JPH0970618A - 薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ防止方法 - Google Patents
薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ防止方法Info
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- JPH0970618A JPH0970618A JP23042195A JP23042195A JPH0970618A JP H0970618 A JPH0970618 A JP H0970618A JP 23042195 A JP23042195 A JP 23042195A JP 23042195 A JP23042195 A JP 23042195A JP H0970618 A JPH0970618 A JP H0970618A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 腰折れ防止を低コストで行うこと。
【解決手段】 薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ
防止方法は、熱間圧延コイルを巻き戻すとき、塑性変形
を受ける前の鋼帯の平坦度を測定し、その急峻度が1%
を越えるとき、該鋼帯に対して腰折れ防止手段を講じる
ことを特徴とする。
防止方法は、熱間圧延コイルを巻き戻すとき、塑性変形
を受ける前の鋼帯の平坦度を測定し、その急峻度が1%
を越えるとき、該鋼帯に対して腰折れ防止手段を講じる
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延精整ライン、
酸洗ラインのように、熱延のままのストリップを巻き戻
して処理する、薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ
防止方法に関する。
酸洗ラインのように、熱延のままのストリップを巻き戻
して処理する、薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ
防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、熱間圧延されたままの軟鋼は降
伏点伸びを有するため、その後の酸洗ライン等でコイル
を巻き戻したときに、図1に示すような「腰折れ」と呼
ばれる歪み模様が発生する。この腰折れは製品の機械的
性質を低下させるものではないが、美観を損なうため、
用途によっては製品の歩留りが大きく低下する。
伏点伸びを有するため、その後の酸洗ライン等でコイル
を巻き戻したときに、図1に示すような「腰折れ」と呼
ばれる歪み模様が発生する。この腰折れは製品の機械的
性質を低下させるものではないが、美観を損なうため、
用途によっては製品の歩留りが大きく低下する。
【0003】従来の腰折れ防止技術として次のものがあ
る。 板厚、温度、ロール径等から定まる計算式で通板速
度を規定する方法(特開昭55ー136510号公報参
照)。 特定温度域で圧延を行い、結晶粒径の分布状態を制
御する方法(特開昭58ー217637号公報参照)。 鋼帯の材質を腰折れが発生しない材質に変える方
法。 巻き戻すときにプレッシャーロールなどで、鋼帯に
予歪みを付与し、腰折れを目立ち難くする方法。 巻き戻すときにプレッシャーロールなどで鋼帯を抑
え、板の振動を防ぐことにより腰折れ発生を防止する方
法。
る。 板厚、温度、ロール径等から定まる計算式で通板速
度を規定する方法(特開昭55ー136510号公報参
照)。 特定温度域で圧延を行い、結晶粒径の分布状態を制
御する方法(特開昭58ー217637号公報参照)。 鋼帯の材質を腰折れが発生しない材質に変える方
法。 巻き戻すときにプレッシャーロールなどで、鋼帯に
予歪みを付与し、腰折れを目立ち難くする方法。 巻き戻すときにプレッシャーロールなどで鋼帯を抑
え、板の振動を防ぐことにより腰折れ発生を防止する方
法。
【0004】そして、従来は、全てのコイルに対して、
前記何れかの腰折れ防止方法を適用していた。
前記何れかの腰折れ防止方法を適用していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コイルによ
っては、前記腰折れ防止対策を講じなくても腰折れが発
生しないものも存在するのであるが、従来は、全てのコ
イルに対して腰折れ防止対策を講じていたので、ランニ
ングコストが高くなっていた。そこで、本発明は、腰折
れ防止策が必要なものと必要で無いものとを峻別して、
必要なもののみに腰折れ防止手段を適用するようにし
て、ランニングコストの低減を図ることを目的とする。
っては、前記腰折れ防止対策を講じなくても腰折れが発
生しないものも存在するのであるが、従来は、全てのコ
イルに対して腰折れ防止対策を講じていたので、ランニ
ングコストが高くなっていた。そこで、本発明は、腰折
れ防止策が必要なものと必要で無いものとを峻別して、
必要なもののみに腰折れ防止手段を適用するようにし
て、ランニングコストの低減を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴と
するところは、熱間圧延コイルを巻き戻すとき、塑性変
形を受ける前の鋼帯の平坦度を測定し、その急峻度が1
%を越えるとき、該鋼帯に対して腰折れ防止手段を講じ
るる点にある。
に、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴と
するところは、熱間圧延コイルを巻き戻すとき、塑性変
形を受ける前の鋼帯の平坦度を測定し、その急峻度が1
%を越えるとき、該鋼帯に対して腰折れ防止手段を講じ
るる点にある。
【0007】以下、本発明の技術的意義を説明する。腰
折れについては、同一成分・同一熱延条件のコイルであ
っても、発生長が大きく異なるという経験則を有してい
た。本発明者らは、この原因を調査した結果、この原因
がコイルの平坦度に起因することを見出した。すなわ
ち、平坦度の悪いコイルは、通板ロールによって歪みが
均一にならないため、歪みが局部に集中し易く、その部
分に腰折れが発生し易くなるのである。
折れについては、同一成分・同一熱延条件のコイルであ
っても、発生長が大きく異なるという経験則を有してい
た。本発明者らは、この原因を調査した結果、この原因
がコイルの平坦度に起因することを見出した。すなわ
ち、平坦度の悪いコイルは、通板ロールによって歪みが
均一にならないため、歪みが局部に集中し易く、その部
分に腰折れが発生し易くなるのである。
【0008】したがって、平坦度を測定して、その平坦
度が所定値以上のもの(腰折れの発生し易い形状の悪い
コイル)に対してのみ腰折れ防止策を講じれば、ランニ
ングコストを最小限にして腰折れの発生を防止すること
ができる。そこで、腰折れ不良率と平坦度との関係を調
べた。その結果を図2に示す。平坦度が1%を越える
と、腰折れ発生率が急に高くなっている。この結果よ
り、平坦度が1%を越える場合のみ、腰折れ防止手段を
講ずれば良いことが判明した。尚、「腰折れ不良比率=
その時の不良率/年平均不良率」である。
度が所定値以上のもの(腰折れの発生し易い形状の悪い
コイル)に対してのみ腰折れ防止策を講じれば、ランニ
ングコストを最小限にして腰折れの発生を防止すること
ができる。そこで、腰折れ不良率と平坦度との関係を調
べた。その結果を図2に示す。平坦度が1%を越える
と、腰折れ発生率が急に高くなっている。この結果よ
り、平坦度が1%を越える場合のみ、腰折れ防止手段を
講ずれば良いことが判明した。尚、「腰折れ不良比率=
その時の不良率/年平均不良率」である。
【0009】前記腰折れ防止手段として、各種鋼材に対
して加工温度と歪速度とリューダース帯との関係を予め
求め、ある歪速度のもとでリューダース帯の深さが所定
値以上に達するときの加工温度を遷移温度とし、該遷移
温度以下の温度で通板処理する方法を採用することがで
きる。また、各種鋼材に対して加工温度と歪速度とリュ
ーダース帯との関係を予め求め、ある加工温度のもとで
リューダース帯の深さが所定値以上に達するときの歪速
度を遷移歪速度とし、該遷移歪速度以上の速度で通板処
理する方法を採用することができる。
して加工温度と歪速度とリューダース帯との関係を予め
求め、ある歪速度のもとでリューダース帯の深さが所定
値以上に達するときの加工温度を遷移温度とし、該遷移
温度以下の温度で通板処理する方法を採用することがで
きる。また、各種鋼材に対して加工温度と歪速度とリュ
ーダース帯との関係を予め求め、ある加工温度のもとで
リューダース帯の深さが所定値以上に達するときの歪速
度を遷移歪速度とし、該遷移歪速度以上の速度で通板処
理する方法を採用することができる。
【0010】以下、前記腰折れ防止手段につき説明す
る。鋼帯の腰折れ疵はその目立ち方、感触によって幾つ
かのランクに分類される。そこで、腰折れのランクが感
触と関係を持っていると言う点から、腰折れと板厚変動
量との関係を調査した。図3にその調査結果を示す。腰
折れのランクはその値が大きいほど程度が悪く、ランク
2、3が合格であり、ランク4、5は不合格である。こ
の調査から、腰折れのランクが大きくなるほど、板厚変
動量が大きいことが明らかになった。
る。鋼帯の腰折れ疵はその目立ち方、感触によって幾つ
かのランクに分類される。そこで、腰折れのランクが感
触と関係を持っていると言う点から、腰折れと板厚変動
量との関係を調査した。図3にその調査結果を示す。腰
折れのランクはその値が大きいほど程度が悪く、ランク
2、3が合格であり、ランク4、5は不合格である。こ
の調査から、腰折れのランクが大きくなるほど、板厚変
動量が大きいことが明らかになった。
【0011】一方、腰折れが鋼のリューダース変形に起
因していることは既に知られていることである。そこ
で、このリューダース変形と前記調査結果とを考慮すれ
ば、腰折れは、幅広く且つ深く発生したリューダース帯
であると考えられる。ところで、コイル投入温度が高く
なるほど、腰折れ疵の発生率が高くなると言う経験則が
ある。そこで、リューダース帯の発生の仕方と加工温度
との関係について調査を行った。
因していることは既に知られていることである。そこ
で、このリューダース変形と前記調査結果とを考慮すれ
ば、腰折れは、幅広く且つ深く発生したリューダース帯
であると考えられる。ところで、コイル投入温度が高く
なるほど、腰折れ疵の発生率が高くなると言う経験則が
ある。そこで、リューダース帯の発生の仕方と加工温度
との関係について調査を行った。
【0012】即ち、鋼材の引張試験において、引張速度
(歪速度)を一定にして、加工温度(試験片の温度)を
種々変化させて、試験片に発生するリューダース帯の深
さと加工温度との関係を調べた。図4にその調査結果を
示す。同図には、リューダース帯の模様の略図がパター
ン1とパターン2として併せて示されている。なお、同
図においてリューダース帯の模様がパターン1からパタ
ーン2に変わる温度を、以下、「遷移温度」と呼ぶ。
(歪速度)を一定にして、加工温度(試験片の温度)を
種々変化させて、試験片に発生するリューダース帯の深
さと加工温度との関係を調べた。図4にその調査結果を
示す。同図には、リューダース帯の模様の略図がパター
ン1とパターン2として併せて示されている。なお、同
図においてリューダース帯の模様がパターン1からパタ
ーン2に変わる温度を、以下、「遷移温度」と呼ぶ。
【0013】前記遷移温度よりも上の温度で発生したリ
ューダース帯は、板厚減少量も大きく、腰折れ疵と判定
されるものであった。反対に遷移温度よりも下の温度で
発生したリューダース帯は、幅も狭く、板厚減少も小さ
いため、腰折れ疵と判定されないものであった。従っ
て、パターン1の模様は腰折れ疵とは判定されないの
で、腰折れ疵を防止するには、パターン1の模様が発生
する条件で、鋼帯の通板を行えばよいことが推測され
る。即ち、前記遷移温度以下の温度で通板処理すればよ
いことが推測される。
ューダース帯は、板厚減少量も大きく、腰折れ疵と判定
されるものであった。反対に遷移温度よりも下の温度で
発生したリューダース帯は、幅も狭く、板厚減少も小さ
いため、腰折れ疵と判定されないものであった。従っ
て、パターン1の模様は腰折れ疵とは判定されないの
で、腰折れ疵を防止するには、パターン1の模様が発生
する条件で、鋼帯の通板を行えばよいことが推測され
る。即ち、前記遷移温度以下の温度で通板処理すればよ
いことが推測される。
【0014】しかし、前記の推測結果はいずれも歪速度
一定の引張試験により得られたものである。ところが、
前記遷移温度は歪速度の影響を大きく受けるということ
が判明した。従って、引張試験と実際の通板処理とで
は、歪速度が大きく異なるので、前記歪速度一定の条件
の引張試験で得られた遷移温度を、そのまま実際の通板
処理における遷移温度として使用することができないこ
とが判明した。
一定の引張試験により得られたものである。ところが、
前記遷移温度は歪速度の影響を大きく受けるということ
が判明した。従って、引張試験と実際の通板処理とで
は、歪速度が大きく異なるので、前記歪速度一定の条件
の引張試験で得られた遷移温度を、そのまま実際の通板
処理における遷移温度として使用することができないこ
とが判明した。
【0015】そこで、引張試験において、歪速度(引張
速度)と加工温度とを種々変化させて、発生するリュー
ダース帯の模様を調査した。図5に、前記の調査結果で
ある加工温度と歪速度とリューダース帯との関係を示
す。同図から、歪速度を決めると、パターン1からパタ
ーン2へ遷移する遷移温度Tが決まることが判る。逆に
加工温度を決めると、リューダース帯の模様がパターン
1からパターン2へ遷移する歪速度(以下、「遷移歪速
度ε」と呼ぶ)があることが判る。
速度)と加工温度とを種々変化させて、発生するリュー
ダース帯の模様を調査した。図5に、前記の調査結果で
ある加工温度と歪速度とリューダース帯との関係を示
す。同図から、歪速度を決めると、パターン1からパタ
ーン2へ遷移する遷移温度Tが決まることが判る。逆に
加工温度を決めると、リューダース帯の模様がパターン
1からパターン2へ遷移する歪速度(以下、「遷移歪速
度ε」と呼ぶ)があることが判る。
【0016】即ち、図5のグラフの点線上の点が、その
遷移温度Tにおける遷移歪速度εを表している。従っ
て、パターン1の条件(腰折れ疵の発生しない条件)で
鋼帯を通板させるには、歪速度を決めて、その遷移温度
以下の温度で通板を行うか、又は、加工温度を決めて、
その遷移歪速度以上の速度で通板を行えば良いことが判
る。
遷移温度Tにおける遷移歪速度εを表している。従っ
て、パターン1の条件(腰折れ疵の発生しない条件)で
鋼帯を通板させるには、歪速度を決めて、その遷移温度
以下の温度で通板を行うか、又は、加工温度を決めて、
その遷移歪速度以上の速度で通板を行えば良いことが判
る。
【0017】尚、請求項1記載の本発明においては、
「腰折れ防止手段」は、請求項2、3に記載のものに限
定されるものではなく、従来技術で説明した各種のもの
を採用することができる。
「腰折れ防止手段」は、請求項2、3に記載のものに限
定されるものではなく、従来技術で説明した各種のもの
を採用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図6に本発明方法に使用される設
備の概要を示す。この設備は、熱延されたコイル1 を巻
き戻すためのアンコイラー2 を有し、該アンコイラー2
から巻き戻された鋼帯3 は、ピンチロール4 、レベラー
5 、シャー6 等を通過するよう構成されている。そし
て、この設備には、前記コイル1 を冷却する冷却装置7
が設けられている。
施の形態を説明する。図6に本発明方法に使用される設
備の概要を示す。この設備は、熱延されたコイル1 を巻
き戻すためのアンコイラー2 を有し、該アンコイラー2
から巻き戻された鋼帯3 は、ピンチロール4 、レベラー
5 、シャー6 等を通過するよう構成されている。そし
て、この設備には、前記コイル1 を冷却する冷却装置7
が設けられている。
【0019】前記冷却装置7 は、冷却水槽やポンプ等を
備えたコイル冷却設備8 と、該冷却設備8 からの冷却水
を前記コイル1 に供給するためのノズル9 と、該ノズル
9 に供給される冷却水の量を制御したり、又は、入り切
りするための制御弁10とを備えている。さらに、前記制
御弁10を制御する制御装置11と、該制御装置11に接続さ
れた平坦度測定装置12とを備えている。この平坦度測定
装置12は、コイル1 から巻き戻されて、前記ピンチロー
ル4 またはレベラー5 により塑性変形を受ける前の鋼帯
3 の平坦度を測定する形状センサー13からなる。
備えたコイル冷却設備8 と、該冷却設備8 からの冷却水
を前記コイル1 に供給するためのノズル9 と、該ノズル
9 に供給される冷却水の量を制御したり、又は、入り切
りするための制御弁10とを備えている。さらに、前記制
御弁10を制御する制御装置11と、該制御装置11に接続さ
れた平坦度測定装置12とを備えている。この平坦度測定
装置12は、コイル1 から巻き戻されて、前記ピンチロー
ル4 またはレベラー5 により塑性変形を受ける前の鋼帯
3 の平坦度を測定する形状センサー13からなる。
【0020】図7に前記形状センサー13の詳細が示され
ている。この形状センサー13は、超音波を用いた変位計
からなる。この形状センサー13は、耳波を検出するため
に鋼帯3 の左右のエッジ部に配置され、また、中伸びを
検出するために鋼帯3 のセンター部に配置されている。
尚、前記平坦度測定装置12は、鋼帯3 の形状を検出でき
れば、前記超音波式のものに限らず、光学式など如何な
るタイプのものであってもよい。
ている。この形状センサー13は、超音波を用いた変位計
からなる。この形状センサー13は、耳波を検出するため
に鋼帯3 の左右のエッジ部に配置され、また、中伸びを
検出するために鋼帯3 のセンター部に配置されている。
尚、前記平坦度測定装置12は、鋼帯3 の形状を検出でき
れば、前記超音波式のものに限らず、光学式など如何な
るタイプのものであってもよい。
【0021】前記センサー13により検出された鋼帯3 の
平坦度が1%を越えるときのみ、前記制御装置11を介し
て前記制御弁10を開き、冷却水をコイル1 に供給し、ま
た、平坦度が1%以下の場合は、制御弁10を閉じて冷却
水の供給を停止するよう構成している。そして、平坦度
が1%を越える場合は、遷移温度以下の温度で通板処理
するよう、前記冷却装置7 によりコイル1 の温度が制御
される。
平坦度が1%を越えるときのみ、前記制御装置11を介し
て前記制御弁10を開き、冷却水をコイル1 に供給し、ま
た、平坦度が1%以下の場合は、制御弁10を閉じて冷却
水の供給を停止するよう構成している。そして、平坦度
が1%を越える場合は、遷移温度以下の温度で通板処理
するよう、前記冷却装置7 によりコイル1 の温度が制御
される。
【0022】即ち、予め各種鋼材に対して加工温度と歪
速度とリューダース帯との関係を求め、ある歪速度のも
とでリューダース帯の深さが所定値以上に達するときの
加工温度を遷移温度とし、該遷移温度以下の温度で通板
処理する。しかし、前記遷移温度を求めるのに際し、引
張試験において歪速度を種々変化させて試験を行うのは
大変面倒であるので、歪速度一定として得られた遷移温
度から、実際のラインにおける遷移温度が計算で求めら
れれば便利である。
速度とリューダース帯との関係を求め、ある歪速度のも
とでリューダース帯の深さが所定値以上に達するときの
加工温度を遷移温度とし、該遷移温度以下の温度で通板
処理する。しかし、前記遷移温度を求めるのに際し、引
張試験において歪速度を種々変化させて試験を行うのは
大変面倒であるので、歪速度一定として得られた遷移温
度から、実際のラインにおける遷移温度が計算で求めら
れれば便利である。
【0023】以下、その変換式を説明する。熱力学的に
パターン1からパターン2に遷移すると考えられる時の
歪速度εと加工温度T(K) との関係は、式(1)で表す
ことができる。
パターン1からパターン2に遷移すると考えられる時の
歪速度εと加工温度T(K) との関係は、式(1)で表す
ことができる。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、A:定数 H:20100(cal/mol) R:1.987(cal/mol) 従って、実機ラインでの歪速度、温度をε1 、T1 と
し、引張試験での歪速度、温度をε2 、T2 とすると、
し、引張試験での歪速度、温度をε2 、T2 とすると、
【0026】
【数2】
【0027】従って、
【0028】
【数3】
【0029】となり、ε1 、ε2 、T2 、R、Hがそれ
ぞれ既知であるためT1 が求められる。以上は、平坦度
が1%を越えるとき、所定の温度以下に冷却して通板処
理する場合についての説明であるが、以下は、所定の速
度以上で通板処理する場合の説明である。
ぞれ既知であるためT1 が求められる。以上は、平坦度
が1%を越えるとき、所定の温度以下に冷却して通板処
理する場合についての説明であるが、以下は、所定の速
度以上で通板処理する場合の説明である。
【0030】即ち、熱間圧延コイルを巻き戻すとき、塑
性変形を受ける前の鋼帯の平坦度を測定し、その急峻度
が1%を越えるとき、所定の速度以上で通板処理する。
即ち、予め各種鋼材に対して加工温度と歪速度とリュー
ダース帯との関係を求め、ある加工温度のもとでリュー
ダース帯の深さが所定値以上に達するときの歪速度を遷
移歪速度とし、該遷移歪速度以上の速度で通板処理する
ところで、実際の処理ラインにおいては、この歪速度を
制御項目にすることは困難である。この歪速度はライン
での鋼板が受ける歪量であるから、その処理ラインにお
ける通板速度に換算することができる。従って、歪速度
に代えて通板速度を用いる。以下、その換算式について
説明する。
性変形を受ける前の鋼帯の平坦度を測定し、その急峻度
が1%を越えるとき、所定の速度以上で通板処理する。
即ち、予め各種鋼材に対して加工温度と歪速度とリュー
ダース帯との関係を求め、ある加工温度のもとでリュー
ダース帯の深さが所定値以上に達するときの歪速度を遷
移歪速度とし、該遷移歪速度以上の速度で通板処理する
ところで、実際の処理ラインにおいては、この歪速度を
制御項目にすることは困難である。この歪速度はライン
での鋼板が受ける歪量であるから、その処理ラインにお
ける通板速度に換算することができる。従って、歪速度
に代えて通板速度を用いる。以下、その換算式について
説明する。
【0031】図8に示すように、鋼板が腰折れ発生ロー
ルを通過するものとし、点Aは鋼板の平坦部から曲率ρ
1 (mm)に変化する位置、点Bは鋼板の最大曲率ρ2 (mm)
の位置とし、点Aと点B間の鋼板の長さをL(mm)、通板
速度をV(m/min) 、鋼板の板厚をs(mm)、鋼板が点AB
間を通過する時間をΔt(min) 、この間に曲率がρ1か
らρ2 へ変化するときの歪速度をε(1/min) とすると、
通板速度Vと歪速度εの関係は次式で求められる。
ルを通過するものとし、点Aは鋼板の平坦部から曲率ρ
1 (mm)に変化する位置、点Bは鋼板の最大曲率ρ2 (mm)
の位置とし、点Aと点B間の鋼板の長さをL(mm)、通板
速度をV(m/min) 、鋼板の板厚をs(mm)、鋼板が点AB
間を通過する時間をΔt(min) 、この間に曲率がρ1か
らρ2 へ変化するときの歪速度をε(1/min) とすると、
通板速度Vと歪速度εの関係は次式で求められる。
【0032】即ち、Δtは式(4)となり、
【0033】
【数4】
【0034】歪速度εは式(5)となり、
【0035】
【数5】
【0036】従って、通板速度Vは式(6)で表され
る。
る。
【0037】
【数6】
【0038】
【実施例】前記換算式(3)を用いて、高温巻取りした
一般アルミキルド鋼に対して行った実施例について説明
する。この鋼種において歪速度一定として加工温度を変
えて引張試験を行った結果を図9に示す。
一般アルミキルド鋼に対して行った実施例について説明
する。この鋼種において歪速度一定として加工温度を変
えて引張試験を行った結果を図9に示す。
【0039】この鋼種では−20°Cを境にしてリュー
ダース帯の深さが2μmから10μmへと変化した。前
述のように、遷移温度は歪速度に依存することから、引
張試験での遷移温度をそのままラインの腰折れの遷移温
度であると考えることは出来ない。そこで、前記式
(3)を用いて、引張試験の歪速度と酸洗ラインでの歪
速度とからラインの腰折れの遷移温度を換算した。その
結果、酸洗ラインの通常のライン速度におけるこの鋼種
の遷移温度は約40°Cとなった。
ダース帯の深さが2μmから10μmへと変化した。前
述のように、遷移温度は歪速度に依存することから、引
張試験での遷移温度をそのままラインの腰折れの遷移温
度であると考えることは出来ない。そこで、前記式
(3)を用いて、引張試験の歪速度と酸洗ラインでの歪
速度とからラインの腰折れの遷移温度を換算した。その
結果、酸洗ラインの通常のライン速度におけるこの鋼種
の遷移温度は約40°Cとなった。
【0040】よって、この鋼種は加工温度40°C以下
の通板処理すれば、腰折れが発生しない。図10に示す
ように、前記実施例によれば、アルミキルド鋼での腰折
れによる不良比率が、従来の冷却しない方法に比べて約
40%低減することができた。また、図11に示すよう
に全てのものに対して冷却するものに比べ、そのランニ
ングコストが大幅に減少した。
の通板処理すれば、腰折れが発生しない。図10に示す
ように、前記実施例によれば、アルミキルド鋼での腰折
れによる不良比率が、従来の冷却しない方法に比べて約
40%低減することができた。また、図11に示すよう
に全てのものに対して冷却するものに比べ、そのランニ
ングコストが大幅に減少した。
【0041】尚、本発明は、前記実施例に限定されるも
のではない。
のではない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、全てのコイルに対して
腰折れ防止策を講じる必要がなくなるので、ランニング
コストの低減が図れる。
腰折れ防止策を講じる必要がなくなるので、ランニング
コストの低減が図れる。
【図1】図1は腰折れ疵の説明用の斜視図である。
【図2】図2は急峻度と腰折れ不良比率との関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図3】図3は腰折れランクと板厚減少量との関係を示
すグラフである。
すグラフである。
【図4】図4は加工温度とリューダース帯の深さとリュ
ーダース帯のパターンとの関係を示すグラフである。
ーダース帯のパターンとの関係を示すグラフである。
【図5】図5は歪速度と加工温度とリューダース帯のパ
ターンとの関係を示すグラフである。
ターンとの関係を示すグラフである。
【図6】図6は本発明の方法に使用する設備の概要を示
す概要図である。
す概要図である。
【図7】図7は平坦度測定装置を示す斜視図である。
【図8】図8は歪速度をライン速度に換算する説明図で
ある。
ある。
【図9】図9は実施例における加工温度とリューダース
帯深さの関係を示すグラフである。
帯深さの関係を示すグラフである。
【図10】図10は実施例と従来例との効果を示す比較
グラフである。
グラフである。
【図11】図11は実施例と従来例とのランニングコス
トの比較グラフである。
トの比較グラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 熱間圧延コイルを巻き戻すとき、塑性変
形を受ける前の鋼帯の平坦度を測定し、その急峻度が1
%を越えるとき、該鋼帯に対して腰折れ防止手段を講じ
ることを特徴とする薄板処理ラインにおける熱延板の腰
折れ防止方法。 - 【請求項2】 前記腰折れ防止手段は、 各種鋼材に対して加工温度と歪速度とリューダース帯と
の関係を予め求め、 ある歪速度のもとでリューダース帯の深さが所定値以上
に達するときの加工温度を遷移温度とし、 該遷移温度以下の温度で通板処理することである請求鋼
1記載の薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ防止方
法。 - 【請求項3】 前記腰折れ防止手段は、 各種鋼材に対して加工温度と歪速度とリューダース帯と
の関係を予め求め、 ある加工温度のもとでリューダース帯の深さが所定値以
上に達するときの歪速度を遷移歪速度とし、 該遷移歪速度以上の速度で通板処理することである請求
鋼1記載の薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ防止
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23042195A JPH0970618A (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | 薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23042195A JPH0970618A (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | 薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0970618A true JPH0970618A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=16907632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23042195A Pending JPH0970618A (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | 薄板処理ラインにおける熱延板の腰折れ防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0970618A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101008173B1 (ko) * | 2008-06-19 | 2011-01-13 | 주식회사 포스코 | 열간 권취기 및 그의 냉각수 분사 제어 방법 |
CN102847749A (zh) * | 2011-06-29 | 2013-01-02 | 鞍钢股份有限公司 | 一种卷取机卷筒钳口定位方法 |
CN104624721A (zh) * | 2014-12-26 | 2015-05-20 | 中冶南方工程技术有限公司 | 平整机组带钢头部处理装置及其使用方法 |
KR20210045514A (ko) * | 2014-10-24 | 2021-04-26 | 오씨브이 인텔렉츄얼 캐피탈 엘엘씨 | 파이프 리라이닝에서 와인딩 적용을 위한 비대칭 직물 조성물 |
-
1995
- 1995-09-07 JP JP23042195A patent/JPH0970618A/ja active Pending
Cited By (5)
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CN104624721B (zh) * | 2014-12-26 | 2017-02-22 | 中冶南方工程技术有限公司 | 平整机组带钢头部处理装置及其使用方法 |
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