JPH0959378A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH0959378A
JPH0959378A JP21604395A JP21604395A JPH0959378A JP H0959378 A JPH0959378 A JP H0959378A JP 21604395 A JP21604395 A JP 21604395A JP 21604395 A JP21604395 A JP 21604395A JP H0959378 A JPH0959378 A JP H0959378A
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JP
Japan
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thermosetting resin
halogen
resin composition
bis
cyanate
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JP21604395A
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Hisashi Watabe
久 渡部
Toshiaki Hayashi
利明 林
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、低誘電性に優れた難燃性熱硬化性樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】下記一般式(1) 【化1】 〔式中、Aは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、
Bはハロゲン原子であり、Xは単結合、炭素数1から2
0の炭化水素基、カルボニル基、スルホン基、2価の硫
黄原子または酸素原子である。iは0以上3以下の整数
値で、jは1以上4以下の整数値である。nは0または1
を表す。〕で表される含ハロゲンシアン酸エステル類ま
たはそのプレポリマー、他の熱硬化性樹脂および硬化剤
を必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品の封止用、
積層板用、ならびに塗料用、複合材料用、成形材料用お
よび接着剤用として有用な難燃性熱硬化性樹脂組成物に
関する。
【0002】熱硬化性樹脂は、優れた諸特性およびその
取扱いの容易さなどから、電気、電子部品の封止用、積
層板用、ならびに塗料用、複合材料用、成形材料用およ
び接着剤用として幅広い分野に使用されている。近年、
製造物責任を求める声の高まりとともに、熱硬化性樹脂
組成物の難燃化は必須の条件となった。一方、高度情報
化社会の到来とともに電子部品の用途、特に積層板用樹
脂では耐熱性とともに、信号伝播速度の向上の目的から
樹脂の低誘電性が要求されるようになってきた。 耐熱
性と低誘電性の両立を実現するための熱硬化性樹脂とし
て、シアネート樹脂(独国特許2533122、国際特
許88/05443)が提案されたが、シアネート樹脂
自体は難燃性ではなかった。一般的にシアネート樹脂の
難燃化のためには、同じ熱硬化性樹脂である難燃性エポ
キシ樹脂を使用することが知られているが、本発明者ら
が検討した結果では耐熱性の低下と誘電特性に悪影響を
及ぼすことがわかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、低誘電性に優れた難燃性熱硬化性樹脂組成物を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、すでに高
純度の含ハロゲンシアン酸エステル類の合成に成功した
(特願平7−98357)。上記課題を解決するため
に、得られた高純度含ハロゲンシアン酸エステル類およ
びまたはそのプレポリマーを難燃材として用いることに
より、耐熱性および低誘電性に優れた熱硬化性樹脂組成
物を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は下記一般式(1)
【化3】 〔式中、Aは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、
Aは相互に異なっていても良い。Bはハロゲン原子であ
り、Xは単結合、炭素数1から20の炭化水素基、カル
ボニル基、スルホン基、2価の硫黄原子または酸素原子
である。iは0以上3以下の整数値で相互に異なってい
ても良く、jは1以上4以下の整数値で相互に異なって
いても良い。nは0または1を表す。〕で表される含ハ
ロゲンシアン酸エステル類またはそのプレポリマー、他
の熱硬化性樹脂および硬化剤を必須成分とすることを特
徴とする熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物の必須成分で
ある含ハロゲンシアン酸エステル類は、一般式(1)を
満足するならば、いかなる方法で得られたものでも用い
ることができる。特に該フェノール類とハロゲン化シア
ンから特願平7−98357号明細書に記載の方法によ
るならば高純度、高収率で得ることができるが、この製
造方法に限定されるものではない。
【0007】含ハロゲンシアン酸エステル類を例示する
と、クロロフェニルシアネート、ブロモフェニルシアネ
ート、4−メチル−2−クロロフェニルシアネート、2
−メチル−4−クロロフェニルシアネート、4−メチル
−2−ブロモフェニルシアネート、2−メチル−4−ブ
ロモフェニルシアネート、ジクロロフェニルシアネー
ト、ジブロモフェニルシアネート、クロロクレゾ−ルシ
アネート、4−メチル−2,5−ジクロロフェニルシア
ネート、4−メチル−2,5−ジブロモフェニルシアネ
ート、ブロモクレゾ−ルシアネート、トリクロロフェニ
ルシアネート、トリブロモフェニルシアネート、3,
3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジシアネー
トジフェニル、3,3’,5,5’−テトラブロモ−
4,4’−ジシアネートジフェニル、ビス(3,5−ジ
クロロ−4−シアネートフェニル)メタン、ビス(3,
5−ジブロモ−4−シアネートフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジクロロ−4−シアネートフェニル)エタ
ン、ビス(3,5−ジブロモ−4−シアネートフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−シ
アネートフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−
ジブロモ−4−シアネートフェニル)プロパン(このも
のは下記式
【0008】
【化4】 で表される。)、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4
−シアネートフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3,5−ジブロモ−4−シアネートフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−シア
ネートフェニル)ブタン、1,1−ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−シアネートフェニル)ブタン、ビス(3,5
−ジクロロ−4−シアネートフェニル)メンタン、ビス
(3,5−ジクロロ−4−シアネートフェニル)トリシ
クロ[5,2,1,02,6 ]デカン、ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−シアネートフェニル)トリシクロ[5,
2,1,02,6 ]デカン、ビス(3,5−ジクロロ−4
−シアネートフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−シアネートフェニル)スルフィド、ビス
(3,5−ジクロロ−4−シアネートフェニル)エ−テ
ル、ビス(3,5−ジブロモ−4−シアネートフェニ
ル)エ−テル、ビス(3,5−ジクロロ−4−シアネー
トフェニル)カルボニル、ビス(3,5−ジブロモ−4
−シアネートフェニル)カルボニル、ビス(3,5−ジ
クロロ−4−シアネートフェニル)スルホン、ビス
(3,5−ジブロモ−4−シアネートフェニル)スルホ
ン、等が挙げられ、これらを任意に組み合わせて用いて
も良い。
【0009】本発明で用いられる他の熱硬化性樹脂とし
ては、特に限定されないが、例示すると、エポキシ樹
脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、レゾー
ル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル基含有化合物、アリル基
含有化合物、プロパルギル基含有化合物、シアン酸エス
テル類等が挙げられ、これらを任意に組み合わせて用い
ても良い。特にエポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂
およびハロゲン非含有シアン酸エステル類については含
ハロゲンシアン酸エステル類と高耐熱性および低誘電性
の樹脂組成物を与え好ましい。
【0010】本発明で用いられるハロゲン非含有シアン
酸エステル類は、分子内に複数のシアネート基を含むシ
アン酸エステル類であり、いかなる方法で得られたもの
でも用いることができる。本発明の目的のために好まし
いハロゲン非含有シアン酸エステル類を例示すれば、
4,4´−ジシアネートジフェニル、3,3´,5,5
´−テトラメチル−4,4´−ジシアネートジフェニ
ル、ビス(シアネートフェニル)メタン、ビス(4−シ
アネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス
(2−シアネート−3−t−ブチル−5−メチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−シアネートフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−シア
ネートフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアネ
ート−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−シアネート−3−t−ブチル−6−メチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−シア
ネートフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−シアネ
ート−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−シアネートフェニル)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−シアネート−3−メチルフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−シアネート−
3−シクロヘキシル−6−メチル)ブタン、ビス(4−
シアネートフェニル)メンタン、ビス(4−シアネート
−3,5−ジメチル)メンタン、ビス(4−シアネート
−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)メンタン、ビ
ス(4−シアネートフェニル)トリシクロ[5,2,
1,0 2,6 ]デカン、ビス(4−シアネート−3,5−
ジメチルフェニル)トリシクロ[5,2,1,02,6
デカン、ビス(4−シアネート−3−t−ブチル−6−
メチルフェニル)トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デ
カン、ビス(4−シアネートフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)スル
フィド、ビス(4−シアネート−3−t−ブチル−6−
メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−シアネートフ
ェニル)スルホン、ビス(4−シアネートフェニル)カ
ルボニル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等
の任意のシアン酸エステル類の使用が挙げられ、これら
を任意に組み合わせて用いても良い。特に、2,2−ビ
ス(4−シアネートフェニル)プロパンは耐熱性に優
れ、工業的にも入手しやすく、好ましい。また、1,1
−ビス(4−シアネート−3−t−ブチル−6−メチル
フェニル)ブタンは低誘電性に優れ、高耐熱性および低
吸湿性を示すため好適である。
【0011】本発明で用いられるエポキシ樹脂として
は、特に限定されないが、ビスフェノールAおよびビス
フェノールFのジグリシジルエーテル、フェノールノボ
ラックおよびクレゾールノボラックのグリシジルエーテ
ル化物、テトラブロモビスフェモールA型エポキシ樹
脂、臭素化フェノールノボラックのグリシジルエーテル
化物、4-オクチルフェノールノボラックおよび2−t
−ブチル−5−メチルフェノールノボラックに代表され
るアルキルフェノールノボラックのグリシジルエーテル
化物、多官能型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらを任
意に組み合わせて用いても良い。
【0012】本発明で用いられる熱硬化型ポリイミド樹
脂としては、分子内に2個以上のN−マレイミド基を含
有する多官能性マレイミド、該マレイミドプレポリマー
あるいは該マレイミドとアミンとのプレポリマーであれ
ば良い。例示すると、4,4’-ジアミノジフェニルメタ
ンビスマレイミドおよび4,4’-ジアミノジフェニルメ
タンビスマレイミドと4,4’-ジアミノジフェニルメタ
ンの付加重合物等が挙げられ、これらを任意に組み合わ
せて用いても良い。
【0013】本発明で用いられる他の熱硬化性樹脂は難
燃性を損なわないかぎり、任意の割合で併用することが
できる。後述する実施例はいずれもUL−94(米国難
燃性試験)に準じて実施した試験によりV-0級の難燃
性を示すことを確認している。しかしながら臭素含量に
ついては使用される環境により、さらに臭素含量を低減
した難燃性樹脂組成物も可能である。
【0014】本発明の樹脂組成物の硬化剤としては、シ
アン酸エステル類およびその他の熱硬化性樹脂それぞれ
について公知のものを用いることが可能である。例え
ば、シアン酸エステルの硬化剤としては、塩酸、燐酸に
代表されるプロトン酸;塩化アルミニウム、三フッ化ホ
ウ素錯体、塩化亜鉛に代表されるルイス酸;フェノー
ル、ピロカテコール、ノニルフェノール、ジヒドロキシ
ナフタレンに代表される芳香族ヒドロキシ化合物;ナフ
テン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オ
クチル酸コバルトに代表される有機金属塩;アセチルア
セトナート亜鉛、アセチルアセトナート銅、アセチルア
セトナートコバルトに代表されるβ-ジケトンの金属
塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、
キノリンに代表される3級アミン類;イミダゾール類;
塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラメチルアン
モニウム、塩化ベンジルアンモニウムに代表される4級
アンモニウム塩;水酸化ナトリウムに代表される金属水
酸化物;ナトリウムメトキシドに代表される金属アルコ
ラート;トリフェニルホスフィン;ジアザビシクロ−
(2,2,2)−オクタン等が挙げられる。特にナフテ
ン酸金属塩およびオクタン酸金属塩は硬化速度が速く、
入手も容易であることから、好ましい。
【0015】熱硬化性樹脂の硬化剤については目的の特
性を妨げない限り公知の硬化剤を使用して良い。例えば
エポキシ樹脂の場合、イミダゾール類、アミン類、酸無
水物、リン系化合物およびフェノールノボラック等が挙
げられる。
【0016】本発明では使途により組成物中に難燃剤、
離型剤、表面処理剤、充填剤等の公知の添加剤を加えて
良い。難燃剤としては、三酸化アンチモン、赤リン系難
燃剤、含臭素系難燃剤等を、離型剤としてはワックス
類、ステアリン酸亜鉛等を、さらに表面処理剤としては
シランカップリング剤等を挙げることができる。充填剤
としてはシリカ、アルミナ、タルク、クレー、ガラス繊
維等を挙げることができる。
【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に
溶解させて、ガラス繊維、ポリエステル繊維、アルミナ
繊維等の有機または無機繊維からなる織布、マット、紙
あるいはこれらの組み合わせからなる基材に含浸させ、
加熱乾燥して得たプレプリグを熱プレス成形して積層板
を得ることができる。使用可能な有機溶剤は特に限定さ
れないが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等が例示され、これらの溶媒
を任意に組み合わせて用いても良い。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義され、OH当量とはOH基1個あたりのポリフェノール化
合物の分子量で定義される。 合成例1 本合成例は、本発明の熱硬化生樹脂組成物に用いるエポ
キシ樹脂の原料である、2−t−ブチル−5−メチルフ
ェノールのノボラックのグリシジルエーテルの製法に関
するものである。 2−t−ブチル−5−メチルフェノ
ール 2231.0g(13.58 OHmol)、p−トルエンスルホン酸
12.9g(0.068mol)、イオン交換水 223.2gを温度計、攪拌
装置、冷却管、滴下管を付けた5リットル4つ口丸底フ
ラスコに仕込み、100℃に昇温する。37%ホルマリン
218.4g(2.715mol)を2時間かけて滴下した後、100℃で
2時間保温して反応を行った。その後 80℃まで冷却
し、10%NaOH水溶液 27.7g(0.069mol)で中和した。分液
後の有機層を700gのイオン交換水で2回洗浄した。洗浄
後の有機層を減圧濃縮 (180℃/10mmHg/1時間)して樹脂
状物857.2gを得た。得られた樹脂状物の OH当量は176.0
g/eqであった。上記のように得られた反応生成物 246.
4g(1.4 OHmol)、エピクロロヒドリン 906.5g(9.8 mo
l)、ジメチルスルホキシド 453.3g、イオン交換水 14.0
gを、温度計、攪拌装置、分離管付き冷却管を付けた2
リットル4つ口丸底フラスコに仕込み、49℃ 42torrの
条件下で48.6%苛性ソーダ水溶液 108.31g (1.316mol)
を5時間かけて滴下する。この間、温度は49℃に保ちな
がら、共沸するエピクロロヒドリンと水を冷却液化し、
有機層を反応系内に戻しながら反応させた。反応終了後
は、未反応のエピクロロヒドリンを減圧濃縮により除去
し、副生塩とジメチルスルホキシドを含むエポキシ化物
をメチルイソブチルケトンに溶解させ、副生塩とジメチ
ルスルホキシドを温水洗浄により除去した。減圧下で溶
媒を除くことによりにより、エポキシ樹脂 304.9g を得
た。このようにして得られたエポキシ樹脂のエポキシ当
量は256 g/eqであった。赤外吸収スペクトル測定の結
果、フェノール性OHの吸収3200-3600 cm-1は消失し、エ
ポキシドの吸収1240、910 cm-1の吸収を有することが確
認された。
【0019】合成例2 特願平7−98357号明細書に記載された方法に準じ
て、テトラブロモビスフェノールAジシアネートを次の
ようにして合成した。撹拌器をつけた丸底フラスコに、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ブロミン コンパウンズ社製)10
8.8g(0.2mol)、塩化メチレン643gおよ
びピリジン(特級、和光純薬(株)製)44.3g
(0.56mol)を加え、撹拌、溶解したのち、0℃
まで冷却した。また、温度計、撹拌器、滴下ロ−ト及び
還流冷却器をつけた反応器に窒素雰囲気下、塩化メチレ
ン50gを加え0℃まで冷却したのち、塩化シアン4
9.2g(0.8mol)を加えた。この反応器に、丸
底フラスコの溶液を−2〜6℃で2時間30分かけて滴
下しさらに同温度で30分間保温した。次に、室温まで
昇温された反応溶液は3%塩酸水300gで洗浄のの
ち、水300gで2回水洗、分液した。得られた有機層
を約200gまで減圧濃縮してからメタノ−ル200m
lを滴下し、5℃まで冷却しながら3時間撹拌した。得
られたスラリーを濾過しメタノ−ル350mlで洗浄し
たのち、風乾して融点197℃の黄白色結晶103.3
gを得た(収率87%)。LC(液体クロマトグラフィ
−)による2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−シア
ネートフェニル)プロパンの純度は99%であった。
【0020】実施例1〜9 温度計、撹拌器を接続した丸底フラスコに合成例2に従
って得られたテトラブロモビスフェノールAジシアネー
ト、熱硬化性樹脂を表1に記載した重量部に従って加
え、窒素置換した。次に内温140℃まで昇温して2時
間撹拌したのち冷却してメチルエチルケトンの50wt%
溶液とした。混合後、140℃まで昇温しても溶解しな
かった場合にはジメチルホルムアミドを加えて50wt%
溶液とし、140℃にて2時間撹拌したのち冷却した。
得られた有機溶液に表1記載の硬化剤を加え、170℃
でプレポリマー化したのち、200℃/50kg/cm
2 の条件下、1時間プレスし、さらに200℃で2時間
後硬化することにより、厚さ約2mmの硬化物を作成し
た。実施例1〜9により得られた硬化物のガラス転移温
度、誘電率を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1〜8 本比較例は、熱硬化性樹脂の硬化物と含ハロゲンシアン
酸エステル以外の含臭素系難燃剤を使用した樹脂組成物
の硬化物に関する。表2に記載の樹脂および硬化剤を配
合することにより、上述の実施例と同様の方法に従っ
て、厚さ約2mmの硬化物を作成した。難燃材を添加し
ていない比較例2、3を除き、これらの硬化物を米国の
耐炎性試験規格UL−94に準じて難燃性試験を実施し
たところ、いずれもV−0級であった。比較例により得
られた硬化物のガラス転移温度、誘電率を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】なお、表1および表2において、物性は次
の方法で測定した。ガラス転移温度は、セイコー電子工
業(株)製、熱機械的分析装置TMA120により測定し
た。誘電率は、厚さ約2mmの硬化物の両面に金属塗料
により電極を作成し、YHP(株)製、4275A Multi-
Frequency LCR Meterを用いて得た静電容量の値により
算出して求めた。
【0025】実施例と比較例から、含ハロゲンシアン酸
エステル類を含む本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物
のほうが、誘電率が低く、ガラス転移温度が高いことが
わかる。
【0026】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、耐熱
性、低誘電性に優れた難燃性硬化物を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LTA C08L 101/00 LTA

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 〔式中、Aは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示し、
    Aは相互に異なっていても良い。Bはハロゲン原子であ
    り、Xは単結合、炭素数1から20の炭化水素基、カル
    ボニル基、スルホン基、2価の硫黄原子または酸素原子
    である。iは0以上3以下の整数値で相互に異なってい
    ても良く、jは1以上4以下の整数値で相互に異なって
    いても良い。nは0または1を表す。〕で表される含ハ
    ロゲンシアン酸エステル類またはそのプレポリマー、他
    の熱硬化性樹脂および硬化剤を必須成分とすることを特
    徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】一般式(1)で表される含ハロゲンシアン
    酸エステル類が下記式 【化2】 で表されるものであることを特徴とする請求項1記載の
    熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】他の熱硬化性樹脂がハロゲン非含有シアン
    酸エステル類またはそのプレポリマーであることを特徴
    とする請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】他の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の熱硬化性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】他の熱硬化性樹脂が熱硬化型ポリイミド樹
    脂であることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    熱硬化性樹脂組成物。
JP21604395A 1995-04-24 1995-08-24 熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH0959378A (ja)

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