JPH0965676A - リニアモータの制御装置 - Google Patents

リニアモータの制御装置

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JPH0965676A
JPH0965676A JP7218438A JP21843895A JPH0965676A JP H0965676 A JPH0965676 A JP H0965676A JP 7218438 A JP7218438 A JP 7218438A JP 21843895 A JP21843895 A JP 21843895A JP H0965676 A JPH0965676 A JP H0965676A
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Japan
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linear motor
mover
output
power
speed
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JP7218438A
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Hiroshi Osawa
博 大沢
Tetsuya Mizukami
哲也 水上
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Fuji Electric Co Ltd
Engineering Advancement Association of Japan
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Engineering Advancement Association of Japan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の固定子を連続的に配置したリニアモー
タを、センサレス方式で制御し得るようにする。 【解決手段】 複数の固定子巻線に電力を供給する複数
の電力変換器の出力電圧の和と、出力電流の和とを関数
とする電圧方程式に着目し、この電圧方程式とモータの
電気定数から磁束演算器1にて磁束成分を求め、これを
回転座標変換器40により座標変換して推定磁極軸成分
を求め、これを実際の磁極軸に一致させるためのループ
回路(符号2〜6参照)を構成することで、可動子の位
置,速度を演算により求められるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の固定子を
連続的に配置したリニアモータの制御装置、特に位置セ
ンサや速度センサを不要としたセンサレスのリニアモー
タ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8にリニアモータ駆動装置の従来例を
示す。リニアモータは図示のように、1対の固定子10
1,102を連続的に配置することにより、可動子10
0を固定子101,102間を順次移動させるものであ
る。電力変換器としては、直流電源を可変電圧可変周波
数の交流電源に変換する2つのインバータ201,20
2を使用する。そして、可動子100が固定子101と
対向している場合は、少なくとも固定子巻線101にイ
ンバータ201から給電し、可動子100が固定子10
1,102の両方にまたがって対向している場合は、固
定子巻線101にはインバータ201から給電し、固定
子巻線102にはインバータ202から給電する。ま
た、可動子100が固定子102と対向している場合
は、少なくとも固定子巻線102にインバータ202か
ら給電する。このように、可動子の移動に伴って給電す
る固定子巻線を順次切り換えて行くことにより、推力の
発生に寄与する固定子巻線だけに給電されるので、リニ
アモータの効率が向上する。なお、2対以上の固定子を
連続して配置する場合でも、電力変換器の出力をスイッ
チで切り換えるようにすれば、基本的には2つの電力変
換器があれば十分である。
【0003】図9にn対(n≧2)の固定子を連続的に
配置したリニアモータ駆動装置の従来例を示す。電力変
換器としては、直流電源を可変電圧可変周波数の交流電
源に変換する2つのインバータ201,202を用い、
その出力側にはスイッチ301〜30nを接続する。そ
して、奇数番目の固定子巻線101,103…はそれぞ
れスイッチ301,303…を介してインバータ201
に接続され、偶数番目の固定子巻線102,104…は
それぞれスイッチ302,304…を介してインバータ
202に接続される。
【0004】図10は図9の動作を説明するためのタイ
ムチャートで、可動子100が固定子101から10n
の方向に移動する場合の可動子と固定子の位置関係と、
これに対応する固定子電流とインバータの出力電流を示
している。例えば、可動子100が固定子101と対向
している場合は、少なくともスイッチ301を閉成し
て、インバータ201から固定子巻線101に給電す
る。可動子100が固定子101,102の双方にまた
がって対向している場合は、スイッチ301,302を
閉成して、インバータ201により固定子巻線101に
給電し、インバータ202により固定子巻線102に給
電する。また、可動子100が固定子102と対向して
いる場合は、少なくともスイッチ303を閉成して、イ
ンバータ201から固定子巻線103に給電する。この
ように、可動子の移動に伴って上記スイッチとインバー
タの制御により給電する固定子巻線を順次切り換えて行
くことにより、推力の発生に寄与する固定子巻線だけに
給電されるので、リニアモータの効率が向上し、必要な
電力変換器容量が低減する。
【0005】ところで、回転機を含む同期モータや誘導
モータにおいては、速度制御やトルク制御を行なうた
め、一般に可動子(回転子)の位置や速度(回転速度)
を検出するセンサが必要である。図11(a)にリニア
同期モータに用いられる位置センサの例を示す。すなわ
ち、可動子側に取り付けられるスリット板と、地上側に
取り付けられるピックアップ等の光学式センサとから構
成され、スリット板の凹凸を光学式センサにて検出する
ものである。スリットの間隔は磁極ピッチτpに等し
く、光学式センサは複数個設けられる。図11(a)は
3個用いる例であり、その出力信号の例を図12(a)
に示す。つまり、図12(a)の信号の論理的な組み合
わせにより位置検出値が図12(b)のように求められ
る。
【0006】図11(b)は速度センサの例を示す。こ
れは、スリット板のスリット幅(間隔)を小さくし、2
つの光学式センサにて検出するものである。ただ、速度
センサだけでは可動子の位置を求めることはできない
が、図11(a)のような位置センサを組み合わせるこ
とにより、図12(c)のように分解能の高い位置検出
が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、可動子に取り
付けたスリット板が移動し、光学式センサから外れると
位置や速度を検出できなくなるので、搬送路(可動子の
走行路)の全範囲にスリット板の長さよりも短い間隔で
光学式センサを設置する必要がある。つまり、搬送路が
長大になるほど多数のセンサが必要となることから、コ
ストアップを招き信頼性の低下につながるという問題が
ある。なお、機構的な制約からセンサが取り付けが困難
な場合やコスト低減等の観点から、位置や速度のセンサ
を用いないで、これらを推定するようにした位置・速度
センサレス制御の研究,開発が行なわれている(例え
ば、(1)竹下他「電流推定誤差に基づくセンサレスブ
ラシレスDCモータ制御」電気学会論文誌D,VOL.
115,420〜427頁(1995)、(2)「誘導
機速度センサレスベクトル制御用の現状と課題」平成3
年電気学会全国大会,シンポジウムS3、など参照)。
しかし、これらは回転機の制御を対象とするもので、リ
ニアモータの場合の報告例はない。
【0008】すなわち、従来のセンサレス制御は、モー
タとして回転機を対象としており、当然1つの固定子だ
けを考えている。しかし、リニアモータの場合は、可動
子が2つの固定子にまたがって対向していて、2つの固
定子電流により推力を発生している場合や、給電される
固定子巻線が順次変化するなど、リニアモータ固有の現
象がある。このため、従来のセンサレス制御は、そのま
まではリニアモータには適用できない。また、センサレ
ス制御では、一般に低速時に位置,速度の演算精度が低
下するという問題もある。したがって、この発明の課題
は、リニアモータにおいて位置・速度センサを無くして
制御を可能とすること、また、位置・速度センサを併用
した場合でも良好な制御を可能とすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、複数の固定子を連続的に配置したリニアモータ
の制御装置において、複数の固定子巻線に電力を供給す
る複数の電力変換器の出力電圧の和と、出力電流の和と
を関数とする電圧方程式に着目し、この方程式とリニア
モータの電気定数から磁束、つまり可動子の位置,速度
を演算により求められるようにし、位置センサレスまた
は速度センサレスとする(請求項1〜3の発明)。ま
た、位置センサまたは速度センサを部分的に設け、上記
演算値による制御からセンサ出力による制御に切り換え
可能とすることで、低速時の推力や速度の制御性能を向
上させる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示すブロック図、図2はその動作説明図である。こ
の発明の実施の形態を説明する前に、永久磁石を配置し
た界磁を可動子とするリニア同期モータの場合を例にと
って、可動子の位置,速度を求めるための原理について
説明する。電機子巻線に給電するモードは図2の3種類
に分類できる。モードIは界磁が1つの電機子とだけ対
向しており、この電機子巻線にだけ給電されている場合
である。この場合、リニア同期モータの電圧方程式は回
転機の場合と同様であり、固定子座標系のベクトルを用
いて表わすと、 V(→)=RI(→)+p{LI(→)+Ψ(→)} …(1) V:電機子電圧,I:電機子電流,Ψ:永久磁石による
電機子鎖交磁束,R:電機子抵抗,L:電機子インダク
タンス,p:微分演算子となる。なお、記号に矢印
(→)を付してベクトル量であることを示す。
【0011】モードIII は界磁が2つの電機子と対向し
ており、2つの電機子巻線に給電されている場合であ
る。この場合の電圧方程式は、それぞれの電機子巻線に
対して次の(2),(3)式のようになる。 V1 (→)=R1 1 (→)+p{L1 1 (→)+Ψ1 (→)}…(2) V2 (→)=R2 2 (→)+p{L2 2 (→)+Ψ2 (→)}…(3) 添字1,2は2つの電機子の区別を示す。Ψ1 (→)と
Ψ2 (→)の大きさは、界磁による磁束が電機子巻線に
鎖交する面積に比例するので、Ψ1 (→)とΨ2 (→)
の大きさは界磁の移動に伴って変化する。ここで、Ψ1
(→)とΨ2 (→)の和に着目すると、 Ψ1 (→)+Ψ2 (→)=Ψ(→) …(4) の関係が成立する。2つの電機子巻線のインピーダンス
を同一としてR1 =R2=R、L1 =L2 =Lとし、
(2),(3)式の和をとると、 V12(→)=RI12(→)+p{LI12(→)+Ψ(→)} V12(→)=V1 (→)+V2 (→) I12(→)=I1 (→)+I2 (→) …(5) となる。
【0012】再びモードIの場合に戻って考えると、モ
ードIは上記(5)式においてV2(→)=0,I
2 (→)=0となる特殊な場合と考えられる。また、モ
ードIIは界磁が1つの電機子とだけ対向しているが、2
つの電機子巻線が給電されている場合を示している。し
たがって、この場合は上記(4)式において、Ψ
1 (→)=Ψ(→)、Ψ2 (→)=0となる特殊な場合
と考えられる。すなわち、(5)式の電圧方程式は全て
のモードで成立する一般式と言える。そして、Ψ(→)
は上記(5)式より、次のように求めることができる。 Ψ(→)=∫{V12(→)−RI12(→)}dt−LI12(→) …(6) ベクトルΨ(→)の方向は磁極の位置を示しており、ベ
クトルΨ(→)の回転速度は磁極の速度に比例する。こ
のことは、ベクトルΨ(→)から可動子の位置と速度が
求まることを示している。
【0013】図1について説明する。なお、図1の参照
数字1は磁束演算器、2は増幅器、3は整流器、4は発
振器、5はカウンタ、6は比較器、21〜24は加算
器、31,32は3相/2相変換器、40は回転座標変
換器をそれそれ示す。これは上記の如き原理に基づくも
ので、2つのインバータの出力電圧V1ab とV2ab およ
びV1bc とV2bc をそれぞれ加算器21,22で加算
し、2つのインバータの出力電流I1aとI2aおよびI1c
とI2cをそれぞれ加算器23,24で加算する。各加算
器21〜24の出力をさらに3相/2相変換器31,3
2で座標変換し、α,β座標系の2相交流量に変換す
る。
【0014】3相/2相変換器31,32の出力は、そ
れぞれ上記のV12(→),I12(→)であり、これらの
ベクトルを、 V12(→)=(Vα Vβ) …(7) I12(→)=(Iα Iβ) …(8) と表わす。磁束演算器1は上記(6)式の演算を行な
い、 Ψ(→)=(Ψα Ψβ) …(9) を求める。Ψα,Ψβは回転座標変換器40において、
下記に数1として示す(10)式にしたがって座標軸を
θ^だけ回転させ、新たな座標系における鎖交磁束Ψd
^,Ψq^に変換する(Ψd^の演算は必要ないが、説
明の便宜上示している)。ここで、Ψd^,Ψq^は界
磁座標系の鎖交磁束Ψd,Ψqの推定値であると仮定す
る。
【数1】
【0015】図3に磁極軸とその推定磁極軸との関係を
示す。なお、φは磁極軸(d軸)と推定磁極軸(d^
軸)との交角を示し、 φ=tan-1(Ψq^/Ψd^) …(11) で表わされる。φ=0、すなわちΨq^=0ならば、磁
極軸とその推定磁極軸とが一致する。
【0016】再び、図1を参照する。回転座標変換器4
0の出力として得られるΨq^は、積分要素を内蔵した
増幅器2により増幅された後、整流器3で整流され、発
振器4に入力される。発振器4の出力はパルス列であ
り、このパルス列はカウンタ5に入力される。比較器6
はΨq^の極性を検出し、Ψq^>0のときはカウンタ
5がカウントアップし、Ψq^<0のときはダウンカウ
ントするように切り換える役目をする。カウンタ5の出
力は、電機子軸に対する推定磁極軸の角度θ^であり、
このθ^は上記の回転座標変換器40に入力される。
【0017】ここで、磁極軸と推定磁極軸との関係が図
3の如くであるとして、図1の動作を説明する。図3の
場合、推定磁極軸は磁極軸に対して遅れており、Ψq^
>0である。この場合、カウンタ5はカウントアップ
し、θ^の角速度ω^は正になる。また、磁極軸と推定
磁極軸との交角φが大きくなるほど、ω^は大きくな
る。ω^が大きくなると、図3からも分かるように推定
磁極軸は磁極軸に近づく。そして、推定磁極軸が磁極軸
に一致するとΨq^=0となり、そのとき増幅器2の積
分動作が停止し、ω^が一定となって定常状態となる。
【0018】このように、図1の構成では推定磁極軸を
磁極軸に一致させるようなループを形成しており、定常
状態ではθ^は電機子軸に対する磁極の位置θとなる。
このとき、ω^は磁極の電気角速度であり、速度に比例
する。また、これは発振器4の入力や、その出力のパル
ス列の周波数に比例しているので、その入力信号の大き
さや周波数から速度を検出できる。そして、界磁の位置
や速度が求まれば、リニアモータの推力や速度を制御で
きるのは、従来と同様である。
【0019】上記では、複数の電機子巻線の電気定数を
全て同一とした。しかし、構造上の制約などで例えば電
機子の長さがそれぞれ異なる場合には、電機子巻線の電
気定数もそれぞれ異なる。または、界磁の条件により、
インダクタンスが異なる場合もある。この場合も、定常
状態では2つの電機子電流は同一値に制御されるので、
1(→)=I2 (→)=I12(→)/2を先の
(2),(3)式に代入して両辺を加算すると、 V12(→)=(R1 +R2 )・I12(→)/2+p{(L1 +L2 )・ I12(→)/2+Ψ(→)} …(12) が得られる。ここで、 (R1 +R2 )/2,(L1 +L2 )/2 …(13) とすれば、(5)式と(12)式とは同じになる。
【0020】図4は以上のような考え方に基づく実施の
形態を示す構成図で、図1に示すものに対し状態判別器
7およびメモリ8Aを付加して構成される。状態判別器
7はスイッチ301〜303の状態とインバータ20
1,202の給電状態から、給電している電機子巻線を
判別する。メモリ8Aには抵抗RとインダクタンスLを
記憶しており、状態判別器7からの出力に従って、磁束
演算器1に設定する抵抗RとインダクタンスLを選択し
て出力する。このとき、1つのインバータだけで給電し
ているときは、RおよびLは給電している電機子巻線の
抵抗とインダクタンスが、また、2つの電機子巻線に給
電しているときのRおよびLは、上記(13)式に従い
給電している電機子巻線の抵抗とインダクタンスの平均
値がそれぞれ設定されることになる。その他は図1と同
様なので、詳細は省略する。
【0021】図5は第3の実施の形態を説明するための
特性図で、2つの電機子巻線に同じ電流が流れている場
合の、電機子電流による磁束密度分布特性を示す。同図
(a)は2つの電機子電流による磁束密度分布が連続し
ている場合、同図(b)は2つの電機子電流による磁束
密度分布が連続しておらず、δだけ位相差がある場合の
例である。なお、位相差δは2つの電機子の巻線構成と
配置により決まる。界磁がいずれの電機子と対向する場
合でも一定の推力を得るには、図5(a)のように2つ
の電機子電流による磁束密度分布が連続にすることが必
要である。つまり、図1,図4の例では2つの電機子電
流の和をとっているが、これは上記δが零となる、図5
(a)のような場合を前提としている。
【0022】図6は、図5(b)のように2つの電機子
電流による空間磁束密度分布が連続していない場合の対
応例を示すものである。これは、第1の電機子には基準
点からの位相差がδ1 だけあり、第2の電機子には基準
点からの位相差がδ2 だけある場合の例を示す。つま
り、2つのインバータの出力電圧と出力電流は、3相/
2相変換器31〜34で座標変換され、α,β座標系の
2相交流量V1 α' 〜V2 β' およびI1 α' 〜I2 β
' に変換される。さらに、第1の電機子電圧,電流は回
転座標変換器41,43で座標軸をδ1 だけ回転され、
1 α,V1 β,I1 α,I1 βに変換される。また、
第2の電機子電圧,電流は回転座標変換器42,44で
座標軸をδ2 だけ回転され、V2 α,V2 β,I2 α,
2 βに変換される。上記δ1 ,δ2 はI1 αとI2α
およびI1 βとI2 βの波形を連続させるための量で、
給電する電機子巻線によって異なるため、状態判別器7
の出力とメモリ8Bによってその値を切り換えるように
している。V1 αとV2 α,V1 βとV2 β,I1 αと
2 α,I1 βとI2 βはそれぞれ加算器21〜24で
加算され、Vα,Vβ,Iα,Iβへと変換される。そ
の他は、図1または図4に示すものと同様である。
【0023】第1〜第3の例では、界磁による誘導起電
力を利用して磁極位置を求めるようにしている。この誘
導起電力は速度に比例するので、低速時には磁極位置の
演算精度が低下する。図7はこのような場合に対処する
ための例であり、停止位置の前後にだけ位置センサを取
り付け、位置センサの信号が入力される位置ではそれを
用いて推力および速度の制御を行ない、位置センサの信
号が入力されない位置では、第1〜第3の例で説明した
ような位置および速度の演算値を用いて推力および速度
の制御を行なうものである。
【0024】図7の位置・速度演算器9は例えば図1の
ように構成され、磁極の位置・速度を演算する。速度調
節器(ASR)10は速度指令値ω* と速度検出値ωと
の偏差を増幅し、両者が一致するよう推力に比例するq
軸電流量指令値Iq* を出力する。位置・速度演算器9
で演算された磁極位置の推定値θ^は、正弦波を記憶し
たメモリ11A(ROM)に入力され、その出力とIq
* が乗算器12A,12Bで乗算され、次式で示すよう
なα,β座標系の電流指令値Iα*1,Iβ*1が求まる。 Iα*1=−Iq* sinθ,Iβ*1=Iq* cosθ …(14)
【0025】一方、位置センサを介して得られる磁極位
置θから、メモリ11B,乗算器12C,12D等によ
り、上記と同様にして電流指令値Iα*2,Iβ*2を求め
ることができる。したがって、Iα*1とIα*2,Iβ*1
とIβ*2をそれぞれスイッチ13A,13Bで切り換
え、位置センサの信号が入力されない範囲ではIα*1
Iβ*1を選択し、位置センサの信号が入力されるときは
Iα*2,Iβ*2を選択する。スイッチ13A,13Bで
選択された電流指令値Iα* ,Iβ* は、図示されない
電流調節器(ACR)に入力され、電流指令値に一致す
る電機子電流を流すようにする。なお、速度の場合も、
速度センサと位置・速度演算器9との切り換えをスイッ
チ13Cにより行なう。一般に、可動子の走行路(搬送
路)が長大になるほど光学式センサが多数必要になる
が、この例では可動子の停止位置等の限られた部分にの
みセンサを配置すれば良いので、コストアップを小さく
することができる。
【0026】なお、以上ではリニア同期モータの場合に
ついて説明したが、リニア誘導モータの場合について
も、複数の電力変換器の出力電圧の和と出力電流の和か
ら、可動子の位置や速度を演算する点に関し、上記と同
様な手法でセンサレス制御を実現することができる。ま
た、固定子の電圧,電流は検出値を用いた場合の例を示
したが、指令値を用いても同様にして位置や速度を演算
できる。さらに、2つの電力変換器を用いる例を示した
が、3つ以上の電力変換器を用いる場合も同様であるこ
とは勿論である。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、複数の固定子を連続
的に配置したリニアモータの制御装置において、複数の
固定子巻線に電力を供給する複数の電力変換器の出力電
圧の和と出力電流の和とを関数とする電圧方程式に着目
し、これとリニアモータの電気定数とから、可動子の位
置と速度を演算により求めるようにしたので、位置セン
サや速度センサを不要にして制御装置のコストを低減し
得るだけでなく、センサの取り付けが困難な用途に対し
て有効になるという利点がある(請求項1〜3の発
明)。また、可動子の位置センサ等を限られた部分、例
えば停止位置等に設けるだけで、低速時の精度低下を抑
えることができるという利点もある(請求項4の発
明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による第1の実施の形態を示す構成図
である。
【図2】図1における電機子巻線への給電モードを説明
するための説明図である。
【図3】図1の動作を説明するためのベクトル図であ
る。
【図4】この発明による第2の実施の形態を示す構成図
である。
【図5】電機子電流による磁束密度分布を説明するため
の説明図である。
【図6】この発明による第3の実施の形態を示す構成図
である。
【図7】この発明による第4の実施の形態を示す構成図
である。
【図8】リニアモータと駆動装置の一般的な例を示す概
要図である。
【図9】リニアモータと駆動装置の別の例を示す概要図
である。
【図10】図9の動作を説明するためのタイムチャート
である。
【図11】位置センサと速度センサの従来例を示す構成
図である。
【図12】位置センサによる検出信号例を説明するため
の説明図である。
【符号の説明】
1…磁束演算器、2…増幅器、3…整流器、4…発振
器、5…カウンタ、6…比較器、7…状態判別器、8
A,8B…メモリ、9…位置・速度演算器、10…速度
調節器(ASR)、11A,11B…メモリ(RO
M)、12A〜12D…乗算器、13A〜13C,30
1〜30n…スイッチ、21〜24…加算器、31〜3
4…3相/2相変換器、40〜44…回転座標変換器、
100…可動子(例えば界磁)、101〜10n…固定
子または固定子巻線(例えば電機子または電機子巻
線)、201〜20n…電力変換器(例えばインバー
タ)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個連続的に配置された固定子巻線
    に、少なくとも2つの電力変換器から交流電源を順次供
    給することにより、可動子を移動させるリニアモータの
    制御装置において、 前記電力変換器の各出力電圧をそれぞれ加算する第1の
    加算手段と、前記電力変換器の各出力電流をそれぞれ加
    算する第2の加算手段と、前記第1の加算手段および前
    記第2の加算手段の各出力とリニアモータの電気定数と
    から可動子の位置,速度を演算する演算手段とを設け、
    その出力を用いて制御を行なうことを特徴とするリニア
    モータの制御装置。
  2. 【請求項2】 連続的に複数個配置された固定子巻線
    に、少なくとも2つの電力変換器から交流電源を順次供
    給することにより、可動子を移動させるリニアモータの
    制御装置において、 前記電力変換器の各出力電圧の位相をそれぞれ所定角度
    だけ回転させる複数の第1の回転座標変換器と、前記電
    力変換器の各出力電流の位相をそれぞれ所定角度だけ回
    転させる複数の第2の回転座標変換器と、前記第1の回
    転座標変換器の各出力をそれぞれ加算する第1の加算器
    と、前記第2の回転座標変換器の各出力をそれぞれ加算
    する第2の加算器と、前記第1の加算手段および前記第
    2の加算手段の各出力とリニアモータの電気定数とから
    可動子の位置,速度を演算する演算手段とを設け、その
    出力を用いて制御を行なうことを特徴とするリニアモー
    タの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電力変換器からいずれの電機子巻線
    が給電されるかに応じて、前記リニアモータの電気定数
    を変える定数変更手段を付加したことを特徴とする請求
    項1または2に記載のリニアモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記可動子の位置センサまたは速度セン
    サを可動子の走行路の一部に設置し、設置されたセンサ
    出力値と前記演算手段を介して得られる演算値との切り
    換えを行なう切換手段とを付加したことを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載のリニアモータの制御
    装置。
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