JPH0961810A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0961810A
JPH0961810A JP22067995A JP22067995A JPH0961810A JP H0961810 A JPH0961810 A JP H0961810A JP 22067995 A JP22067995 A JP 22067995A JP 22067995 A JP22067995 A JP 22067995A JP H0961810 A JPH0961810 A JP H0961810A
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村 弘 喜 中
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村 裕 之 木
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村 貴 文 中
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邉 好 浩 渡
Yoshitaka Yamada
田 義 孝 山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子分散型液晶表示素子やマイクロアレイ
レンズ搭載のTN型液晶表示素子と、光源光として強力
なランプを組み合わせた、例えば投射形液晶パネルにお
いて、液晶表示パネル面内の温度分布を均一にし、表示
むらを低減する。 【解決手段】 ガラス基板1aの上にp−SiTFT9
を配置したアレイ基板1と、ガラス基板10aの上の、
p−SiTFT9に対向する位置に、Alからなる第1
遮光層11と、Cr/CrOからなり第1遮光層11に
かぶさるように配置された第2遮光層12とを形成した
対向基板10と、アレイ基板1と対向基板10の間に配
置される液晶層20とで構成され、光反射率の高い第1
遮光層11により液晶層20およびその他の部分の温度
上昇と2次元的な温度むらを低減させ、光反射率の低い
第2遮光層12によりp−SiTFT9への入射光を遮
光し、更に第2遮光層12により第1遮光層11を保護
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型液晶表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CRT表示装置よりも小型で軽量
なフラットパネルディスプレイ装置として、液晶表示装
置やプラズマ発光表示装置などが注目されている。
【0003】これらの表示装置には、自ら表示映像に対
応した光を発生して表示する自己発光型と、別の光源
(自然光を含む)を持ち、表示素子に光の透過率の制御
機能を持たせて表示を行う透過率制御型とに大別され
る。そして、次世代表示装置として、各種の分野で実用
化が進んでいる液晶表示装置は、現在のところ、透過率
制御型の代表的なものである。
【0004】一方、液晶表示装置としては、液晶表示パ
ネルを直接見るタイプ(直視型)と、液晶表示パネルで
変調された光をスクリーン上に投射し、この映像を見る
タイプ(投射型)が知られている。前者はコンパクトな
表示装置を構成できるというメリットがある。一方、後
者は投射型液晶表示装置として知られており、ランプの
光を液晶表示パネルに集光して入射させ、二次元的に変
調された透過光または反射光を、投射レンズを通じて、
スクリーンに拡大投射するように構成されるもので、大
きなサイズの画面表示を行わせることができるというメ
リットがある。
【0005】このような液晶表示装置を構成する重要な
要素が液晶であるが、この液晶には多くの種類のものが
知られており、ツィステッドネマティック型液晶が代表
的なものとして用いられている。その動作原理は、液晶
層における光の複屈折性または旋光性と偏光板の偏光性
とを用いることにより、表示パネルの観察面側に出射さ
れる光を制御して表示を行うというものである。
【0006】上記のような方式では、偏光板を用いるた
めに、原理的に、光源からの光の約2分の1が損失し、
光源光の利用効率が低い。その結果、画面の輝度が低く
なるという問題がある。
【0007】これに対して、強力な光源を用いると、高
輝度の表示を行うことが可能であるが、消費電力の増大
や、発熱の問題が発生する。
【0008】一方、投射型の液晶表示装置の場合、装置
全体を小型化するためには、液晶表示パネルのサイズを
小型化する必要があるが、拡大投射で精細な映像を得よ
うとすると画素数は増やす必要がある。ところが、液晶
表示パネルの開口率は画素数が増えれば増えるほど低下
する傾向があり、光源光の利用率が低下してしまい、高
輝度化が困難になってしまう。そこで、一般には、液晶
表示パネルの開口率低下を補うために、液晶表示パネル
の光入射側にマイクロレンズアレイを配置して、実効的
な透過率の改善を計る方法が採用されている。
【0009】これに対して、出射光線の方向、あるいは
錯乱/透過を制御する方式の液晶表示装置は、偏光板が
不要であることから、光源からの光の利用効率を上げる
ことが可能である。このような方式の液晶表示装置の中
でも、高分子分散型液晶表示装置は、高分子樹脂と液晶
とを、それぞれ別の相として混在させたものである。つ
まり、高分子樹脂と液晶とを混合した場合に、いずれか
が他方に溶解されるような形ではなく、いずれか一方の
中に他方が分散的に保持された構造であり、例えば高分
子樹脂相における連続状または多数のカプセル状の空隙
中に液晶相としてTN液晶のような液晶組成物が分散保
持されているような形態である。
【0010】このような高分子分散型液晶表示装置にお
いては、2枚の透明電極間に電圧を印加しない状態で
は、透過光を散乱させるので、画面は乳透明に観察さ
れ、電圧を印加した状態では、印加電圧に応じて、液晶
層が透明化して透過光を散乱させずに透過させるように
なり、画面は透明に観察されるようになる。
【0011】このように高分子分散型液晶は、光の散乱
と非散乱を制御できるので、散乱光のみを取り出す光学
系、または非散乱光のみを取り出す光学系を組み合わせ
ることにより、液晶層での光の散乱性の制御を光強度、
つまり画面輝度の制御に変換することができる。そし
て、この動作原理を用いることにより、偏光板が不要に
なり、光源光の利用効率も高くなり、高輝度の表示を実
現できる。このため、現在では、アクティブマトリクス
型の投射形液晶表示装置に適用して、明るい液晶プロジ
ェクタを開発する動きが活発である。
【0012】しかしながら、アクティブマトリックス型
の液晶表示装置は、一般に対向電極を有する対向基板
と、薄膜トランジスタなどのスイッチ素子に接続された
画素電極を有するアレイ基板で構成されている。この薄
膜トランジスタとしては、アモルファスシリコンや多結
晶シリコンなどの半導体層が用いられているが、これら
は光の入射によって光リーク電流が発生し、表示特性を
劣化させる。このため、通常、薄膜トランジスタに対向
する対向基板の位置に遮光層を配置し、対向基板からの
光入射による光が薄膜トランジスタに到達しないように
工夫してある。
【0013】しかしながら、高分子分散型液晶は、偏光
板が不要になる分、光源光のロスがなくなるため、表示
パネルへの光の入射強度は、偏光板がある場合に比べて
約2.5倍にも達する。
【0014】さらに、液晶表示装置の高輝度化のため
に、光源からの光入射強度を高める方向の動きもあいま
って、画素スイッチを構成する薄膜トランジスタへの光
入射を抑制するための遮光層(ブラックマトリックスB
M)の必要性はますます重要になってくる。
【0015】このような遮光層は、一般には、Cr層が
用いられる。このCr層は薄膜トランジスタへの光入射
を抑制するための光学濃度(Optical Dens
ity)が4.0〜5.0以上あり、厚膜で形成され
る。
【0016】図10は、かかる従来の液晶表示装置の断
面図である。図において示すように、液晶表示パネル
は、アレイ基板1と対向基板10の間に、高分子分散型
の液晶層20を挟んだサンドイッチ状の構造となってい
る。アレイ基板1は、ガラス基板1aの上にゲート絶縁
層3、更にその上に第1層間絶縁膜5、第2層間絶縁膜
7を積層し、液晶層20と対向する面にITO透明電極
層(画素電極層)8を配置した構造となっている。一
方、対向基板10は、ガラス基板10aに絶縁層14を
積層し、液晶層20と対向する面に対向電極13を配置
した構造となっている。
【0017】なお、ガラス基板1aの上の多結晶シリコ
ン層2の上に、ゲート絶縁膜3を介して、ゲート電極4
を配置したポリシリコン薄膜トランジスタ(以下、p−
SiTFTと称する)9が形成されている。p−SiT
FT9の一端には、金属配線6を介して、映像信号電圧
が印加される。また、p−SiTFT9のゲート電極4
には、走査線を選択するための信号が印加される。ま
た、p−SiTFT9の他端は、金属配線6を介して、
液晶層20に対向した透明電極8に接続される。
【0018】ちなみに、p−SiTFT9は、ガラス基
板1a上にアモルファスシリコン膜をCVD法で成膜
後、レーザーアニール法で多結晶シリコン膜を形成し、
島状にパターンニングして多結晶シリコン層2を形成す
る。その上に、ゲート絶縁層3をパターンニングして形
成する。次に、ソース、ドレイン領域にセルフアライン
メントで不純物を注入する。そして、ゲート電極4の上
に第1層間絶縁膜5をかぶせ、ソース、ドレイン部との
コンタクトホールを形成し、ここに金属配線6,6を形
成する。次に、その上に第2層間絶縁膜7を形成し、透
明電極8とのコンタクトをとるためのコンタクトホール
を形成する。透明電極8は第2層間絶縁膜7の上にエッ
チングによりパターンニングして形成される。パネルサ
イズとしては、対角3.1インチ、画素数は640X4
80、開口率40%である。
【0019】一方、対向基板10は、ガラス基板10a
の上に、Crから成る遮光のための第1遮光層15をパ
ターンニングし、次にCrOからなる第2遮光層16を
形成し、これを第1遮光層11のパターン幅と同じ幅に
形成し、更に絶縁層14を形成し、その後にITO透明
対向電極13を形成して構成する。
【0020】なお、このようにして構成された液晶表示
装置の動作については、周知のことであるので、説明を
省略する。
【0021】以上のような構成において、対向基板10
のガラス基板10a側からの光入射に対しては、Cr層
部分からなる第1遮光層15と、CrO層からなる第2
遮光層16との2種類の反射率の異なる層で形成された
遮光層によって、p−SiTFT9に光が入射するのを
防止している。
【0022】さて、表示画面の高輝度化のための、偏光
板不要の材料の採用や、光源光のパワーアップ、そして
入射光の増加に伴う、薄膜トランジスタへの光入射の抑
制策としての遮光層の強化などの性能向上を計った結果
として、今度は液晶表示パネルの温度上昇が問題となっ
てくる。
【0023】この対策として、特開平1−102430
号公報には、通常のCr膜等、光反射率が50〜60%
程度しかない遮光膜を用いた構造に対して、熱吸収によ
る温度上昇の防止を行うために、Al等の高反射率膜を
用いる方式が開示されている。また、ITOからなる対
向電極層の上にAlからなる遮光層を形成し、その上に
Cr等から構成される低反射層を形成する方式も示され
ている。しかし、Al薄膜はスパッタ法で成膜中のスプ
ラッシュ等による凹凸が発生しやすく、またピンホール
も発生しやすく、加えてエッチング液等に対する耐薬品
性が低い等の問題点がある。
【0024】このため、特開平5−45643号公報、
特開平5−11241号公報、特開平6−214258
号公報には、遮光層をAl膜と、Ti膜等の高融点金属
膜との2層構造で形成したり、Alと、Ta等の高融点
金属との合金膜で形成したり、Alと高融点金属の合金
膜と、Mo等の低反射金属膜との2層構造とするものが
開示されている。これらは、いずれも、遮光層の光入射
側の反射率を向上させるために、Al系の金属を用い、
遮光層での光エネルギーの吸収による温度上昇を低減さ
せることが目的である。
【0025】しかし、Al系金属の上にITO透明電極
を直接形成する場合は、ITO膜がAl膜との接触面で
還元されて透過率が低下するという問題が生じたり、ま
たITO膜をウエットエッチングする際にAl膜にエッ
チング液がしみ込むことによりAl膜が、あるいは電池
反応によりAl膜が、それぞれエッチングされてしまう
という問題が生じる。
【0026】一方、Al膜と高融点金属膜の2層構造で
あって、Al膜と高融点金属膜のパターンが同一の場
合、1つのマスクで、高融点金属と、Al膜を続けてエ
ッチングすることになる。この場合、下側のAl膜にオ
ーバーエッチングが生じやすく、高融点金属膜のパター
ンよりもAl膜のパターンが細くなってしまうことが多
い。つまり、高融点金属膜の軒の下に、それよりも狭幅
のAl膜のパターンが存在するような形になってしま
う。このような形状になってしまうと、その上にITO
透明電極を形成しても、遮光層パターンの端部でITO
透明電極に段切れが生じると共に、高融点金属膜の下に
空洞部が形成されてしまい、ITO透明電極に剥れが生
じ易くなり、信頼性を低下させてしまう。
【0027】さて、投射形の液晶表示装置の場合、メタ
ルハライドランプ等の強力な光源が用いられるが、光源
からの光は光学系を介して液晶表示パネルに入射され
る。しかし、この時に液晶表示パネルに入射する光束
は、中心面で最も強く、周辺部に行くほど弱くなる、と
いう光強度分布の傾向を有する。このため、液晶表示パ
ネル内の温度分布も、中心部程温度が高く、周辺部に行
く程温度が低くなるという傾向を有している。このよう
な温度分布は、電圧対透過率(V−T)特性の温度依存
性が低いTN型液晶ではほとんど問題とはされなかっ
た。
【0028】しかしながら、高分子分散型液晶は、TN
液晶のように偏光板がいらない分、光入射強度が大き
く、V−T特性の温度依存性が高いという特性の相乗効
果によって、液晶表示パネル内の温度分布により、表示
むらが発生するという問題点がある。
【0029】さて、高分子分散型液晶で、V−T特性が
温度と共に変化するという特性は、図9の特性図に示す
とおりである。図9において、横軸は温度であり、縦軸
は透過率変化量である。一方、V10、V50、V90
はそれぞれ、透過率10%、50%、90%を与える電
圧であり、それぞれの印加電圧で、摂氏45度を中心
に、透過率の変化量を示している。
【0030】このような温度特性により、同じ駆動電圧
を与えても、液晶表示パネル面内で温度分布むらがある
場合、液晶表示パネル面内の各部の透過率にむらを生
じ、結果として表示むらを発生する。つまり、中心部程
光強度が強く、周辺部程光強度の弱い光強度分布を有す
る光源光を用いた場合、液晶表示パネルの中心部と周辺
部で温度が異なり、これに伴い、表示輝度が異なるとい
うことになる。
【0031】実際に、250Wのメタルハライドランプ
を用い、UV/IRカットフィルタ等を通した後で、液
晶表示パネルに中心温度100万lxの光を入射した場
合、同心円状の輝度むらを生じた。一方、これに合わせ
て、液晶表示パネル面内の温度分布をサーモビュアを用
いて評価した結果、中心温度約45℃に対して、周辺領
域では約35℃と、約10℃程度の温度むらが生じてい
ることが観測された。つまり、温度むらに対応して、表
示むらが発生していることが判明した。
【0032】一方、TN型液晶を用いた液晶表示パネル
の場合でも、マイクロレンズアレイ基板を用いた構成の
ものでは、液晶表示パネル面内の温度むらによる熱歪
が、マイクロレンズアレイ基板にも及ぶ。この場合、マ
イクロレンズアレイ基板に用いられるソーダガラスの光
弾性特性により、入射側の偏光板により直線偏光化され
た光がマイクロレンズアレイ基板を通過する間に楕円偏
光化されるため、コントラストむらを生じる。つまり、
このような表示むらは、全体の温度上昇というよりも、
温度むらによる熱歪が原因となっている。上記コントラ
ストむらの発生及びその原因は、本発明者らによる独自
の実験により見出したことがらである。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】従来の液晶表示装置
は、以上のように、光源光の強力化による液晶表示パネ
ル面内の温度上昇、液晶表示パネル面内における光源光
の強度分布による温度むらを発生するため、高分子分散
型液晶の場合にはV−T特性の温度依存性により、TN
型液晶の場合にはマイクロレンズアレイ基板の熱歪によ
り、それぞれ表示むらを生じるという問題点があった。
【0034】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解消し、高分子分散型液晶表示素子やマイクロレンズ
アレイ搭載のTN型液晶表示素子と、光源光として強力
なランプを組み合わせた、例えば投射形液晶パネルにお
いて、液晶表示パネル面内の温度分布を均一にし、表示
むらを低減した液晶表示装置を提供することを目的とす
る。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、二次元状に配置された画素電極と、この画素電極に
印加される駆動電極をスイッチングする画素スイッチと
を配置してなるアレイ基板と、この画素電極に対向して
配置された対向電極が形成してなる対向基板と、前記ア
レイ基板と前記対向基板との間に介在された液晶層とを
備え、前記アレイ基板と前記対向基板との少なくとも一
方の基板の前記電極形成面には、光源からの入射光が前
記画素スイッチへ入射することを防止する遮光領域が配
置され、且つこの遮光領域は、前記入射光に対する反射
率が異なる少なくとも2層以上から構成され、最下層の
遮光層により上層の遮光層の一部が直接前記基板の前記
電極形成面に接して配置されているものとして構成され
る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施例を説明する。 実施例1.図1は、本発明の実施例1の液晶表示装置の
断面図である。図1において示すように、液晶表示パネ
ルは、アレイ基板1と対向基板10の間に、高分子分散
型の液晶層20を挟んだサンドイッチ状の構造となって
いる。アレイ基板1は、ガラス基板1aの上にゲート絶
縁層3、更にその上に第1層間絶縁膜5、第2層間絶縁
膜7を積層し、液晶層20と対向する面にITO透明電
極8を配置した構造となっている。一方、対向基板10
は、ガラス基板10aに絶縁層14を積層し、液晶層2
0と対向する面に対向電極13を配置した構造となって
いる。
【0037】なお、ガラス基板1aの上には、多結晶シ
リコン層2の上にゲート電極4を配置したp−SiTF
T9が形成されている。これらの構造は、従来例と同様
である。
【0038】一方、対向基板10は、ガラス基板10a
の上に、Alから成る遮光のための第1遮光層11を膜
厚1500オングストローム形成しパターンニングし、
次に、Cr/CrOからなる第2遮光層12を膜厚15
00オングストローム形成し、これを第1遮光層11の
パターン幅よりも幅広に形成し、第2遮光層12により
第1遮光層11を覆った構造としている。その後、IT
O透明対向電極13を形成し、パターンニングする。上
記第1遮光層11の図中両端面は、図示の如く、テーパ
面11a,11aとなっている。
【0039】なお、このようにして構成された液晶表示
装置の動作については、周知のことであるので、説明を
省略する。
【0040】以上のような構成において、対向基板10
のガラス基板10a側からの光入射に対しては、Al層
部分からなる第1遮光層11と、Cr/CrO層からな
る第2遮光層12の2種類の反射率の異なる層で形成さ
れた遮光層で、p−SiTFT9に光が入射するのを防
止している。
【0041】さて、Alから構成される第1遮光層11
の反射率は400〜800nmの可視光領域で80%以
上の反射率が得られ、第2遮光層12は同様に60%程
度の反射率が得られる。このような2層構造を用いるこ
とにより、Al成膜時の問題である、ピンホールが発生
し易い、接着強度が弱い、Cr膜と比較してエッチング
精度が劣る等の欠点に対する解決を計ることができる。
【0042】更に、サイドエッチングが生じ易い、Al
膜の薬品に対する安定性が低い等の問題を、マスク用の
遮光材料として実績のあるCr/CrO層のパターンで
開口部を規定することで、パターン精度が向上する。更
に、第2遮光層12のCr/CrO膜で第1遮光層11
のAlを覆うことで、Al膜の信頼性を確保することが
できる。
【0043】ちなみに、第2遮光層12のパターン端
は、第1遮光層11のパターン端から両側に3μmはみ
出るように形成した。この3μmの幅は、マスク合わせ
精度および信頼性を考慮しても、十分であり、遮光層の
全体の幅の一番狭いところでも20μm程度であるた
め、問題はない。更に、上述のように第1遮光層(A
l)11の両端をテーパ面11a,11aとしている。
これらのテーパ面11a,11aによって、そこを被う
第2遮光層12の表面がなだらかなものとなり、この第
2遮光層12を被う対向電極(ITO膜)13の段切れ
が防がれる。
【0044】ここで、Al膜の信頼性を更に確保する方
法としては、陽極酸化法によって、Al膜表面に酸化膜
を形成するか、第1遮光層11上に、無機または有機の
絶縁膜を介して、第2遮光層12を形成するようにして
もよい。また、第2遮光層12の上に成膜するITOパ
ターン膜(13)の段切れを生じさせないためにも、A
l膜(11)をそのエッチング時に、上記のようなテー
パ面11aを有するように形成することが望ましい。
【0045】実施例2.図2は、本発明の実施例2の液
晶表示装置の断面図である。図2において示すように、
第2遮光層12とITO対向電極13の間に、透明な絶
縁層14を形成している。絶縁層14は、遮光領域端で
の段差部で、対向電極13のITO膜の段切れを生じさ
せないようにする役割を果たす。更に、この絶縁層14
を介在させることにより、Alで形成される第1遮光層
11の信頼性を向上させることが可能になる。
【0046】なお、絶縁層14の膜厚は、その材料の屈
折率および対向電極13の屈折率と膜厚を考慮して、反
射防止となるような膜厚に設定することが望ましい。ま
た、第2遮光層12は第1遮光層11の全体を覆うよう
にするのが望ましいが、第1遮光層11のパターン端で
少なくとも一部が重なるように形成してもよい。
【0047】実施例3.図3は、本発明の実施例3の液
晶表示装置の説明図であり、同図(A)は液晶表示装置
の一部における断面図、同図(B)は液晶表示装置面内
の幅方向の光強度分布、同図(C)は液晶表示装置面内
の光強度分布の平面図、図4(A)は液晶表示装置面内
の中央部付近の遮光層の配置を示す部分平面図、同図
(B)は液晶表示装置面内の周辺部付近の遮光層の配置
を示す部分平面図である。図3(B)、(C)に示すよ
うに、投射形表示において液晶表示パネルに光源光を入
射させた場合、中央部で光強度が強く、周辺部で光強度
が弱いという、いわゆるパネル中心から同心円状に広が
る光強度分布むらがある。
【0048】これに対して、図3(A)、図4(A)、
(B)に示すように、第1遮光層11、第2遮光層12
の2層構造において、第2遮光層12のCr/CrO層
のパターンで開口部を規定し、第1遮光層11のAl層
のパターン幅を表示パネル内部で入射強度分布と反比例
するように形成することで、パネル中央部での入射光に
対する反射率を上げ、周辺部で入射光に対する反射率を
下げるように配置する。その結果、パネル面内の入射光
の吸収を中央部で低減でき、パネル中央部での温度上昇
を低減することにより、パネル中央部とパネル周辺部の
間の温度分布むらを低減することが可能になる。
【0049】その結果、液晶層20の温度がパネル中央
と周辺とで均一化されるため、中央部と周辺部の間の表
示むらを低減することができる。
【0050】なお、パネル中央部から周辺部に向かって
の、第1遮光層11ないしは第2遮光層12のパターン
幅の変化は連続的であることが望ましいが、段階的であ
ってもよい。また、入射光の分布によっては、同心円状
でなくてもよい。
【0051】更に、入射光強度の低い、例えばパネル周
辺部では、第1遮光層11と第2遮光層12の2層構造
でなく、第2遮光層12の1層構造であってもよい。
【0052】更に、極端には、入射光強度の強いパネル
中央部では、光反射率の高い第1遮光層11の1層構造
とし、入射光強度の低いパネル周辺部では、光反射率の
低い第2遮光層12の1層構造としてもよい。もちろ
ん、更に、反射率の異なる複数の材料を用いて、入射光
強度の強い部分と、入射光強度の弱い部分で、段階的に
材料を変えて行くような方法でもよい。更に、材料とそ
のパターン幅を両方調整することにより、更にきめ細か
く入射光に対する反射率を設定することが可能である。
【0053】なお、第1遮光層11としては、Al以外
にも、Ag、Pt等の高反射率の金属を用いてもよい。
一方、第2遮光層12としては、Cr、Mo、Ta、T
i等を主成分とする低反射金属もしくは低反射有機層で
あってもよい。
【0054】なお、実施例のように第2遮光層12をC
r/CrOで形成することで、液晶パネル内での乱反射
光が、遮光層の液晶層側面で反射してp−SiTFT9
に入射して起こる光リークを低減できる。このような観
点から、第2遮光層12としては、Cr単独よりも、C
r/CrO膜構造を用いることにより、10%以下の低
反射化が計れ、より望ましい。また、液晶面側の低反射
化のためには、CrO以外にも、金属層と低反射有機層
との2層構造が適用可能である。
【0055】さて、図1〜図4に示すような構造の高分
子分散型液晶を用いた液晶表示パネルの組み立て、およ
び液晶層20の形成は、以下のようにして行う。
【0056】アレイ基板1の表示部の周囲に、液晶注入
を行うための対角位置に幅3mmの注入口、排出口を配
置し、この部分を除いて、スクリーン印刷法により接着
用シール剤を印刷形成する。この接着用シール剤は、熱
硬化型のエポキシ系接着剤中に、直径14μmのガラス
ファイバーを9重量%混入したものを用い、他に表示領
域にも非透明スペーサを静電散布法により散布すること
によって、ガラスファイバーと非透明スペーサによりセ
ル厚を制御する。
【0057】そして、アレイ基板1と対向基板10をそ
れぞれ対向させ加熱することによって、エポキシ系接着
剤を硬化させ、空セル状態の液晶表示パネルを作成す
る。
【0058】次に、液晶(BHD社製)と光硬化性組成
物としてアクリル系モノマー及び、光硬化開始剤(メル
ク社製)とを重量比65:35の割合で混合した混合物
を空セル内に注入する。注入方法としては、減圧、加圧
もしくは遠心注入法のいずれでもよい。液晶と光硬化性
組成物の注入が完了した後に、紫外線ランプにより硬化
させ、高分子分散型の液晶層20を形成する。液晶層2
0は、高分子相と液晶相とで構成されている。
【0059】次に、上記各実施例で例示したような、C
r/CrO層を第2遮光層12として、これに絶縁層1
4と透明電極層(画素電極層)8を組み合わせて形成し
た対向基板10を作製し、高反射率ブラックマトリクス
層を用いたものと比較してみた。比較は、液晶表示パネ
ルを投射形光学系にセットして、液晶表示パネル内の温
度むらをサーモビュアを用いて測定して行った。光源光
としては、パネル中心照度100万lxである。
【0060】ブラックマトリクス層の反射率が低下する
と、これに伴い中心温度および温度むらが大きくなる。
もちろん、液晶表示パネルは、通常は、冷却ファン等で
冷却されているが、完全に温度むらをなくすことはでき
ない。冷却能力を高めることにより、中心温度および温
度むらは多少低減される方向ではあっても、根本的な解
決策とはなりえない。もちろん、液冷式にして、更に冷
却能力を高める方法も考えられるが、液晶表示パネルの
構造が複雑になりコストアップとなるばかりでなく、冷
却液の循環系の保守、管理や、故障の発生可能性を考え
ると、民生用の電子機器に採用するのは難しい。
【0061】これに対して、図10の従来例で例示し
た、CrとCrOを用いた構造では、パネル中心温度は
55℃と高く、温度むらも10℃と高い。一方、Alの
第1遮光層11と、Cr/CrOの第2遮光層12を用
いた構造で、第1遮光層11のパターン幅変化を行わな
かった実施例1、2の場合には、中心温度が44℃で、
温度むらは3℃となった。更に、Alのによる第1遮光
層11のパターン幅を、入射光強度分布に対応して、最
適化した実施例3の構造では、中心温度が45℃に対し
て、周辺の温度むらは1℃以下と、温度むらをほとんど
低減させることができた。つまり、温度むらはほとんど
視認されなくなった。
【0062】実施例4〜6.なお、上記各実施例では、
薄膜トランジスタに入射する光を遮光する遮光層、つま
り第1遮光層11や第2遮光層12を、対向基板10側
に形成した場合について例示してきたが、高反射率を有
する遮光層がアレイ基板1側のp−SiTFT9の上ま
たは下、または両方に配置されるような構造においても
有効であることは言うまでもない。つまり、液晶表示パ
ネルの使い方として、光の入射方向をアレイ基板1側か
らとした場合、p−SiTFT9の下からの入射光に対
して、光の反射率を高めてやればよい。アレイ基板1に
おいてp−SiTFT9の下に、第1遮光層11や第2
遮光層12を形成する場合、これらの上に第1層間絶縁
膜5や第2層間絶縁膜7を形成することになるが、その
後のプロセス温度が高いため、絶縁膜としては有機層を
用いることができない。そこで、層間絶縁膜としては、
例えば酸化シリコン、窒化シリコン等の無機膜を形成し
なければならないが、その際の成膜温度も高いため、A
l単層では酸化が生じるため、Cr、Mo、Ta等を主
成分とする低反射膜を形成することが望ましい。この場
合も、第1遮光層11のパターン幅よりも第2遮光層1
2のパターン幅が広いことが望ましい。そして、ガラス
基板1aの上に形成した第1遮光層11、第2遮光層1
2の上に、層間絶縁層を形成し、その後は従来と同様の
方法でp−SiTFT9を形成すればよい。
【0063】なお、遮光層を対向基板10やアレイ基板
1の上に形成する場合において、更に望ましくは、p−
SiTFT9の上下両側に遮光層を形成して、光リーク
を確実に低減させるような構造とするのが効果的であ
る。
【0064】以上のような観点に基づいてなされた実施
例4〜6がそれぞれ図5〜図7に示される。
【0065】即ち、図5は、TFT9の図中下方に遮光
層(BM)を形成した、TFT 下BM構造にして且つ
対向BMの有りの場合の、実施例4を示す。つまり、ガ
ラス基板1a上に、図中左右の側面をテーパ面11a,
11bとした第1遮光層11と、それを十分に被う第2
遮光層12とが形成されている。これらの第1、第2遮
光層11,12は、図1の第1、第2遮光層11,12
と同様の形状、材質のものである。さらに、ガラス基板
10a上の、TFT9と対応する位置に、第1遮光層1
1と同様の形状、材質の第3遮光層31を形設してい
る。ただし、この第3遮光層31は、対向BMなしのも
のにおいては、省略される。その他の構成は図1と同じ
である。ただし、図中、30,5,7は、それぞれ、第
1、第2、第3層間絶縁層を示す。
【0066】図6は、TFTの上下にBMを形成した、
TFT 上下BM構造にして且つ対向BM有りの場合
の、実施例5を示す。つまり、図6の実施例5は、図5
の実施例4において且つTFT9の上方に第4層間絶縁
層32を介して第4遮光層33を形成したものである。
第3遮光層31は、図5のときと同様に、省略すること
もできる。
【0067】図7は、TFTの上下にBMを形成した、
TFT 上下BM構造にして且つ対向BM有りの場合
の、実施例6を示す。つまり、図7の実施例6は、図5
の実施例4において且つTFT9の上方の第2層間絶縁
層5を介して第4遮光層34を形成したものである。つ
まり、第2層間絶縁層2上に載せられる信号線(金属配
線6)と同じ材料を用いて一体にこの第4遮光層34を
形成、遮光領域としたものである。第3遮光層31は、
図5のときと同様に、省略することもできる。
【0068】実施例7.図8は、本発明の実施例7の液
晶表示装置の断面図であり、マイクロレンズアレイを用
いたTN型液晶表示パネルの場合を例示している。この
図においては、図中の上、下に偏光板を省略している。
図8において示すように、液晶表示パネルは、アレイ基
板1と対向基板10の間に、TN型の液晶層21を挟ん
だサンドイッチ状の構造となっている。アレイ基板1
は、ガラス基板1aの上にゲート絶縁層3、更にその上
に第1層間絶縁膜5、第2層間絶縁膜7を積層し、液晶
層21と対向する面にITO透明電極層8を配置した構
造となっている。なお、アレイ基板1内部にはp−Si
TFT9が形成される。
【0069】一方、対向基板10は、ガラス基板10a
の上に、Alで構成される第1遮光層11と、MoTa
膜で構成される第2遮光層12を重ねて配置した遮光層
を有し、その上から絶縁層14を積層し、液晶層21と
対向する面に対向電極13を配置した構造となってい
る。
【0070】もちろん、第1遮光層11のパターン幅に
対して、第2遮光層12のパターン幅は広く取られ、第
1遮光層11は第2遮光層12によって覆われている。
【0071】対向基板10の上には、マイクロレンズ3
1を画素毎に対応させて配置したマイクロレンズアレイ
基板30が接着層32を介して接着されている。
【0072】なお、MoTa層を第2遮光層12として
用いたため、エッチング方法はウエットエッチング法で
はなく、ケミカルドライエッチング(CDE)法を用い
ることになる。この場合、Alの第1遮光層11は第2
遮光層12に完全に覆われているので、Alの腐食耐性
は高いが、CDE法を用いることが可能なMoTa膜を
第2遮光層12に採用することで、より信頼性を高める
ことができる。
【0073】さて、TN型液晶表示パネルの製造方法で
あるが、アレイ基板1と対向基板10の間に空セルを形
成し、液晶層21としてTN型の液晶を注入し、液晶セ
ルを完成させる。次に、画素サイズと同じピッチを有す
るイオン交換法で形成したマイクロレンズ31を有する
マイクロレンズアレイ基板30(厚さ2mm)をUV硬
化型の接着層32を介して張り合せ、位置合わせを行っ
た後に、UV光を照射して硬化、固定する。以上のよう
にして構成される投射型液晶表示装置は、マイクロレン
ズ31により入射光を効率よく液晶表示パネルの開口部
に集めることができるので、実効的な開口率(透過率)
を改善し、高輝度プロジェクタを実現するものである。
【0074】以上のようなTN型液晶表示パネルにおい
ても、従来例のようにCr/CrO膜を用いた場合に
は、光吸収と入射光強度分布により温度むらを生じ、そ
の温度むらにより発生する熱歪によりコントラストむら
が発生するが、本実施例のように、Alを用いた第1遮
光層11とMoTaを用いた第2遮光層12の2層構造
の遮光層を用いることにより、コントラストむらは解消
される。
【0075】ちなみに、液晶表示パネルの中心温度およ
び温度むらは、偏光板により入射光が60%吸収され、
パネル入射照度が低下しても、従来例の構造の場合は、
中心温度44℃では、温度むらは7.5℃にも達する。
しかし、本実施例のように、AlとCr/CrOの2層
構造の遮光層を適用することにより、中心温度を38℃
まで、温度むらを2.5℃にまで改善することが可能に
なった。温度むらを3℃程度まで改善できればコントラ
ストむらは解消されるので、本実施例の場合は、コント
ラストむらはほとんど視認されなくなる。
【0076】更に、Alによる第1遮光層11のパター
ンを、入射光強度分布に応じて、変化させ、適合化する
ことにより、温度むらを1.5℃以下にすることが可能
であるので、コントラストむらをほとんど完全に解消で
きる。
【0077】以上述べたように、本発明によれば、液晶
プロジェクタの世界で、今後ますます進展する高輝度
化、高パワーランプ化や、更には、カラーフィルタ付の
液晶表示パネルによる単板化に対応して、液晶表示パネ
ル表面の温度むらを解消できるので、液晶表示パネルの
性能を飛躍的に向上させることができる。また、カラー
フィルタとして顔料分散等の有機系のものを用いる場合
は、なるべくカラーフィルターの透過率を向上させたも
のを用いることが望ましい。
【0078】特に、液晶表示パネル面内の光強度分布を
考慮して、高反射率の遮光層と低反射率の遮光層のパタ
ーンを最適化することにより、液晶表示パネルの表示性
能を大幅に向上できる。一方、今後、アスペクト比1
6:9のワイド画面のテレビ方式が一般化してくると、
液晶表示パネルの面内の光強度分布の変化が更に顕著に
なる傾向があるが、本発明によれば、広い範囲で液晶表
示パネル面内の温度むらを低減することが可能である。
【0079】また、光学的な手法で、液晶表示パネルに
入射する光の強度分布に手が加えられたようなシステム
においても、遮光層のパターンをこれに合わせて最適化
することにより、同様の効果を得ることが可能である。
【0080】また、上記各実施例では、画素スイッチに
ポリシリコンタイプの薄膜トランジスタを用いているた
めに、表示部領域の外側の他の部分に駆動回路が存在し
ている。この駆動回路をアレイ基板1の上に形成するこ
ともできるが、この場合、ポリシリコン薄膜トランジス
タからなる駆動回路での発熱はそれほど大きくないの
で、入射光強度分布のみを考慮しただけでも十分であ
る。しかし、例えば駆動周波数が上り、消費電力が増大
した場合や、画素スイッチにアモルファスシリコン薄膜
トランジスタを用いて、外付けの集積回路で駆動する場
合、駆動回路部分での発熱により、液晶表示パネルの温
度分布に影響が生じる可能性がある。このような場合、
駆動回路部の配置構造まで考慮した遮光部のパターン形
状の最適化を行うことにより、液晶表示パネル内部の温
度分布を均一に保つことが可能であることは言うまでも
ない。
【0081】投射型液晶装置において、CRT型投射装
置や直視型CRTと比較して今後民生用製品レベルの表
示品位として問題となる特性としては液晶材料の応答速
度が遅いことによる残像現象の解消である。この問題に
対しては、最近セル中央部でベント配向を有するOCB
(Optically Compensated Birefringence )液晶が応答
速度が速いという特徴から最近注目され始めている。し
かし、このOCB液晶もまた黒表示レベルが温度変化に
より大きく変化する。これはリタデーションの温度変化
によるものであり、上記のような投射型表示装置に用い
る場合は温度むらを小さくすることが重要であり、本発
明はOCB液晶を用いたものにも有効であることは言う
までもない。
【0082】なお、本発明の実施例と従来例の説明及び
それらを示す断面図では、TFTのみについてしか触れ
ていないが、実際には補助容量が形成される。この補助
容量の説明、図示は省略している。即ち、この補助容量
は、TFTの活性層であるp−Si膜を延長したパター
ンを、それにTFTソース・ドレイン部形成と同時に不
純物を注入して下電極としたものと、TFTのゲート絶
縁膜と同じ絶縁膜と、TFTのゲート絶縁材料と同じ材
料で上電極を形成することで、形成される。
【0083】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の液晶表示装
置は、画素スイッチ用のトランジスタに入射光が入らな
いようにするための遮光層を、高反射率の反射層と、こ
れを覆うように配置した低反射率の反射層の2層構造と
したので、液晶表示パネルの温度上昇および温度むらを
低減でき、結果として表示むらを低減でき、更に、遮光
層のパターンを入射光強度分布に対応して最適化するよ
うに構成したので、液晶表示パネルの温度むらを更に低
減して、表示むらを解消することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液晶表示装置の断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例2の液晶表示装置の断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例3の液晶表示装置の一部の断面
図及び光強度分布の説明図である。
【図4】本発明の実施例3の平面的説明図である。
【図5】本発明の実施例4の液晶表示装置の断面図であ
る。
【図6】本発明の実施例5の液晶表示装置の断面図であ
る。
【図7】本発明の実施例6の液晶表示装置の断面図であ
る。
【図8】本発明の実施例7の液晶表示装置の断面図であ
る。
【図9】高分子分散型液晶のV−T特性の温度依存性の
説明図である。
【図10】従来の液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 アレイ基板 1a、10a ガラス基板 2 多結晶シリコン層 3 ゲート絶縁層 4 ゲート電極 5 第1層間絶縁膜 6 金属配線 7 第2層間絶縁膜 8 透明電極 9 p−SiTFT 10 対向基板 11、15 第1遮光層 12、16 第2遮光層 13 対向電極 14 絶縁層 30 マイクロレンズアレイ基板 31 マイクロレンズ 32 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡 邉 好 浩 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 山 田 義 孝 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二次元状に配置された画素電極と、この画
    素電極に印加される駆動電極をスイッチングする画素ス
    イッチとを配置してなるアレイ基板と、 この画素電極に対向して配置された対向電極が形成して
    なる対向基板と、 前記アレイ基板と前記対向基板との間に介在された液晶
    層とを備え、 前記アレイ基板と前記対向基板との少なくとも一方の基
    板の前記電極形成面には、光源からの入射光が前記画素
    スイッチへ入射することを防止する遮光領域が配置さ
    れ、 且つこの遮光領域は、前記入射光に対する反射率が異な
    る少なくとも2層以上から構成され、最下層の遮光層に
    より上層の遮光層の一部が直接前記基板の前記電極形成
    面に接して配置されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】前記遮光領域は、前記入射光に対する反射
    率が大きな第1の遮光層と小さな第2の遮光層との少な
    くとも2層を有し、前記入射光に対して前記第1の遮光
    層が中心側に位置し、前記第2の遮光層が前記第1の遮
    光層の周辺に位置するように前記第1,2の遮光層を配
    置したことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記遮光領域は、前記対向基板の前記電極
    形成面に突き出た形に設けられており、前記第1の遮光
    層の両側面は逆ハの字状に向かい合うように立ち下がる
    一対のテーパ面となっており、前記対向電極は前記第1
    の遮光層を前記第2の遮光層を介して覆っており、前記
    対向基板の段切れが前記テーパ面によって防止されるも
    のであることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】前記第1の遮光層の幅と前記第2の遮光層
    の幅とは、入射光の平面強度分布に応じて変化しており
    当該装置における入射光による光吸収量が平均化されて
    なることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記アレイ基板上には、前記画素電極と前
    記遮光領域との間に絶縁層が介在していることを特徴と
    する請求項1記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記対向基板上には、前記対向電極と前記
    遮光領域との間に絶縁層が介在していることを特徴とす
    る請求項1記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】前記絶縁層は、少なくとも2層以上から構
    成されていることを特徴とする請求項5または6記載の
    液晶表示装置。
  8. 【請求項8】前記遮光領域は、前記アレイ基板上に配置
    され、且つ前記画素スイッチは前記ら絶縁層を介し前記
    遮光領域上に光を入射することを遮光する遮光層が配置
    されていることを特徴とする請求項6記載の液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】前記対向基板上には、前記画素スイッチに
    光を入射することを遮光する遮光層が配置されているこ
    とを特徴とする請求項7記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】前記液晶非層は、高分子分散型液晶また
    は微粒子分散液晶等の光散乱表示モードの表示モードの
    液晶層であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】前記液晶層は、TN型液晶もしくは中央
    部でねじれ配向が存在するベンド配向液晶の層からなっ
    ていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載の液晶表示装置。
  12. 【請求項12】前記第1の遮光層はAl,Ag,Ptの
    うち少なくとも1つを主成分とする高反射金属層で形成
    され、前記第2の遮光層はCr,Mo,Ti,Taのう
    ち少なくとも1つを主成分とする低反射率の金属層か有
    機層のうちいずれかで形成されていることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の液晶表示装置。
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