JPH0961729A - 双眼鏡 - Google Patents

双眼鏡

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Publication number
JPH0961729A
JPH0961729A JP21218795A JP21218795A JPH0961729A JP H0961729 A JPH0961729 A JP H0961729A JP 21218795 A JP21218795 A JP 21218795A JP 21218795 A JP21218795 A JP 21218795A JP H0961729 A JPH0961729 A JP H0961729A
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JP
Japan
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camera shake
angle
binoculars
changing
view
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP21218795A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Matsumoto
寿之 松本
Tatsuya Sato
佐藤  達也
Yoshihiro Matsumoto
芳弘 松本
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画角変更動作時の手振れ補正制御がビデオカメ
ラの場合よりも簡単にでき、画角変更動作時に、複雑な
操作を必要とせず、より適切な手振れ補正の許可,停止
が可能な手振れ補正可能な双眼鏡を提供する。 【解決手段】手振れ検出部101と、上記手振れ検出部
101の出力に基づいて、画角変更動作が行われたか否
かを検出する画角変更動作検出部102と、画角変更方
向の速度を演算する画角変更速度検出部103と、手振
れ補正を行う手振れ補正部105と、該手振れ補正部1
05を制御する手振れ補正制御部104とで構成され、
上記画角変更動作が行われたことが検出された際に、観
察方向の変更方向と同方向の手振れを補正しないように
手振れ補正部105を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、双眼鏡、詳しく
は、手振れ補正装置を内蔵する双眼鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】手振れが観察画面に大きく影響する双眼
鏡と同様にカメラやビデオにおいても撮影者の手振れに
よるカメラ本体の振動を検出し、その検出値に応じて補
正光学手段を変位させて手振れを補正することが可能な
ものが市販され、その手振れ補正装置に関する技術につ
いて、数多くの提案がなされている。
【0003】このような手振れ補正装置を内蔵するカメ
ラは、構図がほぼ一定の場合には高い防振効果を発揮す
る。しかし、特にビデオカメラにおけるパンニング、す
なわち、カメラ本体を水平方向に振る画角変更動作時、
または、チルティング、すなわち、カメラ本体を垂直方
向に振る画角変更動作等の撮影者による意図的な画角変
更動作時、これを大きな手振れと判断して補正しようと
手振れ補正装置が作動するため、補正光学系が可動範囲
の終端に衝突し、画像が不自然になるばかりか、場合に
よっては補正光学系を破損してしまう危惧があった。
【0004】そこで、上述のような問題点を解決するた
めに画角変更動作時の制御方法に関する技術が数多く開
示されている。例えば、特開平5−142614号公報
に開示の像振れ防止装置は、画角変更動作であることを
検出するために、手振れ検出手段の出力が一定時間の間
ずっと一方向に変位している場合には画角変更動作であ
ると判断するような技術に関するものである。
【0005】更に、特開平3−248132号公報に開
示の撮影装置は、画角変更時には補正光学系の動きを固
定していまい、防振、すなわち、手振れ防止動作をさせ
ない技術に関するものである。
【0006】また、特開平5−323436号公報に開
示の像振れ防止装置は、ハイパスフィルタの周波数特性
を可変にし、画角変更時にはフィルタの時定数を変更
し、防振効果を弱めた状態の手振れ防止動作を行うもの
である。さらに、該装置は、画角変更動作終了後に画面
の違和感がなく円滑に通常の防振制御が行えるように、
画角変更動作時には手振れ検出手段の出力を遮断し、可
変頂角プリズム等の補正光学系を有する手振れ補正機構
にセンタリング信号を出力して防振動作を行わないよう
構成されている。
【0007】また、手振れ補正装置を有する双眼鏡では
電源のスイッチは勿論のこと、例えば、特開平7−43
645号公報に開示されている観測用光学機器のように
防振動作のオンオフ用スイッチを搭載することが多い。
このような防振動作のオンオフ用スイッチを搭載する双
眼鏡では、防振状態で観察する場合には防振スイッチを
押したまま観察することになる。
【0008】ところで、一般に従来の画角変更動作と呼
ばれる動作には大別して2種類の動作が有り、一つは、
例えば、運動会でスタートからゴールまで走る子供に追
従するような場合、即ち、移動する被観察体に追従して
観察する場合の画角変更動作である。他の一つは、例え
ば、舞台の下手を観察した後に上手を観察するような場
合、即ち、急に別の場所を観察する場合であって、画角
変更動作というよりは急な被観察体変更動作である。そ
して、上述の2つの動作は、一般に前者の画角変更動作
速度は遅く、後者のそれは速いといった特徴がある。
【0009】ビデオカメラと双眼鏡の機能的な差異を考
えてみると、双眼鏡では上記前者の画角変更動作は、も
ちろん、後者の急な被観察体変更動作も頻繁に行われ
る。それに加えて双眼鏡を急に接眼(観察)したり、急
に接眼を止めたりする動作も頻繁に行われる。即ち、双
眼鏡では本体が高速で振られる場面がビデオカメラより
も多い。
【0010】さらに、ビデオカメラと双眼鏡の画角変更
動作の別の差異としては、ビデオカメラでは撮影時より
もむしろ再生時において防振による画面の安定効果が顕
著に確認され、双眼鏡においては再生がないので観察時
の像の安定のみが問題になる。これに加えて、画角変更
は使用者には自ら振れを作り出しているという意図を持
っていることから、観察時のみが問題になる双眼鏡にお
いては、画角変更時の防振制御の簡素化がビデオカメラ
の場合よりも容易であると予測される。以上がビデオカ
メラと双眼鏡の画角変更動作上の性格の差異である。
【0011】また、ビデオカメラにおいては、上記前者
の画角変更動作は頻繁に行われることが多いので、前述
の特開平5−323436号公報の像振れ防止装置のよ
うな何らかの防振対策が望まれる。しかし、撮影状態の
まま後者の画角変更動作が行われることは少ない。なぜ
なら、ビデオカメラで撮影状態のまま急に被写体を変更
すると再生時に大変見にくい映像になるからであり、一
旦、撮影をオフ状態にして被写体を変更するのが一般的
である。一度でもこのような失敗経験のある撮影者は、
再生映像を見ることによって学習効果が生まれ、次回か
らは、上述のように一旦撮影をオフ状態して、被写体変
更するようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平7−4
3645号公報に開示の観測用光学機器における画角変
更動作時の制御技術をそのまま双眼鏡に適用した場合、
急な被観察体変更時には防振スイッチをオフにして変更
すれば良いことになるが、頻繁に生じる動作であるため
に操作が面倒になってしまう。しかも、双眼鏡は古くか
ら光学系のみで構成され、単なる遠方観察用光学機器と
して使用者に受け入れられていることから、頻繁に起こ
る急な被観察体変更のに場合の防振スイッチオフ操作は
面倒ばかりか、他人の双眼鏡を借りて使用する場合は、
その操作に慣れていないことから非常に扱いにくいこと
になる。
【0013】また、前述の特開平3−248132号公
報に開示の撮影装置は、画角変更時には補正光学系の動
きが固定されているので、ゆっくりした画角変更動作の
場合にもまったく防振しないという不具合がある。
【0014】また、前述の特開平5−323436号公
報に開示の像振れ防止装置を双眼鏡に適用した場合は、
画角変更動作時には防振効果を弱くして防振するように
構成されており、ゆっくりした画角変更動作には有用で
あるが、速い変更動作には効果がない。そもそも、速い
画角変更動作では使用者は、撮影や観察を意図していな
いので、防振をしようとすることはまったく意味がな
い。また、双眼鏡に適用する場合、ビデオカメラにおけ
る画角変更動作時の制御仕様は高級的過ぎるきらいがあ
って、それを簡略化する必要があり、上記像振れ防振装
置における時定数設定ためのコンデンサや抵抗等は不要
である。
【0015】また、上記特開平5−323436号公報
に開示の像振れ防止装置で、さらに別の提案の像振れ防
止装置は、画角変更中に補正光学系のセンタリングを行
う装置であるが、これは画角変更中に補正光学系を本体
の移動方向と逆に光学系を移動させることにもなり、不
自然な画面の動きにもなる。確かに、画角変更終了後に
連続的画面が得られるような通常の防振動作が行える
が、画角変更速度が双眼鏡のように速い場合にセンタリ
ングさせることは好ましい制御ではない。そして、双眼
鏡ではビデオのように再生動作がなく、画角変更終了後
に画面が不連続な動きをしてもその場限りの一瞬である
ので、その後の観察に悪影響は及ぼさない。
【0016】本発明は、上述のような従来技術の問題点
と、双眼鏡のビデオカメラとの画角変更動作の差異に鑑
みてなされたものであり、手振れ補正装置を有する双眼
鏡において、画角変更動作時の防振制御がビデオカメラ
の場合よりも簡単にでき、画角変更動作時に、複雑な操
作を必要とせず、該画角変更動作状態に適応して手振れ
補正を許可、または、停止させることが可能な双眼鏡を
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の双眼鏡
は、所定の方向の手振れ情報を検出する手振れ情報検出
手段と、上記手振れ情報に基づいて、上記所定の方向の
手振れを補正する手振れ補正手段と、上記手振れ情報検
出手段の出力に基づいて、観察方向を変更する動作が行
われたか否かを検出する変更動作検出手段と、上記観察
方向変更動作が行われたことが検出された際に、観察方
向を変更している方向と同方向の手振れを補正しないよ
うに上記手振れ補正手段を制御する手振れ補正制御手段
とを具備する。上記第1の双眼鏡においては、観察方向
変更動作が行われたことが検出された際に、観察方向を
変更している方向と同方向の手振れを補正しないように
制御される。
【0018】本発明の第2の双眼鏡は、上記第1の双眼
鏡において、上記手振れ情報検出手段は、観察者のパン
ニング動作方向、および、チルティング動作方向を検出
する位置に設けられていて、上記手振れ補正制御手段
は、上記変更動作検出手段によってパンニング動作、ま
たは、チルティング動作の少なくとも一方が検出された
際には該検出された動作方向の手振れ補正を禁止する。
上記第2の双眼鏡においては、パンニング動作、また
は、チルティング動作の少なくとも一方が検出された際
には該検出された動作方向の手振れ補正を禁止する。
【0019】本発明の第3の双眼鏡は、所定の方向の手
振れ情報を検出する手振れ情報検出手段と、上記手振れ
情報に基づいて、上記所定の方向の手振れを補正する手
振れ補正手段と、上記手振れ情報検出手段の出力に基づ
いて、観察方向を変更する動作が行われたか否かを検出
する変更動作検出手段と、上記観察方向変更動作が行わ
れたことが検出された際に、観察方向の変更動作速度を
演算する変更動作速度演算手段と、上記演算された変更
動作速度が所定値よりも大きい際に、上記手振れ補正手
段による補正を行わないように制御する手振れ補正制御
手段とを具備する。上記第3の双眼鏡においては、演算
された変更動作速度が所定値よりも大きい際に、上記手
振れ補正手段による補正を行わないように制御する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の各形態につ
いて、図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態を示す双眼鏡の手振れ補正装置部の主要構成を
示すブロック図である。図1に示すように、第1の形態
の双眼鏡は、手振れ防振機能を有しており、主に所定の
方向の手振れ情報を検出する手振れ情報検出手段である
手振れ検出部101と、上記手振れ検出部101の出力
に基づいて、観察方向を変更する動作、すなわち、画角
変更動作が行われたか否かを検出する変更動作検出手段
である画角変更動作検出部102と、上記観察方向変更
動作が行われたことが検出された際に、観察方向の変更
動作速度を演算する変更動作速度演算手段である画角変
更速度検出部103と、上記観察方向変更動作が行われ
たことが検出された際に、観察方向を変更している方向
と同方向の手振れを補正しないように後述する手振れ補
正部105を制御し、また、上記演算された変更動作速
度が所定値よりも大きい際に、上記手振れ補正部105
による補正を行わないように制御する手振れ補正制御手
段である手振れ補正制御部104と、上記手振れ制御部
104の出力に基づいて、上記所定の方向の手振れを補
正する手振れ補正手段である手振れ補正部105とで構
成される。
【0021】上記手振れ検出部101は、手振れ検出セ
ンサと出力増幅回路から構成される。上記手振れ検出セ
ンサには角速度センサや加速度センサや角度センサ等が
適用可能であるが、第1の形態では、後述するように角
速度センサを適用する。その角速度センサは、ヨー方向
(図2のY軸回り)とピッチ方向(図2のX軸回り)の
2つのセンサで構成され、手振れ角速度を検出する。
【0022】該手振れ検出部101の出力は、ヨー方向
手振れ検出部であるパンニング検出部102aと、ピッ
チ方向手振れ検出部であるチルティング検出部102b
で構成される画角変更動作検出部102に入力され、そ
こで双眼鏡が画角変更動作中であるかどうか、さらに詳
しくは、パンニング検出部102aで画角変更動作がパ
ンニング動作であるか、また、チルティング検出部10
2bでチルティング動作であるかが判別される。
【0023】さらに、手振れ検出部101の出力は、パ
ンニング速度検出部103aとチルティング速度検出部
103bで構成される画角変更速度検出部103にも入
力され、パンニング、または、チルティングの画角変更
動作の速度に対応する量が演算される。
【0024】またさらに、手振れ検出部101の出力
は、手振れ補正制御部104にも入力され、該手振れ補
正制御部104では双眼鏡に加わる手振れを相殺するた
めの手振れ補正部105での駆動量、すなわち、後述す
る可変頂角プリズムの頂角の駆動角度を、手振れ検出部
101の出力に基づいて演算し、その演算した駆動量だ
け手振れ補正部105を駆動制御する。
【0025】その手振れ補正制御部104による概略の
制御動作は、上記手振れ検出部101により検出された
手振れ情報に基づき、同一方向の手振れが所定時間連続
し、その手振れ速度が所定速度以上あることが上記画角
変更動作検出部102、および、上記画角変更速度検出
部103で確認されたとき、上記画角変更動作がヨー方
向(水平方向、すなわち、垂直軸回り方向)の画角変更
を行うパンニング動作である場合には、同一方向である
ヨー方向の手振れは補正しない。一方、上記画角変更動
作がピッチ方向(垂直方向、すなわち、水平軸回り方
向)の画角変更を行うチルティング動作である場合に
は、同一方向であるピッチ方向の手振れは補正しない。
さらに、パンニング動作であり、かつ、チルティング動
作である場合には、上記両方向の手振れとも補正しな
い、すなわち、双方向の防振を停止する。
【0026】図2は、第1の形態の双眼鏡の斜視図であ
る。この双眼鏡は、手振れ防止機能を有している。そし
て、図2に示すように、双眼鏡の右,左本体2,3には
右,左対物レンズ4,5と右,左接眼レンズ6,7が組
み込まれており、焦点調整は焦点調整ツマミ8を操作し
て行い、視度調整は視度調整ツマミ9により行う。双眼
鏡の右,左本体2,3は、中心軸1を中心に回動可能で
あり、中心軸1中心にを回動することによって、使用者
の眼幅に合わせる眼幅調整を行う。
【0027】また、右双眼鏡本体2には、電源用電池1
5と、システムの電源をオンした後に操作すると防振動
作を行わせる防振開始スイッチ16と、手振れ補正手段
である右可変頂角プリズム12が組み込まれている。ま
た、左双眼鏡本体3には、手振れ情報検出手段であるヨ
ー方向手振れセンサ10およびピッチ方向手振れセンサ
11と、双眼鏡の電気的なシーケンスの制御を司る回路
であって、マイクロコンピュータ,可変頂角プリズム駆
動用モータ,その駆動回路及び手振れセンサ出力増幅回
路等が実装され、手振れ補正制御手段,変更動作検出手
段,変更動作速度演算手段を内蔵する制御回路14と、
さらに、手振れ補正手段である左可変頂角プリズム13
とが組み込まれている。
【0028】上記ヨー方向手振れセンサ10は、ヨー方
向(Y軸回り)の手振れを検出し、ピッチ方向手振れセ
ンサ11は、ピッチ方向(X軸回り)の手振れを検出す
るセンサであり、手振れセンサとして適用可能な代表的
な例として、角速度センサや加速度センサがあるが、第
1の形態の双眼鏡においては、前述したように角速度セ
ンサを適用する。
【0029】また、上記右,左可変頂角プリズム12,
13は、図3(A)、(B)の動作状態を示す断面図に
示すように、対向するガラス板20、21と蛇腹22と
23で囲まれた内部に液体のシリコンオイル24が封入
された構造を有している。図3(A)に示す状態は、手
振れ補正を行う前の光軸Oがまだ屈折していない状態を
示しており、双眼鏡が手振れで傾いた場合、図3(B)
の断面図に示すようにガラス板21を駆動して手振れを
相殺する角度だけ可変頂角プリズムの頂角を変化させ、
光軸Oを屈折させ、手振れを補正する。なお、ピッチ方
向とヨー方向とは独立して駆動することができる。
【0030】図4は、第1の形態の双眼鏡における電気
制御部の構成を示すブロック構成図である。本図に示す
ように上記電気制御部は、双眼鏡の電気的なシーケンス
の制御を司る制御回路14と、光軸を変位させることに
よって手振れ補正する手振れ補正手段(手振れ補正部1
05)である手振れ補正機構32と、電源用の電池15
と、電源スイッチ17と、DC/DCコンバータ41
と、防振開始スイッチ16と、手振れ情報検出手段(手
振れ検出部101)である手振れ検出用のヨー方向セン
サ10およびピッチ方向センサ11とで構成されてい
る。
【0031】上記制御回路14には、A/Dコンバータ
45,46や変更動作検出手段(画角変更動作検出部1
02),変更動作速度演算手段(画角変更速度検出部1
03),手振れ補正制御手段(手振れ補正制御部10
4)等を内蔵するマイクロコンピュータ40と、手振れ
補正制御手段(手振れ補正制御部104)の駆動部を構
成するヨー方向,ピッチ方向用のモータ駆動回路51,
52、駆動モータ53,54、該モータの回転方向や回
転速度検出用PI(フォトインタラプタ)55,56、
および、該PIの出力信号の波形整形回路57,58
と、上記マイクロコンピュータ40の動作クロック用水
晶発振器44等が実装されている。なお、上記制御回路
14には、電池15から電源スイッチ17とDC/DC
コンバータ41を介して安定化電源が供給される。
【0032】また、上記ヨー方向、または、ピッチ方向
の手振れ検出センサ10,11は、上述したように角速
度センサであり、その出力信号は、センサ入力回路42
と43によって増幅され、また、フィルタリングされ
て、それぞれマイクロコンピュータ40内のA/Dコン
バータ45と46に入力される。そして、デジタル値に
変換された後、マイクロコンピュータ40内で手振れ方
向や手振れ速度等の演算に用いられる。
【0033】また、上記手振れ補正機構32には、レン
ズの一部を光軸と直交する方向に駆動する機構や、光路
中のミラーを駆動する機構や、可変頂角プリズムを適用
した機構等各種の機構が適用されることが公知である
が、第1の形態の双眼鏡に対しては、前述したように図
3(A),(B)の左右の光学系用の可変頂角プリズム
12,13を適用する。
【0034】上記右,左可変頂角プリズム12、また
は、13の頂角を変化させるアクチュエータとしてもボ
イスコイルやDCモータ等各種のものが適用可能である
が、第1の形態の双眼鏡では制御が容易なDCコアレス
モータを適用する。該駆動モータとして、ヨー方向とピ
ッチ方向の手振れ補正用右,左可変頂角プリズム12お
よび13の頂角をそれぞれ駆動して変化させるヨー方向
駆動モータ53とピッチ方向駆動モータ54が用意され
ている。これら駆動モータ53,54は、マイクロコン
ピュータ40から出力される回転方向信号と一定のデュ
ーティの駆動パルス信号とブレーキ信号とによりモータ
駆動回路51,52を介して駆動される。
【0035】上記駆動モータ53,54の回転方向や回
転速度は、それぞれのモータ軸に直結されているPI5
5と56によって検出され、該PI55と56のアナロ
グ出力は、コンパレータから成る波形整形回路57と5
8によってパルス波形に整形され、デジタル信号として
マイクロコンピュータ40に入力される。
【0036】図5は、第1の形態の双眼鏡における電気
制御部の手振れ検出部とマイクロコンピュータに内蔵さ
れる画角変更動作検出部および画角変更速度検出部の詳
細なブロック構成図である。図5に示すように手振れ検
出部101は、ヨー方向,ピッチ方向センサ(角速度セ
ンサ)10、11と、センサ入力回路42,43で構成
されており、該センサ入力回路42,43は、増幅回路
60,63と、HPF(ハイパスフィルタ)61,64
と、LPF(ローパスフィルタ)62,65とで構成さ
れる。さらに、上記センサ入力回路42,43の出力が
取り込まれる画角変更動作検出部102と画角変更速度
検出部103とは、マイクロコンピュータ40に内蔵さ
れ、それぞれA/Dコンバータ45,46とパンニング
検出回路71とチルティング検出回路73で構成され、
また、パンニング速度検出回路72とチルティング速度
検出回路74で構成される。上記手振れ検出部101の
ヨー方向の手振れを検出するヨー方向センサ(角速度セ
ンサ)10の出力は、センサ入力回路42を構成する増
幅回路60で数十倍に増幅されるとともに、増幅回路6
0内の基準電圧生成回路(不図示)によって、静止時の
出力が基準電圧Vrefにオフセットされる。さらに、
HPF(ハイパスフィルタ)61とLPF(ローパスフ
ィルタ)62を通して双眼鏡本体に加わるヨー方向角速
度検出出力としてマイクロコンピュータ40のA/Dコ
ンバータ45に出力される。
【0037】なお、上記HPF61は、温度ドリフトを
除去するために用いられる。この温度ドリフトは、温度
変化に伴って角速度センサ出力が緩やかに変化するもの
であり、角速度センサに原理的に発生する現象である。
このドリフト現象を押さえる技術は種々あるが、ドリフ
トの周波数が手振れの周波数よりも十分低いことから、
最も簡単な技術を適用するとして上述のようにHPFを
使用している。なお、上記LPF62は、単に高周波ノ
イズ低減のために設けられたものである。一方、ピッチ
方向センサ11の検出出力信号の処理も全く同様に処理
される。
【0038】上記センサ10,11の検出出力信号は、
上述のようにセンサ入力回路42,43で処理された
後、A/Dコンバータ45,46に取り込まれる。そし
て、センサ10,11のデジタル出力信号は、パンニン
グ検出回路71、または、チルティング検出回路73で
パンニング、または、チルティング動作の有無が演算さ
れる。さらに、パンニング速度検出回路72、または、
チルティング速度検出回路74によりパンニング、また
は、チルティングの方向と角速度が求められる。これら
のデータに基づいて画角変更動作に係わる演算が行われ
る。
【0039】図6〜図8は、それぞれ3通りの手振れ動
作状態、または、画角変更動作状態におけるヨー方向、
または、ピッチ方向センサの出力をセンサ入力回路4
2,43のLPF62,65で処理した後の出力波形を
示す線図である。なお、上記図6〜図8においては、角
速度1(deg/sec)を出力電圧0.3Vとして検出した
例を示している。
【0040】上記図6は、通常の手振れ状態での出力波
形の例であり、図7は、被観察体に追従するようなゆっ
くりした画角変更動作中の出力波形の例であり、図8
は、画角変更動作を高速に行った動作の画角変更動作中
の出力波形の例である。
【0041】上述した増幅回路60,63での基準電圧
Vrefが2.5Vであると、LPF62、65の出力
2.5Vの時に角速度0.0(deg/sec)であり、角速
度出力電圧値とVref2.5Vの差の絶対値が角速度
の大きさを示し、また、角速度出力電圧値とVref
2.5Vの差の符号が角速度の方向を示している。
【0042】図7,図8中の所定速度θs1,θs2とは、
後述するが画角変更動作検出と画角変更速度検出に用い
る角速度の閾値である。また、同一方向移動時間T1 ,
T2とは、角速度零の時点から同一方向に双眼鏡を画角
変更させて上記所定速度θs1,θs2に到達するまでの時
間を指す。
【0043】以上のように構成された第1の形態の双眼
鏡における双眼鏡の手振れ補正動作について、図9のメ
インのフローチャート、および、図4のブロック構成図
等により説明する。使用者により双眼鏡の電源スイッチ
17がオンされると、マイクロコンピュータ40がパワ
ーオンリセットされて動作を開始し、まず、I/Oポー
トの初期化とRAMの初期化等を行う(ステップS
1)。そして、スタンバイタイマをスタートする。この
タイマは、スタンバイモードに移行するまでの時間を計
測するタイマであり、例えば、数分でオーバーフローす
るようにセットされている。また、上記スタンバイモー
ドは、電池のエネルギーを無駄にしないためのモードで
あり、該モードになっている間はマイクロコンピュータ
40は、動作停止あるいは動作速度を落とすことで電力
の消費を軽減させる。このとき、他の回路動作も停止さ
せる。さらに、該スタンバイモードは、使用者が防振開
始スイッチ16を再度押すことによって解除され、ステ
ップS2より動作が再開される。
【0044】次に、右,左可変頂角プリズム12,13
を中立位置にセンタリングする(ステップS3)。この
センタリング動作は、上記可変頂角プリズム12,13
が端部動作位置にある状態からPI55と56のパルス
数をカウントしながら中立位置まで駆動させる動作であ
る。
【0045】次に、上記スタンバイタイマがオーバフロ
ーしているか判断し(ステップS4)、オーバフローし
ていればスタンバイモードに移行し、オーバフローして
いなければ、さらに、防振スイッチ16が押されている
かを判断する(ステップS5)。防振スイッチ16が押
されるまで上記ステップS4とステップS5の処理を繰
り返す。
【0046】防振スイッチ16が押されていれば、防
振、すなわち、手振れ補正を開始するために1msタイ
マをスタートさせる(ステップS6)。この時間1ms
は、防振動作をするインターバルの時間である。そし
て、ヨー方向とピッチ方向に画角変更動作中であるのか
を検出するためのサブルーチンのヨー方向、および、ピ
ッチ方向の画角変更動作検出処理を呼び出して実行する
(ステップS7、8)。この処理は、後で詳細に説明す
るが、手振れ速度を検出して、一定の方向への画角変更
動作が所定の時間連続したか、すなわち、一定方向手振
れ動作が所定時間続き、さらに、手振れ速度が所定速度
に到達したことが検出されたとき、画角変更フラグを1
にセットする処理であって、画角変更動作中であるかど
うかの判断をこの画角変更フラグを参照して行う。
【0047】そして、ヨー方向に画角変更動作中である
のか判断する(ステップS9)。ヨー方向に画角変更動
作中でなければ、ステップS10に移行して、ヨー方向
の防振を行うが、画角変更動作中であれば、ステップS
11に移行してヨー方向の防振の停止を行う。同様に、
同じ処理をピッチ方向についても行う(ステップS12
〜14)。
【0048】次に、ステップS15において、前記ステ
ップS6でセットした1msタイマがオーバフローする
まで待ち、オーバフローすれば1msタイマとスタンバ
イタイマをリセットして(ステップS16、17)、前
記ステップS4に戻り、上述の動作を繰り返すことにな
る。
【0049】上記ステップS7,8において呼び出され
るサブルーチンのヨー方向、または、ピッチ方向の画角
変更動作検出処理について図10のフローチャートによ
り詳細に説明する。前記図6のステップS7,8でヨー
方向とピッチ方向について検出処理を呼び出すことにな
っているが、検出方向が異なるだけで全く同じ検出動作
であり、図10には1つの方向のみの検出処理について
示している。
【0050】まず、該当するヨー方向、または、ピッチ
方向センサ10,11の検出出力に基づいて該方向の手
振れ角速度を読み込む(ステップS20)。この処理
は、A/Dコンバータ45,46の出力値を読み込む処
理である。続いて、その正逆方向を判断する(ステップ
S21)。この処理は、前述したようにA/Dコンバー
タ45、46の出力と、Vref2.5Vとの大小を判
断する。そして、その方向を今回の手振れ方向としてフ
ラグにセットする(ステップS22、23)。
【0051】次に、その今回の手振れ方向が前回の検出
時、即ち、1ms過去の時間での手振れ方向と一致して
いるのか判断する(ステップS24)。一致していれ
ば、検出方向レジスタをインクリメントし(ステップS
25)、一致していなければ、方向レジスタをクリアす
る(ステップS26)。この方向レジスタは、今回の手
振れ方向が前回の手振れ方向と一致している連続回数を
示すレジスタであり、第1の形態の双眼鏡では1msに
一回判定を行っているので、方向レジスタ値A1が一定
方向に移動している時間T1 (図7参照)をms単位で
示すことになる。なお、方向レジスタは、起動時に図9
中のステップS1で値0に初期化されている。
【0052】次に、方向レジスタが所定値A1 以上であ
るか判断する(ステップS27)。この所定値A1 とし
ては、一定方向移動時間数100msに対応する値数1
00に設定されており、画角変更動作が一定方向に所定
値A1 の時間連続して行われたかを判断するためのもの
である。方向レジスタが所定値A1 以上あると判断され
ると、続いて、前記ステップS20で求めた手振れの角
速度の絶対値が所定速度θS1以上あるかを判断する(ス
テップS28)。この所定速度θs1の例は、図7に示さ
れているが、画角変更動作は通常の手振れの速度よりは
かなり速く、画角変更動作が行われると所定速度θs1以
上の角速度の絶対値が検出されることになる。
【0053】そこで、ステップS28で手振れの角速度
の絶対値が所定速度θS1以上であると判断されると、画
角変更が実行されていることを示す画角変更フラグを1
にセットし(ステップS29)、方向レジスタをクリア
する(ステップS30)。前記ステップS27で方向レ
ジスタが所定値A1 以上でないと判断されるか、また
は、ステップS28で手振れの角速度の絶対値が所定速
度θS1以上でないと判断されると、画角変更フラグを0
にセットする(ステップS31)。そして、今回の方向
フラグの値を前回の方向フラグの値として格納し(ステ
ップS32)、本サブルーチンからメインルーチンに戻
る。
【0054】以上、説明したように、第1の形態の双眼
鏡では、手振れ速度を検出して、一定方向手振れ動作が
移動時間が所定時間続き、その手振れ速度が所定速度に
到達したことが検出されたとき、画角変更動作中である
と判断し、該当する方向の防振動作を停止させ、手振れ
補正を行わないが、画角変更動作中でないと判断されれ
ば、該当する方向の防振を実行し、手振れ補正を行うよ
うにしたので、画角変更動作状態に合わせて手振れ補正
処理の許可、または、停止を行うことが可能となり、し
かも、制御方式も簡素化された双眼鏡が提供できる。
【0055】次に、本発明の第2の実施の形態の双眼鏡
について説明する。第2の形態の双眼鏡は、画角変更動
作の速度に相当する量を検出することにより、画角変更
動作が速い場合、すなわち、被観察体に追従する動作で
はなくて、被観察体変更動作もしくは双眼鏡を急に接眼
したり、急に接眼を止めたりする動作であると判断され
る場合には手振れ補正動作しても意味がないので、その
ときは手振れ補正動作を中止するように制御することを
特徴とする。
【0056】図11は、第2の形態の双眼鏡の手振れ補
正処理動作のメインのフローチャートであり、本図によ
り上記手振れ補正処理動作を説明する。なお、前記図9
に示した第1の形態の双眼鏡における手振れ補正処理の
ステップと同じ動作については同一のステップ番号を付
し、詳細な説明を省略する。また、第2の形態の双眼鏡
の構成は、図2の斜視図,図4のブロック構成図等に示
すものと同一であるので、同一の符号を用いて説明す
る。
【0057】図11に示す手振れ補正処理の動作は、ス
テップS1からステップS6までは前記図9の処理と同
様の処理がなされる。その後、ステップS40、41に
おいて、図12のフローチャートに示すサブルーチンで
あって、それぞれヨー方向とピッチ方向の画角変更動作
の速度が高速であるかを検出する画角変更速度検出処理
が呼び出される。この処理については後で詳細に説明す
る。
【0058】上記ステップS40,41に続いて、ヨー
方向とピッチ方向の画角変更動作が高速であるかを判断
し(ステップS42、43)、少なくとも一方方向でも
高速であると判断されたならば、ヨー方向とピッチ方向
の双方の手振れ補正動作を停止し、(ステップS46、
47)。両方向とも遅いと判断されたときのみ、ヨー方
向とピッチ方向の手振れ補正動作を継続する(ステップ
S44、45)。以下の処理は、前記図9の処理と同様
の処理が行われる。
【0059】次に、上記ステップS40、41で呼び出
されるサブルーチンの画角変更速度検出処理について図
12のフローチャートにより説明する。なお、本図にお
いても、前記第1の形態の双眼鏡に適用した図10に示
したサブルーチンの画角変更動作検出処理と同じ動作に
ついては同一ステップ番号を付し、説明は省略する。
【0060】図12の画角変更速度検出処理において、
ステップS20からステップS26までは、前記図10
の処理と同様である。続いて、ステップS51に進み、
方向レジスタが所定値A2 以下であるかを判断する。こ
の所定値A2 は、同一方向時間T2 が数10msに対応
するように設定されている。方向レジスタの値が所定値
A2 以下であると判断されると、続いて、前記ステップ
S20で求めた手振れの角速度の絶対値が所定速度θs2
以上であるか判断する(ステップS52)。なお、上記
所定値A2 と所定速度θs2は、図8の画角変更動作を高
速に行った動作の画角変更動作中のセンサ出力波形に示
すように、かなり高速で移動したときの値である。
【0061】上記ステップS52で手振れの角速度の絶
対値が所定速度θs2以上であると判断されると、高速フ
ラグを1にセットし(ステップS53)、方向レジスタ
をクリアする(ステップS30)。
【0062】また、上記ステップS51で方向レジスタ
の値が所定値A2 以下でないと判断されたとき、また
は、上記ステップS52で手振れの角速度の絶対値が所
定速度θs2以上でないと判断されると、高速フラグを0
にリセットする(ステップS54)。
【0063】上述の処理により角速度が小さい状態から
短い所定時間T2 (所定値A2 )以内に高速の角速度が
検出された場合のみ、画角変更動作が高速であると判断
され、ステップS32の方向フラグの書き換えを行っ
て、上述のメインルーチンに処理が戻される。
【0064】以上説明したように第2の形態の双眼鏡に
よれば、短時間に角速度が高速に達するような画角変更
動作が速い場合には、無意味な手振れ補正を行わないよ
うにして、画角変更時にも被観察体像が観察しやすい双
眼鏡を提供することができる。
【0065】次に、本発明の第3の実施の形態の双眼鏡
について説明する。第3の形態の双眼鏡は、前述の第2
の形態の双眼鏡の機能に付け加えて、画角変更動作が高
速の状態から再度低速の状態になり、再度防振可能、す
なわち、再度手振れ補正が可能となる場合に備えて、手
振れ補正機構のセンタリングを行うことを特徴とするも
のである。上述のように防振可能になる直前にセンタリ
ングを行うので、一瞬画像が不連続になり、被観察像が
不自然になるものの、ビデオカメラと異なって画角変更
動作中の防振制御の簡略化が可能な双眼鏡では、高速で
移動中にセンタリングを行うよりも確実なセンタリング
動作を行うことができる。
【0066】図13は、第3の形態の双眼鏡の手振れ補
正動作のメインルーチンのフローチャートである。既に
説明した図9,図11等のフローチャートと同じ動作に
ついては同一ステップ番号を付し、詳細な説明は省略す
る。
【0067】上記手振れ補正動作において、ステップS
1からステップS6までは、前記図9の処理と同様の処
理である。続いて、ステップS60では後述するステッ
プS40、41で呼び出されるサブルーチンの画角変更
速度検出処理で設定されているヨー方向とピッチ方向の
高速フラグを判断する。ここで、ヨー方向とピッチ方向
のいずれの高速フラグも0である場合、すなわち、画角
変更動作速度が高速ではない状態のときには、ステップ
S40に移行するが、いずれか一方、もしくは、両方の
高速フラグが1である場合には、ステップS61に移行
する。このステップS61では高速フラグが1にセット
されている方向の手振れ速度を読み込む。
【0068】そして、読み込まれた手振れ速度に基づい
て、所定速度θs2以上の速度を継続しているか判断し
(ステップS62)、まだ、高速の状態にある場合には
ステップS15に移行して、以後、防振停止状態を保っ
たままで高速フラグが0になるのを待つ。
【0069】そして、上記ステップS62で手振れ速度
が所定速度θs2以内になったと判断された場合は、速度
が低速になり再度防振可能になったと判断し、高速フラ
グを0にし(ステップS63)、1msタイマとスタン
バイタイマをリセットして(ステップS64,65)、
前記ステップS3に移行してセンタリングを行う。
【0070】以上、説明した処理を行わせることによ
り、第3の形態の双眼鏡においては、画角変更動作が高
速の状態から再度低速の状態になったときは、再度防振
可能、すなわち、手振れ補正可能になる場合に備えて手
振れ補正機構のセンタリングを行うようにして、不自然
さのないスムーズな手振れ補正動作への移行が可能とな
る。
【0071】以上、本発明の実施の各形態を説明した
が、上述の実施の各形態に限ることなく、本発明の主旨
を逸脱しない範囲でさまざまな変形例の形態が適用可能
であることは勿論である。例えば、手振れ検出センサは
角速度センサでなくとも双眼鏡の回転が検出できるもの
であれば、加速度センサ等どのようなタイプのセンサで
もよい。また、手振れ補正機構としては、可変頂角プリ
ズムに限らず、レンズの一部を光軸と直交する方向に駆
動する機構や光路中に配設した回動可能なミラーを用い
る機構等を適用してもよい。
【0072】また、各実施の形態を組合せることも可能
である。例えば、前記第1の実施の形態と前記第2の実
施の形態を組み合わせて、画角変更動作検出と画角変更
速度検出を同時に行い、画角変更速度が低速時には第1
の実施の形態による処理動作を行い、画角変更速度が高
速時には第2の実施の形態による処理動作を行わせるよ
うにしてもよい。
【0073】このように組み合わせた形態の双眼鏡によ
れば、画角変更速度が低速であっても、高速であっても
それぞれに適応した状態で防振停止を行うことができ、
より不自然さの少ない観察像を得ることが可能となる。
【0074】(付記)上記説明した実施の形態に基づい
て、次に示す構成を有する双眼鏡を提案することができ
る。すなわち、 (1) 所定の方向の手振れ情報を検出する手振れ情報
検出手段と、上記手振れ情報に基づいて、上記所定方向
の手振れを補正する手振れ補正手段と、上記手振れ情報
検出手段の出力に基づいて、観察方向を変更する動作が
行われたか否かを検出する変更動作検出手段と、上記観
察方向変更動作が行われたことが検出された際に、変更
された観察方向の速度を演算する変更動作速度演算手段
と、上記演算された変更動作速度が所定値よりも大きい
か否かを比較する比較手段と、を具備し、上記比較値よ
りも大きい状態から小さい状態に変化した際に、上記手
振れ補正手段によって、手振れ補正機構のセンタリング
調整を行うことを特徴とする双眼鏡。
【0075】(2) 観察者のパンニング動作方向、お
よび、チルティング動作方向の手振れ情報を検出するた
めに、各々設けられた複数の手振れ情報検出手段と、上
記手振れ情報に基づいて、上記各方向の手振れを補正す
る手振れ補正手段と、上記手振れ情報検出手段の出力に
基づいて、観察方向を変更する動作が行われたか否かを
検出する変更動作検出手段と、上記変更動作検出手段が
パンニング動作を検出した際には上記手振れ補正手段に
よる該パンニング動作方向の手振れ補正を禁止し、チル
ティング動作を検出した際には上記手振れ補正手段によ
る該チルティング動作方向の手振れ補正を禁止し、パン
ニング動作、および、チルティング動作を検出した際に
は上記手振れ補正手段による手振れを禁止する手振れ補
正制御手段と、を具備したことを特徴とする双眼鏡。
【0076】
【発明の効果】本発明の請求項1、または、請求項2記
載の双眼鏡によれば、観察方向変更動作が行われたこと
が検出された際に、変更された観察方向と同方向の手振
れを補正しないように制御し、観察方向の変更時の防振
制御がビデオカメラ等の防振制御よりも簡単に行われ、
画角変更動作時に複雑な操作を必要とせず、また、不自
然な画面の動きがなく、より適切に手振れ補正を許可、
または、停止させることが可能となる。
【0077】また、本発明の請求項3記載の双眼鏡によ
れば、演算された変更動作速度が所定値よりも大きい際
に、上記手振れ補正手段による補正を行わないように制
御するので、観察方向変更動作時の防振制御がビデオカ
メラ等の場合よりも簡単にでき、観察方向の変更動作を
的確に検出することができ、より適切に手振れ補正を許
可、または、停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す双眼鏡の手振
れ補正装置部の主要ブロック構成図。
【図2】図1の双眼鏡の斜視図。
【図3】図1の双眼鏡の可変頂角プリズムの動作状態を
示す断面図であって、(A)は手振れ補正を行う前の状
態を示し、(B)は、手振れ補正を行った状態を示す。
【図4】図1の双眼鏡の電気制御部の構成を示すブロッ
ク構成図。
【図5】図1の双眼鏡の電気制御部のうち、手振れ検出
部と画角変更動作検出部および画角変更速度検出部の詳
細な構成を示すブロック構成図。
【図6】図1の双眼鏡の通常の手振れの状態におけるヨ
ー方向、または、ピッチ方向センサの出力信号処理後の
波形を示す線図。
【図7】図1の双眼鏡の画角変更動作状態におけるヨー
方向、または、ピッチ方向センサの出力信号処理後の波
形を示す線図。
【図8】図1の双眼鏡の画角変更動作が高速であるとき
のヨー方向、または、ピッチ方向センサの出力信号処理
後の波形を示す線図。
【図9】図1の双眼鏡の手振れ補正処理ルーチンのフロ
ーチャート。
【図10】図9の手振れ補正処理ルーチンで呼び出され
るサブルーチンの画角変更動作検出処理のフローチャー
ト。
【図11】本発明の第2の実施の形態の双眼鏡における
手振れ補正処理ルーチンのフローチャート。
【図12】図11の手振れ補正処理ルーチンで呼び出さ
れるサブルーチンの画角変更速度検出処理のフローチャ
ート 。
【図13】本発明の第3の実施の形態の双眼鏡における
手振れ補正処理ルーチンのフローチャート。
【符号の説明】
10 ……ヨー方向センサ(手振れ情報検出手段) 11 ……ピッチ方向センサ(手振れ情報検出手段) 12 ……右可変頂角プリズム(手振れ補正手段) 13 ……左可変頂角プリズム(手振れ補正手段) 32 ……手振れ補正機構(手振れ補正手段) 40 ……マイクロコンピュータ(手振れ補正制御手
段,変更動作検出手段,変更動作速度演算手段) 42,43……センサ入力回路(手振れ情報検出手段) 51 ……ヨー方向モータ駆動回路(手振れ補正制御手
段) 52 ……ピッチ方向モータ駆動回路(手振れ補正制御
手段) 53 ……ヨー方向駆動モータ(手振れ補正制御手段) 54 ……ピッチ方向駆動モータ(手振れ補正制御手
段) 71 ……パンニング検出回路(変更動作検出手段) 72 ……パンニング速度検出回路(変更動作速度演算
手段) 73 ……チルティング検出回路(変更動作検出手段) 74 ……チルティング速度検出回路(変更動作速度演
算手段) 101……手振れ検出部(手振れ情報検出手段) 102……画角変更動作検出部(変更動作検出手段) 103……画角変更動作速度検出部(変更動作速度演算
手段) 104……手振れ補正制御部(手振れ補正制御手段) 105……手振れ補正部(手振れ補正手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の方向の手振れ情報を検出する手振
    れ情報検出手段と、 上記手振れ情報に基づいて、上記所定の方向の手振れを
    補正する手振れ補正手段と、 上記手振れ情報検出手段の出力に基づいて、観察方向を
    変更する動作が行われたか否かを検出する変更動作検出
    手段と、 上記観察方向変更動作が行われたことが検出された際
    に、観察方向を変更している方向と同方向の手振れを補
    正しないように上記手振れ補正手段を制御する手振れ補
    正制御手段と、 を具備したことを特徴とする双眼鏡。
  2. 【請求項2】 上記手振れ情報検出手段は、観察者のパ
    ンニング動作方向、および、チルティング動作方向を検
    出する位置に設けられていて、 上記手振れ補正制御手段は、上記変更動作検出手段によ
    ってパンニング動作、または、チルティング動作の少な
    くとも一方が検出された際には該検出された動作方向の
    手振れ補正を禁止することを特徴とする請求項1記載の
    双眼鏡。
  3. 【請求項3】 所定の方向の手振れ情報を検出する手振
    れ情報検出手段と、 上記手振れ情報に基づいて、上記所定の方向の手振れを
    補正する手振れ補正手段と、 上記手振れ情報検出手段の出力に基づいて、観察方向を
    変更する動作が行われたか否かを検出する変更動作検出
    手段と、 上記観察方向変更動作が行われたことが検出された際
    に、観察方向の変更動作速度を演算する変更動作速度演
    算手段と、 上記演算された変更動作速度が所定値よりも大きい際
    に、上記手振れ補正手段による補正を行わないように制
    御する手振れ補正制御手段と、 を具備したことを特徴とする双眼鏡。
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