(実施の形態1)
まず、本実施の形態を説明する前に、本発明に係る液晶表示パネルにおいて共通する構造について説明する。表1に、当該液晶表示パネルに用いる円偏光板の構成例を示す。
表1では、液晶を挟んでCF基板側の円偏光板及びTFT(Thin Film Transistor)が形成される基板(以下、TFT基板ともいう)側の円偏光板が示されている。表1に示される円偏光板は、λ/4板及びλ/2板、直線偏光板で構成されており、一般的に広帯域円偏光板と呼ばれるものである。また、λ/4板及びλ/2板は、一般的に位相差板とも呼ばれている。
さらに、表1には、光の偏光状態を制御するパラメータである位相差及び位相差板の遅相軸、直線偏光板の吸収軸が示されている。なお、遅相軸及び吸収軸の角度は、基板の右方向を0°として反時計回りに設定している。すなわち、基板の上方向が90°、基板の左方向が180°、基板の下方向が270°としている。また、表1に示した位相差は、波長550nmに対する値である。
次に、図11に、本発明に係る半透過型の液晶表示パネルの断面図を示す。図11に示す液晶表示パネルには、TFT基板1とCF基板2とにより液晶層3が挟持されている。また、TFT基板1上には、TFT(図示せず)と接続された反射電極4が形成され、CF基板2上には、反射電極4と相対する位置にギャップ制御層5が形成されている。そのため、TFT基板1とCF基板2とのセルギャップはD1であるが、反射電極4上のセルギャップはD2(<D1)となっている。なお、液晶層3に用いられる液晶材料は、電圧が無印加状態の場合、TFT基板1及びCF基板2に対して略平行に1軸配向し、電圧が印加状態の場合、起き上がるように運動する。また、反射電極4は、CF基板2側から入射した光を反射する。
次に、TFT基板1には、液晶層3と接する面の反対側に表1に示した円偏光板が設けられている。具体的には、λ/4板6及びλ/2板7、直線偏光板8の順でTFT基板1に積層されている。同様にCF基板2にも、液晶層3と接する面の反対側に表1に示した円偏光板が設けられている。具体的には、λ/4板9及びλ/2板10、直線偏光板11の順でCF基板2に積層されている。
液晶表示パネルの表示特性(電気光学特性)は、主にλ/4板6,9及びλ/2板7,10の位相差,遅相軸と、直線偏光板8,11の吸収軸と、セルギャップと、液晶層3の捩れ角と、液晶材料の物性値と、駆動電圧で決まる。なお、液晶層3の捩れ角は、TFT基板1の配向処理方向とCF基板2の配向処理方向との角度差である。また、液晶材料の物性値には、屈折率や弾性定数などがある。さらに、広視野角の液晶表示パネルでは、視野角補償板の位相差,遅相軸も表示特性に影響を与える。一般的に、液晶表示パネルでは、所望の電気光学特性を得ることができるように、上記に示すパラメータを設計している。
円偏光板を用いた半透過型の液晶表示パネルでは、透過領域と反射領域とでセルギャップをそれぞれ別個に設定する必要がある。別個にセルギャップを設定するための段差(ギャップ制御層5)は、TFT基板1側に形成しても良いし、CF基板2側に形成しても良い。図11に示す液晶表示パネルでは、CF基板2側にギャップ制御層5を形成する構造である。
表1に示した円偏光板及び液晶層3のパラメータに設計された半透過型の液晶表示パネルでは、図12に示すような駆動電圧と反射率の関係が得られる。図12は、セルギャップdを2.0μm、1.5μm、1.0μm、0.5μmと変化させる場合の駆動電圧と反射率を示している。この図12の結果から、液晶を駆動させる全電圧範囲においてセルギャップが狭くなればなるほど反射率が低くなることが分かる。このように、本発明に係る液晶表示パネルでは、円偏光板のパラメータを設計することで、液晶層3に印加する全駆動電圧範囲において、TFT基板1とCF基板2との間隙(セルギャップ)が狭いほど反射率が低下するように設定している。なお、円偏光板の構成は表1の構成に限られず、λ/4板と直線偏光子の組み合わせやλ/4板とλ/2板の位相差板の積層体と直線偏光子の組み合わせ等、間隙(セルギャップ)が狭いほど反射率が低下するように設定できれば他の構成であっても良い。
特に、本発明に係る液晶表示パネルでは、TFT基板1に形成される配線上のセルギャップを画素内の表示領域(反射領域又は透過領域)上のセルギャップよりも狭く設定している。これにより、本発明に係る液晶表示パネルでは、配線上で反射する光を弱めることができる。なお、配線上の液晶に印加される電圧は、駆動方式、配線上の絶縁膜の有無、絶縁膜を形成する場合は絶縁膜自体の誘電率及び膜厚に依存する。しかし、どのような場合であっても、配線上の液晶に印加される電圧は、画素上の液晶に印加される電圧より低くなる。そのため、液晶表示パネルの電気光学特性が図12に示すようにした場合、セルギャップを狭くすることで、配線上で反射される光を弱めることができる。
配線上のセルギャップを表示領域のセルギャップよりも狭くする手法として、少なくともTFT基板1又はCF基板2のいずれか一方の配線に対応する位置に凸部を設けることが考えられる。詳細は後述するが具体的な手法として、配線上の対応する位置にキャップ制御層5を配置させ、且つカラーフィルタの隣接する色材同士を重ねる手法がある。当該手法を実施した場合、セルギャップを狭くする効果の以外に、複数の色材を重ねることによる透過率減少の効果がある。
一例として、EBU(European Broadcasting Union)規格の基づく色材を用いた場合の波長と透過率との関係を図13に示す。そして、図13に示す色材を複数重ねた場合の波長と透過率との関係を図14に示す。図13では、Blueの色材、Greenの色材、Redの色材のそれぞれの波長と透過率との関係が示されている。また、図14では、RedとBlueの色材を重ねた場合、BlueとGreenの色材を重ねた場合、GreenとRedの色材を重ねた場合のそれぞれの波長と透過率との関係が示されている。
さらに、図15には、反射光が複数重ねた色材から出射する場合の波長と透過率との関係が示されている。なお、図13乃至図15の光源は、C光源を用いている。ここで、C光源とは、太陽光に近い光であり、A光源(色温度が2854Kのガスが封入されたタングステン電球が発する光)にフィルタをかけて色温度を約6740Kにした光である。図15に示した透過率のなかでは、BlueとGreenとを重ねた色材の場合の透過率が最も高くなっているが、この場合でも透過率は6%(空気比)程度である。Redの色材とBlueの色材とを重ねた場合は、最も透過率が小さ<なり、透過率は0.4%(空気比)程度である。
本発明に係る液晶表示パネルでは、配線上のセルギャップを表示領域のセルギャップより1.0μm以上狭くすることで、配線上の反射率は図12に示すように表示領域上の反射率の1/2〜1/3程度となる。そのため、この反射率に図15に示す透過率を掛け合わせると、配線上での反射光強度は3%以下にまで抑えることができる。よって、色材を重ねた液晶表示パネルでは、反射型でのコントラストの劣化、反射型での縦クロストークなどの表示不良の問題が視認されなくなる。
次に、本実施の形態に係る半透過型の液晶表示パネルについて詳しく説明する。まず、図1に、本実施の形態に係る半透過型の液晶表示パネルの断面図を示す。図1に示す液晶表示パネルは、ソース配線16の近傍の断面図である。そして、図1に示すTFT基板1上には、補助容量配線であるCs配線19及び絶縁膜20が積層され、絶縁膜20上にソース配線16が形成されている。さらに、ソース配線16上には、絶縁膜21が形成されている。この絶縁膜21上に、ソース配線16と重ならない位置に反射電極4が設けられている。なお、Cs配線19が形成される反対側のTFT基板1の面には、円偏光板12が設けられている。この円偏光板12は、図11で示した、λ/4板6及びλ/2板7、直線偏光板8により構成されている。
一方、図1に示すCF基板2上には、Redの色材23とGreenの色材24とが、ソース配線16に対応する位置で一部が重なり合うように形成されている。そして、Redの色材23及びGreenの色材24上には、ギャップ制御層5形成されている。なお、Redの色材23及びGreenの色材24が形成される反対側のCF基板2の面には、円偏光板13が設けられている。この円偏光板13は、図11で示した、λ/4板9及びλ/2板10、直線偏光板11により構成されている。
図1のように、ソース配線16に対応する位置にもキャップ制御層5を配置させ、且つRedの色材23とGreenの色材24とを重ねることで、ソース配線16上のセルギャップD3を反射電極4上のセルギャップD2よりが狭くしている。セルギャップD3は、図1から分かるように、セルギャップD2に対し色材24の膜厚分狭くなっている。
図2(a)乃至図2(d)に、本実施の形態に係る液晶表示パネルのCF基板の構成を説明する平面図を示す。図2(a)はブラックマトリクスのパターンを、図2(b)は色材のパターンを、図2(c)はギャップ制御層5のパターンを、図2(d)は1画素の大きさと画素内の透過領域27と反射領域28との位置関係をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ガラスなどの透明基板からなるCF基板2上の開口部に、図2(a)に示すようにブラックマトリクスを形成せずに、Red(赤色)の色材23、Green(緑色)の色材24、Blue(青色)の色材25をストライプ状に形成している(図2(b))。色材23,24,25を形成する際、隣接する異なる色材同士を一部重ねて配置する。色材23,24,25が重なる領域26の幅は、3μm〜15μm程度とし、色材23,24,25が重なる領域26の中心線は、ソース配線16の中心線と一致するようにする。なお、CF基板2上の開口部とは、画像が表示される画素を形成する領域であり、図2(a)に示す領域である。また、色材23,24,25は、ストライプ状に形成する場合に限られずドット形状に形成しても良い。
色材23,24,25の上層に、図2(c)に示すようなパターンでギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5は、透過領域27と反射領域28でセルギャップをそれぞれ別個に設定させるために設ける部材であり、反射領域28の色材23,24,25の上に透明樹脂材、例えばアクリル系樹脂で形成する。その際、透過領域のソース配線16等に対応する位置にもギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5の膜厚は、透過領域のセルギャップと反射領域28のセルギャップとの差であり、1μm〜4μm程度である。
上記構成により、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28においてソース配線16上のセルギャップが色材23,24,25の膜厚分、反射電極4上のセルギャップよりも狭くなる構造となる。透過領域においてもソース配線16上のセルギャップが、色材23,24,25の膜厚とギャップ制御層5の膜厚との合計分、他の透過領域のセルギャップよりも狭くなる構造となる。具体的には、色材23,24,25の膜厚が1μm程度、反射電極4上のセルギャップを2μm程度と設定した場合、透過領域27及び反射領域28のソース配線16上のセルギャップは1μm程度となる。なお、CF基板2の最表面(液晶層3と接する側の面)は、図示していないが共通電極である透明電極が形成される。
次に、比較のため一般的な半透過型の液晶表示パネルの断面図を図3に、CF基板2の構成を示す平面図を図4(a)乃至図4(d)にそれぞれ示す。Redの色材23とGreenの色材24とが重なる部分がなく、Redの色材23とGreenの色材24との間にブラックマトリクス22が形成されている以外は、図3に示す液晶表示パネルと図1に示す液晶表示パネルとは同じである。そのため、図3と図1とで同じ要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
ガラスなどの透明基板からなるCF基板2上の開口部には、図4(a)に示すようなパターンのブラックマトリクス22が形成され、その上層にRedの色材23、Greenの色材24、Blueの色材25がストライプ状に形成されている(図4(b))。なお、図示していないが、表示したときの反射領域28と透過領域27とで色味をそろえるために反射領域28の色材の一部を抜いて形成する場合がある。図示しないが、さらに、色材23,24,25の上にオーバーコート層が形成されているものもある。図4(c)及び図4(d)は、図2(c)及び図2(d)と同じ構成であるため詳細な説明は省略する。
次に、本実施の形態に係る液晶表示パネルのTFT基板1の構成を図5に示す。本実施の形態に係る液晶表示パネルは、図5に示すように透過領域27と反射領域28が画素の上下で分かれているような半透過型である。但し、本発明は、図5に示すような単純な構造の半透過型のみに適用できるだけでなく、図示していないが任意に透過領域27と反射領域28とが配置されるような構造の半透過型にも適用することができる。また、TFTの構造も図5示すようなボトムゲート型に限定されない。
図5に示すTFT基板1は、個々の画素には透過領域27を構成する透明電極15と反射領域28を構成する反射電極4とが形成されている。そして、透明電極15と反射電極4から構成されている画素電極を駆動するため、それぞれの画素にはTFT18(薄膜トランジスタ)が配置されている。このTFT18は、透明電極15と反射電極4とが電気的に接続されている。TFT18のゲート電極はゲート配線17(制御線)に接続され、ゲート端子(図示せず)から入力される信号によってTFT18のONとOFFとを制御している。また、TFT18のソース電極はソース配線16(信号配線)に接続されている。ソース配線16の下層の一部にはCs配線19が設けられている。
次に、本実施の形態に係る液晶表示パネルの製造工程を説明する。まず、TFT基板1にTFT18等を形成する工程を説明する。ガラスなどの透明基板からなるTFT基板1上に金属を成膜し、感光性樹脂であるレジストをスピンコートで塗布、露光、現像を行う写真製版工程及びエッチング工程を行うことで、ゲート配線17、ゲート電極、ゲート端子、Cs配線19等を形成する。そして、ゲート配線17等の上に、プラズマCVD等の各種CVD法でゲート絶縁膜、半導体薄膜であるアモルファスシリコンを成膜し、写真製版工程及びエッチング工程を行うことで半導体薄膜のパターン形成を行う。その後、半導体薄膜等の上に、スパッタなどでソース配線材料となる導電性膜を成膜し、写真製版工程及びエッチング工程を行うことで、ソース配線16及びソース電極、ドレイン電極、ソース端子等を形成する。
なお、このソース配線16等のパターンをマスクとして、下層のn型の半導体薄膜をエッチングなどで除去し、電気的に隣り合うソース配線16間等を絶縁状態にしておくことが望ましい。その後、プラズマCVD等の各種CVD法を用いて、ソース配線16等の上にSi3N4,SiO2等あるいはそれらの混合物及び積層物からなる絶縁膜で形成した保護膜を形成する。そして、図示していないゲート端子部及びソース端子部の導通をとるために、ゲート絶縁膜と保護膜とにコンタクトホールを形成する。さらに、TFT18のドレイン電極部の導通をとるための保護膜にコンタクトホールを形成する。
その後、ITO(Indium Tin Oxide),SnO2,InZnO等の透明導電膜あるいはこれらの積層、あるいは混合層からなる透明導電層をスパッタ、蒸着、塗布、CVD、印刷法、ゾルゲル法等の手法で成膜し、写真製版工程及びエッチング工程を経て、透明電極15を形成する。なお、透明電極15と反射電極4とはドレイン電極と導通がとられている。これらの一連の工程を経ることで、液晶を駆動するためのTFT18等が設けられたTFT基板1が形成される。
次に、上記のようにして製造したTFT基板1と、それに対向するCF基板2とを用いて、液晶表示パネルを製造する方法について説明する。TFT基板1及びCF基板2には液晶分子を配向させるための配向膜(ポリイミド樹脂)が塗布されている。この配向膜には、例えばJSR社製AL5056が用いられる。次に、塗布した配向膜に布でラビング処理を施す。ラビング処理の方向が、液晶分子を平行配向させるため、TFT基板1、CF基板2とは反平行方向にラビング処理を施す。その後、TFT基板1には表示領域の周囲にシール材をディスペンサで塗布し、両基板の配向膜面が対向するように貼り合わせる。
貼り合わせた基板に対して、適当な圧力をかけながら加熱することでシール材を硬化させて、透過領域のセルギャップを3.8μm、反射領域のセルギャップを2.0μmに調整する。なお、液晶表示パネルは、セルギャップを均一に保つために、柱状スペーサを設けたり、貼り合わせ前の基板の一方にスペーサを散布する場合がある。
そして、複屈折率が0.065〜0.070の液晶材料を例えば真空注入法により貼り合わせた基板の間に注入する。液晶注入後、TFT基板1の外側の面に視野角補償板(図示せず)と円偏光板12を、CF基板2の外側の面に円偏光板13をそれぞれ貼り付ける。なお、図示していないが、CF側の円偏光板13には、拡散材又は拡散シートを配置することで散乱特性の機能を持たせている。さらに、TFT基板1の外側に照明装置(図示せず)を設置することで本実施の形態に係る液晶表示パネルが形成される。
本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ゲート配線17にTFT18をONさせるための電圧Vg_high=18V、又はTFT18をOFFさせるための電圧Vg_Low=6Vを印加している。一方、黒電圧を画素電極(反射電極4及び透明電極15)に供給するソース配線16には、11.5Vと0.5Vの交流波形が印加され、対向電極には4.9V〜5.5V程度の直流電圧が印加されている。実際、画素電極には、フィールドスルーで降下した電圧を差し引いた約11Vと0Vの電圧が印加されるので、画素電極と対向電極との間の液晶には5.5V程度の電圧が印加されることになる。
以上の製造工程によって形成された本実施の形態に係る半透過型の液晶表示パネルは、カラーフィルタの色材23,24,25を複数重ねて凸部を形成し、ソース配線16上のセルギャップを狭くしている。そのため、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ソース配線16での反射を抑えることができ、反射型で使用する際のコントラスト低下や縦クロストークを防止することができる。また、本実施の形態に係る液晶表示パネルは、従来のようにブラックマトリクス(遮光膜)22を必要としないため、透過領域27(透過電極15)及び反射領域28(反射電極4)を広げることが可能であり、低コストで且つエネルギー効率を高くすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る液晶表示パネルは、実施の形態1に係る液晶表示パネルとCF基板2の構成が異なるのみで他の構成については同じである。そのため、以下に述べる本実施の形態に係る液晶表示パネルの説明では、主としてCF基板2の構成について行い、他の構成についての詳細な説明を省略する。
まず、図6(a)乃至図6(d)に、本実施の形態に係る液晶表示パネルのCF基板2の構成を説明する平面図を示す。図6(a)はブラックマトリクス22のパターンを、図6(b)は色材のパターンを、図6(c)はギャップ制御層5のパターンを、図6(d)は1画素の大きさと画素内の透過領域27と反射領域28との位置関係をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ガラスなどの透明基板からなるCF基板2上の開口部に、図6(a)に示すように透過領域27の一部のみにブラックマトリクス22を形成している。つまり、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、透過領域27の配線に対応する位置にブラックマトリクス22を形成している。
そして、ブラックマトリクス22の上層に、Redの色材23、Greenの色材24、Blueの色材25をストライプ状に形成している(図6(b))。色材23,24,25を形成する際、隣接する異なる色材同士を一部重ねて配置する。色材23,24,25が重なる領域26の幅は、3μm〜15μm程度とし、色材23,24,25が重なる領域26の中心線は、ソース配線16の中心線と一致するようにする。なお、色材23,24,25は、ストライプ状に形成する場合に限られずドット形状に形成しても良い。
色材23,24,25の上層に、図6(c)に示すようなパターンでギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5は、透過領域27と反射領域28でセルギャップをそれぞれ別個に設定させるために設ける部材であり、反射領域28の色材23,24,25の上に透明樹脂材、例えばアクリル系樹脂で形成する。ギャップ制御層5の膜厚は、透過領域27のセルギャップと反射領域28のセルギャップとの差であり、1μm〜4μm程度である。
上記構成により、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28においてソース配線16上のセルギャップが色材23,24,25の膜厚分、反射電極4上のセルギャップよりも狭くなる構造となる。具体的には、色材23,24,25の膜厚が1μm程度、反射電極4上のセルギャップを2μm程度と設定した場合、反射領域28のソース配線16上のセルギャップは1μm程度となる。なお、透過領域27においてもソース配線16上のセルギャップが、色材23,24,25の膜厚分、他の透過領域27のセルギャップよりも狭くなる構造となる。また、CF基板2の最表面(液晶層3と接する側の面)は、図示していないが共通電極である透明電極が形成される。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、透過領域27の配線上に対応する位置にブラックマトリクス22を設けているので、実施の形態1の効果に加えて、透過型として使用する際に配線上のからの光漏れを防止しコントラスト比の高い液晶表示パネルを得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る液晶表示パネルは、実施の形態1に係る液晶表示パネルとCF基板2の構成が異なるのみで他の構成については同じである。そのため、以下に述べる本実施の形態に係る液晶表示パネルの説明では、主としてCF基板2の構成について行い、他の構成についての詳細な説明を省略する。
まず、図7(a)乃至図7(d)に、本実施の形態に係る液晶表示パネルのCF基板2の構成を説明する平面図を示す。図7(a)はブラックマトリクス22のパターンを、図7(b)は色材のパターンを、図7(c)はギャップ制御層5のパターンを、図7(d)は1画素の大きさと画素内の透過領域27と反射領域28との位置関係をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ガラスなどの透明基板からなるCF基板2上の開口部に、図7(a)に示すようにブラックマトリクスを形成せずに、Redの色材23、Greenの色材24、Blueの色材25をストライプ状に形成している(図7(b))。色材23,24,25を形成する際、隣接する異なる色材同士を一部重ねて配置する。色材23,24,25が重なる領域26の幅は、3μm〜15μm程度とし、色材23,24,25が重なる領域26の中心線は、ソース配線16の中心線と一致するようにする。なお、色材23,24,25は、ストライプ状に形成する場合に限られずドット形状に形成しても良い。
色材23,24,25の上層に、図7(c)に示すようなパターンでギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5は、透過領域27と反射領域28でセルギャップをそれぞれ別個に設定させるために設ける部材であり、反射領域28の色材23,24,25の上に透明樹脂材、例えばアクリル系樹脂で形成する。ギャップ制御層5の膜厚は、透過領域27のセルギャップと反射領域28のセルギャップとの差であり、1μm〜4μm程度である。
上記構成により、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28においてソース配線16上のセルギャップが色材23,24,25の膜厚分、反射電極4上のセルギャップよりも狭くなる構造となる。具体的には、色材23,24,25の膜厚が1μm程度、反射電極4上のセルギャップを2μm程度と設定した場合、反射領域28のソース配線16上のセルギャップは1μm程度となる。なお、透過領域27においてもソース配線16上のセルギャップが、色材23,24,25の膜厚分、他の透過領域27のセルギャップよりも狭くなる構造となる。また、CF基板2の最表面(液晶層3と接する側の面)は、図示していないが共通電極である透明電極が形成される。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、透過領域27のソース配線16等に対応する位置にギャップ制御層5を形成していない分コストを低減できると共に、実施の形態1と同様のエネルギー効率の高い液晶表示パネルを得ることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態に係る液晶表示パネルは、実施の形態1に係る液晶表示パネルとCF基板2の構成が異なるのみで他の構成については同じである。そのため、以下に述べる本実施の形態に係る液晶表示パネルの説明では、主としてCF基板2の構成について行い、他の構成についての詳細な説明を省略する。
まず、図8(a)乃至図8(d)に、本実施の形態に係る液晶表示パネルのCF基板2の構成を説明する平面図を示す。図8(a)はブラックマトリクス22のパターンを、図8(b)は色材のパターンを、図8(c)はギャップ制御層5のパターンを、図8(d)は1画素の大きさと画素内の透過領域27と反射領域28との位置関係をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ガラスなどの透明基板からなるCF基板2上の開口部に、図8(a)に示すようにブラックマトリクスを形成せずに、Redの色材23、Greenの色材24、Blueの色材25をストライプ状に形成している(図8(b))。色材23,24,25を形成する際、隣接する異なる色材同士を重ねずに接するように配置する。なお、色材23,24,25は、ストライプ状に形成する場合に限られずドット形状に形成しても良い。
色材23,24,25の上層に、図8(c)に示すようなパターンでギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5は、透過領域27と反射領域28でセルギャップをそれぞれ別個に設定させるために設ける部材であり、反射領域28の色材23,24,25の上に透明樹脂材、例えばアクリル系樹脂で形成する。その際、透過領域27のソース配線16等に対応する位置にもギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5の膜厚は、透過領域27のセルギャップと反射領域28のセルギャップとの差であり、1μm〜4μm程度である。さらに、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ギャップ制御層5の膜厚が、ソース配線16に対応する位置とそれ以外とで約1μm異なっている。つまり、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ソース配線16に対応する位置にギャップ制御層5の凸部(図示せず)を設ける構成である。なお、ギャップ制御層5の凸部を設ける方法として、凸部だけ別途成膜する方法や、写真製版技術を用いて凸部を形成する方法が考えられる。
上記構成により、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28においてソース配線16上のセルギャップがギャップ制御層5の凸部の膜厚分、反射電極4上のセルギャップよりも狭くなる構造となる。透過領域27においてもソース配線16上のセルギャップが、ギャップ制御層5の凸部の膜厚とギャップ制御層5の膜厚との合計分、他の透過領域27のセルギャップよりも狭くなる構造となる。具体的には、ギャップ制御層5の凸部の膜厚が1μm程度、反射電極4上のセルギャップを2μm程度と設定した場合、透過領域27及び反射領域28のソース配線16上のセルギャップは1μm程度となる。なお、CF基板2の最表面(液晶層3と接する側の面)は、図示していないが共通電極である透明電極が形成される。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、配線に対応する位置にギャップ制御層5の凸部を設けているので、従来のようにブラックマトリクス22を必要とすることなく、透過領域27(透過電極15)及び反射領域28(反射電極4)を広げることが可能であり、低コストで且つエネルギー効率を高くすることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態に係る液晶表示パネルは、実施の形態1に係る液晶表示パネルとCF基板2の構成が異なるのみで他の構成については同じである。そのため、以下に述べる本実施の形態に係る液晶表示パネルの説明では、主としてCF基板2の構成について行い、他の構成についての詳細な説明を省略する。
まず、図9(a)乃至図9(d)に、本実施の形態に係る液晶表示パネルのCF基板2の構成を説明する平面図を示す。図9(a)はブラックマトリクス22のパターンを、図9(b)は色材のパターンを、図9(c)はギャップ制御層5のパターンを、図9(d)は1画素の大きさと画素内の透過領域27と反射領域28との位置関係をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ガラスなどの透明基板からなるCF基板2上の開口部に、図9(a)に示すように透過領域27の一部のみにブラックマトリクス22を形成している。つまり、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、透過領域27の配線に対応する位置にブラックマトリクス22を形成している。
そして、ブラックマトリクス22の上層に、Redの色材23、Greenの色材24、Blueの色材25をストライプ状に形成している(図9(b))。色材23,24,25を形成する際、隣接する異なる色材同士を重ねずに接するように配置する。なお、色材23,24,25は、ストライプ状に形成する場合に限られずドット形状に形成しても良い。
色材23,24,25の上層に、図9(c)に示すようなパターンでギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5は、透過領域27と反射領域28でセルギャップをそれぞれ別個に設定させるために設ける部材であり、反射領域28の色材23,24,25の上に透明樹脂材、例えばアクリル系樹脂で形成する。ギャップ制御層5の膜厚は、透過領域27のセルギャップと反射領域28のセルギャップとの差であり、1μm〜4μm程度である。さらに、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ギャップ制御層5の膜厚が、反射領域28のソース配線16に対応する位置とそれ以外とで約1μm異なっている。つまり、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28のソース配線16に対応する位置にギャップ制御層5の凸部(図示せず)を設ける構成である。なお、ギャップ制御層5の凸部を設ける方法として、凸部だけ別途成膜する方法や、写真製版技術を用いて凸部を形成する方法が考えられる。
上記構成により、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28においてソース配線16上のセルギャップがギャップ制御層5の凸部の膜厚分、反射電極4上のセルギャップよりも狭くなる構造となる。具体的には、ギャップ制御層5の凸部の膜厚が1μm程度、反射電極4上のセルギャップを2μm程度と設定した場合、反射領域28のソース配線16上のセルギャップは1μm程度となる。なお、CF基板2の最表面(液晶層3と接する側の面)は、図示していないが共通電極である透明電極が形成される。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、透過領域27の配線上に対応する位置にブラックマトリクス22を設けているので、実施の形態4の効果に加えて、透過型として使用する際に配線上のからの光漏れを防止しコントラスト比の高い液晶表示パネルを得ることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態に係る液晶表示パネルは、実施の形態1に係る液晶表示パネルとCF基板2の構成が異なるのみで他の構成については同じである。そのため、以下に述べる本実施の形態に係る液晶表示パネルの説明では、主としてCF基板2の構成について行い、他の構成についての詳細な説明を省略する。
まず、図10(a)乃至図10(d)に、本実施の形態に係る液晶表示パネルのCF基板2の構成を説明する平面図を示す。図10(a)はブラックマトリクス22のパターンを、図10(b)は色材のパターンを、図10(c)はギャップ制御層5のパターンを、図10(d)は1画素の大きさと画素内の透過領域27と反射領域28との位置関係をそれぞれ示している。
本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ガラスなどの透明基板からなるCF基板2上の開口部に、図10(a)に示すようにブラックマトリクスを形成せずに、Redの色材23、Greenの色材24、Blueの色材25をストライプ状に形成している(図10(b))。色材23,24,25を形成する際、隣接する異なる色材同士を重ねずに接するように配置する。なお、色材23,24,25は、ストライプ状に形成する場合に限られずドット形状に形成しても良い。
色材23,24,25の上層に、図10(c)に示すようなパターンでギャップ制御層5を形成する。ギャップ制御層5は、透過領域27と反射領域28でセルギャップをそれぞれ別個に設定させるために設ける部材であり、反射領域28の色材23,24,25の上に透明樹脂材、例えばアクリル系樹脂で形成する。ギャップ制御層5の膜厚は、透過領域27のセルギャップと反射領域28のセルギャップとの差であり、1μm〜4μm程度である。さらに、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、ギャップ制御層5の膜厚が、反射領域28のソース配線16に対応する位置とそれ以外とで約1μm異なっている。つまり、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28のソース配線16に対応する位置にギャップ制御層5の凸部(図示せず)を設ける構成である。なお、ギャップ制御層5の凸部を設ける方法として、凸部だけ別途成膜する方法や、写真製版技術を用いて凸部を形成する方法が考えられる。
上記構成により、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、反射領域28においてソース配線16上のセルギャップがギャップ制御層5の凸部の膜厚分、反射電極4上のセルギャップよりも狭くなる構造となる。具体的には、ギャップ制御層5の凸部の膜厚が1μm程度、反射電極4上のセルギャップを2μm程度と設定した場合、反射領域28のソース配線16上のセルギャップは1μm程度となる。なお、CF基板2の最表面(液晶層3と接する側の面)は、図示していないが共通電極である透明電極が形成される。
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示パネルでは、透過領域27のソース配線16等に対応する位置にギャップ制御層5を形成していない分コストを低減できると共に、実施の形態4と同様のエネルギー効率の高い液晶表示パネルを得ることができる。
(実施の形態7)
実施の形態1乃至実施の形態3では、色材23,24,25を形成する際、隣接する異なる色材同士を一部重ねて(幅3μm〜15μm程度)配置していた。これにより、実施の形態1乃至実施の形態3は、反射領域28においてソース配線16上のセルギャップが色材23,24,25の膜厚分、反射電極4上のセルギャップよりも狭くなるような凸部が形成される構成となっていた。
しかし、本発明は、上記の構成に限られず、ソース配線16に対応する位置に隣接しない異なる色材を複数重ねる構成であっても、隣接する異なる色材同士が重なった部分に別の色材をさらに重ねて3色の色材を重ねる構成であっても良い。
このような構成であっても、反射領域28のソース配線16上のセルギャップは狭くなるので、実施の形態1乃至実施の形態3と同じ効果を得ることができる。さらに、3色の色材を重ねる構成の場合は、実施の形態1で説明したように、色材透過率のさらに減少するので表示品位がより高い液晶表示パネルを得ることができる。
また、実施の形態1乃至実施の形態6では、主に半透過型の液晶表示パネルについて説明を行った。しかし、本発明は、外光を反射させて画像を表示させる構成において、有機膜を用いない場合であっても、エネルギー効率が有機膜を用いる場合と同等程度にすることができる液晶表示パネルであるため、透過領域を全く有しない反射型の液晶表示パネルにそのまま適用することが可能である。
また、実施の形態1乃至実施の形態6では、色材23,24,25の上にギャップ制御層5を形成していたが、本発明はこれに限られず色材23,24,25の下にギャップ制御層5を形成する構成であっても良い。
さらに、実施の形態1乃至実施の形態6では、色材23,24,25を重ねることで凸部を設けたり、セルギャップ制御層5自身に凸部を設けたりしたが、本発明はこれに限られず、配線16上の間隙を反射電極4上の間隙に比べ狭くできる凸部が形成されれば良く、配線16上に絶縁膜等で凸部を設ける構成や、TFT基板1及びCF基板2の配線に16に対応する位置にそれぞれ凸部を設ける構成であっても良い。
1 TFT基板、2 CF基板、3 液晶層、4 反射電極、5 ギャップ制御層、6,9 λ/4板、7,10 λ/2板、8,11 直線偏光板、12,13 円偏光板、15 透明電極、16 ソース配線、17 ゲート配線、18 TFT、19 Cs配線、20,21 絶縁膜、22 ブラックマトリクス、23,24,25 色材、26 色材が重なる領域、27 透過領域、28 反射領域。