JPH1054996A - 積層型液晶表示素子およびこれに用いられるアクティブマトリクス基板の製造方法 - Google Patents

積層型液晶表示素子およびこれに用いられるアクティブマトリクス基板の製造方法

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JPH1054996A
JPH1054996A JP21162896A JP21162896A JPH1054996A JP H1054996 A JPH1054996 A JP H1054996A JP 21162896 A JP21162896 A JP 21162896A JP 21162896 A JP21162896 A JP 21162896A JP H1054996 A JPH1054996 A JP H1054996A
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color
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JP21162896A
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Masahiko Tomikawa
昌彦 富川
Kenichi Iwauchi
謙一 岩内
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも二層の液晶層を備えた積層型液晶
表示素子において、一絵素当りのスイッチング素子数を
低減させると共に、より明るい多色表示を実現する。 【解決手段】 透明基板1・2・3の間に第1液晶層4
および第2液晶層5を備えた積層型液晶表示素子におい
て、第1液晶層4においてシアンのカラーフィルタ6a
に対応するマゼンタの領域4aと、第2液晶層5におい
てイエローのカラーフィルタ6cに対応するマゼンタの
領域5bとを、貫通孔14、透明電極2a、および貫通
孔15を介して電気的に接続することにより、これらの
領域4a・5bを同一のTFT13aによって駆動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも二層の
液晶層を備え、各液晶層の光透過特性を制御することに
よって多色表示を実現する積層型液晶表示素子と、これ
に用いられるアクティブマトリクス基板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶表示素子は、時計や電子
卓上計算機をはじめとして、ノート型コンピュータやワ
ードプロセッサ、更にはテレビジョン受像機などにおけ
るディスプレイとして、広い分野にわたって使用されて
いる。
【0003】従来の液晶表示素子の表示モードの一種と
して、液晶セル内の液晶分子配向を初期配向として約9
0°ねじる、いわゆるTN(Twisted Nematic) モードが
知られている。このTNモードによれば、偏光軸が直交
するように配置した一組の偏光板の間に液晶セルを配す
ることにより、TNモードの液晶の電気光学特性(すな
わち、電圧無印加時の旋光特性、及び電圧印加時の旋光
解消特性)を利用してモノクロ表示が可能である。
【0004】従来のTNモードの液晶表示素子における
カラー表示は、例えば次のようにして実現されている。
すなわち、液晶セル内に、例えば赤、緑、青の微小寸法
のマイクロカラーフィルタを表示画素毎に設け、前記の
TNモードの電気光学特性を利用して、加法混色により
マルチカラー表示やフルカラー表示を行う。このカラー
表示の原理は、従来、アクティブマトリクス駆動や単純
マトリクス駆動を採用した液晶テレビジョンなどの液晶
表示素子に採用されている。
【0005】また、この他に、少なくとも二層の液晶層
を設けることによってカラー表示を実現する積層型液晶
表示素子も従来から知られている。例えば、特開昭60
−173520号公報や特開昭61−134789号公
報には、アクティブマトリクス駆動の積層型液晶表示素
子が開示されている。
【0006】例えば特開昭60−173520号公報に
開示されたような従来の積層型液晶表示素子は、二色性
色素を含む液晶(ゲストホスト液晶)からなる液晶層を
二層備えており、加法混色を用いて多色表示を実現す
る。
【0007】より詳しくは、このような従来の液晶表示
素子は、図12に示すように、透明電極66・67をそ
れぞれ備えた透明基板61・63と、これら透明基板6
1・63の間に配される中間基板62とを備えている。
中間基板62の両面には、画素電極64・65がそれぞ
れ形成されており、画素電極64側にはTFT等のスイ
ッチング素子71が形成されている。また、中間基板6
2には、貫通孔70が形成されており、この貫通孔70
を通じて画素電極64・65が一対一に電気的に接続さ
れている。また、透明基板61および中間基板62の間
にゲストホスト液晶層68が設けられ、中間基板62お
よび透明基板63の間にゲストホスト液晶層69が設け
られている。
【0008】また、例えば特開昭61−134789号
公報には、加法混色を用いて多色表示を実現する二層型
のゲストホスト型液晶表示素子が開示されている。この
液晶表示素子は、図13に示すように、三枚のガラス基
板72・73・74の間に、ゲストホスト液晶からなる
第1液晶層79および第2液晶層80を備えた構成であ
る。上記の構成において、中間のガラス基板73の両面
には、画素電極75・76がそれぞれ形成されている。
そして、他の二枚のガラス基板72・74のいずれか
に、各画素に対応するようにスイッチング素子82が設
けられている。
【0009】また、中間のガラス基板73には貫通孔8
1が形成されており、この貫通孔81を通じて、ガラス
基板73の両面にそれぞれ形成された画素電極75・7
6が一対一に電気的に接続されている。すなわち、第1
液晶層79および第2液晶層80において同一の画素に
対応する画素電極が、垂直方向に結線されている。
【0010】上記の構成では、垂直方向に結線された画
素電極が同一のスイッチング素子によって駆動されるの
で、一絵素当りに必要なスイッチング素子数は、一絵素
を構成する画素数と液晶層数との積の1/2になる。ま
た、一絵素当りの貫通孔の数は中間ガラス基板の画素毎
に貫通孔を設けて上部電極と下部電極を接続しているた
め、一絵素を構成する画素数になる。
【0011】また、特開平6−202099号公報に開
示された液晶表示パネルは、図14に示すように、基板
97表面に異なる二色のカラーフィルタ91a・91b
が並置されてなるカラーフィルタ層91と、それぞれ異
なる二種類の二色性色素を含有する第一および第二液晶
層92・93とを備えている。第一液晶層92と第二液
晶層93との間には共通電極96が設けられ、カラーフ
ィルタ91a・91b上には画素電極95a・95bが
設けられている。また、基板98には、上記カラーフィ
ルタ91a・91bに対応する位置に、画素電極94a
・94bが設けられている。これにより、第一・第二液
晶層92・93に対して別々に電圧を印加することによ
って、多色表示を可能としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術によれば、以下の問題点を有している。図12及
び図13に示すような構成では、一絵素を表示するスイ
ッチング素子数は、一絵素を表示する画素数と液晶層数
との積の1/2である。しかしながら、この構成は加法
混色を用いているため、光の利用効率は最大でも1/3
になり、明るい表示が困難である。また、一絵素当りの
結線数すなわち貫通孔の数は画素数と同数であるため、
接続不良が起こる確率が高くなり、製造コストや歩留ま
りの面で不利である。
【0013】また、図14に示したような従来の構成で
は、一絵素を表示するスイッチング素子数は、一絵素を
表示する画素数と液晶層数との積になる。さらに、二枚
の基板にスイッチング素子を形成しなければならないの
で、製造工程が複雑化し、製造コストや歩留まりの面で
不利である。
【0014】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、積層型液晶表示素子において、一絵素当りのスイッ
チング素子数を低減させると共に、より明るい多色表示
を実現することを主な目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係る積層型液晶表示素子は、第1の液晶
層と第2の液晶層とを備え、第1の液晶層において一絵
素に対応する複数の画素領域の少なくとも一つが、第2
の液晶層において上記一絵素に対応する複数の画素領域
であって自らと重なりを持たない画素領域と、同じスイ
ッチング素子によって駆動されることを特徴としてい
る。
【0016】上記の構成では、一絵素を構成する画素の
数をnとすると、一絵素に対応する画素領域の総数は、
液晶層が二層あることから、2nとなる。また、第1お
よび第2の液晶層において同じスイッチング素子によっ
て駆動される画素領域の数をmとすると、一絵素当りに
必要なスイッチング素子の数は、2n−mとなる。これ
は、一絵素を構成する画素の数と液晶層の数との積(2
n)よりも小さい。
【0017】さらに、上記の構成は、第1および第2の
液晶層において、同じスイッチング素子によって駆動さ
れる画素領域が互いに重なりを持たないように構成され
ていることにより、これらの画素領域のそれぞれに対し
て重なりを持つ画素領域を他のスイッチング素子を用い
て駆動すれば、第1および第2の液晶層において同一画
素に対応する画素領域のそれぞれを、互いに異なるスイ
ッチング素子で独立して駆動することができる。この結
果、二層の液晶層において同一画素に対応する部分の光
透過特性を独立に制御することができるので、例えば、
第1の液晶層と第2の液晶層とが互いに異なる波長域の
光の透過を制御するようにすれば、多色表示が可能とな
る。
【0018】すなわち、上記の構成によれば、多色表示
が可能な液晶表示素子において一絵素当りに必要なスイ
ッチング素子数を減少させることができる。これによ
り、製造工程が簡略化されることから製造コストの削減
を図ることができると共に、歩留りの向上も期待でき
る。
【0019】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、第1の液晶層と第2の液晶層との
間に形成される第1および第2の絶縁層と、第1および
第2の絶縁層の間に形成される導電層とをさらに備え、
同じスイッチング素子によって駆動される第1および第
2の液晶層の画素領域が、上記第1および第2の絶縁層
にそれぞれ形成された貫通孔を介して上記導電層と電気
的に結合されたことを特徴とする。
【0020】このように、第1および第2の絶縁層の間
に導電層を設け、この導電層と第1および第2の液晶層
の画素領域のそれぞれとを貫通孔を介して電気的に結合
させたことにより、第1および第2の液晶層において互
いに重なりを持たない画素領域同士を電気的に接続する
ことができる。
【0021】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、第1および第2の液晶層の間に中
間基板をさらに備え、第1および第2の液晶層を駆動す
るスイッチング素子のすべてが上記中間基板に設けられ
たことを特徴とする。これにより、スイッチング素子を
形成する基板が一枚で良いので、製造工程が簡略化され
ることから製造コストの削減を図ることができる。
【0022】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、第1および第2の液晶層の少なく
とも一方にゲストホスト液晶を用いたことを特徴とす
る。ゲストホスト液晶は二色性色素を含み、所定の電圧
のON/OFFに対応して色素に応じた所定の波長域の
光の吸収または透過を制御するので、多色表示が可能と
なる。特に、ホワイト/テイラー型のゲストホスト液晶
を用いれば、偏光板が不要となるので明るい表示が可能
となる。
【0023】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、第1および第2の液晶層の少なく
とも一方に、高分子分散型液晶を用いたことを特徴とす
る。高分子分散型液晶は、配向膜や偏光板を必要としな
いので、製造コストの低減を図れると共に、明るい表示
が可能となる。
【0024】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、カラーフィルタ層をさらに備えた
ことを特徴とする。これにより、さらに多種類の色の表
示が可能となる。
【0025】さらに、上記カラーフィルタ層が、シアン
・マゼンタ・イエローの各色をそれぞれ透過する三種類
のフィルタ領域を備えた構成とすれば、多色表示が可能
となると共に、減法混色を用いることにより光の利用効
率が向上し、より明るい表示が可能となる。
【0026】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、第1および第2の液晶層を透過し
た光を反射させる反射層をさらに備えたことを特徴とす
る。これにより、バックライトが不要となるので、液晶
表示素子の薄型化を図れると共に、消費電力を低減する
ことが可能となる。
【0027】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、第1および第2の液晶層が、同一
の液晶材料からなることを特徴とする。これにより、二
層の液晶層を同一の駆動方法で駆動することが可能とな
るので、この積層型液晶表示素子を駆動するための駆動
回路を簡略化することができる。
【0028】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、第1および第2の液晶層において
互いに重なる画素領域は、互いに異なる色の光を制御す
ることを特徴とする。第1および第2の液晶層において
互いに重なる画素領域は、互いに異なるスイッチング素
子によって独立して駆動される。このため、これらの画
素領域への電圧の印加・無印加をスイッチング素子が制
御することにより、各液晶層における所定の色の光の透
過特性を選択的に制御することができるので、多色表示
が可能となる。
【0029】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、一絵素が第1ないし第3の画素に
よって構成され、第1の液晶層において第1の画素に対
応する画素領域が三原色の内の第1の色の透過を制御す
ると共に第2および第3の画素に対応する画素領域が第
2の色の透過を制御し、第2の液晶層において第1およ
び第2の画素に対応する画素領域が第3の色の透過を制
御すると共に第3の画素に対応する画素領域が第1の色
の透過を制御し、第1の画素に対応する領域において第
2の色を透過させ、第2の画素に対応する領域において
第1の色を透過させ、第3の画素に対応する領域におい
て第3の色を透過させるカラーフィルタ層をさらに備
え、第1の液晶層において第1の画素に対応する画素領
域と、第2の液晶層において第3の画素に対応する画素
領域とが、同じスイッチング素子によって駆動されるこ
とを特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、第1の液晶層におい
て第2および第3の画素は同一の画素領域として一つの
スイッチング素子によって駆動され、第2の液晶層にお
いて第1および第2の画素は同一の画素領域として一つ
のスイッチング素子によって駆動される。さらに、第2
の液晶層において第3の画素に対応する画素領域が、第
1の液晶層において第1の画素に対応する画素領域と同
じスイッチング素子によって駆動されることにより、こ
の構成において一絵素当りに必要なスイッチング素子数
は僅か3個で済む。すなわち、この構成によれば、多色
表示が可能で、且つ、一絵素当りのスイッチング素子数
を低減できる。さらに、第1および第2の液晶層におい
て同じスイッチング素子によって駆動される画素領域
は、一絵素当り一つだけであることから、これらの画素
領域を電気的に接続する箇所で断線が生じる確率を低減
することができる。これにより、製造工程の簡略化が図
れると共に、歩留りの向上も期待できる。この結果、多
色表示が可能な液晶表示素子をより低い製造コストで提
供することが可能となる。
【0031】なお、上記三原色をシアン・マゼンタ・イ
エローとした構成は、減法混色によって明るい表示が可
能となることから特に好ましい。
【0032】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、一絵素が第1ないし第3の画素に
よって構成され、第1の液晶層において第1の画素に対
応する画素領域が三原色の内の第1の色の透過を制御す
ると共に第2および第3の画素に対応する画素領域が第
2の色の透過を制御し、第2の液晶層において第1およ
び第2の画素に対応する画素領域が第3の色の透過を制
御すると共に第3の画素に対応する画素領域が第1の色
の透過を制御し、第1の画素に対応する領域において第
2の色を反射し、第2の画素に対応する領域において第
1の色を反射し、第3の画素に対応する領域において第
3の色を反射させる反射層と、上記第1および第2の液
晶層と上記反射層とを透過した光を吸収する吸収層とを
さらに備え、第1の液晶層において第1の画素に対応す
る画素領域と、第2の液晶層において第3の画素に対応
する画素領域とが、同じスイッチング素子によって駆動
されることを特徴としている。
【0033】これにより、バックライトを必要としない
反射型の液晶表示素子において多色表示を実現すること
が可能となる。また、この液晶表示素子において一絵素
当りに必要なスイッチング素子数は僅か3個である。さ
らに、第1および第2の液晶層において同じスイッチン
グ素子によって駆動される画素領域は、一絵素当り一つ
だけであることから、これらの画素領域を電気的に接続
する箇所で断線が生じる確率を低減することができる。
この結果、多色表示が可能な液晶表示素子を、より低い
製造コストで提供することが可能となる。
【0034】なお、上記三原色をシアン・マゼンタ・イ
エローとした構成は、減法混色によって明るい表示が可
能となることから特に好ましい。
【0035】上記の本発明に係る積層型液晶表示素子
は、より好ましくは、一絵素が第1ないし第3の画素に
よって構成され、第1の液晶層において第1の画素に対
応する画素領域が三原色の内の第1の色の反射を制御す
ると共に第2および第3の画素に対応する画素領域が第
2の色の反射を制御し、第2の液晶層において第1およ
び第2の画素に対応する画素領域が第3の色の反射を制
御すると共に第3の画素に対応する画素領域が第1の色
の反射を制御し、上記第1および第2の液晶層を透過し
た光を吸収する吸収層をさらに備え、第1の液晶層にお
いて第1の画素に対応する画素領域と、第2の液晶層に
おいて第3の画素に対応する画素領域とが、同じスイッ
チング素子によって駆動されることを特徴としている。
【0036】上記の構成によれば、バックライトを必要
としない液晶表示素子において多色表示を実現すること
が可能である。また、この液晶表示素子において一絵素
当りに必要なスイッチング素子数は僅か3個である。さ
らに、第1および第2の液晶層において同じスイッチン
グ素子によって駆動される画素領域は、一絵素当り一つ
だけであることから、これらの画素領域を電気的に接続
する箇所で断線が生じる確率を低減することができる。
この結果、多色表示が可能な液晶表示素子を、より低い
製造コストで提供することが可能となる。
【0037】特に、第1および第2の液晶層の少なくと
も一方に、コレステリック液晶を用いた構成とすれば、
コレステリック液晶は材料の選択範囲が広く、選択反射
光の波長域の温度依存性の少ない材料を用いることが可
能となるので、周囲温度等に対して安定した表示特性を
有する液晶表示素子を実現することができる。
【0038】あるいは、第1および第2の液晶層の少な
くとも一方が、所定の波長帯域の光の透過を制御する液
晶薄膜と高分子薄膜とを交互に積層させてなる構成とす
れば、偏光板が不要となるので、明るい表示が可能とな
る。
【0039】前記の課題を解決するために、本発明に係
る積層型液晶表示素子に用いられるアクティブマトリク
ス基板の製造方法は、少なくとも二層の液晶層を有する
積層型液晶表示素子に用いられるアクティブマトリクス
基板の製造方法であって、透明基板上に導電膜を形成す
る工程と、上記導電膜を覆うように上記透明基板上に絶
縁膜を形成する工程と、上記透明基板および絶縁膜に貫
通孔を形成する工程と、上記透明基板および絶縁膜の少
なくとも一方の表面にスイッチング素子を形成する工程
と、上記透明基板および絶縁膜の各々の表面に画素電極
を形成する工程とを含むと共に、上記画素電極を形成す
る工程において、透明基板および絶縁膜の各々の表面に
おいて一絵素当り少なくとも一対の画素電極が、上記貫
通孔を介して同一の導電膜に対して電気的に接続される
ことを特徴としている。
【0040】上記の製造方法によれば、一絵素に対応す
る画素電極の内の少なくとも一対が、貫通孔および導電
膜を介して電気的に接続されるので、この一対の画素電
極に対して必要なスイッチング素子は1個で良い。この
結果、一絵素当りに必要なスイッチング素子数が少なく
て済むので、製造工程を簡略化することができ、製造コ
ストの抑制を図ることが可能となる。さらに、歩留りの
向上も期待できる。
【0041】上記の製造方法において、上記貫通孔を介
して同一の導電膜と接続される一対の画素電極を、一絵
素において互いに異なる画素に対応する画素電極の組合
せから選択すれば、この一対の画素電極の各々と同じ画
素に対応する画素電極は、他のスイッチング素子によっ
て駆動されることとなるので、二層の液晶層において同
一の画素に対応する領域を独立に駆動するアクティブマ
トリクス基板を実現することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施に係る一形態について、
図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。図1は、本実施形態の液晶表示素子の概略構成を示
す断面図であり、一絵素に対応する部分の構成を示して
いる。上記液晶表示素子は、図1に示すように、所定の
間隔で配された3枚の透明基板1・2・3を備えてい
る。
【0043】透明基板2(第1の絶縁層)における透明
基板1側の表面には、各絵素に対して一つずつ、透明電
極2a(導電層)が形成されている。この透明電極2a
は、例えばITOによって実現することができる。ま
た、上記透明電極2aと、透明基板2において透明電極
2aが形成されている表面とを覆うように、SiO2
2b(第2の絶縁層)が形成されている。このSiO2
膜2bには、透明電極2aの一部を露出させる貫通孔1
4が形成されている。
【0044】透明基板1・2の間には第1液晶層4(第
1の液晶層)が設けられ、透明基板2・3の間には第2
液晶層5(第2の液晶層)が設けられている。上記の第
1液晶層4は、互いに異なる色素分子を含有した液晶が
それぞれ封入された画素領域としての領域4a・4bか
らなる。また、上記の第2液晶層5も、互いに異なる色
素分子を含有した液晶がそれぞれ封入された領域5a・
5bからなる。
【0045】透明基板1における第1液晶層4側の表面
には、カラーフィルタ層6と透明電極7とが順次積層さ
れている。透明基板3における第2液晶層5側の表面に
は、反射電極11(反射層)が設けられている。
【0046】透明基板2上に設けられた前記SiO2
2bの表面には、画素電極8a・8bと、TFT13a
・13b(スイッチング素子)とが設けられている。ま
た、透明基板2における第2液晶層5側の表面には、画
素電極8c・8dと、TFT13cが設けられている。
TFT13aは、画素電極8aに接続されている。TF
T13bは、画素電極8bに接続されている。TFT1
3cは、画素電極8cに接続されている。
【0047】なお、上記の画素電極8aは、前述の貫通
孔14内部に入り込んで、貫通孔14の底部に露出して
いる透明電極2aと接続するように形成されている。ま
た、透明基板2にも貫通孔15が設けられており、画素
電極8dは、この貫通孔15内部に入り込んで透明電極
2aと接続するように形成されている。これにより、T
FT13aは、貫通孔14内部の画素電極8aおよび透
明電極2aを介して、画素電極8dと電気的に接続され
ている。すなわち、第1液晶層4の領域4aおよび第2
液晶層5の領域5bは、電気的に互いに接続されて、共
にTFT13aによって駆動される。また、第1液晶層
4の領域4bはTFT13bによって、第2液晶層5の
領域5aはTFT13cによってそれぞれ独立に駆動さ
れる。
【0048】なお、上記の構成によれば、透明基板2上
に第2の絶縁層として設けられたSiO2 膜2bは、一
般にガラス基板等によって実現される透明基板2に比較
して薄く形成することができるので、このSiO2 膜2
bを貫通する貫通孔14は、貫通孔15よりも浅くな
る。すなわち、第2の絶縁層をSiO2 を用いて形成し
たことにより、貫通孔14の深さが浅くなり、画素電極
8aと透明電極2aとの接触不良が起こり難くなる。こ
の結果、歩留りの向上が図れる。
【0049】ここで、カラーフィルタ層6、第1液晶層
4、および第2液晶層5の関係について説明する。カラ
ーフィルタ層6は、所定の波長域の光を透過すると共に
他の波長域を吸収し、かつ、画素電極8a・8bと透明
電極7との間に印加される外部電場によって透過率が変
化しない物質から形成される。この実施形態では、カラ
ーフィルタ層6は、シアン(C)のフィルタ6a、マゼ
ンタ(M)のフィルタ6b、およびイエロー(Y)のフ
ィルタ6cの三種類のフィルタ領域の各々が、一絵素を
構成する各画素に対応するように並置されてなる。
【0050】シアンのフィルタ6aは、青(青紫)の光
と緑の光とを透過させ、赤の光を吸収する。マゼンタの
フィルタ6bは、青(青紫)の光と赤の光とを透過さ
せ、緑の光を吸収する。イエローのフィルタ6cは、緑
の光と赤の光とを透過させ、青(青紫)の光を吸収す
る。
【0051】第1液晶層4および第2液晶層5は、前述
のように、領域4a・4bおよび領域5a・5bからそ
れぞれ構成されている。この実施形態では、図1に示す
ように、領域4aおよび5bにはマゼンタ(M)の二色
性色素分子を含むゲストホスト液晶が封入されている。
また、領域4bにはシアン(C)の二色性色素分子、領
域5aにはイエロー(Y)の二色性色素分子をそれぞれ
含むゲストホスト液晶がそれぞれ封入されている。ただ
し、各領域に含まれる二色性色素分子の種類や組合せ
は、この実施形態に示した例に限定されるものではな
い。
【0052】第1液晶層4において、領域4aはシアン
のフィルタ6aに対応するように、領域4bはマゼンタ
のフィルタ6bおよびイエローのフィルタ6cに対応す
るように、それぞれ形成されている。また、第2液晶層
5において、領域5aはシアンのフィルタ6aおよびマ
ゼンタのフィルタ6bに対応するように、領域5bはイ
エローのフィルタ6cに対応するように、それぞれ形成
されている。
【0053】第1液晶層4および第2液晶層5を形成す
るゲストホスト液晶は、それぞれ対応する電極間に電圧
が印加されない時(電圧無印加時)に、液晶分子の長軸
方向と二色性色素分子の長軸方向とが、透明基板1に対
して略平行となる。これにより光の吸収が生じて、透過
光が二色性色素分子に独特な色を呈する。一方、電極間
に電圧が印加された時(電圧印加時)には、液晶分子の
長軸方向と二色性色素分子の長軸方向とが、透明基板1
に対して略垂直となり、光が透過するようになってい
る。
【0054】次に、上述の液晶表示素子の製造方法の一
例について説明する。透明基板1・3としては、例え
ば、コーニング社製の「7059」ガラス基板を使用す
ることができる。このガラス基板の厚みは1.1mmで
ある。透明基板1上に、カラーフィルタ層6として染料
カラーフィルタを形成し、このカラーフィルタ層6の上
に透明電極7としてITO膜を形成する。
【0055】透明基板3上には、反射電極11として、
スパッタリングにてAl膜を成膜した。さらに、このA
l膜の表面を、マスクを用いて凸凹に処理することが好
ましい。この理由は次のとおりである。すなわち、Al
膜の表面が鏡面である場合は、正反射方向のみが非常に
明るくなり視野角が非常に狭くなる。このAl膜を凸凹
に処理することにより、正反射方向の明るさと視野角範
囲とを所望の状態にコントロールすることができる。
【0056】なお、透明電極7としてのITO膜の厚み
は、薄くなりすぎると抵抗値が大きくなりすぎて均一な
表示が得られなくなるという問題がある。その逆に厚く
なりすぎると透過率が低下すると共に細かいパターニン
グが困難になるという問題が生じる。そこで、上記IT
O膜の厚みとしては400Å〜2000Åが適切であ
り、さらに好ましくは800Å〜1500Åである。本
実施形態では上記ITO膜の厚みを1000Åとした。
【0057】透明基板2は、例えばコーニング社製の
「7059」ガラス基板を用いることができ、その一方
の表面にITO膜をスパッタリングにて形成することに
より、一絵素毎に透明電極2aを形成する。次に、この
透明電極2aの上に、プラズマCVDによってSiO2
膜2bを形成する。さらに、エッチングによって、上記
SiO2 膜2bにおいて後に画素電極8aを形成する領
域内と、透明基板2において後に画素電極8dを形成す
る領域内とに、貫通孔14・15をそれぞれ形成する。
【0058】その後、透明基板2のSiO2 膜2b上
に、TFT13a・13bと画素電極8a・8bとを形
成する。また、透明基板2の他方の表面に、TFT13
cと画素電極8c・8dを形成する。なお、透明基板2
は、視差を最小限に抑えるために、比較的薄く作製する
ことが好ましい。
【0059】さらに、第1液晶層4と第2液晶層5のゲ
ストホスト液晶を初期配向させるための、図示しない垂
直配向膜を形成する。この垂直配向膜は、例えば、N,
N’−ジメチル−N−オクタデシル−3−アミノプロピ
ルトリメトキシリル・クロライド(N,N'-dimethyl-N-oct
adecyl-3-aminopropyltrimethoxysilyl chloride) を用
いて形成することができる。
【0060】透明基板1・2・3の間隔は、小さすぎる
と製造上の問題に加えて光の吸収が不十分となるし、大
きすぎると必要な駆動電圧が高くなると共に応答速度が
遅くなるという問題を招来する。そこで、透明基板1と
透明基板2との間隔、および透明基板2と透明基板3と
の間隔としては、3μm〜10μmが適切である。本実
施形態では、これらの透明基板の間隔をそれぞれ均一に
保つために設ける図示しないスペーサとして、例えば、
日本電気硝子株式会社製のファイバーグラスを使用し、
透明基板1・2の間隔および透明基板2・3の間隔を、
何れも7μmとする。
【0061】第1液晶層4および第2液晶層5におい
て、ホストとしての液晶には、例えばメルク社製の商品
名「ZLI−4792」を用いることができる。また、
ゲストとしての二色性色素には、シアンには、例えば三
井東圧化学株式会社製の商品名「シアンSI−497」
を、マゼンタには、例えば三井東圧化学株式会社製の商
品名「マゼンタM−618」を、イエローには、例えば
三井東圧化学株式会社製の商品名「イエローM−71
0」を使用することができる。
【0062】液晶セルの厚みdとカイラルピッチ長pと
の比(d/p)は、小さすぎるとコントラスト比が低下
し、大きすぎると必要な駆動電圧が高くなるという問題
を招来する。そこで、d/pの値は1〜5が適切であ
り、さらに好ましくは1.2〜2である。本実施形態で
は、d/pの値が1.7になるようにした。
【0063】ここで、d/p=1.7に設定した根拠に
ついて、図2を参照しながら以下に説明する。図2に示
すように、印加電圧に対する液晶の光の透過率は、d/
pの値に依存して異なる特性を示す。一般に、本実施形
態の液晶表示素子のような反射型液晶表示素子において
は、実用化の条件として、(1)コントラスト比が5以
上であることと、(2)アクティブ素子に印加される電
圧が7V以下であることが要求される。図2より、これ
らの要求を同時に満たすd/pの最適値は1.7である
ことがわかる。以上の理由により、本実施形態では、d
/pの値を1.7に設定した。
【0064】二色性色素の色素濃度に関しては、低すぎ
ると光が十分吸収されないし、高すぎると低温時に色素
が析出してしまうという問題を招来する。そこで、二色
性色素の色素濃度としては、1重量パーセント〜10重
量パーセントが適切であり、さらに好ましくは2重量パ
ーセント〜5重量パーセントである。本実施形態では、
色素濃度を4重量パーセントとした。このとき、透過に
おけるコントラスト比は5であった。
【0065】第1液晶層4および第2液晶層5のそれぞ
れにおいて、二種類のゲストホスト液晶を二つの領域に
分離して注入するために、本実施形態では、以下の手法
を用いた。まず、上述のように、透明電極、スイッチン
グ素子、あるいは配向膜等を必要に応じてそれぞれ形成
したガラス基板を二枚用意し、各ガラス基板に、例えば
東京応化工業株式会社製の商品名「OPSR−560
0」などの接着性レジストを塗布した後、紫外線を照射
することにより、図3に示すような櫛形の壁51を形成
する。その後、上記の二枚のガラス基板を貼り合わせて
焼成する。そして、二つの液晶注入口52・53から、
互いに異なる二色性色素をそれぞれ含有した二種類の液
晶54・55をそれぞれ注入する。
【0066】なお、上記の接着性レジストを使用する方
法の他に、ガラス基板の表面に、図3に示した櫛形の壁
51と同様の形状の凸部を、ゾルゲル法などに基づいて
形成したり、あるいは、フッ酸を用いたエッチングなど
によって溝を形成したりして、透明基板自体に凹凸を設
ける方法を用いても良い。また、マイクロカプセル化の
技術を用い、印刷法に基づいて、二種類のゲストホスト
液晶が二つの領域に分離させて配置しても良い。その他
に、シール剤を配するために使用されるディスペンサを
用いて高分子の壁を形成し、二種類のゲストホスト液晶
を一色ずつ形成しても良い。
【0067】次に、本実施形態の液晶表示素子の駆動に
ついて説明する。まず、図1に示すシアンのフィルタ6
aを例として、上記液晶表示素子におけるカラー表示の
原理を説明する。上記シアンのフィルタ6aは、第1液
晶層4におけるマゼンタの領域4aと、第2液晶層5に
おけるイエローの領域5aとに対応し、一絵素中の一画
素を形成している。領域4aおよび領域5aは、TFT
13aおよびTFT13cによって、それぞれ独立して
駆動される。このため、シアンのフィルタ6aに対応す
る画素の表示状態は、領域4aおよび領域5aの各々へ
の電圧印加の有無によって、以下の4つの場合1)〜
4)に分類される。
【0068】1)領域4a・5aに対して共に電圧が印
加されていない場合(図4参照) この場合、図4に示すように、シアン(C)のフィルタ
6aによって赤(R)の光が吸収され、第1液晶層4に
おけるマゼンタ(M)の領域4aによって緑(G)の光
が吸収され、第2液晶層5におけるイエロー(Y)の領
域5aによって青(B)の光が吸収される。この結果、
反射電極11に光は入射しないので、フィルタ6aに対
応する画素は黒表示になる。
【0069】2)領域4aに所定の電圧が印加され、且
つ領域5aに電圧が印加されていない場合 この場合、フィルタ6aによって赤の光が吸収され、青
と緑の光は吸収されずにそのままマゼンタの領域4aで
も吸収されずにこれを透過し、イエローの領域5aによ
って青の光が吸収される。この結果、反射電極11に入
射する光は緑のみである。よって、フィルタ6aに対応
する画素は緑表示になる。
【0070】3)領域4aに電圧が印加されず、且つ領
域5aに電圧が印加された場合 この場合、フィルタ6aによって赤の光が吸収され、マ
ゼンタの領域4aによって緑の光が吸収され、青の光は
吸収されずにそのままイエローの領域5aを透過する。
この結果、反射電極11に入射する光は青のみである。
よって、フィルタ6aに対応する画素は青表示になる。
【0071】4)領域4a・5aに対して共に所定電圧
が印加されている場合 この場合、フィルタ6aによって赤の光が吸収され、領
域4a・5aでは光が吸収されないので、反射電極11
に入射する光は緑と青である。よってフィルタ6aに対
応する画素はシアン表示となる。
【0072】以上と同様に、図1に示すマゼンタのフィ
ルタ6bに対応する画素については、上記の1)〜4)
の場合のそれぞれにおいて、黒、赤、青、マゼンタ表示
となる。また、イエローのフィルタ6cに対応する画素
については、上記の1)〜4)の場合のそれぞれにおい
て、黒、赤、緑、イエロー表示となる。
【0073】以下に、シアンのフィルタ6a、マゼンタ
のフィルタ6b、およびイエローのフィルタ6cがそれ
ぞれ対応する三つの画素によって構成される一絵素の表
示状態と、液晶層の各領域への電圧印加状態の組合せと
の関係について、表1ないし表8を用いて説明する。
【0074】まず、上記の絵素における赤表示は、表1
に示すような印加電圧の組み合わせにより得られる。つ
まり、第1液晶層4において、シアンのフィルタ6aに
対応する領域4aに対して電圧を印加せず(OFF)、
マゼンタのフィルタ6bおよびイエローのフィルタ6c
に対応する領域4bに対して所定の電圧を印加する(O
N)。また、第2液晶層5において、シアンのフィルタ
6aおよびマゼンタのフィルタ6bに対応する領域5a
をOFFとする。この時、前述のとおり、第1液晶層4
の領域4aと、第2液晶層5の領域5bとは、共にTF
T13aによって駆動されるので、領域5bは領域4a
と同様にOFFとなる。この結果、シアンのフィルタ6
aに対応する画素のみが黒表示となり、マゼンタのフィ
ルタ6bに対応する画素とイエローのフィルタ6cに対
応する画素とが共に赤表示となるので、この絵素は全体
として赤表示となる。
【0075】
【表1】
【0076】緑表示は、表2に示すような印加電圧の組
み合わせにより得られる。つまり、シアンのフィルタ6
aに対応する画素とイエローのフィルタ6cに対応する
画素とが共に緑表示を行い、マゼンタのフィルタ6bに
対応する画素が黒表示を行うので、この絵素は全体とし
て緑表示を行う。
【0077】
【表2】
【0078】青表示は、表3に示すような印加電圧の組
み合わせにより得られる。つまり、シアンのフィルタ6
aに対応する画素とマゼンタのフィルタ6bに対応する
画素とが共に青表示を行い、イエローのフィルタ6cに
対応する画素が黒表示を行うので、この絵素は全体とし
て青表示を行う。
【0079】
【表3】
【0080】シアン表示は、表4に示すような印加電圧
の組み合わせにより得られる。つまり、シアンのフィル
タ6aに対応する画素がシアン表示を行い、マゼンタの
フィルタ6bに対応する画素が青表示を行い、イエロー
のフィルタ6cに対応する画素が緑表示を行う。青の光
と緑の光とが加法混色されるとシアンの光になり、三画
素のうち二画素がシアン表示を行うことと等価となるの
で、この絵素は全体としてシアン表示を行う。
【0081】
【表4】
【0082】マゼンタ表示は、表5に示すような印加電
圧の組み合わせにより得られる。つまり、シアンのフィ
ルタ6aに対応する画素が青表示を行い、マゼンタのフ
ィルタ6bに対応する画素がマゼンタ表示を行い、イエ
ローのフィルタ6cに対応する画素が赤表示を行う。青
の光と赤の光とが加法混色されるとマゼンタの光にな
り、三画素のうち二画素がマゼンタ表示を行うことと等
価となるので、この絵素は全体としてマゼンタ表示を行
う。
【0083】
【表5】
【0084】イエロー表示は、表6に示すような印加電
圧の組み合わせにより得られる。つまり、シアンのフィ
ルタ6aに対応する画素が緑表示を行い、マゼンタのフ
ィルタ6bに対応する画素が赤表示を行い、イエローの
フィルタ6cに対応する画素がイエロー表示を行う。緑
の光と赤の光とが加法混色されるとイエローの光にな
り、三画素のうち二画素がイエロー表示を行うことと等
価となるので、この絵素は全体としてイエロー表示を行
う。
【0085】
【表6】
【0086】黒表示は、表7に示すように、全ての領域
に対して電圧が印加されない場合に得られる。つまり、
全ての画素が黒表示を行うので、絵素全体として黒表示
となる。
【0087】
【表7】
【0088】白表示は、表8に示すように、全ての領域
に対して所定の電圧を印加し、各画素をシアン、マゼン
タ、イエロー表示させた場合に加法混色により得られ
る。
【0089】
【表8】
【0090】以上のように、本実施形態の液晶表示素子
は、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー、黒、お
よび白の8種類のカラー表示が可能である。なお、第1
液晶層4および第2液晶層5の上下方向の積層順序は任
意であり、順序を逆にしても、上記と同じ表示結果が得
られる。
【0091】従来、このようなカラー表示を実現するア
クティブマトリクス駆動の積層型液晶表示素子におい
て、一絵素に必要なスイッチング素子数は、一絵素を構
成する画素の数と液晶層の数との積である。しかし、本
実施形態の構成によれば、三つのTFT13a・13b
・13cによって、表1ないし表8に示すように、赤、
緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー、黒、および白の
8種類の表示が可能である。すなわち、本実施形態の構
成によれば、一絵素当りのスイッチング素子数は、一絵
素を構成する画素数と液晶層数との積より少なくて済
む。この結果、製造プロセスを簡略化できるので、製造
コストや歩留まりの面で有利になる。
【0092】また、上記の構成では、カラーフィルタ層
6、第1液晶層4および第2液晶層5において、シア
ン、マゼンタ、イエローのフィルタまたは二色性色素が
用いられている。すなわち、減法混色によって光の利用
効率が向上し、明るい多色表示が可能となっている。
【0093】さらに、上記の構成では、一絵素当りの貫
通孔の数は二個である。このため、各画素毎に貫通孔が
形成されていた従来の構成と比較して、接続不良が生じ
る可能性が小さくなり、歩留りの向上が図れる。
【0094】なお、上記では、第1液晶層4および第2
液晶層5として、表面を垂直配向したいわゆるホワイト
/テイラー型のゲストホスト液晶を用いた例について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例
えば、表面を平行配向処理したホワイト/テイラー型の
ゲストホストモードを用いてもよいし、他のゲストホス
トモードを用いてもよい。ただし、上述のようにホワイ
ト/テイラー型のゲストホストモードを用いれば、偏光
板が不要であることから、光の利用効率がさらに向上し
てより明るい表示が実現されるという点、および製造コ
ストを削減できるという点において、特に優れている。
【0095】また、ゲストホスト液晶を高分子材料でマ
イクロカプセル化した高分子分散型液晶として、いわゆ
るNCAP(Nematic Curvilinear Aligned Phase) を用
いても良い。このNCAPは、SID 92 DIGEST P.762 に
報告されている。
【0096】この液晶マイクロカプセルの作製法の一例
として、以下の方法が挙げられる。即ち、まず、液晶と
アラビアゴム溶液とを常温以上で乳化混合し、これに等
濃度のゼラチン溶液を添加する。次に、蒸留水を付加し
てpH(水素イオン濃度)を調整すると、ゼラチンとア
ラビアゴムとが反応して濃厚な液状ポリマーを生成す
る。そこで、温度を降下させるとコアセルベーションが
始まり、液晶微粒子の周囲にゼラチン・アラビアゴム皮
膜が癒着してカプセル膜が形成される。さらにアルデヒ
ドなどの硬化剤を添加してカプセル膜を熟成させる。こ
れにバインダを添加してインキ化したものを透明基板上
に印刷することで、高分子分散型液晶層を形成できる。
【0097】なお、上記高分子分散型液晶を用いれば、
配向膜や偏光板が不要となるので、製造コストを削減す
ることができると共に、光の利用効率が向上し、より明
るい表示が実現されるという効果を奏する。
【0098】また、上記では、カラーフィルタ層6とし
て染料カラーフィルタを用いた例について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、顔料
分散、あるいは印刷カラーフィルタを用いても良い。ま
た、シアン、マゼンタ、イエローを呈する液晶層をカラ
ーフィルタ層としても良い。
【0099】さらに、上記では、反射層としての反射電
極11を備えた反射型液晶表示素子を例に挙げて説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、この他
に、例えばバックライトを用いた透過型液晶表示素子と
しても良い。ただし、反射電極11を用いた構成によれ
ば、バックライトが不要であるので、装置の薄型化を図
れると共に、消費電力を低減することができるという点
で有利である。
【0100】また、上記では、スイッチング素子として
TFTを用いた例を挙げて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば、MIMをスイッチン
グ素子としても良い。
【0101】〔実施の形態2〕本発明の実施に係る他の
形態について、図5および図6を参照しながら説明すれ
ば以下のとおりである。なお、前記した実施の形態1で
説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の参照
番号を付記し、その詳細な説明を省略する。後述する他
の実施の形態においても同様とする。
【0102】本実施形態に係る液晶表示素子は、図5に
示すように、実施の形態1において図1に示した反射電
極11の代わりに、第2液晶層5と透明基板3との間
に、第2液晶層5側から順に、透明電極18と、誘電体
ミラー層19と、光吸収層20とを備えている。また、
この構成では、実施の形態1において図1に示したカラ
ーフィルタ層6は不要であるため、設けられていない。
【0103】上記誘電体ミラー層19は、所定の波長域
の光を透過させ、それ以外の波長域の光を反射するもの
であり、シアンの誘電体ミラー19a、マゼンタの誘電
体ミラー19b、およびイエローの誘電体ミラー19c
のそれぞれが、一絵素中の単一の画素に対応するように
並置されて構成されている。
【0104】シアンの誘電体ミラー19aは、青(青
紫)の光と緑の光とを反射させ、赤の光を透過させる。
マゼンタの誘電体ミラー19bは、青(青紫)の光と赤
の光とを反射させ、緑の光を透過させる。イエローの誘
電体ミラー19cは、緑の光と赤の光とを反射させ、青
(青紫)の光を透過させる。
【0105】上記透明電極18は、透明基板2において
第2液晶層5側に設けられたTFT13cの対向電極と
して機能する。上記光吸収層20は、透明基板1側から
誘電体ミラー層19を透過して来た光を吸収する。
【0106】ここで、上記液晶表示素子の駆動について
説明する。上記の構成によれば、例えば、第1液晶層4
の領域4aと、第2液晶層5の領域5aとに対して共に
電圧が印加されていない状態にある場合、図6に示すよ
うに、誘電体ミラー19aに対応する画素に入射する光
の内、第1液晶層4のマゼンタの領域4aにおいて、緑
の光が吸収され、赤の光と青の光とが透過して第2液晶
層5のイエローの領域5aへ入射する。ここで、青の光
がイエローの領域5aによって吸収され、赤の光は透過
する。第2液晶層5を透過した赤の光は、シアンの誘電
体ミラー19aを透過して光吸収層20に入射し、ここ
で吸収される。すなわち、誘電体ミラー19aに対応す
る画素の表示は、誘電体ミラー19aで反射される光が
ないので、黒表示となる。
【0107】なお、第1液晶層4および第2液晶層5に
おける各領域に対する電圧の印加・無印加の組合せと、
絵素の表示状態との関係は、前記実施の形態1で説明し
た表1ないし表8と同様である。
【0108】以上のように、本実施形態の構成によれ
ば、前記した実施の形態1の構成と同様に、一絵素を駆
動するために必要なスイッチング素子数は、一絵素を構
成する画素数と液晶層数との積より少なくて済む。すな
わち、本実施形態の構成は、製造プロセスを簡略化で
き、製造コストや歩留まりの面で有利である。
【0109】さらに、この構成では、カラーフィルタ層
が不要であるので、構成部材を少なくすることができ、
製造コストを削減できる。
【0110】なお、上記では、反射層として誘電体ミラ
ーを用いた例について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば、ホログラム、あるいはコ
レステリック液晶相を呈する液晶層を反射層として用い
ても良い。
【0111】〔実施の形態3〕本発明の実施に係るさら
に他の形態について、図7ないし図11に基づいて以下
に説明する。本実施形態に係る液晶表示素子は、図7に
示すように、第1液晶層4および第2液晶層5の代わり
に、コレステリック液晶が注入された第1液晶層21お
よび第2液晶層22を備えると共に、誘電体ミラー層1
9が無い点において、前記した実施の形態2の構成と異
なっている。
【0112】上記第1液晶層21は、電圧の無印加時
に、緑の光を選択的に反射するコレステリック液晶が注
入されてなる緑(G)の領域21aと、赤の光を選択的
に反射するコレステリック液晶が注入されてなる赤
(R)の領域21bとが並置された構成である。第2液
晶層22は、電圧の無印加時に、青の光を選択的に反射
するコレステリック液晶が注入されてなる青(B)の領
域22aと、緑の光を選択的に反射するコレステリック
液晶が注入されてなる緑(G)の領域22bとが並置さ
れた構成である。
【0113】なお、このように、同一の液晶層において
異なる種類の液晶からなる領域を並置させるためには、
前記実施の形態1において図3を用いて説明した方法を
用いることができる。
【0114】本実施形態の液晶表示素子も、一絵素が三
つの画素から構成されており、上記第1液晶層21にお
いて、緑の領域21aが一画素に対応し、赤の領域21
bが他の二画素に対応する。第2液晶層22では、青の
領域22aが、第1液晶層21の緑の領域21aに対応
する一画素を含む二画素に対応し、緑の領域22bが他
の一画素に対応する。
【0115】第1液晶層21の緑の領域21aおよび第
2液晶層22の緑の領域22bは、共にTFT13aに
よって駆動される。第1液晶層21の赤の領域21bは
TFT13bによって、第2液晶層22の青の領域22
aはTFT13cによって、それぞれ駆動される。
【0116】ここで、コレステリック液晶を含む第1液
晶層21および第2液晶層22の作製方法について説明
する。これらの液晶層を構成するために、液晶材料とし
て例えばメルク社製の商品名「ZLI−5087」を用
い、これに、カイラル剤として例えばメルク社製の商品
名「S−811」を適量混合し、可視光域に選択光の波
長帯域が重なるように調整する。
【0117】その一例として、カイラル剤を18%混合
し、セル厚8μmで作製した液晶層の分光反射率を図8
に示す。同図から分かるように、この場合の選択反射光
の中心波長は570nm、波長幅は40nmであり、反
射光は緑色を呈する。
【0118】なお、選択反射光の中心波長は、液晶のカ
イラルのピッチを調節することによって調整することが
できる。この実施形態では、上記緑の反射光を得る液晶
の他に、赤、青の反射光をそれぞれ生じるように調整さ
れた液晶を用いる。
【0119】また、選択反射光の波長幅は、用いる液晶
の屈折率異方性の大きさに依存するので、液晶材料を選
択することで調節できる。その一例として、液晶材料と
してBDH社製の商品名「BL001」を用い、これに
カイラル剤としてメルク社製の商品名「CB15」を3
9%混合したときの選択反射光の波長幅は80nmであ
った。
【0120】次に、本液晶表示素子の駆動について説明
する。まず、図9を参照しながら、本実施形態の液晶表
示素子におけるカラー表示の原理を説明する。なお、以
下では、図9に示すように、第1液晶層21の緑(G)
の領域21aと第2液晶層22の青(B)の領域22a
とが対応する画素を第1の画素とし、第1液晶層21の
赤(R)の領域21bと第2液晶層22の青(B)の領
域22aとが対応する画素を第2の画素とし、第1液晶
層21の赤(R)の領域21bと第2液晶層22の緑
(G)の領域22bとが対応する画素を第3の画素とす
る。
【0121】ここで、上記第1の画素を例に挙げ、この
第1の画素の表示と、各液晶層における電圧印加状態と
の関係について説明する。第1の画素に対応する緑の領
域21aおよび青の領域22aは、TFT13aおよび
TFT13cによって、それぞれ独立して駆動される。
このため、第1の画素の表示状態は、緑の領域21aお
よび青の領域22aの各々への電圧印加の有無によっ
て、以下の4つの場合1)〜4)に分類される。
【0122】1)領域21aおよび領域22aに対して
共に電圧が印加されていない場合 この場合、緑の領域21aによって緑の光が反射され、
青の領域22aによって青の光が反射され、光吸収層2
0によって赤の光が吸収される。この結果、第1の画素
はシアン表示となる。
【0123】2)領域21aに所定の電圧が印加され、
且つ領域22aに電圧が印加されていない場合 この場合、入射光は緑の領域21aをそのまま透過し、
青の領域22aによって青の光が反射して、光吸収層2
0によって赤と緑の光が吸収される。この結果、第1の
画素は青表示になる。
【0124】3)領域21aに電圧が印加されず、且つ
領域22aに所定の電圧が印加されている場合 この場合、緑の領域21aによって緑の光が反射され、
青と赤の光は反射されずにそのまま青の領域22aを透
過し、光吸収層20によって青と赤の光が吸収される。
この結果、第1の画素は緑表示になる。
【0125】4)領域21aおよび領域22aに対して
共に所定の電圧が印加されている場合 この場合、緑の領域21aおよび青の領域22aでは光
が反射されないので、光吸収層20によって赤と青と緑
の光が吸収される。この結果、第1の画素は黒表示とな
る。
【0126】以上と同様に、図9に示す第2の画素につ
いては、上記の1)〜4)の場合のそれぞれにおいて、
マゼンタ、青、赤、黒表示となる。また、第3の画素に
ついては、上記の1)〜4)の場合のそれぞれにおい
て、イエロー、赤、緑、黒表示となる。
【0127】以下に、図9に示した第1ないし第3の画
素によって構成される一絵素の表示状態と、液晶層の各
領域への電圧印加状態の組合せとの関係について、表9
ないし表16を用いて説明する。
【0128】まず、上記の絵素における赤表示は、表9
に示すような印加電圧の組み合わせにより得られる。つ
まり、第1液晶層21において、第1の画素に対応する
領域21aに対して電圧を印加し(ON)、第2の画素
および第3の画素に対応する領域21bには電圧を印加
しない(OFF)。また、第2液晶層22において、第
1の画素および第2の画素に対応する領域22aをON
とする。この時、第1液晶層21の領域21aと、第2
液晶層22の領域22bとは、共にTFT13aによっ
て駆動されるので、領域22bは領域21aと同様にO
Nとなる。この結果、第1の画素のみが黒表示となり、
第2および第3の画素が共に赤表示となるので、この絵
素は全体として赤表示となる。
【0129】
【表9】
【0130】緑表示は、表10に示すような印加電圧の
組み合わせにより得られる。つまり、第1の画素と第3
の画素とが共に緑表示を行い、第2の画素が黒表示を行
うので、この絵素は全体として緑表示を行う。
【0131】
【表10】
【0132】青表示は、表11に示すような印加電圧の
組み合わせにより得られる。つまり、第1の画素と第2
の画素とが共に青表示を行い、第3の画素が黒表示を行
うので、この絵素は全体として青表示を行う。
【0133】
【表11】
【0134】シアン表示は、表12に示すような印加電
圧の組み合わせにより得られる。つまり、第1の画素が
シアン表示を行い、第2の画素が青表示を行い、第3の
画素が緑表示を行う。青の光と緑の光とが加法混色され
るとシアンの光になり、三画素のうち二画素がシアン表
示を行うことと等価となるので、この絵素は全体として
シアン表示を行う。
【0135】
【表12】
【0136】マゼンタ表示は、表13に示すような印加
電圧の組み合わせにより得られる。つまり、第1の画素
が青表示を行い、第2の画素がマゼンタ表示を行い、第
3の画素が赤表示を行う。青の光と赤の光とが加法混色
されるとマゼンタの光になり、三画素のうち二画素がマ
ゼンタ表示を行うことと等価となるので、この絵素は全
体としてマゼンタ表示を行う。
【0137】
【表13】
【0138】イエロー表示は、表14に示すような印加
電圧の組み合わせにより得られる。つまり、第1の画素
が緑表示を行い、第2の画素が赤表示を行い、第3の画
素がイエロー表示を行う。緑の光と赤の光とが加法混色
されるとイエローの光になり、三画素のうち二画素がイ
エロー表示を行うことと等価となるので、この絵素は全
体としてイエロー表示を行う。
【0139】
【表14】
【0140】黒表示は、表15に示すように、全ての領
域に対して電圧が印加されない場合に得られる。つま
り、全ての画素が黒表示を行うので、絵素全体として黒
表示となる。
【0141】
【表15】
【0142】白表示は、表16に示すように全ての領域
に対して所定の電圧を印加し、各画素をシアン、マゼン
タ、イエロー表示させた場合に加法混色により得られ
る。
【0143】
【表16】
【0144】以上のように、本実施形態の構成では、
赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー、黒、および
白の8種類の表示が可能である。また、上記の構成によ
れば、三画素によって構成される一絵素当りのスイッチ
ング素子数は三個であり、一絵素を構成する画素数と液
晶層数との積より少なくて済む。この結果、製造プロセ
スを簡略化できるので、製造コストの抑制や歩留りの向
上を図ることが可能となる。
【0145】なお、上記では、第1液晶層21および第
2液晶層22における各領域をコレステリック液晶で構
成した例について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、他の液晶を用いることもできる。ただ
し、上記のようにコレステリック液晶を用いた場合に
は、コレステリック液晶は材料の選択範囲が広く、選択
反射光の波長帯域の温度依存性が小さい材料を選択して
用いることも可能であるため、外気温等の変化に対して
光透過特性が変動し難い液晶表示素子を実現することが
可能となるという点で有利である。
【0146】なお、コレステリック液晶を用いる他に
は、第1液晶層21および第2液晶層22の各領域を、
図10に示すような、反射光を生じる液晶薄膜33と高
分子薄膜34との層構造で実現することもできる。以下
に、このような液晶薄膜と高分子薄膜との層構造を作製
する方法について説明する。まず、ネマティック液晶と
光硬化性樹脂との混合液を調整し、透明基板31および
32の間に挟持する。この透明基板31は、例えば図7
に示す透明基板1およびその表面に形成された透明電極
7に対応するものである。また、透明基板32は、例え
ば図7に示す、TFT13a等が形成された透明基板2
に対応するものである。なお、上記ネマティック液晶と
して例えばメルク社製の商品名「E−7」、上記光硬化
性樹脂として例えばラックストラック社製の商品名「L
A0208」を用いることができる。
【0147】次に、例えばアルゴンレーザを用い、波長
514.5nmのレーザ光35・36を、上記透明基板
31・32の間に挟持した混合液において緑の領域を形
成する部分のみに、図示しないマスクを用いて照射す
る。このとき、レーザ光35・36には所定の入射角を
持たせるようにする。
【0148】このレーザ光35・36は、干渉を起こ
し、波長に対応して光の強度が変化する干渉パターンが
上記の混合液内に形成される。この光の強弱は、光の波
長と二つのレーザ光の入射角により決定される微細な間
隔で、光の進行方向に対応して生じる。これにより、こ
の干渉パターンを有する光が照射された混合物におい
て、光強度が強い領域で光硬化性樹脂が硬化する一方、
光の弱い領域には主に液晶材料が凝集する。この結果、
図10に示すように、光硬化性樹脂からなる高分子薄膜
34と、液晶薄膜33とが周期的に積層された複合体が
作製される。
【0149】この複合体は、屈折率の異なる二つの層が
交互に積層されてなるので、干渉フィルターの原理に従
い、特定の波長域(この場合は波長514.5nmを中
心とする特定波長帯)の光を反射し、それ以外の光を透
過する。また、液晶薄膜33を形成する液晶材料の屈折
率は印加電圧によって変化するので、液晶薄膜33の反
射率を電気的に制御することができる。
【0150】上記の方法において、照射するレーザ光の
波長を調整することにより、複合体によって反射される
光の波長を容易に制御できる。例えば、488nmのア
ルゴンレーザ光、または632.8nmのヘリウムネオ
ンレーザ光をそれぞれ用いれば、青色または赤色の波長
の光をそれぞれ反射する複合体を容易に作製することが
できる。なお、液晶薄膜と高分子薄膜との層構造におけ
る分光反射率特性は、図11に示す通りである。
【0151】続いて、上記透明基板31・32の間に挟
持した混合液において、上述の工程によって緑の領域を
形成した部分をマスクして、632.8nmのヘリウム
ネオンレーザ光を、上記と同様に、所定の入射角を持た
せて二方向から照射することにより、上記緑の領域と並
置するように、赤の領域を形成できる。同様にして、照
射するレーザ光の波長を調整することにより、図7に示
す第2の液晶層22のように、青の領域と緑の領域とが
並置された構成を形成することができる。
【0152】以上のように、液晶薄膜と高分子薄膜とを
交互に積層した複合体を液晶層として用いれば、前述の
コレステリック液晶と同様に、駆動電圧のON/OFF
に応じて特定の波長域の光の透過特性を制御することが
できると共に、偏光板が不要であることから明るい表示
を実現することが可能となる。
【0153】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
積層型液晶表示素子は、第1の液晶層と第2の液晶層と
を備え、第1の液晶層において一絵素に対応する複数の
画素領域の少なくとも一つが、第2の液晶層において上
記一絵素に対応する複数の画素領域であって自らと重な
りを持たない画素領域と、同じスイッチング素子によっ
て駆動される構成である。
【0154】これにより、多色表示が可能な液晶表示素
子において一絵素当りに必要なスイッチング素子数を減
少させることができる。この結果、液晶表示素子の製造
工程が簡略化されることから製造コストの削減を図るこ
とができると共に、歩留りの向上を図ることができると
いう効果を奏する。
【0155】請求項2記載の積層型液晶表示素子は、第
1の液晶層と第2の液晶層との間に形成される第1およ
び第2の絶縁層と、第1および第2の絶縁層の間に形成
される導電層とをさらに備え、同じスイッチング素子に
よって駆動される第1および第2の液晶層の画素領域
が、上記第1および第2の絶縁層にそれぞれ形成された
貫通孔を介して上記導電層と電気的に結合された構成で
ある。
【0156】これにより、第1および第2の液晶層にお
いて互いに重なりを持たない画素領域同士を電気的に接
続することができるという効果を奏する。
【0157】請求項3記載の積層型液晶表示素子は、第
1および第2の液晶層の間に中間基板をさらに備え、第
1および第2の液晶層を駆動するスイッチング素子のす
べてが上記中間基板に設けられた構成である。
【0158】これにより、スイッチング素子を形成する
基板が一枚で良いので、製造工程が簡略化されることか
ら製造コストの削減を図ることができると共に、歩留り
の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0159】請求項4記載の積層型液晶表示素子は、第
1および第2の液晶層の少なくとも一方に、ゲストホス
ト液晶を用いたことを特徴とする。ゲストホスト液晶は
二色性色素を含み、所定電圧の印加/無印加に対応し
て、色素に応じた所定の波長域の光を吸収する。これに
より、多色表示が可能となるという効果を奏する。
【0160】請求項5記載の積層型液晶表示素子は、第
1および第2の液晶層の少なくとも一方に、高分子分散
型液晶を用いた構成である。これにより、配向膜や偏光
板が不要となるので、製造コストの低減を図れると共
に、明るい表示が可能となるという効果を奏する。
【0161】請求項6記載の積層型液晶表示素子は、カ
ラーフィルタ層をさらに備えた構成である。これによ
り、多色表示が可能となるという効果を奏する。
【0162】請求項7記載の積層型液晶表示素子は、カ
ラーフィルタ層が、シアン・マゼンタ・イエローの各色
をそれぞれ透過する三種類のフィルタ領域を備えた構成
である。これにより、減法混色を用いることにより光の
利用効率が向上し、明るい多色表示が可能となるという
効果を奏する。
【0163】請求項8記載の積層型液晶表示素子は、第
1および第2の液晶層を透過した光を反射させる反射層
をさらに備えた構成である。これにより、請求項1記載
の構成による効果に加えて、バックライトが不要となる
ので、液晶表示素子を薄く形成することができると共
に、消費電力を低減することが可能となるという効果を
奏する。
【0164】請求項9記載の積層型液晶表示素子は、第
1および第2の液晶層が、同一の液晶材料からなる構成
である。これにより、請求項1記載の構成による効果に
加えて、二層の液晶層を同一の駆動方法で駆動すること
が可能となるので、簡単な駆動回路を用いて駆動するこ
とができるという効果を奏する。
【0165】請求項10記載の積層型液晶表示素子は、
第1および第2の液晶層において互いに重なる画素領域
は、互いに異なる色の光を制御する構成である。これに
より、請求項1記載の構成による効果に加えて、多色表
示が可能となるという効果を奏する。
【0166】請求項11記載の積層型液晶表示素子は、
一絵素が第1ないし第3の画素によって構成され、第1
の液晶層において第1の画素に対応する画素領域が三原
色の内の第1の色の透過を制御すると共に第2および第
3の画素に対応する画素領域が第2の色の透過を制御
し、第2の液晶層において第1および第2の画素に対応
する画素領域が第3の色の透過を制御すると共に第3の
画素に対応する画素領域が第1の色の透過を制御し、第
1の画素に対応する領域において第2の色を透過させ、
第2の画素に対応する領域において第1の色を透過さ
せ、第3の画素に対応する領域において第3の色を透過
させるカラーフィルタ層をさらに備え、第1の液晶層に
おいて第1の画素に対応する画素領域と、第2の液晶層
において第3の画素に対応する画素領域とが、同じスイ
ッチング素子によって駆動される構成である。
【0167】これにより、請求項1記載の構成による効
果に加えて、多色表示が可能な液晶表示素子をより低い
製造コストで提供することが可能となると共に、一絵素
において互いに電気的に接続される画素領域が一対のみ
であるので、歩留りのさらなる向上を図ることができる
という効果を奏する。
【0168】請求項12記載の積層型液晶表示素子は、
一絵素が第1ないし第3の画素によって構成され、第1
の液晶層において第1の画素に対応する画素領域が三原
色の内の第1の色の透過を制御すると共に第2および第
3の画素に対応する画素領域が第2の色の透過を制御
し、第2の液晶層において第1および第2の画素に対応
する画素領域が第3の色の透過を制御すると共に第3の
画素に対応する画素領域が第1の色の透過を制御し、第
1の画素に対応する領域において第2の色を反射し、第
2の画素に対応する領域において第1の色を反射し、第
3の画素に対応する領域において第3の色を反射させる
反射層と、上記第1および第2の液晶層と上記反射層と
を透過した光を吸収する吸収層とをさらに備え、第1の
液晶層において第1の画素に対応する画素領域と、第2
の液晶層において第3の画素に対応する画素領域とが、
同じスイッチング素子によって駆動される構成である。
【0169】これにより、バックライトを必要とせずに
多色表示を実現することが可能となるので、請求項1記
載の構成による効果に加えて、多色表示が可能で且つ消
費電極が低減された液晶表示素子を、より低い製造コス
トによって提供できるという効果を奏する。さらに、一
絵素において互いに電気的に接続される画素領域が一対
のみであるので、歩留りのさらなる向上を図ることがで
きるという効果を奏する。
【0170】請求項13記載の積層型液晶表示素子は、
上記三原色をシアン・マゼンタ・イエローとした構成で
ある。これにより、請求項11または請求項12記載の
構成による効果に加えて、減法混色によって明るい表示
が可能となるという効果を奏する。
【0171】請求項14記載の積層型液晶表示素子は、
一絵素が第1ないし第3の画素によって構成され、第1
の液晶層において第1の画素に対応する画素領域が三原
色の内の第1の色の反射を制御すると共に第2および第
3の画素に対応する画素領域が第2の色の反射を制御
し、第2の液晶層において第1および第2の画素に対応
する画素領域が第3の色の反射を制御すると共に第3の
画素に対応する画素領域が第1の色の反射を制御し、上
記第1および第2の液晶層を透過した光を吸収する吸収
層をさらに備え、第1の液晶層において第1の画素に対
応する画素領域と、第2の液晶層において第3の画素に
対応する画素領域とが、同じスイッチング素子によって
駆動される構成である。
【0172】これにより、バックライトを必要とせずに
多色表示を実現することが可能となると共に、一絵素に
おいて電気的に接続されている画素領域は一対だけなの
で、請求項1記載の構成による効果に加えて、多色表示
が可能で且つ消費電極が低減された液晶表示素子をより
低い製造コストによって提供できると共に、歩留りのさ
らなる向上が図れるという効果を奏する。
【0173】請求項15記載の積層型液晶表示素子は、
第1および第2の液晶層の少なくとも一方に、コレステ
リック液晶を用いた構成である。コレステリック液晶は
材料の選択範囲が広く、選択反射光の波長域の温度依存
性の少ない材料を用いることが可能となるので、請求項
1記載の構成による効果に加えて、周囲温度等に対して
安定した表示特性を有する液晶表示素子を実現できると
いう効果を奏する。
【0174】請求項16記載の積層型液晶表示素子は、
第1および第2の液晶層の少なくとも一方が、所定の波
長帯域の光の透過を制御する液晶薄膜と高分子薄膜とを
交互に積層させてなる構成である。これにより偏光板が
不要となるので、請求項1記載の構成による効果に加え
て、明るい表示が可能となるという効果を奏する。
【0175】請求項17記載の積層型液晶表示素子に用
いられるアクティブマトリクス基板の製造方法は、少な
くとも二層の液晶層を有する積層型液晶表示素子に用い
られるアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
透明基板上に導電膜を形成する工程と、上記導電膜を覆
うように上記透明基板上に絶縁膜を形成する工程と、上
記透明基板および絶縁膜に貫通孔を形成する工程と、上
記透明基板および絶縁膜の少なくとも一方の表面にスイ
ッチング素子を形成する工程と、上記透明基板および絶
縁膜の各々の表面に画素電極を形成する工程とを含むと
共に、上記画素電極を形成する工程において、透明基板
および絶縁膜の各々の表面において一絵素当り少なくと
も一対の画素電極が、上記貫通孔を介して同一の導電膜
に対して電気的に接続される方法である。
【0176】この方法によれば、一絵素当り少なくとも
一対の画素電極が電気的に接続されるので、一絵素当り
に必要なスイッチング素子数を少なくすることができ
る。これにより、アクティブマトリクス基板の製造工程
を簡略化することができ、製造コストの抑制を図ること
が可能となると共に、歩留りの向上を図れるという効果
を奏する。
【0177】請求項18記載の積層型液晶表示素子に用
いられるアクティブマトリクス基板の製造方法は、上記
貫通孔を介して同一の導電膜と接続される一対の画素電
極が、一絵素において互いに異なる画素に対応する画素
電極の組合せから選択される方法である。
【0178】この方法によれば、この一対の画素電極の
各々と同じ画素に対応する画素電極は、他のスイッチン
グ素子によって駆動されることとなるので、請求項17
記載の製造方法による効果に加えて、二層の液晶層にお
いて同一の画素に対応する領域を独立に駆動するアクテ
ィブマトリクス基板を提供することができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るアクティブマトリ
クス駆動の積層型液晶表示素子の概略構成を示す断面図
である。
【図2】上記液晶表示素子の透過率の印加電圧依存性を
示す説明図である。
【図3】液晶層において互いに異なる色の領域を並置さ
せる方法を説明するための平面図である。
【図4】図1に示す液晶表示素子において、第1液晶層
4および第2液晶層5におけるすべての領域に対して電
圧が印加されていない場合の透過光の様子を示す模式図
である。
【図5】本発明の実施の他の形態に係る積層型液晶表示
素子の概略構成を示す断面図である。
【図6】図5に示す液晶表示素子において、第1液晶層
4および第2液晶層5におけるすべての領域に対して電
圧が印加されていない場合の透過光の様子を示す模式図
である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態に係る積層型液
晶表示素子の概略構成を示す断面図である。
【図8】図7に示す積層型液晶表示素子に用いられてい
るコレステリック液晶の、分光反射率特性の一例を示す
グラフである。
【図9】図7に示す液晶表示素子において、第1液晶層
21および第2液晶層22におけるすべての領域に対し
て電圧が印加されていない場合の透過光および反射光の
様子を示す模式図である。
【図10】図7に示す液晶表示素子が備える液晶層の変
形例としての、液晶薄膜と高分子薄膜とが交互に積層さ
れてなる複合体の構造を示す断面図である。
【図11】上記複合体の分光反射率特性を示すグラフで
ある。
【図12】従来の積層型液晶表示素子の構成の一例を示
す断面図である。
【図13】従来の積層型液晶表示素子の構成の他の例を
示す断面図である。
【図14】従来の積層型液晶表示素子の構成のさらに他
の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明基板(第1の絶縁層・中間基板) 2a 透明電極(導電層) 2b SiO2 膜(第2の絶縁層) 3 透明基板 4 第1液晶層(第1の液晶層) 4a・4b 領域(画素領域) 5 第2液晶層(第2の液晶層) 5a・5b 領域(画素領域) 6 カラーフィルタ層 11 反射電極(反射層) 13a・13b・13c TFT(スイッチング素子) 14 貫通孔 15 貫通孔 19 誘電体ミラー層(反射層) 20 光吸収層(吸収層) 33 液晶薄膜 34 高分子薄膜

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の液晶層と第2の液晶層とを備え、 第1の液晶層において一絵素に対応する複数の画素領域
    の少なくとも一つが、第2の液晶層において上記一絵素
    に対応する複数の画素領域であって自らと重なりを持た
    ない画素領域と、同じスイッチング素子によって駆動さ
    れることを特徴とする積層型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】第1の液晶層と第2の液晶層との間に形成
    される第1および第2の絶縁層と、 第1および第2の絶縁層の間に形成される導電層とをさ
    らに備え、 同じスイッチング素子によって駆動される第1および第
    2の液晶層の画素領域が、上記第1および第2の絶縁層
    にそれぞれ形成された貫通孔を介して上記導電層と電気
    的に結合されていることを特徴とする請求項1記載の積
    層型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】第1および第2の液晶層の間に中間基板を
    さらに備え、第1および第2の液晶層を駆動するスイッ
    チング素子のすべてが上記中間基板に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】上記第1および第2の液晶層の少なくとも
    一方に、ゲストホスト液晶を用いることを特徴とする請
    求項1記載の積層型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】上記第1および第2の液晶層の少なくとも
    一方に、高分子分散型液晶を用いることを特徴とする請
    求項1記載の積層型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】カラーフィルタ層をさらに備えたことを特
    徴とする請求項1記載の積層型液晶表示素子。
  7. 【請求項7】カラーフィルタ層が、シアン・マゼンタ・
    イエローの各色をそれぞれ透過する三種類のフィルタ領
    域を備えたことを特徴とする請求項6記載の積層型液晶
    表示素子。
  8. 【請求項8】第1および第2の液晶層を透過した光を反
    射させる反射層をさらに備えたことを特徴とする請求項
    1記載の積層型液晶表示素子。
  9. 【請求項9】第1および第2の液晶層が、同一の液晶材
    料からなることを特徴とする請求項1記載の積層型液晶
    表示素子。
  10. 【請求項10】第1および第2の液晶層において互いに
    重なる画素領域は、互いに異なる色の光を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の積層型液晶表示素子。
  11. 【請求項11】一絵素が第1ないし第3の画素によって
    構成され、 第1の液晶層において第1の画素に対応する画素領域が
    三原色の内の第1の色の透過を制御すると共に第2およ
    び第3の画素に対応する画素領域が第2の色の透過を制
    御し、 第2の液晶層において第1および第2の画素に対応する
    画素領域が第3の色の透過を制御すると共に第3の画素
    に対応する画素領域が第1の色の透過を制御し、 第1の画素に対応する領域において第2の色を透過さ
    せ、第2の画素に対応する領域において第1の色を透過
    させ、第3の画素に対応する領域において第3の色を透
    過させるカラーフィルタ層をさらに備え、 第1の液晶層において第1の画素に対応する画素領域
    と、第2の液晶層において第3の画素に対応する画素領
    域とが、同じスイッチング素子によって駆動されること
    を特徴とする請求項1記載の積層型液晶表示素子。
  12. 【請求項12】一絵素が第1ないし第3の画素によって
    構成され、 第1の液晶層において第1の画素に対応する画素領域が
    三原色の内の第1の色の透過を制御すると共に第2およ
    び第3の画素に対応する画素領域が第2の色の透過を制
    御し、 第2の液晶層において第1および第2の画素に対応する
    画素領域が第3の色の透過を制御すると共に第3の画素
    に対応する画素領域が第1の色の透過を制御し、 第1の画素に対応する領域において第2の色を反射し、
    第2の画素に対応する領域において第1の色を反射し、
    第3の画素に対応する領域において第3の色を反射させ
    る反射層と、 上記第1および第2の液晶層と上記反射層とを透過した
    光を吸収する吸収層とをさらに備え、 第1の液晶層において第1の画素に対応する画素領域
    と、第2の液晶層において第3の画素に対応する画素領
    域とが、同じスイッチング素子によって駆動されること
    を特徴とする請求項1記載の積層型液晶表示素子。
  13. 【請求項13】上記三原色がシアン・マゼンタ・イエロ
    ーであることを特徴とする請求項11および12のいず
    れかに記載の積層型液晶表示素子。
  14. 【請求項14】一絵素が第1ないし第3の画素によって
    構成され、 第1の液晶層において第1の画素に対応する画素領域が
    三原色の内の第1の色の反射を制御すると共に第2およ
    び第3の画素に対応する画素領域が第2の色の反射を制
    御し、 第2の液晶層において第1および第2の画素に対応する
    画素領域が第3の色の反射を制御すると共に第3の画素
    に対応する画素領域が第1の色の反射を制御し、 上記第1および第2の液晶層を透過した光を吸収する吸
    収層をさらに備え、 第1の液晶層において第1の画素に対応する画素領域
    と、第2の液晶層において第3の画素に対応する画素領
    域とが、同じスイッチング素子によって駆動されること
    を特徴とする請求項1記載の積層型液晶表示素子。
  15. 【請求項15】第1および第2の液晶層の少なくとも一
    方に、コレステリック液晶を用いることを特徴とする請
    求項14記載の積層型液晶表示素子。
  16. 【請求項16】第1および第2の液晶層の少なくとも一
    方が、所定の波長帯域の光の透過を制御する液晶薄膜と
    高分子薄膜とを交互に積層させてなることを特徴とする
    請求項14記載の積層型液晶表示素子。
  17. 【請求項17】少なくとも二層の液晶層を有する積層型
    液晶表示素子に用いられるアクティブマトリクス基板の
    製造方法であって、 透明基板上に導電膜を形成する工程と、 上記導電膜を覆うように上記透明基板上に絶縁膜を形成
    する工程と、 上記透明基板および絶縁膜に貫通孔を形成する工程と、 上記透明基板および絶縁膜の少なくとも一方の表面にス
    イッチング素子を形成する工程と、 上記透明基板および絶縁膜の各々の表面に画素電極を形
    成する工程とを含むと共に、 上記画素電極を形成する工程において、透明基板および
    絶縁膜の各々の表面において一絵素当り少なくとも一対
    の画素電極が、上記貫通孔を介して同一の導電膜に対し
    て電気的に接続されることを特徴とする積層型液晶表示
    素子に用いられるアクティブマトリクス基板の製造方
    法。
  18. 【請求項18】上記貫通孔を介して同一の導電膜と接続
    される一対の画素電極が、一絵素において互いに異なる
    画素に対応する画素電極の組合せから選択されることを
    特徴とする請求項17記載の積層型液晶表示素子に用い
    られるアクティブマトリクス基板の製造方法。
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