JPH1080479A - 体外循環血液処理装置 - Google Patents
体外循環血液処理装置Info
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- JPH1080479A JPH1080479A JP8257392A JP25739296A JPH1080479A JP H1080479 A JPH1080479 A JP H1080479A JP 8257392 A JP8257392 A JP 8257392A JP 25739296 A JP25739296 A JP 25739296A JP H1080479 A JPH1080479 A JP H1080479A
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- lymphocytes
- patient
- flow rate
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 急速進行性糸球体腎炎患者の血液を体外循環
して、血液中の少なくともリンパ球を含む白血球を効率
的に安全に除去することによって、症状改善に有効な血
液処理装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも患者血液1〜5lを10〜2
00ml/分の流速で送液する手段と、抗凝固剤を0.
003ml〜40ml/分の流速で送液する手段と、主
要部が多孔質体、又は繊維、又は粒子の集合体からなる
リンパ球を含む白血球捕捉材が血液の入口と出口を有す
る容器に充填されてなり、そのエア通気量が20〜20
00l/分であるリンパ球を含む白血球捕捉手段とが液
密に接続されてなる急速進行性糸球体腎炎患者血液から
リンパ球を含む白血球を優先的に除去するための体外循
環血液処理装置。
して、血液中の少なくともリンパ球を含む白血球を効率
的に安全に除去することによって、症状改善に有効な血
液処理装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも患者血液1〜5lを10〜2
00ml/分の流速で送液する手段と、抗凝固剤を0.
003ml〜40ml/分の流速で送液する手段と、主
要部が多孔質体、又は繊維、又は粒子の集合体からなる
リンパ球を含む白血球捕捉材が血液の入口と出口を有す
る容器に充填されてなり、そのエア通気量が20〜20
00l/分であるリンパ球を含む白血球捕捉手段とが液
密に接続されてなる急速進行性糸球体腎炎患者血液から
リンパ球を含む白血球を優先的に除去するための体外循
環血液処理装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、急速進行性糸球体腎炎
患者血液より少なくともリンパ球を含む白血球を除去す
るための体外循環血液処理装置に関する。
患者血液より少なくともリンパ球を含む白血球を除去す
るための体外循環血液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】急速進行性糸球体腎炎は、急性発症を示
す糸球体腎炎のうち、治療をしなければ週ないし月単位
といった短期間で腎不全に至る経過の重篤かつ急激な腎
炎と定義され、発症は、急性腎炎様で、発熱、全身倦怠
感、食欲不振、関節痛、筋肉痛、腹痛、貧血、血尿、蛋
白尿、乏尿、無尿、軽度の高血圧を呈するといわれてい
る。急速進行性糸球体腎炎は、蛍光抗体法による組織所
見から1)抗糸球体基底膜抗体と糸球体基底膜との結合
によるもの、2)免疫複合体の糸球体への沈着によるも
の、3)免疫グロブリンや補体の糸球体への沈着を認め
ないものの3種類に分類される。いずれのタイプも激し
い糸球体炎像、即ち管内性の増殖性糸球体病変に加え、
管外性の変化が強く、大多数では50%以上の糸球体に
半月体形成がみられるのが最も特徴的な所見である。半
月体の形成は、通常は糸球体基底膜を通過しにくいフィ
ブリノーゲンが、糸球体基底膜の損傷によってボウマン
腔に漏出すると、引き続いてフィブリンの析出が起こ
る。これが刺激となって、マクロファージ、Tリンパ
球、単球が遊走する。マクロファージはフィブリンを貪
食し上皮細胞様となり、更に増殖する。一方、ファイブ
リンは分解されてFDPを生ずるが、これも細胞増殖作
用を有しており、細胞の増殖は一層亢進する。その結
果、マクロファージ、Tリンパ球、単球、糸球体上皮細
胞、ボウマン嚢壁上皮細胞が混在して増殖し、半月体が
形成するといわれている。又、急速進行性糸球体腎炎の
場合は、Tリンパ球の中でも特にCD56、CD57の
関与が示唆されている。これらのTリンパ球は細胞障害
性T細胞の1種であり腎組織への浸潤が認められ、本疾
患における組織障害に深く関わっているとされている。
急速進行性糸球体腎炎は、糸球体腎炎の中では最も予後
が不良で、各種の治療に抵抗してほとんどのものが腎不
全に陥る。治療法としては、血漿交換療法やステロイド
パルス療法が行われているが、何れも重症感染症の併発
率や死亡率は非常に高い。又、ステロイドパルス療法の
場合は糖尿病、消化性潰瘍、凝固能亢進を介する血栓症
等の副作用により治療継続が困難な症例が少なくない。
す糸球体腎炎のうち、治療をしなければ週ないし月単位
といった短期間で腎不全に至る経過の重篤かつ急激な腎
炎と定義され、発症は、急性腎炎様で、発熱、全身倦怠
感、食欲不振、関節痛、筋肉痛、腹痛、貧血、血尿、蛋
白尿、乏尿、無尿、軽度の高血圧を呈するといわれてい
る。急速進行性糸球体腎炎は、蛍光抗体法による組織所
見から1)抗糸球体基底膜抗体と糸球体基底膜との結合
によるもの、2)免疫複合体の糸球体への沈着によるも
の、3)免疫グロブリンや補体の糸球体への沈着を認め
ないものの3種類に分類される。いずれのタイプも激し
い糸球体炎像、即ち管内性の増殖性糸球体病変に加え、
管外性の変化が強く、大多数では50%以上の糸球体に
半月体形成がみられるのが最も特徴的な所見である。半
月体の形成は、通常は糸球体基底膜を通過しにくいフィ
ブリノーゲンが、糸球体基底膜の損傷によってボウマン
腔に漏出すると、引き続いてフィブリンの析出が起こ
る。これが刺激となって、マクロファージ、Tリンパ
球、単球が遊走する。マクロファージはフィブリンを貪
食し上皮細胞様となり、更に増殖する。一方、ファイブ
リンは分解されてFDPを生ずるが、これも細胞増殖作
用を有しており、細胞の増殖は一層亢進する。その結
果、マクロファージ、Tリンパ球、単球、糸球体上皮細
胞、ボウマン嚢壁上皮細胞が混在して増殖し、半月体が
形成するといわれている。又、急速進行性糸球体腎炎の
場合は、Tリンパ球の中でも特にCD56、CD57の
関与が示唆されている。これらのTリンパ球は細胞障害
性T細胞の1種であり腎組織への浸潤が認められ、本疾
患における組織障害に深く関わっているとされている。
急速進行性糸球体腎炎は、糸球体腎炎の中では最も予後
が不良で、各種の治療に抵抗してほとんどのものが腎不
全に陥る。治療法としては、血漿交換療法やステロイド
パルス療法が行われているが、何れも重症感染症の併発
率や死亡率は非常に高い。又、ステロイドパルス療法の
場合は糖尿病、消化性潰瘍、凝固能亢進を介する血栓症
等の副作用により治療継続が困難な症例が少なくない。
【0003】本疾患の発症機序を考えると急速進行性糸
球体腎炎に対する1手段として患者血液中の白血球を除
去する方法が有効であると考えられる。白血球を除去す
る方法としては、遠心分離法やポリエステル不織布を使
用した白血球除去療法などがある。ただし、遠心分離法
は、操作性が難しく治療に用いられるケースは非常に少
ない。現在主に治療法として行われているのは、白血球
除去器である。本方法は、患者血液を取り出し、体外循
環にて血液中の白血球を除去する方法であり、操作を行
いやすいこと、費用の面においても安価で行えることか
ら急速進行性糸球体腎炎に対する治療法として実用的と
いわれている。更に、他の疾患に対しても広く臨床応用
され、有効症例も報告されている。ところが急速進行性
糸球体腎炎は、凝固線溶系や血小板が活性化しているケ
ースが多く、治療中に除去器内で血液凝固による目詰ま
りがあり、治療を満足に行えず充分な治療効果が得られ
ないケースがある。
球体腎炎に対する1手段として患者血液中の白血球を除
去する方法が有効であると考えられる。白血球を除去す
る方法としては、遠心分離法やポリエステル不織布を使
用した白血球除去療法などがある。ただし、遠心分離法
は、操作性が難しく治療に用いられるケースは非常に少
ない。現在主に治療法として行われているのは、白血球
除去器である。本方法は、患者血液を取り出し、体外循
環にて血液中の白血球を除去する方法であり、操作を行
いやすいこと、費用の面においても安価で行えることか
ら急速進行性糸球体腎炎に対する治療法として実用的と
いわれている。更に、他の疾患に対しても広く臨床応用
され、有効症例も報告されている。ところが急速進行性
糸球体腎炎は、凝固線溶系や血小板が活性化しているケ
ースが多く、治療中に除去器内で血液凝固による目詰ま
りがあり、治療を満足に行えず充分な治療効果が得られ
ないケースがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、急速進行性
糸球体腎炎患者の血液を白血球除去手段を用いてスムー
ズに体外循環血液処理することにより、血液中の少なく
ともリンパ球を含む白血球を安全に除去するための装置
を提供することを課題とする。
糸球体腎炎患者の血液を白血球除去手段を用いてスムー
ズに体外循環血液処理することにより、血液中の少なく
ともリンパ球を含む白血球を安全に除去するための装置
を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の体外循環血液処
理装置は、少なくとも患者血液1〜5lを10〜200
ml/分の流速で送液する手段と、抗凝固剤を0.00
3ml〜40ml/分の流速で送液する手段と、主要部
が多孔質体、又は繊維、又は粒子の集合体からなるリン
パ球を含む白血球捕捉材が血液の入口と出口を有する容
器に充填されてなり、そのエア通気量が20〜2000
l/分であるリンパ球を含む白血球捕捉手段とが液密に
接続されてなる急速進行性糸球体腎炎患者血液からリン
パ球を含む白血球を優先的に除去するための血液処理装
置を提供することで上記課題を解決した。
理装置は、少なくとも患者血液1〜5lを10〜200
ml/分の流速で送液する手段と、抗凝固剤を0.00
3ml〜40ml/分の流速で送液する手段と、主要部
が多孔質体、又は繊維、又は粒子の集合体からなるリン
パ球を含む白血球捕捉材が血液の入口と出口を有する容
器に充填されてなり、そのエア通気量が20〜2000
l/分であるリンパ球を含む白血球捕捉手段とが液密に
接続されてなる急速進行性糸球体腎炎患者血液からリン
パ球を含む白血球を優先的に除去するための血液処理装
置を提供することで上記課題を解決した。
【0006】
【作用】以下、本発明の特徴をその作用と共に具体的に
説明する。本発明における急速進行性糸球体腎炎患者か
ら血液を採取する手段としては、周知の体外循環血液処
理装置で使用される採血針、留置針等が挙げられる。
又、血液の送液手段としては周知の体外循環血液処理装
置で使用されるペリスタポンプやフィンガーポンプ等の
ポンプが使用できる。チューブ式ポンプを用いる場合は
リンパ球を含む白血球を捕捉する手段に送液される血液
が脈流にならないよう、ポンプチューブに細径のものを
採用することが好ましい。送液量は患者になるべく負担
のかからない血液導出及び導入速度であって、しかもリ
ンパ球を含む白血球が効率よく捕捉される速度、又同時
に微小凝集塊による目詰まりが生じない速度、等々の諸
条件のバランスを考慮して大体10〜200ml/分の
範囲で適宜選択する。また、血液の処理量は、除去する
白血球の個数に依存する。除去白血球数は、疾患や患者
の状態によって異なるが、治療効果を考えると少なくと
も1×108 個以上が望ましく感染等の問題点を除去す
るためには1×1011個以下とすることが望ましい。白
血球の除去個数を以上の範囲とするためには、血液の処
理量を1〜5lとする必要がある。
説明する。本発明における急速進行性糸球体腎炎患者か
ら血液を採取する手段としては、周知の体外循環血液処
理装置で使用される採血針、留置針等が挙げられる。
又、血液の送液手段としては周知の体外循環血液処理装
置で使用されるペリスタポンプやフィンガーポンプ等の
ポンプが使用できる。チューブ式ポンプを用いる場合は
リンパ球を含む白血球を捕捉する手段に送液される血液
が脈流にならないよう、ポンプチューブに細径のものを
採用することが好ましい。送液量は患者になるべく負担
のかからない血液導出及び導入速度であって、しかもリ
ンパ球を含む白血球が効率よく捕捉される速度、又同時
に微小凝集塊による目詰まりが生じない速度、等々の諸
条件のバランスを考慮して大体10〜200ml/分の
範囲で適宜選択する。また、血液の処理量は、除去する
白血球の個数に依存する。除去白血球数は、疾患や患者
の状態によって異なるが、治療効果を考えると少なくと
も1×108 個以上が望ましく感染等の問題点を除去す
るためには1×1011個以下とすることが望ましい。白
血球の除去個数を以上の範囲とするためには、血液の処
理量を1〜5lとする必要がある。
【0007】本発明における採取血液に抗凝固剤を混合
する手段としては、容器に貯留された抗凝固剤を周知の
ヘパリンポンプ等の微小流量を安定して供給できる注入
ポンプを介して、採血した血液の送液ラインに合流させ
る等の例が挙げられる。抗凝固剤の供給はポンプを用い
ずに水頭圧差で供給しても良い。又、抗凝固剤は、後で
詳述するドリップチャンバーよりも上流で血液に注入さ
れることが好ましい。抗凝固剤と血液とが混合された後
で両液がドリップチャンバーに貯留されることで両液の
混合状態が一層向上し、下流のリンパ球を含む白血球除
去器内での血液凝固の危険性がより減少する。
する手段としては、容器に貯留された抗凝固剤を周知の
ヘパリンポンプ等の微小流量を安定して供給できる注入
ポンプを介して、採血した血液の送液ラインに合流させ
る等の例が挙げられる。抗凝固剤の供給はポンプを用い
ずに水頭圧差で供給しても良い。又、抗凝固剤は、後で
詳述するドリップチャンバーよりも上流で血液に注入さ
れることが好ましい。抗凝固剤と血液とが混合された後
で両液がドリップチャンバーに貯留されることで両液の
混合状態が一層向上し、下流のリンパ球を含む白血球除
去器内での血液凝固の危険性がより減少する。
【0008】抗凝固剤としては体外循環治療に広く用い
られているACD−A液、ヘパリン、低分子ヘパリン、
メシル酸ナファモスタット、メシル酸ガベキサート等が
使用できる。この中でメシル酸ナファモスタットの場合
は粉末状であり、治療の際には5ml〜20mlの5%
ブドウ糖水溶液で溶解した後に用いられることが多い。
以上の抗凝固剤を注入する場合、血液との液比が1:1
5〜1:5の範囲で用いられるACD−A液以外の抗凝
固剤は、血液との液比が1:3000〜1:1000程
度の血液比が高いので血液との充分な混合が容易でな
い。本発明の装置においては抗凝固剤を予め生理的溶液
で希釈してから治療中に連続的に注入することで装置の
目詰まりを抑制し安全に治療を行うことができる。目詰
まり抑制及び患者への過剰な生理的溶液の注入による負
担防止のバランスから考えて、抗凝固剤は200〜40
0mOsm、好ましくは280〜300mOsm程度の
浸透圧を示す生理的食塩水や5%ブドウ糖水溶液等を用
いて50〜1000倍に希釈することが好ましい。ま
た、抗凝固剤の流速としては、フィルターの目詰まりを
抑制し、かつ、患者の出血傾向を助長させない範囲で
0.003ml〜40ml/分とすることが望ましい。
られているACD−A液、ヘパリン、低分子ヘパリン、
メシル酸ナファモスタット、メシル酸ガベキサート等が
使用できる。この中でメシル酸ナファモスタットの場合
は粉末状であり、治療の際には5ml〜20mlの5%
ブドウ糖水溶液で溶解した後に用いられることが多い。
以上の抗凝固剤を注入する場合、血液との液比が1:1
5〜1:5の範囲で用いられるACD−A液以外の抗凝
固剤は、血液との液比が1:3000〜1:1000程
度の血液比が高いので血液との充分な混合が容易でな
い。本発明の装置においては抗凝固剤を予め生理的溶液
で希釈してから治療中に連続的に注入することで装置の
目詰まりを抑制し安全に治療を行うことができる。目詰
まり抑制及び患者への過剰な生理的溶液の注入による負
担防止のバランスから考えて、抗凝固剤は200〜40
0mOsm、好ましくは280〜300mOsm程度の
浸透圧を示す生理的食塩水や5%ブドウ糖水溶液等を用
いて50〜1000倍に希釈することが好ましい。ま
た、抗凝固剤の流速としては、フィルターの目詰まりを
抑制し、かつ、患者の出血傾向を助長させない範囲で
0.003ml〜40ml/分とすることが望ましい。
【0009】本発明における採取血液中の微小凝集塊を
捕捉する手段としては、内部に微小凝集塊を濾別除去で
きるメッシュが設けられたいわゆるドリップチャンバー
が好適に利用できる。しかし、この微小凝集塊を捕捉す
る手段は必ずしもドリップチャンバーのように独立した
器具である必要はなく、例えば後で詳述する少なくとも
リンパ球を含む白血球を捕捉する手段の血液入口側に微
小凝集塊を捕捉するメッシュ又はフィルターを一体化し
て設けるのでも良い。なお、ドリップチャンバーはその
中のメッシュにより微小凝集塊が除去できる上、上述の
如く抗凝固剤と血液とを充分に混合する場ともなるの
で、リンパ球を含む白血球を捕捉する手段の上流に設置
することが好ましい。発明者らは、細胞障害性T細胞を
除去することが急速進行性糸球体腎炎の症状の改善につ
ながるという知見を得た。更に細胞障害性T細胞は、白
血球の中のリンパ球に属するものであり、すなわちリン
パ球を除去することで本疾患の症状が改善されることを
見いだした。
捕捉する手段としては、内部に微小凝集塊を濾別除去で
きるメッシュが設けられたいわゆるドリップチャンバー
が好適に利用できる。しかし、この微小凝集塊を捕捉す
る手段は必ずしもドリップチャンバーのように独立した
器具である必要はなく、例えば後で詳述する少なくとも
リンパ球を含む白血球を捕捉する手段の血液入口側に微
小凝集塊を捕捉するメッシュ又はフィルターを一体化し
て設けるのでも良い。なお、ドリップチャンバーはその
中のメッシュにより微小凝集塊が除去できる上、上述の
如く抗凝固剤と血液とを充分に混合する場ともなるの
で、リンパ球を含む白血球を捕捉する手段の上流に設置
することが好ましい。発明者らは、細胞障害性T細胞を
除去することが急速進行性糸球体腎炎の症状の改善につ
ながるという知見を得た。更に細胞障害性T細胞は、白
血球の中のリンパ球に属するものであり、すなわちリン
パ球を除去することで本疾患の症状が改善されることを
見いだした。
【0010】本発明において少なくともリンパ球を含む
白血球を捕捉する手段は、全血中から少なくともリンパ
球を含む白血球を捕捉し、赤血球や血漿中の有用蛋白成
分を捕捉しないものであれば良い。好ましい例として
は、5μm前後の平均直径を有する繊維塊、好ましくは
不織布からなるフィルター材を主構成要素として血液の
導入口及び導出口を有する容器内に0.05〜0.5g
/cm3 程度の嵩密度で充填したもの、平均孔径が数μ
m程度のスポンジ様多孔質体を主構成要素として上記容
器内に充填したもの、あるいは数μm程度の微粒子(ビ
ーズ)を上記容器内に充填してなるもの等が挙げられ
る。いずれにせよ、処理前の血液中のリンパ球を含む白
血球を50%以上、好ましくは90%以上捕捉すること
が好ましい。
白血球を捕捉する手段は、全血中から少なくともリンパ
球を含む白血球を捕捉し、赤血球や血漿中の有用蛋白成
分を捕捉しないものであれば良い。好ましい例として
は、5μm前後の平均直径を有する繊維塊、好ましくは
不織布からなるフィルター材を主構成要素として血液の
導入口及び導出口を有する容器内に0.05〜0.5g
/cm3 程度の嵩密度で充填したもの、平均孔径が数μ
m程度のスポンジ様多孔質体を主構成要素として上記容
器内に充填したもの、あるいは数μm程度の微粒子(ビ
ーズ)を上記容器内に充填してなるもの等が挙げられ
る。いずれにせよ、処理前の血液中のリンパ球を含む白
血球を50%以上、好ましくは90%以上捕捉すること
が好ましい。
【0011】また、本発明のリンパ球を含む白血球捕捉
手段は、材質としてポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリアクリルニトリル、ナ
イロン6、及びナイロン6、6等のポリアミド、芳香族
ポリアミド、ポリスチレン及びその誘導体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、及びポリブテン等のポリオレフィ
ン、メチルメタクリレート、及びエチルメタクリレート
等のメタクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高
分子化合物、メチルアクリレート、及びエチルアクリレ
ート等のアクリル酸エステル誘導体を重合して得られる
高分子化合物、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリ
ビニルマール、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニ
ルアセタール、ポリカーボネイト等の合成高分子化合物
で、上記高分子化合物の単量体の単独重合体、共重合
体、ブロック重合体及び上記高分子化合物の、ブレンド
及びアロイ化したものを含むものや、セルロース及び/
またはその誘導体等の再生繊維及び上記に示した合成高
分子化合物とのブレンド、アロイ化したものを含むもの
などが挙げられる。また、リンパ球を含む白血球捕捉手
段として用いられる繊維集合体としては、不織布が好ま
しく、繊維直径は5μm以下、好ましくは3μm以下で
あることが望ましい。上記の中で、特にポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキ
シエチレンテレフタレートなどのポリエステル系合成高
分子材料が、不織布の成形性や、得られる不織布の繊維
径、繊維によって形成される細孔状態等が制御しやす
く、白血球等の除去対象物質に合わせた最適なリンパ球
を含む白血球捕捉手段の製造が可能で好ましい。更にこ
のポリエステル系合成高分子材料は、血液の濡れ性の点
でも好ましい。
手段は、材質としてポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ポリアクリルニトリル、ナ
イロン6、及びナイロン6、6等のポリアミド、芳香族
ポリアミド、ポリスチレン及びその誘導体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、及びポリブテン等のポリオレフィ
ン、メチルメタクリレート、及びエチルメタクリレート
等のメタクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高
分子化合物、メチルアクリレート、及びエチルアクリレ
ート等のアクリル酸エステル誘導体を重合して得られる
高分子化合物、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリ
ビニルマール、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニ
ルアセタール、ポリカーボネイト等の合成高分子化合物
で、上記高分子化合物の単量体の単独重合体、共重合
体、ブロック重合体及び上記高分子化合物の、ブレンド
及びアロイ化したものを含むものや、セルロース及び/
またはその誘導体等の再生繊維及び上記に示した合成高
分子化合物とのブレンド、アロイ化したものを含むもの
などが挙げられる。また、リンパ球を含む白血球捕捉手
段として用いられる繊維集合体としては、不織布が好ま
しく、繊維直径は5μm以下、好ましくは3μm以下で
あることが望ましい。上記の中で、特にポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキ
シエチレンテレフタレートなどのポリエステル系合成高
分子材料が、不織布の成形性や、得られる不織布の繊維
径、繊維によって形成される細孔状態等が制御しやす
く、白血球等の除去対象物質に合わせた最適なリンパ球
を含む白血球捕捉手段の製造が可能で好ましい。更にこ
のポリエステル系合成高分子材料は、血液の濡れ性の点
でも好ましい。
【0012】繊維集合体に、種々の低分子量、高分子量
の化合物を共有結合、イオン結合、放射線やプラズマに
よるグラフト法、物理吸着、包埋あるいは繊維表面への
沈殿不溶化等あらゆる公知の方法を用いて固定して用い
ることもできる。例えば、高分子化合物やその単量体を
放射線あるいはプラズマ等を用いてグラフト重合したり
共有結合するなどの公知の方法により表面改質(特開平
1−249063、特開平3−502094)を施した
繊維が知られている。表面改質に用いられる単量体及び
高分子化合物の例として、メタクリル酸、アクリル酸、
2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、モノ(2−
アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、
2−スルホエチルメタクリレート、2−メタクリロイル
オキシエチルフタル酸、等のアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体や、p−スチレンスルホン酸、p−ビニル
安息香酸等のスチレン誘導体、ビニルフェノール等のフ
ェノール誘導体、アリルスルホン酸ナトリウム等のアリ
ル化合物等の各種ビニルモノマー、アセチレン誘導体、
トリオキサン誘導体等の陰性基を有する単量体を重合し
て得られる高分子化合物、また上記の単量体と重合性官
能基、好ましくはビニル基または、アセチレン基を有す
る、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、1、2−ジヒドロキ
シエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ールメタクリレート、メトキシノナエチレングリコール
メタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート等
のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル誘導
体、スチレン及びその誘導体等の中性の単量体、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート等のカチオン性の単量体との共重合体、
ブロック重合体として得られる高分子化合物あるいはオ
リゴマー等の合成化合物があるが、特にビニルモノマー
を重合して得られる高分子化合物が重合性が高く、入手
も容易であるため好ましい。上記の表面修飾を行う繊維
の中で、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリオキシエチレンテレフタレート
などのポリエステル系合成高分子材料が、グラフト及び
コート等の表面修飾性に優れている点で特に好ましい。
の化合物を共有結合、イオン結合、放射線やプラズマに
よるグラフト法、物理吸着、包埋あるいは繊維表面への
沈殿不溶化等あらゆる公知の方法を用いて固定して用い
ることもできる。例えば、高分子化合物やその単量体を
放射線あるいはプラズマ等を用いてグラフト重合したり
共有結合するなどの公知の方法により表面改質(特開平
1−249063、特開平3−502094)を施した
繊維が知られている。表面改質に用いられる単量体及び
高分子化合物の例として、メタクリル酸、アクリル酸、
2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、モノ(2−
アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、
2−スルホエチルメタクリレート、2−メタクリロイル
オキシエチルフタル酸、等のアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体や、p−スチレンスルホン酸、p−ビニル
安息香酸等のスチレン誘導体、ビニルフェノール等のフ
ェノール誘導体、アリルスルホン酸ナトリウム等のアリ
ル化合物等の各種ビニルモノマー、アセチレン誘導体、
トリオキサン誘導体等の陰性基を有する単量体を重合し
て得られる高分子化合物、また上記の単量体と重合性官
能基、好ましくはビニル基または、アセチレン基を有す
る、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、1、2−ジヒドロキ
シエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ールメタクリレート、メトキシノナエチレングリコール
メタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート等
のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル誘導
体、スチレン及びその誘導体等の中性の単量体、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート等のカチオン性の単量体との共重合体、
ブロック重合体として得られる高分子化合物あるいはオ
リゴマー等の合成化合物があるが、特にビニルモノマー
を重合して得られる高分子化合物が重合性が高く、入手
も容易であるため好ましい。上記の表面修飾を行う繊維
の中で、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリオキシエチレンテレフタレート
などのポリエステル系合成高分子材料が、グラフト及び
コート等の表面修飾性に優れている点で特に好ましい。
【0013】繊維集合体を充填する容器外形としては、
血液の入口と出口を有する容器であれば特に限定はない
が、敢えて例を挙げると、繊維集合体を積層状に充填で
きる公知の容器や、円柱状、円板状、三角柱状、四角柱
状、六角柱状、八角柱状、等の角柱状容器に、更に繊維
集合体を円筒状に巻きこれを充填できる容器、または、
血液の流れが円筒の外周より入り内側へと流れ、最も内
側に集まり血液流出口より出ることを特徴とする容器等
が良好な形状となる。また、錘状等の断面積が入口から
出口に向かうに従って、小さくなる形状を有する容器等
が用いられる。この時の容器の入口部分の断面積と長さ
の比(断面積/長さ、S/L)は、10cm以上500
cm以下が良好なS/Lとなる。
血液の入口と出口を有する容器であれば特に限定はない
が、敢えて例を挙げると、繊維集合体を積層状に充填で
きる公知の容器や、円柱状、円板状、三角柱状、四角柱
状、六角柱状、八角柱状、等の角柱状容器に、更に繊維
集合体を円筒状に巻きこれを充填できる容器、または、
血液の流れが円筒の外周より入り内側へと流れ、最も内
側に集まり血液流出口より出ることを特徴とする容器等
が良好な形状となる。また、錘状等の断面積が入口から
出口に向かうに従って、小さくなる形状を有する容器等
が用いられる。この時の容器の入口部分の断面積と長さ
の比(断面積/長さ、S/L)は、10cm以上500
cm以下が良好なS/Lとなる。
【0014】本発明のリンパ球を含む白血球捕捉手段
は、エアー通気量が20l/分以上2000l/分以下
であることを必須要件とする。ここでエアー通気量と
は、体外循環回路に組み込む状態のリンパ球を含む白血
球捕捉手段の血液導入口に体外循環回路チューブと同径
の1m程度の長さのチューブの一端を接続し、該チュー
ブの他端から約800mmHgの圧気を20秒間かけ、
その直後にリンパ球を含む白血球捕捉手段の血液導出口
から出てくるエアーの通気量をフローメーターで測定し
て得られる単位時間(分)当たりのエアー容積(1)で
ある。エアー通気量が20l/分未満のリンパ球を含む
白血球捕捉手段を用いて体外循環血液処理を行うと、該
手段部における圧力損失が図1に見られるように急激に
上昇し目詰まりを誘発しやすくなる上、被処理血液にも
過剰の圧がかかり溶血しやすくなる。なお、エアー通気
量が2000l/分を越える捕捉手段では、目詰まりは
起こらないが、そのような捕捉手段では目的の細胞成分
が効率良く捕捉できず、通過してしまう。本発明におい
て少なくともリンパ球を含む白血球を捕捉する手段とし
て不織布からなるフィルター材を主構成要素として血液
の導入口及び導出口を有する容器内に充填したものを採
用する場合、フィルター材は1.0〜5.0μm程度の
細い平均糸径を有するメインフィルターとしての不織布
の上流側に血液中の微小凝集塊を捕捉するための平均糸
径が5〜50μm程度の太い繊維塊からなる目の粗いプ
レフィルターを積層したものが好適に使用できる。メイ
ンフィルターの糸径が細すぎると嵩密度も密になりやす
く、エアー通気量が低くなりすぎて血液の目詰まりが発
生しやすくなる。なお、本発明の血液処理装置を構成す
る各手段は周知の血液回路により無菌的に接続されてな
る。
は、エアー通気量が20l/分以上2000l/分以下
であることを必須要件とする。ここでエアー通気量と
は、体外循環回路に組み込む状態のリンパ球を含む白血
球捕捉手段の血液導入口に体外循環回路チューブと同径
の1m程度の長さのチューブの一端を接続し、該チュー
ブの他端から約800mmHgの圧気を20秒間かけ、
その直後にリンパ球を含む白血球捕捉手段の血液導出口
から出てくるエアーの通気量をフローメーターで測定し
て得られる単位時間(分)当たりのエアー容積(1)で
ある。エアー通気量が20l/分未満のリンパ球を含む
白血球捕捉手段を用いて体外循環血液処理を行うと、該
手段部における圧力損失が図1に見られるように急激に
上昇し目詰まりを誘発しやすくなる上、被処理血液にも
過剰の圧がかかり溶血しやすくなる。なお、エアー通気
量が2000l/分を越える捕捉手段では、目詰まりは
起こらないが、そのような捕捉手段では目的の細胞成分
が効率良く捕捉できず、通過してしまう。本発明におい
て少なくともリンパ球を含む白血球を捕捉する手段とし
て不織布からなるフィルター材を主構成要素として血液
の導入口及び導出口を有する容器内に充填したものを採
用する場合、フィルター材は1.0〜5.0μm程度の
細い平均糸径を有するメインフィルターとしての不織布
の上流側に血液中の微小凝集塊を捕捉するための平均糸
径が5〜50μm程度の太い繊維塊からなる目の粗いプ
レフィルターを積層したものが好適に使用できる。メイ
ンフィルターの糸径が細すぎると嵩密度も密になりやす
く、エアー通気量が低くなりすぎて血液の目詰まりが発
生しやすくなる。なお、本発明の血液処理装置を構成す
る各手段は周知の血液回路により無菌的に接続されてな
る。
【0015】
【実施例1】急速進行性糸球体腎炎の患者血液の血液処
理のために図2に示すような体外循環血液処理装置を作
成した。リンパ球を含む白血球を捕捉する手段1として
平均糸径が約2.3μmの不織布からなる1枚の厚みが
0.39mmのメインフィルターを円筒状に巻いて積層
した上に平均糸径が10〜36μmの不織布からなる1
枚の厚みが0.16〜0.55mmのプレフィルターを
更に多層巻つけてなるフィルター材を直径42mm、長
さ145mmの円筒状容器に充填したリンパ球を含む白
血球除去器を使用した。該除去器のエアー通気量は、3
3l/分であった。抗凝固剤としてメシル酸ナファモス
タット(FUTR )を使用し、これを生理食塩水で1:
300の液比で希釈しフィンガーポンプ2で300ml
/時間の流速で、患者から50ml/分の流速で導出さ
れる血液に混合した。ドリップチャンバー3内のフィル
ターは70メッシュであった。患者血液を上記の条件で
約60分かけて3000ml体外循環処理した。この時
ドリップチャンバー部の圧力メータでリンパ球を含む白
血球を捕捉する手段の圧力をモニターし続けたが、圧の
上昇は全く見られず治療は安全に順調に進行し終了し
た。リンパ球の除去率は75%、顆粒球及び単球の除去
率は95%であった。ここでいう除去率とは、3Lの血
液を流した時点でのカラム前後の除去率である。治療後
には血清クレアチニン及び尿蛋白が減少し、腎機能の改
善がみられた。今回は、実施していないが細胞障害性T
細胞が白血球除去器に捕捉されていることは、一般的に
はフローサイトメトリーを用いてCD8陽性細胞を評価
することで間接的に判断できる。細胞障害性T細胞の表
面形状は他のリンパ球に比べて凹凸があり、不織布との
接触面積が大きいため、リンパ球の分画で見ると他のそ
れよりも多く捕捉されていることが推察される。
理のために図2に示すような体外循環血液処理装置を作
成した。リンパ球を含む白血球を捕捉する手段1として
平均糸径が約2.3μmの不織布からなる1枚の厚みが
0.39mmのメインフィルターを円筒状に巻いて積層
した上に平均糸径が10〜36μmの不織布からなる1
枚の厚みが0.16〜0.55mmのプレフィルターを
更に多層巻つけてなるフィルター材を直径42mm、長
さ145mmの円筒状容器に充填したリンパ球を含む白
血球除去器を使用した。該除去器のエアー通気量は、3
3l/分であった。抗凝固剤としてメシル酸ナファモス
タット(FUTR )を使用し、これを生理食塩水で1:
300の液比で希釈しフィンガーポンプ2で300ml
/時間の流速で、患者から50ml/分の流速で導出さ
れる血液に混合した。ドリップチャンバー3内のフィル
ターは70メッシュであった。患者血液を上記の条件で
約60分かけて3000ml体外循環処理した。この時
ドリップチャンバー部の圧力メータでリンパ球を含む白
血球を捕捉する手段の圧力をモニターし続けたが、圧の
上昇は全く見られず治療は安全に順調に進行し終了し
た。リンパ球の除去率は75%、顆粒球及び単球の除去
率は95%であった。ここでいう除去率とは、3Lの血
液を流した時点でのカラム前後の除去率である。治療後
には血清クレアチニン及び尿蛋白が減少し、腎機能の改
善がみられた。今回は、実施していないが細胞障害性T
細胞が白血球除去器に捕捉されていることは、一般的に
はフローサイトメトリーを用いてCD8陽性細胞を評価
することで間接的に判断できる。細胞障害性T細胞の表
面形状は他のリンパ球に比べて凹凸があり、不織布との
接触面積が大きいため、リンパ球の分画で見ると他のそ
れよりも多く捕捉されていることが推察される。
【0016】
【実施例2】繊維径約12μmのエジプト綿22gを直
径3.4cm、長さ11.8cmの円筒形容器に充填し
たリンパ球を含む白血球除去手段を利用して急速進行性
糸球体腎炎患者より取り出した血液を1500ml処理
した。抗凝固剤はヘパリンを生理食塩液と1:150の
割合で希釈したものを5ml/分の流速で注入した。リ
ンパ球を含む白血球除去器のエアー通気量は、30l/
分であった。リンパ球の除去率は30%程度と低率であ
ったが、顆粒球は52%、単球は55%とリンパ球の除
去率より高値であった。3回目の治療後に血清クレアチ
ニン、尿蛋白が減少し腎機能の改善がみられた。
径3.4cm、長さ11.8cmの円筒形容器に充填し
たリンパ球を含む白血球除去手段を利用して急速進行性
糸球体腎炎患者より取り出した血液を1500ml処理
した。抗凝固剤はヘパリンを生理食塩液と1:150の
割合で希釈したものを5ml/分の流速で注入した。リ
ンパ球を含む白血球除去器のエアー通気量は、30l/
分であった。リンパ球の除去率は30%程度と低率であ
ったが、顆粒球は52%、単球は55%とリンパ球の除
去率より高値であった。3回目の治療後に血清クレアチ
ニン、尿蛋白が減少し腎機能の改善がみられた。
【0017】
【発明の効果】本発明の血液処理装置を用いると通常の
人と比べて凝固系の活性化した急速進行性糸球体腎炎患
者の血液を体外循環して血液中の白血球、少なくともリ
ンパ球を含む白血球を効率的に安全に除去することがで
き、患者の症状改善に寄与することができる。
人と比べて凝固系の活性化した急速進行性糸球体腎炎患
者の血液を体外循環して血液中の白血球、少なくともリ
ンパ球を含む白血球を効率的に安全に除去することがで
き、患者の症状改善に寄与することができる。
【図1】本発明装置のリンパ球を含む白血球捕捉手段部
における、エアー通気量と圧力損失の関係を示す図であ
る。
における、エアー通気量と圧力損失の関係を示す図であ
る。
【図2】実施例において使用した、本発明装置の1例を
示す図である。
示す図である。
1 リンパ球を含む白血球捕捉手段 2 フィンガーポンプ 3 ドリップチャンバー
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも患者血液1〜5lを10〜2
00ml/分の流速で送液する手段と、抗凝固剤を0.
003ml〜40ml/分の流速で送液する手段と、主
要部が多孔質体、又は繊維、又は粒子の集合体からなる
リンパ球を含む白血球捕捉材が血液の入口と出口を有す
る容器に充填されてなり、そのエア通気量が20〜20
00l/分であるリンパ球を含む白血球捕捉手段とが液
密に接続されてなる急速進行性糸球体腎炎患者血液から
リンパ球を含む白血球を優先的に除去するための体外循
環血液処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8257392A JPH1080479A (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 体外循環血液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8257392A JPH1080479A (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 体外循環血液処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1080479A true JPH1080479A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=17305760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8257392A Pending JPH1080479A (ja) | 1996-09-09 | 1996-09-09 | 体外循環血液処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1080479A (ja) |
-
1996
- 1996-09-09 JP JP8257392A patent/JPH1080479A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051227 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060428 |