JPH0961522A - 気象レーダ装置 - Google Patents

気象レーダ装置

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JPH0961522A
JPH0961522A JP8125145A JP12514596A JPH0961522A JP H0961522 A JPH0961522 A JP H0961522A JP 8125145 A JP8125145 A JP 8125145A JP 12514596 A JP12514596 A JP 12514596A JP H0961522 A JPH0961522 A JP H0961522A
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JP
Japan
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doppler frequency
dispersion
calculating
meteorological
circuit
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JP8125145A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Matsuno
達夫 松野
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近似式を用いずにドプラ周波数及びその分散
を求め、ドプラ周波数やその分散の不正確さをなくしま
た自動利得制御を廃止可能にする。 【解決手段】 サンプルZiの時系列データに基づいて
複素乗算器10にて得られた複素相関を利用し、速度演
算回路24〜28及び分散演算回路30〜34を用いて
ドプラ周波数及びその分散を演算する。速度演算回路2
4〜28と分散演算回路30〜34の対はそれぞれ複素
相関の移動平均値の位相の不連続点を境とする複数の領
域のうちいずれかに対応して設ける。切換回路36がこ
の位相がどの領域に属するかを示す速度演算回路20か
らの出力に基づいていずれかの組に係るドプラ周波数及
び分散を選択する。別の構成では、単一の分散演算回路
が複素相関に基づいて求めたドプラ角周波数の絶対値を
とって、ドプラ角周波数を正の値とし、このドプラ角周
波数の絶対値に基づいて分散を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、「気象粒子」であ
る例えば雨滴、雪片、雲粒等からエコーとして得られた
受信信号に基づき当該気象粒子の性状を検出する気象レ
ーダ装置に関し、特に受信信号のドプラ周波数の分散を
検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3には、一従来例に係る気象レーダ装
置、特にドプラ周波数(速度)及びその分散を検出する
回路の構成が示されている。
【0003】この図に示される回路は、まず、複素乗算
器10、スイープメモリ12及び14を備えている。ス
イープメモリ12及び14は、ディジタル化された受信
信号、すなわち時刻iにおけるサンプルZi を1スイー
プ、すなわちレーダ装置における1回の送受信に相当す
る時間だけ遅延させる手段であり、サンプルZi の同相
成分I及び直交成分Qそれぞれに対応して設けられてい
る。従って、時刻iにおいて複素乗算器10に入力され
る情報は、時刻iにおけるサンプルZi 及びスイープメ
モリ12及び14によって遅延された時刻i−1におけ
るサンプルZi- 1 である。複素乗算器10は、サンプル
i-1 とサンプルZi の複素共役の積を演算する。例え
ば、サンプルZi-1 が次式(1)
【数1】 により表され、サンプルZi が次式(2)
【数2】 によって表されるとすると、図4に示される原理によ
り、複素乗算器10によって演算される値は、次式
(3)と表されることになる。
【0004】
【数3】 上式(3)に基づいて演算される積Zi-1 i*(*は複
素共役)の実部及び虚部は、それぞれ、平均回路16又
は18に供給される。平均回路16及び18において
は、N個のサンプルに関し、平均演算が行われる。従っ
て、平均回路16によって得られる値は、次式(4)
【数4】 となり、平均回路18によって得られる値は、次式
(5)となる。
【0005】
【数5】 なお、図3に示される回路は、“Spectral Mean and Va
riance Estimation via Pulse Pair Processing ”、l.
R.Novick,Kenneth M.Glover,16th Radar Meteology Con
ference,April22-24,1975 に開示されている。この回路
では、パルスペアプロセッシングを用いており、そのた
め速度演算回路20及び分散演算回路22を備えてい
る。そのうち速度演算回路20は、平均回路16及び1
8の演算結果に基づきかつ次式(6)
【数6】 を用いて、ドプラ角周波数ωdaを演算する。ここに、次
式(7)で示されるドプラ角周波数ωdaを2πで除した
値fdaは、
【数7】 雨滴等の気象粒子からエコーとして得られた受信信号に
含まれるドプラ周波数であり、当該気象粒子の相対速度
を表している。従って、このような速度演算回路20を
用いることにより適当な速度を検出することができる。
また、上述の速度演算回路20は、具体的には次式
(8)
【数8】 の演算を行う必要があるため、当該速度演算回路20は
逆正接テーブルを格納したROM等により実現すること
ができる。
【0006】一方、分散演算回路22は、ドプラ周波数
の分散を演算する。その際、ドプラ周波数の分散Wを求
める算出式として、次式(9)
【数9】 が用いられる。但し、この式に含まれる自己相関R
(0)は受信電力に相当しているから、図3に示される
回路の前段において自動利得制御を施しR(0)が一定
になるようにすれば、次の近似式(10)
【数10】 を成り立たせることができる。分散演算回路22は、こ
の近似式に従いドプラ周波数の分散Wを演算する。な
お、分散演算回路22においては、複素相関R(τ)と
して平均回路16及び18の出力を利用している。そし
て、このようにして得られた分散Wに基づいて気象粒子
の性状が検出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によってドプラ周波数の分散を求める際には、
自己相関R(0)が一定となるよう精密な自動利得制御
を施す必要があるため、前段の回路の構成が複雑化す
る。また、分散演算回路において使用する式が近似式で
あるため、一般に、分散を正確に求めることができると
は限らない。更に、図3に示される回路に入力される信
号はディジタル信号であるから演算の結果得られる分散
の値もディジタル信号として得られることになるが、分
散を表すディジタル信号の1ビットが実際にどの程度の
分散に相当するのかを決定するのは難しい。これは同様
にデジタル信号として得られる速度の場合においては、
次式(11)
【数11】 中の最大ドプラ周波数fmax にレーダ繰返し周波数を、
また波長λに送信波長をそれぞれ代入すれば1ビット当
たりの速度の量が一意に決定されることと対照的であ
り、分散の1ビット当たりの大きさは、上記近似式(1
0)からは求めることができない。そして、このように
1ビット当たりの分散の大きさがわからないということ
は、分散値の決定にあたって不便であった。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、近似式を用いた分
散演算を廃止し、ひいては前段の回路における自動利得
制御をなくし、分散を正確に求めることを可能にすると
共に、1ビット当たりの分散の量を明確に決定可能にす
ることを目的とする。また、本発明は、統計的手法に基
づく分散等の演算にあたって受信信号間のドプラ角周波
数の位相に現れる不連続性の影響を防止し、分散等をよ
り正確に求めることを可能にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係る気象レーダ装置は、以下のよう
な特徴を有する。
【0010】(1)雨滴等の気象粒子からエコーとして
得られた受信信号の時系列に基づき、相異なる時点にて
得られた受信信号の間の複素相関を演算する手段と、上
記複素相関の時系列に基づきドプラ周波数の分散を演算
する分散演算手段と、を備え、上記気象粒子の性状をド
プラ周波数の分散として検出することを特徴とする。
【0011】上記構成では、まず、雨滴等の気象粒子か
らエコーとして得られた受信信号の時系列に基づき、相
異なる時点にて得られた受信信号の間の複素相関が演算
される。更に、複素相関の時系列に基づき、ドプラ周波
数(実施形態においてはドプラ角周波数)が演算され、
このドプラ周波数に基づいてその分散が演算される。こ
のように、本発明においては、複素相関の時系列に基づ
く統計的手法によってドプラ周波数の分散が演算されて
いるため、パルスぺアプロセッシング等における近似式
を用いることなくドプラ周波数の分散が演算される結
果、前段の回路における自動利得制御が不要となる。ま
た、分散等が正確に演算され、出力1ビット当たりの分
散等の量が明確に決定される。
【0012】(2)また、本発明は、上記複素相関の時
系列に基づきその移動平均値の位相を演算する手段と、
上記移動平均値の位相がその正接値の不連続点を境とす
る複数の領域のうちどの領域に属するかを判定する手段
と、を備え、それぞれ上記複数の領域のうちいずれかに
対応するよう上記分散演算手段を複数個設け、更に、上
記領域判定の結果に基づきいずれかの分散演算手段を選
択しその分散演算手段により演算された分散を検出結果
として採用する手段を備えることを特徴とする。
【0013】このような構成とすれば、逆正接関数であ
る移動平均値の位相の不連続点の影響を受けることな
く、すなわち、より正確にドプラ周波数やその分散が演
算されることになる。
【0014】更に、本発明は、上記複素相関の時系列に
基づきドプラ周波数を演算するドプラ周波数演算手段を
備え、上記気象粒子の性状をドプラ周波数及びその分散
として検出することを特徴とする。
【0015】(3)また、本発明は、上記複素相関の時
系列に基づきその移動平均値の位相を演算する手段と、
上記移動平均値の位相がその正接値の不連続点を境とす
る複数の領域のうちどの領域に属するかを判定する手段
と、を備え、それぞれ上記複数の領域のうちいずれかに
対応するよう上記ドプラ周波数演算手段を複数個設け、
更に、上記領域判定の結果に基づきいずれかのドプラ周
波数演算手段を選択しそのドプラ周波数演算手段により
演算されたドプラ周波数を検出結果として採用する手段
を備えることを特徴とする。
【0016】(4)本発明の他の構成においては、上記
(1)同様の気象レーダ装置において、ドプラ周波数を
演算するドプラ周波数演算手段と、そのドプラ周波数の
絶対値を取り、平均値と二乗平均値から分散を演算する
分散演算手段と、を有することを特徴とする。
【0017】上記構成においては、まず、雨滴等の気象
粒子からエコーとして得られた受信信号の時系列に基づ
き、相異なる時点にて得られた受信信号の間の複素乗算
が演算される。更に、複素乗算の時系列に基づいてドプ
ラ周波数(実施形態においてはドプラ角周波数)を演算
して絶対値を取る。このように絶対値を取ってドプラ周
波数を正の値のみとして、以後の分散演算を行うことと
すれば、複素乗算値の逆正接関数であるドプラ周波数の
不連続性の影響により分散値が増大することが防止さ
れ、単一の分散演算手段によって正確なドプラ周波数の
分散を求めることが可能となる。
【0018】(5)更に、上記構成において、上記複素
乗算の時系列に基づきその移動平均値の位相を演算し、
この位相に基づいてドプラ周波数を演算するドプラ周波
数演算手段を有し、気象粒子の性状をドプラ周波数及び
その分散として検出することを特徴とする。
【0019】(6)また、上記構成において、上記分散
値の平方根を取り標準偏差を求める標準偏差演算手段を
有し、気象粒子の性状をドプラ周波数及びその分散の標
準偏差として検出することを特徴とする。
【0020】以上に示す本発明の(4)〜(6)構成に
おいても、上述の(1)〜(3)の構成と同様に、複素
乗算の時系列に基づく統計的手法によってドプラ周波数
やその分散が演算されているため、パルスぺアプロセッ
シング等における近似式を用いることなくドプラ周波数
やその分散が演算される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について図面に基づき説明す
る。なお、従来例と同様の構成には同一の符号を付し説
明を省略する。
【0022】実施形態1.図1に示される回路は、図3
に示される回路中の分散演算回路22を廃止すると共
に、新たに速度演算回路24〜28、分散演算回路30
〜34及び切換回路36を設けた構成を有している。こ
れらのうち速度演算回路24〜28は、それぞれ、ドプ
ラ角周波数ωdb〜ωddを次式(12)に基づいて演算す
る。
【0023】
【数12】 但し、速度演算回路24〜28は、上述の式の後半に記
されているように、複素乗算値の逆正接関数となる位相
[ωdbT、ωdcT、ωddT]が、所定の範囲内に属する
場合にドプラ角周波数ωdb〜ωddを演算する。
【0024】ここで、各速度演算回路24〜28は、例
えば逆正接テーブルを格納したROM等によって構成さ
れており、テーブルは、例えば次表に示すように設定さ
れている。
【0025】
【表1】 この表に示されているように、各速度演算回路24〜2
8は、それぞれ複素乗算器10から供給されるZi-1
i *の実部Re及び虚部Imの正負の符号に基づいて、
複素平面の第1〜第4象限のいずれかを特定し、その範
囲内でドプラ角周波数を求め、これを出力する。
【0026】また、本実施形態において、上記速度演算
回路24〜28は、不連続なドプラ角周波数をその連続
範囲内ごとに正確に求めるために3つ設けられており、
上述のようにそれぞれ異なる範囲でドプラ角周波数を演
算している。具体的には、速度演算回路24(−π〜
π)はドプラ角周波数の[−π/2〜π/2]の範囲、
速度演算回路26(0〜2π)はドプラ角周波数の[π
/2〜π]の範囲、更に速度演算回路28(−2π〜
0)はドプラ角周波数の[−π〜−π/2]の範囲につ
いて正確な分散を求めるために設けられている。
【0027】分散演算回路30〜34は、いずれも、平
均回路38、二乗平均回路40、二乗回路42及び減算
回路44から構成されている。以下の説明では、分散演
算回路30の動作に関し説明するが、分散演算回路32
及び34の動作も同様であることに注意されたい。
【0028】分散演算回路30の平均回路38は、次式
(13)に基づいて、対応する速度演算回路24により
求められた速度ωdbの平均値を求め二乗回路42は、さ
らにこの平均値の二乗を求める。
【0029】
【数13】 その一方で、分散演算回路30の二乗平均回路40は、
次式(14)によりドプラ角周波数ωdbの二乗平均を求
める。
【0030】
【数14】 減算回路44は、二乗平均回路40及び二乗回路42の
演算結果を用い、次式(15)を演算して、分散を求
め、これを切換回路36に供給する。
【0031】
【数15】 分散演算回路32は、対応する速度演算回路26より得
られたドプラ角周波数ωdcに基づき同様の手順で分散W
b を求めて切換回路36に供給し、分散演算回路34は
対応する速度演算回路28により求められたドプラ角周
波数ωddに基づき同様の手順で分散Wc を求め切換回路
36に供給する。これら分散演算回路30〜34は、ま
た、その平均回路38により得られた値をそれぞれ2π
で除して切換回路36にドプラ周波数(速度)として供
給する。
【0032】切換回路36は、分散演算回路22から得
られるドプラ周波数及びその分散を、速度演算回路20
の出力に基づき選択する。すなわち、ドプラ角周波数ω
daとレーダ繰り返し周期(1スイープ時間)との積で表
される複素相関[ωdaT]の移動平均値の位相に応じ、
次式(16)
【数16】 に基づいて出力すべき分散Wを選択し、また次式(1
7)
【数17】 に基づき出力すべきドプラ周波数fd を選択する。
【0033】従って、本実施形態によれば、ドプラ周波
数fd 及び分散Wが、統計的手法によって求められ、近
似式を用いることによる不正確さがなくなると共に、近
似式を用いるために必要な自動利得制御を廃止すること
が可能になる。また、分散Wが近似式を用いずに正確に
求められるので、デジタル信号として算出される分散W
についてその1ビット当たりの分散の大きさを明確に特
定することが可能になる。即ち、速度1ビット当たりの
大きさが既知であるから、この大きさの値を2乗するこ
とにより、容易に分散の1ビット当たりの大きさを求め
ることができる。
【0034】更に、上述のように複素相関の移動平均値
の位相に基づき最適なドプラ周波数及び分散の選択を行
っているため、正接関数の不連続性の影響を排除するこ
とができる。すなわち、逆正接テーブルを格納するRO
Mにより構成されている速度演算回路24〜28で求め
られるデータ(ドプラ角周波数)における不連続性の影
響、具体的にはドプラ角周波数の不連続点近傍(波形の
折り返し発生領域)にて分散値に大きな誤差が発生する
ことなどを排除することができる。
【0035】また、本実施形態の構成により得られたド
プラ周波数(速度)及び分散に基づき、例えば、気象レ
ーダ装置によって観測した領域における気象粒子の速度
が一様であっても、分散値が大きい場合には、航空機等
のその領域の飛行を避ける等、ドプラ周波数及びその分
散は、様々な用途に適用することが可能である。
【0036】実施形態2.図2は、実施形態2に係る気
象レーダ装置の回路を示しており、実施形態1と同様
に、図3の回路中の分散演算回路22を廃止している。
そして、新たに速度演算回路24、分散演算回路50及
び平方根回路、即ち標準偏差回路62を設けた構成を有
している。複素乗算器10にて上式(3)に基づいて求
められるZi- 1 i*の実部及び虚部は、それぞれ平均回
路16、18に供給されると共に、速度演算回路24に
供給される。速度演算回路24は、上記Zi-1 i*を用
いて次式(18)を演算してドプラ角周波数ωdbを求め
る。
【0037】
【数18】 上述の分散演算回路50は、絶対値回路52、平均回路
54、二乗平均回路58、二乗回路56及び減算回路6
0から構成されている。分散演算回路50の絶対値回路
52は速度演算回路24において求められたドプラ角周
波数、すなわち速度ωdbの絶対値を取る回路である。こ
の速度ωdbは、ドプラ周波数の位相[ωdbT]がπから
−πへ飛ぶと波形の折り返しが発生して符号が反転し、
値が不連続となる。このような不連続な速度ωdbに基づ
いて分散計算を行うと、平均回路54において不連続な
値が平均され、得られる平均値が不正確となり、結果と
して分散値が増加してしまう。本実施形態2のように絶
対値回路52を設けて速度ωdbの絶対値をとれば、速度
ωdbは|ωdb|となり正のみとなる。従って、正のみの
速度ωdbに基づいて分散演算回路50がドプラ周波数の
分散を演算すれば、速度ωdbの不連続性による分散値の
増加等の問題を避けることができる。
【0038】絶対値回路52で得らえる速度ωdbの絶対
値(以下、絶対速度という)|ωdb|は、次に平均回路
54及び二乗平均回路58にそれぞれ供給される。平均
回路54は、次式(19)を演算して絶対速度|ωdb
の平均値を求める。
【0039】
【数19】 二乗回路56は、上記平均値の二乗を演算して求める。
その一方で、二乗平均回路58は、ドプラ角周波数ωdb
の二乗平均を次式(20)に基づいて求める。
【0040】
【数20】 減算回路60は、二乗平均回路58及び二乗回路56か
らの演算結果を用い、分散Wa を次式(21)により求
め、これを分散Wとして出力すると共に、平方根回路6
2に供給する。そして、平方根回路62は、分散Wa
基づいてその平方根を算出し、これによりドプラ周波数
の標準偏差が得られ、この標準偏差は、分散Wと同様に
気象粒子の性状の検出に利用される。このように、ドプ
ラ周波数の標準偏差を利用すれば、レーダ装置のオペー
レータ等が容易に気象粒子の速度のばらつきを知ること
が可能となるため、気象粒子の性状の検出が容易とな
る。
【0041】
【数21】 以上本実施形態2によれば、分散Wが統計的手法によっ
て求められているため、実施形態1と同様に、近似式を
用いることによる不正確さがなくなり、従来前段回路に
必要とされていた自動利得制御を廃止することが可能に
なる。さらに、分散の1ビット当たりの大きさが明確に
特定される。
【0042】また、本実施形態2では、上述のように分
散演算回路50において絶対値回路52を設けて、ドプ
ラ周波数の絶対値を取っている。従って、正接関数とし
て求められるドプラ周波数の不連続性が解決できるだけ
でなく、単一の分散演算回路によって分散を正確に計算
することができ、簡単な回路構成で分散計算の誤差をな
くしている。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
近似式ではなく統計的手法を用いて分散を求めるように
したため、気象粒子の性状をより正確にかつ自動利得制
御を伴うことなく検出することが可能になり、また出力
信号1ビット当たりの分散の量等を明確に特定すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る気象レーダ装置、
特にその分散を求める回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 本発明の実施形態2に係る気象レーダ装置、
特にその分散を求める回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】 一従来例に係る気象レーダ装置、特にドプラ
周波数やその分散を求める回路の構成を示すブロック図
である。
【図4】 スイープメモリを用いた複素乗算の概要を示
す直交空間図である。
【符号の説明】
10 複素乗算器、12,14 スイープメモリ、1
6,18,38,54平均回路、20,24,26,2
8 速度演算回路、30,32,34,50分散演算回
路、36 切換回路、40,58 二乗平均回路、4
2,56 二乗回路、44,60 減算回路、52 絶
対値回路、62 平方根回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種気象粒子からエコーとして得られた
    受信信号の時系列に基づき、相異なる時点にて得られた
    受信信号の間の複素相関を演算する手段と、 上記複素相関の時系列に基づきドプラ周波数の分散を演
    算する分散演算手段と、 を備え、 上記気象粒子の性状をドプラ周波数の分散として検出す
    ることを特徴とする気象レーダ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の気象レーダ装置におい
    て、 上記複素相関の時系列に基づきその移動平均値の位相を
    演算する手段と、 上記移動平均値の位相がその正接値の不連続点を境とす
    る複数の領域のうちどの領域に属するかを判定する手段
    と、 を備え、 それぞれ上記複数の領域のうちいずれかに対応するよう
    上記分散演算手段を複数個設け、 更に、上記領域判定の結果に基づきいずれかの分散演算
    手段を選択しその分散演算手段により演算された分散を
    検出結果として採用する手段を備えることを特徴とする
    気象レーダ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の気象レーダ装置におい
    て、 上記複素相関の時系列に基づきドプラ周波数を演算する
    ドプラ周波数演算手段を備え、 上記気象粒子の性状をドプラ周波数及びその分散として
    検出することを特徴とする気象レーダ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の気象レーダ装置におい
    て、 上記複素相関の時系列に基づきその移動平均値の位相を
    演算する手段と、 上記移動平均値の位相がその正接値の不連続点を境とす
    る複数の領域のうちどの領域に属するかを判定する手段
    と、 を備え、 それぞれ上記複数の領域のうちいずれかに対応するよう
    上記ドプラ周波数演算手段を複数個設け、 更に、上記領域判定の結果に基づきいずれかのドプラ周
    波数演算手段を選択しそのドプラ周波数演算手段により
    演算されたドプラ周波数を検出結果として採用する手段
    を備えることを特徴とする気象レーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の気象レーダ装置におい
    て、 ドプラ周波数を演算するドプラ周波数演算手段と、 そのドプラ周波数の絶対値を取り、平均値と二乗平均値
    から分散を演算する分散演算手段と、 を有することを特徴とする気象レーダ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の気象レーダ装置におい
    て、 更に、上記複素乗算の時系列に基づきその移動平均値の
    位相を演算し、この位相に基づいてドプラ周波数を演算
    するドプラ周波数演算手段を有し、 気象粒子の性状をドプラ周波数及びその分散として検出
    することを特徴とする気象レーダ装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6のいずれかに記載
    の気象レーダ装置において、 更に、上記分散値の平方根を取り標準偏差を求める標準
    偏差演算手段を有し、 気象粒子の性状をドプラ周波数及びその分散の標準偏差
    として検出することを特徴とする気象レーダ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7275860B2 (en) 2004-01-27 2007-10-02 Seiko Instruments Inc. Display correcting mechanism and timepiece having display correcting mechanism

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