JP2001154184A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法

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JP2001154184A
JP2001154184A JP33750099A JP33750099A JP2001154184A JP 2001154184 A JP2001154184 A JP 2001154184A JP 33750099 A JP33750099 A JP 33750099A JP 33750099 A JP33750099 A JP 33750099A JP 2001154184 A JP2001154184 A JP 2001154184A
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colored layer
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Hitoshi Koyama
均 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色層の表面の凹凸を小さく抑制すること
で、その上層に配置形成される配向膜の表面を滑らかな
ものとし、配向膜表面の凹凸に起因する液晶分子の配向
不良を抑制する。 【解決手段】 着色層3の形成の際に、中心波長405
nmのH線を照度600〜810mJ/ cm2 の条件下
で露光し、また着色層3を構成する光重合開始剤濃度を
0. 5〜0. 63wt%、熱重合剤濃度を0. 2〜0.
42wt%の範囲で調整する。その結果、着色層3の表
面中心線平均粗さRA の値を10nm以下となるように
形成でき、その上層に配置形成される配向膜5の表面に
凹凸が生じることを抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶を光シャッ
タとして画像を表示する液晶表示装置に関し、特に着色
層(カラーフィルター)を構成要素として含むカラーの
液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス型液晶表示装置に
はツイステッドネマティック表示方法(以下、TN表示
方法とする。)を採用したものが良く知られている。こ
の方法を採用した液晶表示装置は液晶を駆動する2枚の
透明電極を基板界面上に相対向させて配置するという構
成を有している。
【0003】この液晶表示装置によればアクティブマト
リクス基板と、これに対向する基板に形成された配線を
覆って配向膜を形成し、それぞれ配向方向が垂直に交わ
るようにラビング処理がなされる。これにより液晶分子
はラビング方向前方に向ってわずかにラビング方向前方
に上向き、後方が下に向く状態で立ち上がり、上記のそ
れぞれの基板に向って配向される。液晶分子の立ち上が
り角度をプレチルト角と言い、電圧を印加した場合に液
晶分子の立ち上がり方向を決定する重要なパラメータと
なる。
【0004】この液晶表示装置の画質品位を決定する重
要な要因の一つに、配線〜画素電極間の横方向電界が、
液晶分子のプレチルトに逆らう領域に発生するリバース
チルト等の配向不良の問題がある。この問題を解決する
手段として、液晶分子のプレチルト角を大きくすること
が有効である。
【0005】ところが、図6に示すように、液晶表示装
置を構成する着色層103の表面凹凸が大きい場合、そ
の上層に形成される透明画素電極104の表面凹凸およ
び配向膜105の表面凹凸が大きくなる。配向膜105
上に注入される液晶分子106は配向膜105表面に沿
って配向するために、バラバラな方向に並ぶことにな
り、結果的にガラス基板(カラーフィルター基板)10
1表面に対するプレチルト角107の平均値が小さくな
ってしまうことは、公知の事実である(例えば、液晶討
論会予稿集‘97−P247、水嶋他)。なお、図6に
おいて符号102はガラス基板101表面に形成された
ブラックマトリクスを示している。
【0006】このような問題を解決する手段として、着
色層表面を有機膜で覆って平坦化する技術が特開平5−
313012号公報に開示されている。しかし、特開平
5−313012号公報に開示された方法を用いた場
合、カラーフィルター透明電極表面粗さを抑えられ配向
不良を低減できる一方で、有機膜を形成するプロセスの
追加が必要となり、生産効率が低下してしまうという問
題があった。
【0007】また、配向膜材料にブチルセルソルブを添
加したポリイミドを用いることで配向膜表面凹凸を抑え
るという技術が特開昭59−121023号公報に開示
されており、さらに配向膜材料をゴム成分を含有するポ
リイミドとすることで、配向膜表面凹凸を抑えるという
技術が特開平9−160049号公報に開示されてい
る。
【0008】しかし、特開昭59−121023号公報
および特開平9−160049号公報に開示された技術
を用いれば、配向膜表面の凹凸が大きくなることは抑え
られ、配向不良を低減できるという可能性はある。しか
し、配向膜材料のポリイミドに異種成分のブチルセルソ
ルブやゴム成分を添加することは、ポリイミド本来の性
質を損ない、塗布膜厚ムラなどの不具合を生じさせる原
因となり、歩留まりを低下させてしまうという問題があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な問題を解決するためになされたものであり、生産効率
および歩留まりを低下させることなく、着色層の表面中
心線平均粗さRA の値を小さく抑え、液晶分子の配向不
良を低減することが可能な液晶表示装置およびその製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明による液晶表示
装置は、カラーフィルター基板と、このカラーフィルタ
ー基板に対向する基板との間に液晶が狭持され、上記カ
ラーフィルター基板と上記液晶との間に着色層、透明画
素電極、配向膜が介在する構造であり、上記カラーフィ
ルター基板上に配置形成される上記着色層の表面中心線
平均粗さRA が10nm以下であるものである。
【0011】また、この発明による液晶表示装置は、カ
ラーフィルター基板と、このカラーフィルター基板に対
向する基板との間に液晶が狭持され、上記カラーフィル
ター基板と上記液晶との間に着色層、透明画素電極、配
向膜が介在する構造であり、上記カラーフィルター基板
上に配置形成される上記着色層の表面中心線平均粗さR
A が16nm以下であるものである。
【0012】さらに、この発明による液晶表示装置の製
造方法は、カラーフィルター基板上に、色材、光重合開
始剤、熱重合剤が混合されてなるアクリル系樹脂を塗布
する工程、上記アクリル系樹脂に、紫外線として中心波
長405nmのH線を用いて露光を行い、着色層を得る
工程、上記着色層の表面を含む上記カラーフィルター基
板上に透明電極層、配向膜を順次積層する工程を含み、
上記光重合開始剤の濃度を0. 5wt%以上0. 63w
t%以下とし、上記熱重合剤の濃度を0. 2wt%以上
0. 42wt%以下とし、露光に用いる紫外線の照度を
600mJ/ cm2 以上810mJ/ cm2 以下とする
ものである。
【0013】また、この発明による液晶表示装置の製造
方法は、カラーフィルター基板上に、色材、光重合開始
剤、熱重合剤が混合されてなるアクリル系樹脂を塗布す
る工程、上記アクリル系樹脂に、紫外線として中心波長
405nmのH線を用いて露光を行い、着色層を得る工
程、上記着色層の表面を含む上記カラーフィルター基板
上に透明電極層、配向膜を順次積層する工程を含み、上
記光重合開始剤の濃度を0. 4wt%以上0. 63wt
%以下とし、上記熱重合剤の濃度を0. 15wt%以上
0. 42wt%以下とし、露光に用いる紫外線の照度を
400mJ/ cm2 以上810mJ/ cm2 以下とする
ものである。
【0014】さらに、この発明による液晶表示装置の製
造方法は、カラーフィルター基板上に、色材、光重合開
始剤、熱重合剤が混合されてなるアクリル系樹脂を塗布
する工程、上記アクリル系樹脂に、紫外線として中心波
長405nmのH線を用いて露光を行い、着色層を得る
工程、上記着色層の表面を含む上記カラーフィルター基
板上に透明電極層、配向膜を順次積層する工程を含み、
上記光重合開始剤の濃度を0. 63wt%とし、上記熱
重合剤の濃度を0. 42wt%とし、露光に用いる紫外
線の照度を810mJ/ cm2 とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.次に、この発明の
実施の形態1について説明する。図1はこの発明による
カラーの液晶表示装置の着色層を中心とする要部断面図
であり、図において、符号1は着色層を形成する側のガ
ラス基板(カラーフィルター基板に相当する。)、2は
ガラス基板1上に配置形成されるブラックマトリクス、
3はガラス基板1上に配置形成される着色層であり、緑
色、青色、赤色のそれぞれの着色層3が、隣り合う二つ
のブラックマトリクス2によって構成される間隙に順に
配置されるものである。
【0016】その他、符号4は着色層3の表面を含むガ
ラス基板1の表面に積層されてなる透明画素電極、5は
透明画素電極4の表面に積層されてなる配向膜、6は配
向膜5上に注入される液晶分子を示しており、また符号
7は液晶分子6の立ち上がり角度を示すガラス基板1に
対するプレチルト角を示すものである。なお、図1にお
いては、例えばスイッチング素子としてのTFTを形成
する相対向するガラス基板(以下、TFT基板とす
る。)などの記載を省略している。
【0017】この実施の形態1による液晶表示装置の特
徴は、着色層3の表面の凹凸の度合いを示す表面中心線
平均粗さRA が10nm以下である点にある。(表面中
心平均粗さRA については、例えば、日刊工業新聞社、
東京理科大学理工学辞典編集委員会による理工学辞典の
P938に詳細な記述がある。)着色層3の表面の凹凸
を、表面中心線平均粗さRA が10nm以下となるよう
に形成することによって、さらにその上層に形成される
透明画素電極4および配向膜5の表面に生じる凹凸の大
きさも低減することが可能となる。配向膜5の表面に生
じる凹凸を低減することによって液晶分子6のプレチル
ト角の平均値を高くすることが可能となる。
【0018】次に、図1に示す液晶表示装置の製造方法
について図2を用いて説明する。まず、ガラス基板1上
にブラックマトリクス2をパターニングし、その後、顔
料分散法により着色層3を形成する。着色層3は、アク
リル系光重合性プレポリマー、アクリル系光重合性モノ
マー、色材、光重合開始剤、熱重合剤を混合したアクリ
ル系樹脂を、ブラックマトリクス2が形成されたガラス
基板1の表面に塗布し、紫外線を照射することで選択的
に露光を行い、パターニングした後、ポストベークして
形成する。
【0019】この着色層3形成には、アクリル系光重合
性プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、
ポリエステルウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリオールアクリレートなどを用いることができ
る。アクリル系重合性モノマーとしては単官能アクリレ
ート、2官能アクリレート、3官能以上のアクリレート
などを用いることができる。
【0020】また、光重合開始剤としては、アセトフェ
ノン類、ベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン
類、ベンソインエーテル類、ベンジルケタール類、チオ
キサントン類などを用いることができる。熱重合剤とし
ては、フェノキシエーテル型架橋性樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などを用いることが
できる。
【0021】さらに、露光の際の紫外線としては、中心
波長405nmのH線を用い、照度は600mJ/ cm
2 以上810mJ/ cm2 以下とし、光重合開始剤の濃
度を0. 5wt%以上0. 63wt%以下、熱重合剤の
濃度を0. 2wt%以上0.42wt%以下として着色
層3の形成を行うと、その着色層3の表面中心線平均粗
さRA を10nm以下することができた。なお、この着
色層3の形成は、赤色、青色、緑色のそれぞれの色毎に
行う必要がある。
【0022】次に、スパッタリング法により酸化インジ
ウム−酸化スズ(以下ITOとする。)ターゲットを用
いて透明画素電極4を形成する。透明画素電極4の表面
は、下層の着色層3の表面の着色層表面中心線平均粗さ
A が小さく抑えられている影響を受けて、着色層3の
表面と同様に凹凸が小さく抑えられた状態に形成され
る。
【0023】着色層を形成する側のガラス基板1と相対
向して配置されるTFT基板に関しては、例えば形成さ
れる信号線幅は4μm以上7μm以下、信号線〜透明電
極間距離は2μm以上7μm以下、走査線幅は8μm以
上13μm以下、走査線〜透明電極間距離は13μm以
下で、透明電極が走査線とオーバーラップした構造であ
っても良く、透明電極が走査線を乗り越えていても良
い。また上記の透明電極端に走査線をパターニングする
工程で形成される遮光体はあっても無くても良いものと
する。
【0024】上記のようなガラス基板1と図示しないT
FT基板上に転写法によって配向膜5を形成する。この
配向膜5についても、透明画素電極4と同様に、着色層
3の表面の形状を反映した状態に形成され、配向膜5の
表面の凹凸は小さく抑制される。その後、配向膜5の表
面にラビング処理を施し、両者を貼り合わせて液晶を注
入し、液晶パネルを得る。形成された液晶パネル内の液
晶分子6は滑らかな表面を持つ配向膜5の表面に配置さ
れるために、そのプレチルト角の平均値を大きくするこ
とが可能となり、液晶分子6の配向不良を抑制すること
が可能となる。
【0025】実施の形態2.この実施の形態2において
は、先述の実施の形態1とは異なる着色層3の形成条件
について説明する。着色層3形成の際に、紫外線照度を
400mJ/ cm2 以上810mJ/ cm 2 以下、また
光重合開始剤濃度を0. 4wt%以上0. 63wt%以
下、熱重合剤濃度を0. 15wt%以上0. 42wt%
以下とし、実施の形態1の条件よりも光重合開始剤、熱
重合剤の濃度を低く調整した場合には着色層3の表面中
心線平均粗さRA が16nm以下の着色層3を得ること
ができた。
【0026】光重合開始剤、熱重合剤の濃度が低い場合
に着色層3の表面中心線平均粗さR A の値が大きくなっ
たが、これは着色層3の硬化が十分でなく、現像時に着
色層3表面近くの未硬化部分が薬液で浸されるためであ
る。上記のような条件下においても着色層3の表面中心
線平均粗さRA を16nm以下の値に抑え、着色層3の
表面の凹凸を小さく抑制することが可能であり、その上
層に配置形成される配向膜5の表面の凹凸も小さく抑え
ることができ、液晶分子6の配向不良を抑えることがで
きる。
【0027】実施の形態3.次に着色層3を特定の条件
下において形成した場合について説明する。着色層3
を、露光紫外線に中心波長405nmのH線を用い、照
度は600mJ/ cm2 、光重合開始剤濃度は0. 5w
t%、熱重合剤濃度は0. 2wt%として形成した際、
着色層3の表面中心線平均粗さRA は9. 8±0. 1n
mであった。着色層3が形成される側のガラス基板1に
対向するTFT基板に関しては、信号線幅を6μm、信
号線〜透明電極間処理は2μm、走査線幅は11μm、
走査線〜透明電極間距離は2μmとした。
【0028】上記のような条件下において形成された二
つの基板を用いて形成した液晶パネルの、液晶分子6の
ガラス基板1表面に対するプレチルト角の平均値を評価
したところ、5. 1°であった。
【0029】また、この液晶パネルに駆動信号を入力
し、顕微鏡下で観察したところ、スイッチング素子であ
るTFTのソースおよびゲート信号線〜画素電極間の横
方向電界による液晶配向異常領域は画素電極内には全く
はみ出さず、目視上でも全く表示ムラは確認されなかっ
た。
【0030】図3に、上記のような液晶パネルの黒表示
時のソースおよびゲート信号線〜画素電極近傍の液晶配
向状態の模式図を示す。図3において符号8は走査線、
9は対向透明電極、10は透明画素電極4と対向透明電
極9との間に生じる縦方向電界、11は透明画素電極4
と信号線若しくは走査線8との間に生じる横方向電界、
12は液晶配向正常領域、13は液晶配向異常領域、14
は液晶配向異常領域端をそれぞれ示すものである。
【0031】液晶配向正常領域12においては、液晶分
子6は縦方向電界10によりガラス基板1に対し垂直方
向に配列しており、バックライト光は遮光される。一
方、液晶配向異常領域13では、液晶分子6は横方向電
界11により横方向に配列し、バックライト光は透過す
るため、黒表示品位を保つためにブラックマトリクス2
で遮光する。この図3に示すとおり、液晶配向異常領域
13は透明画素電極4上には全くはみ出さない。
【0032】このように、着色層3の表面中心線平均粗
さRA が10nm以下となるように、その製造方法を調
整することで、生産向率および歩留まりを低下させるこ
となく良好な表示特性の液晶パネルを得ることが可能と
なる。
【0033】実施の形態4.次に、着色層3をまた別の
特定の条件下において形成した場合について説明する。
顔料分散法によって着色層3を形成する際に、中心波長
405nmのH線の照度を400mJ/ cm2 、また光
重合開始剤濃度は0. 4wt%、熱重合剤濃度は0. 1
5wt%とした。この条件下で形成した着色層3を評価
したところ、着色層3の表面中心線平均粗さRA は1
5. 8±0. 1nmであった。
【0034】なお、TFT基板に関しては、信号線幅は
7μm、信号線〜透明電極間距離は2μm、走査線幅は
10μm、走査線〜透明電極間距離は2μmとした。こ
のTFT基板と、上記の着色層3を形成したガラス基板
1とから液晶パネルを形成し、液晶分子6のガラス基板
1表面に対するプレチルト角平均値を評価したところ、
4. 5°であった。
【0035】また、この液晶パネルに駆動信号を入力
し、顕微鏡下で観察したところ、信号線および走査線〜
画素電極間の横方向電界による液晶配向不良領域が画素
電極内にそれぞれ0. 2μmおよび0. 4μmはみ出し
ていたが、目視上では全く表示ムラが視認されなかっ
た。
【0036】次に、上述の実施の形態において例示した
着色層3を有する液晶パネルとの性能を比較するため
に、比較例を示す。顔料分散法によって着色層を形成す
る際に、中心波長405nmのH線の照度を370mJ
/ cm2 、また光重合開始剤濃度は0. 35wt%、熱
重合剤濃度は0. 13wt%とした。この条件下におい
て形成した着色層の表面中心線平均粗さRA を評価した
ところ、16. 6±0. 1nmであった。
【0037】TFT基板に関しては、信号線幅は6μ
m、信号線〜透明電極間距離は3μm、走査線幅は10
μm、走査線〜透明電極間距離は4μmとした。上記の
比較例の条件下において形成した着色層を有するガラス
基板を用い、上述の実施の形態の場合と同じ方法で液晶
パネルを作製し、液晶分子のガラス基板表面に対するプ
レチルト角の平均値を評価したところ、3. 5°であっ
た。
【0038】また、この比較例による液晶パネルに駆動
信号を入力し、顕微鏡下で観察したところ、信号線およ
び走査線〜画素電極間の横方向電界による液晶配向不良
領域が画素電極内にそれぞれ2. 2μmおよび3. 4μ
mはみ出しており、目視上でも表示ムラが視認された。
これは、配向異常領域部分で光モレが発生したためで、
この光モレを遮光し、表示ムラを視認できなくするため
には、着色層間に配置形成されるブラックマトリクスを
大きくしなければならず、その結果パネル開口率が下が
り、液晶表示装置の輝度が、実施の形態3および実施の
形態4と比べると相対的に5%低下した。
【0039】図4に、この比較例による液晶パネルの黒
表示時の走査線〜画素電極近傍の液晶分子配向状態の模
式図を示す。液晶配向異常領域13では、液晶分子6は
透明画素電極4と走査線8の間の横方向電界11により
横方向に配列し、バックライト光は透過するため、黒表
示品位を保つためにブラックマトリクス2で遮光する。
図4に示す通り、液晶配向異常領域13は透明画素電極
4上に3. 4μmはみ出しているため(符号15で配向
異常領域はみ出し幅を示す。)、図3と比べブラックマ
トリクス2を3. 4μmだけ大きくする必要があり、開
口率が低下する。
【0040】図5に液晶パネルの一つのドットの平面図
を示す。図5において、符号19で示す領域は、比較例
の液晶パネルの光モレ防止のために広げられたブラック
マトリクス拡張領域を示すものであり、この領域をブラ
ックマトリクスとしない実施の形態3と比較すると、そ
の開口率は相対的に5%低下している。なお、図5にお
いて符号16は液晶表示装置の開口部、17は信号線、
18はTFTをそれぞれ示すものであり、その他、既に
説明のために用いた符号と同一符号は同一、若しくは相
当部分を示すものである。
【0041】この比較例による着色層を有する液晶パネ
ルと、本願発明による着色層3を有する液晶パネルとを
比較すると、この発明による着色層3を有する液晶パネ
ルでは、着色層3の表面中心線平均粗さRA を16nm
以下、好ましくは10nm以下に抑制することによっ
て、その上層に形成する配向膜5の表面も滑らかに形成
することが可能となり、液晶分子6の配向不良を抑制
し、良好な表示品位の液晶パネルを得られることが分か
る。
【0042】実施の形態5.次に、次に、着色層3をま
た別の特定の条件下において形成した場合について説明
する。顔料分散法により着色層3を形成する際に、中心
波長405nmのH線の照度を810mJ/ cm2 、ま
た光重合開始剤濃度は0. 63wt%、熱重合剤濃度は
0. 42wt%とした。この着色層3の表面中心線平均
粗さRA を評価したところ0. 4±0. 1nmであっ
た。
【0043】なお、TFT基板に関しては、信号線幅は
6μm、信号線〜透明電極間距離は3μm、走査線幅は
10μm、走査線〜透明電極間距離は3μmとした。こ
の着色層3が形成されたガラス基板1を用い、上述した
方法で液晶パネルを作製し、液晶分子6のガラス基板1
の表面に対するプレチルト角の平均値を評価したとこ
ろ、7. 1°であった。
【0044】またこの液晶パネルに駆動信号を入力し、
顕微鏡下で観察したところ、信号線および走査線〜画素
電極間の横方向電界による液晶配向異常領域は画素電極
内に全くはみ出さず、目視上でも全くムラは視認されな
かった。なお、上記の例では、スイッチング素子として
TFTを形成したTFT基板とカラーフィルター基板と
の間に液晶を狭持してなる液晶パネルについて主に説明
したが、着色層を有するカラーフィルター基板を用いる
ものであれば、どのような液晶表示装置にもこの発明を
用いることが可能であることは言うまでもない。
【0045】なお、着色層3の表面中心線平均粗さRA
の下限値については、理想的には0であるが、実際に着
色層3の中心線平均粗さRA の値を0にすることは困難
である。この実施の形態5に示すように、着色層表面中
心線平均粗さRA が0. 4nmの着色層3を得た場合
に、作製した液晶パネルにおいては配向異常に関しては
全く問題がなかったことから、RA 値0. 4nmで理想
的な配向特性の液晶パネルを得ることが可能であると考
えることができる。
【0046】
【発明の効果】この発明による液晶表示装置によれば、
着色層の表面中心線平均粗さRA が10nm以下のカラ
ーフィルター基板と、これに対向する基板としてのTF
T基板を用いて形成した液晶パネルの信号線および走査
線〜画素電極間の横方向電界による液晶配向不良領域が
全くなく、良好な表示特性の液晶表示装置が得られる。
【0047】また、この発明による液晶表示装置によれ
ば、着色層の表面中心線平均粗さR A が16nm以下の
カラーフィルター基板と、これに対向する基板としての
TFT基板を用いて形成した液晶パネルの信号線および
走査線〜画素電極間の横方向電界による液晶配向不良領
域が画素電極内にはみ出したとしても、その範囲は小さ
く、目視上では全く表示ムラが視認されず、良好な表示
特性の液晶表示装置が得られる。
【0048】さらに、この発明による液晶表示装置の製
造方法によれば、光重合開始剤の濃度を0. 5wt%以
上0. 63wt%以下とし、熱重合剤の濃度を0. 2w
t%以上0. 42wt%以下とし、露光に用いる紫外線
の照度を600mJ/ cm2以上810mJ/ cm2
下の範囲に調整することで、製造工程を追加することな
く、着色層の表面中心線平均粗さRA を10nm以下と
することが可能であり、その上層に形成する配向膜の表
面の凹凸も小さく抑制することができ、形成した液晶パ
ネルの信号線および走査線〜画素電極間の横方向電界に
よる液晶配向不良領域が全くなく、良好な表示特性の液
晶表示装置が得られる。
【0049】また、この発明による液晶表示装置の製造
方法によれば、光重合開始剤の濃度を0. 4wt%以上
0. 63wt%以下とし、熱重合剤の濃度を0. 15w
t%以上0. 42wt%以下とし、露光に用いる紫外線
の照度を400mJ/ cm2以上810mJ/ cm2
下の範囲に調整することで、着色層の表面中心線平均粗
さRA を16nm以下とすることが可能であり、その上
層に形成する配向膜の表面の凹凸も小さく抑制すること
ができ、形成した液晶パネルの信号線および走査線〜画
素電極間の横方向電界による液晶配向不良領域が画素電
極内にはみ出したとしても、その範囲は小さく、目視上
では全く表示ムラが視認されず、良好な表示特性の液晶
表示装置が得られる。
【0050】さらに、この発明による液晶表示装置の製
造方法によれば、光重合開始剤の濃度を0. 63wt%
とし、熱重合剤の濃度を0. 42wt%とし、露光に用
いる紫外線の照度を810mJ/ cm2 のとすること
で、着色層の表面中心線平均粗さRA を0. 4nm程度
の理想的な大きさにすることが可能であり、その上層に
形成する配向膜の表面を極めて滑らかな状態に形成する
ことができ、形成した液晶パネルの信号線および走査線
〜画素電極間の横方向電界による液晶配向不良領域が全
くなく、良好な表示特性の液晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による液晶パネルの
要部断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による液晶パネルの
製造過程を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による液晶パネルの
説明に必要な図である。
【図4】 この発明による液晶パネルとの比較のための
比較例による液晶パネルの説明に必要な図である。
【図5】 この発明による液晶パネルと比較例との説明
に必要な図である。
【図6】 従来の技術による液晶パネルの部分断面構造
を示す図である。
【符号の説明】
1. ガラス基板、2. ブラックマトリクス、3. 着色
層、4. 透明画素電極、5. 配向膜、6. 液晶分子、
7. プレチルト角、8. 走査線、9. 対向透明電極、1
0. 縦方向電界、11. 横方向電界、12. 液晶配向正
常領域、13. 液晶配向以上領域、14. 液晶配向異常
領域端、15. 配向異常領域はみ出し幅、16. 開口
部、17. 信号線、18. TFT、19. ブラックマト
リクス拡張領域。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーフィルター基板と、このカラーフ
    ィルター基板に対向する基板との間に液晶が狭持され、
    上記カラーフィルター基板と上記液晶との間に着色層、
    透明画素電極、配向膜が介在する構造であり、上記カラ
    ーフィルター基板上に配置形成される上記着色層の表面
    中心線平均粗さRA が10nm以下であることを特徴と
    する液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 カラーフィルター基板と、このカラーフ
    ィルター基板に対向する基板との間に液晶が狭持され、
    上記カラーフィルター基板と上記液晶との間に着色層、
    透明画素電極、配向膜が介在する構造であり、上記カラ
    ーフィルター基板上に配置形成される上記着色層の表面
    中心線平均粗さRA が16nm以下であることを特徴と
    する液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 カラーフィルター基板上に、色材、光重
    合開始剤、熱重合剤が混合されてなるアクリル系樹脂を
    塗布する工程、上記アクリル系樹脂に、紫外線として中
    心波長405nmのH線を用いて露光を行い、着色層を
    得る工程、上記着色層の表面を含む上記カラーフィルタ
    ー基板上に透明電極層、配向膜を順次積層する工程を含
    み、上記光重合開始剤の濃度を0. 5wt%以上0. 6
    3wt%以下とし、上記熱重合剤の濃度を0. 2wt%
    以上0. 42wt%以下とし、露光に用いる紫外線の照
    度を600mJ/ cm2 以上810mJ/ cm2 以下と
    することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 カラーフィルター基板上に、色材、光重
    合開始剤、熱重合剤が混合されてなるアクリル系樹脂を
    塗布する工程、上記アクリル系樹脂に、紫外線として中
    心波長405nmのH線を用いて露光を行い、着色層を
    得る工程、上記着色層の表面を含む上記カラーフィルタ
    ー基板上に透明電極層、配向膜を順次積層する工程を含
    み、上記光重合開始剤の濃度を0. 4wt%以上0. 6
    3wt%以下とし、上記熱重合剤の濃度を0. 15wt
    %以上0. 42wt%以下とし、露光に用いる紫外線の
    照度を400mJ/ cm2 以上810mJ/ cm2 以下
    とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 カラーフィルター基板上に、色材、光重
    合開始剤、熱重合剤が混合されてなるアクリル系樹脂を
    塗布する工程、上記アクリル系樹脂に、紫外線として中
    心波長405nmのH線を用いて露光を行い、着色層を
    得る工程、上記着色層の表面を含む上記カラーフィルタ
    ー基板上に透明電極層、配向膜を順次積層する工程を含
    み、上記光重合開始剤の濃度を0. 63wt%とし、上
    記熱重合剤の濃度を0. 42wt%とし、露光に用いる
    紫外線の照度を810mJ/ cm2 とすることを特徴と
    する液晶表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008075419A1 (ja) * 2006-12-20 2008-06-26 Fujitsu Limited 液晶表示素子及びそれを用いた電子ペーパー

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WO2008075419A1 (ja) * 2006-12-20 2008-06-26 Fujitsu Limited 液晶表示素子及びそれを用いた電子ペーパー

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