JPH0967139A - ガラス着色用フリット組成物 - Google Patents
ガラス着色用フリット組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のPb含有のガラス着色用フリットと同等
の条件で焼成、使用でき、かつ耐酸性など化学的耐久性
が高く、熱膨張係数が小さい、Pbなど有害物を実質的に
含まないガラス組成を提供する。 【解決手段】 重量百分率で下記の組成を有するガラス
着色用フリット組成物。SiO2 42〜48、B2O3 10〜18、Zn
O 20〜26、Al2O3 0.5〜5.0、ZrO2 0〜10、TiO2 0〜10、
Li2O 0〜6、Na2O 0〜10、K2O 0.2〜10.0、ただし、Li2O
とNa2Oの合計は少なくとも0.2であり、かつLi2O、Na
2O、K2Oの合計は 6〜12である、MgO、CaO、SrO、BaOの
合計が 0〜5、MoO3 0〜4、WO3 0〜4、 上記の成分の合
計100に対して重量比でSO3 に換算したSが 0〜1、F 0〜
2を含有する。
の条件で焼成、使用でき、かつ耐酸性など化学的耐久性
が高く、熱膨張係数が小さい、Pbなど有害物を実質的に
含まないガラス組成を提供する。 【解決手段】 重量百分率で下記の組成を有するガラス
着色用フリット組成物。SiO2 42〜48、B2O3 10〜18、Zn
O 20〜26、Al2O3 0.5〜5.0、ZrO2 0〜10、TiO2 0〜10、
Li2O 0〜6、Na2O 0〜10、K2O 0.2〜10.0、ただし、Li2O
とNa2Oの合計は少なくとも0.2であり、かつLi2O、Na
2O、K2Oの合計は 6〜12である、MgO、CaO、SrO、BaOの
合計が 0〜5、MoO3 0〜4、WO3 0〜4、 上記の成分の合
計100に対して重量比でSO3 に換算したSが 0〜1、F 0〜
2を含有する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、フリット組成物、
特に車両用の窓ガラス等のガラス表面に焼き付けるのに
適したガラス着色用フリット組成物に関する。
特に車両用の窓ガラス等のガラス表面に焼き付けるのに
適したガラス着色用フリット組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】車両用の窓ガラスにおいては、ガラス板
縁部のマスキングのために、セラミックカラーと呼ばれ
るガラス着色用フリットの焼き付けが広く行われてい
る。従来このセラミックカラーには、流動性確保のた
め、Pbを成分として多く含む組成のガラスと顔料、結晶
粉末、有機溶媒を混合したペーストが用いられてきた。
また、板ガラス以外の瓶等の着色用フリットにおいても
同様にPbを含有する組成が通常用いられてきた。
縁部のマスキングのために、セラミックカラーと呼ばれ
るガラス着色用フリットの焼き付けが広く行われてい
る。従来このセラミックカラーには、流動性確保のた
め、Pbを成分として多く含む組成のガラスと顔料、結晶
粉末、有機溶媒を混合したペーストが用いられてきた。
また、板ガラス以外の瓶等の着色用フリットにおいても
同様にPbを含有する組成が通常用いられてきた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】近年環境問題への意識
の高まりにより、Pb、Cd等の有害物質の規制が厳しくな
りつつある。セラミックカラー、その他ガラス着色用フ
リットにおいても、Pbをはじめとする有害物質を含まな
いものが求められている。しかし、Pbはガラスの軟化点
を下げ、流動性を高める重要な成分であり、Pbを含有さ
せないで、流動性が充分あり化学的耐久性が高く、また
熱膨張係数の小さいガラス組成物を形成するのは困難で
あった。
の高まりにより、Pb、Cd等の有害物質の規制が厳しくな
りつつある。セラミックカラー、その他ガラス着色用フ
リットにおいても、Pbをはじめとする有害物質を含まな
いものが求められている。しかし、Pbはガラスの軟化点
を下げ、流動性を高める重要な成分であり、Pbを含有さ
せないで、流動性が充分あり化学的耐久性が高く、また
熱膨張係数の小さいガラス組成物を形成するのは困難で
あった。
【０００４】例えば、特公昭６１−４３２９６において
示されているセラミックカラー用のガラス組成はPb、Cd
等の有害物を含有していないが、そのガラス組成を用い
たセラミックカラーをガラス板上に焼成したものは、0.
1ＮのH2SO4溶液に24時間浸漬すると剥離する程度まで侵
され、耐酸性が不十分である。
示されているセラミックカラー用のガラス組成はPb、Cd
等の有害物を含有していないが、そのガラス組成を用い
たセラミックカラーをガラス板上に焼成したものは、0.
1ＮのH2SO4溶液に24時間浸漬すると剥離する程度まで侵
され、耐酸性が不十分である。
【０００５】同様に、特開平６−１９１８８４に示され
ている鉛非含有ガラスフリットをガラス板に焼成したも
のも、0.1ＮのH2SO4溶液に24時間浸漬する耐酸性試験で
は焼成物が大きく侵される。
ている鉛非含有ガラスフリットをガラス板に焼成したも
のも、0.1ＮのH2SO4溶液に24時間浸漬する耐酸性試験で
は焼成物が大きく侵される。
【０００６】また、一般にガラスの流動性を高めるため
にアルカリ金属酸化物等、ガラスの網目修飾成分の含有
量を増加させるとガラスの粘性は低下するものの、熱膨
張係数が大きくなり、セラミックカラーの場合では、石
灰珪酸塩ガラス組成のガラス板基材の熱膨張係数との差
によりセラミックカラーの強度が低下することが多い。
そのため、熱膨張係数の小さいフリット組成が望まれる
が、Pbを使用しない場合、流動性を確保するため通常は
網目修飾成分を多くせざるを得ず、熱膨張係数を小さく
するのは困難であった。
にアルカリ金属酸化物等、ガラスの網目修飾成分の含有
量を増加させるとガラスの粘性は低下するものの、熱膨
張係数が大きくなり、セラミックカラーの場合では、石
灰珪酸塩ガラス組成のガラス板基材の熱膨張係数との差
によりセラミックカラーの強度が低下することが多い。
そのため、熱膨張係数の小さいフリット組成が望まれる
が、Pbを使用しない場合、流動性を確保するため通常は
網目修飾成分を多くせざるを得ず、熱膨張係数を小さく
するのは困難であった。
【０００７】本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、従来のPb含有のガラス着色用フ
リットと同等の条件で焼成、使用でき、かつ耐酸性など
化学的耐久性が高く、熱膨張係数が小さい、Pbなど有害
物を実質的に含まないガラス組成を提供することを目的
とする。
てなされたものであり、従来のPb含有のガラス着色用フ
リットと同等の条件で焼成、使用でき、かつ耐酸性など
化学的耐久性が高く、熱膨張係数が小さい、Pbなど有害
物を実質的に含まないガラス組成を提供することを目的
とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、実質的にPb、
Cdを含有しないガラス着色用フリット組成物であって、
重量百分率で下記の組成を有することを特徴とする。 SiO2 42〜48 B2O3 10〜18 ZnO 20〜26 Al2O3 0.5〜5.0 ZrO2 0〜10 TiO2 0〜10 Li2O 0〜6 Na2O 0〜10 K2O 0.2〜10.0 ただし、Li2OとNa2Oの合計は少なくとも0.2であり、か
つLi2O、Na2O、K2Oの合計は6〜12、 MgO 0〜5 CaO 0〜5 SrO 0〜5 BaO 0〜5 ただし、MgO、CaO、SrO、BaOの合計は 0〜5、 MoO3 0〜4 WO3 0〜4 上記の成分の合計100に対して重量比で SO3に換算したS 0〜1 F 0〜2 を含有する。
Cdを含有しないガラス着色用フリット組成物であって、
重量百分率で下記の組成を有することを特徴とする。 SiO2 42〜48 B2O3 10〜18 ZnO 20〜26 Al2O3 0.5〜5.0 ZrO2 0〜10 TiO2 0〜10 Li2O 0〜6 Na2O 0〜10 K2O 0.2〜10.0 ただし、Li2OとNa2Oの合計は少なくとも0.2であり、か
つLi2O、Na2O、K2Oの合計は6〜12、 MgO 0〜5 CaO 0〜5 SrO 0〜5 BaO 0〜5 ただし、MgO、CaO、SrO、BaOの合計は 0〜5、 MoO3 0〜4 WO3 0〜4 上記の成分の合計100に対して重量比で SO3に換算したS 0〜1 F 0〜2 を含有する。
【０００９】以下、本発明の組成について詳細に説明す
る。SiO2は、ガラス形成酸化物であり、少なすぎるとガ
ラスが不安定となり、また化学的耐久性が低下する。多
すぎると軟化点が高くなり焼成時の流動性が悪くなる。
従ってSiO2の含有量は42〜48重量%であり、望ましい範
囲は、43〜47重量%である。
る。SiO2は、ガラス形成酸化物であり、少なすぎるとガ
ラスが不安定となり、また化学的耐久性が低下する。多
すぎると軟化点が高くなり焼成時の流動性が悪くなる。
従ってSiO2の含有量は42〜48重量%であり、望ましい範
囲は、43〜47重量%である。
【００１０】B2O3は、ガラス形成酸化物であるが、ガラ
スの軟化点を低くする重要な成分である。少なすぎると
ガラスの軟化点が高くなり焼成時の流動性が悪くなる。
多すぎると分相しやすくなり、化学的耐久性が低下す
る。従ってB2O3の含有量は10〜18重量%であり、望まし
くは、12〜16重量%である。
スの軟化点を低くする重要な成分である。少なすぎると
ガラスの軟化点が高くなり焼成時の流動性が悪くなる。
多すぎると分相しやすくなり、化学的耐久性が低下す
る。従ってB2O3の含有量は10〜18重量%であり、望まし
くは、12〜16重量%である。
【００１１】ZnO （酸化亜鉛）は、ガラスの流動性を上
げる重要な成分である。少なすぎるとガラスの軟化点が
高くなり焼成時の流動性が悪くなる。多すぎると熱膨張
係数が大きくなり、また化学的耐久性が低下する。望ま
しい範囲は、 20〜26重量%である。
げる重要な成分である。少なすぎるとガラスの軟化点が
高くなり焼成時の流動性が悪くなる。多すぎると熱膨張
係数が大きくなり、また化学的耐久性が低下する。望ま
しい範囲は、 20〜26重量%である。
【００１２】Al2O3 は、分相を抑制し、またガラスの化
学的耐久性を向上させる。少なすぎるとガラスが分相、
失透しやすくなり、化学的耐久性も低下する。多すぎる
とガラスの軟化点が高くなり、流動性が低下する。望ま
しい範囲は 0.5〜5.0重量%である。
学的耐久性を向上させる。少なすぎるとガラスが分相、
失透しやすくなり、化学的耐久性も低下する。多すぎる
とガラスの軟化点が高くなり、流動性が低下する。望ま
しい範囲は 0.5〜5.0重量%である。
【００１３】ZrO2（酸化ジルコニウム）は、必須成分で
はないが、ガラスの耐アルカリ性、耐酸性を向上させる
成分であるが、多すぎると失透しやすくなる。従ってZr
O2の含有量は0〜10重量%であり、望ましくは、0.4〜5.0
%である。
はないが、ガラスの耐アルカリ性、耐酸性を向上させる
成分であるが、多すぎると失透しやすくなる。従ってZr
O2の含有量は0〜10重量%であり、望ましくは、0.4〜5.0
%である。
【００１４】TiO2（酸化チタン）は、ガラスの耐酸性を
向上させるが、含有量が多すぎると失透しやすくなる。
従ってTiO2 の含有量は0〜10重量%であり、望ましく
は、1.0〜6.0%である。
向上させるが、含有量が多すぎると失透しやすくなる。
従ってTiO2 の含有量は0〜10重量%であり、望ましく
は、1.0〜6.0%である。
【００１５】アルカリ金属酸化物（ Li2O、Na2O、K2O）
は、ガラスの軟化点を下げ、流動性を上げる。少なすぎ
ると焼成時のガラスの流動性が悪く、多すぎると熱膨張
係数が増大し、また化学的耐久性が低下する。
は、ガラスの軟化点を下げ、流動性を上げる。少なすぎ
ると焼成時のガラスの流動性が悪く、多すぎると熱膨張
係数が増大し、また化学的耐久性が低下する。
【００１６】K2Oは、本発明における必須成分である。K
2Oは、分相を抑制することにより化学的耐久性を向上さ
せる。また、同じ添加量のNa2Oに比して熱膨張係数をそ
れほど大きくさせない。 0.2重量％以下では焼成時のガ
ラスの流動性の向上の効果が少なく、10重量%を超える
と化学的耐久性は低下する。K2Oのより好ましい含有量
は0.3〜7重量%であり、更に好ましい範囲は3.0〜7.0重
量％である。
2Oは、分相を抑制することにより化学的耐久性を向上さ
せる。また、同じ添加量のNa2Oに比して熱膨張係数をそ
れほど大きくさせない。 0.2重量％以下では焼成時のガ
ラスの流動性の向上の効果が少なく、10重量%を超える
と化学的耐久性は低下する。K2Oのより好ましい含有量
は0.3〜7重量%であり、更に好ましい範囲は3.0〜7.0重
量％である。
【００１７】Li2Oは、ガラスの熱膨張係数をあまり大き
くせずにガラスの軟化点を下げる成分であり、化学的耐
久性を低下させないために、６重量％以下の範囲で含有
するのが望ましい。 Na2O は、ガラスの軟化点を下げる
が、化学的耐久性を低下させないために、 10重量%以下
が望ましい。アルカリ金属酸化物には、いわゆる混合ア
ルカリ効果があり、少なくとも２種のアルカリ金属酸化
物を用いることによって、ガラスの安定性、化学的耐久
性を向上させることができる。従って上記 K2Oの他に、
Na2OおよびLi2Oの少なくとも一方を含有させる。Na2Oお
よびLi2Oのいずれか一方だけを含有させるときはその含
有量は少なくとも 0.2であることが必要であり、また両
方を含有させるときはNa2OおよびLi2O の合計が少なく
とも0.2であることが必要である。好ましいLi2Oの含有
量の範囲は1.5〜3.0重量％である。そして好ましいNa2O
の含有量の範囲は0.5〜7.0重量％であり、更に好ましく
は0.5〜3.0重量％である。Li2O、Na2O、K2Oの3種の合計
は6〜12重量%であることが望ましく、より望ましくは7.
0〜10.0重量%である。
くせずにガラスの軟化点を下げる成分であり、化学的耐
久性を低下させないために、６重量％以下の範囲で含有
するのが望ましい。 Na2O は、ガラスの軟化点を下げる
が、化学的耐久性を低下させないために、 10重量%以下
が望ましい。アルカリ金属酸化物には、いわゆる混合ア
ルカリ効果があり、少なくとも２種のアルカリ金属酸化
物を用いることによって、ガラスの安定性、化学的耐久
性を向上させることができる。従って上記 K2Oの他に、
Na2OおよびLi2Oの少なくとも一方を含有させる。Na2Oお
よびLi2Oのいずれか一方だけを含有させるときはその含
有量は少なくとも 0.2であることが必要であり、また両
方を含有させるときはNa2OおよびLi2O の合計が少なく
とも0.2であることが必要である。好ましいLi2Oの含有
量の範囲は1.5〜3.0重量％である。そして好ましいNa2O
の含有量の範囲は0.5〜7.0重量％であり、更に好ましく
は0.5〜3.0重量％である。Li2O、Na2O、K2Oの3種の合計
は6〜12重量%であることが望ましく、より望ましくは7.
0〜10.0重量%である。
【００１８】アルカリ土類の酸化物（MgO、CaO、SrO、B
aO）は、必須成分ではないが、少量の添加により分相を
抑制し、ガラスを安定にする。しかし多すぎるとガラス
の軟化点が高くなり、焼成時の流動性が低下し、また化
学的耐久性も低下する。各酸化物MgO、CaO、SrO、BaOの
それぞれの含有量は0〜5重量% であり、またその合計も
0〜5重量%である。より好ましいMgO、CaO、SrO、BaOの
それぞれの含有量は0〜2.0重量％であり、より好ましい
アルカリ土類酸化物の合計は0.2〜2.0重量%である。
aO）は、必須成分ではないが、少量の添加により分相を
抑制し、ガラスを安定にする。しかし多すぎるとガラス
の軟化点が高くなり、焼成時の流動性が低下し、また化
学的耐久性も低下する。各酸化物MgO、CaO、SrO、BaOの
それぞれの含有量は0〜5重量% であり、またその合計も
0〜5重量%である。より好ましいMgO、CaO、SrO、BaOの
それぞれの含有量は0〜2.0重量％であり、より好ましい
アルカリ土類酸化物の合計は0.2〜2.0重量%である。
【００１９】三酸化モリブデンMoO3、および三酸化タン
グステンWO3は、 ガラスの流動性を高める成分であり、
熱膨張係数をあまり大きくせずにガラスの軟化点を下げ
る効果をもつ。アルカリ金属酸化物を置換する形で使用
すると、軟化点はほとんど変わらず、熱膨張係数を小さ
くすることができる。特にMoO3はこの効果が大きい。Mo
O3の含有量は0〜4重量%であり、より好ましくは0.2〜4.
0重量%である。WO3 の含有量は0〜4重量%であり、より
好ましくは0.2〜2.0重量%である。
グステンWO3は、 ガラスの流動性を高める成分であり、
熱膨張係数をあまり大きくせずにガラスの軟化点を下げ
る効果をもつ。アルカリ金属酸化物を置換する形で使用
すると、軟化点はほとんど変わらず、熱膨張係数を小さ
くすることができる。特にMoO3はこの効果が大きい。Mo
O3の含有量は0〜4重量%であり、より好ましくは0.2〜4.
0重量%である。WO3 の含有量は0〜4重量%であり、より
好ましくは0.2〜2.0重量%である。
【００２０】F（フッ素）は、ガラスの流動性を高める
成分であり、上記のSiO2、B2O3、ZnO、Al2O3、ZrO2、Ti
O2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、MoO3、WO
3 の成分の合計100に対して2重量%以下の範囲で含有す
ることができるが、 多すぎると化学的耐久性が低下す
る。原料としては、一般的なCaF2、AlF3等のフッ化物を
用いることができる。
成分であり、上記のSiO2、B2O3、ZnO、Al2O3、ZrO2、Ti
O2、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、MoO3、WO
3 の成分の合計100に対して2重量%以下の範囲で含有す
ることができるが、 多すぎると化学的耐久性が低下す
る。原料としては、一般的なCaF2、AlF3等のフッ化物を
用いることができる。
【００２１】S（硫黄）は、通常、SiO2 の溶解促進のた
め原料のバッチに使用する硫酸塩からの残留成分であ
る。硫酸塩は、アルカリ、アルカリ土類の硫酸塩が用い
られ、Na2SO4（硫酸ソーダ、芒硝）が代表的である。バ
ッチ中に硫酸塩を用いないとSiO2の溶解がおそく、B2O3
の多いガラス組成では、分相が起きやすくなり、均一な
ガラスを得ることが困難となり、化学的耐久性も低下す
る。特にガラス成分としてFを実質的に含有しない場合
は、Fの融剤としての働きが期待できないため、硫酸塩
の使用は必須である。多すぎると化学的耐久性が低下す
る。ガラス中での残留量としてSO3に換算し、 上記の成
分合計１００に対して1重量%以下の範囲になるように原
料中に硫酸塩を用いるのが望ましい。より好ましくは、
ガラス中での残留量としてSO3に換算し、0.05〜1.00重
量%の範囲になるように原料中に硫酸塩を用いる。
め原料のバッチに使用する硫酸塩からの残留成分であ
る。硫酸塩は、アルカリ、アルカリ土類の硫酸塩が用い
られ、Na2SO4（硫酸ソーダ、芒硝）が代表的である。バ
ッチ中に硫酸塩を用いないとSiO2の溶解がおそく、B2O3
の多いガラス組成では、分相が起きやすくなり、均一な
ガラスを得ることが困難となり、化学的耐久性も低下す
る。特にガラス成分としてFを実質的に含有しない場合
は、Fの融剤としての働きが期待できないため、硫酸塩
の使用は必須である。多すぎると化学的耐久性が低下す
る。ガラス中での残留量としてSO3に換算し、 上記の成
分合計１００に対して1重量%以下の範囲になるように原
料中に硫酸塩を用いるのが望ましい。より好ましくは、
ガラス中での残留量としてSO3に換算し、0.05〜1.00重
量%の範囲になるように原料中に硫酸塩を用いる。
【００２２】また、本発明のガラス中に2重量%以下の範
囲でMnO2、Fe2O3、NiO、CoO、CuO等の着色成分を含ませ
ることも可能である。 またPbO成分もガラス原料中に不
純物として、または有害とは認められない程度の微量、
例えば 0.5重量％以下含有していても許容される。
囲でMnO2、Fe2O3、NiO、CoO、CuO等の着色成分を含ませ
ることも可能である。 またPbO成分もガラス原料中に不
純物として、または有害とは認められない程度の微量、
例えば 0.5重量％以下含有していても許容される。
【００２３】さらに、本発明は、ガラス着色用フリット
のガラス部分の組成を規定するものであるが、本発明の
趣旨を損なわない範囲で本発明のガラス組成物を粉末状
にしたものに対して、適当量の着色顔料粉末、結晶粉
末、有機溶媒等を混合しペーストとして使用して差し支
えない。
のガラス部分の組成を規定するものであるが、本発明の
趣旨を損なわない範囲で本発明のガラス組成物を粉末状
にしたものに対して、適当量の着色顔料粉末、結晶粉
末、有機溶媒等を混合しペーストとして使用して差し支
えない。
【００２４】
【発明の実施の形態】以下では、実施例、比較例を示
し、発明の効果を説明する。表1〜3に示したガラス組成
になるように、各成分の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸
塩、フッ化物を、ガラス重量で300gになるように適量混
合したバッチを白金るつぼで1300℃、１時間溶融し、回
転している一対の金属ロール間に流し出し圧延して、薄
片状のガラスを作製した。この薄片状のガラスをボール
ミルで粉砕し、ふるいで分級し20μｍ以下の粒径のガラ
ス粉末を得た。このガラス粉末にＣｒ、Ｆｅの酸化物を
主成分とする黒色耐熱顔料を、重量比でガラス粉末80に
対し、黒色耐熱顔料20になるように混合し、さらに有機
ビークルを適当量加え、充分混合しペーストを得た。こ
のペーストをスクリーン印刷により、 3mm厚のフロート
法によるソーダ石灰珪酸塩ガラス組成のガラス板上に20
〜30μｍの厚みになるように塗布し、110℃で適当時間
乾燥後、 700℃に保持した炉内に3分間入れ、焼成し
た。焼成した試料を20℃に保った0.1ＮのH2SO4溶液に24
時間浸漬し、耐酸性の評価とした。耐酸性は目視で観察
した焼成物表面の状態の変化で表してあり、◎が変化な
し、○は変化小、△は表面の白濁等の変化あり、×は焼
成物層の付着強度が低下する程度に変化が大きいことを
示す。また、別途ペーストの焼成物から作製した試料で
熱膨張測定を行い、ガラスの粘性を表す指標としての屈
伏点、および 30〜400℃における熱膨張係数を示した。
表1、2に示したように、本発明の実施例の組成の試料
（No.1〜14）は、耐酸性は良好であり、屈伏点も５７０
℃以下であって約７００℃またはそれ以下の温度での焼
成に適しており、熱膨張係数（線膨張係数α）も ６０
〜８０×10-7/℃と小さく、フロート法によるソーダ石
灰珪酸塩ガラス組成のガラス板の上に焼成したセラミッ
クカラーの強度も保持されている。
し、発明の効果を説明する。表1〜3に示したガラス組成
になるように、各成分の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸
塩、フッ化物を、ガラス重量で300gになるように適量混
合したバッチを白金るつぼで1300℃、１時間溶融し、回
転している一対の金属ロール間に流し出し圧延して、薄
片状のガラスを作製した。この薄片状のガラスをボール
ミルで粉砕し、ふるいで分級し20μｍ以下の粒径のガラ
ス粉末を得た。このガラス粉末にＣｒ、Ｆｅの酸化物を
主成分とする黒色耐熱顔料を、重量比でガラス粉末80に
対し、黒色耐熱顔料20になるように混合し、さらに有機
ビークルを適当量加え、充分混合しペーストを得た。こ
のペーストをスクリーン印刷により、 3mm厚のフロート
法によるソーダ石灰珪酸塩ガラス組成のガラス板上に20
〜30μｍの厚みになるように塗布し、110℃で適当時間
乾燥後、 700℃に保持した炉内に3分間入れ、焼成し
た。焼成した試料を20℃に保った0.1ＮのH2SO4溶液に24
時間浸漬し、耐酸性の評価とした。耐酸性は目視で観察
した焼成物表面の状態の変化で表してあり、◎が変化な
し、○は変化小、△は表面の白濁等の変化あり、×は焼
成物層の付着強度が低下する程度に変化が大きいことを
示す。また、別途ペーストの焼成物から作製した試料で
熱膨張測定を行い、ガラスの粘性を表す指標としての屈
伏点、および 30〜400℃における熱膨張係数を示した。
表1、2に示したように、本発明の実施例の組成の試料
（No.1〜14）は、耐酸性は良好であり、屈伏点も５７０
℃以下であって約７００℃またはそれ以下の温度での焼
成に適しており、熱膨張係数（線膨張係数α）も ６０
〜８０×10-7/℃と小さく、フロート法によるソーダ石
灰珪酸塩ガラス組成のガラス板の上に焼成したセラミッ
クカラーの強度も保持されている。
【００２５】表3に示した比較例（No.1〜3）では、本発
明の実施例に比べると、耐酸性が劣り、熱膨張係数も大
きくなっており、本発明のガラス組成が優れていること
がわかる。
明の実施例に比べると、耐酸性が劣り、熱膨張係数も大
きくなっており、本発明のガラス組成が優れていること
がわかる。
【００２６】なお、表1〜3中、SO3とFの含有量は、ガラ
ス中に残留した量を、他の成分の重量合計100に対する
重量の割合で示した。
ス中に残留した量を、他の成分の重量合計100に対する
重量の割合で示した。
【００２７】
【表１】 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 実施例 1 2 3 4 5 6 7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− SiO2 45.0 45.0 45.0 46.0 47.0 45.0 45.0 B2O3 14.8 14.8 14.8 14.8 12.5 13.0 14.8 ZnO 22.2 22.2 22.2 22.2 22.5 24.0 22.2 Al2O3 1.5 2.5 1.5 0.5 1.5 1.5 1.5 ZrO2 2.0 3.0 2.0 2.0 4.0 3.0 2.0 TiO2 4.0 2.0 4.0 4.0 2.0 3.0 4.0 Li2O 2.8 2.3 2.3 2.5 2.5 2.5 2.5 Na2O 6.0 5.0 5.0 5.3 4.7 3.7 2.7 K2O 0.4 0.7 1.0 0.4 1.0 2.0 3.0 MgO − − − − − − − CaO 0.3 0.5 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 SrO − − − − − − − BaO − 0.5 0.3 − − − − MoO3 1.0 1.0 1.0 2.0 2.0 2.0 2.0 WO3 − 0.5 0.5 − − − − 計 100 100 100 100 100 100 100 SO3 0.5 0.5 0.5 0.4 0.4 0.5 0.5 F − − − − − − − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 屈伏点(℃) 544 548 543 549 553 540 546 α(10-7/℃) 70.4 67.2 68.1 65.0 62.4 70.6 64.5 耐酸性 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
【００２８】
【表２】 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 実施例 8 9 10 11 12 13 14 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− SiO2 45.0 45.0 45.0 45.0 46.0 46.0 43.0 B2O3 14.8 14.8 14.8 14.8 13.8 14.0 13.0 ZnO 22.2 22.2 22.2 22.2 22.2 23.0 24.0 Al2O3 1.5 1.5 1.5 1.5 0.5 1.5 3.2 ZrO2 2.0 2.0 2.0 2.0 3.5 1.0 0.5 TiO2 4.0 4.0 4.0 4.0 2.0 4.0 5.5 Li2O 2.1 2.1 2.0 2.0 2.5 2.5 2.5 Na2O 1.0 1.0 1.0 1.0 4.7 3.0 1.5 K2O 5.1 5.1 5.0 5.0 1.0 2.7 4.5 MgO − − − − 0.5 − − CaO 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 SrO − − 0.2 0.2 − − − BaO − 0.5 0.5 0.7 − − 0.2 MoO3 2.0 1.0 1.0 1.0 3.0 2.0 2.0 WO3 − 0.5 0.5 0.3 − − − 計 100 100 100 100 100 100 100 SO3 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.1 0.05 F − − − − − 0.3 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 屈伏点(℃) 540 547 554 561 551 540 534 α(10-7/℃) 63.2 62.6 62.3 62.0 67.2 64.7 75.1 耐酸性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
【００２９】
【表３】
【００３０】
【発明の効果】本発明によれば、耐酸性に優れ、熱膨張
係数が小さい、Pbなど有害物を実質的に含まないセラミ
ックカラーその他の焼き付け膜が得られ、しかも従来の
Pb含有のガラス着色用フリットと同等の条件で焼成、使
用できる。
係数が小さい、Pbなど有害物を実質的に含まないセラミ
ックカラーその他の焼き付け膜が得られ、しかも従来の
Pb含有のガラス着色用フリットと同等の条件で焼成、使
用できる。
Claims (3)
- 【請求項１】 重量百分率で下記の組成を有するガラス
着色用フリット組成物。 SiO2 42〜48 B2O3 10〜18 ZnO 20〜26 Al2O3 0.5〜5.0 ZrO2 0〜10 TiO2 0〜10 Li2O 0〜6 Na2O 0〜10 K2O 0.2〜10.0 ただし、Li2OとNa2Oの合計は少なくとも0.2であり、か
つLi2O、Na2O、K2Oの合計は6〜12、 MgO 0〜5 CaO 0〜5 SrO 0〜5 BaO 0〜5 ただし、MgO、CaO、SrO、BaOの合計は 0〜5、 MoO3 0〜4 WO3 0〜4 上記の成分の合計100に対して重量比で SO3に換算したS 0〜1 F 0〜2 を含有する。 - 【請求項２】 重量百分率で下記の組成を有する請求項
１記載のガラス着色用フリット組成物。 SiO2 42〜48 B2O3 10〜18 ZnO 20〜26 Al2O3 0.5〜5.0 ZrO2 0〜10 TiO2 0〜10 Li2O 0〜6 Na2O 0〜10 K2O 0.2〜10.0 ただし、Li2OとNa2Oの合計は少なくとも0.2であり、か
つLi2O、Na2O、K2Oの合計は 6〜12、 MgO 0〜5 CaO 0〜5 SrO 0〜5 BaO 0〜5 ただし、MgO、CaO、SrO、BaOの合計は 0〜5、 MoO3 0.2〜4.0 WO3 0〜4 上記の成分の合計100に対して重量比で SO3 に換算したS 0.05〜1.00 F 0〜2 を含有する。 - 【請求項３】 重量百分率で下記の組成を有する請求項
１記載のガラス着色用フリット組成物。 SiO2 43〜47 B2O3 12〜16 ZnO 20〜26 Al2O3 0.5〜5.0 ZrO2 0.4〜5.0 TiO2 1.0〜6.0 Li2O 1.5〜3.0 Na2O 0.5〜3.0 K2O 3.0〜7.0 ただし、Li2O、Na2O、K2Oの合計は 7.0〜10.0、 MgO 0〜2.0 CaO 0〜2.0 SrO 0〜2.0 BaO 0〜2.0 ただし、MgO、CaO、SrO、BaOの合計は 0.2〜2.0、 MoO3 0.2〜4.0 WO3 0〜4 上記の成分の合計100に対して重量比で SO3 に換算したS 0.05〜1.00 F 0〜2 を含有する。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7218657A JPH0967139A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | ガラス着色用フリット組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7218657A JPH0967139A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | ガラス着色用フリット組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0967139A true JPH0967139A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16723384
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7218657A Pending JPH0967139A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | ガラス着色用フリット組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0967139A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004000746A1 (ja) * | 2002-06-20 | 2003-12-31 | Asahi Glass Company, Limited | セラミックカラー組成物 |
| WO2014192686A1 (ja) * | 2013-05-28 | 2014-12-04 | 日本電気硝子株式会社 | 複合粉末、複合粉末ペースト及び着色層付きガラス板 |
| WO2015108013A1 (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | 日本電気硝子株式会社 | 複合粉末及び複合粉末ペースト |
| JP2017109875A (ja) * | 2015-12-14 | 2017-06-22 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス粉末、複合粉末及び絵付層付き結晶化ガラス基板 |
| KR20200040244A (ko) * | 2017-08-09 | 2020-04-17 | 존슨 맛쎄이 퍼블릭 리미티드 컴파니 | 입자 혼합물 |
| CN111662008A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-09-15 | 成都光明光电股份有限公司 | 玻璃组合物及其制造方法 |
-
1995
- 1995-08-28 JP JP7218657A patent/JPH0967139A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004000746A1 (ja) * | 2002-06-20 | 2003-12-31 | Asahi Glass Company, Limited | セラミックカラー組成物 |
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| CN105143131A (zh) * | 2013-05-28 | 2015-12-09 | 日本电气硝子株式会社 | 复合粉末、复合粉末糊剂及带着色层的玻璃板 |
| WO2015108013A1 (ja) * | 2014-01-14 | 2015-07-23 | 日本電気硝子株式会社 | 複合粉末及び複合粉末ペースト |
| CN105899468A (zh) * | 2014-01-14 | 2016-08-24 | 日本电气硝子株式会社 | 复合粉末及复合粉末糊剂 |
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| KR20200040244A (ko) * | 2017-08-09 | 2020-04-17 | 존슨 맛쎄이 퍼블릭 리미티드 컴파니 | 입자 혼합물 |
| JP2020529380A (ja) * | 2017-08-09 | 2020-10-08 | ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニーＪｏｈｎｓｏｎ Ｍａｔｔｈｅｙ Ｐｕｂｌｉｃ Ｌｉｍｉｔｅｄ Ｃｏｍｐａｎｙ | 粒子混合物 |
| US11708297B2 (en) | 2017-08-09 | 2023-07-25 | Fenzi Agt Netherlands B.V. | Particle mixture |
| CN111662008A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-09-15 | 成都光明光电股份有限公司 | 玻璃组合物及其制造方法 |
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