JPH0970495A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄水を循環させて洗濯物に供給し、汚れを
洗浄水と共に遠心力で取り去る洗濯機において、補助タ
ンクをスペースファクターよく設置し、かつ補助タンク
によって脱水振動を低減する。 【構成】 水受け槽３の内部に洗濯兼脱水槽５を配設
し、この洗濯兼脱水槽５をモータ７により回転し、水受
け槽３内の洗浄水を第１ポンプ１３と第２ポンプ１５と
で循環して洗濯兼脱水槽５内に供給する。モータ７、第
ポンプ１３、第２ポンプ１５などの動作を制御する制御
手段を備え、洗濯兼脱水槽５を低速回転して第１ポンプ
１３、第２ポンプ１５により洗濯兼脱水槽５内の洗濯物
に洗浄水を含ませる第１の行程と、洗濯兼脱水槽５を高
速回転して洗濯物に付着した汚れを洗浄水とともに遠心
力で取り去る第２の行程を持ち、水受け槽３の外側に略
同心円状に補助タンク４を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗浄水を循環させて洗
濯物に供給し、汚れを洗浄水と共に遠心力で取り去る洗
濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗濯機は攪拌式の洗濯機が主流と
なっている。この方式の洗濯機は、攪拌翼をモータによ
って回転させ、洗濯物と水を攪拌して洗濯物相互間の摩
擦や洗濯物と洗濯兼脱水槽の内壁および攪拌翼との摩擦
によって汚れの除去を行っている。

【０００３】このように、従来の攪拌式による洗濯機で
は、衣類の種類によって摩擦で衣類表面が毛羽立った
り、ほつれが生じたり、または衣類が絡んで伸びが発生
するなど衣類を損傷させてしまうといった問題があっ
た。また、節水、節洗剤といった省資源、省エネルギー
的な観点では、攪拌式の洗濯機では、衣類の量によって
異なるが１回の洗濯で約４０リッターから６０リッター
の水と、その水量に対応した所定量の洗剤が必要であ
り、すすぎ行程を含めると約１２０リッターから１８０
リッターもの多量の水が必要になるといった問題を有し
ていたので、発明者らは、洗濯物に洗浄水（洗濯液また
はすすぎ液）を十分吸水させて界面活性剤を汚れに作用
させた上で、遠心力で洗濯物から汚れを除去する洗浄方
法を提案した。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この遠心力による洗浄
方法では、洗浄水を十分洗濯物に吸収させた上で、遠心
力脱水を繰り返すので、洗浄水を繰り返し使用するため
に、補助タンクなどにより洗浄水を一時的に溜めておく
必要がある。しかし、補助タンクを設けた場合には、大
型になってしまうという問題を有していた。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、補助
タンクをスペースファクターよく設置し、かつ補助タン
クによって脱水振動を低減することを第１の目的として
いる。

【０００６】また、補助タンクを小型、安価に設けるこ
とを第２の目的としている。また、水受け槽の洗浄水を
補助タンクに供給し、その洗浄水を洗濯兼脱水槽に確実
に循環させるようにすることを第３の目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記第１の目
的を達成するために、内部に洗濯兼脱水槽を配設した水
受け槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転する駆動手段と、前
記水受け槽内の洗浄水を循環して前記洗濯兼脱水槽内に
供給する洗浄水循環手段と、前記駆動手段や洗浄水循環
手段などの動作を制御する制御手段とを備え、前記洗濯
兼脱水槽を低速回転して洗浄水循環手段により前記洗濯
兼脱水槽内の洗濯物に洗浄水を含ませる第１の行程と、
前記洗濯兼脱水槽を高速回転して洗濯物に付着した汚れ
を洗浄水とともに遠心力で取り去る第２の行程を持ち、
前記水受け槽の外側に略同心円状に補助タンクを設けた
ことを第１の課題解決手段としている。

【０００８】また、上記第２の目的を達成するために、
上記第１の課題解決手段の補助タンクは、水受け槽と一
体成形し、内側壁を前記水受け槽と共用したことを第２
の課題解決手段としている。

【０００９】また、上記第３の目的を達成するために、
上記第１の課題解決手段に加えて、水受け槽内の洗浄水
を第１循環水路を介して補助タンクに供給する第１ポン
プと、補助タンク内の洗浄水を第２循環水路を介して散
水ノズルより洗濯兼脱水槽内の洗濯物に供給する第２ポ
ンプとを設けたことを第３の課題解決手段としている。

【００１０】

【作用】本発明は上記した第１の課題解決手段により、
補助タンクを水受け槽の外側に略同心円状に設けている
ので、洗濯機外枠との間隔の広い箇所は厚く、狭い箇所
は薄くすることによりスペースファクターをよくするこ
とができ、補助タンクの洗浄水の重量が水受け槽全体に
均一にかかるとともに流体バランサー効果もあり、脱水
時の振動を軽減することができる。

【００１１】また、上記した第２の課題解決手段によ
り、補助タンクを水受け槽と一体成形し、補助タンクの
内側壁を水受け槽と共用したので、補助タンクを小型、
安価に形成することができる。

【００１２】また、上記した第３の課題解決手段によ
り、第１の行程で、第１ポンプにより第１循環水路を介
して水受け槽の洗浄水を補助タンクに供給し、その洗浄
水を第２ポンプにより第２循環水路を介して洗濯兼脱水
槽内の洗濯物に供給することができ、洗浄水を循環する
ことができ、また、第２の行程で、第２ポンプを停止
し、第１ポンプのみ駆動することにより、水受け槽の底
部に溜まった洗浄水を補助タンクに溜めることができ
る。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の第１の実施例を図１および図
２を参照しながら説明する。

【００１４】図１に示すように、洗濯機外枠１は、４本
の吊り棒２により水受け槽３を吊り下げている。補助タ
ンク４は、水受け槽３の外側に水受け槽３を内壁として
略同心円状に配設している。洗濯兼脱水槽５は、水受け
槽３内に回転自在に配設し、洗濯兼脱水槽５の底部に攪
拌翼６を回転自在に配設している。

【００１５】モータ（駆動手段）７は、Ｖベルト８およ
び減速機構９を介して攪拌翼６および洗濯兼脱水槽５を
駆動する。給水弁１０は洗濯兼脱水槽５内に給水するも
ので、排水弁１１は、水受け槽３内の洗浄水を排水する
ものである。制御装置１２は洗濯機外枠１の上面に設け
ている。

【００１６】第１ポンプ１３は、水受け槽３内の洗浄水
（洗濯液またはすすぎ液）を第１循環水路１４を介して
上部より補助タンク４に供給する。第２ポンプ１５は、
補助タンク４内の洗浄水を第２循環水路１６を介して散
水ノズル１７より、洗濯兼脱水槽５内の洗濯物に供給す
るようにしている。第１ポンプ１３と第２ポンプ１５は
洗浄水循環手段を構成している。

【００１７】制御装置１２は、図２に示すように構成し
ており、制御手段１８は、操作表示手段１９により各種
設定の入力と各種動作の表示を行い、パワースイッチン
グ手段２０を介して、モータ７、給水弁１０、排水弁１
１、第１ポンプ１３、第２ポンプ１５の動作を逐次制御
する。このとき、洗浄行程またはすすぎ行程で、洗濯兼
脱水槽５を低速回転し、第１ポンプと第２ポンプ１５と
を駆動して洗濯兼脱水槽５内の洗濯物に洗浄水を含ませ
る第１の行程と、洗濯兼脱水槽５を高速回転して洗濯物
に付着した汚れを洗浄水とともに遠心力で取り去る第２
の行程を実行するようにしている。

【００１８】記憶手段２１は制御手段１８による逐次制
御に必要なデータを記憶している。布量判定手段２２
は、洗濯兼脱水槽５内の洗濯物（衣類）の量を判定する
もので、モータ７の回転数を回転数検知手段２３で検知
した結果に基づいて判定している。なお、２４はモータ
７の進相用コンデンサ、２５は電源スイッチ、２６は商
用電源である。

【００１９】上記構成において図３を参照しながら動作
を説明すると、洗濯兼脱水槽５内に洗濯物と洗剤を投入
し操作表示手段１９に設けたスタートボタン（表示せ
ず）を押して運転を開始しすると、制御手段１８は給水
弁１０を作動し、洗濯に必要な水量を給水する。

【００２０】給水が完了すると、第１の行程に移行す
る。この第１の行程は、第１ポンプ１３を作動し、水受
け槽３の底部の洗浄水を第１循環水路１４を介して補助
タンク４に移動し、これと連動して第２ポンプ１５を作
動し、第２循環水路１６を介して散水ノズル１７より洗
濯物に洗浄水をかけるとともに、モータ７を作動し、図
３に示すように、洗濯兼脱水槽５を低回転数Ｒ１で所定
時間回転させる。

【００２１】この第１の行程の間に洗浄水が洗濯物に染
み込んでゆき界面活性剤が汚れに作用する。特に洗浄行
程またはすすぎ行程の初期にこの第１の行程を行う時間
ｔ１を長くとることによって、洗浄水が洗濯物に十分に
含まれて汚れにしっかり作用することができるので、洗
浄行程またはすすぎ行程中半からの第１の行程の時間ｔ
３を短くすることが可能で、限られた時間と水量と洗剤
でも効率よく洗浄またはすすぐことができる。

【００２２】第１の行程後、引きつづき第２の行程（図
３のｔ２の期間）に移行する。モータ７を作動させて洗
濯兼脱水槽５の回転を速めてゆくと、洗濯物に含まれて
いた洗浄水が絞りだされ、このときに汚れが洗浄水とと
もに衣類から除去される。しかし、洗濯ものから絞り出
された洗浄水が水受け槽３の底部に溜まり、洗濯兼脱水
槽５の回転を阻害することになるので、第２ポンプ１５
を停止し、第１ポンプのみ駆動することにより、水受け
槽３の底部に溜まった洗浄水は、補助タンク４に移動
し、回転阻害の問題はなくなる。

【００２３】また、補助タンク４に溜まった洗浄水は、
洗濯兼脱水槽５の周辺部に同心円状に分布することにな
るので、流体バランサー効果がでて、脱水時の振動を低
減することができる。洗濯兼脱水槽５の回転数が、所定
値Ｒ２達した時点で第２の行程が終了する。この時点で
モータ７の通電を停止すると、回転数は次第に低下し、
低回転数Ｒ１まで低下した時点でモータ７に間欠通電を
し、回転数をほぼＲ１に保つ。ここから第１の行程に戻
る。

【００２４】この第１の行程で洗濯物に十分に洗浄水を
含ませるために、まず第２ポンプ１５を作動させて、補
助タンク４に溜めた洗浄水を第２循環水路１６、散水ノ
ズル１７を介して洗濯兼脱水槽５内の洗濯物に散水す
る。この散水した洗浄水が洗濯物を通過して、水受け槽
３の底部に達したとき、第１ポンプ１３を作動させ、洗
浄水を補助タンク４に移動させる。

【００２５】このように第２ポンプ１５、第１ポンプ１
３を順に作動させることで、洗浄水を洗濯物に連続的に
降り注ぐことができ、これを図３のｔ３の期間、第１の
行程を実施後、第２の行程に移る。このようにして第１
の行程と第２の行程を所定回数繰り返して、洗浄行程を
終了する。

【００２６】以上のように本実施例によれば、脱水時の
振動を低減し、補助タンク４を安価に形成でき、かつ水
受け槽３と補助タンク４の間の洗浄水の循環を第１ポン
プ１３と第２ポンプ１５のみで容易に制御することがで
きる。

【００２７】また、補助タンク４は、補助タンク４の内
壁を水受け槽３と共用し、一体成形しているので、安価
に作ることができる。

【００２８】なお、本実施例では、洗浄水を十分の量用
いて第１の行程では洗浄水を循環させたが、洗浄水の量
を洗濯物が吸水するだけの量にとどめて、２回目以降の
第１の行程では、第２ポンプ１５のみを作動させてもよ
い。

【００２９】

【発明の効果】以上のように本発明は、内部に洗濯兼脱
水槽を配設した水受け槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転す
る駆動手段と、前記水受け槽内の洗浄水を循環して前記
洗濯兼脱水槽内に供給する洗浄水循環手段と、前記駆動
手段や洗浄水循環手段などの動作を制御する制御手段と
を備え、前記洗濯兼脱水槽を低速回転して洗浄水循環手
段により前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物に洗浄水を含ませ
る第１の行程と、前記洗濯兼脱水槽を高速回転して洗濯
物に付着した汚れを洗浄水とともに遠心力で取り去る第
２の行程を持ち、前記水受け槽の外側に略同心円状に補
助タンクを設けたから、補助タンク設置のスペースファ
クターをよくすることができる上に、補助タンクの洗浄
水が液体バランサーの役目をし、脱水時の振動を軽減す
ることができる。

【００３０】また、補助タンクは、水受け槽と一体成形
し、内側壁を前記水受け槽と共用したから、補助タンク
を小型、安価に形成することができる。

【００３１】また、水受け槽内の洗浄水を第１循環水路
を介して補助タンクに供給する第１ポンプと、補助タン
ク内の洗浄水を第２循環水路を介して散水ノズルより洗
濯兼脱水槽内の洗濯物に供給する第２ポンプとを設けた
から、第１の行程で、第１ポンプにより第１循環水路を
介して水受け槽の洗浄水を補助タンクに供給し、その洗
浄水を第２ポンプにより第２循環水路を介して洗濯兼脱
水槽内の洗濯物に供給することができ、洗浄水を循環す
ることができ、また、第２の行程で、第２ポンプを停止
し、第１ポンプのみ駆動することにより、水受け槽の底
部に溜まった洗浄水を補助タンクに溜めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の洗濯機の縦断面図

【図２】同洗濯機のブロック回路図

【図３】同洗濯機の洗濯時間と洗濯兼脱水槽の回転数を
示す図

【符号の説明】

３ 水受け槽 ４ 補助タンク ５ 洗濯兼脱水槽 ７ モータ（駆動手段） １３ 第１ポンプ（洗浄水循環手段） １５ 第２ポンプ（洗浄水循環手段） １８ 制御手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 文夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤井 裕幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に洗濯兼脱水槽を配設した水受け槽
   と、前記洗濯兼脱水槽を回転する駆動手段と、前記水受
   け槽内の洗浄水を循環して前記洗濯兼脱水槽内に供給す
   る洗浄水循環手段と、前記駆動手段や洗浄水循環手段な
   どの動作を制御する制御手段とを備え、前記洗濯兼脱水
   槽を低速回転して洗浄水循環手段により前記洗濯兼脱水
   槽内の洗濯物に洗浄水を含ませる第１の行程と、前記洗
   濯兼脱水槽を高速回転して洗濯物に付着した汚れを洗浄
   水とともに遠心力で取り去る第２の行程を持ち、前記水
   受け槽の外側に略同心円状に補助タンクを設けた洗濯
   機。
2. 【請求項２】 補助タンクは、水受け槽と一体成形し、
   内側壁を前記水受け槽と共用した請求項１記載の洗濯
   機。
3. 【請求項３】 水受け槽内の洗浄水を第１循環水路を介
   して補助タンクに供給する第１ポンプと、補助タンク内
   の洗浄水を第２循環水路を介して散水ノズルより洗濯兼
   脱水槽内の洗濯物に供給する第２ポンプとを設けた請求
   項１記載の洗濯機。