられる。
【0051】抗腫瘍剤としては、例えば臭化グリコピロ
ニウム、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、フ
ルオロウラシル等が挙げられる。
【0052】局所麻酔剤としては、例えばベンゾカイ
ン、プリロカイン、リドカイン、テトラカイン、ブピバ
カイン、メピバカイン等が挙げられる。
【0053】ホルモン剤としては、例えばエストロゲ
ン、エストラジオール、テストステロン、プロゲステロ
ン、プロスタグランジンなどのステロイドホルモン類
や、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸メ
チルプレドニゾロンナトリウム、酢酸コルチゾン、酢酸
トリアムシノロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾ
ン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、リン酸デ
キサメタゾンナトリウム、リン酸ヒドロコルチゾンナト
リウムなどの副腎皮質ホルモンや、インスリンなどのペ
プチドホルモン等が挙げられる。
【0054】抗喘息・アレルギー剤としては、例えばフ
マル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、クロモグリク
酸ナトリウム、フマル酸エメダスチン、トラニラスト、
シクロスポリン等が挙げられる。
【0055】抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸シク
ロヘプタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、フェンベンザ
ミン、メキタジン、マレイン酸クロルフェニラミン等が
挙げられる。
【0056】抗凝血剤としては、例えばヘパリン、ウロ
キナーゼ、tPA、メチル硫酸N−メチルスコポラミ
ン、塩酸パパベリン等が挙げられる。鎮痙剤としては、
例えばスコポラミン、クロフルペロール等が挙げられ
る。
【0057】脳循環・代謝改善剤としては、例えばビン
ポセチン、塩酸フルナリジン、塩酸ニカルジピン、フマ
ル酸ブロビンカミン、メシル酸ジヒドリエルゴトキシ
ン、酒石酸イフェンプロジル、塩酸イソクスプリン、塩
酸ジルチアゼム、エチドロン酸二ナトリウム等が挙げら
れる。
【0058】抗うつ・抗不安剤としては、例えば塩酸マ
プロチリン、エチゾラム、ジアゼパム、プロマゼパム、
塩酸アミトリプチン、塩酸ミアンセリン、クロルプロマ
ジン、スピペロン、塩酸イミプラミン等が挙げられる。
【0059】ビタミンD剤としては、例えばアルファカ
ルシドール、エルゴカルシフェロール等が挙げられる。
【0060】血糖降下剤としては、例えばグリベンクラ
ミド、グリクラジド等が挙げられる。
【0061】抗潰瘍剤としては、例えばリンゴ酸クレボ
プリド、ファモチジン、臭化グリコピロニウム等が挙げ
られる。
【0062】睡眠剤としては、例えばフェノバルビター
ル、アモバルビタール等が挙げられる。
【0063】抗生物質としては、例えばテトラサイクリ
ン、クロラムフェニコール、フェノキシメチルペニシリ
ンカリウム、エリスロマイシン等が挙げられる。
【0064】抗真菌剤としては、例えばシクロピロクス
オラミン、アムホテリシンB等が挙げられる。
【0065】鎮静剤としては、例えば臭化水素酸スコポ
ラミン、塩酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル等が挙げ
られる。
【0066】気管支拡張剤としては、例えばテオフィリ
ン、フマル酸フォルモテロール、硫酸サルブタモール、
硫酸テルブタリン、塩酸エフェドリン等が挙げられる。
【0067】抗ウイルス剤としては、例えばビダラビ
ン、イドクスウリジン等が挙げられる。
【0068】排尿障害治療剤としては、例えば塩酸オキ
シブチニン、アルギニン−バソプレシン、酢酸デスモプ
レシン等が挙げられる。
【0069】これらの薬剤を添加する場合には、ポリビ
ニルアルコール水溶液に溶解又は懸濁させ、親水性高分
子架橋体を添加した後、シリコーンシート間に展延し、
凍結融解法により粘着性基剤とすることができ、また、
薬剤を添加しないゲルを凍結融解法により作製し、これ
を薬剤溶液中に浸漬させることも可能である。
【0070】これらの薬剤の配合量は、臨床上必要量及
び一回の投与量等によって異なるが、ポリビニルアルコ
ール水溶液に対して0.1〜10重量(w/w)%とす
るのが好ましい。また、必要によっては、通常の皮膚外
用剤に用いられる成分、例えば皮膚刺激剤、経皮吸収促
進剤、安定化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤等を添加することや、各種の酸及びアルカリによって
pH調節を行うこともできる。
【0071】また、薬剤を配合した場合には、通常の貼
付剤の他、イオントフォレシス及びフォノフォレシス等
のパッドとして使用することも可能である。
【0072】
【発明の効果】本発明の親水性粘着性基剤は、膨潤性が
良好で均一に膨潤することができ、含水率が低下せず、
しかも優れた機械的強度及び皮膚に対する粘着性を有す
るものであり、貼付剤の粘着層、各種医療用パッド、更
に薬剤を含浸させた皮膚外用剤などとして有用である。
【0073】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0074】製造例1 (GEMA−MMA−bis共
重合体の製造) 2−グリコシルオキシエチルメタクリレート(以下、
「GEMA」と示す)及びメチルメタクリレート(以
下、「MMA」と示す)の、GEMA:MMA=10:
0.1〜10:10(モル比)の混合モノマーに対し、
架橋剤N,N′−メチレンビスアクリルアミド(以下、
「bis」と示す)を800:1(モル比)の割合で加
えた。このモノマーの全量に対して0.5%の重合開始
剤2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイ
ドロクロライド(以下、「V50」と示す)を添加し、
窒素置換・脱気後、65℃で17時間重合反応を行っ
た。重合反応終了後、(水膨潤−イソプロピルアルコー
ル洗浄−真空乾燥−粉砕)の操作を2回繰り返して精製
し、80メッシュのふるいを通して、微粉末の親水性高
分子架橋体を得た。
【0075】製造例2 (GEMA−MMA−bis板
状共重合体の製造) 0.5mmのスペーサーを入れたスライドグラスの間で、
製造例1と同様に重合反応を行った。重合反応終了後、
(水膨潤−イソプロピルアルコール洗浄−真空乾燥)の
操作を2回繰り返して精製し、板状の親水性高分子架橋
体を得た。
【0076】製造例3 (GEMA−MMA−bis共
重合体の製造) GEMA:MMA=10:5(モル比)の混合モノマー
に対し、架橋剤bisを100:1〜3200:1(モ
ル比)の割合で加えた後、製造例1と同様にして重合反
応及び精製操作を行い、微粉末の親水性高分子架橋体を
得た。
【0077】製造例4 (GEMA−MMA−bis板
状共重合体の製造) 0.5mmのスペーサーを入れたスライドグラスの間に、
製造例3と同様の混合モノマー及び架橋剤を加えた後、
製造例2と同様に重合反応及び精製操作を行い、板状の
親水性高分子架橋体を得た。
【0078】製造例5 (GEMA−BA−bis共重
合体の製造) GEMA及びアクリル酸n−ブチル(以下、「BA」と
示す)の、GEMA:BA=10:0.1〜10:10
(モル比)の混合モノマーに対し、架橋剤bisを80
0:1(モル比)の割合で加えた後、製造例1と同様に
して重合反応及び精製操作を行い、微粉末の親水性高分
子架橋体を得た。
【0079】製造例6 (GEMA−BA−bis板状
共重合体の製造) 0.5mmのスペーサーを入れたスライドグラスの間に、
製造例5と同様の混合モノマー及び架橋剤を加えた後、
製造例2と同様に重合反応及び精製操作を行い、板状の
親水性高分子架橋体を得た。
【0080】製造例7 (GEMA−HEMA−bis
共重合体の製造) GEMA及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以
下、「HEMA」と示す)の、GEMA:HEMA=1
0:0.1〜10:10(モル比)の混合モノマーに対
し、架橋剤bisを800:1(モル比)の割合で加え
た後、製造例1と同様にして重合反応及び精製操作を行
い、微粉末の親水性高分子架橋体を得た。
【0081】製造例8 (GEMA−HEMA−bis
板状共重合体の製造) 0.5mmのスペーサーを入れたスライドグラスの間に、
製造例7と同様の混合モノマー及び架橋剤を加えた後、
製造例2と同様に重合反応及び精製操作を行い、板状の
親水性高分子架橋体を得た。
【0082】なお、各製造例で得られた親水性高分子架
橋体のうち、以下の実施例においては、次の表1に示す
ゲル1〜ゲル19を使用した。表1中、各モノマーの濃
度は、全モノマーに対するmol%である。また、各ゲル
の膨潤率を併せて示した。
【0083】
【表1】
【0084】実施例1 平均重合度2000、けん化度98±0.5mol%のポ
リビニルアルコール(以下、「PVA2000」と示
す)及びアジ化ナトリウムを、表2に示す処方1の割合
で均一に混合した後、55〜75℃に加熱した精製水中
に少しづつ入れ、攪拌して均一な溶液を得た。この溶液
に、ゲル1を0、10、12.5、16.7及び25重
量%の割合でそれぞれ混合し、その0.4gを0.5mm
のスペーサーを入れたシリコーンシートの間で2cm×2
cmの面積に均一に展延し、一夜−20℃凍結−室温放置
(以下、この操作を「凍結融解」という)を2回繰り返
してパッドを製造した。
【0085】
【表2】 (処方1) PVA2000 5g アジ化ナトリウム 0.1g 精製水 全100g
【0086】実施例2 PVA2000を5g用いるのに代え、平均重合度24
00、けん化度98±0.5mol%のポリビニルアルコ
ール(以下、「PVA2400」と示す)を3、4、
5、6又は7gを用い実施例1と同様にPVA溶液を調
製し、この溶液に、ゲル1を16.7%の割合で混合
し、実施例1と同様にしてパッドを製造した。
【0087】実施例3 PVA2000の代わりに、平均重合度1700、けん
化度98±0.5mol%のポリビニルアルコール(以
下、「PVA1700」と示す)を用い実施例1と同様
にPVA溶液を調製し、この溶液に、ゲル1を16.7
%の割合で混合し、実施例1と同様にしてパッドを製造
した。
【0088】実施例4 処方1のPVA溶液を実施例1と同様に調製し、この溶
液にゲル2、3、4、5又は6を16.7%の割合で混
合し、実施例1と同様にしてパッドを製造した。
【0089】実施例5 処方1のPVA溶液を実施例1と同様に調製し、この溶
液にゲル7、8、9、10、11又は12を16.7%
の割合で混合し、実施例1と同様にしてパッドを製造し
た。
【0090】実施例6 凍結融解を、融解温度5又は25℃で2回繰り返し、実
施例1と同様にしてパッドを製造した。
【0091】実施例7 ヒアルロン酸ナトリウム(以下、「HA」と示す)を
0、0.25、0.5又は1g用い実施例1と同様にP
VA溶液を調製し、この溶液にゲル1を16.7%の割
合で混合し、実施例1と同様にしてパッドを製造した。
【0092】実施例8 ゲル1をゲル13又はゲル19に代え実施例1と同様に
してパッドを製造した。
【0093】実施例9 処方1のPVA溶液を実施例1と同様に調製し、この溶
液にゲル14、15、16、17又は18を16.7%
の割合で混合し、実施例1と同様にしてパッドを製造し
た。
【0094】実施例10 ゲル1をゲル13又はゲル19に代え実施例7と同様に
してパッドを製造した。
【0095】試験例1 実施例で得られたパッドについて、粘着性及び保型性を
評価した。 (評価方法) (1)粘着性:実施例で得られた2cm×2cmのパッド
を、図1に示した装置構成で2cm/minの一定速度で剥
離させたときの剥離時の荷重を測定した。
【0096】(2)保型性(機械的強度):ヒト上腕屈
側に、パッドを貼付−剥離する操作を2回繰り返し、評
価した。
【0097】(結果) (1)実施例1で得られたp(GEMA−MMA−bi
s)共重合体濃度の異なるパッドの粘着性を図2に示し
た。濃度の増加に伴い粘着性が著しく向上し、16.7
%の時に極大となった。また、いずれのパッドも、剥離
時にパッドの形状にほとんど変化がなく、貼付−剥離す
ることができた。
【0098】(2)実施例2で得られたPVA濃度の異
なるパッドの粘着性を図3に示した。PVA濃度が変化
しても、粘着性はほとんど変化がなかった。また、いず
れのパッドも、剥離時にパッドの形状にほとんど変化が
なく、貼付−剥離することができた。
【0099】(3)実施例1〜3で得られたPVAの平
均重合度の異なるパッドの粘着性を図4に示した。平均
重合度が変化しても、粘着性の変化はほとんどなかっ
た。また、いずれのパッドも、剥離時にパッドの形状に
ほとんど変化がなく、貼付−剥離することができた。
【0100】(4)実施例4で得られたMMA濃度の異
なるp(GEMA−MMA−bis)共重合体を用いた
パッドの粘着性を図5に示した。粘着性は33.3mol
%以上では変化がなかった。また、いずれのパッドも、
剥離時にパッドの形状にほとんど変化がなく、貼付−剥
離することができた。
【0101】(5)実施例5で得られたbis濃度の異
なるp(GEMA−MMA−bis)共重合体を用いた
パッドの粘着性を図6に示した。bis濃度の増加に伴
い粘着性は向上した。また、いずれのパッドも、剥離時
にパッドの形状にほとんど変化がなく、貼付−剥離する
ことができた。
【0102】(6)実施例6で得られた異なる融解温度
で得られたパッドの粘着性を図7に示した。粘着性の変
化はほとんどなかった。また、いずれのパッドも、剥離
時にパッドの形状にほとんど変化がなく、貼付−剥離す
ることができた。
【0103】(7)実施例7で得られた親水性高分子
(HA)濃度が異なるパッドの粘着性を図8に示した。
HAを加えると、濃度の増加に伴い、粘着性は向上する
傾向があった。また、いずれのパッドも、剥離時にパッ
ドの形状にほとんど変化がなく、貼付−剥離することが
できた。
【0104】(8)実施例8で得られたp(GEMA−
BA−bis)又はp(GEMA−HEMA−bis)
共重合体濃度の異なるパッドの粘着性を図9及び図10
に示した。いずれの場合も、濃度の増加に伴い粘着性が
著しく向上し、粘着性は16.7mol%のときが極大で
あった。また、いずれのパッドも、剥離時にパッドの形
状にほとんど変化がなく、貼付−剥離することができ
た。
【0105】(9)実施例9で得られたBA濃度の異な
るp(GEMA−BA−bis)共重合体を用いたパッ
ドの粘着性を図11に示した。濃度の増加に伴い粘着性
は低下する傾向があった。また、いずれのパッドも、剥
離時にパッドの形状にほとんど変化がなく、貼付−剥離
することができた。
【0106】(10)実施例10で得られたp(GEMA
−BA−bis)又はp(GEMA−HEMA−bi
s)共重合体における親水性高分子(HA)濃度による
粘着性を図12及び図13に示した。HAを加えると、
濃度の増加とともに粘着性は増加する傾向があった。ま
た、いずれのパッドも、剥離時にパッドの形状にほとん
ど変化がなく、貼付−剥離することができた。
【0107】試験例2 実施例1で得られたパッドについて、保水性を評価し
た。結果を表3に示した。 (評価方法)プラスチックシャーレ上にパッドを置き、
37℃の恒温槽内に放置した。初期、1、3及び5時間
経過時に取り出して重量を測定し、下記式より重量変化
率を算出した。
【0108】
【数3】
【0109】
【表3】
【0110】また、重量変化率の比較を図14に示し
た。これよりポリマー(親水性高分子架橋体)を配合す
ることにより、重量変化率が低く、すなわち保水効果が
高くなることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1において、粘着性を測定した装置構成
を示す図である。
【図2】p(GEMA−MMA−bis)共重合体濃度
による粘着性の比較を示す図である。
【図3】PVA濃度による粘着性の比較を示す図であ
る。
【図4】PVAの平均重合度による粘着性の比較を示す
図である。
【図5】p(GEMA−MMA−bis)共重合体中の
MMA濃度による粘着性の比較を示す図である。
【図6】p(GEMA−MMA−bis)共重合体中の
bis濃度による粘着性の比較を示す図である。
【図7】融解温度による粘着性の比較を示す図である。
【図8】HA濃度による粘着性の比較を示す図である。
【図9】p(GEMA−BA−bis)共重合体濃度に
よる粘着性の比較を示す図である。
【図10】p(GEMA−HEMA−bis)共重合体
濃度による粘着性の比較を示す図である。
【図11】p(GEMA−BA−bis)共重合体中の
BA濃度による粘着性の比較を示す図である。
【図12】HA濃度による粘着性の比較を示す図であ
る。
【図13】HA濃度による粘着性の比較を示す図であ
る。
【図14】実施例1で得られたパッドの重量変化率を示
す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 133/06 JDD C09J 133/14 JDB 133/14 JDB A61N 1/04 // A61N 1/04 A61L 15/06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)及び(B): (A)(a)(メタ)アクリル酸グルコシルオキシアル
    キルエステル、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
    ル、及び(c)多官能性モノマーを重合させて得られる
    親水性高分子架橋体、 (B)ポリビニルアルコールを含有する親水性粘着性基
    剤。
  2. 【請求項2】 成分(A)の親水性高分子架橋体が、
    (a)及び(b)のモル比が10:0.1〜10:10
    のものである請求項1記載の親水性粘着性基剤。
  3. 【請求項3】 成分(A)の親水性高分子架橋体が、
    (c)と、(a)及び(b)の合計量とのモル比が1:
    100〜1:3200のものである請求項1又は2記載
    の親水性粘着性基剤。
  4. 【請求項4】 成分(A)の親水性高分子架橋体を15
    〜50重量(w/w)%含有する請求項1〜3のいずれ
    か1項記載の親水性粘着性基剤。
  5. 【請求項5】 成分(B)のポリビニルアルコールが、
    けん化度95mol%以上のものである請求項1〜4のい
    ずれか1項記載の親水性粘着性基剤。
  6. 【請求項6】 成分(B)のポリビニルアルコールが、
    平均重合度1700以上のものである請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の親水性粘着性基剤。
  7. 【請求項7】 成分(B)のポリビニルアルコールを3
    〜10重量%含有するポリビニルアルコール水溶液を含
    有する請求項1〜6のいずれか1項記載の親水性粘着性
    基剤。
  8. 【請求項8】 ガラスに対する剥離強度が、20g/cm
    2以上である請求項1〜7のいずれか1項記載の親水性
    粘着性基剤。
  9. 【請求項9】 次の成分(A)及び(B): (A)(a)(メタ)アクリル酸グルコシルオキシアル
    キルエステル、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
    ル、及び(c)多官能性モノマーを重合させて得られる
    親水性高分子架橋体、 (B)ポリビニルアルコールを含有する水溶液を、凍結
    した後融解させることを特徴とする親水性粘着性基剤の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項記載の親
    水性粘着性基剤及び薬剤を含有する皮膚外用剤。
  11. 【請求項11】 薬剤が、タンパク・ペプチド剤、解熱
    消炎鎮痛剤、ステロイド系抗炎症剤、血管拡張剤、抗高
    血圧・不整脈剤、血圧降下剤、鎮咳去痰剤、抗腫瘍剤、
    局所麻酔剤、ホルモン剤、抗喘息・アレルギー剤、抗ヒ
    スタミン剤、抗凝血剤、鎮痙剤、脳循環・代謝改善剤、
    抗うつ・抗不安剤、ビタミンD剤、血糖降下剤、抗潰瘍
    剤、睡眠剤、抗真菌剤、鎮静剤、気管支拡張剤、抗ウイ
    ルス剤、排尿障害治療剤又は抗生物質である請求項10
    記載の皮膚外用剤。
JP8162861A 1995-07-04 1996-06-24 親水性粘着性基剤 Pending JPH0971541A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8162861A JPH0971541A (ja) 1995-07-04 1996-06-24 親水性粘着性基剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-168384 1995-07-04
JP16838495 1995-07-04
JP8162861A JPH0971541A (ja) 1995-07-04 1996-06-24 親水性粘着性基剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0971541A true JPH0971541A (ja) 1997-03-18

Family

ID=26488497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8162861A Pending JPH0971541A (ja) 1995-07-04 1996-06-24 親水性粘着性基剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0971541A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007244699A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Transcutaneous Technologies Inc イオントフォレーシス装置
JP2008037757A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Kanae Co Ltd 皮膚用貼付剤及び皮膚用貼付剤シート
US8155738B2 (en) 1999-09-01 2012-04-10 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Composition and device structure for iontophoresis
JP2018510926A (ja) * 2015-02-06 2018-04-19 ノーヴェン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド 経皮薬物送達のための感圧粘着剤
CN114032051A (zh) * 2021-12-28 2022-02-11 贵阳银镒新材料科技有限公司 一种细支烟包装用粘合剂及制作方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8155738B2 (en) 1999-09-01 2012-04-10 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Composition and device structure for iontophoresis
JP2007244699A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Transcutaneous Technologies Inc イオントフォレーシス装置
JP2008037757A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Kanae Co Ltd 皮膚用貼付剤及び皮膚用貼付剤シート
JP2018510926A (ja) * 2015-02-06 2018-04-19 ノーヴェン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド 経皮薬物送達のための感圧粘着剤
CN114032051A (zh) * 2021-12-28 2022-02-11 贵阳银镒新材料科技有限公司 一种细支烟包装用粘合剂及制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2411045C2 (ru) Гидрофильные биологически совместимые адгезивные композиции и их применение
EP0446636B1 (en) External application base or auxiliary agent and external application composition for human being or animal containing the same
JP4323797B2 (ja) 最適化した接着特性を有する親水性感圧接着剤の調製
EP0735122B1 (en) Adhesive base material
JPS61280426A (ja) 消炎鎮痛用貼付剤
EP0752457B1 (en) Hydrophilic adhesive base material
JPH04266818A (ja) 医療用粘着剤
JPH0971541A (ja) 親水性粘着性基剤
RU2276177C2 (ru) Получение гидрофильных, чувствительных к давлению адгезивов с оптимизированными адгезионными свойствами
JPS6342602B2 (ja)
JPH06145050A (ja) 貼付剤の製造方法
JPH08325545A (ja) 粘着性基剤
EP1685830A1 (en) Plaster
JPH0429927A (ja) 貼付剤
JPH0339488B2 (ja)
JPH0339485B2 (ja)
JPS597689B2 (ja) 医薬製剤
JPS5928534B2 (ja) 貼付剤
JPH10306023A (ja) 経皮吸収製剤及びその製造方法
JP3676567B2 (ja) 医療用粘着剤組成物及び医療用貼付剤
JPH09301853A (ja) 貼付剤および貼付製剤
JPS5928533B2 (ja) 貼付剤
JPS62263120A (ja) 貼付剤
JPH07331211A (ja) 粘着性基剤
JPH04368322A (ja) 医療用粘着剤