JPH0967676A - 高周波プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法 - Google Patents

高周波プラズマcvd法による堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法

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JPH0967676A
JPH0967676A JP7242461A JP24246195A JPH0967676A JP H0967676 A JPH0967676 A JP H0967676A JP 7242461 A JP7242461 A JP 7242461A JP 24246195 A JP24246195 A JP 24246195A JP H0967676 A JPH0967676 A JP H0967676A
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film forming
reaction vessel
reaction container
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JP7242461A
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Yasuyoshi Takai
康好 高井
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Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】均一で安定した放電を確保し、画像特性の優れ
た堆積膜を効率よく安価に作成することができる堆積膜
形成。 【解決手段】放電空間を有する真空気密可能な反応容器
301内に、少なくともカソード電極と原料ガス導入管
及び前記放電空間を取り囲む複数の円筒状支持体を備
え、前記放電空間内に前記原料ガス導入管より原料ガス
を導入すると共に、前記カソード電極より前記放電空間
内に高周波電力を導入し、導入した高周波電力により励
起されるグロー放電により前記円筒状支持体上に堆積膜
を形成する高周波プラズマCVD装置において、前記反
応容器301内の前記カソード電極以外の構造物の少な
くとも1つを、少なくとも2箇所以上で反応容器301
と電気的に結合させることによって反応容器301と同
電位とする、堆積膜形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に堆積
膜、とりわけ機能性膜、特に半導体デバイス、電子写真
用感光体デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮像デ
バイス、光起電力デバイス等に用いるアモルファス半導
体膜を形成する高周波プラズマCVD法を実現する堆積
膜形成装置及び堆積膜形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、半導体デバイス、電子写真用感光体
デバイス、画像入力用ラインセンサー、撮像デバイス、
光起電力デバイス、その他各種エレクトロニクス素子、
光学素子等に用いる素子部材として、アモルファスシリ
コン、例えば水素及び/又はハロゲン(例えば弗素、塩
素等)で補償されたアモルファスシリコン(以下“a−
Si:(H,X)”と記す。)等のアモルファス材料で
構成された半導体等用の堆積膜が提案され、その中のい
くつかは実用に付されている。そしてこうした堆積膜は
プラズマCVD法、即ち原料ガスを直流、又は高周波、
マイクロ波グロー放電によって分解し、ガラス、石英、
耐熱性合成樹脂フイルム、ステンレス、アルミニウムな
どの材質の支持体上に薄膜状の堆積膜を形成する方法が
知られており、そのための装置も各種提案されている。
例えば、特開昭54−86341号公報には、RFプラ
ズマCVD法によりa−Siを光導電層に用いた、耐湿
性、耐久性、電気特性に優れた電子写真用光受容部材に
関する技術が記載されている。また特開昭60−186
849号公報には、原料ガスの分解源として、周波数
2.45GHzのマイクロ波を用いたマイクロ波プラズ
マCVD法による堆積膜の形成方法が開示されている。
即ち、概要、マイクロ波エネルギーの導入部を取り囲む
ように支持体を配置して内部チヤンバー(即ち放電空
間)を形成するようにして、原料ガス利用効率を非常に
高めるようにしたものである。このようなa−Si:
(H,X)堆積膜の製造方法及び装置によって、ある程
度良好な電気特性を有する電子写真用光受容部材をある
程度歩留り良く供給することが可能となった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
電子写真画像にはさらなる高画質化、高精細化が求めら
れており、これまで以上に高品質で高性能な電子写真用
光受容部材を歩留良く安定して安価に供給する技術が求
められている。このような観点から従来技術を検討する
と、さらなる改良の余地が存在するのが現状である。例
えば、前述のRFプラズマCVD法はマイクロ波プラズ
マCVD法と比較して堆積膜の堆積速度が比較的小さ
い。これは、RFがマイクロ波よりも周波数が低く、同
パワーではプラズマ中の電子密度が小さくガスの分解効
率が低いためであると考えられる。量産効率を考えた場
合、堆積速度をさらに大きくする必要がある。堆積速度
を上げるために、RF導入パワーをさらに上げていく
と、放電の安定性、原料ガスの利用効率、装置コスト、
画像特性、放電の均一性等においてつぎのような問題が
ある。 (1)RF導入パワーをさらに上げていくと、放電の安
定性が低下する場合が生じる。RFプラズマCVD法の
場合、安定な放電を維持するためには放電空間内の圧力
の下限が制限され、そのため導入する電力のパワーをむ
やみに上げると異常放電を引き起こし、原料ガスの分解
効率は高くならず、むしろ低くなり、同時に膜質も低下
する場合がある。このような堆積膜を光受容部材として
電子写真装置に適用すると、通常の電子写真画像形成プ
ロセスにより画像形成を繰り返した場合、その耐久性が
十分ではなく、感光体上に一度形成した画像が次の画像
形成時に残像となって残るいわゆる「ゴースト」現象を
引き起こす場合がある。また、連続画像形成する場合に
は、光受容部材の紙間に相当する部分にトナーが付着し
ないように、いわゆる“ブランク露光”を照射している
が、このブランク露光照射部分が次の画像上で濃度が薄
くなる(特にハーフトーン画像で顕著に現れる)現象、
“ブランク露光”メモリーが顕著化する場合がある。 (2)また、上記RFプラズマCVD法の別の問題点と
して原料ガスの利用効率が比較的低いことが挙げられ
る。一般にRFプラズマCVD法は容量結合型の装置が
用いられ、支持体をアノード、反応容器の内壁をカソー
ドとする構成が一般的であが、この場合堆積膜は支持体
だけでなく対向電極である反応容器の内壁にも堆積する
為、原料ガスの利用効率は比較的低いものとなってしま
う。 (3)さらに量産効率を考えた場合、前述の容量結合型
の装置の場合、装置構成上一度に生産できる光受容部材
の数が少なく(例えば2本程度)、量産するためには装
置の数を増やさなければならず、装置コストを押し上げ
ることになる。 (4)一方、マイクロ波プラズマCVD法により電子写
真用光受容部材を量産する場合においては、電子写真用
光受容部材の電気特性をさらに上げようとすると、電子
写真の画像特性が低下する場合がある。例えば、電気特
性をさらに向上させるために、マイクロ波プラズマCV
D法において支持体に直流電圧を印加すると、a−S
i:(H,X)堆積膜表面に堆積膜の異常成長が起こる
場合がある。この異常成長は球状の突起となり、ある程
度大きいものでは電子写真画像上で白点、黒点等の画像
欠陥となって現れる場合がある。 (5)また、マイクロ波の導入パワーをさらに上げるこ
とにより電気特性をさらに向上させようとすると、放電
の均一性が低下する場合がある。放電の均一性が低下す
ると、得られた堆積膜の均一性も低下する。即ち堆積膜
の特性が一定ではなく帯電能むら、感度むら等の“特性
むら”を生じることになる。このような堆積膜を光受容
部材として電子写真装置に適用して画像形成を行った場
合、画像むらを生じる。即ち画像の濃度が一定でなく、
むらになったり、或は、堆積膜の特性が一定でないため
に、特性の悪い部分においては、長時間繰り返し使用を
続けると画像上の細線がにじんだような状態(画像流
れ)となり、ひどいときは文字が全く読めない画像とな
る場合がある。従来は電子写真画像に対する画質、精細
度の要求は現在ほど高くなく、従って求められる特性の
規格自体がある程度の許容範囲があり、歩留りもある程
度確保されていた。しかし近年、前述のように電子写真
画像に対する高画質、高精細の要求が高まるにつれ、規
格の許容範囲が従来よりも狭められることとなった。ま
た、特に近年は従来の文字画像中心の原稿から、写真画
像等のハーフトーンを多用した原稿をコピーする場合が
多くなり、同一コピー画像内での微妙むらも、視覚的に
認識され易くなってきた。その結果、従来は良品との判
断がなされた製品も、不良品となる場合が多くなり、結
果として歩留りが低下する場合があった。従って工業的
な見地からも、上記のような問題点を解決した電子写真
用光受容部材を、歩留まりよく安定して安価に量産でき
る堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法の確立が急務とな
っているのが現状である。
【0004】そこで、本発明は上述のごとき従来の堆積
膜形成装置及び堆積膜形成方法に於ける諸問題を解決
し、均一で安定した放電を確保し、画像特性の優れた堆
積膜を効率よく安価に作成することができる堆積膜形成
装置及び堆積膜形成方法、とりわけ、電気的、光学的、
光導電的特性が使用環境にほとんど依存することなく実
質的に常時安定しており、繰り返し使用に際しては劣化
現象を起こさず耐久性に優れた、特性の均一なシリコン
原子を母体とした非単結晶材料で構成された電子写真用
光受容部材を歩留よく効率的に量産可能な堆積膜形成装
置及び堆積膜形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するため、堆積膜の形成において反応容器内の前記カ
ソード電極以外の構造物の少なくとも1つを、少なくと
も2箇所以上で反応容器と電気的に結合させて反応容器
と同電位することにより、反応容器内の構造物のアース
を確実に取ることができるようにしたものである。すな
わち、本発明の堆積膜形成装置は、放電空間を有する真
空気密可能な反応容器内に、少なくともカソード電極と
原料ガス導入管及び前記放電空間を取り囲む複数の円筒
状支持体を備え、前記放電空間内に前記原料ガス導入管
より原料ガスを導入すると共に、前記カソード電極より
前記放電空間内に高周波電力を導入し、導入した高周波
電力により励起されるグロー放電により前記円筒状支持
体上に堆積膜を形成する高周波プラズマCVD装置にお
いて、前記反応容器内の前記カソード電極以外の構造物
の少なくとも1つを、少なくとも2箇所以上で反応容器
と電気的に結合させることによって反応容器と同電位と
することを特徴としている。本発明においては前記反応
容器が、アース電位となるように構成することができ
る。また、前記堆積膜形成装置は、反応容器の一部とし
て機能する保持部材を備え、この保持部材を真空雰囲気
で搬送するように構成することができる。そして、この
保持部材は、少なくとも堆積膜形成時に真空を保持する
機能を有し、前記カソード電極、ガス導入管、円筒状支
持体及びそれら以外の反応容器内の構造物の少なくとも
1つを同時に保持する機能を有し、また、前記反応容器
に設置時に反応容器と同電位となるように構成されてい
ることを特徴としている。本発明において、前記構造物
は前記保持部材に保持されて該保持部材と電気的に結合
されると共に、その反応容器との着脱部分により反応容
器と電気的に結合するように構成することができる。こ
の構造物の着脱部分は、反応容器との結合時に金属部分
の面接触により反応容器と電気的に結合できるように構
成することができ、その結合を、圧着され金属部分の面
接触により行うようにしても良く、また、弾力性のある
導体を介して行うようにしても良い。そして、前記構造
物は、前記保持部材と共に反応容器から着脱されるよう
に構成される。また、 前記構造物は、原料ガス導入手
段の少なくとも一部を兼用して構成しても良く、そのカ
ソード電極が、原料ガス導入管を兼ねても良い。本発明
の堆積膜形成方法は、放電空間を有する真空気密可能な
反応容器内に、少なくともカソード電極と原料ガス導入
管及び放電空間を取り囲む複数の円筒状支持体を備え、
該放電空間内に前記原料ガス導入管より原料ガスを導入
すると共に、前記カソード電極より前記放電空間内に高
周波電力を導入し、導入した高周波電力により励起され
るグロー放電により前記円筒状支持体上に堆積膜を形成
する高周波プラズマCVD法による堆積膜形成方法にお
いて、前記反応容器内の前記カソード電極以外の構造物
の少なくとも1つを、少なくとも2箇所以上で反応容器
と電気的に結合させることによって反応容器と同電位と
した状態で堆積膜を形成することを特徴とするものであ
り、これに用いられる前記高周波電力の周波数は、20
MHz〜450MHzであることが好ましく、51MH
z〜250MHzの高周波を用いることがより好まし
い。
【0006】
【発明の実施の形態】上述したような本発明の堆積膜形
成装置及び堆積膜形成方法によれば、前述した諸問題点
の全てを解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導
電的特性、耐久性及び使用環境特性を示した光受容部材
を歩留良く効率的に形成することが可能となる。以下
に、まず、本発明を完成するに至った経緯について説明
する。本発明者は、前述の問題点を克服すべく、堆積膜
形成装置及び形成方法について詳細に検討を加えた結
果、放電空間を取り囲むように複数の円筒状支持体を配
置し、該複数の円筒状支持体により取り囲まれた放電空
間内にカソード電極を設置し、該カソード電極より原料
ガスを分解するための電磁波の周波数を高く設定するこ
とにより、とりわけそれを20〜450MHzという特
定の範囲に設定することにより、ガスの利用効率が高
く、同時にある程度の堆積速度が得られることを見いだ
した。一方、さらに検討を重ね、量産の検討を行うと、
上記構成には、別の問題点が存在することも判明した。
即ち、同一条件で成膜しているにも関わらず、ロットに
よっては、放電が起こりにくくなったり、或は放電が不
均一になる場合がある。さらに、放電自体も不安定とな
り、ひどい時には放電切れが起こる場合がある。その結
果、堆積膜の特性が不均一になったり、悪化したり、さ
らには膜剥れが起こる場合があることが判明した。さら
にこのような堆積膜を光受容部材としたときには特性む
らが大きくなったり、画像欠陥が増加する場合がある。
この原因を検討した結果、反応容器内の構造物のアース
不良が最も大きなものの1つであることが明らかになっ
た。ここで反応容器内の構造物とは円筒状支持体を含む
カソード電極以外の構造物の全てを指す。反応容器内の
構造物が高周波に対してアースが不安定であると、それ
が一種のアンテナの役割をして放電空間内に導入した高
周波電力が構造物を介して放電空間外部へ持ち出される
場合がある。この対策の1つとして反応容器内の構造物
を高周波に対してアース電位とすることによって高周波
の伝播を抑制することが考えられる。一般に反応容器内
の構造物はアース電位とされている場合が多い。しかし
高周波の場合、直流的にアース電位とされていても必ず
しも充分とはいえない。例えば導電性の長尺の構造物の
場合、一カ所でも接地されていれば、直流的には全体が
アース電位となっているとみなすことができる。しかし
高周波から見ると必ずしもアース電位とはならず、接地
箇所から遠ざかるにつれて高周波に対するインピーダン
スが増加してしまいアース電位とならない場合がある。
その結果、反応容器内に導入した高周波電力は放電空間
内に十分蓄積されず、放電が容易に生起しない場合があ
る。特に反応容器内で、円筒状支持体のように放電空間
に対して放射状に(即ち対称に)配置された構造物以外
の構造物が十分アース電位とされていないと、高周波電
力が局所的に損失するためにより一層放電が生起しにく
く、かつ放電が生起した場合でも放電が不均一なものと
なってしまう場合が多い。また、放電が生起した後も、
構造物に伝播した電力の一部は構造物の周囲で生起する
放電に使われ、残りは構造物を介して損失してしまう。
そして導入した高周波電力のロスが大きくなるばかり
か、放電の均一性が低下し、放電のマッチングにも影響
を与える場合がある。その結果、支持体上に形成される
a−Si:(H,X)膜の特性及び膜厚も不均一なもの
となってしまう場合がある。従って、反応容器内の構造
物を、高周波に対して十分アース電位とすること(高周
波が乗らない程度まで十分なアースとされること)が重
要である。さらに量産装置を考えた場合、例えば特開平
2−197574号公報に開示されているような保持部
材により円筒状支持体等を保持し、真空搬送可能なバッ
チ式の生産装置は非常に有効である。しかし、この場合
も本発明の特定の周波数の高周波を用いて堆積膜を形成
する場合には上述の反応容器内の構造物のアース電位の
問題を十分考慮しなければならない。例えば、保持部材
を反応容器に設置した場合に反応容器内の構造物のアー
スがロット毎に安定しない(アースが取れたり取れなか
ったりする)と、作製した光受容部材の品質が不安定に
なり、結果として収率を落すこととなる。
【0007】本発明者は上述の知見に基づき高周波プラ
ズマCVD法における電磁波の周波数特性及び装置構成
に注目し、さらに量産化を考慮して鋭意研究した結果、
真空気密可能な反応容器内に、少なくともカソード電極
及び原料ガス導入管を設け、さらに放電空間を取り囲む
ように複数の円筒状支持体を配置し、該放電空間内に前
記原料ガス導入管より原料ガスを導入し、同時に前記カ
ソード電極より前記放電空間内に高周波エネルギーを導
入し、導入した高周波エネルギーにより励起されるグロ
ー放電により前記円筒状支持体上に堆積膜を形成する高
周波プラズマCVD装置において、前記反応容器内の構
造物の少なくとも1つを少なくとも2箇所以上で反応容
器と電気的に結合させることによって反応容器と同電位
とすることにより、プラズマの生起のし易さ、均一性、
堆積膜形成速度及び特性に優れた堆積膜を得ることがで
きることを見いだし、本発明の完成に至った。反応容器
内の構造物の少なくとも1つは2箇所以上でアース電位
とすることによりプラズマの生起のし易さ、均一性が向
上する理由としては以下の理由が推測される。即ち、反
応容器内の構造物を少なくとも2箇所以上でアース電位
とすることにより、高周波に対しても十分アース電位と
することが可能となる。その結果、放電空間内に導入し
た高周波エネルギーは有効に放電に使用され、放電の生
起が容易になり、同時にマッチングの変動も抑えられ放
電が安定することとなる。従って放電が安定、かつ均一
に維持可能となり、a−Si:(H,X)膜の特性及び
膜厚も均一なものとなると考えられる。さらに本発明
は、 (1)反応容器内に高周波を導入するためのカソード電
極、ガス導入管、円筒状支持体及び反応容器内の構造物
の少なくとも1つを同時に保持する機能、並びに少なく
とも堆積膜形成時において真空を保持する機能を有し、
反応容器の一部として機能する保持部材を有し、かつ該
保持部材を真空雰囲気で搬送する手段を有すること。 (2)該保持部材は反応容器に設置時に反応容器と同電
位となり、さらに前記構造物の着脱部分が結合時に反応
容器と電気的に結合できるように構成されていること。
によってバッチ式の量産装置においても前述のアース接
地の問題を解決することにより量産性の向上を可能とす
るものである。本発明において反応容器内の構造物のア
ース電位の取り方としては少なくとも構造物の2箇所以
上をアース電位とされた反応容器と電気的に結合させる
ことが重要である。このとき結合させる部分は、好まし
くは構造物の一端から他端までの間のうち両端又は適当
な間隔を開けて、複数箇所でアースをとることが好まし
い。例えば構造物の両端付近及び/又は上中下で電気的
に結合させることが好ましい。ここで電気的結合の方法
としては構造物を直接反応容器と面接触させて固定する
ことが好ましいが、十分な面接触が不可能であれば、導
電性の媒体(例えば板状の金属、弾力性のある導体等)
を介して圧着することにより電気的に結合させることも
可能である。但し、例えば比較的細く(例えば直径1m
m以下)で、かつ比較的長い(例えば数10cm以上)
金属線等で結合させることは本発明の効果を阻害するた
めに好ましくない。即ちこのような比較的細く、かつ長
い金属線はそれ自体がある程度の長さになると高周波に
対してインピーダンスを持つこととなり、構造物をアー
ス電位とする働きを失うからである。また、後に詳細に
説明するが、反応容器内の構造物が、着脱可能な場合
(例えば堆積膜形成毎に取りはずすような場合)、該構
造物を反応容器内に設置した時点で反応容器と電気的に
結合する構造とすることが好ましい。このときも前述と
同様に着脱部分が弾力性のある導体を介して圧着するこ
とにより結合時に反応容器と電気的に結合できる構造と
することも可能である。上記のような構造とすることは
特にバッチ式量産装置において自動化する上でも好まし
い。本発明においては、導入する電磁波の周波数を特定
の範囲としたことにより、本発明の効果をより顕著なも
のとしている。この理由としては、20MHz〜450
MHzの周波数とすることにより、原料ガスの分解性及
び/又は分解した後の活性種の種類、割合、数を最適に
制御できるためであると推測される。一般に高周波プラ
ズマにおいて、導入する電磁波の周波数に応じてプラズ
マ中の電子密度、或は該電子のエネルギー、さらに電極
に発生するセルフバイアス、支持体に入射するイオンエ
ネルギー等が変化する。例えば、周波数が高くなると一
般に電子温度は高くなり、高エネルギー電子は増加す
る。また入射イオンエネルギーは分布幅が狭くなる(但
し分布の中心値は圧力、パワー等によって変化する)。
また電極のセルフバイアスは小さくなる。従って導入す
る電磁波の周波数によってプラズマ中で生成される電
子、イオン、ラジカル等(以後これらを活性種と記す)
の種類、割合、或はプラズマ自体の安定性が変化する。
これらの変化が、本発明の効果の一助となっているもの
と考えられる。例えばSiH4ガスが電磁波により分解
する場合、前述の様にイオン、ラジカル等の活性種が生
成するが、これらの活性種はその種類によって、反応性
が異なる。このうち不安定(反応性の高い)な活性種は
気相中での2次反応で失活したり、或は支持体表面上で
比較的短時間で膜として堆積してしまう。このような場
合、堆積膜中のネットワーク形成時の緩和時間が不十分
となり、歪みの多い堆積膜となる場合が多い。一方、安
定(反応性が低く比較的寿命の長い)な活性種は、堆積
膜中のネットワーク形成時の緩和時間が十分得られ、歪
みの少ない安定な堆積膜となる。従って、20MHz〜
450MHzの周波数は、活性種の種類、割合、数等を
比較的好ましい条件に制御できるものと考えられる。本
発明者の知見によれば、前述の高周波の周波数は、好ま
しくは20MHz〜450MHz、より好ましくは51
MHz〜250MHzである。また、放電空間中に設け
るカソード電極の数は任意であり、プラズマの均一化の
ために複数の電極を用いることも可能であるが、複数設
ける場合、電極間で生起する放電が、各円筒状支持体に
対して対称となることが好ましい。本発明においては、
カソード電極が複数である場合、数が多くなりすぎると
逆に放電を乱すために、カソード電極の本数は好ましく
は1本以上20本以下、より好ましくは1本以上15本
以下、最適には1本以上10本以下である。カソード電
極を複数設ける場合の位置関係としては、各電極間で生
起する放電が、各円筒状支持体に対して対称となるよう
に、カソード電極間の距離が実質的に同等であることが
好ましい。また、本発明においては、カソード電極にお
いて、必要に応じて電極の一部(例えば電極の端部付
近、中央付近、一定の間隔毎)を高周波に対してシール
ドされた構造とすることが可能である。これは、放電を
より安定させるため、或はより均一にするために必要に
応じて行うことができる。さらに本発明において、カソ
ード電極が、原料ガス導入手段を兼ねる構造とすること
も可能である。これにより、反応容器内の構造を簡略化
することができる。本発明において、カソード電極にお
ける高周波電力の電力密度としては、好ましくは0.0
1〜50W/cm2、より好ましくは、0.1〜30W
/cm2、最適には0.5〜10Wcm2である。電力密
度が0.01W/cm2より小さいと、本発明の効果が
小さくなり、逆に50W/cm2より大きいと、放電が
不安定となり、異常放電を起こし易くなる。またカソー
ド電極形状(断面形状)については、多角形、円形いず
れでも良いが、電磁波を均一に導入するために、例え
ば、円、正多角形等の対称形が好ましい。又、カソード
電極の断面積としては、好ましくは1mm2以上800
cm2以下、好ましくは3mm2以上500cm2以下、
最適には5mm2以上350cm2以下が好ましい。さら
に、円筒状の電極とするときには、該電極断面の直径
は、好ましくは1mm以上15cm以下、より好ましく
は2mm以上12cm以下、最適には3mm以上10c
m以下が好ましい。電極の長さとしては、支持体の長さ
によって異なるが、好ましくは支持体の長さに対して5
%以上200%以下、より好ましくは10%以上180
%以下、最適には20%以上150%以下が好ましい。
また、カソード電極の材質としては、電磁波を伝送可能
なものであれば特に制限はなく、例えば、Al、Cr、
Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、P
b、Fe、等の金属、およびこれらの合金、たとえばス
テンレス(例えばJIS規格SUS300系、400
系)等が挙げられる。パワー条件としては、堆積膜形成
速度が飽和する際のエネルギーの好ましくは5%以上2
00%以下であり、より好ましくはl0%以上180%
以下であり、最適には15%以上150%以下である。
【0008】以下、図面を用いて本発明の電子写真用光
受容部材の形成装置及び方法について詳細に説明する。
図1は量産装置全体の配置図であり、図2は円筒状支持
体、カソード電極、原料ガス導入管及び原料ガス配管を
組み込んだ保持部材の略図である。さらに図3は、図2
の保持部材を反応容器に設置した状態を示した略図であ
る。図1において101は清浄な雰囲気中で堆積膜形成
用円筒状支持体とカソード電極等の構造物を保持部材に
組み込み真空にし、さらに好適な温度まで加熱保持する
ための真空加熱容器である。102は反応容器、103
は堆積膜形成後の保持部材を冷却するための放冷用真空
容器である。120は保持部材を加熱用真空容器10
1、反応容器102、放冷用真空容器103の各容器に
真空状態で保持部材を搬送可能な真空搬送容器である。
104、105、106は各容器を真空にするための排
気装置、107、108、109は同様に各容器を真空
排気するための排気配管及びバルブ、110、111、
112は真空搬送容器120が101、102、103
の各容器に接続されたときゲートバルブ119とゲート
バルブ116、117、118の空間を真空にするため
の排気装置である。そして113、114、115は排
気装置110、111、112に接続された排気配管及
びバルブである。例えば反応容器102への保持部材の
出し入れは真空搬送容器120のゲートバルブ119を
反応容器102のゲートバルブ117上に密着させ、ゲ
ートバルブ117とゲートバルブ119の空間を排気装
置111により真空にする。次いでゲートバルブ117
及び119を開き真空搬送容器120内に設けられた上
下移動機構(図示せず)により反応容器102と真空搬
送容器120間で保持部材の移動を行う。
【0009】図2において212は円筒状支持体、20
4はカソード電極、207は原料ガス導入管であり、2
08は原料ガス配管を示している。また215は円筒状
支持体をホルダーに固定するホルダーキャップである。
これらの構造物は保持部材211に保持されている。こ
こで210はカソード電極204と保持部材211とを
絶縁かつ真空シール可能な絶縁部材である。216は保
持部材にホルダーを保持する部材であり、ホルダーの回
転を妨げない構造となっている。また必要に応じてホル
ダーと保持部材を電気的に結合させることによって同電
位とすることも可能である。原料ガス配管208は保持
部材内部に設けられた原料ガス配管209を介して原料
ガス管207に接続されており、原料ガス配管208下
部から導入された原料ガスは保持部材内部の原料ガス配
管209を通り、原料ガス導入管207から反応容器内
へ導入される構造となっている。この原料ガス配管20
8の一方(図中上部)は保持部材との接合部で保持部材
と同電位となるように電気的に結合されている。また原
料ガス配管208の下部は保持部材を反応容器に設置す
ると、反応容器内に設けられた原料ガス配管に接続され
ると同時に後述する仕組みにより反応容器と同電位とな
るように電気的に結合する構造となっている。
【0010】図3において、図3Aは縦断面図であり、
図3Bは図3AのX−X線断面の図である。図中、30
1は反応容器であり、303は反応容器301を真空に
するための排気装置であり、排気配管302を介して反
応容器に接続されている。311は保持部材である。反
応容器301内に搬入された保持部材にはカソード電極
304と円筒状支持体312とが保持されており、該保
持部材311は反応容器301の開閉部を兼ねている。
即ち保持部材311は真空シール部材317を介して反
応容器301の側壁内側に密接し得るようにされてお
り、反応容器301と保持部材311とにより気密封止
された堆積膜形成空間を形成し得るようにされている。
304はカソード電極であり、マッチングボックス30
5を介して本発明の周波数の電磁波を発生するための高
周波電源306に接続されている。307は原料ガス導
入管であり、金属製の原料ガス導入管を使用する場合
は、反応容器301と共に両端でアース電位に接地され
ている。また308は原料ガス配管であり、保持部材内
部に設けられた原料ガス配管309を介して原料ガス管
307に接続されている。原料ガス配管308は下部
(図中Aの部分)で反応容器と結合している。このAの
部分は着脱可能な構造になっており、保持部材を反応容
器に設置することによって自動的に結合する。そして同
時に電気的にも結合する構造になっており、原料ガス配
管308は保持部材及び反応容器の2箇所でアース電位
となっている。原料ガス配管308下部から導入された
原料ガスは保持部材内部の原料ガス配管309を通り、
原料ガス導入管307から放電空間318へ導入される
構造となっている。カソード電極304は必要に応じて
端部、或は各電極の対向する面部分以外の部分を高周波
に対してシールドする構造としてもよい。例えば、絶縁
部材を挟み外部導体で覆う形で同軸構造としてシールド
することにより、放電の位置を制御することができる。
尚、図3では省略してあるが排気管および排気装置は、
反応容器内の空気を排気する場合と、成膜用のガス(反
応又は未反応)を排気する場合とで、各々独立したもの
を使用するのが、排気管内及び排気装置内での残留ガス
と空気による反応を防止する上で好ましい。反応容器3
01内には支持体312がホルダー313により支持さ
れさらにホルダーキヤップ315により固定されてい
る。そしてホルダー313は、回転軸314に設置され
ている。回転軸314はモーター(不図示)によって回
転可能になっている。316は保持部材にホルダーを保
持する部材であり、ホルダーの回転を妨げない構造とな
っている。また、318は支持体312により取り囲ま
れた放電空間を示す。
【0011】以下、図1〜3に示す本発明の実施例装置
を用いた堆積膜形成の手順を示す。つぎに、洗浄、加熱
工程について説明する。この工程においては、まず、円
筒状支持体を洗浄し、表面の油分、ダスト等の汚れを取
り除き清浄な状態にする。また、カソード電極等の反応
容器に投入する各構造物(部品)も同様に十分洗浄して
おく。次いでクリーンルーム(無塵室)内で複数の円筒
状支持体及びカソード電極を無塵着を着た作業者の手に
より保持部材に注意深く保持する。円筒状支持体及びカ
ソード電極を保持した保持部材を加熱用真空容器101
内に搬入し、ゲートバルブ116を閉じ、バルブ104
を開けて排気装置107により加熱用真空容器内を真空
排気し、加熱用真空容器内圧力を1×10-5Torr以
下程度に調整する。次いで均一かつ迅速に加熱するため
に必要に応じてH2、Arの熱に対して不活性なガスを
1×10-5〜100Torr程度導入しながらヒーター
(図示せず)により円筒状支持体を堆積膜形成に最適な
温度に加熱する。次に真空搬送容器120を加熱用真空
容器101上に移動し、真空搬送容器120のゲートバ
ルブ119を加熱用真空容器101上に密着させ、ゲー
トバルブ119とゲートバルブ116の間の空間を排気
装置110により真空にする。次いでゲートバルブ11
9とゲートバルブ116を開き、真空搬送容器120内
に設けられた上下移動機構(図示せず)により円筒状支
持体及びカソード電極を保持した保持部材を加熱用真空
容器から真空搬送容器120内に移動しゲートバルブ1
19、116を閉じる。保持部材を内蔵した真空搬送容
器120を真空に保持された反応容器102直上まで移
動させ、ゲートバルブ119を反応容器102のゲート
バルブ117上に密着させ、ゲートバルブ119とゲー
トバルブ117の間の空間を排気装置111により真空
にする。次いでゲートバルブ119とゲートバルブ11
7を開き真空搬送容器120内に設けられた上下移動機
構(図示せず)により円筒状支持体及びカソード電極を
保持した保持部材を真空搬送容器から反応容器102内
に搬入する。搬入後はゲートバルブ119、117を閉
じ、ゲートバルブ119とゲートバルブ117の間の空
間を大気圧に戻し真空搬送容器102を上方へ移動させ
る。
【0012】つぎに、堆積膜形成工程について説明す
る。この工程においては、保持部材を反応容器に設置し
た後、ゲートバルブ117を開け高周波電源を接続す
る。一方反応容器内部は、排気装置105により排気管
108を介して、反応容器102を排気し、反応容器1
02内の圧力を1×10-5Torr以下とする。この
時、反応容器内のダスト等を舞い上げないように、始め
の排気はゆっくり(スロー排気)行うことが望ましい。
次いで、第1層の原料ガスをガス導入管307を介して
導入する。即ち、a―Si:(H,X)の原料ガスとし
てシランガス、ドーピングガスとしてジボランガス、希
釈ガスとしてヘリウムガス等の原料ガスを反応容器内に
導入する。それと同時並行的に、高周波電源306によ
り周波数20〜450MHzの電磁波を発生させ、マッ
チングボックス305を通じ、カソード電極304より
反応容器102(301)内に導入し放電を生起させ
る。このようにして支持体312によって囲まれた放電
空間318において、原料ガスは、20〜450MHz
の高周波エネルギーにより励起されて解離し、中性ラジ
カル粒子、イオン粒子、電子などの活性種が生成され、
それらが相互に反応して支持体312表面に堆積膜を形
成する。そして、支持体312が設置された回転軸31
4をモーター(不図示)により回転させることにより、
支持体312を支持体母線方向中心軸の周りに回転させ
ることにより、支持体312全周にわたって均一に堆積
膜を形成する。このようにして形成された第1層上への
第2層の形成は、第1層形成時とは原料ガスの組成(組
成比)を変えて反応容器102(301)内に原料ガス
を導入し、第1層形成時と同様にして放電を開始するこ
とによって行う。この時、反応容器102(301)内
は必ずしも放電を一旦切り、真空度を真空に引きあげる
必要はなく、ガス流量制御手段(不図示)を手動又はコ
ンピュータ等による制御によって、放電を維持した状態
で、第1領域形成のガス組成から第2領域形成のガス組
成(組成比)へと徐々に切り換えていくことも可能であ
る。例えば、第1層がモノシランガス(100%)50
0sccm、ジボランガス2000ppm水素希釈)1
50sccm、ヘリウムガス2000sccmにより形
成され、第2層がモノシランガス(100%)300s
ccm、ジボランガス(3000ppm水素希釈)5s
ccm、ヘリウムガス2000sccmより形成される
場合、第1層形成終了時に、速やかに各ガス流量を第2
層形成用ガス流量へMFC等により切り換えればよい。
また、ガスの種類を変える場合には、所望のガスの流量
を徐々に減らして0にするか、或は0から徐々に増やし
て所定の流量になるようにMFC等で制御することも可
能である。例えば、第1層がa−Si:(H,X)層中
に炭素原子を含有し、第2層が炭素原子を含有しないa
−Si:(H,X)層で構成される場合、炭素原子導入
用のガス(例えばメタン)の流量を、第1層形成終了時
に、MFC等により流量0まで速やかに絞り込めばよ
い。この時、炭素原子導入用ガス以外のガス(例えば、
モノシラン、ジボラン、水素、ハロゲン原子導入用ガ
ス、ヘリウム等)の流量の制御は、上記と同様に所望の
作製条件に従って切り換えればよい。上記層構成とは逆
に第1層がa−Si:(H,X)層中に炭素原子を含有
せず、第2層が炭素原子を含有するa−Si:(H,
X)層で構成される場合、炭素原子導入用のガス(例え
ばメタン)の流量を、第1層形成終了時に、MFC等に
より流量0から所望の流量まで速やかに増加させればよ
い。
【0013】つぎに、冷却工程について説明する。堆積
膜形成後は、高周波と原料ガスの導入と円筒状支持体の
回転を中止し、電源を反応容器から取りはずす。次いで
ゲートバルブ117を閉じ、ゲートバルブ117と保持
部材によって形成された空間Bを真空排気した後真空搬
送容器120を移動させて、真空搬送容器120のゲー
トバルブ119と反応容器102のゲートバルブ117
を密着させ、ゲートバルブ119とゲートバルブ117
の間の空間を排気装置111により真空排気する。こう
した後、反応容器102内の保持部材を真空搬送容器1
20内に搬入し、ゲートバルブ117、119を閉じ
る。保持部材を内蔵した真空搬送容器120は次に真空
に保持されている放冷用真空容器103上まで搬送され
る。そしてゲートバルブ119とゲートバルブ118を
密着させた後、両ゲートバルブの間の空間を排気装置1
12により真空排気する。次いでゲートバルブ119、
118を開き保持部材を真空搬送容器120から放冷用
真空容器103内に搬入し、ゲートバルブ119、11
8を閉じる。そして放冷用真空容器103内で堆積膜を
形成した円筒状支持体(光受容部材)を冷却する。この
とき必要に応じてH2、Ar、N2、He等の冷却用の
ガスを導入しても良い。冷却後放冷用真空容器103を
開いて円筒状支持体、カソード電極及び保持部材を取り
出す。本発明においては、加熱用真空容器と反応容器、
さらには放冷用真空容器は上記説明のように別々でも、
或は同一(反応容器で全てを兼ねる)でも良いが、生産
効率の点からは別々の方が好ましい。また保持部材の材
質としては、複数の円筒状支持体、カソード電極等を保
持する強度があり、同時に真空を保持することが可能で
あればいずれでも良く、例えばステンレス、Al、C
r、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、
Pd、Fe等の金属、これらの合金が好ましい。またそ
の形状はいずれでも良い。さらに円筒状支持体の保持方
法は、反応容器に設置した時に円筒状支持体の回転運動
を阻害しなければいずれでも良く、例えばフック等に吊
す方式、アーム等でつかむ方式等が用いられる。
【0014】次に先に触れた反応容器内の構造物(一例
として原料ガス配管308)の反応容器との電気的結合
のさせかたについて説明する。図4において401は、
図2の208(図3の308)で示された原料ガス配管
であり、402は反応容器中に設けられた原料ガス配管
である。それぞれ保持部材を反応容器に設置すると原料
ガス配管402を原料ガス配管401が接続される構造
となっている。aは原料ガス配管402を原料ガス配管
401に接続した場合、接触面404と接触面403が
面接触することによって電気的に接続されるものであ
る。bは原料ガス配管401下部に板バネ状の導体40
5を設けることによって前記403、404の面接触の
みでなく板バネ状の導体405を介しても電気的に接続
されるものである。cは原料ガス配管402の周囲に板
バネ状の導体406を設けることによって前記403、
404の面接触のみでなく板バネ状の導体406を介し
ても電気的に接続されるものである。dは原料ガス配管
402の面接触部分404に導電性の弾性体407を設
けたものであり、導電性の弾性体407が圧着されるこ
とにより電気的に接続されるものである。eは原料ガス
配管401の一部を導電性のある弾性体408(例えば
金属製フレキシブルパイプ)とすることにより接触面4
044船と接触面403が圧着されることでより確実に
面接触することによって電気的に接続されるものであ
る。fはeと全く同様に原料ガス配管402の一部を導
電性のある弾性体409(例えば金属製フレキシブルパ
イプ)とすることにより接触面404と接触面403が
圧着されることでより確実に面接触することによって電
気的に接続されるものである。上記のような構造とする
ことにより、反応容器内の構造物(一例として原料ガス
配管308)が脱着式であっても反応容器に設置時には
十分高周波に対してアース電位とすることが可能とな
る。もちろん上記構成はほんの一例にすぎず、反応容器
内の構造物は原料ガス配管に限定されるものではない。
また反応容器と電気的に結合させる箇所も上下の2箇所
に限定されるものではなく、複数設けることが好まし
い。さらに本発明では量産効率を考慮してバッチ式の量
産装置をモデルに説明しているため、脱着式の構造物に
注目して説明しているが、反応容器中に固定されている
構造物についても少なくとも2箇所以上で反応容器と電
気的に結合させることによってアース電位とすることが
好ましいことは言うまでもない。
【0015】次に、本発明の堆積膜形成装置、及び堆積
膜形成方法により作製した光受容部材の一例を説明す
る。図5は、本発明の方法により形成された電子写真用
光受容部材の層構成の一例を模式的に示した図である。
本発明によって形成された電子写真用光受容部材500
は、支持体501上に、光導電層502、表面層503
を順次積層して成り立っている。図6は、図5の層構成
にさらに電荷注入阻止層を加えた層構成となっており、
光受容部材600は、支持体601上に、電荷注入阻止
層604、光導電層602、表面層603を順次積層し
て成り立っている。図7は光導電層をさらに機能分離型
とした構成を有するものであり、光受容部材700は、
支持体701上に、電荷注入阻止層704、電荷輸送層
705、電荷発生層706、表面層703を順次積層し
て成り立っている。図8は光導電層を、主に阻止層及び
電荷輸送の役割を有する光導電領域1と、主に電荷輸送
及び電荷発生の役割を有する光導電領域2とした構成を
有するものであり、支持体801上に、光導電領域1
(807)、光導電領域2(808)、表面層803を
順次積層して成り立っている。
【0016】本発明において使用される支持体501、
601、701、801は例えばAl、Cr、Mo、A
u、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pb、Fe、
等の金属、およびこれらの合金、たとえばステンレス等
が挙げられる。またポリエステル、ポリスチレン、ポリ
カーボネイト、セルロースアセテート、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド等の合
成樹脂のフイルムまたはシート、ガラス、セラミック等
の電気絶縁性支持体の少なくとも光受容層を形成する側
の表面を導電処理した支持体も用いることができる。さ
らに光受容層を形成する側と反対側も導電処理すること
が望ましい。支持体501、601、701、801の
形状は平滑平面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無
端ベルト形状であることができ、その厚さは所望どうり
の電子写真用光受容部材を形成し得るように適宜決定さ
れるが、電子写真用光受容部材として可ぎゃく性が要求
される場合には、支持体としての機能が十分発揮できる
範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしなが
ら、支持体の製造上および取り扱い上、機械的強度等の
点から通常は10μm以上とされる。
【0017】本発明において、支持体501、601、
701、801の表面に凹凸を設けることも可能であ
り、例えばレーザー光などの可干渉性光を用いて像記録
を行う場合には、可視画像において現われる干渉縞模様
による画像不良を解消するために、支持体、501、6
01、701、801の表面に凹凸を設けてもよい。ま
た、この凹凸は、複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状で
あってもよい。即ち、支持体、501、601、70
1、801の表面が電子写真用感光体に要求される解像
力よりも微少な凹凸を有し、しかも該凹凸は、複数の球
状痕跡窪みとすることにより、可干渉性光に対しても一
層精細な画像を得ることができる。本発明において光導
電層502、602及び電荷輸送層705、電荷発生層
706、光導電領域1(807)、光導電領域2(80
8)は、周波数20MHz〜450MHzの電磁波及び
必要に応じてカソード電極にバイアス電圧を印加し放電
空間内で生起したプラズマCVD法によって、所望の特
性を有する非単結晶材料より形成される。例えばa−S
i:(H,X)より構成された光導電層502、602
及び電荷輸送層705、電荷発生層706、光導電領域
1(807)、光導電領域2(808)を形成するに
は、基本的にシリコン原子(Si)を供給し得るSi供
給用ガスを内部が減圧可能な反応容器内に所望のガス状
態で導入し、反応容器内で周波数20MHz〜450M
Hzの電磁波を導入すると同時に、必要に応じてカソー
ド電極にバイアス電圧を印加して、放電空間にグロー放
電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された支持
体上にa−Si:(H,X)からなる層を形成すればよ
い。また本発明においては、光導電層502、602及
び電荷輸送層705、電荷発生層706、光導電領域1
(807)、光導電領域2(808)中に伝導性を制御
するための原子を導入することも有効であるし、修飾物
質として弗素原子等のハロゲン原子、或は、必要に応じ
て炭素、窒素、酸素等の原子を導入することも有効であ
る。
【0018】本発明の目的を達成し得るa−Si:
(H,X)からなる光導電層502、602及び電荷輸
送層705、電荷発生層706、光導電領域1(80
7)、光導電領域2(808)を形成するためには、支
持体の温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、
適宜設定する必要がある。支持体の温度(Ts)は、層
設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の
場合、好ましくは20〜500℃、より好ましくは50
〜480℃、最適には100〜450℃とするのが望ま
しい。放電空間内のガス圧も同様に層領域設計にしたが
って適宜最適範囲が選択されるが、本発明においては、
好ましくは0.01mTorr〜1000mTorr、
好ましくは0.1mTorr〜800mTorr、最適
には0.5mTorr〜500mTorrとするのが好
ましい。本発明においては、光導電層502、602及
び電荷輸送層705、電荷発生層706、光導電領域1
(807)、光導電領域2(808)を形成するための
導電性支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前
記した範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクター
は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望
の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有機
的関連性に基づいて層領域作成ファクターの最適値を決
めるのが望ましい。
【0019】本発明において、光導電層502、602
及び電荷輸送層705、電荷発生層706、光導電領域
1(807)、光導電領域2(808)の層厚は所望の
電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から
適宜所望にしたがって決定され、好ましくは5〜50μ
m、より好ましくは10〜40μm、最適には15〜3
0μmとされるのが望ましい。さらに本発明において
は、光導電層502或は電荷注入阻止層604、70
4、光導電領域1(807)の前記導電性支持体側に、
少なくともアルミニウム原子とシリコン原子と水素原子
が層厚方向に不均一な分布状態で含有する層領域を有す
ることが望ましい。同様に、ハロゲン原子、或は、炭
素、窒素、酸素原子等を必要に応じて均一又は不均一に
含有させることも可能である。さらに光導電層を電荷輸
送層、電荷発生層等、機能的に分離することも可能であ
る。本発明において表面層503、603、703、8
03は、周波数20MHz〜450MHzの電磁波及び
必要に応じてカソード電極にバイアス電圧を印加し、放
電空間で生起したグロー放電により所望の機械的特性、
電気的特性、耐環境性等を有する非単結晶材料で形成さ
れる。また、本発明においては、表面層503、60
3、703、803中に必要に応じて伝導性を制御する
ための原子を導入することも有効であるし、修飾物質と
して弗素原子等のハロゲン原子、或は、炭素、窒素、酸
素等の原子を導入することも有効である。例えばアモル
ファス炭化珪素(a−SiC)からなる表面層を形成す
る場合には、基本的にシリコン原子(Si)を含むガス
と炭素原子(C)を含むガスとを原料ガスとして、減圧
可能な反応容器内に導入し、周波数20MHz〜450
MHzの電磁波及び必要に応じてカソード電極にバイア
ス電圧を印加し、放電空間で生起したグロー放電により
所定の位置に設置された、前もって光導電層等を形成し
た支持体上に堆積膜を形成することによって得られる。
【0020】本発明において、表面層503、603、
703、803の層厚は所望の電子写真特性が得られる
こと、及び経済的効果等の点から好ましくは0.01〜
30μm、より好ましくは0.05〜20μm、最適に
は0.1〜10μmとされるのが望ましい。本発明にお
いて表面層503、603、703、803を形成する
条件は、所望の電子写真特性が得られるように、適宜決
定することができる。例えば支持体温度は適宜最適範囲
が選択されるが、好ましくは20〜500℃、より好ま
しくは50〜480℃、最適には100〜450℃とす
るのが望ましい。また、反応容器内のガス圧も適宜最適
範囲が選択されるが、本発明においては、好ましくは
0.01mTorr〜1000mTorr、好ましくは
0.1mTorr〜800mTorr、最適には0.5
mTorr〜500mTorrとするのが好ましい。さ
らに、原料ガスの分解のために印加されるVHF帯域の
電磁波のパワーは支持体一個あたり通常0.001〜
8.0W/cm2、好適には0.01〜5.0W/cm2
とするのが望ましい。本発明においては、表面層50
3、603、703、803を形成するための支持体温
度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙
げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるも
のではなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべ
く相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるの
が望ましい。
【0021】本発明においては、光導電層及び表面層の
界面部分に組成等の特性が、光導電層から表面層に連続
的に変化するような領域を設けることもできる。また本
発明によって形成される電子写真用光受容部材の層構成
は、電子写真用光受容部材としての所望の特性を得るた
めに必要に応じて、上記光導電層と表面層以外に、密着
層、下部電荷注入阻止層等を設けることができる。これ
らを設けた場合にも各層の間に組成等を連続的に変化さ
せた領域等を設けることができるが、この領域の厚さは
実質的に界面を形成する程度のものである。本発明にお
いて使用されるSi供給用ガスとなり得る物質として
は、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10
等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラ
ン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層
作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でS
iH4,Si2H6が好ましいものとして挙げられる。
また、水素化珪素のほかにも、弗素原子を含む珪素化合
物、いわゆる弗素原子で置換されたシラン誘導体、具体
的には、たとえばSiF4、Si2F6等のフッ化珪素
や、SiH3F、SiH2F2、SiHF3等の弗素置
換水素化珪素等、ガス状の、またはガス化し得る物質も
本発明のSi供給用ガスとしては有効である。また、こ
れらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2,H
e,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用しても本発
明には何等差し支えない。
【0022】炭素原子(C)導入用の原料ガスになり得
るものとして有効に使用される出発物質は、CとHとを
構成原子とする、例えば炭素数1〜5の飽和炭化水素、
炭素数2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のア
セチレン系炭化水素等が挙げられる。具体的には、飽和
炭化水素としては、メタン(CH4)、エタン(C2H
6)、プロパン(C3H8)、n−ブタン(n−C4H
10)、ペンタン(C5H12)、エチレン系炭化水素
としては、エチレン(C2H4)、プロピレン(C3H
6)、ブテン−1(C4H8)、ブテン−2(C4H
8)、イソブチレン(C4H8)、ペンテン(C5H1
0)、アセチレン系炭化水素としては、アセチレン(C
2H2)、メチルアセチレン(C3H4)、ブチン(C
4H6)等が挙げられる。この他に、CF4、CF3、
C2F6、C3F8、C4F8等のフッ化炭素化合物も
本発明のC供給用ガスとして使用できる。同様に窒素原
子(N)導入用の原料ガスになり得るものとして有効に
使用される出発物質は、Nを構成原子とするか、或はN
とHを構成原子とする、例えば窒素ガス(N2)、アン
モニア(NH3)、ヒドラジン(H2NNH2)、アジ
化水素(HN3)、アジ化アンモニウム(NH4N3)
等のガス状またはガス化し得る窒素、窒化物及びアジ化
物等の窒素化合物を挙げることができる。これらの他
に、窒素原子の導入に加えて、ハロゲン原子の導入も行
えるという点から、三弗化窒素(NF3)、四弗化二窒
素(N2F4)等のハロゲン化窒素化合物も挙げること
ができる。また、酸素原子(O)導入用の原料ガスにな
り得るものとして有効に使用される出発物質は、例えば
酸素(O2)、オゾン(O3)、一酸化窒素(NO)、
二酸化窒素(NO2)、一酸化二窒素(N2O)、三酸
化二窒素(N2O3)、四酸化二窒素(N2O4)、五
酸化二窒素(N2O5)、三酸化窒素(NO3)、さら
に珪素原子(Si)、酸素原子(O)、水素原子(H)
の3つを構成原子とする、例えば、ジシロキサン(H3
SiOSiH3)、トリシロキサン(H3SiOSiH
2OSiH3)等の低級シロキサン等を挙げることがで
きる。さらに、これらのC供給用の原料ガスを必要に応
じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使
用することも本発明には有効である。また、Si(CH
3)4、Si(C2H5)4等のケイ化アルキルを上記
の原料ガスと併せて使用することも本発明では有効であ
る。本発明に使用される上記のような原料ガスは、各々
異なる供給源(ボンベ)から供給してもよいし、また、
あらかじめ一定の濃度で混合されたガスを使用すること
も本発明には有効である。
【0023】[実験例]以下に実験例により本発明を実
証するための具体例を説明するが、本発明はこれらによ
って何ら限定されるものではない。 (実験例1)反応容器内の構造物のアースの取り方と放
電の生起し易さを確認するために以下の実験を行った。
鏡面加工を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダー
を支持体として使用し、図3の製造装置を用い、さきに
示した手順により、表1の条件で放電実験を行った。そ
して反応容器内の構造物308のアースの取り方(反応
容器との電気的結合箇所:0、1、2、3箇所)を変化
させ、さらに反応容器内の圧力を変化させて周波数10
5MHzの高周波電力500Wを印加し、放電を生起さ
せた。1回の放電実験毎に支持体、カソード電極等をセ
ッティングし直し、これを100回繰り返し放電の生起
し易さを調べた。但し、支持体としては、直径108m
m、長さ358mm、厚さ5mmの円筒状アルミシリン
ダーを用いた。また、本実験例で反応容器内の構造物と
は図3における原料ガス配管308である。結果を表2
に示す。ここで、表中◎○△×の記号は以下の測定結果
を意味する。 ◎・・・100回試行中80回以上、高周波電力印加後
直ちに放電が生起した。 ○・・・100回試行中50回以上、高周波電力印加後
直ちに放電が生起した。 △・・・100回試行中高周波電力印加後直ちに放電が
生起したのは30回以下であった。 ×・・・100回試行中高周波電力印加後直ちに放電が
生起したのは5回以下であった。 表2より明らかなように、反応容器内の構造物のアース
の取り方が放電の生起し易さに大きな影響を与えてお
り、特に2箇所以上で反応容器と電気的に結合させるこ
とが放電の生起し易さに効果があることが確認された。
次に電磁波の周波数を20MHz〜450MHzまで変
化させて同様の実験を行った結果、同様の結果が得られ
た。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】 (実験例2)反応容器内の構造物のアースの取り方と放
電の均一性の関係を確認するために以下の実験を行っ
た。 膜厚の均一性を調べるため、鏡面加工を施し、脱脂洗
浄したアルミニウムシリンダーを支持体として使用し、
図3の製造装置を用い、さきに示した手順により、表3
の条件で支持体上にa−Si:H膜を堆積させた。反応
容器内の構造物のアースの取り方(反応容器との電気的
結合箇所:0、1、2、3箇所)を変化させ5時間連続
放電させ以下の方法で堆積膜の膜厚の均一性を調べた。
但し、電磁波の周波数は105MHzとした。堆積膜形
成後、支持体の周方向10度間隔、及び上下方向3cm
間隔で各々膜厚を測定した。測定した膜厚より、同一ロ
ットで成膜された支持体間の膜厚のばらつきを調べた。
結果を表4に示す。ここで◎○△×の記号は以下の測定
結果を意味する。 ◎・・・膜厚のばらつきが極めて小さく優れている。 ○・・・膜厚のばらつきが小さく優れている。 △・・・膜厚のばらつきは小さく良好。 ×・・・膜厚のばらつきはあるが、実用上問題なし。 表4より明らかなように反応容器内の構造物のアースの
取り方が放電の均一性に大きな影響を与えており、特に
2箇所以上で反応容器と電気的に結合させることが放電
均一性に極めて有効であることが確認された。次に電磁
波の周波数を20MHz〜450MHzまで変化させて
同様の実験を行った結果、同様の結果が得られた。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】 膜特性の均一性を調べるため、支持体として、コーニ
ング社製7059ガラス板を使用した。該ガラス板は1
inch×2inch、厚さ0.7mmのサイズのもの
で、円筒状アルミシリンダー(実験例1の支持体と同
一)表面の一部を削り平面とし、上部、中部、下部の3
箇所、さらに周方向には90度間隔で計12箇所(アル
ミシリンダー1本当たり)ガラス支持体を設置した。次
いで表5の条件により該ガラス支持体上に厚さ約1μm
のa−Si:H膜を堆積させた。このときと同様に反
応容器内の構造物のアースの取り方を変化させた。但
し、電磁波の周波数は105MHzとした。こうして得
られた堆積膜をサンプルとして、光導電率及び暗導電率
を以下の方法で測定した。まず、前記ガラス支持体上に
堆積したa−Si:H膜(サンプル)上にCrの櫛型電
極(幅5cm、ギヤップ間隔250μm)を真空蒸着
し、微小電流計(YHP社製4140B)で導電率を測
定した。明導電率測定用の光源には、7mwのHe−N
eレーザーを使用した。上記の測定により光導電率、暗
導電率よりSN比(光導電率/暗導電率)を求め、同一
ロットで成膜されたサンプル間の周方向、上下方向にお
ける特性のばらつきを調べた。結果を表6に示す。ここ
で◎○△×の記号は以下の測定結果を意味する。 ◎・・・特性のばらつきが極めて小さく優れている。 ○・・・特性のばらつきが小さく優れている。 △・・・特性のばらつきが小さく良好。 ×・・・特性のばらつきはあるが、実用上問題なし。 表6より明らかなように反応容器内の構造物のアースの
取り方が放電の生起し易さに大きな影響を与えており、
特に2箇所以上で反応容器と電気的に結合させることが
放電均一性に極めて有効であることが確認された。次に
電磁波の周波数を20MHz〜450MHzまで変化さ
せて同様の実験を行った結果、同様の結果が得られた。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】 以上の実験例により本発明の構成は決定された。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明の効果
を実証するための具体例を説明するが、実験例同様、本
発明はこれらによって何ら限定されるものではない。 [実施例1]鏡面加工を施し、脱脂洗浄したアルミニウ
ムシリンダーを支持体として使用し、図3の製造装置を
用い、実験例1と同様の手順で、電磁波の周波数を10
5MHzに固定して、表7の条件で支持体上に図6に示
した電荷注入阻止層、光導電層、表面層の3層よりなる
堆積膜を形成し光受容部材とした(以後ドラムと記
す)。但し、反応容器内の構造物のアースは上下2箇所
とした。また、本実施例で反応容器内の構造物とは図3
における原料ガス配管308である。支持体としては、
直径108mm、長さ358mm、厚さ5mmの円筒状
アルミシリンダーを用いた。こうして得られたドラム6
本各々を電子写真装置(キヤノン社製NP6060を本
テスト用に改造したもの)にセットして、通常の電子写
真プロセスにより画像を形成し、ゴースト、帯電能む
ら、感度むらの各項目について評価を行った。その後こ
れら6本のうち、任意の1本について300万枚連続し
て画像形成を行う耐久試験(以下耐久試験と表記)を行
った後「白ポチ」、「黒ポチ」の各項目についての画像
に対して評価した。これらの項目については、それぞ
れ、以下の方法で評価した。ゴースト…キヤノン製ゴー
ストテストチャート(部品番号:FY9−9040)に
反射濃度1.1、直径5mmの黒丸を貼り付けたものを
原稿台に置き、そのうえにキヤノン製中間調チャートを
重ねておいた際のコピー画像において、中間調コピー上
に認められるゴーストチャートの直径5mmの黒丸の反
射濃度と中間調部分の反射濃度との差を測定、評価し
た。ゴーストについて ◎・・・「極めて良好」 ○・・・「特に良好」 △・・・「良好」 を表している。 帯電能むら……ドラムを実験装置に設置し、帯電器に+
6kVの高電圧を印加してコロナ帯電を行い、表面電位
計によりドラムの暗部表面電位を測定した。ドラムの上
から下にかけて3cmおきに表面電位を測定し、その平
均値を帯電能とした。そして1本のドラムにおいて平均
値から最も離れた値を帯電能むらとした。1回の成膜で
得られる同一ロットのドラムについて同様の評価を行
い、帯電能むらの最も大きいものについて以下の基準で
評価した。帯電能むらについて ◎・・・「極めて良好」 ○・・・「特に良好」 △・・・「良好」 を表している。 感度むら……ドラムを実験装置に設置し、一定の暗部表
面電位に帯電させる。そして直ちに光像を照射する。光
像はキセノンランプ光源を用い、フイルターを用いて5
50nm以下の波長域の光を除いた光を照射する。この
時表面電位計により電子写真感光体の明部表面電位を測
定する。明部表面電位が所定の電位になるよう露光量を
調整し、この時の露光量をもって感度とする。ドラムの
上から下にかけて3cmおきに同様の測定を行い、その
平均値を平均感度とし、そして1本のドラムにおいて平
均値から最も離れた値を感度むらとした。そして1回の
成膜で得られる同一ロットのドラムについて同様の評価
を行い、感度むらの最も大きいものについて以下の基準
で評価した。感度むらについて ◎・・・「極めて良好」 ○・・・「特に良好」 △・・・「良好」 白ポチ……キヤノン製全面黒チャート(部品番号:FY
9−9073)を原稿台に置きコピーしたときに得られ
たコピー画像の同一面積内にある直径0.2mm以下の
白ポチについて、その数を数えた。「白ポチ」について ◎・・・「極めて良好」 ○・・・「特に良好」 △・・・「良好」 を表している。 黒ポチ……白紙のコピー用紙を10枚重ねて原稿台に置
きコピーしたときに得られたコピー画像の同一面積内に
ある直径0.2mm以下の黒ポチについて、その数を数
えた。「黒ポチ」について ◎・・・「極めて良好」 ○・・・「特に良好」 △・・・「良好」 を表している。結果を表8に示す。
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】 [実施例2]鏡面加工を施し、脱脂洗浄したアルミニウ
ムシリンダーを支持体として使用し、図3の製造装置を
用い、実施例1と同様の手順で表9の条件で支持体上に
図7に示した電荷注入阻止層、電荷輸送層、電荷発生
層、表面層の4層よりなるドラムを作製した。また、反
応容器内の構造物のアースについても実施例1と全く同
様に上下2箇所とした。支持体としては、直径108m
m、長さ358mm、厚さ5mmの円筒状アルミシリン
ダーを用いた。こうして得られたドラムを電子写真装置
(キヤノン社製NP6060を本テスト用に改造したも
の)にセットして、実施例1と同様に評価した。結果を
実施例1の結果と合わせて表8に示す。
【0033】
【表9】 [実施例3]鏡面加工を施し、脱脂洗浄したアルミニウ
ムシリンダーを支持体として使用し、図3の製造装置を
用い、実施例1と同様の手順で表10の条件で支持体上
に図8に示した光導電領域1、光導電領域2、表面層の
3層よりなるドラムを作製した。また、反応容器内の構
造物のアースについても実施例1と全く同様に上下2箇
所とした。支持体としては、直径108mm、長さ35
8mm、厚さ5mmの円筒状アルミシリンダーを用い
た。こうして得られたドラムを電子写真装置(キヤノン
社製NP6060を本テスト用に改造したもの)にセッ
トして、実施例1と同様に評価した。結果を実施例1実
施例2の結果と合わせて表8に示す。
【0034】
【表10】 表8より明らかなように、本発明は、ドラムの層構成に
よらず、極めて有効であることが確認された。
【0035】(比較例1)反応容器内の構造物のアース
を1箇所とする以外は実施例1と全く同様に、鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを支持体
として使用し、図3の製造装置を用い、ドラムを作製し
た。こうして得られたドラムを電子写真装置(キヤノン
社製NP6060を本テスト用に改造したもの)にセッ
トして、実施例1と同様に評価した。結果を実施例1〜
3の結果と合わせて表8に示す。
【0036】(比較例2)反応容器内の構造物のアース
を1箇所とする以外は実施例2と全く同様に、鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを支持体
として使用し、図3の製造装置を用い、ドラムを作製し
た。こうして得られたドラムを電子写真装置(キヤノン
社製NP6060を本テスト用に改造したもの)にセッ
トして、実施例1と同様に評価した。結果を実施例1〜
3及び比較例1の結果と合わせて表8に示す。
【0037】(比較例3)反応容器内の構造物のアース
を1箇所とする以外は実施例3と全く同様に、鏡面加工
を施し、脱脂洗浄したアルミニウムシリンダーを支持体
として使用し、図3の製造装置を用い、ドラムを作製し
た。こうして得られたドラムを電子写真装置(キヤノン
社製NP6060を本テスト用に改造したもの)にセッ
トして、実施例1と同様に評価した。結果を実施例1〜
3及び比較例1、2の結果と合わせて表8に示す。表8
より明らかなように本願発明の反応容器内の構造物のア
ースの取り方が光受容部材の特性良化に大きな効果があ
ることが分かる。
【0038】[実施例4]反応容器内の構造物のうち円
筒状支持体も上下方向でアースを取った以外は実施例1
〜3と同様に図3の製造装置を用い、実施例1〜3と同
様の手順で、電磁波の周波数を105MHzに固定し
て、表7、9、11の条件で支持体上に図5〜8に示し
たドラムを作製した。但し、反応容器内の構造物のアー
スは上下2箇所とした。また、本実施例で反応容器内の
構造物とは図3における原料ガス配管308である。支
持体としては、直径108mm、長さ358mm、厚さ
5mmの円筒状アルミシリンダーを用いた。こうして得
られたドラムを電子写真装置(キヤノン社製NP606
0を本テスト用に改造したもの)にセットして、実施例
1〜3と同様に評価したところさらに特性均一性が向上
していることが確認された。
【0039】[実施例5]図1に示した量産装置を使用
する以外は、実施例1〜4と全く同条件で、100ロッ
トのドラムを連続的に作製した。但し、反応容器内のア
ースの取り方としては図4a〜fに示した方法で原料ガ
ス配管のアースを取った。こうして得られたドラムを電
子写真装置(キヤノン社製NP6060を本テスト用に
改造したもの)にセットして、実施例1〜4と同様に評
価したところ実施例1〜4と同様に本願発明の効果が確
認された。
【0040】
【発明の効果】本発明の堆積膜形成装置及び堆積膜形成
方法は、上記のように前記反応容器内の前記カソード電
極以外の構造物の少なくとも1つを、少なくとも2箇所
以上で反応容器と電気的に結合させることによって反応
容器と同電位とするように構成されているから、反応容
器内の構造物のアースが高周波に対して確実に取ること
ができ、導入する高周波電力のパワーのロスが少なく、
放電を容易に生起させて均一で安定した放電を確保し、
画像特性の優れた堆積膜を効率よく安価に作成すること
ができる。また、本発明において、保持部材に保持され
た反応容器内の構造物を、該保持部材と電気的に結合す
るように構成する共に反応容器と着脱可能に電気的に結
合する構成を採ることにより、量産装置への好適な適用
が可能となる。そして、本発明はとりわけ電子写真装置
に適用させた場合、ゴースト、帯電能むら、感度むら等
の電子写真特性を劣化させることがなく、さらに「白ポ
チ」、「黒ポチ」等の画像欠陥を増加させることもな
く、均質で優れた特性のドラムを効率よく量産すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の量産装置全体の配置図。
【図2】本発明の保持部材に円筒状支持体、カソード電
極、原料ガス導入管及び原料ガス配管を保持した状態を
示す模式図。
【図3】図3の(A)は本発明の堆積膜形成装置の概略
縦断面図、図3の(B)は前記(A)のX−X部分の横
断面図。
【図4】本発明の反応容器内の構造物(原料ガス配管)
と反応容器の結合部の拡大図。
【図5】本願発明の堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法
により形成された電子写真用光受容部材の層構成の一例
を示した模式的断面図。
【図6】本願発明の堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法
により形成された電子写真用光受容部材の層構成の一例
を示した模式的断面図。
【図7】本願発明の堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法
により形成された電子写真用光受容部材の層構成の一例
を示した模式的断面図。
【図8】本願発明の堆積膜形成装置及び堆積膜形成方法
により形成された電子写真用光受容部材の層構成の一例
を示した模式的断面図。
【符号の説明】
101・・・真空加熱容器 102・・・反応容器 103・・・放冷用真空容器 104、105、106、110、111、112・・
・排気装置 107、108、109、113、114、115・・
・排気配管 及びバルブ 116、117、118、119・・・ゲートバルブ 120・・・真空搬送容器 204・・・カソード電極 207・・・原料ガス導入管 208、209・・・原料ガス配管 210・・・絶縁部材 211・・・保持部材 212・・・円筒状支持体 215・・・ホルダーキャップ 216・・・ホルダー保持部材 301・・・反応容器 302・・・排気配管 303・・・排気装置 304・・・カソード電極 305・・・マッチングボックス 306・・・高周波電源 307・・・原料ガス導入管 308、309・・・原料ガス配管 310・・・絶縁部材 311・・・保持部材 312・・・円筒状支持体 313・・・ホルダー 314・・・回転軸 315・・・ホルダーキャップ 316・・・ホルダー保持部材 317・・・真空シール部材 318・・・放電空間 A・・・原料ガス配管と反応容器の結合部分 401・・・原料ガス配管(保持部材側) 402・・・原料ガス配管(反応容器側) 403、404・・・接触面 405、406・・・板ばね状導体 407、408、409・・・導電性弾性体 500、600、700、800・・・電子写真用光受
容部材 501、601、701、801・・・支持体 502、602・・・光導電層 503、603、703、803・・・表面層 604、704、・・・電荷注入阻止層 705・・・電荷輸送層 706・・・電荷発生層 807・・・光導電領域1 808・・・光導電領域2

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を有する真空気密可能な反応容
    器内に、少なくともカソード電極と原料ガス導入管及び
    前記放電空間を取り囲む複数の円筒状支持体を備え、前
    記放電空間内に前記原料ガス導入管より原料ガスを導入
    すると共に、前記カソード電極より前記放電空間内に高
    周波電力を導入し、導入した高周波電力により励起され
    るグロー放電により前記円筒状支持体上に堆積膜を形成
    する高周波プラズマCVD装置において、前記反応容器
    内の前記カソード電極以外の構造物の少なくとも1つ
    を、少なくとも2箇所以上で反応容器と電気的に結合さ
    せることによって反応容器と同電位とすることを特徴と
    する堆積膜形成装置。
  2. 【請求項2】 前記反応容器は、アース電位となるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の堆
    積膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記堆積膜形成装置は、反応容器の一部
    として機能する保持部材を備えていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の堆積膜形成装置。
  4. 【請求項4】 前記保持部材は、少なくとも堆積膜形成
    時に真空を保持する機能を有していることを特徴とする
    請求項3に記載の堆積膜形成装置。
  5. 【請求項5】 前記保持部材は、前記カソード電極、ガ
    ス導入管、円筒状支持体及びそれら以外の反応容器内の
    構造物の少なくとも1つを同時に保持する機能を有して
    いることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の
    堆積膜形成装置。
  6. 【請求項6】 前記保持部材を真空雰囲気で搬送する手
    段を有することを特徴とする請求項1項に記載の堆積膜
    形成装置。
  7. 【請求項7】 前記保持部材は、前記反応容器の設置時
    に反応容器と同電位となるように構成されていることを
    特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の
    堆積膜形成装置。
  8. 【請求項8】 前記構造物は、前記保持部材に保持され
    て該保持部材と電気的に結合されると共に、その反応容
    器との着脱部分により反応容器と電気的に結合するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項5または請求
    項7に記載の堆積膜形成装置。
  9. 【請求項9】 前記構造物の着脱部分は、反応容器との
    結合時に金属部分の面接触により反応容器と電気的に結
    合できるように構成されていることを特徴とする請求項
    8に記載の堆積膜形成装置。
  10. 【請求項10】 前記金属部分の面接触による結合が、
    結合時に圧着される金属部分の面接触により行われるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の堆積膜形成装置。
  11. 【請求項11】 前記金属部分の面接触による結合が、
    弾力性のある導体を介して行われることを特徴とする請
    求項9に記載の堆積膜形成装置。
  12. 【請求項12】 前記構造物は、前記保持部材と共に反
    応容器から着脱されるように構成されていることを特徴
    とする請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載の堆
    積膜形成装置。
  13. 【請求項13】 前記構造物は、原料ガス導入手段の少
    なくとも一部を兼用していることを特徴とする請求項1
    〜12のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置。
  14. 【請求項14】 前記カソード電極が、原料ガス導入管
    を兼ねていることを特徴とする請求項1〜12のいずれ
    か1項に記載の堆積膜形成装置。
  15. 【請求項15】 放電空間を有する真空気密可能な反応
    容器内に、少なくともカソード電極と原料ガス導入管及
    び放電空間を取り囲む複数の円筒状支持体を備え、該放
    電空間内に前記原料ガス導入管より原料ガスを導入する
    と共に、前記カソード電極より前記放電空間内に高周波
    電力を導入し、導入した高周波電力により励起されるグ
    ロー放電により前記円筒状支持体上に堆積膜を形成する
    高周波プラズマCVD法による堆積膜形成方法におい
    て、前記反応容器内の前記カソード電極以外の構造物の
    少なくとも1つを、少なくとも2箇所以上で反応容器と
    電気的に結合させることによって反応容器と同電位とし
    た状態で堆積膜を形成することを特徴とする堆積膜形成
    方法。
  16. 【請求項16】 前記高周波電力の周波数が、20MH
    z〜450MHzであることを特徴とする請求項15に
    記載の堆積膜形成方法。
  17. 【請求項17】前記高周波電力の周波数が、51MHz
    〜250MHzであることを特徴とする請求項15に記
    載の堆積膜形成方法。
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JP2014125651A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kobe Steel Ltd インライン式プラズマcvd装置
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