JPH0959362A - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートの製造方法

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JPH0959362A
JPH0959362A JP21570795A JP21570795A JPH0959362A JP H0959362 A JPH0959362 A JP H0959362A JP 21570795 A JP21570795 A JP 21570795A JP 21570795 A JP21570795 A JP 21570795A JP H0959362 A JPH0959362 A JP H0959362A
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JP
Japan
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solid
phase polymerization
acid
solid phase
chips
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JP21570795A
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English (en)
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Megumi Komiyama
恵 小見山
Satoshi Tokushige
諭 徳重
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲料用容器として成形したときに充填内容物
の味覚および香りを悪化させない特性を有するポリエチ
レンテレフタレート類を効率良く提供する。 【解決手段】 テレフタル酸またはその低級アルキルエ
ステルを主成分とする酸成分と、エチレングリコールを
主成分とするグリコール成分とのエステル交換反応また
はエステル化反応を行い、次いで溶融重縮合反応を行っ
た後、得られた重合体をチップ化し、当該チップを不活
性ガス雰囲気下において、下記式およびを同時に満
足する条件下で固相重合することを特徴とする、飲料用
容器として成形したときに充填内容物の味覚および香り
を悪化させない特性を有するポリエチレンテレフタレー
ト類の製造方法。 【数1】190≦X≦230 ……… Y≦−0.8696X+230.0 ……… (上記式中、Xは固相重合温度(℃)、Yは固相重合槽
内酸素濃度(ppm )を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料用容器として
成形した場合に、充填内容物の味覚および香りを悪化さ
せない特性を有するポリエチレンテレフタレート類(以
下、PETと略称する)の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】PETは機械的強度、化学的安定性、透
明性、衛生性、ガスバリヤー性などに優れているため、
特に、炭酸飲料、果汁飲料などの飲料用容器の用途にお
いて、近年成長が著しい。このようなPETは、例えば
延伸ボトルの場合、射出成形機で中空成形体用のプリフ
ォームを成形し、このプリフォームを所定形状の金型内
で延伸ブローする。さらには果汁飲料など熱充填を必要
とする飲料用ボトルについては、あらかじめヒートセッ
トと呼ばれる熱処理を加えて耐熱性を向上させて用いら
れるのが一般的である。飲料用容器の必要特性として
は、透明性等の外観上の特性もさることながら、安全性
や内容物の微妙な味に影響を及ぼさないために、内容物
の味や香りを阻害する成分の移行のないことが必要であ
る。
【0003】これらの問題に対し、アセトアルデヒドや
オリゴマーが主たる原因であるとの思想から、溶融重合
によって得られたポリエステルプレポリマーを不活性気
体の流通下で固相重合に供することにより、オリゴマー
およびアセトアルデヒドを低下させる方法が開示されて
いる。かかる方法で得られるポリエステルチップを用い
た成形品は確かにオリゴマーおよびアセトアルデヒドが
減少し、内容物の味覚、臭気は良化されるものの、ミネ
ラルウォーター、お茶等の微妙な味を要求される用途で
は、必ずしも満足する結果が得られない。このことは、
味覚悪化等の原因が従来考えられているアセトアルデヒ
ドやオリゴマーだけでなく、他の物質の影響も有ること
を示唆するものである。
【0004】固相重合は副反応を抑制するためにも、不
活性ガス雰囲気中で行う必要があるが、実際の製造工程
では、溶融重合工程で得られたプレポリマーチップを固
相重合工程に連続輸送する場合、経済性の点から気力輸
送を使うことが一般的であり、かかる理由から固相重合
装置のシーリング部からの極微量の酸素が混入すること
が避けられず、現実の工業プラントでは100ppm程
度の酸素が混入してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑み、テレフタル酸およびエチレングリコール、または
これらのエステル形成性誘導体をエステル化および重縮
合して得られた重縮合物をさらに固相重合してPETを
製造するにあたり、飲料容器内容物の味覚や香りに悪影
響を及ぼすことのないPETを製造する方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、目的を達
成するために鋭意検討した結果、固相重合時の酸素濃度
を特定の条件下に保持することにより、味覚悪化等を改
良できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、テレフタル酸またはその低
級アルキルエステルを主成分とする酸成分と、エチレン
グリコールを主成分とするグリコール成分とのエステル
交換反応またはエステル化反応を行い、次いで溶融重縮
合反応を行った後、得られた重合体をチップ化し、当該
チップを不活性ガス雰囲気下において、下記式および
を同時に満足する条件下で固相重合することを特徴と
する、飲料用容器として成形したときに充填内容物の味
覚および香りを悪化させない特性を有するポリエチレン
テレフタレート類の製造方法に存する。
【0007】
【数2】190≦X≦230 ……… Y≦−0.8696X+230.0 ……… (上記式中、Xは固相重合温度(℃)、Yは固相重合槽
内酸素濃度(ppm )を表す)
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、PETとは、全構成繰り返し単位に対するテレ
フタル酸およびエチレングリコールからなるオキシエチ
レンオキシテレフタロイル単位(以下、ET単位と略称
する)の比率が80モル%以上であるポリエチレンテレ
フタレートをいい、ET単位以外の構成繰り返し単位を
構成する他の酸成分および/または他のグリコール成分
を20モル%以下の範囲で含んでいてもよい。
【0009】テレフタル酸以外の酸成分としては、フタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビ
フェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、およびこ
れらの構造異性体、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等
のジカルボン酸またはその誘導体、p−ヒドロキシ安息
香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、グリコール
酸などのオキシ酸またはその誘導体が挙げられる。ま
た、エチレングリコール以外のグリコール成分として
は、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノ
ールのような脂環式グリコールやさらにはビスフェノー
ルA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合
物誘導体などを挙げることができる。
【0010】これらのうち、本発明の方法により得られ
るPETは、ET単位の比率が96.0〜99.0当量
%の範囲にあり、かつ、1,4,7−トリオキサヘプタ
メチレンテレフタロイル単位(以下、DT単位と略称す
る)の比率が1.0〜4.0当量%の範囲にあることが
好ましく、ET単位の比率が96.5〜98.5当量%
の範囲にあり、DT単位の比率が1.5〜3.5当量%
の範囲にあることがさらに好ましい。
【0011】本発明の方法により得られるPETの極限
粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/
1)の混合溶媒中、30℃で測定して、通常0.50〜
1.50dl/g、好ましくは0.60〜1.20dl
/g、さらに好ましくは0.70〜1.00dl/gの
範囲である。PETの極限粘度が0.50dl/g未満
では、得られたPETを成形品とした場合に、実用上の
十分な強度が得られないことがある。また、PETの極
限粘度が1.50dl/gを超える場合は、溶融粘度が
高くなりすぎ、射出、押出成形時、成形機内でのせん断
発熱が大きくなるため、アセトアルデヒドの生成が増大
する傾向がある。
【0012】本発明の方法で得られるPETの密度は、
四塩化炭素/n−ヘプタンの混合溶媒を用いた密度勾配
管により25℃で測定した場合、通常1.37g/cm
3 以上、好ましくは1.38g/cm3 以上、さらに好
ましくは1.39g/cm3以上である。PETの密度
が1.37g/cm3 未満の場合には、PETの非晶分
率が高く、オリゴマーおよびアセトアルデヒドが十分に
低減されていない傾向がある。
【0013】本発明の方法で得られるPET中のオリゴ
マー含量については、オリゴマーの主成分である環状3
量体の含有量が、通常5000ppm以下、好ましくは
4000ppm以下、さらに好ましくは3500ppm
以下、特に好ましくは3000ppm以下である。一般
に、環状3量体の含有量は少なければ少ないほど、金型
等の汚染は改善される。環状3量体の含有量が5000
ppmを超える場合、金型の汚染が認められるようにな
る。本発明の方法で得られるPETは、通常その製造時
に添加された重縮合触媒に由来の金属原子を含有する。
金属原子としては、ゲルマニウム、アンチモン、チタ
ン、コバルト等が挙げられるが、これらの中でもゲルマ
ニウムが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のPETの製造方法
の一例を具体的に説明する。本発明におけるPETは、
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチ
レングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを主
たる原料として製造されるが、前述の通り、他のジカル
ボン酸成分および/または他のグリコール成分を併せて
原料として用いてもよい。
【0015】上記したようなテレフタル酸またはそのエ
ステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはその
エステル形成性誘導体とを含む原料は、エステル化触媒
またはエステル交換触媒の存在下でエステル化反応また
はエステル交換反応によりビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートおよび/またはそのオリゴマーを形
成させ、しかる後に重縮合触媒および安定剤の存在下で
高温減圧下に溶融重縮合を行い、プレポリマーを製造す
る。エステル化触媒はテレフタル酸がエステル化反応の
自己触媒となるため、特に使用する必要はないが、後述
する重縮合触媒の共存下に実施することも可能であり、
また、少量の無機酸などを用いることができる。
【0016】エステル交換触媒としてはナトリウム、リ
チウム等のアルカリ金属塩や、マグネシウム、カルシウ
ム等のアルカリ土類金属塩、亜鉛、マンガン等の金属化
合物が好ましく使用されるが、透明性の観点からマンガ
ン化合物が特に好ましい。重縮合触媒としてはゲルマニ
ウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバル
ト化合物、錫化合物等の反応系に可溶性の化合物が単独
もしくは併せて使用されるが、本発明の効果の点、色調
および透明性の点で二酸化ゲルマニウムが特に好まし
い。安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエ
チルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリ
ン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスド
デシルホスファイトなどの亜リン酸エステル類、メチル
アシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブ
チルホスフェート酸性リン酸エステル、およびリン酸、
亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸などのリン化合物が
好ましい。
【0017】これらの触媒あるいは安定剤の使用割合
は、全重合原料中、触媒の場合には触媒中の金属の重量
として、通常5〜2000ppm、好ましくは10〜5
00ppmの範囲で用いられる。また、安定剤の場合に
は、安定剤中のリン原子の重量として、通常10〜10
00ppm、好ましくは20〜200ppmの範囲で用
いられる。これらの触媒および安定剤の供給方法は、原
料スラリー調製時や、エステル化反応またはエステル交
換反応の任意の段階において供給することができ、さら
に、重縮合反応工程の初期に供給することもできる。
【0018】このような重縮合反応は、1段階で行って
も、複数段階に分けて行ってもよい。複数段階で行う場
合、重縮合反応は、第1段階目の重縮合の反応温度が通
常250〜290℃、好ましくは260〜280℃であ
り、圧力が通常500〜20mmHg、好ましくは20
0〜30mmHgであり、また、最終段階の重縮合反応
の温度が通常265〜300℃、好ましくは270〜2
95℃であり、圧力が通常10〜0.1mmHg、好ま
しくは5〜0.5mmHgである。重縮合反応を2段階
で実施する場合には、第1段階目および第2段階目の重
縮合反応条件は、それぞれ上記の範囲とすることが好ま
しく、3段階以上で実施する場合には、第2段階から最
終段階目の1段前までの重縮合反応の反応条件は上記第
1段階目の反応条件と最終段階目の反応条件との間の条
件とすることが好ましい。
【0019】例えば、重縮合反応が3段階で実施される
場合には、第2段階目の重縮合反応の反応温度は、通常
260〜295℃、好ましくは270〜285℃であ
り、圧力は、通常50〜2mmHg、好ましくは40〜
4mmHgの範囲である。これらの重縮合反応工程の各
々において、到達される極限粘度は特に制限はないが、
各段階における極限粘度の上昇の度合が滑らかに分配さ
れることが好ましく、さらに最終段階目の重縮合反応器
から得られるポリエステルプレポリマーの極限粘度は、
通常0.45〜0.80dl/g、好ましくは0.50
〜0.75dl/gである。このようにして得られたポ
リエステルプレポリマーは、通常、押出成形法によりチ
ップ化される。プレポリマーチップは、2.0〜5.5
mm、さらには2.2〜4.0mmの平均粒径を有する
ことが望ましい。
【0020】次にこのようにして溶融重縮合により得ら
れたプレポリマーチップは固相重合に供される。固相重
合に供されるプレポリマーチップは、あらかじめ固相重
合を行う温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行っ
た後、固相重合工程に供給してもよい。このような予備
結晶化工程は、プレポリマーチップを乾燥状態で、通常
120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度
で1分間〜4時間加熱して行うことができ、あるいは当
該チップを水蒸気または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下
で、通常120〜200℃の温度で1分間以上加熱して
行うこともでき、さらには、水、水蒸気または水蒸気含
有不活性ガス雰囲気下で吸湿させ、調湿したプレポリマ
ーチップを、通常120〜200℃の温度に1分間以上
加熱して行うこともできる。プレポリマーチップの調湿
は、当該チップの含水率が通常100〜10000pp
m、好ましくは1000〜5000ppmの範囲となる
ように実施される。水分を含有するプレポリマーチップ
を結晶化工程や固相重合工程に供することにより、本発
明におけるPETに含まれるアセトアルデヒドや微量含
まれる不純物の量を、一層低減化することが可能であ
る。
【0021】上記のようなプレポリマーチップが供給さ
れる固相重合工程は、通常少なくとも1段からなり、重
合温度が通常190〜230℃、好ましくは195〜2
25℃であり、圧力が通常1kg/cm2 〜10mmH
g、好ましくは、0.5kg/cm2 〜100mmHg
の条件下で、窒素、アルゴン、二酸化炭素などの不活性
ガス雰囲気下で実施される。本発明は、上記不活性ガス
中の酸素濃度と固相重合温度との関係が特定の関係を満
足する条件で実施することに一つの特徴がある。すなわ
ち、固相重合時の不活性ガス中の酸素濃度は固相重合温
度により決定され、下記の式で表される条件を保つよう
に実施される。
【0022】
【数3】190≦X≦230 ……… Y≦−0.8696X+230.0 ……… (上記式中、Xは固相重合温度(℃)、Yは固相重合槽
内酸素濃度(ppm )を表す)
【0023】不活性ガス中の酸素濃度を上記範囲に保つ
方法としては、シール部の強化を行うことでも可能であ
るが、簡便な方法として、固相重合時の不活性ガスの一
部を連続的に交換しながら実施することでも達成でき
る。すなわち、固相重合時の不活性ガス中の酸素濃度を
連続的に検知し、酸素濃度が上記式の上限に達した場
合、コントロールバルブが開き、循環不活性ガスの一部
をパージする一方で、酸素を混入していない不活性ガス
を導入すべく、不活性ガスラインのコントロールバルブ
も開放され、目標の酸素濃度に調節する。その際、内圧
の変動がほとんどないように両方のコントロールバルブ
を調整するシーケンスを組むことにより行われる。固相
重合時間は、温度が高いほど短時間で所望の物性に到達
するが、通常1〜50時間、好ましくは5〜30時間、
さらに好ましくは10〜25時間である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例
中「部」とあるのは重量部を意味する。本発明で使用し
た種々の測定法は以下に示すとおりである。 (1)極限粘度(以下、IVと略称する) フェノール/テトラクロロエタン(50/50重量比)
中、30℃で測定する。
【0025】(2)環状3量体量(以下、CT量と略称
する) PET試料200mgをクロロホルム/ヘキサフルオロ
イソプロパノール(容量比3/2)混液2mlに溶解
し、さらにクロロホルム20mlを加えて希釈する。こ
れにメタノール10mlを加え、試料を再析出させ、濾
過した後の濾液を得る。得られた濾液を乾固後、残査を
ジメチルホルムアミド25mlに溶解させた液につい
て、CT量を液体クロマトグラフで分析定量する。 (3)アセトアルデヒド量(以下、AA量と略称する) 160℃で2時間水抽出後、AA量をガスクロマトグラ
フで定量する。
【0026】(4)官能検査 固相重合チップを用いて、シリンダー各部およびノズル
ヘッドの温度を275℃、スクリュー回転数100rp
m、射出時間10秒、金型冷却水温度10℃に設定した
東芝(株)製射出成形機ISー60Bでプリフォームを
成形し、このプリフォームの口栓部を自製結晶化機で加
熱結晶化させた後、予熱炉温度90℃、ブロー圧力20
kg/cm2 、成形サイクル10秒に設定した延伸ブロ
ー成形機でブロー成形し、内容積1.5リットル瓶を得
る。このボトルに95℃に加熱した蒸留水を注いで10
分間保持後、ボトル外部より水道水にて室温まで冷却す
る。充填水をコップに注ぎ、官能検査の訓練を受けたパ
ネラー5名によって臭気、味覚に関して下記の3段階の
評価を行う。 ◎:臭気、味覚悪化がほとんど感じられない ○:臭気、味覚悪化をわずかに感じられる ×:臭気、味覚悪化が明確に感じられる
【0027】実施例1 テレフタル酸12680部、エチレングリコール563
0部、およびジエチレングリコール60部からなる原料
スラリーを、攪拌下50℃の温度で調整した。次いで、
あらかじめビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレー
ト300部を添加して、温度を260℃、圧力を0.6
0kg/cm2 に保持したエステル化反応槽に、上記の
原料スラリーを250分間かけて順次供給した。供給終
了後、温度を260℃に保持したまま、圧力を0.05
kg/cm2 に下げた状態で、さらに90分間保持して
反応を進行させ、合計340分間のエステル化反応を行
った。
【0028】次いで、エステル化反応槽内の全量をあら
かじめ260℃とした重縮合反応槽に移し、85%リン
酸水溶液をエチレングリコールで希釈して調整した、リ
ン酸原子の濃度が3200ppmであるリン酸エチレン
グリコール溶液150部、および二酸化ゲルマニウムを
熱水に溶解後、エチレングリコールに溶媒置換して調整
した、ゲルマニウム原子の濃度が6000ppmである
ゲルマニウム触媒のエチレングリコール溶液(以下、G
e触媒溶液と略称する)140部を添加した。Ge触媒
溶液添加時のエステル化反応物のエステル化率は96.
8当量%であった。
【0029】Ge触媒溶液添加後、常圧下で10分間攪
拌した後、260℃から280℃まで漸次昇温するとと
もに、常圧から漸次減圧し、0.5mmHgに保持し
た。重縮合反応槽での反応を3時間行った後、生成した
プレポリマーを重縮合反応槽の底部に設けた抜き出し口
よりストランド状に抜き出し、水冷後チップ状にカット
してプレポリマーチップを得た。得られたプレポリマー
チップのIVは0.58dl/gであった。
【0030】さらに、得られたプレポリマーチップの半
量について、表面を攪拌結晶化機(Bepex社式)に
て150℃で結晶化させた後、静置固相重合塔に移し、
20リットル/kg/1時間の窒素流通下、約150℃
で3時間乾燥後、窒素中の酸素濃度を10ppmに保つ
ように窒素ガスの一部を交換しながら、210℃、20
時間固相重合し、固相重合チップを得た。得られた固相
重合チップの分析結果およびボトル物性評価結果を下記
表1および2に示す。
【0031】実施例2 実施例1において製造した、IVが0.58dl/gの
プレポリマーチップを用い、かつ、窒素中の酸素濃度を
40ppmに保持したこと以外は実施例1と同様に固相
重合を行い、固相重合チップを得た。得られた固相重合
チップの分析結果およびボトル物性評価結果を表1およ
び2に示す。
【0032】実施例3 実施例1において製造した、IVが0.58dl/gの
プレポリマーチップを用い、かつ、固相重合温度を19
5℃、固相重合時間を40時間とした以外は比較例1と
同様に固相重合を行い、固相重合チップを得た。得られ
た固相重合チップの分析結果およびボトル物性評価結果
を表1および2に示す。
【0033】実施例4 実施例1において製造した、IVが0.58dl/gの
プレポリマーチップを用い、かつ、固相重合温度を22
5℃、固相重合時間を9時間とした以外は実施例1と同
様に固相重合を行い、固相重合チップを得た。得られた
固相重合チップの分析結果およびボトル物性評価結果を
表1および2に示す。
【0034】比較例1 実施例1において製造した、IVが0.58dl/gの
プレポリマーチップを用い、かつ、窒素中の酸素濃度を
60ppmとなるように窒素ガスの一部を交換した以外
は実施例1と同様に固相重合を行い、固相重合チップを
得た。得られた固相重合チップの分析結果およびボトル
物性評価結果を表1および2に示す。
【0035】比較例2 実施例1において製造した、IVが0.58dl/gの
プレポリマーチップを用い、かつ、固相重合温度を22
5℃、固相重合時間を9時間とした以外は実施例2と同
様に固相重合を行い、固相重合チップを得た。得られた
固相重合チップの分析結果およびボトル物性評価結果を
表1および2に示す。
【0036】比較例3 実施例1において製造した、IVが0.58dl/gの
プレポリマーチップを用い、かつ、酸素濃度を100p
pmとなるように窒素ガスの一部を交換した以外は実施
例1と同様に固相重合を行い、固相重合チップを得た。
得られた固相重合チップの分析結果およびボトル物性評
価結果を表1および2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の方法により得られるPETは、
不純物が著しく低減化されているため、成形品に悪臭、
異臭あるいは異味成分が少なく、内容物の香り、風味が
変化することがない。さらに、本発明の方法によれば、
上記特性を有するPETを極めて効率良く製造すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸またはその低級アルキルエ
    ステルを主成分とする酸成分と、エチレングリコールを
    主成分とするグリコール成分とのエステル交換反応また
    はエステル化反応を行い、次いで溶融重縮合反応を行っ
    た後、得られた重合体をチップ化し、当該チップを不活
    性ガス雰囲気下において、下記式およびを同時に満
    足する条件下で固相重合することを特徴とする、飲料用
    容器として成形したときに充填内容物の味覚および香り
    を悪化させない特性を有するポリエチレンテレフタレー
    ト類の製造方法。 【数1】190≦X≦230 ……… Y≦−0.8696X+230.0 ……… (上記式中、Xは固相重合温度(℃)、Yは固相重合槽
    内酸素濃度(ppm )を表す)
JP21570795A 1995-08-24 1995-08-24 ポリエチレンテレフタレートの製造方法 Pending JPH0959362A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009052039A (ja) * 2007-08-02 2009-03-12 Toyobo Co Ltd ポリエステル及びそれからなるポリエステル成形体
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EP2743287A1 (en) 2004-05-31 2014-06-18 Toray Industries, Inc. Polyester resin composition, process for producing the same, and polyester film

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