JP2003034549A - 光透過用金属キャップ - Google Patents
光透過用金属キャップInfo
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Abstract
が発生し易い環境下で使用しても光の透過率が低下しな
い光透過用金属キャップを提供する。 【解決手段】 光を通すガラス部材と金属ケースとが、
低融点ガラスと耐火性フィラーからなる封着材料により
封着されてなる光透過用金属キャップにおいて、封着材
料が、鉛を含まず、50℃の純水中に48時間浸漬した
後の耐水性を示す重量減が1mg/cm2未満の性質を
有することを特徴とする。低融点ガラスには、B2O3と
P2O5がモル比で1.2≧B2O3/P2O5≧0.4、か
つB2O3+P2O5≧20モル%であるSnO―P2O5―
B2O3系ガラスを用いる。
Description
用金属キャップ等の光透過用金属キャップに関するもの
である。
ード用金属キャップ1は、光を通過させるガラス窓20
とコバール等からなる金属ケース部分10からなり、こ
の両者を信頼性よく接合するために低融点ガラスと耐火
性フィラーからなる封着材料30が使われてきた。封着
材料としては、レンズや金属の耐熱温度である550℃
以下で焼成でき、各種構成物と熱膨張係数が適合し、ま
たガラス窓をケースに信頼性よく接着させることができ
る材料が使用されている。この種の材料として、PbO
−B2O3系、PbO−B2O3−ZnO系等の低融点ガラ
スに耐火性フィラーを添加してなる複合材料が多く使用
されている。なお、ガラス部材と金属ケースの封着は、
金属の酸化防止のため、一般的にN2雰囲気で行われる
ことが多い。
などの有害物質を含まない封着ガラスが求められてい
る。このような事情から、SnO−P2O5系を代表とす
る無鉛封着ガラスが各種開発されている。
ザダイオード用金属キャップは、結露が発生するような
高湿度で温度差が生じる環境下で使用された場合、封着
材料からガラス成分が溶出してガラス窓表面を汚染する
と、光の透過率が低下し、光学部品としての機能を果た
すことができなくなることがある。このため、封着材料
には高い耐水性が求められる。
ガラスはP2O5を主成分とするために耐水性が十分では
ない。
一切含有せず、結露が発生し易い環境下で使用しても光
の透過率が低下しない光透過用金属キャップを提供する
ことである。
ャップは、光を通すガラス部材と金属ケースとが、低融
点ガラスと耐火性フィラーからなる封着材料により封着
されてなる光透過用金属キャップにおいて、封着材料
が、鉛を含まず、50℃の純水中に48時間浸漬した後
の耐水性を示す重量減が1mg/cm2未満の性質を有
することを特徴とする。
を通すガラス部材と金属ケースとが、低融点ガラスと耐
火性フィラーからなる封着材料により封着されてなる光
透過用金属キャップにおいて、低融点ガラスがSnO―
P2O5―B2O3系ガラスからなり、B2O3とP2O5がモ
ル比で1.2≧B2O3/P2O5≧0.4、かつB2O3+
P2O5≧20モル%であることを特徴とする。
と、金属ケースと、それらを封着する封着材料からな
る。
ていないので環境汚染がなく、また封着材料の耐水性
は、その焼結体を50℃の純水中に48時間浸漬した後
の重量減が1mg/cm2未満である。このような特徴
を有する封着材料を使用することにより、結露の発生し
やすい環境下でも、ガラス成分が溶け出す心配がなく、
目的とする光学的特性を満足し、信頼性の高い光透過用
金属キャップが得られる。
させるべく種々の実験を行った結果、B2O3とP2O5が
特定の関係にあるSnO−P2O5−B2O3系無鉛ガラス
を用いれば、耐水性が飛躍的に向上することを見いだし
た。
O3/P2O5の含有比率は、ガラスの安定化と耐水性を
向上させるのに大きく作用する。その含有比率は、モル
比で1.2≧B2O3/P2O5≧0.4で、好ましくは
1.2≧B2O3/P2O5≧0.6である。B2O3/P2
O5の含有比率が、1.2より大きいとガラスの粘度が
増大してガラス化が困難になり、0.4より小さくなる
と耐水性が悪化する。但し、B2O3とP2O5の合量は2
0%以上である。20%より少ないとガラス構成成分が
少なくなりすぎてガラス化が困難になる。
の具体的な組成範囲としては、モル%でSnO 45〜
80%、B2O3 5〜30%、P2O5 8〜24%、Z
nO0〜20%、Al2O3 0〜5%、モル比で1.2
≧B2O3/P2O5≧0.4、かつB2O3+P2O5≧20
モル%の組成を有するガラスが使用できる。
定した理由を以下に述べる。
その含有量は45〜80%、好ましくは45〜78%で
ある。SnOが45%より少ないとガラスの粘度が増大
して流動性が悪くなり、80%より多いとガラスが不安
定になり、結晶が析出して所定温度で封着ができなくな
る。
その含有量は5〜30%、好ましくは7〜30%であ
る。B2O3が5%より少ないとガラスが不安定になり、
結晶が析出して低温封着ができなくなり、30%よりも
多いとガラスの粘度が増大して低温での封着が困難とな
る。
水性に作用する成分でもある。その含有量は8〜24
%、好ましくは10〜24%である。P2O5が8%より
も少ないとガラスの粘度が増大して低温での封着が困難
となり、24%よりも多いとガラス構造が不安定になり
耐水性が悪化する。
ガラスの熱膨張係数を低くする性質を有するが、その含
有量は0〜20%、好ましくは0〜18%である。Zn
Oが20%を超えるとガラスが失透しやすくなり、所定
温度で封着できなくなる。
含有量は0〜5%、好ましくは0〜4%である。Al2
O3が5%より多いとガラスの粘度が増大して所定温度
で封着できなくなる。
O、CaO、SrO、Fe2O3、CuO、V2O5、Ag
2O、Co2O3、MoO3、WO3、Nb2O5、Ta
2O5、CeO2、Ga2O3、Sb2O3、Bi2O3、Li2
O、Na2O、K2O、F2やI2等のハロゲンを含有させ
ることができる。
点が350℃以下と低く、良好な流動性を示す非晶質ガ
ラスである。また30〜250℃における熱膨張係数が
130×10-7/℃以下であり、500℃以下の低温で
封着することが可能である。
末は、鉛を含有せず、封着材料の熱膨張係数を調整し、
熱膨張係数の異なるガラス部材と金属キャップとの封着
を可能にする成分である。またこの耐火性フィラ−粉末
は機械的強度を高める効果も併せ持っている。
ト系セラミック、リン酸ニオブジルコニウム系セラミッ
ク、コーディエライト、酸化スズ固溶体、ジルコン系セ
ラミック、酸化ニオブ等の粉末を単独、或いは組み合わ
せて使用することができる。
混合割合は低融点ガラス粉末45〜92体積%と耐火性
フィラ−粉末8〜55体積%であることが好ましい。両
者の割合をこのように限定した理由は、耐火性フィラ−
粉末が8体積%より少ないとその効果がなく、55体積
%より多くなると流動性が悪くなるためである。
ラス部材として、BLC(熱膨張係数51×10-7/
℃、日本電気硝子製)、BS67(67×10-7/℃、
日本電気硝子製)、LaSF015(74×10-7/
℃)、BK−7(86×10-7/℃)等のガラスを、ま
た金属ケースとして、コバール(約45×10-7/
℃)、42鉄ニッケル合金(65×10-7/℃)、50
鉄ニッケル合金(90×10-7/℃)、ステンレス(1
20×10-7/℃)等の材料を用いることができる。
ガラス部材に板ガラスを使用することで、レーザダイオ
ード、CCD、光学センサー等の金属キャップとして使
用することができる。また、ガラス部材にレンズを使用
することにより、光通信用レンズキャップ等として使用
することもできる。
A〜J)、比較例(試料No.K、L)を示している。
一方、表3、4は、表1、2のガラスを用いて作製した
レーザダイオード用金属キャップの実施例(試料No.
1〜10)及び比較例(試料No.11、12)を示し
ている。
合し、高純度のアルミナ磁性坩堝に入れて700〜10
00℃で1〜2時間溶融した。次いでこれを薄板状に成
形し、粉砕した後250メッシュの篩を通過させて平均
粒径4μmのガラス粉末試料を得た。得られた試料につ
いて耐水性、ガラス転移点及び熱膨張係数を評価した。
なお、ガラス化の有無は、ガラスの溶融成形時に評価し
た。
は、すべてガラス化して、耐水性は0.01〜0.17
mg/cm2と良好で、ガラス転移点は、すべて350
℃以下で低温封着が可能であり、熱膨張係数は105〜
123×10-7/℃であった。比較例Kは、耐水性が1
7.5mg/cm2と著しく悪かった。比較例Lは、ガ
ラス化しなかった。
表1、2の各ガラス粉末試料に250メッシュの篩を通
過した耐火性フィラー粉末を加えた後に、振動ミルを用
いて封着材料を混合作製した。得られた試料について封
着材料の耐水性、熱膨張係数及び封着温度を測定し、そ
れらの結果を表3、4に示した。
スラリ−とし、スプレ−ドライヤーにて顆粒状にし、こ
れをプレスし成形体を得た。次にこれを焼成し焼結体
(タブレット)とし、その後コバール製の金属ケース1
0内にはめ込みその上からガラス窓部材20となる硼珪
酸系ガラス板を載せ、N2雰囲気で封着することで図1
に示すようなレーザダイオード用金属キャップ1を作製
した。なお、図中30は封着材料を示している。
属キャップの各試料についてPCT試験(プレッシャー
クッカーテスト)、押しつけ強度、気密性を評価した。
それらの結果を表3、4に示す。
ラスとコバールの熱膨張係数にほぼ適合する熱膨張係数
を有し、また500℃以下の温度で封着可能なものであ
った。しかも、実施例である試料No.1〜10で用い
る封着材料の耐水性は0.01〜0.09mg/cm2
であり、比較例である試料No.11、12で用いる封
着材料の耐水性12.5〜16.5mg/cm2に比べ
て優れていた。
o.1〜10の試料は、PCT試験が良好であり、押し
つけ強度が2.5kg以上、気密性も良好であった。こ
れに対して、No.11、12の試料は、PCT試験で
ガラス成分が溶出し、ガラス窓表面上に成分が析出し
た。また、押しつけ強度が0.1kgと低く、気密性も
不良であった。
成形時に失透が生じなかったものを「○」、失透が生じ
たものを「×」とした。失透の有無はX線回折法よって
確認した。
ラスを8φ×10mmの円柱状に成形し、その表面を研
磨して試料とし、次いで試料を50℃の純水中に48時
間浸漬した後の試料の単位表面積あたりの重量減(mg
/cm2)で評価した。表3、4の封着材料の耐水性
は、20×20×10mmの寸法の試料を作製し、ガラ
スと同様の方法で耐水性を評価したものである。
し、250メッシュのステンレス篩を通過したものを試
料とし、示差熱分析計(DTA)により測定した。
着材料を5φ×20mmの棒状に成形したものを試料と
し、Dilatoメーターによって測定し、30〜25
0℃の平均熱膨張係数の値で評価した。
と耐火性フィラー粉末を混合した封着材料を20φ×5
mmの大きさのボタンに成形した後、種々の焼成温度で
加熱して流動径が21mmになったときの温度とした。
1℃、湿度95%、24時間後の上記評価サンプル(レ
ーザダイオード用金属キャップ)の変化を目視で観察
し、ガラス窓面上に封着材料に起因する異物がないもの
を良、異物が発生したものを不良として評価した。
イオード用金属キャップの評価サンプルを用いて、金属
キャップ外側面部にφ1mmの棒を押し付け、荷重を懸
けてガラス板が剥がれた時又は割れた時の荷重で評価し
た。
ド用金属キャップの評価サンプルを治具でHeリークデ
ィテクターに取り付け、Heガスを吹き付けてリーク速
度を検定した結果が、1.0×10-8atm・cc/s
ec以下であるものを良とし、その値より大きいものを
不良とした。
次のようにして調製した。
華、光学石粉、酸化アルミニウムを質量%で、ZnO
70%、SiO2 25%、Al2O3 5%の組成にな
るように調合し、混合した後、1440℃で15時間焼
成し、次にアルミナボールで粉砕し、250メッシュの
ステンレス篩を通過したものを用いた。
末(表中ではリン酸NbZrと表示)は、五酸化ニオ
ブ、酸化ジルコニウム、リン酸二水素アンモニウム、酸
化マグネシウムを質量%で、Nb2O5 28%、ZrO
2 26%、P2O5 45%、MgO 1%の組成にな
るように調合し、混合した後、1400℃で15時間焼
成し、次いでこの焼成物を粉砕した後、これを350メ
ッシュのステンレス篩を通過したものを用いた。
ム、酸化アルミニウム、光学石粉を2MgO・2Al2
O3・5SiO2になるように調合し、混合した後、14
00℃で10時間焼成し、次いでアルミナボールミルで
粉砕し、250メッシュのステンレス篩を通過したもの
を用いた。
93%、TiO2 2%、MnO25%の組成になるよ
うに酸化錫、酸化チタン、二酸化マンガンを調合し、混
合した後、1400℃で16時間焼成し、次いでアルミ
ナボールミルで粉砕し、250メッシュのステンレス篩
を通過したものを用いた。
ンサンドを一旦ソーダ分解し、塩酸に溶解させた後、濃
縮結晶化を繰り返すことによってα線放出物質である
U、Thの極めて少ないオキシ塩化ジルコニウムにし、
アルカリ中和後、加熱して精製しZrO2を得た。これ
に高純度珪石粉、酸化第二鉄を質量%で、ZrO2 6
6%、SiO2 32%、Fe2O3 2%の組成になる
ように調合し、混合した後、1400℃で16時間焼成
し、次いでアルミナボールで粉砕し、250メッシュの
ステンレス篩を通過したものを用いた。
0℃、10時間焼成し、次いでアルミナボールで粉砕
し、250メッシュのステンレス篩を通過したものを用
いたなお、本実施例では、レーザダイオード用金属キャ
ップを例にあげて説明したが、光通信用レンズキャップ
等としても同様に好適に使用することが出来る。
水性の封着材料を使用しているため、結露が発生し易い
ような環境下で使用されても、光の透過率が低下せず、
光学部品として好適である。また本発明の封着材料は、
鉛を一切含まないので環境を汚染しない。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 光を通すガラス部材と金属ケースとが、
低融点ガラスと耐火性フィラーからなる封着材料により
封着されてなる光透過用金属キャップにおいて、封着材
料が、鉛を含まず、50℃の純水中に48時間浸漬した
後の耐水性を示す重量減が1mg/cm2未満の性質を
有することを特徴とする光透過用金属キャップ。 - 【請求項2】 光を通すガラス部材と金属ケースとが、
低融点ガラスと耐火性フィラーからなる封着材料により
封着されてなる光透過用金属キャップにおいて、低融点
ガラスがSnO―P2O5―B2O3系ガラスからなり、B
2O3とP2O5がモル比で1.2≧B2O3/P2O5≧0.
4、かつB2O3+P2O5≧20モル%であることを特徴
とする光透過用金属キャップ。 - 【請求項3】 低融点ガラスが、モル%でSnO 4
5〜80%、B2O35〜30%、P2O5 8〜24%、
ZnO 0〜20%、Al2O3 0〜5%、モル比で
1.2≧B2O3/P2O5≧0.4、かつB2O3+P2O5
≧20モル%の組成を有することを特徴とする請求項2
の光透過用金属キャップ。 - 【請求項4】 レーザダイオード用金属キャップであ
ることを特徴とする請求項1又は2の光透過用金属キャ
ップ。
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