JPH0964375A - 表示駆動装置 - Google Patents

表示駆動装置

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JPH0964375A
JPH0964375A JP24379095A JP24379095A JPH0964375A JP H0964375 A JPH0964375 A JP H0964375A JP 24379095 A JP24379095 A JP 24379095A JP 24379095 A JP24379095 A JP 24379095A JP H0964375 A JPH0964375 A JP H0964375A
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Katsuhiko Morosawa
克彦 両澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路面積の増加を最小限に抑えつつ、トラン
ジスタのリーク電流を小さくして、消費電力を低減する
ことができる表示駆動装置を提供する。 【解決手段】 pMOSトランジスタ22とnMOSト
ランジスタ23とで構成されたCMOSインバータ回路
21は、電源とグラウンドとの間にpMOSトランジス
タ22とnMOSトランジスタ23のソースもしくはド
レインを直列に接続して構成されている。このCMOS
インバータ回路21の各トランジスタのチャネル長は、
通常は6μmであるが、10μm程度と長くして構成さ
れている。このようなチャネル長の長いトランジスタを
用いたCMOSインバータ回路21を、例えば、液晶駆
動回路の最終段のトランジスタにのみ採用することによ
り、個々のトランジスタのPN接合部分の電界強度が小
さくなり、トランジスタのリーク電流を減少させるとと
もに、回路面積の増大を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示駆動装置に関
し、詳細には、通常のトランジスタよりもチャネル長の
長いトランジスタを用いる表示駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】表示駆動装置には、例えば、液晶を駆動
して表示制御を行う液晶駆動装置などがある。この液晶
駆動装置の場合は、表示形態によってセグメント方式と
マトリクス方式とに分けることができる。マトリクス方
式のものは、画像を表示する用途として液晶テレビ、パ
ソコン、ワープロ等の表示装置に用いられている。そし
て、マトリクス方式には、単純マトリクス方式とアクテ
ィブマトリクス方式とがあるが、高画質である上、クロ
ストーク現象のないアクティブマトリクス方式が注目さ
れている。
【0003】アクティブマトリクス方式による液晶駆動
装置は、1画素毎に設けた液晶駆動素子によって、その
画素の液晶部分に電圧を印加して画像を表示するもので
ある。この液晶駆動素子としては、薄膜トランジスタ
(TFT:Thin Film Transis-tor)が近年急速に普及
しつつある。この薄膜トランジスタは、以前のシリコン
単結晶基板上に作られたMOSトランジスタのもつ欠
点、すなわち、表示画面の寸法に制限があること、透過
型にできないこと等を克服する液晶駆動素子として開発
されたものである。この薄膜トランジスタは、ガラス等
の基板上に形成された半導体薄膜の所定領域に不純物を
注入してトランジスタを形成するものである。特に、液
晶表示装置用の半導体薄膜の素材としては、セレン化カ
ドミウム、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等が
用いられる。
【0004】そして、従来、液晶表示装置などのドライ
バ回路をガラス基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を
使って一体構成する場合は、通常はCMOS(Compleme
nta-ry Metal Oxide Semiconductor) 回路が用いられ
ている。このCMOS回路は、電子によって電流を運ぶ
nMOSトランジスタと、正孔によって電流を運ぶpM
OSトランジスタとを対にした相補型のトランジスタ回
路である。
【0005】例えば、図8は、従来のCMOSインバー
タ回路1の構成を示す図である。図8に示すように、C
MOSインバータ回路1は、電源(Vdd)とグラウンド
(GND)との間にpMOS2とnMOS3の二種類の
トランジスタのソースもしくはドレインを直列に接続し
て構成されている。
【0006】この図8に示すCMOSインバータ回路1
は、IN(入力)が「0」のときに、nMOSトランジ
スタ3がオフし、pMOSトランジスタ2がオンして電
源Vddから「1」がOUT(出力)される。また、入力
が「1」のときは、pMOSトランジスタ2がオフし、
nMOSトランジスタ3がオンすることでグラウンドか
ら「0」が出力される。このように、CMOSインバー
タ回路は、入力される論理とは反対の論理を出力するこ
とができる。例えば、図9は、図8のCMOSインバー
タ回路1を構成するnMOSトランジスタ3の断面構成
図であって、同図(a)は、通常のチャネル長からなる
nMOSトランジスタの図であり、同図(b)は、
(a)よりチャネル長の長いnMOSトランジスタの図
である。
【0007】図9(a)のnMOSトランジスタ3を形
成する場合は、ガラス基板4上に所定膜厚の下地絶縁膜
5が形成され、その上の所定位置に幅(W)60μm、
長さ(L)6μmの金属クロムなどからなるゲート電極
6を形成する。そして、下地絶縁膜5とゲート電極6と
を覆うようにゲート絶縁膜7が形成され、そのゲート絶
縁膜7の上には、前記ゲート電極6を中心に半導体層8
が左右方向に延在形成される。
【0008】この半導体層8には、上記ゲート電極をイ
オン注入用マスクとしてセルフ・アライン(自己整合)
技術により、n型の不純物イオンをドーピングして熱処
理することによって、81、83がn型不純物注入領
域、82が真性半導体領域であるチャネル領域を形成す
ることができる。
【0009】次いで、上記半導体層8とゲート絶縁膜7
の上を覆って平坦化するように層間絶縁膜9が形成され
る。そして、nMOSトランジスタ3のソース・ドレイ
ン電極を形成するため、前記層間絶縁膜9を貫いて半導
体層8の両端部に到達するコンタクトホールを異方性エ
ッチングによって形成し、そのコンタクトホール内にア
ルミニウム(Al)等からなるソース・ドレイン電極1
0を埋め込んで配線することにより、nMOSトランジ
スタ3が形成される。
【0010】また、図9(b)に示すように、(a)よ
りチャネル長の長いnMOSトランジスタ3´を形成す
る場合は、製造工程自体は上記と同様であるが、下地絶
縁膜5上に形成するゲート電極6の長さが6μmであっ
たのを10μmとし、このゲート電極6´をマスクとし
て使い、セルフ・アライン技術によってイオンドーピン
グすることにより、10μmと長いチャネル長からなる
チャネル領域82´を形成することができる。
【0011】図10は、nMOSトランジスタ3のオフ
電流を検出するための接続例を示す図であって、図11
は、図9(a)に示すチャネル幅(W)が60μmでチ
ャネル長(L)が6μmのnMOSトランジスタのドレ
イン電圧とドレイン電流との関係を示す線図である。
【0012】図10に示すように、nMOSトランジス
タ3は、ソースとゲートがそれぞれグラウンドに接地さ
れていて、トランジスタがオフ状態にあり、ドレインに
所定のドレイン電圧(Vd)が印加されるとその電圧に
応じたドレイン電流(Id)、いわゆる、オフ電流が流
れる。その関係線図が図11であり、4Vのドレイン電
圧が印加されると、約0.1μAのドレイン電流が流
れ、6Vのドレイン電圧が印加されると、約0.2μA
のドレイン電流が流れることがわかる。また、図12
は、図9(b)に示すチャネル幅(W)が60μmでチ
ャネル長(L)が10μmのnMOSトランジスタのド
レイン電圧とドレイン電流との関係を示す線図である。
【0013】図10に示すように、nMOSトランジス
タ3がオフ状態であって、ドレインに所定のドレイン電
圧(Vd)が印加されるとその電圧に応じたドレイン電
流(Id=オフ電流)が流れる。例えば、図12に示す
ように、4Vのドレイン電圧が印加されると、約0.0
2μAのドレイン電流が流れ、6Vのドレイン電圧が印
加されると、約0.04μAのドレイン電流が流れ、
0.1μAのドレイン電流が流れるためには、約8.5
Vのドレイン電圧を印加する必要があることがわかる。
【0014】さらに、図8のCMOSトランジスタ1を
構成する他の導電型のpMOSトランジスタ2では、上
記n型の不純物イオンに代えてp型の不純物イオンをド
ーピングすることによって同様に形成することができ、
チャネル長とオフ電流(pMOSトランジスタではソー
ス電流、nMOSトランジスタではドレイン電流)との
関係は上記したnMOSトランジスタと同様となる。
【0015】このように、図11と図12とを比較する
とわかるように、チャネル幅が同じ場合に、チャネル長
を6μmから10μmにするとオフ電流が大幅に減少
し、トランジスタの静的な消費電力を低減することがで
きる。これは、トランジスタのチャネル長を短くする
と、PN接合部分の電界強度が大きくなって、十分なオ
ン電流が得られる反面、オフ電流(リーク電流)が増加
するが、チャネル長を長くすると、PN接合部分の電界
強度が小さくなって、オン電流が小さくなる反面、オフ
電流(リーク電流)が減少することによる。また、上記
したCMOSトランジスタは、インバータ回路以外に
も、表示駆動装置を構成するのに必要なラッチ回路、ア
ンド回路、ナンド回路、あるいは、トライステート回路
等を構成することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の表示駆動装置にあっては、TFTで構成され
るCMOSトランジスタの動作周波数を「f」とし、負
荷容量を「C」とし、電源電圧を「Vdd」とし、リーク
電流を「IL」とした場合、次式によってCMOSトラ
ンジスタの消費電力を表わすことができる。
【0017】W(消費電力)=f・C・Vdd(動的な消
費電力)+IL・Vdd(静的な消費電力) 従来のTFTで構成されたCMOSトランジスタは、上
記式のリーク電流「IL」の値が大きいため、例えば、
多数のTFTで構成された表示駆動装置全体の消費電力
のうち、リーク電流(静的な消費電力)の占める割合が
大きくならざるを得ないという問題があった。
【0018】また、表示駆動装置に使用されるTFTに
要求される性能は、液晶を駆動するに十分なオン電流が
得られること、および、オフ状態における保持特性を良
くするためにオフ電流(リーク電流)が極力少ないこと
である。ところが、十分なオン電流を得るためには、チ
ャネル長を短くすればよいが、PN接合部分の電界強度
が大きくなるため、今度はオフ電流(リーク電流)が増
加するという二律背反の現象が生じる。そこで、表示駆
動装置の消費電力を低減化したい場合は、使用するTF
Tのチャネル長を従来よりも長く構成すれば、静的な消
費電力が小さくなって、表示駆動装置全体の消費電力を
低減化することができる。
【0019】しかしながら、表示駆動装置の全てのTF
Tのチャネル長を長くすると、それに伴って十分なオン
電流が得られなくなるばかりか、チャネル長が伸びたこ
とによりトランジスタの実装面積が増加するという問題
が生じる。
【0020】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、回路面積の増加を最小限に抑えつつ、十分な
オン電流が得られるとともに、トランジスタの静的な消
費電力であるリーク電流を小さくして、消費電力の低減
化が図れる表示駆動装置を提供することを目的としてい
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の表示駆動
装置は、表示部に所定の駆動電圧を印加して表示制御を
行う表示駆動回路を備えた表示駆動装置であって、前記
表示駆動回路の少なくとも最終段に使用されるトランジ
スタのチャネル長を、それ以外のトランジスタのチャネ
ル長よりも長く構成することを特徴とする。すなわち、
表示駆動回路の最終段では、駆動能力を高くして十分な
オン電流を得るために大電流となることから、少なくと
もこの部分のトランジスタのチャネル長をそれ以外の部
分のトランジスタのチャネル長よりも長く構成すること
によって、効果的にオフ電流を減少させることができ
る。
【0022】従って、表示駆動回路の少なくとも最終段
のトランジスタのチャネル長を長く構成することによ
り、トランジスタのPN接合部分の電界強度が小さくな
ることから、オフ電流(リーク電流)を減少させること
ができる。特に、表示駆動回路の最終段のトランジスタ
では、大電流となることから、この部分のトランジスタ
のチャネル長を長くすることによって、効果的にオフ電
流を減少させて、消費電力を少なくすることができる。
【0023】また、請求項1記載の表示駆動装置は、例
えば、請求項2に記載されるように、液晶セル内にマト
リクス状に画素が形成された液晶表示パネルを駆動する
表示駆動装置であって、前記各画素に表示信号を供給す
る信号側駆動回路内のトライステート回路のトランジス
タのチャネル長を、トライステート回路以外の回路のト
ランジスタのチャネル長よりも長く構成することを特徴
とする。従って、表示駆動回路である信号側駆動回路の
最終段に位置するトライステート回路のトランジスタの
チャネル長を他の回路で用いるトランジスタのチャネル
長よりも長く構成することにより、効果的にオフ電流を
減少させることができるとともに、チャネル長の長いト
ランジスタをトライステート回路に限定して用いている
ため、回路面積の増加を最小限に抑えることができる。
【0024】また、請求項1記載の表示駆動装置は、例
えば、請求項3に記載されるように、液晶セル内にマト
リクス状に画素が形成された液晶表示パネルを駆動する
表示駆動装置であって、前記各画素に走査信号を供給す
る走査側駆動回路内のバッファ回路のトランジスタのチ
ャネル長を、バッファ回路以外の回路のトランジスタの
チャネル長よりも長く構成することを特徴とする。
【0025】従って、表示駆動回路である走査側駆動回
路の最終段に位置するバッファ回路のトランジスタのチ
ャネル長を他の回路で用いるトランジスタのチャネル長
よりも長く構成することにより、効果的にオフ電流を減
少させることができるとともに、チャネル長の長いトラ
ンジスタをバッファ回路に限定して用いているため、回
路面積の増加を最小限に抑えることができる。
【0026】また、請求項4記載の表示駆動装置は、前
記トランジスタがnMOSトランジスタとpMOSトラ
ンジスタとを対にして構成した相補型のCMOSトラン
ジスタであることを特徴とする。従って、CMOSトラ
ンジスタは、nMOSトランジスタとpMOSトランジ
スタとを対にして構成されているため、入力されるゲー
ト電圧に対してnMOSトランジスタかpMOSトラン
ジスタの一方がオンすると、他方が必ずオフする構造で
あることから、消費電力が少なくて済む上、適正な出力
レベルが得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図7は、本発明の表示駆動
装置に係る実施の形態例を示す図であり、ここでは、ガ
ラス基板上に液晶駆動回路と画素部の各画素毎に薄膜ト
ランジスタ(TFT)からなるスイッチング素子を一体
形成して、駆動回路一体型液晶表示装置として実施した
ものである。そして、本実施の形態例の特徴は、上記し
た液晶駆動回路の最終段のCMOSトランジスタのチャ
ネル長を、それ以外のトランジスタのチャネル長よりも
長く構成したことにある。
【0028】まず、構成を説明する。図1は、液晶駆動
回路の最終段を構成するチャネル長の長いnMOSおよ
びpMOSを使ったCMOSトランジスタからなるイン
バータ回路21の断面構成図である。インバータ回路2
1は、回路図が従来のインバータ回路の図8と同じであ
るが、液晶駆動回路の最終段に用いられるインバータ回
路のトランジスタのチャネル長が、他の部分に用いられ
るトランジスタのチャネル長よりも長く構成されてい
る。
【0029】図1のインバータ回路21は、図8の従来
のCMOSトランジスタからなるインバータ回路1のn
MOSトランジスタ2とpMOSトランジスタ3とが、
pMOSトランジスタ22とnMOSトランジスタ23
とに対応しており、そのチャネル長が通常は6μm程度
であったものを、それぞれ10μm程度のチャネル長で
構成したものである。
【0030】本実施の形態例のように、トランジスタの
チャネル長を通常よりも長く構成することにより、個々
のトランジスタにおけるPN接合部分の電界強度が小さ
くなるため、トランジスタのオフ電流を減少させること
ができる。特に、このチャネル長の長いトランジスタ
は、液晶駆動回路の最終段のトランジスタにのみ用いて
おり、それ以外の回路には通常のチャネル長からなるト
ランジスタを用いている。このように、表示駆動回路の
最終段のトランジスタでは、駆動能力を高めるため、大
電流となることから、この部分のトランジスタのチャネ
ル長を長くすることによって、効果的にオフ電流を減少
させて消費電力を減少できるとともに、十分なオン電流
も得ることができ、さらに、上記チャネル長の長いトラ
ンジスタを一部に限定して使っているため、回路面積の
増加を最小限に抑えることができる。
【0031】図1に示すように、本実施の形態に係るC
MOSインバータ回路21は、ガラス基板24の表面の
全面に所定膜厚の下地絶縁膜25が形成される。そし
て、この下地絶縁膜25の表面の所定位置には、幅
(W)60μm、長さ(L)10μmの金属クロムなど
からなるゲート電極26、27が形成される。さらに、
下地絶縁膜25とゲート電極26、27とを覆うように
ゲート絶縁膜28が形成され、そのゲート絶縁膜28の
上には、それぞれのゲート電極26、27を中心にして
半導体層29、30が左右方向に延在形成される。
【0032】この半導体層29、30には、上記ゲート
電極26、27をイオン注入用マスクとしてセルフ・ア
ライン(自己整合)技術によって、n型およびp型の不
純物イオンをそれぞれドーピングした後、熱処理が行わ
れる。これにより、半導体層29では、291、293
がp型不純物注入領域となって、292が真性半導体領
域であるチャネル領域となる。
【0033】また、半導体層30では、301、303
がn型不純物注入領域となって、302が真性半導体領
域であるチャネル領域となる。次いで、上記半導体層2
9、30とゲート絶縁膜28の上を覆って平坦化するよ
うに層間絶縁膜31が形成される。そして、pMOSト
ランジスタ22とnMOSトランジスタ23のソース・
ドレイン電極をそれぞれ形成するため、前記層間絶縁膜
31を貫いて半導体層29、30の両端部に到達するコ
ンタクトホールを異方性エッチングによって形成し、そ
のコンタクトホール内にアルミニウム(Al)等からな
るソース・ドレイン電極32埋め込んだ後、図8に示す
インバータ回路を構成する配線を行うことにより、CM
OSインバータ回路21が形成される。
【0034】上記したように、液晶駆動回路において、
最終段の回路を構成する10μmのチャネル長を持った
トランジスタ以外は、図9(a)に示すような従来の6
μmのチャネル長を持ったトランジスタで構成されてい
る。
【0035】この6μmのチャネル長を持ったトランジ
スタを形成する場合は、製造工程自体は上記と同じであ
るが、下地絶縁膜25上に形成するゲート電極26、2
7の長さを10μmとしたのを6μmとし、この6μm
からなるゲート電極26、27をマスクとして使って、
セルフ・アライン技術によりイオンドーピングすること
によって、6μmのチャネル長からなる通常のトランジ
スタのチャネル領域292、302を形成することがで
きる。
【0036】図2は、nMOSトランジスタ23のオン
電流を検出するための接続例を示す図であり、図3は、
図2のトランジスタのオン電流を検出するためのVg−
Id特性を示す線図である。図2に示すnMOSトラン
ジスタ23は、ソースがグラウンドに接地され、ゲート
にゲート電圧(Vg)が印加されるとともに、ドレイン
に+1Vのドレイン電圧が印加されている。図2のよう
な接続状態において、上記したゲート電圧(Vg)の変
化に伴って、ドレインを流れるドレイン電流(Id)が
変化する関係を表わしたのが図3である。
【0037】図3中では、トランジスタのチャネル長
(L)が6μmの場合を実線で示し、チャネル長(L)
が10μmの場合を破線で示している。この図3を見る
と、トランジスタのチャネル長が6μmから10μmに
伸びた場合、トランジスタのオン電流の減少は、40%
程度で済むことがわかる(1/Lに比例する)。これに
対して、前述した従来例の図11と図12を使って説明
したように、チャネル長を6μmから10μmにした場
合は、オフ電流(リーク電流)が1桁近く減少してお
り、ソース・ドレイン耐圧が向上している。
【0038】このように、チャネル長(L)の長いトラ
ンジスタを使用すると、回路の静的な消費電力を効果的
に低減することが可能となる。特に、本実施の形態で
は、チャネル長の長いトランジスタを大電流の流れる液
晶駆動回路の最終段のトランジスタに限定して使用した
ため、効果的に消費電力が低減化できるとともに、回路
面積の増加を抑えることができるという利点がある。こ
の場合、上述した如く、トランジスタのオン電流の減少
は、リーク電流の減少傾向に比べて十分に小さい。
【0039】もちろん、上記した図2および図3では、
チャネル長の異なるnMOSトランジスタ23を例にあ
げて説明したが、図1に示すCMOSインバータ回路2
1のpMOSトランジスタ22の場合も同様であって、
チャネル長を長くすると、効果的に消費電力が低減化で
きるとともに、使用する場所を限定することによって回
路面積の増加を抑えることができる。
【0040】そして、上記した図1のCMOSインバー
タ回路21は、入力が「0」のときに、nMOSトラン
ジスタ23がオフし、pMOSトランジスタ22がオン
して電源Vddから「1」が出力される。また、入力が
「1」のときは、pMOSトランジスタ22がオフし
て、nMOSトランジスタ23がオンすることにより、
グラウンドから「0」が出力される。このように、CM
OSインバータ回路21は、入力される論理とは反対の
論理が出力される。
【0041】上記したように、本実施の形態では、チャ
ネル長(L)の長いトランジスタを使用することによっ
て、トランジスタのPN接合部分の電界強度が小さくな
り、トランジスタのオフ電流(リーク電流)を、オン電
流の減少する割合に比べて大幅に減少させることが可能
となる。特に、チャネル長の長いトランジスタを大電流
の流れる液晶駆動回路の最終段のトランジスタに限定し
て使用しているため、効果的に消費電力が低減化できる
とともに、回路面積の増加を抑えることができるように
なった。
【0042】次に、図4は、本実施の形態に係る駆動回
路一体型TFT−LCD41の概略構成図である。この
駆動回路一体型TFT−LCD41は、ガラス基板45
上に液晶表示パネル(TFT−LCD:Thin Film Tran
sistor−Liquid Crystal Di-splay)42と、液晶表示
パネル42にマトリクス状に配置された各画素のスイッ
チング素子を駆動するゲートドライバ43と、ドレイン
ドライバ44とをCOG(Chip On Glass)技術により
一体形成している。
【0043】そして、図5は、図4の液晶駆動回路と液
晶表示パネルの具体例の一部を示す図である。図5に示
す液晶表示パネル42では、各画素毎に接続されたTF
Tと、そのTFTが画素電極を介してコモン電極との間
で液晶容量LCを形成している。そして、ゲートドライ
バ43からは、各ゲートラインG1、G2、G3、……
に走査信号を順次印加して各走査ラインに接続されたT
FTのゲートを駆動して、選択状態と非選択状態とを作
り出す。ここで、ゲートドライバ43によって選択状態
とした走査ライン上のTFTは、ドレインドライバ44
から各ドレインラインD1、D2、……に対して表示信
号が印加されると、選択状態にある画素電極に駆動電圧
が印加されて、コモン電極との間の電位差によって液晶
が駆動され、表示制御が行われる。
【0044】本実施の形態では、液晶駆動回路であるド
レインドライバ44とゲートドライバ43の構成に特徴
があるため、ドレインドライバとゲートドライバに分け
てそれぞれの構成と動作を説明する。
【0045】(ドレインドライバ)図5に示すように、
ドレインドライバ44は、データ用シフトレジスタ52
と、ラッチ回路LA101、LA102と、トライステ
ート回路TS101、TS102とで構成されている。
データ用シフトレジスタ52は、外部回路51から水平
同期信号φHおよび水平用クロック信号CPHが入力さ
れ、水平同期信号φHを水平用クロック信号CPHによ
って順次シフトしながら、各出力端子DSR1、DSR
2からそれぞれラッチ回路LA101、LA102の制
御端子Lに対して、映像信号をラッチするためのラッチ
信号を出力する。
【0046】ラッチ回路LA101、LA102は、各
ドレインラインD1、D2、…に対応した数だけ設けら
れ、その入力端子Iは映像信号ラインL100に接続さ
れていて、この映像信号ラインL100には外部回路5
1から2値映像信号DATAが印加されるとともに、上
記したデータ用シフトレジスタ52から制御端子Lにラ
ッチ信号が入力される。映像信号ラインL100から入
力されるシリアルの2値映像信号DATAは、各ラッチ
回路LA101、LA102に入力されるラッチ信号の
タイミングでデータをラッチして、そのラッチデータが
出力端子Oから次段のトライステート回路に出力され
る。
【0047】トライステート回路TS101、TS10
2は、ドレインドライバ44の最終段に各ドレインライ
ンD1、D2、……に対応した数が配置され、上記した
ラッチ回路でラッチしたラッチデータに基づいて、液晶
を交流駆動するための液晶駆動電圧波形を生成する回路
である。トライステート回路TS101、TS102の
制御端子は、それぞれラッチ回路LA101、LA10
2の出力端子Oに接続されるとともに、各トライステー
ト回路の正電源端子および負電源端子には、出力用正電
源VOHおよび出力用負電源VOLが接続されている。そし
て、各トライステート回路TS101、TS102、…
…の出力端子には、それぞれドレインラインD1、D
2、……が接続され、各TFTを介して画素電極に液晶
駆動電圧が供給される。
【0048】図6は、図5のラッチ回路LA101とト
ライステート回路TS101の具体的構成例を示す図で
ある。図6に示すラッチ回路LA101は、トランスフ
ァーゲートTG1、TG2と、インバータIN1、IN
2、IN3とを備えている。
【0049】そして、上記したデータ用シフトレジスタ
52の出力端子DSR1は、トランスファーゲートTG
1のP側制御端子およびトランスファーゲートTG2の
N側制御端子に接続されるとともに、インバータIN1
を介してトランスファーゲートTG1のN側制御端子お
よびトランスファーゲートTG2のP側制御端子に接続
されている。そして、トランスファーゲートTG1の第
1の非制御端子は映像信号ラインL100に接続され、
このトランスファーゲートTG1の第2の非制御端子は
インバータIN2、IN3を直列に介してトランスファ
ーゲートTG2の第1の非制御端子に接続され、このト
ランスファーゲートTG2の第2の非制御端子はトラン
スファーゲートTG1の第2の非制御端子に接続されて
いる。
【0050】次に、図6に示すトライステート回路TS
101は、インバータIN4、IN5、IN6と、トラ
ンジスタTR1〜TR8とを備えている。ここでは、上
記トランジスタは、TR1、TR2、TR4、TR7が
pMOSトランジスタであって、TR3、TR5、TR
6、TR8がnMOSトランジスタで構成されている。
【0051】そこで、上記したラッチ回路LA101の
インバータIN2とIN3の接続部からは、トライステ
ート回路TS101のインバータIN4、IN5、IN
6を直列に介してpMOSトランジスタTR1およびn
MOSトランジスタTR5のそれぞれのゲートに接続さ
れる。また、前記インバータIN5とIN6の接続部
は、pMOSトランジスタTR2およびnMOSトラン
ジスタTR3のそれぞれのゲートに接続される。
【0052】さらに、pMOSトランジスタTR4およ
びnMOSトランジスタTR6のそれぞれのゲートは、
フレーム信号φfが入力されるフレーム信号ライン55
に接続される。
【0053】そして、前記pMOSトランジスタTR1
のソースは、正電源VCCに接続され、ドレインがpMO
SトランジスタTR2のソースに接続される。さらに、
このpMOSトランジスタTR2のドレインは、nMO
SトランジスタTR3のドレインに接続され、このnM
OSトランジスタTR3のソースは、グラウンドに接地
される。
【0054】また、前記pMOSトランジスタTR4
は、ソースが正電源VCCに接続され、ドレインがnMO
SトランジスタTR5のドレインに接続される。このn
MOSトランジスタTR5のソースは、さらに、nMO
SトランジスタTR6のドレインに接続され、このnM
OSトランジスタTR6のソースは、グラウンドに接地
される。そして、前記pMOSトランジスタTR1とT
R4のドレイン同士が接続されるとともに、通常のトラ
ンジスタよりもチャネル長を長くした図1と同様の構成
からなるCMOSインバータ回路56のpMOSトラン
ジスタTR7のゲート電極に接続される。
【0055】また、前記pMOSトランジスタTR2の
ドレインには、nMOSトランジスタTR5のソースが
接続されるとともに、通常のトランジスタよりもチャネ
ル長を長くした図1と同様の構成からなるCMOSイン
バータ回路56のnMOSトランジスタTR8のゲート
電極に接続される。
【0056】そして、前記CMOSインバータ回路56
のpMOSトランジスタTR7のソースは、出力用正電
源VOHに接続され、pMOSトランジスタTR7のドレ
インがデータラインD1に接続されるとともに、nMO
SトランジスタTR8のドレインに接続され、nMOS
トランジスタTR8のソースは、出力用負電源VOLに接
続される。
【0057】本実施の形態に係るドレインドライバ44
の特徴的な構成は、液晶駆動回路であるドレインドライ
バ44の最終段に配置されたトライステート回路TS1
01に、チャネル長が他のトランジスタよりも長く(通
常は6μm程度のものを10μmとして)構成したpM
OSトランジスタTR7とnMOSトランジスタTR8
とを使って、CMOSインバータ回路56を形成したこ
とにある。これにより、通常のチャネル長からなるCM
OSインバータ回路を使った場合よりもチャネル長が長
いため、個々のトランジスタにおけるPN接合部分の電
界強度が小さくなって、トランジスタのオフ電流を減少
させることができる。特に、本実施の形態では、駆動能
力を十分高めて、十分なオン電流を得るために大電流を
流すドレインドライバ44の最終段にのみ上記したチャ
ネル長の長いトランジスタを用いているため、回路面積
の増大を最小限に止めつつ、効果的にオフ電流を減少さ
せるようにしたものである。
【0058】次に、動作を説明する。図5に示すデータ
用シフトレジスタ52は、外部回路51から水平同期信
号φHおよび水平用クロック信号CPHが入力されて出
力端子DSR1からラッチ信号を出力し、ラッチ回路L
A101の制御端子Lに供給する。また、ラッチ回路L
A101の入力端子Iには、映像信号DATAが供給さ
れる。
【0059】図6では、データ用シフトレジスタ52の
出力端子DSR1からのラッチ信号がロー(Low)レ
ベルになった時、インバータIN1の出力はハイ(Hi
gh)レベルになるため、トランスファーゲートTG1
はオンになり、映像信号DATAが取り込まれ、データ
用シフトレジスタ52の出力端子DSR1からのラッチ
信号がハイレベルになった時、インバータIN1の出力
はローレベルになるため、トランスファーゲートTG1
はオフになるとともに、トランスファーゲートTG2が
オンとなり、映像信号DATAが記憶される。
【0060】そこで、前記映像信号DATAがローレベ
ルの場合について説明する。ローレベルの映像信号DA
TAは、インバータIN2、IN4、IN5を介してハ
イレベルとなり、pMOSトランジスタTR2およびn
MOSトランジスタTR3のそれぞれのゲートに供給さ
れるため、pMOSトランジスタTR2がオフ、nMO
SトランジスタTR3がオンとなる。また、ローレベル
の映像信号DATAは、インバータIN2、IN4、I
N5、IN6を介してローレベルとなり、pMOSトラ
ンジスタTR1およびnMOSトランジスタTR5のそ
れぞれのゲートに供給されるため、pMOSトランジス
タTR1がオン、nMOSトランジスタTR5がオフと
なる。nMOSトランジスタTR3がオンすることによ
り、nMOSトランジスタTR8のゲートが接地されて
オフとなる。また、pMOSトランジスタTR1がオン
することにより、pMOSトランジスタTR7は、ゲー
トに正電源VCCが供給されてオフとなる。したがって、
データラインD1には、出力用正電源VOHおよび出力用
負電源VOLは供給されない。
【0061】次に、前記映像信号DATAがハイレベル
で、フレーム信号φfがハイレベルの場合について説明
する。ハイレベルの映像信号DATAは、インバータI
N2、IN4、IN5を介してローレベルとなり、pM
OSトランジスタTR2およびnMOSトランジスタT
R3のそれぞれのゲートに供給されるため、pMOSト
ランジスタTR2がオン、nMOSトランジスタTR3
がオフとなる。また、ハイレベルの映像信号DATA
は、インバータIN2、IN4、IN5、IN6を介し
てハイレベルとなり、pMOSトランジスタTR1およ
びnMOSトランジスタTR5のそれぞれのゲートに供
給されるため、pMOSトランジスタTR1がオフ、n
MOSトランジスタTR5がオンとなる。また、ハイレ
ベルのフレーム信号φfがpMOSトランジスタTR4
およびnMOSトランジスタTR6のそれぞれのゲート
に供給されるため、pMOSトランジスタTR4がオ
フ、nMOSトランジスタTR6がオンとなる。nMO
SトランジスタTR5およびnMOSトランジスタTR
6がオンすることにより、pMOSトランジスタTR7
はゲートが接地されてオンになるとともに、nMOSト
ランジスタTR8はゲートが接地されてオフとなる。し
たがって、pMOSトランジスタTR7がオンすること
により、データラインD1には、出力用正電源VOHが供
給される。
【0062】次に、前記映像信号DATAがハイレベル
でフレーム信号φfがローレベルの場合について説明す
る。ハイレベルの映像信号DATAは、インバータIN
2、IN4、IN5を介してローレベルとなり、pMO
SトランジスタTR2およびnMOSトランジスタTR
3のそれぞれのゲートに供給されるため、pMOSトラ
ンジスタTR2がオン、nMOSトランジスタTR3が
オフとなる。また、ハイレベルの映像信号DATAは、
インバータIN2、IN4、IN5、IN6を介してハ
イレベルとなり、pMOSトランジスタTR1およびn
MOSトランジスタTR5のそれぞれのゲートに供給さ
れるため、pMOSトランジスタTR1がオフ、nMO
SトランジスタTR5がオンとなる。また、ローレベル
のフレーム信号φfがpMOSトランジスタTR4およ
びnMOSトランジスタTR6のそれぞれのゲートに供
給されるため、pMOSトランジスタTR4がオン、n
MOSトランジスタTR6がオフとなる。pMOSトラ
ンジスタTR4およびnMOSトランジスタTR5がオ
ンすることにより、pMOSトランジスタTR7は、ゲ
ートに正電源VCCが供給されてオフとなるとともに、n
MOSトランジスタTR8はゲートに正電源VCCが供給
されてオンとなる。したがって、nMOSトランジスタ
TR8がオンすることにより、データラインD1には出
力用負電源VOLが供給される。
【0063】このように、上記した実施の形態では、ド
レインドライバ44の最終段に配置されたトライステー
ト回路TS101に、他のトランジスタよりもチャネル
長の長いトランジスタTR7、TR8を使ったCMOS
インバータ回路56を設けたため、回路面積の増大を最
小限に止めつつ、個々のトランジスタにおけるPN接合
部分の電界強度を小さくして、効果的にオフ電流を減少
させることにより、ドレインドライバ44の消費電力を
低減することができるようになった。
【0064】(ゲートドライバ)図5に示すように、ゲ
ートドライバ43は、走査用シフトレジスタ53と、バ
ッファ回路54とで構成されている。走査用シフトレジ
スタ53は、外部回路51から垂直同期信号φVおよび
垂直用クロック信号CPVが入力される。走査用シフト
レジスタ53は、入力される垂直同期信号φVおよび垂
直用クロック信号CPVに基づいて、複数のゲートライ
ンに加える水平走査信号を生成し、各バッファ回路54
で信号を増幅しながらゲートラインG1、G2、G3、
……に順次印加して、液晶表示パネル42の各画素の薄
膜トランジスタ(TFT)をオン/オフ駆動して水平走
査を行っている。
【0065】図7は、図5の走査用シフトレジスタ53
とバッファ回路54の具体的構成例を示す図である。図
7に示すように、走査用シフトレジスタ53は、ラッチ
回路61、62、63、64、……と、ナンド回路7
1、72、73、74、……とで構成されている。
【0066】ラッチ回路61、62、63、64は、外
部回路51から入力される垂直同期信号φVと反転垂直
同期信号 ̄φVとが制御信号入力端部Lと反転制御信号
入力端部 ̄Lとに1つ置きに逆の位相で入力され、制御
信号入力端部Lに「1」が入ると入力信号をスルーで出
力し、「0」が入ると従前の入力信号をラッチする。
【0067】ラッチ回路61への入力信号は、入力端部
Iに外部回路51から垂直用クロック信号CPVが入力
されると、スルー状態とラッチ状態に応じた出力信号が
出力端部Oと反転出力端部 ̄Oから出力され、ナンド回
路71と次段のラッチ回路62の入力端部Iに入力され
る。同様に、ラッチ回路62の出力信号は、ナンド回路
71と72および次段のラッチ回路63の入力端部Iに
入力される。そして、ナンド回路71は、ラッチ回路6
1とラッチ回路62のそれぞれの反転出力端部 ̄Oから
の反転出力が入力されて、その否定的論理積を出力す
る。
【0068】上記と同様に、ラッチ回路63、64、…
…と、ナンド回路73、74、……とが連続して接続さ
れてシフトレジスタが構成され、各ナンド回路71〜7
4、……からそれぞれ所定のタイミングで出力される否
定的論理積が次段のバッファ回路54に順次出力され
る。
【0069】バッファ回路54は、ここでは、3個のイ
ンバータ回路(例えば、81、91、101)がそれぞ
れ従列接続されて構成されているもので、各ナンド回路
71〜74、……からそれぞれ入力される否定的論理積
を各インバータ回路を介して順次論理を反転しながら増
幅し、各ゲートラインG1、G2、G3、G4、……に
それぞれ出力する。
【0070】図7は、4つのゲートラインG1〜G4に
供給するゲートドライバ43の一部の構成を説明したに
すぎず、上記した各回路が垂直方向にゲートライン数に
応じて配列されている。これにより、各ゲートラインを
所定の走査方式によってライン走査することにより、そ
れぞれのゲートラインを選択状態、あるいは非選択状態
とするものである。
【0071】このように、本実施の形態に係るゲートド
ライバ43の特徴的な構成は、液晶駆動回路であるゲー
トドライバ43の最終段に配置されたバッファ回路54
の、一部のインバータ回路101〜104を、他のトラ
ンジスタよりもチャネル長の長い図1と同様のpMOS
トランジスタ7とnMOSトランジスタ8とを使ったC
MOSインバータ回路56を設けたため、回路面積の増
大を最小限に止めつつ、個々のトランジスタにおけるP
N接合部分の電界強度を小さくして、効果的にオフ電流
を減少させることにより、ゲートドライバ43の消費電
力を低減することができるようになった。特に、本実施
の形態では、駆動能力を十分高めて、十分なオン電流を
得るために大電流を流すゲートドライバ43の最終段に
上記したチャネル長の長いトランジスタを採用したた
め、回路面積の増大を最小限に止めつつ、効果的にオフ
電流を減少させることができ、ゲートドライバ43の消
費電力を低減することができる。
【0072】そして、上記したドレインドライバ44と
ゲートドライバ43とは、ゲートドライバ43によって
液晶表示パネル42のゲートラインG1、G2、G3、
……に順次水平走査信号を印加して選択状態とし、その
選択状態にある水平走査ライン上の各画素に対応した映
像信号をドレインドライバ44から各データラインD
1、D2、……を介して供給し、所定画素の薄膜トラン
ジスタに信号電荷を伝送して液晶を駆動することによ
り、表示が行われる。以上、本発明者らによってなされ
た発明を好適な実施の形態に基づいて具体的に説明した
が、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるこ
とはいうまでもない。
【0073】例えば、上記実施の形態例では、ドレイン
ドライバ44の最終段に設けられた各トライステート回
路TS101、TS102、……の出力段部分にチャネ
ル長の長いトランジスタからなるCMOSインバータ回
路56を配置して構成したが、これ以外の各トライステ
ート回路内のトランジスタにもチャネル長の長いものを
用いて構成してもよい。
【0074】また、上記実施の形態例では、ゲートドラ
イバ43の最終段に設けられたバッファ回路54の出力
段部分のインバータ回路101、102、103、10
4、……に、それぞれチャネル長の長いトランジスタか
らなるCMOSインバータ回路で構成したが、バッファ
回路54内の全てのインバータ回路のトランジスタにも
チャネル長の長いものを用いて構成してもよい。
【0075】さらに、上記実施の形態例では、チャネル
長を他のトランジスタよりも長く構成したトランジスタ
を用いているが、もちろんこの構成に限定されるもので
はなく、上記構成に加えて、トランジスタを複数に分割
し、その分割したトランジスタのゲート電極を共通化し
たマルチゲート構造を採用したり、さらに、トランジス
タの半導体層内に段階的に濃度の異なる不純物領域を形
成した、いわゆる、低濃度イオン注入ドレイン(LD
D)構造を採用するようにしてもよい。このようなマル
チゲート構造やLDD構造は、トランジスタのPN接合
部分の電界強度を一層小さくすることができるため、オ
フ電流(リーク電流)を減少させて、消費電力を大幅に
低減化することができる。
【0076】また、上記実施の形態において、チャネル
長の長いトランジスタを採用したTFTは、液晶駆動回
路のTFTであったが、もちろんこれに限定されるもの
ではなく、画素部を構成するTFTにも上記したチャネ
ル長の長いトランジスタを採用しても良い。
【0077】また、上記実施の形態例では、通常のトラ
ンジスタのチャネル長を6μm、長いチャネル長を10
μmとしたが、これらのチャネル長に限定されるもので
はなく、チャネル幅やトランジスタの特性など相対的な
関係によって実際のチャネル長が決定されるが、表示駆
動回路の最終段のトランジスタと他のトランジスタのチ
ャネル長を比較した場合に、最終段のトランジスタのチ
ャネル長の方を長くするようにしたものである。さら
に、上記実施の形態例では、表示駆動回路の最終段のト
ランジスタのチャネル長を長くするとしたが、オフ電流
(リーク電流)の大きなトランジスタのゲート長を長く
するようにしても良い。
【0078】また、上記実施の形態例では、図1に示す
ように、トランジスタの構造をボトムゲート逆スタガ型
トランジスタとしたが、これに限定されず、トップゲー
トコプラナ型トランジスタ、あるいは、それ以外のトラ
ンジスタ構造を採用することもできる。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の表示駆動装置によれば、
表示駆動回路の少なくとも最終段に使用されるトランジ
スタのチャネル長を、それ以外のトランジスタのチャネ
ル長よりも長く構成することにより、トランジスタのP
N接合部分の電界強度が小さくなることから、オフ電流
(リーク電流)を減少させることができる。特に、表示
駆動回路の最終段では、駆動能力を高くして十分なオン
電流を得るために大電流となることから、この部分のオ
フ電流を減少させることにより、表示駆動装置の消費電
力を効果的に少なくすることができる。
【0080】請求項2記載の表示駆動装置によれば、表
示駆動回路である信号側駆動回路の最終段に位置するト
ライステート回路のトランジスタのチャネル長を他のト
ランジスタのチャネル長よりも長く構成するようにした
ので、効果的にオフ電流を減少させることができるとと
もに、チャネル長の長いトランジスタをトライステート
回路に限定して用いていることから、回路面積の増加を
最小限に抑えることができる。
【0081】請求項3記載の表示駆動装置によれば、表
示駆動回路である走査側駆動回路の最終段に位置するバ
ッファ回路のトランジスタのチャネル長を他のトランジ
スタのチャネル長よりも長く構成するようにしたので、
効果的にオフ電流を減少させることができるとともに、
チャネル長の長いトランジスタをバッファ回路に限定し
て用いていることから、回路面積の増加を最小限に抑え
ることができる。
【0082】請求項4記載の表示駆動装置によれば、前
記トランジスタにnMOSトランジスタとpMOSトラ
ンジスタとを対にして構成した相補型のCMOSトラン
ジスタを用いているので、入力されるゲート電圧に対し
てnMOSトランジスタかpMOSトランジスタの一方
がオンすると、他方が必ずオフする構造であることか
ら、消費電流が少なくなる上、適正な出力レベルを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るチャネル長の長いCMOS
トランジスタで構成されたインバータ回路の断面構成
図。
【図2】nMOSトランジスタ23のオン電流を検出す
るための接続例を示す図。
【図3】図2のトランジスタのオン電流を検出するため
のVg−Id特性を示す線図。
【図4】本実施の形態に係る駆動回路一体型TFT−L
CDの概略構成図。
【図5】図4の液晶駆動回路と液晶表示パネルの具体例
の一部を示す図。
【図6】図5のラッチ回路とトライステート回路の具体
的構成例を示す図。
【図7】図5の走査用シフトレジスタとバッファ回路の
具体的構成例を示す図。
【図8】従来のCMOSインバータ回路の構成を示す
図。
【図9】図8のCMOSインバータ回路を構成するnM
OSトランジスタの断面構成図。
【図10】nMOSトランジスタのオフ電流を検出する
ための接続例を示す図。
【図11】図9(a)のチャネル幅(W)が60μmで
チャネル長(L)が6μmのnMOSトランジスタのド
レイン電圧とドレイン電流との関係を示す線図。
【図12】図9(b)のチャネル幅(W)が60μmで
チャネル長(L)が10μmのnMOSトランジスタの
ドレイン電圧とドレイン電流との関係を示す線図。
【符号の説明】
21 インバータ回路 22 pMOSトランジスタ 23 nMOSトランジスタ 24 ガラス基板 25 下地絶縁膜 26、27 ゲート電極 28 ゲート絶縁膜 29、30 半導体層 291、293 p型不純物注入領域 292 チャネル領域 301、303 n型不純物注入領域 302 チャネル領域 31 層間絶縁膜 32 ソース・ドレイン電極 41 駆動回路一体型TFT−L
CD 42 液晶表示パネル 43 ゲートドライバ 44 ドレインドライバ 45 ガラス基板 51 外部回路 52 データ用シフトレジスタ 53 走査用シフトレジスタ 54 バッファ回路 55 フレーム信号ライン 56 CMOSインバータ回路 LA101、LA102 ラッチ回路 TS101、TS102 トライステート回路 TR7 pMOSトランジスタ TR8 nMOSトランジスタ 81〜104 インバータ回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示部に所定の駆動電圧を印加して表示制
    御を行う表示駆動回路を備えた表示駆動装置であって、 前記表示駆動回路の少なくとも最終段に使用されるトラ
    ンジスタのチャネル長を、それ以外のトランジスタのチ
    ャネル長よりも長く構成することを特徴とする表示駆動
    装置。
  2. 【請求項2】液晶セル内にマトリクス状に画素が形成さ
    れた液晶表示パネルを駆動する表示駆動装置であって、 前記各画素に表示信号を供給する信号側駆動回路内のト
    ライステート回路のトランジスタのチャネル長を、トラ
    イステート回路以外の回路のトランジスタのチャネル長
    よりも長く構成することを特徴とする請求項1記載の表
    示駆動装置。
  3. 【請求項3】液晶セル内にマトリクス状に画素が形成さ
    れた液晶表示パネルを駆動する表示駆動装置であって、 前記各画素に走査信号を供給する走査側駆動回路内のバ
    ッファ回路のトランジスタのチャネル長を、バッファ回
    路以外の回路のトランジスタのチャネル長よりも長く構
    成することを特徴とする請求項1記載の表示駆動装置。
  4. 【請求項4】前記トランジスタは、 nMOSトランジスタとpMOSトランジスタとを対に
    して構成した相補型のCMOSトランジスタであること
    を特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載
    の表示駆動装置。
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