JPH0961803A - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

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JPH0961803A
JPH0961803A JP22052895A JP22052895A JPH0961803A JP H0961803 A JPH0961803 A JP H0961803A JP 22052895 A JP22052895 A JP 22052895A JP 22052895 A JP22052895 A JP 22052895A JP H0961803 A JPH0961803 A JP H0961803A
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JP
Japan
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monomer
color filter
resin
functional group
transparent substrate
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JP22052895A
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English (en)
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Noboru Kawasaki
登 川崎
Katsuyoshi Sasagawa
勝好 笹川
Yoko Tajiri
洋子 田尻
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 透明基板上に、カラーフィルター層、オ
ーバーコート層、ガスバリアー層、透明導電膜層の順に
形成された層を有するカラーフィルターにおいて、透明
基板として、特殊な三次元架橋構造の樹脂を用いて得ら
れるカラーフィルター。 【効果】 透明性、耐熱性、耐薬品性、表面硬度、剛性
などに優れた樹脂を透明基板とし、容易に製造されるも
のであり、カラー液晶ディスプレイのガラス代替プラ基
板として用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶ディス
プレイなどに用いられるカラーフィルターに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイにおいては、昨今のカ
ラー化の強い要請に対応するために、単純マトリックス
方式及びアクティブマトリックス方式のいずれの方式に
おいてもカラーフィルターが用いられている。液晶ディ
スプレイが、大型化、薄型化、または携帯型化への傾向
を強めている中にあって、液晶ディスプレイにはパネル
基板であるセル及びカラーフィルターの軽量性及び堅牢
性の向上をも求められている。カラーフィルターは、透
明基板の上に染色法、顔料分散法、印刷法、転写法、ま
たは電着法などによりフィルター層を形成して製造され
るが、その際の透明基板としては、一般的にはガラスが
用いられている(特開平1−253703号公報、特開
平2−47605号公報、特開平3−116003号公
報、特開平4−317002号公報など)。しかし、カ
ラーフィルターの基板としてガラスを用いる場合、ガラ
スの比重が大きいために軽量化が実現しにくい、ガラス
は破損し易いために堅牢性の点での信頼性に欠ける等の
問題がある。
【0003】一方、透明な樹脂をカラーフィルターの基
板として用いる技術も知られている。例えば、特開平3
−15053号公報ではポリエチレン、ポリエステル、
ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネートなどを基板として用い、また、特開平5−210
7号公報ではポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロースなどを基板
として用いることが報告されている。しかし、これら樹
脂の耐熱性や耐薬品性、及び表面硬度や剛性などの物性
が一般的に不十分であるために、比較的小さなディスプ
レイに使用が限定される、基板としての耐久性やパネル
としての信頼性が懸念される等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カラーフィ
ルターの基板として、透明性、耐熱性や耐薬品性、表面
硬度や剛性に優れた樹脂を用いることにより、先に述べ
た問題を解決し、軽量性及び堅牢性を大幅に向上させ、
大型、薄型、あるいは携帯型のカラー液晶ディスプレ用
として用いうるカラーフィルターを提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、透明基板上に、複数色の
画素を配設してなるカラーフィルター層、オーバーコー
ト層、ガスバリアー層、透明導電膜層の順に形成された
層を有するカラーフィルターにおいて、透明基板が、1
分子中に、下記一般式(1)(化3)で表される官能基
と、下記一般式(2)又は(3)(化3)で表される官
能基を兼備する単量体(A)を重合してなる樹脂、また
は、上記の単量体(A)と下記式(4)、(5)および
(6)(化4)で表される官能基群から選ばれた少なく
とも1種の官能基をm個(mは1〜6の整数を表す)有
する単量体(B)を共重合してなる樹脂のいずれかの樹
脂であるカラーフィルターに関するものであり、また、
該透明基板の樹脂が、0.1mm〜2mmの厚みを有する樹
脂であるカラーフィルターに関するものである。
【0006】
【化3】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸
素原子または硫黄原子を表す)
【0007】
【化4】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルターは、透
明基板上に、複数色の画素を配設してなるカラーフィル
ター層、オーバーコート層、ガスバリアー層、透明導電
膜層の順に形成された層を有するカラーフィルターであ
り、該透明基板として、1分子中に、一般式(1)で表
される官能基と、一般式(2)又は(3)で表される官
能基を兼備する単量体(A)を重合して得られる樹脂、
または、上記の単量体(A)と下記式(4)、(5)お
よび(6)で表される官能基群から選ばれた少なくとも
1種の官能基をm個(mは1〜6の整数を表す)有する
単量体(B)を共重合して得られる樹脂のいずれかの樹
脂を用いるカラーフィルターである。
【0009】本透明基板として用いられる樹脂を得るた
めの各単量体について以下に説明する。これら樹脂は、
特開平2−84406号公報に記載の方法により製造す
ることができる。1分子中に、前記一般式(1)で表さ
れる官能基と、一般式(2)又は(3)で表される官能
基とを兼備する単量体(A)は、イソプロペニル−α,
α−ジメチルベンジルイソシアネートと、1分中に少な
くとも水酸基又はメルカプト基のいずれかの官能基と、
一般式(2)又は(3)で表される官能基とを兼備する
化合物(以下、化合物Pという)との反応により得られ
るものである。
【0010】化合物Pとしては、 エポキシ基又はチイラン基をアクリル酸又はメタクリ
ル酸で開環させて得られる化合物類、例えば、ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、1,4−ブチレングリコールモノ
アクリレート、1,4−ブチレングリコールモノメタク
リレート、グリセロール−1,2−ジアクリレート、グ
リセロール−1,2−ジメタクリレート、グリセロール
−1,3−ジアクリレート、グリセロール−1,3−ジ
メタクリレート、グリセロール−1−アクリレート−3
−メタクリレート、 フェニルグリシジルエーテル類のアクリル酸又はメタ
クリル酸の開環反応物、例えば、3−フェノキシ−2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、3−フェノキシ−2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,4−ジブロ
モフェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2,4−ジブロモフェノキシ−2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、 ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルのアクリル
酸又はメタクリル酸の開環反応物、 ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリメタクリレート、 ビニルベンジルアルコール、ビニルチオベンジルアル
コール、 ビス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレー
ト、ビス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレ
ート、などが挙げられる。
【0011】これらの化合物Pの水酸基又はメルカプト
基と、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソ
シアネートのイソシアネート基との反応により、カルバ
ミン酸エステル又はチオカルバミン酸エステルが得られ
る。この際、合成反応が進み易いように、ジブチルスズ
ジラウレートやジメチルスズジクロライド等のスズ化合
物、又はモルフォリン、ジメチルアミノベンゼン等のア
ミン類を加えて行っても良い。重合時のラジカル反応の
際の着色を防ぐ為には、スズ化合物を選択することが好
ましい。又、反応の際に溶媒を用いた場合は、合成反応
の後に溶媒を留去し、精製あるいは精製せずに単量体
(A)を得る。
【0012】単量体(A)としては、具体的には、N−
(3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−
2−アクリロイルオキシエチルカルバメート、N−(3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−
メタクリロイルオキシエチルカルバメート、N−(4−
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−ア
クリロイルオキシエチルカルバメート、N−(4−イソ
プロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2−メタク
リロイルオキシエチルカルバメート、N−(3−イソプ
ロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−アクリロ
イルオキシプロパン−2−イルカルバメート、N−(3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−
メタクリロイルオキシプロパン−2−イルカルバメー
ト、N−(4−イソプロペニル−α,α−ジメチルベン
ジル)−1−アクリロイルオキシプロパン−2−イルカ
ルバメート、N−(3−イソプロペニル−α,α−ジメ
チルベンジル)−1,3−ジアクリロイルオキシプロパ
ン−2−イルカルバメート、N−(3−イソプロペニル
−α,α−ジメチルベンジル)−1,3−ジメタクリロ
イルオキシプロパン−2−イルカルバメート、N−(3
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−1−
アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパ
ン−2−イルカルバメート、N−(4−イソプロペニル
−α,α−ジメチルベンジル)−1,3−ジアクリロイ
ルオキシプロパン−2−イルカルバメート、N−(3−
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル)−2,2
−ジアクリロイルオキシメチル−3−アクリロイルオキ
シプロピルカルバメート、N−(4−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジル)−2,2−ジメタクリロイ
ルオキシメチル−3−メタクリロイルオキシプロピルカ
ルバメート等が挙げられる。イソシアネート化合物とメ
ルカプト基との反応によるものとしては、上記のカルバ
メートがチオカルバメートになった化合物が挙げられ
る。
【0013】前記の式(4)、(5)および(6)で表
される官能基群から選ばれる少なくとも1種の官能基を
m個(mは1〜6の整数を表す)有する単量体(B)と
は、アクリル酸、メタクリル酸のエステル及びスチレン
の誘導体である。m=1のものとしては、例えば、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレー
ト、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルア
クリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチル
アクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキ
シエチルアクリレート、エトキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシフロピルアク
リレート、2−ヒドロキシフロピルメタクリレート、
1,4−ブチレングリコールモノアクリレート、1,4
−ブチレングリコールモノメタクリレート、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、
メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ク
ロロメチルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられ
る。
【0014】m≧2のものとしては、例えば、エチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジメタク
リレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジ
プロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス
(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイル
オキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシプロピロ
イルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タクリロイルオキシプロピロイルオキシフェニル)プロ
パン、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタ
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペ
ンチルグリコールエステルジアクリレート、スピログリ
コールジアクリレート、スピログリコールジメタクリレ
ート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレー
ト、2−プロペノイックアシッド[2−(1,1−ジメ
チル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)
エチル]−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イ
ル]メチルエステル、
【0015】トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリメタクリレート、ビス(アクリロイルオキシエ
チル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(メタ
クリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌ
レート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシア
ヌレート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサメタクリレート、メチルトリ(アクリ
ロイルオキシエトキシ)シラン、グリセロールジアクリ
レート、グリセロールジメタクリレート、ジブロムネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ジブロムネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、
ウレタンアクリレート類、ウレタンメタクリレート類、
1,1,3,3,5,5−ヘキサ(アクリロイルオキ
シ)シクロトリホスフォゼン、1,1,3,3,5,5
−ヘキサ(メタクリロイルオキシ)シクロトリホスフォ
ゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(アクリロイル
エチレンジオキシ)シクロトリホスフォゼン、1,1,
3,3,5,5−ヘキサ(メタクリロイルエチレンジオ
キシ)シクロトリホスフォゼン等が挙げられる。
【0016】単量体(A)は単独でも重合可能な樹脂で
あり、また、単量体(B)と共重合することもできる。
共重合の際における単量体(A)と単量体(B)との比
率は、各単量体の有する官能基の種類及び単量体の構造
などにより一概には決められないが、単量体(A)中の
イソプロペニルフェニル基1当量に対して、単量体
(A)中の式(2)および(3)で表される官能基なら
びに単量体(B)中の式(4)、(5)および(6)で
表される官能基群の総和が、0.5〜10当量の範囲で
あることが好ましい。
【0017】次に、前記の単量体または単量体混合物か
ら本透明基板を製造する方法について述べる。本透明基
板は、前記の単量体または単量体混合物を、注型重合用
鋳型の空間部に注入し、重合硬化させることによって得
られる。本発明で用いる樹脂の重合はラジカル重合であ
り、熱重合のみならず、紫外線やγ線を用いた重合も可
能であり、更にこれらを組み合わせて重合を行うことも
できる。しかし、熱重合法が簡便で特に好ましい。熱重
合を行う際のラジカル重合開始剤は特に限定されず、公
知のベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイル
パーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、ジー2−エチルヘキシルパーオキシカーボネート、
t−ブチルパーオキシピバレートなどの過酸化物、及び
アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物が使用で
きる。その使用量は、単量体または単量体混合物の全量
に対して、0.01〜5重量%の割合である。熱重合に
おける加熱温度は、50℃〜200℃であり、加熱時間
は1〜8時間である。
【0018】紫外線硬化による場合の光増感剤について
も特に限定されず、公知のベンゾイン化合物、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2−ヒ
ドロキシ−2−ベンゾインプロパン、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ベンジルジメチルケタール、ジフェニルジ
スルフィドなどが使用でき、その使用量は、単量体また
は単量体混合物の全量に対して、0.01〜5重量%で
ある。γ線などの放射線を使用する場合は、一般的には
重合開始剤などは必ずしも必要ではない。重合前のモノ
マー液には、本透明基板が経時的に着色したり,劣化す
ることを防止する為に、また、帯電を防止する為に、予
め酸化防止剤や着色防止剤、または帯電防止剤などを加
えることができる。更に、必要に応じて、他の反応性モ
ノマーを適宜加えても良い。このようにして調製したモ
ノマー液は、必要に応じて脱泡処理を施して重合に備え
る。
【0019】本透明基板の製造に際して使用する注型重
合用鋳型とは、ガラス、金属、或いは、FRPなどから
選ばれた板材2枚と、軟質塩化ビニル、エラストマー、
シリコンゴム、或いは、テフロンなどから選ばれたシー
ト状またはチューブ状のガスケット、及び固定具からな
るものである。表面精度に優れた樹脂板を得る為には、
表面研磨されたガラス板またはFRP板、メッキ処理が
施された金属板が好適である。尚、熱重合の場合には熱
による変質や寸法安定性に欠けるものであってはならな
いから、この点にも留意して板材を選択する。固定具
は、どのような形態のものでも良いが、プラスチックレ
ンズ製造用のガスケット止めや文具用バインダークリッ
プなどが簡便に利用できる。
【0020】本透明基板の製造においては、必ずしも離
型剤を必要としない。しかし、比較的薄く、かつ、大型
の透明基板の製造の場合には、よりスムースに、より良
好に離型させる為に、離型剤を用いることができる。こ
の際、離型剤としては、外部離型剤、内部離型剤、いず
れのものも使用できるが、成型工程の合理化の観点から
は、内部離型剤であることが好ましい。内部離型剤とし
ては、シリコン系、ワックス系、脂肪酸金属石鹸系、フ
ッ素系、酸性リン酸エステル系などの、通常用いられる
内部離型剤から選択することができる。その使用量は、
離型剤の種類や樹脂のモノマーの種類により、一概には
決められないが、通常は、単量体または単量体混合物の
全量に対して、0.02〜0.3重量%である。0.0
2重量%以下では、離型剤の効果は望めず、また、0.
3重量%以上を用いても離型性に変わりはない。過剰の
使用は、モノマーのポットライフの低下、樹脂物性の変
化等をもたらす傾向があり好ましくはない。より好まし
い内部離型剤は、離型性能が特に良く、安価で取り扱い
やすい酸性リン酸エステル系である。内部離型剤を用い
る場合には、ラジカル開始剤や、その他の添加剤を加え
る時に同時に添加する。本発明の透明基板の厚みは、
0.1mm〜2mmであるが、より好ましくは、0.1mm〜
1.1mmの範囲である。0.1mm以下及び2mm以上の厚
みの透明基板は、本発明のカラーフィルターの透明基板
としては差程重要ではない。
【0021】次に、本発明のカラーフィルターの製造法
について以下に述べる。第一工程は、透明基板上にカラ
ーフィルター層を形成する工程である。本発明のカラー
フィルターのフィルター層は、染色法、顔料分散法、印
刷法、転写法、または電着法などのいずれの方法でも形
成可能であるが、ここでは顔料分散法の光硬化方式につ
いて述べる。顔料分散法の光硬化方式においては、光重
合型のアクリル系樹脂や、架橋型のPVA樹脂に、感光
基としてスチルバゾリウムを導入した系の有機感光性樹
脂を用いる。良く洗浄した透明基板上に、スパッタ法な
どでブラックマトリクスを形成し、その後、有機感光性
樹脂に顔料を均一分散したものをコーティングし、プリ
ベークする。フォトマスク露光した後に、アルカリ水溶
液で現像し、その後、ポストベークを行う。尚、有機感
光性樹脂が光重合型の場合には、露光時に酸素の影響に
よる感度低下を防止するために酸素遮断膜を積層して行
う。この透明基板の洗浄からポストベークまでの一連の
工程を3色分繰り返すことにより、ブラックマトリクス
の黒色と、赤(R)、緑(G)、青(B)のストライプ
状、三角状、あるいはモザイク状のカラーフィルター層
を形成する。
【0022】第二工程は、このカラーフィルター層の上
にオーバーコート層を形成する工程である。オーバーコ
ート層を設ける目的のーつは、このオーバーコート層を
挟んで形成するカラーフィルター層とガスバリアー層と
の緩衝膜として機能させることにある。また、今ひとつ
の目的は、カラーフィルター層に平坦性を付与すること
にある。本発明のカラーフィルターに用いられるオーバ
ーコート層としては、各種の樹脂が使用できるが、アク
リル系やエポキシ系の熱硬化型、あるいは紫外線硬化型
樹脂が好ましい。塗布法としては、通常のスピンコート
法、ロールコーター法、スプレイ法、スクリーン印刷法
など、いずれの方法であっても良い。塗布後は、熱ある
いは紫外線で硬化させてオーバーコート層を形成する。
【0023】第三工程は、オーバーコート層の上にガス
バリアー層を形成する工程である。ガスバリアー層の素
材は、金属酸化物が好適である。金属成分としては、S
i、Al、Tiなどから選択できるが、特にSiの酸化
物(SiO2 )がガスバリアー性に優れている。このS
iO2 の形成方法には、真空蒸着法、スパッタ法、CV
D法などがあるが、本発明のSiO2 の形成方法として
はスパッタ法が好適である。膜厚は特に限定されず、ガ
スバリアー性を十分に発揮する厚みであればよい。好ま
しくは200オングストローム以上である。
【0024】本発明のカラーフィルターの最後の工程
は、ガスバリアー層の上に透明導電膜層を設けることで
ある。本透明導電膜としては、ITO膜が好適である。
液晶ディスプレイでのITO膜の比抵抗は用途によって
必要とされる面抵抗が異なる。ワープロやパソコンの液
晶ディスプレイに用いられるような、例えば、大形のS
TN型では、駆動時に比較的大きな電流が流れるので、
駆動波形の歪みを起こさないためには、透明導電膜の配
線抵抗は低いことが必要である。一般的には、面抵抗は
15Ω程度の膜が用いられる。これに対して、アクティ
ブマトリックス方式のTFT型、または単純マトリック
ス方式でも比較的小形の液晶ディスプレイでは、ほとん
ど電流が流れないため、面抵抗は数百Ω程度の透明導電
膜である。ITO膜の成膜法としては、真空成膜法の性
能が最も良い。真空成膜法としては、スパッタ法及び真
空蒸着法があるが、本発明のカラーフィルターの透明導
電膜の成膜には、成膜時の透明基板の温度が比較的低く
てすむスパッタ法が適している。
【0025】この透明導電膜は、例えば、アクティブマ
トリックス方式のTFT型の場合にはべた付けでよい
が、単純マクリックス方式のSTN型の場合にはパター
ニングする必要がある。この際、透明導電膜のパターニ
ングは通常の方法で実施すればよい。つまり、直流方式
やマグネトロン方式などのスパッタ法で、ITOを成膜
し、次に、その上にフォトレジストを塗布する。塗布法
は、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング
法、いずれの方法で行ってもよい。その後、パターン化
されたフォトマクスを通して露光し、現像、エッチン
グ、レジスト剥離の工程順に進めてパターン化された透
明導電膜層を形成する。
【0026】上述した方法により得られる本発明のカラ
ーフィルターにおいては、透明基板の樹脂が、特殊な三
次元の架橋構造の樹脂であるために、曲げ弾性率が40
0kgf /mm2 以上と優れた剛性を有しており、また、表
面硬度が4H以上と高いためにハードコート処理などを
必要としないものである。また、透明基板の樹脂が、レ
ジスト液の溶剤、レジスト剥離液、エッチング液、また
は電着液などの薬品に対して強い耐性を有しているため
に、透明基板が侵されたり、逆に透明基板の樹脂が溶出
してこれらの液を汚染するようなことは起こらない。更
には、耐熱性が優れているが故に、カラーフィルター
層、オーバーコート層、ガスバリアー層、及び透明導電
膜層などの成膜やパターニングの際に高温にさらされて
も、透明基板が変形したり、光線透過率を著しく低下さ
せるような着色などは起こらない。本発明のカラーフィ
ルターは、単純マトリックス方式のSTN型、アクティ
ブマトリックス方式のTFD型、MIM型、及びTFT
型などの液晶ディスプレイのカラーフィルターとして利
用できるが、STN型やMIM型に特に好適に用いられ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して具体的に述べ
るが、本発明はこれらによって何等限定されるものでは
ない。尚、参考例及び実施例中の部は重量部を表す。 参考例1 透明基板−1の製造 3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシ
アネート90.0部に、ジブチルスズジラウレート0.
03部を添加し、エチレングリコール9.3部を、内温
を40℃に保ちながら、30分で滴下して反応を行っ
た。同温度で、更に1時間熟成した後、この反応液に、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート19.4部を、内
温を50℃に保ちながら、1時間で滴下して反応を行っ
た。同温度で、更に2〜2.5時間熟成を行った。次
に、このモノマーにt−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエートを0.10部添加し、混合しながら脱泡
を行った。このモノマーを、340mm×340mm寸法の
ガラス板2枚を、空間距離が0.7mmになるようにシリ
コーンゴムのシート状のガスケットで調整した鋳型の空
間部に注入し、その後、熱風炉で、60℃から170℃
まで段階的に昇温しながら3時間重合を行い、引き続き
180℃で30分重合を行って、厚さ0.7mmの透明樹
脂板−1を得た。この樹脂板の全光線透過率は91%、
表面硬度は7H、曲げ弾性率は400kgf/mm2 であっ
た。また、この樹脂板を、170℃の熱風炉で1時間加
熱してみたが、変形や著しい着色などは起きていなかっ
た。更に、耐薬品性試験では、この樹脂板を、イソプロ
ピルアルコール、酢酸メチルセロソルブ、N−メチルピ
ロリドン、5%HBr、5%FeCl3 、5%KOHの
各液に、室温下で48時間浸漬してみたが、いずれの場
合にも変質は起きていなかった。
【0028】参考例2 透明基板−2の製造 3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシ
アネート54.7部に、ジブチルスズジラウレート0.
02部を添加し、エチレングリコール5.6部を、内温
を40℃に保ちながら、30分で滴下して反応を行っ
た。同温度で、更に1時間熟成した後、この反応液に、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート11.8部を、内
温を50℃に保ちながら、1時間で滴下して反応を行っ
た。同温度で、更に2〜2.5時間熟成した後、この反
応液に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート4
7.9部を加えた。次に、このモノマーにt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.10部を添加
し、混合しながら脱泡を行った。このモノマーを、34
0mm×340mm寸法のガラス板2枚を、空間距離が0.
7mmになるようにシリコーンゴムのシート状のガスケッ
トで調整した鋳型の空間部に注入し、その後、熱風炉
で、60℃から170℃まで段階的に昇温しながら、3
時間重合を行い、引き続き180℃で30分重合を行っ
て、厚さ0.7mmの透明樹脂板−2を得た。この樹脂板
の全光線透過率は91%、表面硬度は9H、曲げ弾性率
は463kgf/mm2 であった。また、この樹脂板を、1
70℃の熱風炉で1時間加熱してみたが、変形や著しい
着色などは起きていなかった。更に、耐薬品性試験で
は、この樹脂板を、イソプロピルアルコール、酢酸メチ
ルセロソルブ、N−メチルピロリドン、5%HBr、5
%FeCl3 、5%KOHの各液に、室温下で48時間
浸漬してみたが、いずれの場合にも変質は起きていなか
った。
【0029】参考例3 透明基板−3の製造 3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシ
アネート44.5部に、トリス(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート46.8部を、内温50℃で溶
解させた。その後、この溶液に、ジブチルスズジラウレ
ート0.03部を添加し、内温を50℃に保ちながら、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート28.8部を1〜
1.5時間で滴下して反応を行った。同温度で、更に
4.5〜5時間熟成を行った。次に、このモノマーにベ
ンゾイルパーオキサイド1.20部とt−ブチルパーオ
キシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート0.6部
を添加し、混合しながら脱泡を行った。このモノマー
を、340mm×340mm寸法のガラス板2枚を、空間距
離が0.7mmになるようにシリコンゴムのシート状のガ
スケットで調整した鋳型の空間部に注入し、その後、熱
風炉で65℃から190℃まで段階的に昇温しながら5
時間重合を行って、厚さ0.7mmの透明樹脂板−3を得
た。この樹脂板の全光線透過率は91%、表面硬度は5
H、曲げ弾性率は491kgf/mm2 であった。また、こ
の樹脂板を、170℃の熱風炉で1時間加熱してみた
が、変形や著しい着色などは起きていなかった。更に、
耐薬品性試験では、この樹脂板を、イソプロピルアルコ
ール、酢酸メチルセロソルブ、N−メチルピロリドン、
5%HBr、5%FeCl3 、5%KOHの各液に、室
温下で48時間浸漬してみたが、いずれの場合にも変質
は起きていなかった。
【0030】参考例4 透明基板−4の製造 3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシ
アネート45.4部に、トリス(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレート31.8部を、内温50℃で溶
解させた。その後、この溶液に、ジブチルスズジラウレ
ート0.05部を添加し、内温を50℃に保ちながら、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート29.4部を1〜
1.5時間で滴下して反応を行った。同温度で、更に
3.5〜4時間熟成を行った。この反応液に、ネオペン
チルグリコール−ジメタクリレート13.5部を加えて
よく混合した。次に、このモノマーに、ベンゾイルパー
オキサイド1.20部とt−ブチルパーオキシ−3,
5,5−トリメチルヘキサノエート0.6部を添加し、
混合しながら脱泡を行った。このモノマーを、340mm
×340mm寸法のガラス板2枚を、空間距離が0.7mm
になるようにシリコンゴムのシート状のガスケットで調
整した鋳型の空間部に注入し、その後、熱風炉で65℃
から190℃まで段階的に昇温しながら5時間重合を行
って、厚さ0.7mmの透明樹脂板−4を得た。この樹脂
板の全光線透過率は91%、表面硬度は4H、曲げ弾性
率は439kgf/mm2 であった。また、この樹脂板を、
170℃の熱風炉で1時間加熱してみたが、変形や著し
い着色などは起きていなかった。更に、耐薬品性試験で
は、この樹脂板を、イソプロピルアルコール、酢酸メチ
ルセロソルブ、N−メチルピロリドン、5%HBr、5
%FeCl3 、5%KOHの各液に、室温下で48時間
浸漬してみたが、いずれの場合にも変質は起きていなか
った。
【0031】実施例1 カラーフィルター(顔料分散法
/光硬化方式)の製造 *着色感光性樹脂液の調製 下記の感光性樹脂に各々、赤色、緑色、及び青色の顔料
を分散させて着色感光性樹脂を調製した。組成及び組成
比を下記に示す。 (a)赤色感光性樹脂 赤色顔料 :ピラゾロンレッド 8部 感光性樹脂:ポリビニルアルコール/5%スチルバゾリ
ウムキノリウム5部 水 87部 (b)緑色感光性樹脂 緑色顔料 :リオノールグリーン 8部 感光性樹脂:ポリビニルアルコール/5%スチルバゾリ
ウムキノリウム5部 水 87部 (c)青色感光性樹脂 青色顔料 :ファストゲンブルー 5部 感光性樹脂:ポリビニルアルコール/5%スチルバゾリ
ウムキノリウム5部 水 90部
【0032】*カラーフィルター層の形成 参考例3で得られた厚さ0.7mmの透明樹脂板−3をよ
く洗浄し、この基板上に金属クロムからなる厚み150
nm、画素寸法30μm×50μmのブラックマトリク
スを、反応性マグネトロンスパッタリング装置を用いて
形成した。その上に、赤色感光性樹脂を1.5μmの膜
厚になるようにスピンコート法で塗布した。その後、7
0℃で30分のプリベーク、紫外線を当てて露光、アル
カリ水溶液で現像、160℃で30分のポストベークの
順に行って、赤色のレリーフ画像を形成した。同様の工
程を、緑色感光性樹脂、青色感光性樹脂について行い、
R、G、Bの3色、及びブラックマトリクスの黒色から
なるカラーフィルター層を形成した。 *オーバーコート層の形成 光重合性アクリルオリゴマーとして、フェノールノボラ
ック型エポキシアクリレート55部と、多官能重合性モ
ノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート
(新中村化学工業製 NKエステル A−TMPT)4
5部、及び重合触媒としてイルガキュア907(チバガ
イギー社製)1部を混合し、この混合液を酢酸メチルア
セテート300部中に溶解させて、オーバーコート用樹
脂溶液とした。この溶液を、カラーフィルター層の上に
スピンコート法で塗布した。膜厚は、1.5μmであっ
た。その後、フォトマスクを通して2.0KWの超高圧
水銀ランプの紫外線を当てて露光し、次いでアルカリ溶
液(東京応化(株)製 ST−NMD3)で現像して、
オーバーコート層を得た。 *ガスバリアー層の形成 マグネトロンスパッタリング装置を用いてスパッタリン
グを行った。
【0033】・ターゲット材料 :Si ・導入ガス :Ar及びO2 ・真空度 :2.0×10-3Torr ・投入電力 :0.4Kw ・基板温度 :120℃ ・スパッタリングレイト:10オングストローム その結果、厚み600オングストロームのSiO2 膜層
を得た。 *透明導電膜層の形成 マグネトロンスパッタリング装置を用いてスパッタリン
グを行った。
【0034】・ターゲット材料 :ITO ・導入ガス :Ar及びO2 ・真空度 :2.0×10-3Torr ・投入電力 :4.0Kw ・基板温度 :120℃ ・スパッタリングレイト:80オングストローム その結果、厚み1500オングストロームのITO膜層
を得た。次に、このITO膜層の上にフォトレジストを
スピンコート法でコーティングし、130℃でプリベー
クした。その後、フォトマスクを通して露光を行い、次
いで室温下で3%KOH水溶液で現像した。最後に、4
0℃の60%HBr水溶液でエッチングを行い、その後
アルカリ溶液(東京応化(株)製 ST−10)でレジ
ストを剥離させ、パターン化されたITO膜層を得た。
【0035】実施例2 カラーフィルター(染色法)の
製造 *可染性感光性樹脂液の調製 10重量%のゼラチン水溶液に、樹脂分に対して1重量
%の重クロム酸アンモニウムを添加して可染性感光性樹
脂液を調製した。 *カラーフィルター層の形成 参考例4で得られた厚さ0.7mmの透明樹脂板−4をよ
く洗浄し、この樹脂板上に、可染性感光性樹脂液をスピ
ンコート法で塗布し、その後、60℃で1時間プリベー
クを行った。次に、超高圧水銀灯を用い、フォトマスク
を通して所定のパターンに露光し、水で現像を行い、そ
の後、150℃で1時間ポストベークを行った。このパ
ターン化された樹脂層にタンニン酸で防染処理を施した
後、アントラキノン系の赤色染料で染色し、定着を行っ
て赤色の硬膜を得た。この、樹脂板の洗浄から定着まで
の工程を、次にフタロシアニン系の緑色染料、フタロシ
アニン系の青色染料について順次行い、最終的にR、
G、Bの3色からなるカラーフィルター層を得た。 *オーバーコート層の形成 上記のカラーフィルター層に、ネガ型フォトレジスト
(積水ファインケミカル(株)製 フォトレックRW−
301N)をスピンコート法で塗布し、150℃で1時
間加熱してオーバーコート層を形成した。 *ガスバリアー層の形成 実施例1と同じ方法で実施して、厚さ580オングスト
ロームのSiO2 膜層を得た。 *透明導電膜層の形成 実施例1と同じ方法で実施して、パターン化されたIT
O膜層を得た。
【0036】*カラーフィルターとしての評価 実施例1及び2で得られた各々のカラーフィルターにつ
いて、カラーフィルター層、オーバーコート層、ガスバ
リアー層、及びITO膜層を各々形成した後に、個々の
層を肉眼で観察したり、薬品や機器を用いて評価を行っ
た。その結果、実施例1及び2のどちらのカラーフィル
ターにおいても、上記いずれの層形成後も、透明基板に
反りや寸法変化は認められず、また、光線透過率を著し
く減ずるような着色などは生じなかった。また、各層形
成後毎に、先の透明基板のときと同様に耐薬品性試験を
行ったが、層にクラックが発生したり、剥離が生ずるよ
うなこともなかった。また、実施例1及び2で得られた
各カラーフィルターを、−20℃(1時間)と、+80
℃(1時間)の温度パターンで10サイクルの冷熱繰り
返し試験にかけたが、何等問題は生じなかった。また、
60℃/90RH%の温湿環境試験を60時間行った
が、やはり問題はなかった。更に、実施例1及び2で得
られた各カラーフイルターの重量を、実施例1及び2と
同じ方法で製造したガラスを基板とするカラーフィルタ
ーの重量と比較したところ、ガラスを基板とするものに
対して、どちらのカラーフィルターも約50%の重量で
あり、カラーフイルターの軽量化が実現できた。さらに
また、実施例1及び2のカラーフイルターとガラスを基
板とするカラーフィルターとを、約1.2mの高さから
水平状態で自由落下させたところ、ガラスを基板とする
カラーフィルターは破壊してしまったが、実施例1及び
2のカラーフイルターでは、いずれも何等異常が生じな
かった。
【0037】比較例1 ジエチレングリコールビスアリルカーボネート100部
に、ベンゾイルパーオキサイド0.3部を添加し、混合
脱泡を行った。このモノマーを、実施例1に示したと同
じ鋳型の空間部に注入し、その後、50℃から130℃
まで段階的に昇温しながら6時間かけて重合して、厚さ
0.7mmの樹脂板を得た。この樹脂板の鉛筆硬度は4H
であるものの、曲げ弾性率は252kgf /mm2 と低かっ
た。この樹脂板を透明基板として、実施例1に示したと
同じ方法でカラーフィルターの製造を試みた。その結
果、この樹脂が剛性や耐熱性に乏しいため、実施例1に
示したと同じ温度でカラーフィルター層を設けようとし
たところ、透明基板が変形してしまい、また、著しく着
色してしまった。そこで、成膜温度を130℃に下げて
行ったところ、透明基板の変形や着色はある程度押さえ
られたものの、カラーフィルター層と透明基板との密着
性が悪く、耐薬品性試験を行うまでもなく、フィルター
層が所々剥がれてしまった。結局、これより先の工程に
進ませることができず、カラーフィルターを得ることが
できなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明で用いる透明基板は、透明性、耐
熱性、耐薬品性、表面硬度、剛性などに優れているため
に、カラーフィルターの透明基板として有用である。本
発明のカラーフィルターはカラー液晶ディスプレイのガ
ラス代替プラ基板としてその利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/20 MMV 7824−4J C08F 220/20 MMV 220/28 MML 220/28 MML G02B 5/20 101 G02B 5/20 101

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、複数色の画素を配設して
    なるカラーフィルター層、オーバーコート層、ガスバリ
    アー層、透明導電膜層の順に形成された層を有するカラ
    ーフィルターにおいて、透明基板が、1分子中に、下記
    一般式(1)(化1)で表される官能基と、下記一般式
    (2)又は(3)(化1)で表される官能基を兼備する
    単量体(A)を重合してなる樹脂、または、上記の単量
    体(A)と下記式(4)、(5)および(6)(化2)
    で表される官能基群から選ばれた少なくとも1種の官能
    基をm個(mは1〜6の整数を表す)有する単量体
    (B)を共重合してなる樹脂のいずれかの樹脂であるカ
    ラーフィルター。 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸
    素原子または硫黄原子を表す) 【化2】
  2. 【請求項2】 透明基板の樹脂が、0.1mm〜2mmの厚
    みを有する樹脂である請求項1記載のカラーフィルタ
    ー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008090323A (ja) * 2001-03-12 2008-04-17 Nitto Denko Corp カラーフィルター付き樹脂シートおよび液晶表示装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008090323A (ja) * 2001-03-12 2008-04-17 Nitto Denko Corp カラーフィルター付き樹脂シートおよび液晶表示装置

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