JPH0965636A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

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Publication number
JPH0965636A
JPH0965636A JP21687395A JP21687395A JPH0965636A JP H0965636 A JPH0965636 A JP H0965636A JP 21687395 A JP21687395 A JP 21687395A JP 21687395 A JP21687395 A JP 21687395A JP H0965636 A JPH0965636 A JP H0965636A
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JP
Japan
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solenoid coil
fixed shaft
yoke
magnetic body
magnet
Prior art date
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Pending
Application number
JP21687395A
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English (en)
Inventor
Minoru Ogusu
実 小楠
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Foster Electric Co Ltd
Original Assignee
Foster Electric Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0965636A publication Critical patent/JPH0965636A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気回路のロスが少なく、簡単な構成で、充
分な大きさの振動を発生して外部に取り出すことが可能
な振動アクチュエータを実現する。 【解決手段】 ベース部31の中心部に垂直に支持され
た固定軸33と、この固定軸と中心が一致するように固
定軸周囲に取り付けられたソレノイドコイル36と、前
記ソレノイドコイルの周囲に配置され、半径方向に着磁
されたリング状磁石42と、中空円筒状の磁性体部を有
し、保持手段を介して磁性体部が前記固定軸の軸方向に
移動可能に支持されると共に、この磁性体部が前記ソレ
ノイドコイルの内周面と対向するように配設されたリン
グ状の第1のヨーク41と、内周面が前記リング状磁石
の外周面と接するように配設され、前記第1のヨークと
磁気的に結合されたリング状の第2のヨーク43と、前
記第1のヨークを固定軸上でベース部に対して移動可能
な状態で所定の位置に静止させるスプリング44と、か
ら構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はムービングマグネッ
ト型の振動アクチュエータに関し、更に詳しくは、低損
失で効率の良いムービングマグネット型の振動アクチュ
エータに関する。
【0002】
【従来の技術】ムービングコイル型の振動アクチュエー
タとして、実開平5−28464号公報に記載されたも
のが知られている。
【0003】図12は実開平5−28464号公報に記
載された振動アクチュエータの構成を示す構成図であ
る。この図12において、磁性ヨーク22で永久磁石2
1を囲むように四面に配置し、永久磁石21とこの永久
磁石21を支えるためのスプリング24を両端部に収め
たボビン25により構成されている。
【0004】このような振動アクチュエータにパルス波
状の交番電流を流すことにより、永久磁石の運動により
振動を発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような構成によれ
ばアクチュエータ全体に振動を発生することができるも
のの、ボビン25内でスプリング24により支えられた
永久磁石21の重量をあまり大きくすることができない
ため、ページャ用などの軽微な振動を発生するにとどま
る。
【0006】更に、永久磁石21周囲のボビン25によ
り磁気ギャップ,磁気抵抗が大きくなり、ロスが大きい
ことも問題となる。このため、重量の大きな振動子を用
いて大きな力の振動を取り出す用途として使用すること
は困難である。
【0007】また、コイル23の磁束を切る有効長が約
35%程度であり、磁気回路の効率が良くないという問
題を有している。図13は実開昭60−124192号
公報に記載された振動アクチュエータの構成を示す構成
図である。この構成では、リング状磁石102とヨーク
101,104からなる振動子がダンパ105で保持さ
れているため、振動子の重量を大きくすることができな
い。このため、軽微な振動を発生するにとどまる。
【0008】すなわち、振動アクチュエータとして充分
な振動をハウジング側に発生するには、重量のある振動
子を用いる必要がある。このためには、振動子を確実に
保持すると共に、磁気回路の効率にも配慮する必要があ
る。
【0009】また、ボイスコイル状のコイル108を用
いているために、コイル108の磁束を切る有効長は約
100%となるが、振動方向に対して巻幅が狭く、振動
振幅に対するコイルの有効巻数の変化が大きいという問
題を有している。
【0010】更に、振動方向に対しての厚みが図12の
ものよりも薄型になるものの、最低でもコイルの巻数分
+リング状磁石の厚み分は必要になるため、振動方向に
偏平化することが困難である問題も有している。
【0011】そして、この厚みの問題により、振動子に
ブレが生じた場合に、振動子とコイルボビンとが接触し
て異音を発生したり、出力が低下したりする問題を有し
ていた。
【0012】本発明は、上記の各種問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、コイルの磁束を切る有効長を
大きくすると共に、磁気回路のロスが少なく、簡単な構
成で、充分な大きさの振動を発生して外部に取り出すこ
とが可能な薄型の振動アクチュエータを提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本件出願の発明者は、従
来の振動アクチュエータにおいて予想される不具合を改
良すべく鋭意研究を行った結果、簡単な構成で充分な大
きさの振動を発生して外部に取り出せる構成を見出し、
本発明を完成させたものである。
【0014】すなわち、課題を解決する手段である本発
明は基本的に以下に説明するようなものである。第1の
発明は、ベース部の中心部に垂直に支持された固定軸
と、この固定軸と中心が一致するように固定軸周囲に取
り付けられたソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイ
ルの周囲に配置され、ソレノイドコイルの半径方向に磁
束を発生する磁石と、前記磁石の一方の面からの前記ソ
レノイドコイルを通過する磁束を受けて、前記磁石の他
方の面と接するように配設されたヨークと、前記ヨーク
を固定軸上でベース部に対して移動可能な状態で所定の
位置に静止させるスプリングと、から構成されたことを
特徴とする振動アクチュエータである。
【0015】尚、この磁石としては、ソレノイドコイル
の径方向に磁束を発生するように着磁されたリング状磁
石や複数のC字型磁石群などが考えられる。この第1の
発明の振動アクチュエータでは、ソレノイドコイルに対
向する磁石の一方の着磁面〜ソレノイドコイル〜ヨーク
〜磁石の他方の着磁面のように磁気回路が形成されてお
り、磁石からの磁束はソレノイドコイルの半径方向にな
っているため、ソレノイドコイルを流れる電流と磁気回
路の磁力線とが直角に交わっている。そこで、ソレノイ
ドコイルに電流を流すと、ソレノイドコイルに推力が発
生し、固定軸に移動可能に取り付けられたヨークに推力
の反作用が生じる。従って、ベース部側が移動する。
【0016】この場合、磁石からの磁束が直接にソレノ
イドコイルのエレメントと直角に交わるように構成され
ているため、振動方向に偏平化することが可能になって
いる。また、ソレノイドコイルに固定の鉄心が存在しな
いため、無励磁保持力が働くような問題も生じない。そ
して、振動方向に偏平化することにより、振動子のブレ
が生じても、振動子とコイルボビンとが接触する可能性
が小さくなる。
【0017】更に、コイルが円筒状のソレノイドコイル
であり、固定軸を中心にして同心円状にエアギャップが
存在するため、精度を向上させ易く、製造が容易にな
る。第2の発明は、ベース部の中心部に垂直に支持され
た固定軸と、この固定軸と中心が一致するように固定軸
周囲に取り付けられたソレノイドコイルと、前記ソレノ
イドコイルの周囲に配置され、半径方向に着磁されたリ
ング状磁石と、2つの同心円状の中空円筒状の磁性体部
を有し、保持手段を介して内側の磁性体部が前記固定軸
の軸方向に移動可能に支持されると共に、この内側の磁
性体部が前記ソレノイドコイルの内周面と対向するよう
に配設され、外側の磁性体部の内周面が前記リング状磁
石の外周面と接するように配設され、内側の磁性体部と
外側の磁性体部とが磁気的に結合されたヨークと、前記
ヨークを構成する内側の磁性体部を固定軸上でベース部
に対して移動可能な状態で所定の位置に静止させるスプ
リングと、から構成されたことを特徴とする振動アクチ
ュエータである。
【0018】この第2の発明の振動アクチュエータで
は、ソレノイドコイルに対向するリング状磁石の一方の
着磁面〜ソレノイドコイル〜ヨーク〜磁石の他方の着磁
面のように磁気回路が形成されており、リング状磁石か
らの磁束はソレノイドコイルの半径方向になっているた
め、ソレノイドコイルを流れる電流と磁気回路の磁力線
とが全周にわたって直角に交わっている。そこで、ソレ
ノイドコイルに電流を流すと、ソレノイドコイルに推力
が発生し、固定軸に移動可能に取り付けられたヨークに
推力の反作用が生じる。従って、ベース部側が移動す
る。
【0019】この場合、リング状磁石の磁束が直接にソ
レノイドコイルのエレメントと直角に交わるように構成
されているため、振動方向に偏平化することが可能にな
っている。また、ソレノイドコイルに固定の鉄心が存在
しないため、無励磁保持力が働くような問題も生じな
い。そして、振動方向に偏平化することにより、振動子
のブレが生じても、振動子とコイルボビンとが接触する
可能性が小さくなる。更に、ソレノイドコイルの全周に
わたって磁束が通過するため、磁気的な効率が高くな
る。
【0020】更に、コイルが円筒状のソレノイドコイル
であり、固定軸を中心にして同心円状にエアギャップが
存在するため、精度を向上させ易く、製造が容易にな
る。尚、この第2の発明の振動アクチュエータにおい
て、ヨークを構成する内側の磁性体部と外側の磁性体部
は、一体(ワンピース)であっても、また別体(例え
ば、ツーピース)であっても、磁気的に結合されたもの
であれば良い。
【0021】第3の発明は、ベース部の中心部に垂直に
支持された固定軸と、この固定軸と中心が一致するよう
に固定軸周囲に取り付けられたソレノイドコイルと、前
記ソレノイドコイルの周囲に配置され、前記ソレノイド
コイルの半径方向に着磁された複数の磁石と、2つの同
心円状の中空円筒状の磁性体部を有し、保持手段を介し
て内側の磁性体部が前記固定軸の軸方向に移動可能に支
持されると共に、この内側の磁性体部が前記ソレノイド
コイルの内周面と対向するように配設され、外側の磁性
体部の内周面が前記リング状磁石の外周面と接するよう
に配設され、内側の磁性体部と外側の磁性体部とが磁気
的に結合されたヨークと、前記ヨークを構成する内側の
磁性体部を固定軸上でベース部に対して移動可能な状態
で所定の位置に静止させるスプリングと、から構成され
たことを特徴とする振動アクチュエータである。
【0022】この第3の発明の振動アクチュエータで
は、ソレノイドコイルに対向する複数の磁石の一方の着
磁面〜ソレノイドコイル〜ヨーク〜磁石の他方の着磁面
のように磁気回路が形成されており、リング状磁石から
の磁束はソレノイドコイルの半径方向になっているた
め、ソレノイドコイルを流れる電流と磁気回路の磁力線
とが直角に交わっている。そこで、ソレノイドコイルに
電流を流すと、ソレノイドコイルに推力が発生し、固定
軸に移動可能に取り付けられたヨークに推力の反作用が
生じる。従って、ベース部側が移動する。
【0023】この場合、リング状磁石の磁束が直接にソ
レノイドコイルのエレメントと直角に交わるように構成
されているため、振動方向に偏平化することが可能にな
っている。また、ソレノイドコイルに固定の鉄心が存在
しないため、無励磁保持力が働くような問題も生じな
い。そして、振動方向に偏平化することにより、振動子
のブレが生じても、振動子とコイルボビンとが接触する
可能性が小さくなる。更に、ソレノイドコイルのほぼ全
周にわたって磁束が通過するため、磁気的な効率が高く
なる。
【0024】更に、コイルが円筒状のソレノイドコイル
であり、固定軸を中心にして同心円状にエアギャップが
存在するため、精度を向上させ易く、製造が容易にな
る。尚、この第3の発明の振動アクチュエータにおい
て、ヨークを構成する内側の磁性体部と外側の磁性体部
は、一体(ワンピース)であっても、また別体(例え
ば、ツーピース)であっても、磁気的に結合されたもの
であれば良い。
【0025】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態例を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態例
の断面図である。また、図2は図1の右方向から見た場
合の正面図である。
【0026】これら図1及び図2において、ベース部3
1は円盤状の部材で構成されており、その中心部に後述
する固定軸を取り付ける穴が設けられている。固定軸3
3は後述する振動子を支持するための軸であり、ベース
部31の中心部の穴に固着されている。尚、固定軸33
はベース部31の穴を用いて支持するように構成した
が、このような穴を設けずに固定できるような構成にし
ても良い。
【0027】ホルダ34は固定軸33の末端部に取り付
けられ、中心部及び周辺部に折り返し部を有するリング
状の部材であり、固定軸33の軸方向に移動可能に設け
られている。尚、このホルダ34の中心部付近に必要に
応じてベアリングを設けたり、また、ベアリング自体を
このホルダ34として構成しても良い。
【0028】ボビン35はベース部31に取り付けられ
た筒状部材であって、その筒の中心に固定軸33が位置
するように構成されている。そして、このボビン35に
ボイスコイル状のソレノイドコイル36が巻回されてい
る。
【0029】第1のヨーク41はホルダ34の周囲を覆
い、かつ、ソレノイドコイル36の内周に位置するよう
な中空円筒状に構成され、磁性体の部材で構成されてい
る。この第1のヨーク41の一端(ベース部31と反対
側)に後述する第2のヨーク43の円盤部が密着してい
る。
【0030】リング状磁石42は半径方向に着磁されて
おり、内周面(一方の着磁面)がソレノイドコイル36
と対向するように、また、外周面(他方の着磁面)には
第2のヨーク43の折り返し部が密着するように構成さ
れている。
【0031】また、このリング状磁石42の他の着磁面
にはリング状の磁性体の第2のヨークが密着しており、
この第2のヨーク43の内周部と第1のヨーク41の中
空円ボビンの外周部との間のリング状の空間に前記ソレ
ノイドコイル36が位置するように配置されている。
【0032】尚、コイルスプリング44がベース部31
とホルダ34との間に設けられ、振動子(ホルダ34,
第1のヨーク41,リング状磁石42,第2のヨーク4
3)は移動可能な状態で所定の位置に静止するように保
持されている。
【0033】リード51はソレノイドコイル36に電流
を供給するためのリード配線若しくはプリント配線であ
る。よって、リング状磁石42の一方の着磁面→ソレノ
イドコイル36→第1のヨーク41→第2のヨーク→リ
ング状磁石42の他方の着磁面、のように一巡する磁気
回路が形成されている。そして、この磁気回路は、円筒
状のソレノイドコイル36の全周にわたって均一に形成
されている。
【0034】尚、以上の磁気回路を構成するために、第
1のヨーク41と第2のヨーク43とを一体(1ピー
ス)で構成しても良い。次に、上記した構成の振動アク
チュエータの動作を説明する。
【0035】リード51を介して、ソレノイドコイル3
6に所定の電流を流すと、上述した磁気回路中に配設さ
れているソレノイドコイル36にフレミング左手の法則
に従って推力が発生する。
【0036】そして、この推力の反作用として、振動子
(ホルダ34,第1のヨーク41,リング状磁石42,
第2のヨーク43)が移動しようとする。この場合にお
いて、振動子側の重量を大きくしておくことにより、ベ
ース部31及びそのベース部31が取り付けられた機器
全体もコイルに発生する推力で振動する。すなわち、ソ
レノイドコイル36に交流電流を流すことにより、ベー
ス部31は電流波形に従った振動を発生する。
【0037】この実施の形態においては、振動子が固定
軸に沿ってスムーズに移動できるような構造なので、振
動子の重量を大きくすることが可能になる。これによ
り、ベース部31から大きな振動を取り出すことが容易
になる。
【0038】また、リング状磁石42やヨーク41,4
3を有する振動子であるため、振動子の重量を大きくす
ることが容易にできるため、小さな振幅でも大きな力を
発生することが可能になる。
【0039】また、振動子を固定軸に沿って移動可能に
する際に、スプリングで初期位置を決めるようにしてい
るので、振動子を確実に磁気的な中央位置(中性点)に
保持できる。このため、重量の大きい振動子を使用する
場合にも、磁気回路の効率が落ちることはない。これに
より、振動子の重量を大きくすることが可能になり、ベ
ース部31から大きな振動を取り出すことが容易にな
る。
【0040】また、この場合、半径方向に着磁されたリ
ング状磁石42からの磁束が直接にソレノイドコイル3
6と全周にわたって直角に交わるように構成されている
ため、従来の振動アクチュエータと比較して振動方向に
偏平化することが可能であり、コイルの磁束を切る有効
長も大きくなり効率が良い。この実施の形態の場合に
は、ソレノイドコイル36の周囲にリング状磁石42が
配置されているので、有効長は100%になる。
【0041】また、ソレノイドコイルに固定の鉄心が存
在しないため、無励磁保持力が働くような問題も生じな
いため、損失を発生することなく、低入力を加えられた
時でも忠実に振動する。
【0042】そして、振動方向に偏平化することによ
り、振動子のブレが生じても、振動子とコイルボビンと
が接触する可能性が小さくなる。更に、コイルが円筒状
のソレノイドコイルであり、固定軸を中心にして同心円
状にエアギャップが存在するため、精度を向上させ易
く、製造が容易になる。
【0043】尚、以上の実施の形態例において、リング
状磁石42に代えて、同じように固定軸方向に向かって
着磁されたC型磁石を複数用いても同様の動作を実現す
ることが可能である。このようなC型磁石を用いる場合
には、密着して配置すればリング状磁石と完全に同一な
効率を実現でき、また、隙間をあけて配置した場合には
軽量化を実現することができる。
【0044】また、コイルスプリング44の代わりに、
ダイヤフラムや板ばね等の各種弾性部材を使用すること
も可能である。図3は本発明の第2の実施の形態の構成
を示す構成図である。既に説明した図1の振動アクチュ
エータはリング状磁石42若しくは複数のC型磁石を用
いたものであったが、この図3に示す振動アクチュエー
タでは磁石部分を変形した例を示している。
【0045】基本的な構成は図1のものと同一であり、
同一機能を有する部分には同一番号を付してある。大き
く異なる点は、図1のリング状磁石42に代えて、内周
面がC字型をであり外周部が平面であって固定軸33方
向に着磁された磁石42aと42bとで構成しているこ
とである。尚、磁石42aと磁石42bとは同じ向きに
着磁されることで、磁気回路としては前述の図1のもの
と同じ回路構成となっている。また、この磁石42a,
42bとしては、例えば、ソレノイドコイル36がなす
円との接する平行な2本の接線に挟まれる部分に配置す
る。
【0046】このような形状にすることで、図の上下方
向に細長い形状に構成することが可能になる。また、こ
の図3ではヨーク45として1つにまとめて構成してあ
り、中心円筒部はホルダ34に保持されてボビン35の
内周面に対向するようになっており、また、外側の折り
返し部は磁石42a及び42bの外側の着磁面に接する
ように構成されている。尚、このヨーク45は、内周の
円筒部と外側の折り返し部とで別体(2ピース)に構成
することも可能であり、磁気回路として同等な動作をす
ることができる。
【0047】尚、この場合の磁石42a及び磁石42b
として、内側着磁面が円筒形状で外側着磁面が平面の形
状のものを用いたが、以下のような変形も可能である。
このような変形の様子を図5及び図6の模式図に示す。
尚、図5及び図6は磁石とソレノイドコイルとの位置関
係を簡略化して示している。
【0048】すなわち、図5に示すように、C字型の磁
石42c,42dを用い、ヨーク45との間に磁性体4
6a及び46bを挟みこむことが可能である。また、平
板状の磁石42e及び42fを用いて、ソレノイドコイ
ル36との間に内面が円筒形状を構成するような磁性体
46c,46dを設けることも可能である。以上のそれ
ぞれの場合に、着磁方向は図1や図3の場合と同様に外
側から固定軸に向かう方向にする。
【0049】この場合において、振動子側の重量を大き
くしておくことにより、ベース部31及びそのベース部
31が取り付けられた機器全体もコイルに発生する推力
で振動する。すなわち、ソレノイドコイル36に交流電
流を流すことにより、ベース部31は電流波形に従った
振動を発生する。
【0050】この実施の形態においては、振動子が固定
軸に沿ってスムーズに移動できるような構造なので、振
動子の重量を大きくすることが可能になる。これによ
り、ベース部31から大きな振動を取り出すことが容易
になる。
【0051】また、磁石42a,42bやヨーク45を
有する振動子であるため、振動子の重量を大きくするこ
とが容易にできるため、小さな振幅でも大きな力を発生
することが可能になる。
【0052】また、振動子を固定軸に沿って移動可能に
する際に、スプリングで初期位置を決めるようにしてい
るので、振動子を確実に磁気的な中央位置(中性点)に
保持できる。このため、重量の大きい振動子を使用する
場合にも、磁気回路の効率が落ちることはない。これに
より、振動子の重量を大きくすることが可能になり、ベ
ース部31から大きな振動を取り出すことが容易にな
る。
【0053】また、この場合、磁石42a,42bから
の磁束が直接にソレノイドコイル36と全周にわたって
直角に交わるように構成されているため、従来の振動ア
クチュエータと比較して振動方向に偏平化や細型化する
ことが可能であり、コイルの磁束を切る有効長も大きく
なり効率が良い。この実施の形態の場合には、ソレノイ
ドコイル36の周囲に2つの磁石42a,42bが配置
されているので、有効長は約70%になる。
【0054】また、ソレノイドコイルに固定の鉄心が存
在しないため、無励磁保持力が働くような問題も生じな
いため、損失を発生することなく、低入力を加えられた
時でも忠実に振動する。
【0055】そして、振動方向に偏平化することによ
り、振動子のブレが生じても、振動子とコイルボビンと
が接触する可能性が小さくなる。更に、コイルが円筒状
のソレノイドコイルであり、固定軸を中心にして同心円
状にエアギャップが存在するため、精度を向上させ易
く、製造が容易になる。
【0056】ところで、ソレノイドコイル36に印加す
る電圧は図7(a)に示したような交流の電圧以外に、
図7(b)のような直流の間欠的な電圧も考えられる。
例えば、交流の場合に+0.65V〜−0.65Vであ
ったとすると、直流の場合には0V〜+1.3Vを印加
すれば良い。
【0057】これらの場合にソレノイドコイル36の接
続が図8(a)のように同一方向であれば、発生する振
動はそれぞれ図9(a)及び図9(b)のようになる。
すなわち、交流駆動の場合には、振動子60が静止位置
を中心にして伸縮がほぼ等しくなる。一方、直流駆動の
場合には、振動子60が静止位置を中心にして伸び側に
大きく振動することになる。
【0058】ところで、ソレノイドコイル36の配線を
図8(b)のように逆方向に繋ぎ変えた状態にして図7
(b)と同じ電圧を印加すると、図7(c)のような負
電圧を印加したことに相当する状態になる。この場合
は、図9(c)のように、振動子60が静止位置を中心
にして縮み側に大きく振動することになる。
【0059】このように縮み側に振動させた場合に、ベ
ース部31と振動子60とが干渉する可能性がある。そ
こで、図10に示すように、ベース部31とヨーク45
とが干渉しそうな箇所に弾性体47を配置しておく。
尚、この弾性体47の配置場所は、干渉が生じる可能性
の有る場所であれば、ベース部31側であるか振動子側
であるかを問わない。
【0060】このようにしておいて、図9(c)のよう
な振動を発生させて、振動子60とベース部31とを積
極的に衝突させることも可能である。このようにするこ
とで、より大きな振動を発生させることが可能になる。
また、振動により衝突音が発生するため、ページャー等
に用いる場合にも適している。
【0061】図11は前述の図9の各振動モードによっ
て得られる振動の加速度を測定した特性図である。図9
(a)及び(b)の場合には特性曲線Aのようになり、
入力電力に応じてリニアに変化する加速度が得られる。
一方、図9(c)の場合には特性曲線Bのようになり、
入力電力が一定値に達するまでは加速度も急激に大きく
なり、一定入力を超えた所から加速度が飽和するように
なる。
【0062】この結果、図9(c)のようにして衝突を
起させた場合には、入力電力が変化しても振動の加速度
が一定であるという利点がある。これは、ページャー等
で用いる電池の電圧が変化したとしても、一定の振動が
得られるという大きな利点を有する。すなわち、電圧が
低下したとしても振動が低下しないということであり、
また、振動の絶対値も大きいことが図11から読み取れ
る。
【0063】尚、このように衝突を用いる場合には、実
験の結果、振動モードとしては30〜120Hzを、音
モードとしては1000〜3000Hzの電圧をソレノ
イドコイル36に印加すると良いことが分かった。
【0064】尚、以上の振動アクチュエータは振動キャ
ンセラに好適であるが、それ以外にも振動を用いる各種
の用途に使用することが可能である。例えば、任意の振
動を発生できる特性に鑑みて、計測器等のアクチュエー
タなどの用途に使用することも可能である。また、小型
にしてページャ等に内蔵することも可能である。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、ベース部にソレノイ
ドコイルを設け、このソレノイドコイルの径方向に磁束
を発生するように着磁された磁石を設けて、この磁石と
ソレノイドコイルを通過する磁束を受けるヨークとで振
動子を構成することで、コイルの磁束を切る有効長を大
きくすると共に、磁気回路のロスが少なく、簡単な構成
で、充分な大きさの振動を発生して外部に取り出すこと
が可能な薄型の振動アクチュエータを実現できる。
【0066】また、ベース部にソレノイドコイルを設
け、このソレノイドコイルの周囲に半径方向に着磁され
たリング状磁石を設けて、リング状磁石とソレノイドコ
イルの内側に設けたヨークとで振動子を構成すること
で、コイルの磁束を切る有効長を大きくすると共に、磁
気回路のロスが少なく、簡単な構成で、充分な大きさの
振動を発生して外部に取り出すことが可能な薄型の振動
アクチュエータを実現できる。
【0067】そして、ベース部にソレノイドコイルを設
け、このソレノイドコイルの径方向に磁束を発生するよ
うに着磁された複数の磁石を設けて、これら複数の磁石
とソレノイドコイルを通過する磁束を受けるヨークとで
振動子を構成することで、コイルの磁束を切る有効長を
大きくすると共に、磁気回路のロスが少なく、簡単な構
成で、充分な大きさの振動を発生して外部に取り出すこ
とが可能な薄型の振動アクチュエータを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の振動アクチュエー
タの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の振動アクチュエー
タの正面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の振動アクチュエー
タの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の振動アクチュエー
タの正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の振動アクチュエー
タの磁石の変形例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の振動アクチュエー
タの磁石の変形例の他の例を示す模式図である。
【図7】ソレノイドコイルに供給する電圧波形の例を示
す説明図である。
【図8】ソレノイドコイルの接続例を示す説明図であ
る。
【図9】振動アクチュエータの振動の方向を示す説明図
である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の振動アクチュエ
ータの変形例を示す断面図である。
【図11】ソレノイドコイルに供給する電力と振動子に
発生する加速度との関係を示す特性図である。
【図12】実開平5−28464号公報に記載された振
動アクチュエータの構成を示す構成図である。
【図13】実開昭60−124192号公報に記載され
た振動アクチュエータの構成を示す構成図である。
【符号の説明】
31 ベース部 33 固定軸 34 ホルダ 35 ボビン 36 ソレノイドコイル 41 第1のヨーク 42 リング状磁石 43 第2のヨーク 44 コイルスプリング 51 リード

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース部の中心部に垂直に支持された固
    定軸と、 この固定軸と中心が一致するように固定軸周囲に取り付
    けられたソレノイドコイルと、 前記ソレノイドコイルの周囲に配置され、ソレノイドコ
    イルの半径方向に磁束を発生する磁石と、 前記磁石の一方の面からの前記ソレノイドコイルを通過
    する磁束を受けて、前記磁石の他方の面と接するように
    配設されたヨークと、 前記ヨークを固定軸上でベース部に対して移動可能な状
    態で所定の位置に静止させるスプリングと、 から構成されたことを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 ベース部の中心部に垂直に支持された固
    定軸と、 この固定軸と中心が一致するように固定軸周囲に取り付
    けられたソレノイドコイルと、 前記ソレノイドコイルの周囲に配置され、半径方向に着
    磁されたリング状磁石と、 2つの同心円状の中空円筒状の磁性体部を有し、保持手
    段を介して内側の磁性体部が前記固定軸の軸方向に移動
    可能に支持されると共に、この内側の磁性体部が前記ソ
    レノイドコイルの内周面と対向するように配設され、外
    側の磁性体部の内周面が前記リング状磁石の外周面と接
    するように配設され、内側の磁性体部と外側の磁性体部
    とが磁気的に結合されたヨークと、 前記ヨークを構成する内側の磁性体部を固定軸上でベー
    ス部に対して移動可能な状態で所定の位置に静止させる
    スプリングと、 から構成されたことを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 ベース部の中心部に垂直に支持された固
    定軸と、 この固定軸と中心が一致するように固定軸周囲に取り付
    けられたソレノイドコイルと、 前記ソレノイドコイルの周囲に配置され、前記ソレノイ
    ドコイルの半径方向に着磁された複数の磁石と、 2つの同心円状の中空円筒状の磁性体部を有し、保持手
    段を介して内側の磁性体部が前記固定軸の軸方向に移動
    可能に支持されると共に、この内側の磁性体部が前記ソ
    レノイドコイルの内周面と対向するように配設され、外
    側の磁性体部の内周面が前記リング状磁石の外周面と接
    するように配設され、内側の磁性体部と外側の磁性体部
    とが磁気的に結合されたヨークと、 前記ヨークを構成する内側の磁性体部を固定軸上でベー
    ス部に対して移動可能な状態で所定の位置に静止させる
    スプリングと、 から構成されたことを特徴とする振動アクチュエータ。
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