JPH0968717A - 反射型カラー液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

反射型カラー液晶表示素子及びその製造方法

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JPH0968717A
JPH0968717A JP22561295A JP22561295A JPH0968717A JP H0968717 A JPH0968717 A JP H0968717A JP 22561295 A JP22561295 A JP 22561295A JP 22561295 A JP22561295 A JP 22561295A JP H0968717 A JPH0968717 A JP H0968717A
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light
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reflective
layer
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JP22561295A
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Seiichi Mitsui
精一 三ッ井
Kenichi Iwauchi
謙一 岩内
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明るい視認性の高い反射型カラー液晶表示素子
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】対向する第1液晶層と第2液晶層と、第1
液晶層を透過した光を反射する第1反射層と、第2液晶
層を透過した光を反射する第2反射層とを備え反射型カ
ラー液晶表示素子であって、第1反射層は、第1波長帯
域の光を反射する第1反射領域と、第2波長帯域の光を
反射する第2反射領域とを含み、第2反射層は、第2波
長帯域の光を反射する第3反射領域と、第3波長帯域の
光を反射する第4反射領域とを含み、第1液晶層は、印
加電圧に応じて互いに異なる波長帯域の光の透過率が変
化する第1液晶領域と第2液晶領域とを有し、該第2液
晶層は、印加電圧に応じて可視光の全波長帯域の光の透
過率を変化し、電圧印加手段によって、第1及び2液晶
層の各液晶領域に対して電圧を選択的に印加し、各反射
領域から反射される光を加法混色することによって、カ
ラー表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子及び
その製造方法に関し、特に、明るい反射型カラー液晶表
示素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、低消費電力で薄型軽量
であるという優れた特徴を有している。この特徴を利用
して、フラットパネルディスプレイの開発がすすめられ
ており、時計、電卓、コンピューター端末、ノート型コ
ンピュータやワードプロセッサ、更にはテレビジョン受
像機などに液晶表示素子は利用されている。
【0003】液晶表示素子は非発光素子であり、外部か
ら液晶表示素子に入射する光の強度を変調することによ
って表示を行う。液晶表示素子の表示モードとして、T
N(Twisted Nematic)モードが知られ
ている。TNモードの液晶表示素子は、その液晶セル内
の液晶層の液晶分子の配向が約90°ねじれた、いわゆ
る90°ツイスト配向を有している。この液晶セルを一
対の偏光板の間に配し、液晶層の旋光性が電圧によって
変化する現象(すなわち、電圧無印加時には所定の旋光
特性を有し、電圧印加時には旋光特性がなくなる)を利
用してモノクロ表示が行われる。単純マトリックス駆動
の液晶表示素子においては、STN(Super Tw
isted Nematic)モードが広く採用されて
いる。このSTNモードの液晶表示素子は、TNモード
と類似の液晶セル構造を有し、液晶層の液晶分子の配向
のねじれ角が90°〜270°に設定されている。ST
Nモードにおいては、液晶分子の配向のねじれ角を90
°以上にし、更に偏光板の偏光方向が最適化されてい
る。印加電圧の増加に伴い液晶分子の配向が急激に変化
することによって、液晶層の複屈折率が急激に変化する
ことを利用し、急峻な閾値特性を有する電気光学特性が
実現できる。閾値特性が急峻であるので、STNモード
は、単純マトリックス駆動の液晶表示素子に適する。一
方、STNモードの液晶表示素子においては、液晶層の
複屈折に起因して、表示の背景が黄緑色や濃紺色等の色
を呈するという問題がある。色補正を行うことによって
この問題を解決し、白黒表示を可能にした液晶表示素子
も市場に出ている。この液晶表示素子では、表示用ST
N液晶パネルに、光学補償用のSTN液晶パネルやポリ
カーボネート等の高分子で形成される位相差板を重ね合
わせることによって、色補正が行われている。
【0004】さらに、TNモードやSTNモードを用い
たカラー液晶表示素子は、液晶セル内部の1画素毎に、
例えば3ドット(赤、緑、青)の微小寸法のマイクロカ
ラーフィルタを有しており、加法混色によってマルチカ
ラー表示やフルカラー表示を行う。しかし、これらの表
示モードは、偏光板を用いるので視野角が狭く、偏光板
とカラーフィルタの吸収によって、入射光の1/6しか
表示に用いられないため非常に暗いという問題を有して
いる。
【0005】広い視野角と明るさを要求される用途に対
しては、ゲストホストモード(GHモード)が採用され
る。このモードは、分子の長軸方向と短軸方向とで吸光
度の異なる色素(二色性色素)を含む液晶層を利用す
る。GHモードは、偏光板を使用するハイルマイヤ一
型、偏光板を使用しないホワイト/テイラー型(相転移
型)及び二層型等に分類されるが、いずれの場合でも動
作原理は同じである。GHモードにおいては、色素分子
の配向が液晶分子の配向を介して印加電圧によって制御
される。色素分子の配向方向によって色素分子によって
吸収される光の強度が変化するので、表示色が変化す
る。また、二色性色素として可視光の一部の波長を吸収
する色素を使用してもよいし、黒色の色素を使用しても
よい。また、ゲストホスト液晶セルとマイクロカラーフ
ィルタとを組み合わせてカラー表示を行うことも可能で
ある。
【0006】二色性色素を含有する液晶層を積層したカ
ラー表示素子の例は、米国特許4953953号公報及
び特表昭62−502780号公報に開示されている。
この液晶表示素子の1画素60は、図6に示すように、
異なる色を表示するドット61、62及び63から構成
される。各々のドット61、62、及び63は、積層さ
れた2つの液晶層(不図示)に形成された、補色関係に
ある色素を含有するカプセル化された液晶領域61aと
61b、62aと62b、及び63aと63bから構成
される。すなわち、赤色素を含有した液晶領域61aの
下に、その補色に対応するシアン色素を含有した液晶領
域61bが配置される。同様に、緑の液晶領域62aと
マゼンタの液晶領域62b、青の液晶領域63aとイエ
ローの液晶領域63bがそれぞれ上下方向(光の透過方
向)に重なるように配置されている。白色光(W)が、
図中の矢印で示されるように、下側から入射される。そ
して、これら3つのドット61、62及び63を1画素
とし、カプセル化された6つの液晶領域を互いに独立に
駆動させることによって、フルカラー表示が行われる。
例えば、次のようにして赤が表示される。シアン色素を
含有した液晶領域61bにのみ所定の電圧を印加し透明
状態に移行させ、且つその他の液晶領域をOFF状態に
して各々の液晶領域に各々の色の光を吸収させることに
よって赤が表示される。
【0007】二色性色素を含有した液晶を用いた三層型
液晶表示素子70は、図7に示されるように、カプセル
化された液晶材料から形成される3つの液晶色層76、
77、及び78と、これらの液晶色層に電圧を印加する
ための4つの電極層79、80、81、及び82とから
構成されている。電極層79と81は、それぞれ、3ド
ットで一画素に対応するドット毎に電圧を印加するため
のドット電極(不図示)を有している。液晶色層76、
77、及び78のカプセル化された液晶材料には、それ
ぞれ異なる色素が含まれている。液晶色層76はイエロ
ー色素を含み、液晶色層77はシアン色素を含み、液晶
色層78はマゼンタ色素を含む。各液晶色層76、77
及び78に対して、ドット毎に所定電圧を選択的に印加
するか印加しないかによって、図中の矢印の方向から入
射する白色光の色成分を選択的に吸収しカラー表示が行
われる。
【0008】また、二色性色素と、カラーフィルタとを
用いたカラー液晶表示素子の例が、米国特許48863
43号公報や特開平6−202099号公報等に開示さ
れている。米国特許4886343号公報のカラー液晶
表示素子は、異なる二色のカラーフィルタが並置された
層と、二色性色素が含有された液晶層と、シャッタ機能
を有する液晶層とから構成されており、二色のカラーフ
ィルタを選択的に使用することによって多色表示を可能
としている。また、特開平6−202099号公報のカ
ラー液晶表示素子は、異なる二色のカラーフィルタが並
置された層と、それぞれ異なる二色の二色性色素が含有
された第1及び第2液晶層から構成されている。この第
1及び第2液晶層は、それぞれ異なった閾値電圧を有
し、一対の電極により第1及び第2液晶層が狭持され、
これらの液晶層に対して従属的に電圧を印加することに
よって、多色表示を可能としている。また、第1液晶層
と第2液晶層との間に共通電極を設け、これらの液晶層
に対して別々に電圧を印加することによって、一対の電
極のみを設けた場合よりも多くの色の表示を可能とした
構成も開示されている。
【0009】また、液晶と高分子材料とが層状をなした
液晶樹脂複合体から形成された表示材料を用いた青反射
表示素子、緑反射表示素子及び赤反射表示素子を、黒あ
るいは灰色の光吸収膜に平面配置する例が、特開平6−
294952号公報に開示されている。この表示素子
は、偏光板を使用せずに特定波長帯域の光の反射と透過
とを制御できるので、明るいカラー表示を行うことが出
来る。
【0010】また、ポリマーマトリックス中にコレステ
リック液晶を分散させて、コレステリック液晶の選択反
射を利用し、電圧無印加時の散乱状態と、電圧印加時の
選択反射状態とを切り換えることによって表示を行う反
射型カラー表示モードが特開平3一209424号公報
に開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術は、以下の問題点を有している。並置された
赤、緑、青のカラーフィルタを用いた上記カラー液晶表
示素子によれば、カラーフィルタを透過する光強度は入
射光の1/3になってしまい、光の利用効率という点で
問題を有していた。そのため、消費電力の大きなバック
ライトなしでカラー表示を行うことは困難となり、液晶
表示素子の低消費電力という特長が損なわれてしまう。
【0012】また、従来用いられているTNモード及び
STNモードでは、偏光子によって入射光のさらに半分
が吸収されてるので、光の利用効率がさらに悪くなって
いた。即ち、カラーフィルタとTNモードまたはSTN
モードとを組み合わせた場合、原理的に最大でも入射光
の1/6しか表示に利用できないという問題を有してい
た。
【0013】また、偏光板を利用しない上下の液晶層が
補色関係を満足するように二色性色素を含有した上記二
層型液晶表示素子によれば、白、シアン、マゼンタ、及
びイエローの各色は明るくなるものの、赤、緑及び青の
各単色は、前述した赤、緑、青のカラーフィルタを並置
した場合と同様に、透過光は入射光強度の1/3とな
り、暗いフルカラー表示しか実現できない。
【0014】上記の三層型GHモード液晶表示素子によ
れば、一つの画素でフルカラー表示が行えるため、光の
利用効率は良く、充分な明るさを得ることができるが、
駆動素子が層ごとに必要となり、それぞれ独立に駆動さ
せなければならないという技術的困難を伴う。更に、三
層を積層するので、液晶層の厚み方向の位置の違いによ
り視差が生じるという不具合もある。
【0015】また、異なる二色のカラーフィルタの並置
からなる層と、二層の液晶層とが設けられた上記積層型
液晶表示素子は、赤、緑、青のカラーフィルタを並置す
る場合よりは明るいものの、光の利用効率は入射光の1
/2であり、充分な明るさを有する表示を提供できると
は言いがたい。
【0016】また、液晶材料と高分子材料とが層状に積
層された液晶樹脂複合体からなる表示材料を用いる青反
射表示素子、緑反射表示素子及び赤反射表示素子を黒あ
るいは灰色の光吸収膜に平面配置する構成では、1画素
を3つに面積分割するために利用される光は入射光の1
/3となり、表示は暗くなる。
【0017】このように、従来の表示方式では、液晶表
示素子本来の薄型軽量、低消費電力という優れた特徴を
十分発揮しているとはいえず、携帯用情報端末の表示素
子としては不十分であり、明るく視認性に優れた反射型
カラー表示素子が求められている。
【0018】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、明るい視認性の高い
反射型カラー液晶表示素子及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の反射型カラー液
晶表示素子は、第1液晶層と第2液晶層とが対向するよ
うに配置され、該第1及び該第2液晶層の選択された領
域に電圧を印加する電圧印加手段と、該第1液晶層を透
過した光を反射する第1反射層と、該第2液晶層を透過
した光を反射する第2反射層と、を備えた反射型カラー
液晶表示素子であって、該第1反射層は、第1波長帯域
の光を反射する第1反射領域と、第2波長帯域の光を反
射する第2反射領域とを含み、該第2反射層は、第2波
長帯域の光を反射する第3反射領域と、第3波長帯域の
光を反射する第4反射領域とを含み、該第1反射層の該
第1反射領域は、該第2反射層の該第4反射領域の一部
と該第3反射領域とに対向し、該第2反射層の該第4反
射領域は、該第1反射層の該第1反射領域の一部と該第
2反射領域とに対向しており、該第1液晶層は、印加電
圧に応じて互いに異なる波長帯域の光の透過率が変化す
る第1液晶領域と第2液晶領域とを有し、該第1液晶領
域及び該第2液晶領域のそれぞれは、印加電圧に応じて
該第1波長帯域及び第2波長帯域の光の少なくとも一方
の光の透過率を変化し、該第2波長帯域及び該第3波長
帯域の光の少なくとも一方の光の透過率を変化しないよ
うに配置され、該第2液晶層は、印加電圧に応じて可視
光の全波長帯域の光の透過率が変化する第3及び第4液
晶領域を有し、該第3液晶領域は該第3反射領域に対向
し、該第4液晶領域は該第4反射領域に対向し、該電圧
印加手段は該第1及び第2液晶層の各液晶領域に対して
電圧を選択的に印加し、それによってカラー表示を行
い、そのことによって上記目的が達成される。
【0020】前記第1液晶領域は、前記第1反射領域の
一部及び前記第3反射領域と対向し、印加電圧に応じて
前記第1波長帯域の光の透過率を変化し、前記第2波長
帯域の光を透過率を変化せず、前記第2液晶領域は、該
第1反射領域の一部、該第2反射領域及び前記第4反射
領域と対向し、印加電圧に応じて該第1及び第2波長帯
域の光の透過率を変化し、前記第3波長帯域の光の透過
率を変化しない、構成であってもよい。
【0021】前記第1液晶領域は、前記第1反射領域、
前記第3反射領域及び前記第4反射領域の一部と対向
し、印加電圧に応じて前記第1波長帯域の光の透過率を
変化し、前記第2及び第3波長帯域の光を透過率を変化
せず、前記第2液晶領域は、前記第2反射領域及び該第
4反射領域の一部と対向し、印加電圧に応じて該第2波
長帯域の光の透過率を変化し、該第3波長帯域の光の透
過率を変化させない、構成であってもよい。
【0022】前記第1波長帯域と、前記第2波長帯域
と、前記第3波長帯域とは、互いに異なる波長帯域であ
って、赤、緑及び青から選ばれることが好ましい。
【0023】前記第1液晶層及び前記第2液晶層を透過
した光を吸収する光吸収層をさらに有してもよい。
【0024】前記第2反射層は、特定の波長帯域の光を
選択的に吸収するカラーフィルタと全ての波長帯域の可
視光を反射する反射膜とを有してもよい。
【0025】前記第1液晶層及び前記第2液晶層の少な
くとも一方は、ゲストホスト液晶またはゲストホスト液
晶をマイクロカプセル化した複合体によって形成されて
もよい。
【0026】前記第1及び第2反射層の少なくとも一方
は、誘電体干渉フィルタによって形成されていてもよ
い。
【0027】前記第1及び第2反射層の少なくとも一方
は、ホログラフィックフィルタによって形成されていて
もよい。
【0028】前記第1及び第2反射層の少なくとも一方
は、コレステリック液晶、コレステリック液晶と高分子
材料との複合体、またはコレステリック液晶ポリマーの
いずれかによって形成されていてもよい。
【0029】本発明の反射型カラー液晶表示素子の製造
方法は、第1液晶層と第2液晶層とが対向するように配
置され、該第1及び該第2液晶層の選択された領域に電
圧を印加する電圧印加手段と、該第1液晶層を透過した
光を反射する第1反射層と、該第2液晶層を透過した光
を反射する第2反射層と、を備えた反射型カラー液晶表
示素子であって、該第1反射層は、第1波長帯域の光を
反射する第1反射領域と、第2波長帯域の光を反射する
第2反射領域とを含み、該第2反射層は、第2波長帯域
の光を反射する第3反射領域と、第3波長帯域の光を反
射する第4反射領域とを含み、該第1反射層の該第1反
射領域は、該第2反射層の該第4反射領域の一部と該第
3反射領域とに対向し、該第2反射層の該第4反射領域
は、該第1反射層の該第1反射領域の一部と該第2反射
領域とに対向しており、該第1液晶層は、印加電圧に応
じて互いに異なる波長帯域の光の透過率が変化する第1
液晶領域と第2液晶領域とを有し、該第1液晶領域及び
該第2液晶領域のそれぞれは、印加電圧に応じて該第1
波長帯域及び第2波長帯域の光の少なくとも一方の光の
透過率を変化し、該第2波長帯域及び該第3波長帯域の
光の少なくとも一方の光の透過率を変化しないように配
置され、該第2液晶層は、印加電圧に応じて可視光の全
波長帯域の光の透過率が変化する第3及び第4液晶領域
を有し、該第3液晶領域は該第3反射領域に対向し、該
第4液晶領域は該第4反射領域に対向し、該電圧印加手
段は該第1及び第2液晶層の各液晶領域に対して電圧を
選択的に印加し、それによってカラー表示を行う反射型
カラー液晶表示素子の製造方法であって、第1透明基板
の表面に、第1領域と第2領域とに分離する壁を高分子
材料を用いて形成する工程と、該高分子材料を介して、
該第1透明基板と第2透明基板とを接着する工程と、該
第1領域と該第2領域にそれぞれ異なる波長帯域の光を
吸収する液晶材料を注入し、該第1液晶領域と該第2液
晶領域とを形成する工程と、を包含し、そのことによっ
て上記目的が達成される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しながら説明する。
【0031】図1に本発明の反射型カラー液晶表示素子
100の一画素分の断面構造を模式的に示す。液晶表示
素子100の一画素は、3つのドット13、14及び1
5から構成される。液晶表示素子100は、3枚の透明
基板1、2、及び3と、こられの透明基板の間に狭持さ
れた液晶層4及び5とを有している。さらに、透明基板
2の液晶層4側の表面及び透明基板3の液晶層5側の表
面には、それぞれ、反射カラーフィルタ層10及び11
が形成されている。また、透明基板3の外側の表面に
は、光吸収層12が配置されている。
【0032】液晶層4は、透明基板1上に形成された透
明電極6a及び6bと、透明基板2上に形成された透明
電極7との間に狭持されている。また、液晶層5は、透
明基板2上に形成された透明電極8と、透明基板3上に
形成された透明電極9a及び9bとの間に狭持されてい
る。
【0033】液晶層4は、特定の波長帯域の光に対する
透過率が印加される電圧によって変化する性質を有して
いる。液晶層4が有する液晶領域4aと4bとは、互い
に異なる波長帯域の光の透過率を変化する。本実施形態
においては、液晶領域4aは緑色の二色性色素を含むゲ
ストホスト液晶によって形成され、緑以外の波長帯域の
光の透過率を変化する。液晶領域4a(ドット13に含
まれる)の透過光は、透明電極6aと7とに印加される
電圧によって緑色と透明に変化する。また、液晶領域4
bは青色の二色性色素を含むゲストホスト液晶によって
形成され、青以外の波長帯域の光の透過率を変化する。
液晶領域4bの一部(ドット14に含まれる部分)の透
過光は、透明電極6aと7とに印加される電圧によって
青色と透明に変化し、液晶領域4bの一部(ドット15
に含まれる部分)の透過光は、透明電極6bと7とに印
加される電圧によって青色と透明に変化する。
【0034】液晶層5は可視光の全波長帯域の光に対す
る透過率を変化する性質を有している。ここでは、液晶
層5は、黒色の二色性色素を含むゲストホスト液晶によ
って形成され、可視光の全波長帯域の光に対する透過率
を変化する。液晶層5の一部(ドット13に含まれる部
分)は、透明電極8と9aとに印加される電圧によって
黒と透明に変化し、液晶層5の一部(ドット14及び1
5に含まれる部分)は、透明電極8と9bとに印加され
る電圧によって黒と透明に変化する。
【0035】反射カラーフィルタ層10及び11は、互
いに異なる波長帯域の光を反射する反射カラーフィルタ
10aと10b、及び11aと11bとを有している。
反射カラーフィルタ10aは、例えば赤の波長帯域の光
を反射(シアンの波長帯域の光を透過)し、反射カラー
フィルタ10bは、緑の波長帯域の光を反射(マゼンタ
の波長帯域の光を透過)する。反射カラーフィルタ11
aは、例えば緑の波長を反射(マゼンタの波長を透過)
し、反射カラーフィルタ11bは、青の波長を反射(イ
エローの波長を透過)する。これらの反射カラーフィル
タとして、本実施形態では無機材料から形成される薄膜
干渉フィルタを用いた。
【0036】液晶層4及び5と反射カラーフィルタ層1
0及び11は、それぞれ図1に示すように対応して配置
される。この配置は、本発明者が鋭意検討した結果見い
だしたものであるが、図1の例に限られない。
【0037】また、光吸収層12は黒色または灰色を呈
する層であり、液晶層4及び5を透過した光を吸収する
ためにる設けられている。
【0038】次に、反射型液晶表示素子100の動作を
説明する。1画素を構成するドット13、14、15の
表示色(反射色)の組み合わせによって、1画素の表示
色が決まる。ドット13、14及び15の表示色は、各
ドットを構成する反射カラーフィルタ層10及び11に
よって反射される光の色の組み合わせによって決まる。
表1〜8に1画素の表示色と各ドットの表示色の組み合
わせを示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】表1から8において、各液晶層の所定の領
域に所定の電圧が印加されている状態をON、電圧無印
加の状態をOFFとし表している。
【0048】赤表示は、表1に示すような状態の組み合
わせにより得られる。すなわち、液晶層4については、
透明電極6aと透明電極7との間にのみ所定の電圧が印
加され、液晶層4の2つドット13及び14に対応する
部分がON状態にあり、ドット15に対応する部分はO
FF状態にある。従って、ドット13及び14の液晶層
4に入射した光は液晶層4によって吸収されることな
く、反射カラーフィルタ10aに達する。反射カラーフ
ィルタ10aは赤色光を反射し、その他の波長帯域の光
を透過する。液晶層5については、透明電極9a及び9
bと透明電極10との間に電圧が印加されておらず、液
晶層5は全てOFF状態にある。従って、ドット13及
び14の反射カラーフィルタ10aを透過した赤以外の
波長帯域の光は、液晶層5によって吸収され、反射カラ
ーフィルタ11aによって反射される光はない。従っ
て、ドット13及び14は赤を表示する。一方、ドット
15のOFF状態にある液晶層4に入射した光の青以外
の波長帯域の光は液晶層4によって吸収される。従っ
て、反射カラーフィルタ10bは緑色光を反射するよう
に設定されているので、反射カラーフィルタ10bによ
って反射される光はない。液晶層4及び反射カラーフィ
ルタ10bを透過した青色光は液晶層5に入射する。透
明電極8と9bの間に電圧は印加されておらず、ドット
15の液晶層5もOFF状態にあり、液晶層5は青色光
を含む可視光を吸収するので、反射カラーフィルタ11
bによって反射される光はない。従って、ドット15だ
けが黒表示状態にあり、ドット13及び14が赤表示を
行うので、画素全体として赤表示となる。
【0049】緑表示は、表2に示すような状態の組み合
わせにより得られる。すなわち、ドット14のみが黒表
示を行い、ドット13及びドット15が共に緑表示を行
うので、この画素は全体として緑表示となる。青表示は
表3に示すような状態の組み合わせにより得られる。す
なわち、ドット13のみが黒表示を行い、ドット14、
ドット15が共に青表示を行うので、この画素は全体と
して青表示となる。
【0050】シアン表示は表4に示すような状態の組み
合わせにより得られる。すなわち、液晶層4について
は、透明電極6aと7の間には電圧が印加されておら
ず、ドット13及び14の液晶層4はOFF状態にあ
る。ドット13の液晶層4に入射した光の緑以外の波長
帯域の光は液晶層4によって吸収されるので、反射カラ
ーフィルタ10aで反射される光はない。液晶層4及び
反射カラーフィルタ10aを透過した緑色光は液晶層5
に入射する。ドット13の液晶層5は電極8と9aとの
間に電圧が印加されており、ON状態にある。従って、
この緑色光は液晶層5を透過し、反射カラーフィルタ1
1aによって反射される。その結果、ドット13は緑表
示を行う。一方、OFF状態にあるドット14の液晶層
4を透過した青色光は反射カラーフィルタ10aで反射
されることなく、液晶層5に入射する。液晶層5はON
状態にあるので、青色光を透過し、液晶層5を透過した
青色光は反射カラーフィルタ11bによって反射され
る。従って、ドット14は青を表示する。ドット15の
液晶層4及び液晶層5は共にON状態にある。液晶層4
に入射した光は液晶層4によって吸収されないので、反
射カラーフィルタ10bによって緑色光が反射させる。
反射カラーフィルタ10bを透過した緑以外の波長帯域
の光は、液晶層5で吸収されることなく反射カラーフィ
ルタ11bに至る。従って、青色光が反射カラーフィル
タ11bによって反射される。青色以外の波長帯域の光
(赤色光)は反射カラーフィルタ11bを透過し、光吸
収層12によって、吸収される。ドット15の反射カラ
ーフィルタ10bと11bによって、それぞれ反射され
た緑色光と青色光は加法混色によってシアン色を呈す
る。ドット13及び14の緑色光と青色光も加法混色に
よりシアン色を呈する。その結果、この画素は全体とし
て、シアン色を呈する。この状態は、3ドットの内2ド
ットがシアン表示を行う状態と等価になる。
【0051】マゼンタ表示は、表5に示すような状態の
組み合わせにより得られる。すなわち、ドット13が赤
表示を行い、ドット14がマゼンタ表示、ドット15が
青表示を行う。青の光と赤の光が加法混色されるとマゼ
ンタの色となり、3ドットの内2ドットがマゼンタ表示
を行うことと等価になるので、この画素は全体としてマ
ゼンタ表示となる。イエロー表示は表6に示すような印
加電圧の組み合わせにより得られる。すなわち、ドット
13がイエロー表示を行い、ドット14が赤表示、ドッ
ト15が緑表示を行う。緑の光と赤の光が加法混色され
るとイエローの色となり、3ドットの内2ドットがイエ
ロー表示を行うことと等価になるので、この画素は全体
としてイエロー表示となる。
【0052】白表示は表7に示すように、各ドット1
3、14及び15に対応する液晶層4及び5に対して所
定の電圧を印加し、全ての領域がON状態にある場合に
得られる。ドット13においては、反射カラーフィルタ
10aから反射される赤色光と反射カラーフィルタ11
aから反射される緑色光とが加法混色され、イエロー表
示を行う。ドット14においては、反射カラーフィルタ
10aから反射される赤色光と反射カラーフィルタ11
bから反射される青色光とが加法混色され、マゼンタ表
示を行う。ドット15においては、反射カラーフィルタ
10bから反射される緑色光と反射カラーフィルタ11
bから反射される青色光とが加法混色され、シアン表示
を行う。ドット13、14及び15のイエロー、マゼン
タ及びシアンが加法混色され、この画素は全体で白色表
示を行う。
【0053】黒表示は表8に示すように、各ドット1
3、14及び15に対応する液晶層4及び5に対して電
圧を印加せず、全ての領域がOFF状態にある場合に得
られる。液晶層4a及び4bをそれぞれ透過した緑色光
及び青色光は、反射カラーフィルタ10a及び10bに
よって反射されることなく、液晶層5に達する。これら
の光は液晶層5によって吸収されるので、全てのドット
13、14及び15は黒表示を行う。
【0054】図1の液晶表示素子100をアクティブマ
トリクス駆動するためには、4つのアクティブ素子で、
それぞれ、透明電極6a、6b、9a及び9bに印加す
る電圧をスイッチングすればよい。しかしながら、表1
〜8から分かるように、透明電極6bと9aは、同時に
同じ状態にあるので、同じアクティブ素子で駆動するこ
とができる。従って、液晶表示素子100は、3個のア
クティブ素子で駆動すること可能である。
【0055】本実施形態による液晶表示素子100は、
表1〜表8に示すように、3つのドットのうち2つのド
ットが表示に寄与するので、入射光の利用効率は、特開
平6−294952号公報に開示されているように1層
に赤、青、緑の反射層を配置する構造と比較して、白表
示の明るさが約2倍の光利用効率(明るさ)を得ること
ができる。また、各色(赤、青、緑、シアン、マゼン
タ、イエロー)を表示した場合にも色純度を落とすこと
なく、明るさを2倍にすることができる。
【0056】次に、液晶表示素子100の製造方法を以
下に説明する。透明基板1、3として厚みが1.1mm
の7059ガラス基板(コーニンググラスワークス社)
を使用した。透明基板2としては、基板の厚さによる視
差を抑えるために比較的薄い0.5mm厚の7059ガ
ラス基板(コーニンググラスワークス社)を使用した。
透明基板2及び3には反射カラーフィルタ層10及び1
1として、屈折率の異なる2種類の透明な無機誘電体薄
膜を交互に積層させた干渉フィルタを形成した。本実施
形態では屈折率の低い物質として二酸化珪素(n=1.
46)、屈折率の高い物質として二酸化チタン(n=
2.4)を用いた。以下に干渉フィルタの詳細な作製条
件を説明する。
【0057】干渉フィルタは、二酸化珪素(SiO2
と二酸化チタン(TiO2)のターゲットをスパッタリ
ングにより交互に積層することによって形成された誘電
体多層膜である。反射カラーフィルタ10a、10b、
11a及び11bは、それぞれ、赤、緑、緑及び青の光
を選択的に反射するように、誘電体多層膜の層数と各層
の厚さとを最適化する。この誘電体薄膜の層数を増やし
ていくと分光特性が急峻になり、色分離特性の優れた干
渉フィルタが得られる。例えば、青反射用の誘電体多層
膜の全体の厚さは1.052μm、赤反射用では0.8
21μm、緑反射用では1.725μmに設定される。
【0058】その後、フォトレジスト塗布、露光、現像
のフォトプロセスをそれぞれの基板2及び3について、
2回繰り返して、赤及び緑を反射する反射カラーフィル
タ10a及び10bと、緑及び青の光を反射する反射カ
ラーフィルタ11a及び11bを形成する。図2に本実
施形態の反射カラーフィルタ(干渉フィルタ)の分光反
射率を示す。赤(R)、緑(G)、青(B)用のそれぞ
れの反射カラーフィルタは、何れも色純度の高い反射特
性を有してる。
【0059】次に、透明基板1、2及び3に、透明電極
6a、6b、7、8、9a及び9bを形成する。これら
の透明電極は、インジウム錫酸化物(ITO)を用い
て、スパッタリング法によって形成する。本実施形態で
は、ITO膜の厚さを100nmとした。
【0060】各透明基板間の間隔(液晶層の厚さ)は小
さすぎると製造上の問題に加えて、液晶層による光の吸
収が不十分となる。また、基板間の間隔が大きすぎると
液晶層を駆動するために必要な電圧が大きくなると共に
液晶の応答速度が遅くなるという問題がある。これらを
考慮すると、透明基板1と透明基板2との間隔、及び透
明基板2と透明基板3との間隔は、いずれも、3μm〜
15μmの範囲が適当であり、好ましくは4μm〜10
μmである。本実施形態では、スペーサーとしてファイ
バーグラス(日本電気硝子社製)を使用して基板1と
2、基板2と3の間隔をいずれも8μmに設定した。
【0061】また、液晶層4及び5として、垂直配向処
理したホワイト・テイラー型のゲストホストモード液晶
を用いた。それぞれの液晶層4及び5を狭持する基板の
液晶層側の表面に、液晶分子を垂直に配向させる特性を
有する配向膜(不図示)を形成した。配向膜の材料とし
て、N,N−ジメチル−N−オクタデシル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシリルクロライド(N,N‐di
methyl−N−octadecyl−3−amin
opropyltrimethoxysilyl ch
loride)を使用した。液晶層4及び5のホストと
しての液晶材料にはZLI−4792(メルク社製)、
ゲストとして二色性色素のシアンにはSI−497(三
井東圧化学社製)、マゼンタにはM−618(三井東圧
化学社製)、イエローにはY−710(三井東圧化学社
製)をそれぞれ用いた。液晶材料と二色性色素との配合
例を以下に示す。
【0062】液層領域4aは、緑以外の波長帯域の光の
透過率を変化するように、二色性色素であるシアンS−
497(三井東圧化学社製)とイエローY−710(三
井東圧化学社製)とを等量混合し、ホスト液晶に添加し
た。また、液晶領域4bは青以外の波長帯域の光の透過
率を変化するように二色性色素であるシアンS−497
(三井東圧化学社製)とマゼンタM−618(三井東圧
化学社製)とを等量混合し、ホスト液晶に添加した。液
晶層5には可視光領域全体の光の透過率を変化するよう
に、シアンS−497(三井東圧化学社製)と、マゼン
タM−618(三井東圧化学社製)と、イエローY−7
10(三井東圧化学社製)とを混合し、ホスト液晶に添
加した。
【0063】各液晶層の力イラルピッチは、ゲストホス
ト液晶に添加するカイラル剤の添加量により制御した。
液晶層の厚みdとカイラルビッチpの比d/pは、小さ
すぎるとコントラスト比が低下し、大きすぎると駆動電
圧が大きくなるという問題がある。これらを考慮する
と、d/pの値としては1〜5の範囲が適当であり、さ
らに好ましくは1.2〜2である、本実施形態では、d
/pの値を1.7に設定した。
【0064】ここで、本実施形態において、セル厚dと
カイラルビッチpの比をd/pを1.7に設定した理由
を、図3を参照しながら以下に説明する。図3は液晶層
5に使用される黒色のゲストホスト液晶の電圧透過率特
性である。セル厚dとカイラルビッチpとの比d/pを
変化させると、液晶層のしきい値電圧は図3に示すよう
に変化する。一般に反射型液晶表示素子においては、
コントラスト比が5以上であること、アクティブ素子
で駆動するためには7ボルト以下で駆動できること、が
要求される。図3より、この要求を満たすd/pの最適
値は1.7であることが分かる。
【0065】液晶材料中の二色性色素の濃度は、低くす
ぎると色素による光の吸収が充分でなく、高すぎると低
温保存時に二色性色素が液晶材料から析出してしまうと
いう問題がある。これらを考慮して、二色性色素の濃度
としては1〜10wt%が適当であり、本実施形態では
4wt%に設定した。この時のコントラスト比は5であ
った。
【0066】液晶層4を形成する異なる2種類のゲスト
ホスト液晶材料を液晶領域4aと4bにそれぞれ分離し
て注入する方法を以下に説明する。
【0067】透明基板を2枚用意し、各透明基板に接着
性レジストOPSR‐5600(東京応化工業社製)を
塗布した後、所定のマスタパターンを用いて紫外線を照
射し、図4に示すような櫛形の壁51を形成した。その
後、透明基板を2枚貼り合わせて焼成した。それから、
2つの液晶注入口52と53を介して、異なる二色性色
素を含有した2種類のゲストホスト液晶54及び55を
それぞれ注入した。
【0068】なお、上記接着性レジストに代えて感光性
高分子を用いることもできる。また、図4と同様のパタ
ーンを有する壁となる凸部をゾルゲル法を用いて透明基
板上に形成したり、フッ酸等を用いたエッチングなどに
より、透明基板自体に凹凸を設けてもよい。また、マイ
クロ力プセル化の技術を用い、印刷法により2種類のゲ
ストホスト液晶を形成してもよい。さらに、シール剤を
形成するためのディスペンサーを用いて2種類のゲスト
ホスト液晶を1色ずつ形成してもよい。液晶層5は単一
の領域からなるので、従来の真空注入法を用いてゲスト
ホスト液晶を注入することができる。基板の接着には、
公知の材料を広く用いることができる。また、光吸収層
12は、バインダーにカーボン微粒子を添加したものを
用いて、印刷法によって透明基板3の裏面上に形成し
た。この光吸収層12は、有機系色素または顔料系色素
をバインダーに添加したものを用いて印刷法あるいはス
ピンナー法によって透明基板3の裏面に形成することが
できる。この他に、黒色紙などの光吸収性のシートを接
着剤によって透明基板3の裏面に貼り付けても良い。さ
らに、透明基板3及び光吸収層12に代えて、光吸収性
を有する基板、例えば、ポリカーボネイト、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、アクリル系
とエポキシ系の重合体、架橋性のアクリルなどの高分子
にカーボンブッラクや黒色の顔料系または有機系の色素
を添加したものを用いてもよい。この場合には、光吸収
層12が基板3をも兼ねるため、製造工程を簡略化する
ことができる。このようにして、本実施形態の反射型カ
ラー液晶表示素子100が製造される。
【0069】本実施形態では、基板の液晶側表面を垂直
配向処理したホワイト・テイラー型のゲストホストモー
ドを用いた例について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではない。例えば、基板の表面を平行配向処
理したホワイト・テイラーモードを用いてもよいし、ハ
イルマイヤー型等の他のゲストホストモードを用いても
よい。また、ゲストホスト液晶を高分子材料でマイクロ
力プセル化した、いわゆるSlD92 DIGEST
p.762に報告されているNCAP(NematicCurvili
near Aligned Phase)を用いてもよい。この液晶マイク
ロカプセルの作製法の1例として、以下の方法が挙げら
れる。
【0070】まず、液晶材料とアラビアゴム溶液とを常
温以上で乳化混合し、これに等濃度のゼラチン溶液を添
加する。次に、蒸留水を添加してpH(水素イオン濃
度)を調整すると、ゼラチンとアラビアゴムとが反応し
て濃厚な液状ポリマーを生成する。そこで、温度を降下
させるとコアセルベーションが始まり、液晶微粒子の周
囲にゼラチン・アラビアゴム皮膜が癒着してカプセル膜
を形成する。さらにアルデヒドなどの硬化剤を添加して
カプセル膜を熟成させる。これにバインダを添加してイ
ンキ化したものを透明基板上に印刷することによって、
液晶層を形成することができる。
【0071】次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0072】図5に本発明の反射型カラー液晶表示素子
200の一画素分の断面構造を模式的に示す。なお、前
記の実施形態(図1)と同じ機能を有する要素には同じ
参照符号を付す。液晶表示素子200の一画素は、3つ
のドット13、14及び15から構成される。液晶表示
素子200は、3枚の透明基板1、2、及び3と、こら
れの透明基板の間に狭持された液晶層4及び5とを有し
ている。さらに、透明基板2の液晶層4側の表面及び透
明基板3の液晶層5側の表面には、それぞれ、反射カラ
ーフィルタ層10及び11が形成されている。また、透
明基板3の外側の表面には、光吸収層12が配置されて
いる。本実施形態においては、液晶層4の構成が上記の
実施形態と異なる。
【0073】液晶層4は、透明基板1上に形成された透
明電極6a及び6bと、透明基板2上に形成された透明
電極7との間に狭持されている。また、液晶層5は、透
明基板2上に形成された透明電極8と、透明基板3上に
形成された透明電極9a及び9bとの間に狭持されてい
る。
【0074】液晶層4は、特定の波長帯域の光に対する
透過率が印加される電圧によって変化する性質を有して
いる。液晶層4が有する液晶領域4cと4dとは、互い
に異なる波長帯域の光の透過率を変化する。本実施形態
においては、液晶領域4cはシアンの二色性色素を含む
ゲストホスト液晶によって形成され、シアン以外の波長
帯域の光の透過率を変化する。液晶領域4c(ドット1
1に含まれる)の透過光は、透明電極6aと7とに印加
される電圧によってシアンと透明に変化する。また、液
晶領域4dはマゼンタの二色性色素を含むゲストホスト
液晶によって形成され、マゼンタ以外の波長帯域の光の
透過率を変化する。液晶領域4dの一部(ドット14に
含まれる部分)の透過光は、透明電極6aと7とに印加
される電圧によってマゼンタと透明に変化し、液晶領域
4dの一部(ドット15に含まれる部分)の透過光は、
透明電極6bと7とに印加される電圧によってマゼンタ
と透明に変化する。
【0075】液晶層5は可視光の全波長帯域の光に対す
る透過率を変化する性質を有している。ここでは、液晶
層5は、黒色の二色性色素を含むゲストホスト液晶によ
って形成され、可視光の全波長帯域の光に対する透過率
を変化する。液晶層5の一部(ドット13に含まれる部
分)は、透明電極8と9aとに印加される電圧によって
変化し、液晶層5の一部(ドット14及び15に含まれ
る部分)は、透明電極8と9bとに印加される電圧によ
って変化する。
【0076】反射カラーフィルタ層10及び11は、互
いに異なる波長帯域の光を反射する反射カラーフィルタ
10aと10b、及び11aと11bとを有している。
反射カラーフィルタ10aは、例えば赤の波長帯域の光
を反射(シアンの波長帯域の光を透過)し、反射カラー
フィルタ10bは、緑の波長帯域の光を反射(マゼンタ
の波長帯域の光を透過)する。反射カラーフィルタ11
aは、例えば緑の波長を反射(マゼンタの波長を透過)
し、反射カラーフィルタ11bは、青の波長を反射(イ
エローの波長を透過)する。これらの反射カラーフィル
タとして、本実施形態ではホログラフィックフィルタを
用いた。
【0077】液晶層4及び5と反射カラーフィルタ層1
0及び11は、それぞれ図5に示すように対応して配置
される。この配置は、本発明者らが鋭意検討した結果見
いだしたものであるが、図5の例に限られない。
【0078】また、光吸収層6は黒色または灰色を呈す
る層であり、液晶層4及び5を透過した光を吸収するた
めにる設けられている。
【0079】次に、反射型カラー液晶表示素子200の
動作を説明する。1画素を構成するドット13、14、
15の表示色(反射色)の組み合わせによって、1画素
の表示色が決まる。ドット11、12及び13の表示色
は、各ドットを構成する反射カラーフィルタ層10及び
11によって反射される光の色の組み合わせによって決
まる。表9〜16に1画素の表示色と各ドットの表示色
の組み合わせを示す。
【0080】
【表9】
【0081】
【表10】
【0082】
【表11】
【0083】
【表12】
【0084】
【表13】
【0085】
【表14】
【0086】
【表15】
【0087】
【表16】
【0088】表9から16において、各液晶層の所定の
領域または領域の一部に所定の電圧が印加されている状
態をON、電圧無印加の状態をOFFとし表している。
【0089】赤表示は、表9に示すような状態の組み合
わせにより得られる。すなわち、液晶層4については、
透明電極6aと透明電極7との間にのみ所定の電圧が印
加され、液晶層4の2つドット13及び14に対応する
部分がON状態にあり、ドット15に対応する部分はO
FF状態にある。従って、ドット13及び14の液晶層
4に入射した光は液晶層4によって吸収されることな
く、反射カラーフィルタ10aに達する。反射カラーフ
ィルタ10aは赤色光を反射し、その他の波長帯域の光
を透過する。液晶層5については、透明電極9a及び9
bと透明電極10との間に電圧が印加されておらず、液
晶層5は全てOFF状態にある。従って、ドット13及
び14の反射カラーフィルタ10aを透過した赤以外の
波長帯域の光は、液晶層5によって吸収され、反射カラ
ーフィルタ11aによって反射される光はない。従っ
て、ドット13及び14は赤を表示する。一方、ドット
15のOFF状態にある液晶層4に入射した光のマゼン
タ以外の波長帯域の光は液晶層4によって吸収される。
従って、反射カラーフィルタ10bは緑色光を反射する
ように設定されているので、反射カラーフィルタ10b
によって反射される光はない。液晶層4及び反射カラー
フィルタ10bを透過したマゼンタ色光は液晶層5に入
射する。透明電極8と9bの間に電圧は印加されておら
ず、ドット15の液晶層5もOFF状態にあり、液晶層
5はマゼンタ色光を含む可視光を吸収するので、反射カ
ラーフィルタ11bによって反射される光はない。従っ
て、ドット15だけが黒表示状態にあり、ドット13及
び14が赤表示を行うので、画素全体として赤表示とな
る。
【0090】緑表示は、表10に示すような状態の組み
合わせにより得られる。すなわち、ドット14のみが黒
表示を行い、ドット13及びドット15が共に緑表示を
行うので、この画素は全体として緑表示となる。青表示
は表11に示すような状態の組み合わせにより得られ
る。すなわち、ドット13のみが黒表示を行い、ドット
14、ドット15が共に青表示を行うので、この画素は
全体として青表示となる。
【0091】シアン表示は表12に示すような状態の組
み合わせにより得られる。すなわち、液晶層4について
は、透明電極6aと7の間には電圧が印加されておら
ず、ドット13及び14の液晶層4はOFF状態にあ
る。ドット13の液晶層4に入射した光のシアン以外の
波長帯域の光は液晶層4によって吸収されるので、反射
カラーフィルタ10aで反射される光はない。液晶層4
及び反射カラーフィルタ10aを透過したシアン色光は
液晶層5に入射する。ドット13の液晶層5は電極8と
9aとの間に電圧が印加されており、ON状態にある。
従って、このシアン色光は液晶層5を透過し、緑色光が
反射カラーフィルタ11aによって反射される。その結
果、ドット13は緑表示を行う。一方、OFF状態にあ
るドット14の液晶層4を透過したシアン色光は反射カ
ラーフィルタ10aで反射されることなく、液晶層5に
入射する。液晶層5はON状態にあるので、シアン色光
を透過し、液晶層5を透過したシアン光に含まれる青色
光は反射カラーフィルタ11bによって反射される。従
って、ドット14は青を表示する。反射カラーフィルタ
11bを透過した緑色光は光吸収層12によって吸収さ
れる。ドット15の液晶層4及び液晶層5は共にON状
態にある。液晶層4に入射した光は液晶層4によって吸
収されないので、反射カラーフィルタ10bによって緑
色光が反射される。反射カラーフィルタ10bを透過し
た緑以外の波長帯域の光は、液晶層5で吸収されること
なく反射カラーフィルタ11bに至る。従って、青色光
が反射カラーフィルタ11bによって反射される。青色
以外の波長帯域の光(赤色光)は反射カラーフィルタ1
1bを透過し、光吸収層12によって吸収される。ドッ
ト15の反射カラーフィルタ10bと11bによって、
それぞれ反射された緑色光と青色光は加法混色によって
シアン色を呈する。ドット13及び14の緑色光と青色
光も加法混色によりシアン色を呈する。その結果、この
画素は全体として、シアン色を呈する。この状態は、3
ドットの内2ドットがシアン表示を行う状態と等価にな
る。
【0092】マゼンタ表示は、表13に示すような状態
の組み合わせにより得られる。すなわち、ドット13が
赤表示を行い、ドット14がマゼンタ表示、ドット15
が青表示を行う。青の光と赤の光が加法混色されるとマ
ゼンタの色となり、3ドットの内2ドットがマゼンタ表
示を行うことと等価になるので、この画素は全体として
マゼンタ表示となる。イエロー表示は表14に示すよう
な印加電圧の組み合わせにより得られる。すなわち、ド
ット13がイエロー表示を行い、ドット14が赤表示、
ドット15が緑表示を行う。緑の光と赤の光が加法混色
されるとイエローの色となり、3ドットの内2ドットが
イエロー表示を行うことと等価になるので、この画素は
全体としてイエロー表示となる。
【0093】白表示は表15に示すように、各ドット1
3、14及び15に対応する液晶層4及び5に対して所
定の電圧を印加し、全ての領域がON状態にある場合に
得られる。ドット13においては、反射カラーフィルタ
10aから反射される赤色光と反射カラーフィルタ11
aから反射される緑色光とが加法混色され、イエロー表
示を行う。ドット14においては、反射カラーフィルタ
10aから反射される赤色光と反射カラーフィルタ11
bから反射される青色光とが加法混色され、マゼンタ表
示を行う。ドット15においては、反射カラーフィルタ
10bから反射される緑色光と反射カラーフィルタ11
bから反射される青色光とが加法混色され、シアン表示
を行う。ドット13、14及び15のイエロー、マゼン
タ及びシアンが加法混色され、この画素は全体で白色表
示を行う。
【0094】黒表示は表16に示すように、各ドット1
3、14及び15に対応する液晶層4及び5に対して電
圧を印加せず、全ての領域がOFF状態にある場合に得
られる。液晶層4c及び4dをそれぞれ透過したシアン
色光及びマゼンタ色光は、反射カラーフィルタ10a及
び10bによって反射されることなく、液晶層5に達す
る。これらの光は液晶層5によって吸収されるので、全
てのドットは黒表示を行う。
【0095】図5の液晶表示素子200をアクティブマ
トリクス駆動するためには、4つのアクティブ素子で、
それぞれ、透明電極6a、6b、9a及び9bに印加す
る電圧をスイッチングすればよい。しかしながら、表9
〜表16から分かるように、透明電極6bと9aは、同
時に同じ状態にあるので、同じアクティブ素子で駆動す
ることができる。従って、液晶表示素子200は、3個
のアクティブ素子で駆動すること可能である。
【0096】本実施形態による液晶表示素子200は、
表9〜表16に示すように、3つのドットのうち2つの
ドットが色表示を行うので、入射光の利用効率は、特開
平6−294952号公報に開示されているように1層
に赤、青、緑の反射層を配置する構造と比較して、白表
示の明るさが約2倍の光利用効率(明るさ)を得ること
ができた。また、各色(赤、青、緑、シアン、マゼン
タ、イエロー)を表示した場合にも色純度を落とすこと
なく、明るさを2倍にすることができる。
【0097】次に、反射型カラー液晶表示素子200の
製造方法の例を説明する。
【0098】透明基板1及び3として、厚みが1.1m
mの7059ガラス基板(コーニンググラスワークス
社)を使用した。透明基板2として、基板の厚さによる
視差を抑えるために比較的薄い0.5mm厚の7059
ガラス基板(コーニンググラスワークス社)を使用し
た。透明基板に形成する透明電極は、先の実施形態と同
様の方法で形成することができる。本実施形態では、透
明基板2及び3に形成される反射カラーフィルタ層10
及び11として、ホログラフィックカラーフィルタを用
いた。以下にホログラフィックカラーフィルタの作製方
法を説明する。
【0099】まず、感光層とミラーを密着させ、反射カ
ラーフィルタを形成する所定領域に開口部を有するマス
クを配置して、レーザ光を垂直入射させる。照射された
レーザー光はミラーからの反射光と干渉して、感光層の
露光部分にはミラーの表面に平行に干渉縞が記録され
る。順次マスクをずらしながらこのような露光工程を繰
り返し、所望の領域に反射カラーフィルタを形成する。
反射カラーフィルタによって反射される波長帯域は、感
光層に照射するレーザー光の波長を選択することによっ
て調節することができる。
【0100】本実施形態においては、感光材料として、
メチレンブルーを注入することにより赤色増感した重ク
ロム酸ゼラチンを用いた。また、青色、緑色及び赤色の
光それぞれ反射する反射カラーフィルタを作製するため
の光源として、青色アルゴンイオンレーザー出力5W、
波長488nm、スペクトラフィジックス社製(220
−055)、緑色アルゴンイオンレーザー出力5W、波
長514.5nm、スペクトラフィジックス社製(22
0−055)及び赤色クリプトンレーザー出力5W、波
長647nm、コヒーレント社製(イノバ200K.
3)を用いた。それぞれ、レーザ光の露光時間は6秒
で、露光量は60mJ/cm2とした。露光された感光
材料を水洗(10分)、IPA:水(3:7)の混合溶
媒で洗浄(1分)、IPA:水(7:3)の混合溶媒で
洗浄(2分)、IPA洗浄(5分)によって、現像処理
し、15分間乾燥した。得られたホログラフィックカラ
ーフィルタの分光反射率特性を図6に示す。図6から分
かるように、赤(R)、緑(G)、青(B)反射用のホ
ログラフィックカラーフィルタは、色純度の高い反射特
性を有している。このホログラフィックカラーフィルタ
を基板2及び3の所定の位置に配置して、反射カラーフ
ィルタを形成する。
【0101】次に、液晶領域4c及び4dに用いる液晶
材料につて説明する。液晶領域の4c及び4dの作製方
法、配向膜の材料及びその形成方法は先の実施形態と同
様である。
【0102】ホスト液晶材料には先の実施形態と同じZ
LI−4792(メルク社製)を用いた。液晶領域4c
の材料には、シアン以外の波長帯域の光の透過率を変化
させるために、二色性色素であるシアンSI−497
(三井東圧化学社製)をホスト液晶に配合した材料を用
いた。また、液晶領域4dの材料には、マゼンタ以外の
波長帯域の光の透過率を変化させるためにマゼンタM−
618(三井東圧化学社製)をホスト液晶に配合した材
料を用いた。液晶領域5の材料には、可視光の全ての波
長帯域の光の透過率を変化させるために、シアンS−4
97(三井東圧化学社製)、マゼンタM−618(三井
東圧化学社製)とイエローY−710(三井東圧化学社
製)を混合して、ホスト液晶に配合した。二色性色素の
添加量は、先の実施形態について説明したように、光の
吸収特性及び低温での保存安定性を考慮して、ホスト液
晶に対して4wt%とした。また、カイラル剤の添加量
は、液晶層の厚さdと液晶の螺旋ピッチpとの比d/p
が1.7となるように設定した。
【0103】上記の実施形態では、反射カラーフィルタ
層として、誘電体多層膜からなる干渉フィルタ及びホロ
グラフィック力ラーフィルタ一を用いたが、本発明の反
射型カラー液晶表示素子に用いられる反射カラーフィル
タは、これらに限られない。例えば、コレステリック液
晶の選択反射特性を利用して、コレステリック液晶、コ
レステリック液晶と高分子材料との複合体、またはコレ
ステリック液晶ポリマーを用いて、反射カラーフィルタ
を形成してもよい。また、特定波長帯域の光を吸収する
タイプのカラーフィルタと反射膜とを組み合わせて用い
ても、上記実施形態と同様な効果がある。吸収タイプの
カラーフィルタの形成方法としては、よく知られている
ように、ゼラチン染色方式、顔料分散方式、印刷方式等
がある。反射膜としてはアルミ、チタン等の金属を蒸着
した薄膜を用いることができる。金属等の可視光の全て
の波長帯域の光を反射する反射膜を用いた場合には、光
吸収層12を省くことができる。
【0104】上記実施形態では基本的な構成について説
明したが、透明基板1及び3上に形成した透明電極に印
加する電圧をスイッチングするために、薄膜トランジス
タや2端子素子(MIM素子やバリスタ等)を設けるこ
とが好ましい。この場合には1画素について少なくとも
3個のアクティブ素子が必要である。また、スッチング
特性を考慮すると、1画素の中で、液晶層4に対して2
個、液晶層5に対して2個、合計4個のアクティブ素子
を設けることが好ましい。これらのアクティブ素子は公
知の方法によって形成することができる。
【0105】また、上記の実施形態においては、2つの
液晶層4及び5の間に設けられる透明基板2として、厚
さ0.5mmのガラス基板を用いたが、0.1〜0.5
mm厚のガラス基板あるいはプラスティック基板を用い
ることができる。また、透明基板2としてファイバープ
レート(例えば、厚さ1mm)を用いると完全に視差を
なくすことができる。ファイバープレートは、束ねた光
ファイバーをファイバーの軸に垂直な方向に切り出した
もので、指向性に優れている。また、セルフォックスレ
ンズやマイクロレンズ等を用いることによっても、完全
に視差をなくすことができる。
【0106】液晶層4及び5と反射カラーフィルタの構
成は上記の実施形態で説明した例に限定されず、以下
からの条件を満たしていれば、上記の実施形態と同様
な効果が得られることを確認している。
【0107】反射カラーフィルタ10a、11b、及
び10b(11aは10bと同じ)が反射する光の波長
帯域は互いに異なる。フルカラー表示を行うためには、
これらの光の波長帯は赤、緑及び青であることが好まし
い。この構成では、下層の反射カラーフィルタ11a及
び11bから反射された光は上層の反射カラーフィルタ
10a及び10bを透過する。
【0108】液晶層4は印加電圧に応じて、上層の反
射カラーフィルタ10a及び10bから反射される光の
透過率を変化し、且つ、反射フィルタ11a及び11b
から反射される光の透過率を変化しない。
【0109】液晶層5は、可視光の実質的に全ての波
長帯域の光の透過率を変化する。
【0110】
【発明の効果】本発明の反射型カラー液晶表示素子は、
1画素を構成する3つのドットによるシアン、マゼン
タ、イエローの加法混色により白表示を行うので、従来
の赤、青、緑の加法混色と比較して、光の利用効率が約
2倍となる。また、赤、緑、青の各色を表示した場合に
も、3ドット中の2ドットが表示に寄与するので、光の
利用効率が約2倍となり、画素の明るさも約2倍にな
る。また、本発明の反射型カラー液晶表示素子は2層型
であり、表示素子の厚さに起因する視差を比較的小さく
抑制することができるので、視認性の高い表示を提供す
ることができる。
【0111】また、本発明の反射型カラー液晶表示素子
の製造方法によれば、明るく視認性の高い反射型カラー
液晶表示素子を簡易に再現性良く製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型カラー液晶表示素子の構成を示
す部分断面図である。
【図2】本発明の反射型カラー液晶表示素子に用いられ
る干渉カラーフィルタの分光反射率を示すグラフであ
る。
【図3】本発明の反射型カラー液晶表示素子に用いられ
る液晶層の電気光学特性を示すグラフである。
【図4】本発明の反射型カラー液晶表示素子に用いられ
る基板の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の他の反射型カラー液晶表示素子の構成
を示す部分断面図である。
【図6】本発明の反射型カラー液晶表示素子に用いられ
るホログラフィックフィルタの分光反射率を示すグラフ
である。
【図7】従来のカラー液晶表示素子の構成を示す模式図
である。
【図8】従来の他のカラー液晶表示素子の構成を示す模
式図である。
【符号の説明】
1、2、3 透明基板 4、5 液晶層 6a、6b、7、8、9a、9b 透明電極 10、11 反射カラーフィルタ層 10a、10b、11a、11b 反射カラーフィルタ 12 光吸収層 13、14、15 ドット 100 反射型カラー液晶表示素子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1液晶層と第2液晶層とが対向するよ
    うに配置され、該第1及び該第2液晶層の選択された領
    域に電圧を印加する電圧印加手段と、該第1液晶層を透
    過した光を反射する第1反射層と、該第2液晶層を透過
    した光を反射する第2反射層と、を備えた反射型カラー
    液晶表示素子であって、 該第1反射層は、第1波長帯域の光を反射する第1反射
    領域と、第2波長帯域の光を反射する第2反射領域とを
    含み、該第2反射層は、第2波長帯域の光を反射する第
    3反射領域と、第3波長帯域の光を反射する第4反射領
    域とを含み、 該第1反射層の該第1反射領域は、該第2反射層の該第
    4反射領域の一部と該第3反射領域とに対向し、該第2
    反射層の該第4反射領域は、該第1反射層の該第1反射
    領域の一部と該第2反射領域とに対向しており、 該第1液晶層は、印加電圧に応じて互いに異なる波長帯
    域の光の透過率が変化する第1液晶領域と第2液晶領域
    とを有し、該第1液晶領域及び該第2液晶領域のそれぞ
    れは、印加電圧に応じて該第1波長帯域及び第2波長帯
    域の光の少なくとも一方の光の透過率を変化し、該第2
    波長帯域及び該第3波長帯域の光の少なくとも一方の光
    の透過率を変化しないように配置され、 該第2液晶層は、印加電圧に応じて可視光の全波長帯域
    の光の透過率が変化する第3及び第4液晶領域を有し、
    該第3液晶領域は該第3反射領域に対向し、該第4液晶
    領域は該第4反射領域に対向し、 該電圧印加手段は該第1及び第2液晶層の各液晶領域に
    対して電圧を選択的に印加し、それによってカラー表示
    を行う反射型カラー液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記第1液晶領域は、前記第1反射領域
    の一部及び前記第3反射領域と対向し、印加電圧に応じ
    て前記第1波長帯域の光の透過率を変化し、前記第2波
    長帯域の光を透過率を変化せず、 前記第2液晶領域は、該第1反射領域の一部、該第2反
    射領域及び前記第4反射領域と対向し、印加電圧に応じ
    て該第1及び第2波長帯域の光の透過率を変化し、前記
    第3波長帯域の光の透過率を変化しない請求項1に記載
    の反射型カラー液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記第1液晶領域は、前記第1反射領
    域、前記第3反射領域及び前記第4反射領域の一部と対
    向し、印加電圧に応じて前記第1波長帯域の光の透過率
    を変化し、前記第2及び第3波長帯域の光を透過率を変
    化せず、 前記第2液晶領域は、前記第2反射領域及び該第4反射
    領域の一部と対向し、印加電圧に応じて該第2波長帯域
    の光の透過率を変化し、該第3波長帯域の光の透過率を
    変化させない請求項1に記載の反射型カラー液晶表示素
    子。
  4. 【請求項4】 前記第1波長帯域と、前記第2波長帯域
    と、前記第3波長帯域とは、互いに異なる波長帯域であ
    って、赤、緑及び青から選ばれる請求項1から3のいず
    れかに記載の反射型カラー液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記第1液晶層及び前記第2液晶層を透
    過した光を吸収する光吸収層をさらに有する請求項1か
    ら4のいずれかに記載の反射型カラー液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記第2反射層は、特定の波長帯域の光
    を選択的に吸収するカラーフィルタと全ての波長帯域の
    可視光を反射する反射膜とを有する請求項1から4のい
    ずれかに記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 前記第1液晶層及び前記第2液晶層の少
    なくとも一方は、ゲストホスト液晶またはゲストホスト
    液晶をマイクロカプセル化した複合体によって形成され
    る請求項1から6のいずれかに記載の反射型カラー液晶
    表示素子。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2反射層の少なくとも一
    方は、誘電体干渉フィルタによって形成されている請求
    項1から7のいずれかに記載の反射型カラー液晶表示素
    子。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2反射層の少なくとも一
    方は、ホログラフィックフィルタによって形成されてい
    る請求項1から8のいずれかに記載の反射型カラー液晶
    表示素子。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2反射層の少なくとも
    一方は、コレステリック液晶、コレステリック液晶と高
    分子材料との複合体、またはコレステリック液晶ポリマ
    ーのいずれかによって形成されている請求項1から10
    のいずれかに記載の反射型液晶カラー液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 第1液晶層と第2液晶層とが対向する
    ように配置され、該第1及び該第2液晶層の選択された
    領域に電圧を印加する電圧印加手段と、該第1液晶層を
    透過した光を反射する第1反射層と、該第2液晶層を透
    過した光を反射する第2反射層と、を備えた反射型カラ
    ー液晶表示素子であって、 該第1反射層は、第1波長帯域の光を反射する第1反射
    領域と、第2波長帯域の光を反射する第2反射領域とを
    含み、該第2反射層は、第2波長帯域の光を反射する第
    3反射領域と、第3波長帯域の光を反射する第4反射領
    域とを含み、 該第1反射層の該第1反射領域は、該第2反射層の該第
    4反射領域の一部と該第3反射領域とに対向し、該第2
    反射層の該第4反射領域は、該第1反射層の該第1反射
    領域の一部と該第2反射領域とに対向しており、 該第1液晶層は、印加電圧に応じて互いに異なる波長帯
    域の光の透過率が変化する第1液晶領域と第2液晶領域
    とを有し、該第1液晶領域及び該第2液晶領域のそれぞ
    れは、印加電圧に応じて該第1波長帯域及び第2波長帯
    域の光の少なくとも一方の光の透過率を変化し、該第2
    波長帯域及び該第3波長帯域の光の少なくとも一方の光
    の透過率を変化しないように配置され、 該第2液晶層は、印加電圧に応じて可視光の全波長帯域
    の光の透過率が変化する第3及び第4液晶領域を有し、
    該第3液晶領域は該第3反射領域に対向し、該第4液晶
    領域は該第4反射領域に対向し、 該電圧印加手段は該第1及び第2液晶層の各液晶領域に
    対して電圧を選択的に印加し、それによってカラー表示
    を行う反射型カラー液晶表示素子の製造方法であって、 第1透明基板の表面に、第1領域と第2領域とに分離す
    る壁を高分子材料を用いて形成する工程と、 該高分子材料を介して、該第1透明基板と第2透明基板
    とを接着する工程と、 該第1領域と該第2領域にそれぞれ異なる波長帯域の光
    を吸収する液晶材料を注入し、該第1液晶領域と該第2
    液晶領域とを形成する工程と、 を包含する反射型カラー液晶表示素子の製造方法。
JP22561295A 1995-09-01 1995-09-01 反射型カラー液晶表示素子及びその製造方法 Withdrawn JPH0968717A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8953126B2 (en) 2009-09-23 2015-02-10 Samsung Display Co., Ltd. Liquid crystal display

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US8953126B2 (en) 2009-09-23 2015-02-10 Samsung Display Co., Ltd. Liquid crystal display

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