JPH0968663A - 走査光学装置 - Google Patents

走査光学装置

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JPH0968663A
JPH0968663A JP7226427A JP22642795A JPH0968663A JP H0968663 A JPH0968663 A JP H0968663A JP 7226427 A JP7226427 A JP 7226427A JP 22642795 A JP22642795 A JP 22642795A JP H0968663 A JPH0968663 A JP H0968663A
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light
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scanning optical
light source
wavelength
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Yutaka Hattori
豊 服部
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イメージリーダ部とレーザプリンタ部とを同
じ装置の中に配置すると装置構成が大型化していた。ま
た、読み取りと記録の精度が等価にならないため、読み
取りまたは記録のどちらかの性能が犠牲となるという不
都合な点が生じていた。さらに、読み取り方式と記録方
式が異なるため同時に動作させることが出来ず、大容量
のメモリが必要となったり複写時間が長い等の不都合な
点が生じていた。 【解決手段】 波長の異なった2個の半導体レーザ1,
11からの光束が合成され、ポリゴンミラー5により偏
向走査されると共に集光レンズ6により集光され、記録
用光束はダイクロイックミラー15により感光体ドラム
7上に照射露光され、読み取り用光束はダイクロイック
ミラー15により原稿9に照射されて、原稿9からの散
乱光が光検出器17へと導かれ、画像に応じて変化した
光量を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
により画像を記録するレーザビームプリンタ等に用いら
れ、原稿の画像情報を読み取ることの可能な走査光学装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光導電性物質を材料とした感光体
に画像信号に応じて変調されたレーザ光を照射して静電
潜像の形で画像を記録し、トナーを用紙に転写して画像
を顕像化する装置としてレーザビームプリンタがあっ
た。また、原稿等の画像情報を1次元CCDと走査ミラ
ーとにより2次元的に読み取る装置としてイメージリー
ダがあった。更には、前記レーザビームプリンタとイメ
ージリーダとを同時に内蔵して、読み取った画像を直ち
にプリントアウトするという複写機能を備えた装置があ
った。
【0003】図7は、上記従来例を説明するための構成
図である。図中上部に配置されるイメージリーダ部にお
いて、原稿台10に載せられた反射原稿9の像は、全速
走査ミラー23及び半速走査ミラー24で光路を曲げら
れてCCD26上に結像レンズ27によって結ばれてい
る。線光源25は図中奥行き方向に配設され、全速走査
ミラー23と一体的に移動し、原稿9の走査面を明るく
照らしている。
【0004】前記全速走査ミラー23は、走査開始時実
線で示した位置に待機しており、図中矢示方向に走査さ
れた後、破線で示した位置で走査を終了する。一方半速
走査ミラー24は、2個が一対となり前記全速走査ミラ
ー23と同様に実線で示した位置から破線で示した位置
まで走査される。この時、全速走査ミラー23と半速走
査ミラー24との走査スピードの比が2:1となってお
り、結像レンズ20と原稿9との間の光路長は一定に保
たれる。この結果、CCD26に結像される像面は走査
によらず一定に保たれ、ピントのずれは生じない。ここ
でCCD26は複数個の光検出器が走査方向に対して垂
直な方向(図中奥行き方向)に一列に並んだ構造をして
いる。
【0005】一方、図中下部に配置されるレーザプリン
タ部において、図に示さないレーザ光源は上記イメージ
リーダ部で読み取られた画像信号に応じて変調され、ポ
リゴンミラー5に向かってレーザ光を照射している。ポ
リゴンミラー5は複数の反射面を有し、中心を軸として
回転しており入射したレーザ光を偏向走査している。走
査されたレーザ光は、集光レンズ6を通って反射ミラー
8で下方に導かれ感光体ドラム7を照射している。感光
体ドラム7は予め正あるいは負に帯電されており、レー
ザが照射された部分だけ電荷が抜ける特性を有している
ため、帯電と逆の電位をバイアスで印加し帯電したトナ
ーを接触させることでレーザが照射された部分にのみト
ナーが残り、用紙に転写させればイメージリーダ部で読
み取った画像が黒く顕像化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示されるようにイメージリーダ部とレーザプリンタ部と
を同じ装置の中に配置すると装置構成が大型化し、高価
なものになっていた。また、読み取りと記録の精度が等
価にならない点を解消するために、不必要に読み取り精
度を高めたり、それとは逆に記録の精度が高めたりした
ので、読み取りまたは記録のどちらかの性能が犠牲とな
るという不都合な点が生じていた。さらに、読み取り方
式と記録方式が異なるため同時に動作させることが出来
ず、大容量のメモリが必要となったり複写時間が長い等
の不都合な点が生じていた。
【0007】一方、実開昭55−98077号公報で
は、同一の光学系を用いて複写する走査型電子複写装置
が提案されているが、原稿と感光体とを同時に照射でき
ないため、1走査おきに原稿上の画像の読み取りと感光
体への記録を行っており、1ラインを複写するために2
度の走査が必要となっていたので、複写の効率が悪かっ
た。
【0008】また、特開昭58−14175号公報に記
載の装置では、光源からの1本或いは2本の光束をハー
フミラーで感光体の露光用と原稿の読み取り用とに分離
しているため、光量の利用効率が低く、また原理的に画
像の記録と読み取りとを同一の波長の光源で行うため原
稿の読み取り精度が低く、さらに補正レンズを必要とす
るため高価である。
【0009】さらに、特開平4−347966号公報に
記載の装置では、一回の走査により原稿の読み取りと画
像の記とを行っているが、原稿と感光体とを走査方向に
並べる必要があるため、原稿または感光体の2倍の走査
幅を必要とするため、光学系が高価なものとなると共
に、装置全体として大型化する。
【0010】本発明はかかる従来の欠点を解消するため
に、イメージリーダ部とレーザプリンタ部とを共通の光
学系で構成して、画像の読み取りと記録とを1つの装置
で実現すると共に装置の小型化と低コスト化とを実現
し、さらには画像読み取り精度を画像記録精度に束縛さ
れずに高めることのできる走査光学装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の走査光学装置は、光源と、前記光源
からの光束を偏向走査するための偏向器と、画像に応じ
た静電潜像を形成するための感光体と、前記光源からの
光束を集光するための集光手段と、前記偏向器と前記感
光体との間に設けられ、前記光束を反射もしくは透過さ
せるための光路分離手段とを備え、前記光路分離手段に
より反射もしくは透過された光束を利用して、前記集光
手段に対して感光体と光学的に共役な位置に配置された
原稿を照射し、前記原稿からの散乱光を光検出器で読み
取る走査光学装置であって、前記光源が波長の異なる2
個以上の光源からなり、前記光路分離手段は、そのうち
少なくとも1つの光源から放射される光束のみを前記原
稿に照射するようになされているので、画像記録用の光
源からの光束は感光体上に照射露光され、画像読み取り
用の光源からの光束は原稿に照射されて、原稿からの散
乱光が光検出器へと導かれ、その光量を検出することに
より原稿上の画像情報の読み取りが行われる。
【0012】また、請求項2記載の走査光学装置は、請
求項1の走査光学装置において、前記光源が、指向性を
持って光束を放射するレーザであり、結像効率の向上と
像面上のスポット径の微小化を図っている。
【0013】また、請求項3記載の走査光学装置は、請
求項1の走査光学装置において、前記光源が半導体レー
ザであり、さらに装置の小型化や取り付け易さを図って
いる。
【0014】また、請求項4記載の走査光学装置は、請
求項1の走査光学装置において、前記原稿に照射される
光束を放射する光源は、可視光である400nm〜70
0nmの波長で光束を放射するものであり、その光源か
らの光束が原稿に照射され、原稿からの散乱光が光検出
器へと導かれ、その光量を検出することにより原稿上の
画像情報の読み取りが行われる。
【0015】また、請求項5記載の走査光学装置は、請
求項4の走査光学装置において、前記可視光を放射する
光源は、半導体レーザ或いは固体レーザの波長を非線形
光学素子により短波長化したレーザであり、その光源か
らの光束が原稿に照射され、原稿からの散乱光が光検出
器へと導かれ、その光量を検出することにより原稿上の
画像情報の読み取りが行われる。
【0016】また、請求項6記載の走査光学装置は、請
求項1の走査光学装置において、前記光路分離手段は、
入射する光束の波長に応じて反射率の異なるダイクロイ
ックミラーであり、波長の異なる少なくとも2個の光源
から放射される光束を感光体もしくは原稿に向かう光路
に効率よく分離している。
【0017】また、請求項7記載の走査光学装置は、請
求項6の走査光学装置において、前記ダイクロイックミ
ラーの波長分離特性を表す消光比が、前記2個以上の各
光源の波長において1/1000であり、波長の異なる
少なくとも2個の光源からの光束が感光体もしくは原稿
に互いに独立に照射される。
【0018】また、請求項8記載の走査光学装置は、請
求項6の走査光学装置において、さらに、前記2個以上
の光源から放射される光束を、前記偏向器に入射する手
前で1つの光束に合成するための光路合成手段として、
波長に応じて反射率の異なるダイクロイックミラーを配
置しており、2個以上の光源からの光束を偏向器に入射
する手前で1つの光束に効率よく合成している。
【0019】また、請求項9記載の走査光学装置は、請
求項8の走査光学装置において、前記光路合成手段とし
てのダイクロイックミラーで反射される波長が前記光路
分離手段としてのダイクロイックミラーにおいても反射
されるものであり、波長の異なる2個以上の光源からの
光束のうち、光路合成手段で反射された波長の光束が前
記光路分離手段でも反射されている。
【0020】また、請求項10記載の走査光学装置は、
請求項1の走査光学装置において、前記原稿から反射さ
れた光束を検出する前記光検出器から出力される信号
を、感光体を露光するための光源を変調している。
【0021】また、請求項11記載の走査光学装置は、
請求項1の走査光学装置において、前記原稿から反射さ
れた光束を検出する前記光検出器から出力される信号に
応じた1ライン分の画像データをラインメモリに蓄えた
後、その画像データを前記ラインメモリから読み出し
て、感光体を露光するための光源を変調する信号として
用いており、1回目の走査で原稿から読み取った画像に
応じた画像データをラインメモリに蓄えた後、2回目の
走査ではその画像データを感光体に露光するための光源
を変調するための信号としている。
【0022】また、請求項12記載の走査光学装置は、
請求項1の走査光学装置において、前記原稿から反射さ
れた光束を検出する前記光検出器から出力される信号に
応じた1ページ分の画像データをフレームメモリに蓄え
た後、その画像データを前記フレームメモリから読み出
して、感光体に露光するための光源を変調する信号とし
て用いており、原稿から読み取った画像に応じた画像デ
ータをフレームメモリーに蓄えた後、その画像データを
記録のための走査毎に順次読み出して感光体に露光する
ための光源を変調する信号としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。尚、その説明中で、図7に
示す従来装置と同じ要素には同じ符号をつけて説明す
る。
【0024】図1及び図2は、本発明による第1の実施
の形態を示す走査光学装置の構成図であり、図1はその
平面図、図2はその側面図である。
【0025】走査光学装置を構成するレーザスキャナユ
ニットのスキャナフレーム31には、画像記録のために
用いられる光源である半導体レーザ1と、半導体レーザ
1より放射される光束を略平行とするコリメートレンズ
2と、平行となった光束のスポット径を所定の大きさに
絞るための絞り3とを一体としたレーザユニット32が
取り付けられている。また、半導体レーザ1より放射さ
れる光束の光路上には、一方向のみ収束する効果を持つ
円筒レンズ4が設けられている。この円筒レンズ4の焦
点位置には、正六角形状のポリゴンミラー5が正六角形
の中心を軸として一定速度にて回転可能となるように設
けられており、その反射面にて反射された光束は主走査
方向に等角速度にて走査される。
【0026】ポリゴンミラー5にて反射された光束の光
路上には、光束を感光体としての感光体ドラム7に集光
するための集光レンズ6が設けられている。集光レンズ
6は2枚のレンズから成り、偏向走査された光束を感光
体ドラム7上に微小スポットで照射するよう集光すると
共に、ポリゴンミラー5により一定角速度で偏向走査さ
れる光束を感光体ドラム7上で線速度一定の直線走査に
変換するfθ特性を有している。
【0027】一方、スキャナフレーム31の別の部位に
は、画像読み取りのために用いられる光源としての半導
体レーザ11と、半導体レーザ11より放射される光束
を略平行とするコリメートレンズ12と、平行となった
光束のスポット径を所定の大きさに絞るための絞り13
とを一体としたレーザユニット33が取り付けられてい
る。そして、この読み取り用の半導体レーザ11により
放射される光束と、上記記録用の半導体レーザ1により
放射される光束とが交差する点には、本発明の光路合成
手段としてのダイクロイックミラー14が配置されてい
る。
【0028】このダイクロイックミラー14は、半導体
レーザ1が有する波長の光束を透過すると共に半導体レ
ーザ11が有する波長の光束を反射するという特性を持
っている。そして、この形態においては、半導体レーザ
1による光束と半導体レーザ11による光束とは90°
の角度を有しているので、半導体レーザ11による光束
をダイクロイックミラー14に対して45°の入射角で
入射させることにより、ダイクロイックミラー14を介
した後の両レーザの光束は合成されて、同じ光路を進行
する。
【0029】また、集光レンズ6と感光体ドラム7との
間には、上述したダイクロイックミラー14と同じ特性
を有するダイクロイックミラー15と、このダイクロイ
ックミラー15を透過した半導体レーザ1より放射され
た光束を感光体ドラム7の方向(図2におけるレーザス
キャナユニットの下方)へ反射して、光束を感光体ドラ
ム7へ導くための反射ミラー8が設けられている。
【0030】さらに、図2におけるレーザスキャナユニ
ット上方には、画像の記録されている原稿9を載置する
ガラスからなる原稿台10と、その原稿9を図2に矢示
する方向へ搬送するための搬送ローラ91,92とが設
けられている。そして、原稿台10を挟んで原稿9と相
対する位置には、原稿9により散乱反射された光束を検
出するための光検出用レンズ16及び周知のフォトダイ
オードからなる光検出器17が、光束の走査方向と平行
な方向にそれぞれ3個ずつ等間隔にて配設されている
(図3参照)。このとき、原稿台10の位置は集光レン
ズ6の焦点位置と一致するようになっており、感光体ド
ラム7の位置と光学的に共役な位置となるため、感光体
ドラム7上を走査する光束のスポット径と原稿9上を走
査するスポット径とが等しくなるため、画像記録時の精
度と画像読み取り時との精度が等しくなり、原稿9上の
画像を忠実に感光体ドラム7上へ再現することができ
る。
【0031】そして、原稿9に照射される光束は、半導
体レーザ11より放射されてダイクロイックミラー15
にて反射された光束である。つまり、半導体レーザ1よ
り放射された光束と半導体レーザ11より発せられた光
束とは、ダイクロイックミラー14にて合成されて同一
の光路を進行し、ダイクロイックミラー15にて分離さ
れて、半導体レーザ1より放射された光束のみが感光体
ドラム7を照射し、半導体レーザ11より放射された光
束のみが原稿9を照射するのである。
【0032】また、スキャナフレーム31内の感光体ド
ラム7への照射範囲外に相当する位置には、半導体レー
ザ1より放射される記録用の光束を反射するBDミラー
21と、そのBDミラー21で反射された光束を検出し
て水平同期信号とするためのBDセンサ22とが設けら
れている。
【0033】以上のような構成を有する走査光学装置を
画像記録に用いる際の動作について説明する。
【0034】後で述べる変調回路により変調された信号
に応じて半導体レーザ1より指向性を持って放射された
光束は、コリメートレンズ2を通り略平行光となる。絞
り3により所望の大きさに絞られた光束は、ダイクロイ
ックミラー14を透過した後、一方向のみ収束効果を持
つ円筒レンズ4を通過して偏向器であるポリゴンミラー
5に線像となって入射する。さらに光束は、ポリゴンミ
ラー5によって集光レンズ6に向けて反射偏向され、ダ
イクロイックミラー15を透過した後、反射ミラー8に
よって図2における下方に反射されて感光体ドラム7の
表面を照射している。そして、照射された光束は、中心
を軸として回転する感光体ドラム7をラスタ走査するこ
とにより、感光体ドラム7上に二次元の静電潜像を記録
する。感光体ドラム7上に記録された静電潜像は周知の
電子写真プロセスにより用紙上に転写・定着されて出力
される。
【0035】一方、上記構成の走査光学装置における画
像読み取り時の動作について説明する。
【0036】画像読み取り用の光源である半導体レーザ
11より指向性を持って放射された読み取り用の光束
は、コリメートレンズ12を通り略平行光となり、絞り
13によって所望の大きさの光束となり、ダイクロイッ
クミラー14に入射する。ダイクロイックミラー14
は、この読み取り用の光束を反射して、上述した半導体
レーザ1より放射された記録用の光束と同一の光路に合
成している。その後、読み取り用光束は記録用光束と同
様にポリゴンミラー5で反射偏向されダイクロイックミ
ラー15に入射する。読み取り用光束はダイクロイック
ミラー15にて反射されて原稿台10の上の原稿9に向
かって照射される。
【0037】そして、ポリゴンミラー5が回転するのに
伴って光束は原稿9を一次元的に走査するが、原稿9が
搬送ローラ91、92によって図2の矢印の方向に移動
しているため、読み取り用光束は原稿9をラスタ走査し
て2次元的に照射している。原稿9に照射された光束
は、原稿9により散乱反射され、光検出用レンズ16で
光検出器17に集光されている。ここで、原稿9に形成
されている画像がインクや染料で書かれている場合、人
間の目には黒色として認識されるものの、赤外光を照射
したときには画像の部分も反射されて白色として検出さ
れることがある。つまり、原稿9は可視光により読み取
られることが望ましく、従って読み取り用光源である半
導体レーザ11の波長は400nm〜700nmである
ことが要求される。一方、記録用光源である半導体レー
ザ1は可視光である必要はなく、一般的な感光体ドラム
7の分光感度とコストの点を鑑みて近赤外光である78
0nmの波長を用いるのがよい。
【0038】図3は、走査方向と平行な方向に配設され
た光検出用レンズ16及び光検出器17の位置関係を示
す平面図である。
【0039】それぞれ3個の光検出用レンズ16と光検
出器17とが、原稿9の画像読み取り幅を等分割するよ
う配置されている。また原稿9と光検出器17とは、光
検出用レンズ16に対して互いに光学的に共役な関係に
ある。そして光検出器15の大きさに応じて光検出用レ
ンズ16の結像倍率が決められており、例えばA4サイ
ズの原稿の短手方向幅(210mm)を走査して、原稿
9からの反射光束を3個の光検出器17で検出する場
合、1個の光検出器17が検出する幅は70mmとなる
ので、1個の光検出器17の幅を5mmとすれば、結像
倍率は1/14であればよい。このように配置された各
光検出器17の信号は加算されており、原稿9の画像に
応じて反射する光量が変化した光束を検出することで、
時系列信号として原稿9の2次元画像を読み取ることが
できる。
【0040】記録用光束と読み取り用光束とを合成する
ためのダイクロイックミラー14ならびに分離するため
のダイクロイックミラー15は、各光束の波長の違いに
よって反射或いは透過する特性を持った光学素子であ
る。図4はその分光反射特性を表す特性図であり、横軸
が波長で縦軸が反射率である。
【0041】読み取り用光源である半導体レーザ11が
放射する光束の波長をλ1、記録用光源である半導体レ
ーザ1が放射する光束の波長をλ1よりも長いλ2とする
と、ダイクロイックミラー14,15は共に反射率が波
長λ1に対してはR1であり波長λ2に対してはR1よりも
小さいR2である。ダイクロイックミラーの波長分離特
性を表す指標として消光比を用いると、この場合R2/
R1が消光比となる。例えば画像の記録と画像の読み取
りを同時に実施する場合、ダイクロイックミラー15で
光路を分離する効率が低いと、読み取り用光束が迷光と
なって感光体ドラム7にバイアス光として作用し、印字
画像に地汚れとして悪影響を及ぼしたり、原稿9に記録
用の半導体レーザ1を変調する信号に応じた光束が照射
されて、光検出器17にノイズとして入射し、読み取っ
た画像データにノイズが混入するといった悪影響を及ぼ
す。
【0042】そこで、例えば、画像の読み取り用に原稿
9を照射する光量を1mWとし、記録用に感光体ドラム
7に照射する光量を100μWとすると、記録時の光量
がON・OFFするときの比率である変調度は100倍
程度を必要とするため、感光体ドラム7にバイアスとし
て許容される光量は1μWであり、ダイクロイックミラ
ー15の消光比は少なくとも1/1000が望ましい。
【0043】合成手段としてのダイクロイックミラー1
4は、光源からの効率を定めるものであり上記分離手段
としてのダイクロイックミラー15程の消光比は必要で
はない。もちろん、効率を高くするため消光比の等しい
同一部品を流用することも考えられるが、コストの点か
らいえば、ダイクロイックミラー14では、ダイクロイ
ックミラー面として誘電体多層膜を使用するよりは金属
単層膜であるハーフミラー面とした方が有利である。ま
た、ダイクロイックミラー14,15に、同一のダイク
ロイックミラーを流用するのであれば、当然ダイクロイ
ックミラー14で反射される波長はダイクロイックミラ
ー15でも反射されることになるため、記録と読み取り
との光路の合成及び分離のために、二つの光源としての
半導体レーザ1,11及び原稿台10と感光体ドラム7
の配置を決定する際には、画像の読み取りに使用する光
束をダイクロイックミラー14で反射させるように設定
した場合は、ダイクロイックミラー15でもその読み取
りに使用する光束を反射させるように設定するのであ
る。
【0044】図5は、原稿の読み取り動作とその画像の
感光体への記録動作とを説明するためのブロック図であ
る。記録用半導体レーザ(LD)1から放射された記録
用光束は、ダイクロイックミラー14を透過してポリゴ
ンミラー5に入射する。そのポリゴンミラー5にて偏向
走査された光束は、ダイクロイックミラー15をさらに
透過して感光体ドラム7を照射している。一方、読み取
り用半導体レーザ(LD)11から放射された光束は、
ダイクロイックミラー14で反射され記録用光束と合成
される。その後ポリゴンミラー5で偏向走査された読み
取り用光束は、ダイクロイックミラー15でも反射され
記録用光束とは分離され、原稿9を照射している。原稿
9で散乱反射された光束は原稿9に形成されている画像
の濃度に応じて散乱強度が変化しており、光検出用レン
ズ16で光検出器17に効率よく集光されているため光
検出器17からの出力信号として原稿の画像信号が読み
取られている。
【0045】原稿9に形成されている画像を読み取って
感光体ドラム7に記録する複写モードでは、読み取った
画像に応じた画像信号を記録用LD1の変調信号として
用いるため、光検出器17からの出力信号は直接変調回
路18に入力されている。読み取り用LD11は駆動回
路19によりCW点灯されているが、1走査毎に走査す
る画像領域を整合して読み取るためには、読み取り開始
位置を揃える必要がある。記録用LD1を駆動して感光
体ドラム7を走査する際にも全く同様に記録開始位置を
揃えるための制御が必要である。通常、これらの制御を
行うためには、BDセンサ22を用いてタイミング制御
している。つまり、読み取り動作及び記録動作のタイミ
ング制御は、BDセンサ22から得られた信号をタイミ
ング制御回路20に入力して、駆動回路19と変調回路
18の信号発生タイミングを揃えることで実現できる。
【0046】具体的には、図1に示すように、ポリゴン
ミラー5の回転に従って偏向走査される光束の内、1点
鎖線で示した画像領域以前の2点鎖線で示した光束をB
Dミラー21で反射させてBDセンサ22に入射させて
BD信号を得ることで、1走査毎の画像開始位置を検出
するものである。
【0047】図6は、読み取り用LD11と記録用LD
1との動作タイミングを示したタイミングチャートであ
る。
【0048】記録用LD1は、BDセンサ22に光束が
入射するのに先だって時刻Tpにおいて点灯される。そ
の際、読み取り用LD11は、タイミングの精度を高め
るために消灯されている。ポリゴンミラー5の回転に伴
って記録用LD1による光束がBDセンサ22に入射し
てBD信号が検出されると、1走査の基準時刻T0が設
定されて一旦記録用LD1は消灯されるが、消灯後、一
定時間経過した時刻Trsにおいて読み取り用LD11が
点灯され、同様に一定時間経過した時刻Tsで記録用L
D1が光検出器17にて検出された画像信号に応じて変
調駆動される。ここで、時刻Trsと時刻Tsとの関係
は、光検出器17で得られた読取信号を変調回路18に
入力して記録用LD1を変調するまでのディレイを含め
た時間である。その後画像領域(例えばA4短手方向幅
である210mm)の走査に応じた時刻Tre及びTeに
おいて、読み取り用LD11及び記録用LD1は消灯さ
れる。そして、走査の度にこの動作が繰り返されるので
ある。
【0049】ここで、読み取り用LD11は1走査毎に
画像領域のみ点灯するようにしたが、光路分離にダイク
ロイックミラー15を用いることでBD信号の精度が保
つことができる場合は、常に点灯しても構わない。ま
た、信号処理時間がかかる等の原因により、原稿9より
読み取った画像を同一の走査内で感光体ドラム7に記録
することが困難な場合、1ライン分の読み取り信号に相
当する画像データを一旦ラインメモリに蓄積して次の走
査で記録用LD1に変調信号として出力することも考え
られる。さらに、原稿1ページ分の画像データをフレー
ムメモリに蓄積することで処理時間に余裕ができるの
で、次の原稿9の画像を読み取る時には、フレームメモ
リに蓄積されている画像データに基づく記録動作を同時
に行うことができ、多量の原稿を複写する際も時間が2
倍かかることはなくほぼリアルタイムの複写を実現でき
る。
【0050】また、上述した実施の形態にて記載の通
り、原稿9は可視光にて読み取られることが望ましいた
め、読み取り用LD11の波長は400nm〜700n
mであることが条件となるが、読み取りに用いる波長を
含んだ色で書かれた原稿9は原理的に読み取り不能とな
るため、出来るだけ短い波長の光で読み取ることが望ま
しい。しかし、現状では600nm以下で発振する半導
体レーザは実用的ではない。そのため、例えば半導体レ
ーザやYAG等の固体レーザ光源にSHG等の非線形光
学素子を用いて波長を短くすることにより、現実的な短
波長のレーザを実現することができる。
【0051】その他、本発明は、上述した形態と同等の
機能を有するような変型も全て含むものである。
【0052】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
請求項1記載の走査光学装置においては、画像を感光体
上へ記録する時と同一の走査光学系を用いて原稿上の画
像の読み取りを実現できるため、小型で安価な走査光学
装置を得ることが出来る。また、感光体と原稿とを集光
手段に対して光学的に共役な位置に配置しているので、
感光体上を走査するスポット径と原稿を走査するスポッ
ト径とが同一となり、記録時と読み取り時の精度が全く
等しく装置の合わせ込みが不要である効果を有する。さ
らには、画像の読み取り用の光源を記録用の光源とは別
に使用しているため、感光体の分光感度に関係なく読み
取り用光源の波長を選択することができる。
【0053】また、請求項2記載の走査光学装置は、光
源にレーザを採用しているため光源からの光束が指向性
を持った光束となり、結像効率の向上と走査面上のスポ
ット径の微小化を実現できる。
【0054】また、請求項3記載の走査光学装置は、光
源に半導体レーザを採用しているためさらに装置の小型
化や取り付け易さを実現できる。
【0055】また、請求項4記載の走査光学装置は、原
稿を照射するための光源として、400nm〜700n
mの波長である可視光を放射しているため、インクや染
料で形成された画像を読み取る場合でも、確実に高精度
で読み取ることができる。
【0056】また、請求項5記載の走査光学装置は、読
み取り用光源としての可視光を放射するために、半導体
レーザ或いは固体レーザからの放射光を、非線形光学素
子を用いて短波長化しているため、半導体レーザ等の波
長の長いレーザを手軽に短波長化でき、安価に理想的な
原稿の読み取りができる。
【0057】また、請求項6記載の走査光学系では、光
路分離手段がダイクロイックミラーで構成されているた
め、読み取り用光束と記録用光束とを効率よく分離でき
る。
【0058】また、請求項7記載の走査光学装置は、光
路分離用ダイクロイックミラーの消光比が1/1000
であるため、読み取り用光束が感光体に迷光として照射
されることがなく、地汚れの無い印字品質の高い複写が
可能となる。
【0059】また、請求項8記載の走査光学装置は、各
光源から放射される光束を1つの光束に合成するための
光路合成手段としてダイクロイックミラーを用いている
ため、記録用光束と読み取り用光束とを効率よく利用す
ることができる。
【0060】また、請求項9記載の走査光学装置は、光
路合成手段としてのダイクロイックミラーで反射される
波長と、光路分離手段としてのダイクロイックミラーで
反射される波長とが同じであるため、一種類のダイクロ
イックミラーを互いに流用することができ、コストダウ
ンが可能である。
【0061】また、請求項10記載の走査光学装置は、
原稿からの反射光束を検出する光検出器から出力される
信号で記録用の光源を変調しているため、信号処理回路
を単純化でき、複写動作が速くできる。
【0062】また、請求項11記載の走査光学装置は、
1走査分(1ライン分)の画像データをラインメモリに
蓄積しているため、記録用の光源の変調回路の処理時間
に余裕ができ、処理速度を早くしなくても変調が可能と
なるので、回路構成が安価なものとなる。
【0063】また、請求項12記載の走査光学装置は、
1ページ分の画像データをフレームメモリに蓄積してい
るため、記録用の光源の変調回路の処理時間に余裕がで
き、処理速度を早くしなくても変調が可能となるので、
回路構成が安価なものとなる。さらに、2ページ目以降
では、読み取りと記録とが同時に実施されるため、高速
な複写を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の走査光学装置の構成を示
す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態の走査光学装置の構成を示
す側面図である
【図3】原稿にて反射される光束の検出の様子について
表す構成図である。
【図4】ダイクロイックミラーの分光反射特性を表す特
性図である。
【図5】走査光学装置の読み取り動作と記録動作とを説
明するためのブロック図である。
【図6】走査光学装置の読み取り動作と記録動作とを示
すタイミングチャートである。
【図7】従来の走査光学装置の構成図である。
【符号の説明】
1,11 半導体レーザ 5 ポリゴンミラー 6 集光レンズ 7 感光体ドラム 9 原稿 14,15 ダイクロイックミラー 17 光検出器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源からの光束を偏向走査
    するための偏向器と、画像に応じた静電潜像を形成する
    ための感光体と、前記光源からの光束を集光するための
    集光手段と、前記偏向器と前記感光体との間に設けら
    れ、前記光束を反射もしくは透過させるための光路分離
    手段とを備え、前記光路分離手段により反射もしくは透
    過された光束を利用して、前記集光手段に対して感光体
    と光学的に共役な位置に配置された原稿を照射し、前記
    原稿からの散乱光を光検出器で読み取る走査光学装置で
    あって、 前記光源が波長の異なる2個以上の光源からなり、前記
    光路分離手段は、そのうち少なくとも1つの光源から放
    射される光束のみを前記原稿に照射するようになされて
    いることを特徴とする走査光学装置。
  2. 【請求項2】 前記光源が、指向性を持って光束を放射
    するレーザであることを特徴とする請求項1に記載の走
    査光学装置。
  3. 【請求項3】 前記光源が、半導体レーザであることを
    特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
  4. 【請求項4】 前記原稿に照射される光束を放射する光
    源は、可視光である400nm〜700nmの波長で光
    束を放射することを特徴とする請求項1に記載の走査光
    学装置。
  5. 【請求項5】 前記可視光を放射する光源は、半導体レ
    ーザ或いは固体レーザの波長を非線形光学素子により短
    波長化したレーザであることを特徴とする請求項4に記
    載の走査光学装置。
  6. 【請求項6】 前記光路分離手段は、入射する光束の波
    長に応じて反射率の異なるダイクロイックミラーである
    ことを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
  7. 【請求項7】 前記ダイクロイックミラーの波長分離特
    性を表す消光比が、前記2個以上の各光源の波長におい
    て1/1000であることを特徴とする請求項6に記載
    の走査光学装置。
  8. 【請求項8】 さらに、前記2個以上の光源から放射さ
    れる光束を、前記偏向器に入射する手前で1つの光束に
    合成するための光路合成手段として、波長に応じて反射
    率の異なるダイクロイックミラーを配置したことを特徴
    とする請求項6に記載の走査光学装置。
  9. 【請求項9】 前記光路合成手段としてのダイクロイッ
    クミラーで反射される波長が前記光路分離手段としての
    ダイクロイックミラーにおいても反射されることを特徴
    とする請求項8に記載の走査光学装置。
  10. 【請求項10】 前記原稿から反射された光束を検出す
    る前記光検出器から出力される信号を、感光体を露光す
    るための光源を変調する信号として用いることを特徴と
    する請求項1に記載の走査光学装置。
  11. 【請求項11】 前記原稿から反射された光束を検出す
    る前記光検出器から出力される信号に応じた1ライン分
    の画像データをラインメモリに蓄えた後、その画像デー
    タを前記ラインメモリから読み出して、感光体を露光す
    るための光源を変調する信号として用いることを特徴と
    する請求項1に記載の走査光学装置。
  12. 【請求項12】 前記原稿から反射された光束を検出す
    る前記光検出器から出力される信号に応じた1ページ分
    の画像データをフレームメモリに蓄えた後、その画像デ
    ータを前記フレームメモリから読み出して、感光体に露
    光するための光源を変調する信号として用いることを特
    徴とする請求項1に記載の走査光学装置。
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