JPH0959822A - 定置網用高比重複合繊維 - Google Patents

定置網用高比重複合繊維

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JPH0959822A
JPH0959822A JP7210387A JP21038795A JPH0959822A JP H0959822 A JPH0959822 A JP H0959822A JP 7210387 A JP7210387 A JP 7210387A JP 21038795 A JP21038795 A JP 21038795A JP H0959822 A JPH0959822 A JP H0959822A
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high specific
core
sheath
inorganic substance
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JP7210387A
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Chikara Honda
主税 本田
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
Akio Tawara
昭夫 田原
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度及び高比重を有し、かつ低いL値を
有し定置網用として好適な高比重複合繊維とする。 【解決手段】 芯部に無機物質を含有する芯鞘型の定
置網用高比重複合繊維であって、強度が4.0g/d以
上、比重が1.45以上、及び、L値が20以下の物性
を有する。この高比重複合繊維は、芯部および/または
鞘部に黒色顔料を含有させ、芯部に高比重の無機物質を
12重量%以上、80重量%未満含有させ、芯部の複合
割合を9重量%以上、60重量%未満とすることによっ
て、さらには、特定の製糸方法によって得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高強度及び高比重を
有しかつL値が低く、定置網用として好適な芯鞘型複合
繊維に関するものである。更に詳しくは漁業の定置網用
繊維に用いた場合、破網しにくく、フカレにくく、更に
は廃棄処分時に公害等の問題を起こさない定置網用高比
重複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、定置網用原糸としては、ナイロン
を鞘、鉛金属を芯とする高比重複合繊維と通常のポリエ
ステル繊維とを混繊した糸が使用されており、その糸の
中で、低強度の鉛入り複合繊維が高比重化の役割を受け
持ち、通常のポリエステル繊維が強度を受け持ってい
る。しかしながら、鉛入りの高比重複合繊維は、鉛を繊
維中に配するため、単糸繊度の太いモノフィラメント状
の繊維しか得られない。更には、鉛入りの複合繊維は、
延伸時にその芯部(鉛金属部)が十分に延伸されないた
めに、芯部に切断された断続状態が生じ易く、その結
果、繊維長手方向の繊維径が大きく変動し、太細が不均
一に存在する繊維となり、しかも、低強度のために編網
時の撚糸によって断糸が発生し易い等の問題があった。
【0003】一方、特開昭62−15327号公報には
上記問題を解決するために、芯部を微細な鉛合金を含有
した熱可塑性重合体にする複合繊維が開示されている。
【0004】しかし、いずれの場合も得られた複合繊維
の強度は、高々2.0g/d程度と極めて低く、これら
の複合繊維を単独で実用に供することは困難であり、通
常のポリエステル繊維と混繊・撚糸して編網するといっ
た繁雑な作業を行う必要があった。
【0005】更に、上記した鉛金属や鉛合金を用いた繊
維の場合、その廃棄時に、鉛金属や鉛合金を回収する繁
雑な作業を必要とする。
【0006】また、高比重を有する繊維としては、例え
ば特開昭54−38921号公報、特開昭59−157
312号公報、特開昭61−613号公報および特開昭
62−57918号公報に記載されているように、各種
の熱可塑性重合体に高比重物質、例えば二酸化チタン、
硫酸バリウム等を混練した組成物を紡糸して繊維とし、
高比重繊維とする技術が提言されている。
【0007】しかしながら、これら従来の技術では、目
標とする高比重を得るために多量の高比重物質を混練す
ることが必要であるので強度低下が著しく、ベースとし
て使用された熱可塑性重合体の持つ本来の物性には遠く
及ばない繊維特性しか得られないのが現状である。しか
も、熱可塑性重合体に高比重物質を混練してなる樹脂組
成物を単独で紡糸しているので、繊維表層に一部の高比
重物質が露出し、そのために、紡糸引取り時に給油ガイ
ドや集束ガイドの摩耗が促進され、更には延伸工程にお
いてロール表面を摩耗させたり傷つけたりするという弊
害が生じ、操業性が極端に悪いという問題も有してい
る。
【0008】また、古来より定置網はその耐久性と漁獲
高を維持するために、網地をタールで処理し黒色化され
てきた経緯があり、現在でも網地を形成する素材原糸は
原着・後染め等によって黒色化することが必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術にお
いても、定置網用の高比重繊維には黒色化のために顔料
添加等の手法が併用されているが、多量の高比重物質、
例えば二酸化チタンや硫酸バリウム等も添加させている
ために黒色の発色性が悪く、いわゆる白ボケしてL値が
高い原糸しか得られないという問題があった。
【0010】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける問題を解消し、極めて優れた高強度と高比重ととも
に低いL値をも兼ね備え、定置網用として好適な高比重
複合繊維を提供することを主たる目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、芯部に高比重無機物質を含有する芯鞘型
複合繊維であって、強度が4.0g/d以上、比重が
1.45以上、かつ、L値が20以下である定置網用高
比重複合繊維からなる。
【0012】そのためには、芯部および/または鞘部に
は黒色顔料を含有させ、芯部を高比重無機物質を12重
量%以上、80重量%未満含有する熱可塑性重合体から
構成し、さらに、複合繊維に占める芯部の割合を9重量
%以上、60重量%未満とすればよい。
【0013】また、芯部に含有させる高比重無機物質の
50重量%以上は、硫酸バリウムのようなバリウム化合
物、および/または、酸化チタンのようなチタン化合物
であることが好ましく、さらに、その単糸繊度は8.5
d以上であることが好ましい。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
定置網用高比重複合繊維は、芯部に高比重無機物質を含
有する芯鞘型複合の高比重繊維であって、4.0g/d
以上の強度、1.45以上の比重、及び、20以下のL
値を同時に満足する。
【0015】強度が4.0g/d未満の繊維では、その
機械的強度が低いために単独では、通常の使用法で用い
ても破網、切断が発生する弱い定置網しか得られない。
【0016】比重は1.45以上が必要であり、更に
1.50以上であることが好ましい。比重が1.45未
満では定置網として海中に投入した際に、海水の流動に
より定置網が動くという所謂フカレ現象が発生し、定置
網の耐久性が低下すると共に漁獲高も減少する。
【0017】さらに、L値が20以下という十分な黒色
を有することが必要があり、更に18以下であることが
好ましい。定置網用原糸のL値と漁獲高との関係は必し
も明確にはなっていないが、L値が20を越える白ボケ
した原糸で編網された定置網は漁獲高が低くなるという
理由で漁業では使用されない。
【0018】上記した、本発明の定置網用高比重複合繊
維の特性は以下に記載する要件を満たすことによって得
られる。
【0019】本発明の定置網用高比重複合繊維におい
て、複合繊維に占める芯部の割合は9重量%以上、60
重量%未満とする。その芯部の割合が9重量%未満では
比重1.45以上とすることが困難である。逆にその芯
部の割合が60重量%以上では強度4.0g/d以上と
することが困難である。
【0020】その芯部は高比重を付与するための無機物
質を12重量%以上、80重量%未満含有した熱可塑性
重合体で構成される。その高比重無機物質の含有量が1
2重量%未満では比重1.45以上が得られ難い。逆
に、その高比重無機物質の含有量が80重量%以上で
は、比重1.45以上は得られるものの、芯部を構成す
る熱可塑性重合体の曳糸性が低下し紡糸性が不良とな
る。
【0021】芯部に含有させる高比重無機物質は、比重
2.5以上のような高い比重を有し、かつ、所望の強度
およびL値を付与できるものならば特に限定されるもの
ではないが、その無機物質の50重量%以上が、硫酸バ
リウムのようなバリウム化合物、および/または、酸化
チタンのようなチタン化合物であることが好ましい。
【0022】さらに、所望のL値を得るために、芯部お
よび/または鞘部に、カーボンブラックのような黒色顔
料を含有させる。その黒色顔料の量は、芯部に用いる無
機物質の白色度等によるが、一般に繊維全体に対し0.
2〜1.5重量%であればよい。鞘部に黒色顔料を含有
させる場合には、所望の強度水準を得るために多くとも
顔料は1.0wt%未満とすることが好ましい。
【0023】L値を20以下にするための顔料の含有方
法は特に限定されないが、その具体例として、芯部およ
び/または鞘部を構成する熱可塑性重合体に直接顔料を
添加する方法、または、予め多量の顔料を熱可塑性重合
体にブレンドし溶融した後冷却したガットをチップ状に
カットして黒色顔料マスターチップを作成しておき、こ
れを芯部および/または鞘部を構成する熱可塑性重合体
に定量ブレンドする方法等が挙げられる。
【0024】芯部に用いる熱可塑性重合体は紡糸温度で
分解せずに溶融状態となりうる重合体であれば特に限定
されない。また、鞘部に用いる熱可塑性重合体は紡糸可
能でかつ配向による高強度化が可能であれば特に限定さ
れない。それら熱可塑性重合体にはそれら本来の性質を
損ねない範囲であれば他の共重合成分、耐候剤、酸化防
止剤等を必要に応じて含んでいても良いが、鞘部に含有
させる場合には10重量%以下のような少量とすること
が好ましい。
【0025】それらの具体的な熱可塑性重合体として
は、例えばオレフィン系重合体としてポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリビニルアルコール等が挙げられ、ビ
ニル系重合体としてポリスチレン等が挙げられ、ポリエ
ステル系重合体としてはポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等が挙げられ、ポリアミド系重合体としてはポリヘキ
サメチレンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパミ
ド、ポリカプラミドが挙げられるが、特にポリエステル
系重合体およびポリアミド系重合体が好ましい。特に鞘
部に用いる重合体は、所望の強度を得るために高重合度
であることが好ましく、例えば、固有粘度(IV)が
0.9以上の高重合度ポリエステル系重合体や、硫酸相
対粘度(ηr)が2.9以上の高重合度ポリアミド系重
合体が好ましい。
【0026】本発明の定置網用高比重複合繊維を構成す
る単糸の繊度は8.5d以上が好ましい。単糸繊度が
8.5d未満と細過ぎる場合は、水中から引上げた時の
水切れが悪いので、漁網として用いた場合に網重量が重
くなるという問題点があり、好ましくない。
【0027】
【発明の実施の形態】上述した本発明の定置網用高比重
複合繊維は、次の方法によって製造することができる。
【0028】芯部として用いる高比重無機物質含有熱可
塑性重合体は、常法で重合して得られた熱可塑性重合体
と、適宜選択された高比重無機物質とを、それぞれ計量
し、溶融混練した後、ノズルから押し出し、ペレット状
にカットすることによって得られる。ペレット状にカッ
トされた無機物質含有熱可塑性重合体は、そのまま紡糸
に供してもよいし、また、必要に応じて再度高重合化し
て使用しても良い。
【0029】一方、鞘部として用いる熱可塑性重合体に
は、常法によって重合して得られたものをそのまま使用
してもよいし、添加剤を配合する場合には上記と同様に
して配合すればよい。
【0030】さらに、芯部および/または鞘部には、黒
色顔料を含有させる。芯部に含有させる場合、前記無機
物質含有の熱可塑性重合体を得る時に、顔料も計量し、
溶融混練することもできるし、また、高比重無機物質含
有熱可塑性重合体に、予め作成しておいた黒色顔料マス
ターチップを計量ブレンドすることも可能である。鞘部
に含有させる場合は、必要に応じて添加剤を配合する時
点で顔料も計量し、溶融混練することもできるし、ま
た、鞘部の熱可塑性重合体に予め作成しておいた黒色顔
料マスターチップを計量ブレンドすることも可能であ
る。
【0031】前記した芯部用の重合体組成物、及び、鞘
部用の重合体(組成物)は、それぞれ別々のエクストル
ーダで溶融された後、複合紡糸パックに導かれ、複合紡
糸口金内で複合流を形成された後に紡糸口金から吐出さ
れる。その複合の形態は、単純芯鞘型、芯複数型、多重
芯鞘型、芯異形型等、特に限定するものではなく、所望
の特性や用途等に応じて選択すればよい。
【0032】吐出された芯鞘型複合糸は、紡糸口金直下
に設置された加熱雰囲気域を通して遅延冷却される。そ
の後に、冷却域に導入されて冷却風を吹き付けられ、紡
糸筒を通過して糸条を形成する。
【0033】前記加熱雰囲気域の温度は120〜350
℃、その長さは5〜300cmであればよく、この加熱
雰囲気域の条件は、紡出される糸条の粘度、単糸太さ、
ドラフト率、単糸数等の設定条件によって選択すればよ
い。
【0034】前記冷却域では、常温空気のような120
℃未満の気体を、15〜50m/分の速度で吹き付けれ
ばよい。この冷却域の条件も、紡出される糸条の粘度、
単糸太さ、ドラフト率、単糸数等の設定条件によって選
択すればよい。
【0035】加熱雰囲気域および冷却域における各条件
を前記の範囲内とすることによって、紡出糸条の冷却配
向パターンを適切なものとすることができる。
【0036】前記加熱雰囲気域および冷却域を通過し、
冷風によって冷却固化された紡出糸は、紡糸油剤を付与
され、2000m/分以下、好ましくは1500m/分
以下で回転するロールに巻回された後、引き続き又は一
旦巻き取った後に、延伸される。紡糸速度が2000m
/分を越えると、製糸毛羽、延伸糸切れの発生が頻繁に
なり製糸性が悪化するので好ましくない。
【0037】延伸は1段以上の多段延伸が好ましい。2
段以上の多段の延伸を行う場合は、1段目の延伸配分は
全延伸配分の50〜80%の範囲が好ましく、この範囲
を外れると毛羽、糸切れの発生頻度が高くなることもあ
る。
【0038】延伸温度は1段目の延伸に供する糸条の温
度を150℃以下とすることが好ましい。一段目の延伸
に供する糸条の温度が150℃を越えると、結晶化が進
行し2段目以降の延伸が困難となる。2段目以降の延
伸、熱セット温度は、鞘部に用いる重合体(組成物)の
融点よりも40℃低い温度以上の高温とすることが好ま
しい。
【0039】糸条に延伸に必要な熱を与える方法として
は、ロール加熱、スチーム、熱液等公知の手法を用いれ
ばよい。
【0040】延伸が完了した糸条は、必要に応じて弛緩
処理を施すか、またはそのまま巻き取られる。
【0041】上記したように、本発明の目的とする高強
度、高比重、低L値の定置網用高比重複合繊維を得るた
めには、さらにその定置網用高比重複合繊維を工業的に
に容易に製造するためには、特に、鞘部に用いる重合体
(組成物)が高重合度を有すること、及び、比較的低い
延伸倍率(5〜6倍)で高強度を得ることが必要であ
る。
【0042】鞘部に用いる重合体(組成物)が低重合度
である場合は、高倍率延伸を行わなければ目標とする強
度が得られないが、高倍率延伸を行うと、芯部の熱可塑
性重合体が含有する無機物質近傍にボイドが発生したり
芯鞘界面の剥離が生じるため、所望の比重が得られ難く
なる。
【0043】また、2段目以降の延伸温度を、鞘部に用
いる重合体(組成物)の融点よりも40℃低い温度以上
の高温にすれば、芯部の重合体組成物の延伸時の流動性
を高くすることができ、その結果、粒子近傍でのボイド
発生を抑制したり、芯鞘界面剥離を防止したりすること
ができるので、所望のL値を得るために好ましい。な
お、前記ボイドの発生や芯鞘界面剥離は糸状の白色化を
まねくのでL値が高くなり好ましくない。
【0044】かくして得られた本発明の定置網用高比重
複合繊維は、高強度及び高比重であるとともに低いL値
を有しており、定置網用原糸として極めて有用である。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の物性は次の方法で測定した。
【0046】A.比重:比重びんを使用して見掛け密度
を測定した。
【0047】B.強度:試料を20℃、65%RTの温
調室に24時間以上放置した後、(株)オリエンテック
社製テンシロン引張試験機を用い、試長25cm、引取
速度30cm/分で伸度−強力曲線を求め、強度を算出
した。
【0048】C.L値:SMカラーコンピュータ(積分
球式2光路方式:スガ試験機(株)製)を用い、反射法
により試料照射面積12mmΦで測定した。試料となる
原糸を、L値90以上のサンプル台に隙間なく、1〜3
重に巻き付け測定した。
【0049】D.硫酸相対粘度(ηr):試料1gを9
8%硫酸100mlに溶解し、オストワルド粘度計で2
5℃で測定した。
【0050】E.極限粘度(IV):試料8gをオルソ
クロロフェノール100mlに溶解し、溶液粘度(η)
をオストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、次の近
似式により極限粘度(IV)を算出した。 IV=0.0242η+0.2634
【0051】[実施例1〜5および比較例1〜5]極限
粘度1.2のポリエチレンテレフタレート(PET)
に、高比重無機物質として比重4.3の沈降性硫酸バリ
ウム(BaSO4 )を、表1に示す割合で添加混合し溶
融混練した後、3.0mmφの口金から吐出し、冷却し
た後カットして、芯部として用いるチップ状の硫酸バリ
ウム含有ポリエチレンテレフタレートを得た。この硫酸
バリウム含有チップに、カーボンブラック(顔料)を2
0wt%含有したポリエチレンテレフタレートチップ
(以下、黒色顔料PETマスターチップという)を表1
に示す割合でブレンドし、温度130℃の回転式真空乾
燥機で12時間乾燥し、チップの水分率を0.002%
以下とした。
【0052】鞘部として用いる熱可塑性重合体として
は、常法によって得た極限粘度1.2、チップ水分率
0.002%以下のポリエチレンテレフタレート(PE
T)に、水分率0.002%以下の黒色顔料PETマス
ターチップを表1に示す割合でブレンドしたものを準備
した。
【0053】前記の芯部用ポリマおよび鞘部用ポリマは
各々別々のエクストルーダ型紡糸機で溶融した後、複合
紡糸パック中に導き、芯鞘複合紡糸口金より、芯部が硫
酸バリウム含有ポリエチレンテレフタレート、鞘部がポ
リエチレンテレフタレートで、表1に示す芯鞘複合比率
の芯鞘複合繊維として紡出した。
【0054】その際、芯部ポリマは275℃で、鞘部ポ
リマを290℃で、それぞれ溶融させ、290℃に加熱
した複合紡糸パックによって紡出した。
【0055】紡糸口金の孔径0.6mmφ、孔数は60
ホールであり、口金直下には30cmの加熱筒を取り付
け、筒内雰囲気温度が320℃となるように加熱した。
筒内雰囲気温度とは口金面より10cm下の位置で、且
つ最外周糸条より1cm離れた位置で測定した雰囲気温
度である。
【0056】加熱筒の下には長さ40cmの環状型チム
ニーを取り付け、糸条の周囲より25℃で40m/分の
冷風を糸条に直角に吹き付け、冷却した。次いで油剤を
付与した後、表1に示す速度で回転する引取ロールによ
り糸条速度を制御した後、一旦巻取ることなく連続して
延伸した。
【0057】延伸は3対のネルソン型ロールによって2
段延伸した後、次のネルソンロール間で3%のリラック
スを与えて巻取った。引取ロール温度を130℃とし、
引取ロールと180℃に加熱した第1延伸ロールとの間
で1段目の延伸を行い、第1延伸ロールと235℃に加
熱された第2延伸ロールとの間で2段目の延伸を行っ
た。次のネルソンロールは非加熱の延伸後の張力調整と
して使用した。1段延伸倍率は全延伸倍率の78%、残
りを2段目で延伸し、延伸糸の繊度が約1000デニー
ルとなるように吐出量を調整した。
【0058】かくして得られた高比重複合繊維の特性に
ついて評価し、あわせて表1に示した。
【0059】[実施例6]芯部の含有する無機物質を硫
酸バリウム(BaSO4 )から、比重3.9の酸化チタ
ンに変更した以外は、実施例3と同様にして製糸した。
その結果も表1にあわせて記載した。
【0060】[実施例7]無機物質を含有させる芯部用
熱可塑性重合体を、ポリエチレンテレフタレートから硫
酸相対粘度3.4のポリヘキサメチレンアジパミド(N
66)に変更し、黒色顔料PETマスターチップを黒色
顔料ナイロンマスターチップ(カーボンブラックを20
wt%含有したポリカプラミド(N6))に変更し、鞘
部用の熱可塑性重合体を、ポリエチレンテレフタレート
から硫酸相対粘度3.4のポリヘキサメチレンアジパミ
ド(N66)に変更し、黒色顔料PETマスターチップ
を黒色顔料ナイロンマスターチップ(カーボンブラック
を20wt%含有したポリカプラミド(N6))に変更
した。
【0061】延伸温度は、2段目の延伸ロール温度を2
10℃とし、結果を表1にあわせて記載した。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の定置網用高比重複合繊維は、高
強度及び高比重を有し、かつ低いL値を有しているの
で、定置網用繊維として極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/46

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部に高比重無機物質を含有する芯鞘
    型複合繊維であって、強度が4.0g/d以上、比重が
    1.45以上、L値が20以下であることを特徴とする
    定置網用高比重複合繊維。
  2. 【請求項2】 芯部および/または鞘部が黒色顔料を
    含有することを特徴とする請求項1記載の定置網用高比
    重複合繊維。
  3. 【請求項3】 芯部が高比重無機物質を12重量%以
    上、80重量%未満含有した熱可塑性重合体であり、鞘
    部が熱可塑性重合体からなり、複合繊維に占める芯部の
    割合が9重量%以上、60重量%未満であることを特徴
    とする請求項2記載の定置網用高比重複合繊維。
  4. 【請求項4】 芯部に含有する高比重無機物質の50
    重量%以上が、バリウム化合物および/またはチタン化
    合物であることを特徴とする請求項3記載の定置網用高
    比重複合繊維。
  5. 【請求項5】 芯部に含有する高比重無機物質の50
    重量%以上が、硫酸バリウムであることを特徴とする請
    求項3記載の定置網用高比重複合繊維。
  6. 【請求項6】 芯部に含有する高比重無機物質の50
    重量%以上が、酸化チタンであることを特徴とする請求
    項3記載の定置網用高比重複合繊維。
  7. 【請求項7】 複合繊維を構成する単糸の繊度が8.
    5d以上であることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5又は6記載の定置網用高比重複合繊維。
JP7210387A 1995-08-18 1995-08-18 定置網用高比重複合繊維 Pending JPH0959822A (ja)

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JP7210387A Pending JPH0959822A (ja) 1995-08-18 1995-08-18 定置網用高比重複合繊維

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JP (1) JPH0959822A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11293523A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Unitika Ltd 高比重ポリオキシメチレンフィラメント
JPH11293525A (ja) * 1998-04-09 1999-10-26 Kuraray Co Ltd 反撥性および発色性に優れた複合繊維

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JPH11293523A (ja) * 1998-04-15 1999-10-26 Unitika Ltd 高比重ポリオキシメチレンフィラメント

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