JPH0969003A - Cncの工具径補正方式 - Google Patents

Cncの工具径補正方式

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JPH0969003A
JPH0969003A JP22485995A JP22485995A JPH0969003A JP H0969003 A JPH0969003 A JP H0969003A JP 22485995 A JP22485995 A JP 22485995A JP 22485995 A JP22485995 A JP 22485995A JP H0969003 A JPH0969003 A JP H0969003A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補正ベクトルを使用して工具径補正を行うC
NCの工具径補正方式において、干渉の判断がなされた
場合でも加工を停止することなく切り込みを防止できる
ようにする。 【解決手段】 前処理手段2は、指令プログラム1内の
移動指令のなされた指令ブロック1aを複数ブロック先
読みする。補正ベクトル演算手段3は、先読みされたす
べての指令ブロック1aについて工具8の工具径の補正
ベクトルを演算する。干渉判断手段4は、演算された補
正ベクトルに基づいて工具8のワーク9に対する干渉を
判断する。干渉すると判断された場合、干渉回避ベクト
ル演算手段5は、干渉を回避するための新たな補正ベク
トルとして干渉回避ベクトルを演算する。移動制御手段
6は、演算された干渉回避ベクトルに従ってサーボモー
タ7を駆動し、工具8の移動制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工具径補正を行うC
NCの工具径補正方式に関し、特に補正ベクトルを使用
して工具径補正を行うCNCの工具径補正方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、工作機械を制御するCNC(数値
制御装置)では、工具径補正方式として、指令プログラ
ムで指令された形状に対して、予め設定されている工具
の半径分のオフセット量を補正した経路で工具を移動さ
せるようにしたものがある。
【0003】図5は補正ベクトルによる工具径補正方式
の一例を示す図である。ここでは、例えば指令ブロック
N11,N12,N13,N14,N15によって指令
加工経路L11が指令されているとする。CNC側で
は、指令ブロックを読み込んだときに、各指令ブロック
の終点での補正ベクトルV11,V12,V13,V1
4を、工具半径値D11に基づいて演算し、その補正ベ
クトルV11,V12,V13,V14を結んだ工具経
路L11aに従って工具を移動させる。これにより、オ
ペレータは、工具の半径値を意識することなく、CNC
パートプログラムを作成することができる。
【0004】しかし、工具半径よりも小さいポケット加
工の指令がなされた場合には、工具半径分のオフセット
を行うとワークと工具が干渉し、切り込み過ぎを生じる
恐れがある。
【0005】図6は工具半径よりも小さいポケット加工
の指令がなされたときの指令形状と補正ベクトルとの関
係の一例を示す図である。図6のように、指令ブロック
N21,N22,N23,N24,N25によって指令
加工経路L21が指令されると、図5と同様に補正ベク
トルV21,V22,V23,V24が工具半径D21
に基づいて演算され、工具経路L21aが生成される。
このとき、工具半径値D21よりポケット形状が小さい
と、補正ベクトルV22とV23が交差した形で算出さ
れる。この補正ベクトルV22とV23に従って工具を
移動させると、ワークと工具が干渉して、図7に示すよ
うに、実際の加工形状L22は、指令加工経路L21よ
りも切り込み過ぎた形になってしまう。
【0006】そこで、従来の工具径補正方式では、図6
のように補正ベクトルが交差した形で演算されたとき
に、指令加工経路とオフセット処理後の工具経路の移動
方向が90°以上270°以下の範囲で相違する場合に
は、工具がワークと干渉すると判断し、N21の終点、
すなわちN22の移動を開始する直前でアラームとして
加工を停止するようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の加工現
場においては、荒加工段階において実際の工具半径より
も大きい値の工具補正量を選択して荒削りを行い、徐々
に工具補正量を実際のものに近づけることにより仕上げ
ていく方法がある。この方法では、荒加工での補正量に
対して実際の工具半径は小さいため、工具干渉と判断さ
れても実害のない場合がある。この場合に工具干渉と判
断されて加工が停止されるのは、作業効率上問題があっ
た。
【0008】そこで、従来は、アラーム停止させる設定
のほかに、パラメータ等によって加工をそのまま続行さ
せるように設定できるようにしている。しかし、実際に
工具が干渉するか否かをオペレータが判断するのは困難
であり、最良の設定を行うことは難しかった。
【0009】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、干渉の判断がなされた場合でも加工を停止す
ることなく切り込みを防止することのできるCNCの工
具径補正方式を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、補正ベクトルを使用して工具径補正を行
うCNCの工具径補正方式において、指令プログラムの
指令ブロックを複数ブロック先読みする前処理手段と、
前記先読みされたすべての指令ブロックについて工具径
の補正ベクトルを演算する補正ベクトル演算手段と、前
記演算された補正ベクトルに基づいて工具のワークに対
する干渉を判断する干渉判断手段と、前記干渉すると判
断された場合に前記干渉を回避するための新たな補正ベ
クトルとして干渉回避ベクトルを演算する干渉回避ベク
トル演算手段と、前記演算された干渉回避ベクトルに従
って工具の移動制御を行う移動制御手段と、を有するこ
とを特徴とするCNCの工具径補正方式が提供される。
【0011】このようなCNCの工具径補正方式では、
前処理手段が指令プログラムの指令ブロックを複数ブロ
ック先読みし、先読みされたすべての指令ブロックにつ
いて工具径の補正ベクトルを補正ベクトル演算手段が演
算する。そして、干渉判断手段が、演算された補正ベク
トルに基づいて工具のワークに対する干渉を判断し、干
渉すると判断された場合、干渉回避ベクトル演算手段
は、干渉を回避するための新たな補正ベクトルとして干
渉回避ベクトルを演算する。移動制御手段は、演算され
た干渉回避ベクトルに従って工具の移動制御を行う。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態を図面に基
づいて説明する。図1は本形態の機能の概念を示す図で
ある。前処理手段2は、指令プログラム1内の移動指令
のなされた指令ブロック1aを複数ブロック先読みす
る。補正ベクトル演算手段3は、先読みされたすべての
指令ブロック1aについて工具8の工具径の補正ベクト
ルを演算する。干渉判断手段4は、演算された補正ベク
トルに基づいて工具8のワーク9に対する干渉を判断す
る。干渉すると判断された場合、干渉回避ベクトル演算
手段5は、干渉を回避するための新たな補正ベクトルと
して干渉回避ベクトルを演算する。移動制御手段6は、
演算された干渉回避ベクトルに従ってサーボモータ7を
駆動し、工具8の移動制御を行う。
【0013】図2は本形態のCNC(数値制御装置)の
ハードウェアの概略構成を示すブロック図である。CN
Cは、プロセッサ11を中心に構成されている。プロセ
ッサ11は、ROM12に格納されたシステムプログラ
ムに従ってCNC全体を制御する。このROM12に
は、EPROMあるいはEEPROMが使用される。
【0014】RAM13には、SRAM等が使用され、
一時的な計算データ、表示データ、入出力信号等が格納
される。不揮発性メモリ14には、図示されていないバ
ッテリによってバックアップされたCMOSが使用さ
れ、電源切断後も保持すべきパラメータ、指令プログラ
ム、工具径補正データ、ピッチ誤差補正データ等が記憶
される。
【0015】CRT/MDIユニット20は、CNCの
前面あるいは機械操作盤と同じ位置に配置され、データ
および図形の表示、データ入力、CNCの運転に使用さ
れる。グラフィック制御回路21は、数値データおよび
図形データ等のディジタル信号を表示用のラスタ信号に
変換し、表示装置22に送り、表示装置22はこれらの
数値および図形を表示する。表示装置22には、CRT
あるいは液晶表示装置が使用される。
【0016】キーボード23は、数値キー、シンボリッ
クキー、文字キーおよび機能キーから構成され、加工プ
ログラムの作成、編集およびCNCの運転に使用され
る。ソフトウェアキー24は、表示装置22の下部に設
けられ、その機能は表示装置に表示される。表示装置の
画面が変化すれば、表示される機能に対応して、ソフト
ウェアキーの機能も変化する。
【0017】軸制御回路15は、プロセッサ11からの
軸の移動指令を受けて、軸の移動指令をサーボアンプ1
6に出力する。サーボアンプ16は、この移動指令を増
幅し、工作機械30に結合されたサーボモータを駆動
し、工作機械30の工具とワークの相対運動を制御す
る。なお、軸制御回路15およびサーボアンプ16は、
サーボモータの軸数に対応した数だけ設けられる。
【0018】PMC(プログラマブル・マシン・コント
ローラ)18は、プロセッサ11からバス19経由でM
(補助)機能信号、S(スピンドル速度制御)機能信
号、T(工具選択)機能信号等を受け取る。そして、こ
れらの信号をシーケンス・プログラムで処理して、出力
信号を出力し、工作機械30内の空圧機器、油圧機器、
電磁アクチュエイタ等を制御する。また、工作機械30
内の機械操作盤のボタン信号、スイッチ信号およびリミ
ットスイッチ等の信号を受けて、シーケンス処理を行
い、バス19を経由してプロセッサ11に必要な入力信
号を転送する。
【0019】なお、図2ではスピンドルモータ制御回路
およびスピンドルモータ用アンプ等は省略してある。ま
た、上記の例ではプロセッサ11は1個で説明したが、
複数のプロセッサを使用してマルチプロセッサ構成にす
ることもできる。
【0020】次に、本形態の工具径補正方式の具体的な
処理について説明する。図3は本形態の工具径補正方式
を説明するための加工形状および補正ベクトルの一例を
示す図である。本形態では、図のように加工形状が指令
プログラムにより与えられると、プロセッサ11の処理
能力、メモリ容量に応じて可能な限り先の指令ブロック
まで読み込んで解読する。ここでは、指令ブロックN1
の実行時に指令ブロックN8まで読み込んだ場合を示
す。
【0021】指令ブロックN1〜N8の指令形状を解読
すると、各ブロック終点での補正ベクトルV1,V2
a,V2b,V3,V4,V5,V6a,V6b,V7
等をパラメータ設定された工具半径に基づいて演算す
る。ここで、指令ブロックN2およびN6の終点は、鋭
角形状のため補正ベクトルはそれぞれ2個生成されてい
る。
【0022】こうして複数個先の指令ブロックの補正ベ
クトルが演算されると、全ての補正経路L1,L2a,
L2b,L3,L4,L5,L6a,L6b,L7,L
8の干渉をチェックする。このためには、例えば指令ブ
ロックN1で言えば、その終点の補正ベクトルV1が、
その他の指令ブロックの補正ベクトルV2a,V2b,
V3,V4,V5,V6a,V6b,V7と交差するか
否かを判断する。
【0023】全てのパターンについて干渉チェックを行
った結果、図の補正ベクトルV2a,V2b,V6a,
V6bのように交差している補正ベクトルがあると、予
めパラメータ設定により、アラーム停止設定か干渉回避
制御設定かを判断し、アラーム停止設定になっていれば
アラーム停止する。一方、干渉回避制御設定になってい
れば、以下の手順により、干渉回避ベクトルを演算して
干渉回避経路を求める。
【0024】干渉回避ベクトルを演算するためには、ま
ず、補正経路が干渉している指令ブロック範囲(指令ブ
ロックN2〜N7)の先頭の指令ブロックN2と最後の
指令ブロックN7の補正経路L2aとL7との交点Pa
を求める。交点Paが求められると、補正ベクトルV2
a〜V6b間の全ての補正ベクトルをキャンセルして、
図4に示すように、指令ブロックN2〜N6の各補正ベ
クトルとして、交点Paに向く干渉回避ベクトルVC
2,VC3,VC4,VC5,VC6を生成する。これ
を干渉回避ベクトルと呼ぶ。
【0025】このように新たに生成した干渉回避ベクト
ルに従って指令ブロックN1〜N8までの加工を実行す
ると、指令ブロックN3〜N6では移動なしのブロック
と判断されるので、実際の工具は、経路L1,LC2,
LC7,L8に従って移動する。
【0026】このように、本形態では、補正経路が干渉
する場合には、干渉する範囲の経路を回避する干渉回避
ベクトルを演算して、その干渉回避ベクトルを新たな補
正ベクトルとするようにしたので、アラーム停止して作
業が中断されたり、反対に干渉に気づかずにワークを切
り込み過ぎてしまうことがない。特に荒加工時には有効
である。
【0027】また、本形態では、干渉回避ベクトルの目
標点として、補正経路が干渉している指令ブロック範囲
の先頭の指令ブロックN2と最後の指令ブロックN7の
補正経路L2aとL7との交点Paとするようにしたの
で、干渉を回避しながらも指令形状により近い経路上で
工具移動を行うことができる。
【0028】また、本形態では、CNCの能力の許す範
囲で実行中の指令ブロックよりもできるだけ先の指令ブ
ロックまで読み込んで干渉判断を行うようにしたので、
より正確な干渉判断を行うことができる。
【0029】さらに、本形態では、干渉と判断された場
合に、アラーム停止にするか干渉回避制御を行うかをパ
ラメータ等で設定できるようにしたので、加工状況に応
じたフレキシブルな対応が可能となる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、指令プ
ログラムの指令ブロックを複数ブロック先読みし、先読
みされたすべての指令ブロックについて工具径の補正ベ
クトルを演算し、演算された補正ベクトルに基づいて工
具のワークに対する干渉を判断し、干渉すると判断され
た場合、干渉を回避するための新たな補正ベクトルとし
て干渉回避ベクトルを演算し、演算された干渉回避ベク
トルに従って工具の移動制御を行うようにしたので、干
渉の判断がなされた場合でも加工を停止することなく切
り込みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態の機能の概念を示す図である。
【図2】本形態のCNC(数値制御装置)のハードウェ
アの概略構成を示すブロック図である。
【図3】本形態の工具径補正方式を説明するための加工
形状および補正ベクトルの一例を示す図である。
【図4】干渉回避経路演算後の一例を示す図である。
【図5】補正ベクトルによる工具径補正方式の一例を示
す図である。
【図6】工具半径よりも小さいポケット加工の指令がな
されたときの指令形状と補正ベクトルとの関係の一例を
示す図である。
【図7】切り込み過ぎた状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 指令プログラム 1a 指令ブロック 2 前処理手段 3 補正ベクトル演算手段 4 干渉判断手段 5 干渉回避ベクトル演算手段 6 移動制御手段 7 サーボモータ 8 工具 9 ワーク 11 プロセッサ 12 ROM 13 RAM 15 軸制御回路 16 サーボアンプ 30 工作機械

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補正ベクトルを使用して工具径補正を行
    うCNCの工具径補正方式において、 指令プログラムの指令ブロックを複数ブロック先読みす
    る前処理手段と、 前記先読みされたすべての指令ブロックについて工具径
    の補正ベクトルを演算する補正ベクトル演算手段と、 前記演算された補正ベクトルに基づいて工具のワークに
    対する干渉を判断する干渉判断手段と、 前記干渉すると判断された場合に前記干渉を回避するた
    めの新たな補正ベクトルとして干渉回避ベクトルを演算
    する干渉回避ベクトル演算手段と、 前記演算された干渉回避ベクトルに従って工具の移動制
    御を行う移動制御手段と、 を有することを特徴とするCNCの工具径補正方式。
  2. 【請求項2】 前記干渉回避ベクトル演算手段は、干渉
    している補正経路内の先頭の指令ブロックと最後の指令
    ブロックの補正経路の交点を目標点とし、前記干渉して
    いる補正経路内の各指令ブロックの補正ベクトルを前記
    目標点を向くように生成し、前記生成した補正ベクトル
    を前記干渉回避ベクトルとするように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のCNCの工具径補正方
    式。
  3. 【請求項3】 前記前処理手段は、処理可能な範囲内で
    最大限の数の指令ブロックを読み込むように構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載のCNCの工具径補
    正方式。
  4. 【請求項4】 アラーム停止または干渉回避制御の何れ
    を実行するかを設定する実行設定手段と、前記アラーム
    停止の設定時には、前記干渉判断手段が干渉と判断した
    場合に、前記干渉回避ベクトル演算手段および前記移動
    制御手段の実行を回避して、アラーム停止を行うアラー
    ム停止手段と、を有することを特徴とする請求項1記載
    のCNCの工具径補正方式。
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