JPH09623A - 天疱瘡治療用体外循環血液処理装置 - Google Patents

天疱瘡治療用体外循環血液処理装置

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JPH09623A
JPH09623A JP7173063A JP17306395A JPH09623A JP H09623 A JPH09623 A JP H09623A JP 7173063 A JP7173063 A JP 7173063A JP 17306395 A JP17306395 A JP 17306395A JP H09623 A JPH09623 A JP H09623A
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JP
Japan
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blood
pemphigus
granulocyte
patient
monocyte
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JP7173063A
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English (en)
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Yasumasa Shizume
泰正 鎭目
Yoshinori Takenaka
良則 竹中
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天疱瘡患者の血液を体外循環して、血液中の
少なくとも顆粒球及び単球を効率的に安全に除去し、抗
天疱瘡抗体を低下させることによって、症状改善に有効
な血液処理装置を提供する。 【構成】 少なくとも患者血液1〜3リットルを10〜
200ml/分の流速で送液する手段と、前記血液に抗
凝固剤を0.003〜40ml/分の流速で送液混合す
る手段と、主要部が多孔質体、又は繊維か粒子の集合体
からなる少なくとも顆粒球及び単球を捕捉する材料が血
液の入口と出口を有する容器に充填されてなり、そのエ
ア通気量が20〜2000リットル/分である少なくと
も顆粒球及び単球を捕捉する手段とが液密に接続されて
なる天疱瘡患者血液から顆粒球及び単球を優先的に除去
し、抗天疱瘡抗体を低下させるための天疱瘡治療用血液
処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天疱瘡患者血液より少
なくとも顆粒球及び単球を除去するための体外循環血液
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】天疱瘡は、皮膚や粘膜に水泡が多発し、
それが破れてびらんを生じる疾患である。本疾患は内蔵
を侵すことはないが、適切な治療を行わないと、拡大し
て死に至る事があるといわれている。また、血清中に高
い抗体価の天疱瘡抗体が存在し、病変部表皮細胞間にI
gGの沈着をみることが特徴とされている。本疾患に対
する治療としては内科的治療が主流とされており、主に
副腎皮質ステロイド剤が用いられる。副腎皮質ステロイ
ド剤抵抗例では、免疫抑制剤や金剤の併用も行われてい
る。副腎皮質ステロイド剤は長期にわたり大量使用され
る事が多いので、副作用がみられる症例も多く、十分に
治療を行えないケースもある。
【0003】自己免疫疾患に対しロイコアフェレーシス
(白血球除去治療)が有効であることは既に知られてい
る。天疱瘡患者の血液1000mlを市販の白血球除去
フィルター「Sepacell(旭メディカル(株)社
製)」2個を並列に接続し、これに20ml/min.
の流量で患者血液を流してロイコアフェレーシスを2例
行った旨が1990年に報告されている(Therap
eutic Plasmapheresis(IX)
(1990))。しかし上記の白血球除去フィルター
「Sepacell」は、せいぜい500mlの血液を
比較的ゆっくりと流して血液中の白血球、即ちリンパ
球、顆粒球、及び単球の全てを極めて高効率に除去する
ためのフィルターであり、いわゆるアフェレーシス用に
設計されていない。それゆえ上記報文にもあるように、
2個のフィルターを並列に接続して供給血液流量を20
ml/min.と比較的低速に設定して稼働させた場合
に、ようやく1000mlの血液が処理可能な程度のフ
ィルターである。患者の血液を体外循環で浄化するアフ
ェレーシス療法は、患者血液の2〜3l程度を50ml
/min.前後の流量で体外に導出して浄化すること
で、有効且つ患者に負担の少ない治療効果が期待できる
治療方法である。ところが天疱瘡は健常人に比べると血
液中の血小板数が多いので、体外循環用、即ち大量且つ
比較的高流速用に設計されていない公知の白血球除去フ
ィルターでは、治療中にフィルターが血小板凝集やフィ
ブリンの析出によって目詰まりし、治療を満足に行えな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は天疱瘡患者の
血液を体外循環血液処理することにより血液中の少なく
とも顆粒球及び単球をスムーズに且つ安全に除去するた
めの装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、天疱瘡と
いう疾患の場合は、必ずしも白血球の全成分を高効率に
除去しなくても、体外循環された血液から少なくとも顆
粒球及び単球を半分以上除去すれば十分な治療効果が期
待できることを見出し、本発明を完成させた。即ち本発
明では、少なくとも患者血液1〜3リットルを10〜2
00ml/分の流速で送液する手段と、前記血液に抗凝
固剤を0.003〜40ml/分の流速で送液、混合す
る手段と、主要部が多孔質体、又は繊維か粒子の集合体
からなる少なくとも顆粒球及び単球を捕捉する材料が血
液の入口と出口を有する容器に充填されてなり、そのエ
ア通気量が20〜2000リットル/分である少なくと
も顆粒球及び単球を捕捉する手段とが液密に接続されて
なる天疱瘡患者血液から顆粒球及び単球を優先的に除去
するための体外循環血液処理装置を提供することで上記
問題点を解決した。
【0006】本発明の血液処理装置に天疱瘡患者からの
血液を取り込む手段としては、周知の体外循環血液処理
装置で使用される採血針、留置針等が挙げられる。ま
た、血液の送液手段としては周知の体外循環血液処理装
置で使用されるペリスタポンプやフィンガーポンプ等の
ポンプが使用できる。チューブ式ポンプを用いる場合は
顆粒球及び単球を捕捉する手段に送液される血液が脈流
にならないよう、ポンプチューブに細径のものを採用す
ることが好ましい。送液量は患者になるべく負担のかか
らない血液導出及び導入速度であって、しかも顆粒球及
び単球が効率よく捕捉される速度、また同時に微小凝集
塊による目詰まりが生じない速度、等々の諸条件のバラ
ンスを考慮して大体10〜200ml/分の範囲で適宜
選択する。
【0007】本発明における血液に抗凝固剤を送液混合
する手段としては、容器に貯留された抗凝固剤を周知の
ヘパリンポンプ等の微小流量を安定して供給できる注入
ポンプを介して、採血した血液の送液ラインに合流させ
る等の例が挙げられる。抗凝固剤の供給はポンプを用い
ずに水頭圧差で供給しても良い。いずれにしても抗凝固
剤は、その種類にもよるが、0.003ml/分〜40
ml/分の速度で血液に混合するのが好ましい。また、
抗凝固剤は、後で詳述するドリップチャンバーよりも上
流で血液に注入されることが好ましい。抗凝固剤と血液
とが混合された後で両液がドリップチャンバーに貯留さ
れることで両液の混合状態が一層向上し、下流の顆粒
球、単球除去器内での血液凝固の危険性がより減少す
る。
【0008】抗凝固剤としては体外循環治療に広く用い
られているACD−A液、ヘパリン、低分子ヘパリン、
メシル酸ナファモスタット、メシル酸ガベキサート等が
使用できる。しかし、血液との液比が1:15〜1:5
の範囲で用いられるACD−A液以外の抗凝固剤は、血
液との液比が1:3000〜1:1000程度の血液比
が高いので血液との充分な混合が容易でない。本発明の
装置においては抗凝固剤を予め生理的溶液で希釈してか
ら治療中に連続的に注入することで装置の目詰まりを抑
制し安全に治療を行うことができる。即ち本発明にいう
抗凝固剤は希釈されたものも含む。目詰まり抑制及び患
者への過剰な生理的溶液の注入による負担防止のバラン
スから考えて、抗凝固剤は200〜400mOsm、好
ましくは280〜300mOsm程度の浸透圧を示す生
理的食塩水や5%ブドウ糖水溶液等を用いて300〜1
000倍に希釈することが好ましい。
【0009】本発明においては採取血液中の微小凝集塊
を捕捉する手段として、内部に微小凝集塊を濾別除去で
きるメッシュが設けられたいわゆるドリップチャンバー
が好適に利用できる。しかし、この微小凝集塊を捕捉す
る手段は必ずしもドリップチャンバーのように独立した
器具である必要はなく、例えば後で詳述する少なくとも
顆粒球及び単球を捕捉する手段の血液入口側に微小凝集
塊を捕捉するメッシュまたはフィルターを一体化して設
けるのでも良い。なお、ドリップチャンバーはその中の
メッシュにより微小凝集塊が除去できる上、上述の如く
抗凝固剤と血液とを充分に混合する場ともなるので、顆
粒球及び単球を捕捉する手段の上流に設置することが好
ましい。本発明において少なくとも顆粒球及び単球を捕
捉する手段は、全血中から少なくとも顆粒球及び単球を
捕捉し、赤血球や血漿中の有用蛋白成分を捕捉しないも
のであれば良い。好ましい例としては、10μm前後、
好ましくは5μm近傍の平均直径を有する繊維塊、好ま
しくは不織布からなるフィルター材を主構成要素として
血液の導入口及び導出口を有する容器内に0.05〜
0.5g/cm3 程度の嵩密度で充填したもの、平均孔
径が数μm程度のスポンジ様多孔質体を主構成要素とし
て上記容器内に充填したもの、あるいは数μm程度の微
粒子(ビーズ)を上記容器内に充填してなるもの等が挙
げられる。いずれにせよ、処理前の血液中の顆粒球及び
単球を50%以上、好ましくは90%以上捕捉すること
が好ましい。なお、顆粒球及び単球と同時にリンパ球も
捕捉される手段、さらには血小板も捕捉される手段も本
発明に充分適用可能である。
【0010】また、本発明の顆粒球及び単球捕捉手段
は、材質としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、ポリアクリルニトリル、ナイロ
ン6、及びナイロン6、6等のポリアミド、芳香族ポリ
アミド、ポリスチレン及びその誘導体、ポリエチレン、
ポリプロピレン、及びポリブテン等のポリオレフィン、
メチルメタクリレート、及びエチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高分子
化合物、メチルアクリレート、及びエチルアクリレート
等のアクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高分
子化合物、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリビニ
ルマール、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニルア
セタール、ポリカーボネイト等の合成高分子化合物で、
上記高分子化合物の単量体の単独重合体、共重合体、ブ
ロック重合体及び上記高分子化合物の、ブレンド及びア
ロイ化したものを含むものや、セルロース及び/または
その誘導体等の再生繊維及び上記に示した合成高分子化
合物とのブレンド、アロイ化したものを含むものなどが
挙げられる。上記の中で、特にポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシエチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル系合成高分子材料
が、不織布の成形性や、得られる不織布の繊維径、繊維
によって形成される細孔状態等が制御しやすく、除去対
象物質に合わせた最適な顆粒球及び単球捕捉手段の製造
が可能で好ましい。更にこのポリエステル系合成高分子
材料は、血液の濡れ性の点でも好ましい。
【0011】繊維集合体に、種々の低分子量、高分子量
の化合物を共有結合、イオン結合、放射線やプラズマに
よるグラフト法、物理吸着、包埋あるいは繊維表面への
沈殿不溶化等あらゆる公知の方法を用いて固定して用い
ることもできる。例えば、高分子化合物やその単量体を
放射線あるいはプラズマ等を用いてグラフト重合したり
共有結合するなどの公知の方法により表面改質(特開平
1−249063、特開平3−502094)を施した
繊維が知られている。表面改質に用いられる単量体及び
高分子化合物の例として、メタクリル酸、アクリル酸、
2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、モノ(2−
アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、
2−スルホエチルメタクリレート、2−メタクリロイル
オキシエチルフタル酸、等のアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体や、p−スチレンスルホン酸、p−ビニル
安息香酸のスチレン誘導体、ビニルフェノール等のフェ
ノール誘導体、アリルスルホン酸ナトリルム等のアリル
化合物等の各種ビニルモノマー、アセチレン誘導体、ト
リオキサン誘導体等の陰性基を有する単量体を重合して
得られる高分子化合物、また上記の単量体と重合性官能
基、好ましくはビニル基または、アセチレン基を有す
る、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、1、2−ジヒドロキ
シエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ールメタクリレート、メトキシノナエチレングリコール
メタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート等
のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル誘導
体、スチレン及びその誘導体等の中性の単量体、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート等のカチオン性の単量体との共重合体、
ブロック重合体として得られる高分子化合物あるいはオ
リゴマー等の合成化合物があるが、特にビニルモノマー
を重合して得られる高分子化合物が重合性が高く、入手
も容易であるため好ましい。上記の表面修飾を行う繊維
の中で、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリオキシエチレンテレフタレート
などのポリエステル系合成高分子材料が、グラフト及び
コート等の表面修飾性に優れている点で特に好ましい。
【0012】繊維集合体を充填する容器外形としては、
血液の入口と出口を有する容器であれば特に限定はない
が、敢えて例を挙げると、繊維集合体を積層状に充填で
きる公知の偏平状容器や、繊維集合体を円筒状に巻きこ
れを充填できる円柱又は多角柱状の容器などが挙げられ
る。また、入口と出口の配置については、対称形容器に
あっては対称位置に設けるのが一般的であるが、血液の
流れが円筒外周より入り内側へと流れ、最も内側に集ま
り血液流出口より出ることを特徴とする容器等が良好な
形状となる。また、錘状等の、断面積が入口から出口に
向かうに従って小さくなる形状を有する容器等も好適に
用いられる。なお、偏平状又は錘状等の容器の場合、容
器の断面積と長さの比(断面積(錘状容器では最大径部
の断面積)/長さ、S/L(単位(cm))は、10c
m以上500cm以下が良好なS/Lとなる。
【0013】本発明の顆粒球及び単球捕捉手段は、エア
ー通気量が20リットル/分以上2000リットル/分
以下であることを必須要件とする。ここでエアー通気量
とは、体外循環回路に組み込む状態の顆粒球及び単球捕
捉手段の血液導入口に体外循環回路チューブと同径の1
m程度の長さのチューブの一端を接続し、該チューブの
他端から約800mmHgの圧気を20秒間かけ、その
直後に顆粒球及び単体捕捉手段の血液導出口から出てく
るエアーの通気量をフローメーターで測定して得られる
単位時間(分)当たりのエアー容積(リットル)であ
る。エアー通気量が20リットル/分未満の顆粒球及び
単球捕捉手段を用いて体外循環血液処理を行うと、図1
に見られるように該手段部における圧力損失が急激に上
昇し目詰まりを誘発しやすくなる上、被処理血液にも過
剰の圧がかかり溶血しやすくなる。なお、エアー通気量
が2000l/分を越える捕捉手段では、目詰まりは起
こらないが、そのような捕捉手段では目的の細胞成分が
効率よく捕捉できず、通過してしまう。本発明において
少なくとも顆粒球及び単球を捕捉する手段として不織布
からなるフィルター材を主構成要素として血液の導入口
及び導出口を有する容器内に充填したものを採用する場
合、フィルター材は1.0〜5.0μm程度の細い平均
糸径を有するメインフィルターとしての不織布の上流側
に血液中の微小凝集塊を捕捉するための平均糸径が5〜
50μm程度の太い繊維塊からなる目の粗いプレフィル
ターを積層したものが好適に使用できる。メインフィル
ターの糸径が細すぎると嵩密度も密になりやすく、エア
ー通気量が低くなりすぎて血液の目詰まりが発生しやす
くなる。なお、本発明の血液処理装置を構成する各手段
は周知の血液回路により無菌的に接続されてなる。本発
明の血液処理装置を用いて天疱瘡患者血液を処理する
と、少なくとも顆粒球、単球が除去されるのと同時に抗
天疱瘡抗体が低下する。その理由は定かではないが、結
果的に症状の明らかな改善が見られるのである。
【0014】
【実施例1】天疱瘡の患者血液の血液処理のために図2
に示すような体外循環血液処理装置を作成した。少なく
とも顆粒球及び単球を捕捉する手段(1)として平均糸
径が約2.3μmの不織布からなる1枚の厚みが0.3
9mmのメインフィルターを円筒状に巻いて積層した上
に平均糸径が10〜36μmの不織布からなる1枚の厚
みが0.16〜0.55mmのプレフィルターを更に多
層巻つけてなるフィルター材を円筒状容器に充填した顆
粒球、単球除去器を使用した。該顆粒球、単球除去器の
エアー通気量は、33リットル/分であった。抗凝固剤
としてメシル酸ナファモスタット(FUT〓)を使用
し、これを生理食塩水で1:300の液比で希釈しフィ
ンガーポンプ(2)で300ml/分の流速で、患者か
ら50ml/分の流速で導出される血液に混合した。ド
リップチャンバー(3)内のフィルターは70メッシュ
であった。患者血液を上記の条件で約60分かけて3リ
ットル体外循環処理した。この時ドリップチャンバー部
の圧力メータで顆粒球及び単球を捕捉する手段の圧力を
モニターし続けたが、圧の上昇は全く見られず治療は安
全に順調に進行し終了した。治療後には皮膚及び粘膜に
おける水泡の消失が確認された。また、天疱瘡に高率に
発生する抗天疱瘡抗体は、血液処理前に640倍であっ
たが、病態の改善とともに80倍まで低下した。
【0015】
【実施例2】粒子径約2mmのセルロースアセテートビ
ーズ約200gを40mmφ×180mmの円筒形容器
に充填した顆粒球、単球除去手段を利用して天疱瘡患者
より取り出した血液を1.8l処理した。顆粒球、単球
除去器のエアー通気量は、30リットル/分であった。
リンパ球の除去率は5%程度と低率であったが、顆粒球
は52%、単球は55%と効率よく除去することができ
た。
【0016】
【発明の効果】本発明の血液処理装置を用いると通常の
人と比べて血小板の量が多い天疱瘡患者の血液を体外循
環して血液中の白血球、少なくとも顆粒球及び単球を効
率的に安全に除去することができ、それと共に抗天疱瘡
抗体を低下させることができて患者の症状改善に寄与す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顆粒球及び単球捕捉手段部における、エアー通
気量と圧力損失の関係を示す図である。
【図2】実施例において使用した、本発明装置の1例を
示す図である。
【符号の説明】
1 顆粒球及び単球捕捉手段 2 フィンガーポンプ 3 ドリップチャンバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも患者血液1〜3リットルを1
    0〜200ml/分の流速で送液する手段と、前記血液
    に抗凝固剤を0.003〜40ml/分の流速で送液混
    合する手段と、主要部が多孔質体、又は繊維か粒子の集
    合体からなる少なくとも顆粒球及び単球を捕捉する材料
    が血液の入口と出口を有する容器に充填されてなり、そ
    のエア通気量が20〜2000リットル/分である少な
    くとも顆粒球及び単球を捕捉する手段とが液密に接続さ
    れてなる天疱瘡患者血液から顆粒球及び単球を優先的に
    除去し、抗天疱瘡抗体を低下させるための天疱瘡治療用
    血液処理装置。
JP7173063A 1995-06-16 1995-06-16 天疱瘡治療用体外循環血液処理装置 Pending JPH09623A (ja)

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