JPH0967678A - 光受容部材の製造方法及びその光受容部材 - Google Patents

光受容部材の製造方法及びその光受容部材

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JPH0967678A
JPH0967678A JP24256995A JP24256995A JPH0967678A JP H0967678 A JPH0967678 A JP H0967678A JP 24256995 A JP24256995 A JP 24256995A JP 24256995 A JP24256995 A JP 24256995A JP H0967678 A JPH0967678 A JP H0967678A
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substrates
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JP24256995A
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Tatsuji Okamura
竜次 岡村
Hitoshi Murayama
仁 村山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、基体上に特性差のない堆積膜を形成
し、とりわけ電子写真特性、画像特性の向上を図ること
のできる光受容部材の製造方法及びその光受容部材を提
供することを目的とするものである。 【解決手段】本発明は上記目的を達成するために、放電
空間を有する反応容器内に複数の基体を配置し、それに
よって囲まれた空間に原料ガス並びに高周波電力を導入
して、前記基体上に少なくともシリコン原子を母体とす
る非晶質材料で構成した光導電層の堆積膜を形成するよ
うにした光受容部材の製造方法において、前記放電空間
の圧力を100mtorr以下に制御すると共に、前記
基体における電気的に非接地の基板上とそれが接地され
た基板上とに形成される堆積膜の局在状態密度を一定範
囲として光受容部材を形成するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光(ここでは広義の
光であって、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線な
どを意味する。)のような電磁波に対して感受性のある
光受容部材の製造方法及びその光受容部材に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、電子写真用光受容部
材、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、光起電
力デバイス、またその他の各種エレクトロニクス素子等
に用いる素子部材として、アモルファスシリコン、例え
ば水素または/及びハロゲンで補償されたアモルファス
シリコン等のアモルファス材料で構成された半導体等用
の堆積膜が提案され、その中のいくつかは実用に付され
ている。同時に、これらデバイスの製造方法も種々提
案、改善がなされている。しかしながら、これらデバイ
スの製造方法のいくつかは、その生産コストなどの面で
更に改善すべき課題を有しているのが現状である。例え
ば電子写真用光受容部材の製造方法においては、比較的
厚い膜厚が必要とされる。このために、原料ガスの利用
効率及び、堆積速度を向上させることが可能な堆積膜形
成装置が求められている。このような問題点を改善した
堆積膜形成装置として、特開昭60−186849号公
報に、マイクロ波を用いたプラズマCVD法による堆積
膜の形成方法が開示されている。これには、デポジショ
ンチャンバ内に複数の円筒部材を配置することによっ
て、内部チャンバを形成し、その内部に原料ガスを導入
することで、ガスの利用効率を高めると同時に、生産性
を向上させる堆積膜の形成方法が開示されている。ま
た、特開平3−219081号公報には、プラズマ空間
に直流電界を掛け、プラズマ電位を制御することによ
り、さらに高品質の堆積膜形成方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の装置においては、円筒状基体表面上にプラズマ
に対して実質的に電界がかかる部分と、かからない部分
が存在し、膜質の異なる堆積膜が積層されて行く結果、
これによりトータル的に特性のダウンが生じてしまうと
いう問題があった。このような問題を具体的に明らかに
するため、従来のマイクロ波プラズマCVD法を例に採
り、以下、図3に基づいて説明する。図3(A)はマイ
クロ波プラズマCVD法の堆積膜形成装置の1例の縦断
面を模式的に示した図である。図3(B)は上記堆積膜
形成装置の横断面を模式的に示した図である。まず、反
応容器300内に、あらかじめ脱脂洗浄した基体301
を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)によ
り反応容器300内を排気する。続いて、ヒーター30
5により基体301の温度を所定の温度に制御する。基
体301が所望の温度になったところで、原料ガス供給
系(不図示)より原料ガスをガス導入管(プラズマ制御
電極と兼用)302を通して円筒状基体301で囲まれ
た空間内に供給する。このときガスの突出等、極端な圧
力変動が起きないよう注意する。次に原料ガスの流量が
所定の流量になったところで、真空計(不図示)を見な
がら排気バルブ(不図示)を調整し、所望の内圧を得
る。内圧が安定したところで、マイクロ波電源(不図
示)を所望の電力に設定する。マイクロ波電力は、導波
管306を通じて、マイクロ波導入窓303を介し放電
空間内に伝達される。この放電エネルギーによって反応
容器300内の円筒状基体301で囲まれた空間に導入
された原料ガスが分解される。この時、基体301を回
転機構(308〜310)により回転させることによ
り、基体301表面上全周に渡って所定の堆積膜が形成
されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、
マイクロ波電力の供給を止め、反応容器300へのガス
の流入を止め、堆積膜の形成を終える。目的とする堆積
膜の特性のため、基体上に複数の層からなる堆積膜を牽
制する場合には、上記の操作を繰り返すことによって、
所望の層構成の堆積膜を得ることができる。しかし、こ
の方法では、図2のAで示す円筒状基体表面上にプラズ
マに対して正面の実質的に電界がかかる部分(以後、正
面膜と記す)と、図2のBで示す電界のかかりにくい斜
面の部分(以後、斜面膜と記す)が存在する。電界のか
かりにくい斜面膜の特性は、正面膜に比べ不十分であ
り、この結果、これらの膜を積層して形成される電子写
真感光体の特性も不十分なものとなってしまっていた。
【0004】そこで、本発明は上記問題を解決し、基体
上に特性差のない堆積膜を形成し、とりわけ電子写真特
性、画像特性の向上を図ることのできる光受容部材の製
造方法及びその光受容部材を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、放電空間を有する反応容器内に複数の基
体を配置し、それによって囲まれた空間に原料ガス並び
に高周波電力を導入して、前記基体上に少なくともシリ
コン原子を母体とする非晶質材料で構成した光導電層の
堆積膜を形成するようにした光受容部材の製造方法にお
いて、前記放電空間の圧力を100mtorr以下に制
御すると共に、前記基体における電気的に非接地の基板
上とそれが接地された基板上とに形成される堆積膜の局
在状態密度を一定範囲として光受容部材を形成するよう
にしたものである。そして、本発明においては、その局
在状態密度の関係を、前記電気的非接地の基板上に形成
される堆積膜の局在状態密度の値をaとし、それが接地
された基板上のその値をbとするとき、それをb/a≦
0.5であり、かつそれぞれの局在状態密度が1×10
14cm-3以上5×1016cm-3未満とすることにより特
性差のない膜を効果的に作製することができる。また、
本発明は上記条件に加えて、前記電気的非接地の基板上
と接地基板上とに形成される堆積膜の水素含有量を、一
定の範囲として堆積膜を形成すること、つまり、その前
記電気的非接地の基板上に形成される堆積膜の水素含有
量をaとし、それが接地された基板上のその値をbとす
るとき、それらの関係を0.7≦a/b≦1.1として
膜形成を行うことにより、一層その効果を発揮すること
ができる。本発明において、光導電層中には周期律表第
IIIb族または第Vb族に属する元素の少なくとも一
つを含むことが好ましい。更に、光導電層中には、炭素
原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つが含まれて
いることが好ましい。また、光導電層と基体との間に
は、基体側より光導電層側への電荷の注入を阻止する機
能を有する電荷注入阻止層を設けるとより効果的であ
る。さらに、本発明においては光導電層の上に表面層を
設けるとより効果的である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、上記したように複数の
基体に囲まれた空間に高周波電力を導入するようにし、
つまり中央電極を設けて、高周波電力を印加するプラズ
マCVD法を用い、100mtorr以下の圧力で、光
導電層の作成条件を、電気的に非接地基板上に作成した
堆積膜の局在状態密度(a)と電気的に接地した基板上
に作成した堆積膜の局在状態密度(b)の比が、b/a
≦0.5となるように、条件を適正化することにより、
正面膜と斜面膜との特性差の少ない良好な膜を高い堆積
速度で形成することを可能とした。そして、本発明にお
いては、これにより特性の大きく異なる堆積膜が積層さ
れることがなくなり、特に、従来の堆積方法と比較し感
度、ブランクメモリーの電子写真特性、及び画像特性を
向上させることができる。更にまた、本発明において
は、上記局在状態密度の比b/aをb/a≦0.5とな
るように、条件を適正化すると同時に、非接地基板上の
膜中水素含有量:aと接地基板上の膜中水素含有量:b
の比a/bが0.7≦a/b≦1.1の範囲内となるよ
うに条件を適正化することにより、正面膜と斜面膜との
特性差、特に膜の光学的バンドギャップの差が軽減さ
れ、その結果、帯電能の温度依存性もまた向上させるこ
とができる。本発明において、このようなことが可能な
のは、つぎのような知見に基づくものである。すなわ
ち、従来のマイクロ波プラズマCVD法においては、プ
ラズマに電界を掛け、基板との電位差を大きくすること
により基板へのエネルギーを付与させ堆積膜を得るもの
であるが、これでは非接地基板上の堆積膜では充分な特
性が得られない。そこで、本発明者らは、特に、非接地
基板上の堆積膜のDOSを評価することに注目し、それ
が電子写真感光体の特性と良く相関が採れるものである
ということ、つまり非接地基板上の特性が斜面膜特性の
代用特性になるということを見いだし、非接地基板上と
接地基板上のDOSが揃って良好な特性となるような膜
形成条件とすることにより、本発明を達成するに至った
ものである。
【0007】これを、更に説明すると、本発明らは鋭意
検討を重ね、複数の回転可能な円筒状基体を同一円周上
に配置した放電空間内の圧力を100mtorr以下に
することと、その中心付近に高周波電力印加電極を設置
し、高周波により原料ガスを分解するように構成し、堆
積膜の局在状態密度の条件を上記した条件に適正化する
ことにより、従来の周波数2.45GHzを用いたマイ
クロ波プラズマCVD法に比べてより一層良好な堆積膜
を得ることができるという知見を得た。すなわち、マイ
クロ波プラズマCVD法においては、直流電界を印加し
ない場合、基板に到達した活性種の表面移動度が小さ
く、膜成長最表面のダングリングボンドを充分に補償し
えず、良好な膜特性を実現する事が困難であった。この
ため、直流電界を印加し、イオンによる膜表面へのエネ
ルギー付与により膜表面での活性種の表面移動度を増加
し、より多くのダングリングボンドを補償する事で膜質
の向上を実現するという手段が用いられていた。しかし
ながら、この手段では前述したように正面膜と斜面膜で
ダングリングボンドの補償の程度に差が生じてしまうと
いう新たな問題が生じる。これに対し、高周波プラズマ
CVD法ではマイクロ波プラズマCVD法と比べ、基板
に到達した活性種の表面移動度が大きく、直流電界の印
加無しで充分なダングリングボンドの補償が為され、良
好な膜特性が得られるものと考えられる。高周波プラズ
マCVD法において基板に到達した活性種の表面移動度
が大きい原因として現在推察しているのが、原料ガスの
分解性である。高周波プラズマCVD法においては、生
成されるプラズマ特性(主に電子温度、電子密度)がマ
イクロ波プラズマCVD法の場合と比べ大きく異なる。
その結果、例えばSiH3のような膜成長表面での表面
移動度の大きな活性種が主に生成されているのではない
かと推察される。このような現象により高周波プラズマ
CVD法においては、電界印加の有無にかかわらず良質
な膜形成がなされ、更には、放電空間内の圧力を100
mtorr以下として、放電の拡がりを拡大することに
より、また、堆積膜の局在状態密度の条件を上記した条
件に適正化することにより、正面及び斜面いずれにおい
ても良好な膜形成を可能とすることができるものであ
る。
【0008】また、従来の直流を印加したマイクロ波プ
ラズマCVD法においては前述した正面膜と斜面膜でダ
ングリングボンドの補償の程度に差が生じるという問題
点と同時に、正面膜と斜面膜で膜中の水素含有量が異な
り、この結果正面膜と斜面膜で光学的バンドギャップが
異なるという問題点をも抱えていた。このような水素含
有量の差が生じるのは、正面膜には直流電界で加速され
たイオンによりエネルギー付与・膜最表面の加熱作用が
施され、膜最表面からの水素の熱離脱が促進されるのに
対し、斜面膜では電界がかかりにくく、このような作用
が不十分であることによるものと推察される。これに対
し、高周波プラズマCVD法では前述したように放電空
間内の圧力を100mtorr以下とし、非接地基板上
と接地基板上のDOSが揃って良好な特性となるような
膜形成条件を維持しつつ、更に膜形成条件を最適化する
ことで正面膜の水素含有量と斜面膜の水素含有量を揃え
ることが可能となる。100mtorr以下の高周波プ
ラズマCVD法においてこのように正面膜の水素含有量
と斜面膜の水素含有量を揃えることが可能となる原因と
して現在推察しているのが、高周波プラズマ中のイオン
密度である。放電空間内圧力100mtorr以下の条
件下における高周波プラズマCVD法においては生成さ
れるイオン密度が高く、更に、放電が拡がり易いため斜
面膜においても充分なイオン照射がなされ、正面膜と同
等なエネルギー付与・膜最表面の加熱作用が施される。
この結果、斜面膜最表面からも正面膜最表面と同程度の
水素熱離脱がなされ、膜中の水素含有量が正面膜と同等
となるものと考えられる。本発明者らは鋭意検討を重ね
た結果、局在状態密度が1×1014cm-3以上5×10
16cm-3未満の堆積膜において、光学的バンドギャップ
と電子写真感光体の帯電能温度依存性との間には良好な
相関関係が存在し、その光学的バンドギャップが膜中水
素含有量により制御可能であることを見いだした。そし
て、前述した非接地基板上の特性が斜面膜特性の代用特
性になるという知見に基づき、非接地基板上の膜中水素
含有量:aと接地基板上の膜中水素含有量:bの比a/
bを0.7≦a/b≦1.1の範囲内とすることによ
り、電子写真感光体の良好な帯電能温度依存性が得られ
るという更なる効果を見いだし本発明を完成するに至っ
た。
【0009】以下、図面を用いて本発明の光受容部材の
製造方法を具体的に説明する。図1(A)は本発明の堆
積膜形成装置の1例の縦断面を模式的に示した図であ
る。図1(B)は上記堆積膜形成装置の横断面を模式的
に示した図である。まず、反応容器100内に、あらか
じめ脱脂洗浄した基体101を設置し、不図示の排気装
置(例えば真空ポンプ)により反応容器100内を排気
する。続いて、ヒーター105により基体101の温度
を所定の温度に制御する。基体101が所望の温度にな
ったところで、原料ガス供給系(不図示)より原料ガス
をガス導入管103を通して円筒状基体101で囲まれ
た空間内に供給する。このときガスの突出等、極端な圧
力変動が起きないよう注意する。次に原料ガスの流量が
所定の流量になったところで、真空計(不図示)を見な
がら排気バルブ(不図示)を調整し、所望の内圧を得
る。本発明においては上記したようにそれが100mt
orr以下となるように制御される。内圧が安定したと
ころで、高周波電源106を所望の電力に設定する。高
周波電力は、マッチングボックス107を通じて電極1
02に高周波電力を印加させる。この放電エネルギーに
よって反応容器100内の円筒状基体101で囲まれた
空間に導入された原料ガスが分解され、基体101上に
所定の堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の
形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、反応容器
100へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
本発明においては、こられらの過程において、堆積膜の
局在状態密度、水素含有量等につき、上記した条件のも
とで作成される。目的とする堆積膜の特性のため、基体
上に複数の層からなる堆積膜を形成する場合には、上記
の操作を繰り返すことによって、所望の層構成の堆積膜
を得ることができる。
【0010】本発明において使用される原料ガスは、例
えばアモルファスシリコンを形成する場合にはSiH
4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態の、ま
たはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が、Si供給
用ガスとして有効に使用される。また、水素化珪素のほ
かにも、フッ素原子を含む珪素化合物、いわゆるフッ素
原子で置換されたシラン誘導体、具体的には、たとえば
SiF4、Si2F6等のフッ化珪素や、SiH3F、Si
H2F2、SiHF3のフッ素置換水素化珪素等、ガス状
の、またはガス化し得る物質も本発明のSi供給用ガス
としては有効である。また、これらのSi供給用の原料
ガスを必要に応じてH2,He,Ar,Ne等のガスに
より希釈して使用しても本発明には何等差し支えない。
【0011】さらには上記のガスに加えて、必要に応じ
て周期律表第IIIb族に属する原子、または周期律表
第Vb族に属する原子を、いわゆるドーパントとして用
いることもできる。例えばホウ素原子(B)を用いる場
合には、B2H6、B4H10等の水素化硼素、BF3、BC
l3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。またリン原子
を用いる場合には、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4
I、PF3、PCl3、PBr3、PI3のハロゲン化燐が
使用できる。さらに、本発明においては、光導電層は炭
素原子、酸素原子、窒素原子のうち、少なくともいずれ
かを含有させることは有効である。
【0012】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C2H6、C3H8、C4H10等のガス状態の、また
はガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして
挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率
の良さ等の点でCH4、C2H6が好ましいものとして挙
げられる。また、これらのC供給用の原料ガスを必要に
応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使
用してもよい。酸素原子(O)導入としては、酸素(O
2)、オゾン(O3)、二酸化炭素(CO2)などが挙げ
られる。窒素原子(N)導入用としては、Nを構成原子
とするか、或はNとHを構成原子とする、窒素ガス(N
2)、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(H2NNH
2)、アジ化水素(HN3)、アジ化アンモニウム(NH
4N3)等のガス状またはガス化し得る窒素、窒化物及び
アジ化物等の窒素化合物を挙げることができる。また、
酸素原子(O)と窒素原子(N)を同時に導入できる原
料ガスとなり得るものとして、一酸化窒素(NO)、二
酸化窒素(NO2)、一酸化二窒素(N2O)、三酸化二
窒素(N2O3)、四酸化二窒素(N2O4)、五酸化二窒
素(N2O5)、三酸化窒素(NO3)等が挙げられる。
また、これらの原子導入用の原料物質を必要に応じてH
2および/またはHeにより希釈して使用してもよい。
本発明において、光導電層の層厚は所望の電子写真特性
が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にし
たがって決定され、好ましくは15〜50μm、より好
ましくは20〜45μm、最適には25〜40μmとさ
れるのが望ましい。本発明の目的を達成し、所望の膜特
性を有する光導電層を形成するには、Si供給用のガス
と希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力
ならびに基体温度を適宜設定することが必要である。希
釈ガスとして使用するH2の流量は、層設計にしたがっ
て適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対し
H2を、通常の場合1〜20倍、好ましくは2〜15
倍、最適には3〜10倍の範囲で変化させる制御をする
ことが望ましい。放電電力もまた同様に層設計や、堆積
装置の形態に依存して適宜最適範囲が選択されるが、充
分な堆積速度と膜特性を得るためには、Si供給用のガ
スの流量に対する放電電力を、通常の場合2〜7倍、好
ましくは2.5〜6倍、最適には3〜5倍の範囲に設定
することが望ましい。さらに、基体101の温度は、層
設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の
場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは2
30〜330℃、最適には250〜310℃とするのが
望ましい。本発明においては、光導電層を形成するため
の基体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した
範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決め
られるものではなく、所望の特性を有する光受容部材を
形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を
決めるのが望ましい。本発明において使用される基体と
しては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。基体と
しては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、
V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの
合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロース
アセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミック等の電気絶縁性基体の少なくと
も光受容層を形成する側の表面を導電処理した基体も用
いることができる。本発明に於いて使用される基体10
1の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板
状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通
りの電子写真用光受容部材100を形成し得るように適
宜決定するが、電子写真用光受容部材100としての可
撓性が要求される場合には、基体101としての機能が
充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができ
る。しかしながら、基体101は製造上および取り扱い
上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされ
る。特にレーザー光などの可干渉性光を用いて像記録を
行う場合には、可視画像において現われる、いわゆる干
渉縞模様による画像不良をより効果的に解消するため
に、基体101の表面に凹凸を設けてもよい。基体10
1の表面に設けられる凹凸は、特開昭60−16815
6号公報、特開昭60−178457号公報、特開昭6
0−225854号公報等に記載された公知の方法によ
り作成される。また、レーザー光などの可干渉光を用い
た場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消
する別の方法として、基体101の表面に複数の球状痕
跡窪みによる凹凸形状を設けてもよい。即ち、基体10
1の表面が電子写真用光受容部材100に要求される解
像力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の
球状痕跡窪みによるものである。基体101の表面に設
けられる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭61
−231561号公報に記載された公知の方法により作
成される。
【0013】本発明の電子写真用光受容部材において
は、基体と光導電層との間に、基体光受容部材側からの
電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設け
るのがいっそう効果的である。すなわち、電荷注入阻止
層は光受容層が一定極性の帯電処理をその自由表面に受
けた際、基体側より光導電層側に電荷が注入されるのを
阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際に
はそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性
を有している。そのような機能を付与するために、電荷
注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ
比較的多く含有させる。該層に含有される伝導性を制御
する原子は、該層中に万遍なく均一に分布されても良い
し、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはいる
が、不均一に分布する状態で含有している部分があって
もよい。分布濃度が不均一な場合には、基体側に多く分
布するように含有させるのが好適である。しかしなが
ら、いずれの場合にも基体の表面と平行面内方向におい
ては、均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向
における特性の均一化をはかる点からも必要である。電
荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子として
は、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げること
ができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に
属する原子(以後第IIIb族原子」と略記する)また
はn型伝導特性を与える周期律表第Vb族に属する原子
(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることがで
きる。
【0014】第IIIb族原子としては、具体的には、
B(ほう素),Al(アルミニウム),Ga(ガリウ
ム),In(インジウム),Ta(タリウム)等があ
り、特にB,Al,Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的にはP(リン),As(砒素),Sb
(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,
Asが好適である。本発明において電荷注入阻止層中に
含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、本
発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたがっ
て適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104原子
ppm、より好適には50〜5×103原子ppm、最
適には1×102〜1×103原子ppmとされるのが望
ましい。さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子の他
に、窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させ
ることによって、該電荷注入阻止層に直接接触して設け
られる他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図る
ことができる。該層に含有される炭素原子または窒素原
子または酸素原子は該層中に万遍なく均一に分布されて
も良いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されては
いるが、不均一に分布する状態で含有している部分があ
ってもよい。しかしながら、いずれの場合にも基体の表
面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく含
有されることが面内方向における特性の均一化をはかる
点からも必要である。また、本発明における電荷注入阻
止層に含有される水素原子は層内に存在する未結合手を
補償し膜質の向上に効果を奏する。本発明において、電
荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られるこ
と、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μ
m、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜
3μmとされるのが望ましい。本発明において電荷注入
阻止層を形成するには、前述の光導電層を形成する方法
と同様の真空堆積法が採用される。本発明の目的を達成
し得る特性を有する電荷注入阻止層を形成するには、光
導電層と同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合
比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに基体101
の温度を適宜設定することが必要である。希釈ガスであ
るH2および/またはHeの流量は、層設計にしたがっ
て適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対し
H2および/またはHeを、通常の場合1〜20倍、好
ましくは3〜15倍、最適には5〜10倍の範囲に制御
することが望ましい。 放電電力もまた同様に層設計
や、堆積装置形態に依存して適宜最適範囲が選択される
が、Si供給用のガスの流量に対する放電電力を、通常
の場合1〜7倍、好ましくは2〜6倍、最適には3〜5
倍の範囲に設定することが望ましい。さらに、基体10
1の温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択さ
れるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、よ
り好ましくは230〜330℃、最適には250〜31
0℃とするのが望ましい。本発明においては、電荷注入
阻止層を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放
電電力、基体温度の望ましい数値範囲として前記した範
囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通常は
独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を
有する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基
づいて各層作成フアクターの最適値を決めるのが望まし
い。また、本発明の電子写真用光受容部材に於いては、
基体101と光導電層103あるいは電荷注入阻止層1
05との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例え
ば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいはシリコン原
子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、
炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子と
を含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良
い。更に、基体からの反射光による干渉模様の発生を防
止するための光吸収層を設けても良い。
【0015】本発明においては、上述のようにして基体
101上に形成された光導電層の上に、更にアモルファ
スシリコン系の表面層を形成することが好ましい。表面
層は、アモルファスシリコン系の材料であればいずれの
材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモル
ファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記す
る)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)
を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコ
ン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原
子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更
に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:
H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。本
発明に於いて、その目的を効果的に達成するために、表
面層は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られ
るように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて
作成されるが、光受容部材の生産性から光導電層と同等
の堆積法によることが好ましい。本発明に於いて用いる
表面層の材質としてはシリコンを含有するアモルファス
材料ならば何れでも良いが、炭素、窒素、酸素より選ば
れた元素を少なくとも1つ含むシリコン原子との化合物
が好ましく、特にa−SiCを主成分としたものが好ま
しい。本発明の表面層の形成において使用されるシリコ
ン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH
4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態の、ま
たはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用
されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易
さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が
好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供
給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne
等のガスにより希釈して使用してもよい。炭素供給用ガ
スとなり得る物質としては、CH4、C2H6、C3H8、
C4H10等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素
が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時
の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でCH4、
C2H6が好ましいものとして挙げられる。また、これら
のC供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、A
r、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。本発
明に於ける表面層104の層厚としては、通常0.01
〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1
〜lμmとされるのが望ましいものである。層厚が0.
0lμmよりも薄いと光受容部材を使用中に摩耗等の理
由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残
留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明の具体例を詳細
に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定され
るものではない。 [実施例1]外径108mm、長さ358mm、肉厚5
mmのアルミニウムシリンダーを鏡面加工を施し、脱脂
洗浄したものを基体として使用し、図1の本発明の装置
を用いて、先に示した手順により、電磁波の周波数を1
05MHzで、表1に示した条件で阻止型の電子写真用
光受容部材(以後ドラムと表現)を形成した。
【0017】
【表1】 このドラムを電子写真装置(キヤノン社製NP606
0)を本テスト用に改造したものにセットして、以下の
電子写真特性の評価を以下の方法で行った。 感度・・・電子写真感光体を、一定の暗部表面電位に帯
電させる。そして直ちに光像を照射する。光像はキセノ
ンランプ光源を用い、フィルターを用いて550nm以
下の波長域の光を除いた光を照射する。この時表面電位
計により電子写真感光体の明部表面電位を測定する。明
部表面電位が所定の電位になるよう露光量を調整し、こ
の時の露光量をもって感度とし、評価した。感度につい
て、 ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題なし」 ×は「実用上問題有り」 を表している。 ブランクメモリー・・・キヤノン社製中間チヤート(部
品番号:FY9−9042)を原稿台に置きコピーした
ときに得られた画像のブランク露光により母線方向にや
や薄くなった部分と通常の部分の反射濃度差を測定し
た。ブランクメモリーについて、 ◎は「特に良好」 〇は「良好」 △は「実用上問題なし」 ×は「実用上問題有り」 を表している。更に、本発明の条件を確認する為に、図
1に示した装置を用い、アルミシリンダーにコーニング
社製7059ガラス基板をセットし、本実施例の光導電
層の作成条件にて、1ミクロンの堆積膜を形成した。7
059ガラスは、アルミシリンダーに溝を掘ってセット
した。この時、ガラス基板は表面を5000Åのくし型
のCr電極を蒸着し、アルミシリンダーと電気的に接地
させたもの(a sample)と、電気的に非接地の
もの(b sample)とを同時に設置した。作成し
たサンプルをCPM法(constant photo
currentmethod)により局在状態密度(D
OS)値を求めa sampleとbsampleのD
OS値の比を計算し表1に合わせて示した。
【0018】[実施例2]実施例1で示した装置を用
い、種々の条件を変え、実施例1同様にサンプルを作成
した。作成したサンプルを実施例1と同様に接地サンプ
ルと非接地サンプルのDOS値とDOS値の比を実施例
1と同様に評価した。更に、サンプルの結果により、D
OS値とDOS値の比及び放電空間の圧力が本発明の範
囲を満たす条件を用い実施例1と同様にドラムを作成し
同様の評価を行った。結果を表2に実施例1と合わせて
示した。
【0019】(比較例1)実施例2で作成したサンプル
結果のうち、本発明から外れる条件を用い、実施例1と
同様にドラムを作成し同様の評価を行った。その結果
を、表3に示した。表で示す様に放電空間内の圧力10
0mtorr以下、DOSの値1×1014cm-3以上5
×1016cm-3未満、DOSの値の比がb/a≦0.5
である本発明の範囲においては全項目で良好な結果が得
られた。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3‐】
【0022】
【表3‐】 [実施例3]実施例1で示した装置を用い、種々の条件
を変え、実施例1同様にサンプルを作成し、評価を行っ
た。この時、アルミシリンダーには単結晶シリコンウエ
ハーも同時にセットし、アルミシリンダーと電気的に接
地させたもの(a sample)と、電気的に非接地
のもの(b sample)とを設置した。作成した単
結晶シリコンウエハーサンプルをIR測定により、水素
含有量を求め、電気的に接地させたもの(asampl
e)と、電気的に非接地のもの(b sample)の
水素含有量比a/b値を計算し、0.7≦a/b≦1.
1となる条件を満たし、かつ、DOSの値及びDOSの
b/a値が本発明の範囲内である条件を用い実施例1と
同様にドラムを作成し同様の評価に加え、帯電能温度特
性の評価を行った。 帯電能温度特性・・・ドラムを一定の暗部表面電位に帯
電させ、ドラムの温度を室温から約45℃まで変えて帯
電能を測定し、このときの温度1℃当たりの帯電能の変
化を測定して、2V/deg以下を合格と判定した。帯
電能温度特性について、 ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「実用上問題なし」 ×は「実用上問題有り」 を表している。実施例3の結果を表4に示した。表で示
す様に本発明の範囲では帯電能温度特性においても良好
な結果が得られた。
【0023】
【表4】 (比較例2)DOSの値及びDOSのb/a値が本発明
の範囲内である条件で、電気的に接地させたもの(a
sample)と、電気的に非接地のもの(b sam
ple)の水素含有量比a/bが0.7≦a/b≦1.
1から外れる条件を光導電層に用いて実施例3と同様に
ドラムを作成し同様の評価を行った。
【0024】(比較例3)DOSの値及びDOSのb/
a値が本発明の範囲外の条件で、電気的に接地させたも
の(a sample)と、電気的に非接地のもの(b
sample)の水素含有量比a/bが0.7≦a/
b≦1.1を満たす条件を光導電層に用いて実施例3と
同様にドラムを作成し同様の評価を行った。比較例2及
び比較例3の結果を合わせて表5に示した。どちらの比
較例においても、帯電能温度特性は、良好な結果が得ら
れなかった。
【0025】
【表5】
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上のように、光導電層の作
成条件を、電気的に非接地の基板上に作成した堆積膜の
局在状態密度と、電気的に接地した基板上に作成した堆
積膜の局在状態密度とを一定の範囲の下に、その作成条
件を適正化して光受容部材を形成するようにしたもので
あるから、特性差の少ない良好な膜を高い堆積速度で形
成することができ、特に、従来の堆積方法と比較し感
度、ブランクメモリーの電子写真特性、及び画像特性を
向上させることができる。更にまた、本発明において
は、上記のように局在状態密度の条件を適正化すると同
時に、非接地基板上の膜中水素含有量と接地基板上の膜
中水素含有量とが、一定の範囲内となるように条件を適
正化することにより、膜の特性差、特に膜の光学的バン
ドギャップの差が軽減され、それにより帯電能の温度依
存性を向上させることができる。そして、本発明はこれ
らにより、とりわけ機能性堆積膜、特に半導体デバイ
ス、電子写真用光受容部材、画像入力用ラインセンサ
ー、撮像デバイス、光起電力デバイス等に用いる特性の
優れた堆積膜を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための堆積膜形成装置の一例
を示した模式図であり、(A)はその縦断面、(B)は
その横断面である。
【図2】基体表面の電界のかかる正面部分とかかり難い
斜面部分を示した図である。
【図3】従来のマイクロ波プラズマCVD法による堆積
膜形成装置の反応容器一例の断面を模式的に示したもの
であり、(A)はその縦断面、(B)はその横断面であ
る。
【符号の説明】
100,300・・・反応容器 101,301・・・円筒状基体 102・・・電極 103・・・ガス導入管 104,304・・・排気口 105,305・・・加熱ヒーター 106・・・電源 107・・・マッチングボックス 108,308・・・回転軸 109,309・・・回転ギア 110,310・・・モーター 111,311・・・基体ホルダー 303・・・マイクロ波導入窓 302・・・プラズマ制御電極(ガス導入管兼用) 306・・・導波管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を有する反応容器内に複数の基
    体を配置し、それによって囲まれた空間に原料ガス並び
    に高周波電力を導入して、前記基体上に少なくともシリ
    コン原子を母体とする非晶質材料で構成した光導電層の
    堆積膜を形成するようにした光受容部材の製造方法にお
    いて、前記放電空間の圧力を100mtorr以下に制
    御すると共に、前記基体における電気的に非接地の基板
    上とそれが接地された基板上とに形成される堆積膜の局
    在状態密度を一定範囲として光受容部材を形成すること
    を特徴とする光受容部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電気的に非接地の基板上に形成され
    る堆積膜の局在状態密度の値をaとし、それが接地され
    た基板上のその値をbとするとき、それらの関係をb/
    a≦0.5であり、かつそれぞれの局在状態密度が1×
    1014cm-3以上5×1016cm-3未満としたことを特
    徴とする請求項1に記載の光受容部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電気的に非接地の基板上とそれが接
    地された基板上とに形成される堆積膜の水素含有量を、
    一定の範囲として堆積膜を形成することを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の光受容部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電気的に非接地の基板上に形成され
    る堆積膜の水素含有量をaとし、それが接地された基板
    上のその値をbとするとき、それらの関係を0.7≦a
    /b≦1.1としたことを特徴とする請求項3に記載の
    光受容部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜請求項4のいずれか1項
    に記載の光受容部材の製造方法により製造される光受容
    部材は、その光導電層がシリコン原子を母体とする非晶
    質材料で構成された光導電層中に周期律表第IIIb族ま
    たは第Vb族に属する元素の少なくとも一つを含むこと
    を特徴とする光受容部材。
  6. 【請求項6】 前記光導電層は、その光導電層中に炭素
    原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含むこと
    を特徴とする請求項5に記載の光受容部材。
  7. 【請求項7】 前記光導電層は、その基体との間に基体
    側より光導電層側への電荷の注入を阻止する機能をもつ
    電荷注入阻止層を有していることを特徴とする請求項5
    又は請求項6に記載の光受容部材。
  8. 【請求項8】 前記光導電層は、その光導電層上に表面
    層を有していることを特徴とする請求項5〜請求項7い
    ずれか1項に記載の光受容部材。
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