JPH0959313A - オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒 - Google Patents

オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒

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JPH0959313A
JPH0959313A JP23469595A JP23469595A JPH0959313A JP H0959313 A JPH0959313 A JP H0959313A JP 23469595 A JP23469595 A JP 23469595A JP 23469595 A JP23469595 A JP 23469595A JP H0959313 A JPH0959313 A JP H0959313A
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン類(特にプロピレン)を重合する
際に、重合パラメーターの変更なしに所望の立体規則性
あるいは結晶性を有するポリプロピレンを安定的かつ高
収率で得られる高性能固体触媒成分と該触媒成分を用い
た触媒の提供。 【解決手段】 (1) ジアルコキシマグネシウム、チ
タン化合物および芳香族ジカルボン酸ジエステルを接
触させて得られる固体成分(a) と、(2) ジアルコキシ
マグネシウム、チタン化合物、芳香族ジカルボン酸
ジエステル、ポリシロキサン、アルミニウム化合物
を接触させて得られる固体成分(b) とを混合して調製し
たオレフィン類重合用固体触媒成分(A)。前記固体触
媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)および有
機ケイ素化合物(C)とで形成されたオレフィン類重合
用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン類重合
用の固体触媒成分ならびに該固体触媒成分を用いて形成
されたオレフィン類重合用触媒に係り、プロピレンの重
合用として用いた際に優れた重合活性を示し、重合時の
パラメータを変更することなく所望の立体規則性あるい
は結晶性を有するポリマーを、安定的に高収率で得るこ
とができ、かつポリマーの立体規則性あるいは結晶性を
容易にコントロールできるオレフィン類重合用固体触媒
成分および触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンハロゲン化合物、マグネシウム化
合物及び電子供与性化合物を必須成分とする固体触媒成
分、ならびに該固体触媒成分、有機アルミニウム化合物
及びケイ素化合物等の第三成分とで形成される触媒を用
いて、オレフィン類を重合させる方法に関しては、数多
くの提案がなされており周知である。
【0003】さらにジアルコキシマグネシウム及び四塩
化チタンを主要な出発原料として調製される固体触媒成
分、ならびに該固体触媒成分、有機アルミニウム化合物
及びケイ素化合物等の第三成分とで形成されるオレフィ
ン類重合用触媒についても、例えば特開昭63−3010号公
報、特開平1−221405号公報、特開平1−315406号公
報、特開平3−227309号公報、特開平3−70711 号公
報、特開平4−8709号公報等のほか多数の開示があり既
知である。
【0004】一方、ハロゲン化アルミニウム化合物、マ
グネシウム化合物及びハロゲン化チタン化合物とを必須
構成成分とする固体触媒成分、ならびに該固体触媒成分
と有機アルミニウム化合物及び有機酸エステルやケイ素
化合物等の第三成分とからなるオレフィン類重合用触媒
についても種々提案されている。例えば特開昭55−1618
07号公報においては、塩化マグネシウム、有機酸エステ
ル、ハロゲン化炭化水素化合物及びハロゲン化アルミニ
ウム化合物を共粉砕した後、四塩化チタンで熱処理する
ことによって得られた組成物と、有機アルミニウム化合
物及び有機酸エステルとで形成される触媒が提案され、
特開昭61−31402 号公報においては、ハロゲン化アルミ
ニウム化合物とケイ素化合物との反応生成物をマグネシ
ウム化合物と反応させ、次いでハロゲン化チタン化合物
及びフタル酸エステルと反応させて得られる固体触媒成
分、有機アルミニウム化合物及びケイ素化合物から得ら
れる触媒が、それぞれ開示されている。
【0005】また、アルコキシアルミニウム化合物、マ
グネシウム化合物及びハロゲン化チタン化合物とを必須
構成成分とする固体触媒成分、ならびに該固体触媒成分
と有機アルミニウム化合物及び有機酸エステルやケイ素
化合物等の第三成分とからなるオレフィン類重合用触媒
についても種々提案されている。例えば特開昭57−1
45104号公報においては、塩化マグネシウム、有機
酸エステル、アルコキシアルミニウム化合物を共粉砕し
た後、四塩化チタンで熱処理することによって得られる
触媒成分が提案され、特開平1−245002号公報に
おいては、ジエトキシマグネシウムと四塩化チタンとを
接触後、トリアルコキシアルミニウムを加え、次いでフ
タル酸ジクロライドと反応させて得られる固体触媒成
分、有機アルミニウム化合物及びエポキシパラメンタン
化合物から得られる触媒が、それぞれ開示されている。
【0006】ところで、上記の各従来技術は、プロピレ
ンの重合用触媒として用いる際、生成重合体に残存する
塩素やチタン等の触媒残渣を除去する、所謂、脱灰工程
を省略し得る程に高活性な触媒成分の開発に端を発し、
併せて立体規則性重合体の収率の向上や、重合時の重合
活性の持続性を高めることに力を注いだものであり、そ
の目的に関してはそれぞれ優れた成果を挙げている。
【0007】例えばフィルムグレードのように比較的低
いところでの立体規則性あるいは結晶性が要求され、ま
たその際微妙な立体規則性あるいは結晶性のコントロー
ルが要求されるポリマーグレードの製造において上記し
た従来技術の触媒を用いると、例えば重合時における固
体触媒成分中に含有するチタンと有機ケイ素化合物等の
外部電子供与体の比率を変えたり、またプロピレンの重
合においてはエチレン等のコモノマーを少量添加するこ
とにより立体規則性あるいは結晶性をコントロールする
ことが可能となる。しかしながら、チタンと外部電子供
与体の比率変動においては一定範囲の比率のところに臨
界点があるため、立体規則性あるいは結晶性のコントロ
ールが難しく、ばらつきが少なく安定的に所望の物性を
持つポリマーを製造することは非常に困難であり、他
方、コモノマーを少量添加する場合にはコモノマーの含
有量の制御が難しく、また2種のモノマーを重合すると
いうことで非常に繁雑なプロセスとなる。さらに重合温
度を低くし立体規則性あるいは結晶性をコントロールす
ることは可能であるが、生成ポリマーの収率が低下する
などの問題がある。
【0008】このようなことから、要求される立体規則
性あるいは結晶性のポリマーを安定的に、かつ頻雑な操
作なしに容易に得ることのできる高活性タイプの触媒ま
た重合化は従来技術において解明されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き高活性タイ
プの触媒の存在下でプロピレン重合におけるポリマーの
立体規則性あるいは結晶性のコントロールを行った場
合、所望する立体規則性あるいは結晶性を有するポリマ
ーを、ばらつきが少なく安定性に得ることは困難であ
る。また、上記の如き高活性タイプの触媒の存在下で、
スラリー法によるオレフィン類、とりわけプロピレンの
重合を行なった場合には、従来の三塩化チタン型固体触
媒成分と有機アルミニウム化合物および第三成分として
の電子供与性化合物から形成される触媒を用いた重合時
と比較して、生成される重合体の収率が高く、かつその
立体規則性も優れているが、同時に結晶性も高くなる傾
向にあるため、これが原因してフイルムやシートに加工
する際、高速成形時に破断したり、得られる成形品の透
明性が損なわれるなどのトラブルが発生するという問題
点があった。
【0010】かかる問題を解決する手段として、上記高
活性タイプの触媒をオレフィン類、とりわけプロピレン
の重合に用いる際に、重合温度を低くしたり、少量のエ
チレンをコモノマーとして共存させるなどの方法が試み
られ、それによって生成重合体の立体規則性あるいは結
晶性をある程度コントロールすることは可能であるが、
スラリー重合の場合は重合溶媒に可溶な低分子重合体
や、特にプロピレンの重合の場合、立体規則性の極端に
低いアタックチックポリプロピレンの発生率(以下「ア
タック発生率」と略記する)が高くなるという好ましか
らざる現象を誘発する。
【0011】スラリー重合においてアタック発生率が上
昇すると、生成重合体の粒子を重合溶媒から分離後、抽
出する工程が必要となるのに加え、リアクターや配管の
汚染の原因となるなど、重合体の製造コストと安定操業
上の問題があり、更に一つのプラントで多品種のグレー
ドを製造する際、連続運転中での操業条件の変更に伴な
う製品のコントロールに支障を来し、プロセスの運転上
好ましくない影響を与えていた。また、生成重合体中の
微粉、とりわけ100ミクロン以下の粒径を有する微粉
が多くなると、重合プロセスにおける配管の閉塞や、ポ
リマー分離、乾燥工程でのトラブルを引き起こす場合も
あり、改善を望まれる課題であった。
【0012】本発明は、上述のような従来技術に残され
た課題を解決すべく種々研究を重ねて完成されたもの
で、その目的は、オレフィン類、とりわけプロピレンの
重合に供した際、重合時のパラメータを変更することな
く、所望の立体規則性あるいは結晶性を有するポリマー
が安定的に生成され、かつその立体規則性あるいは結晶
性のコントロールが容易であり、特にプロピレンをスラ
リー法による重合に供した際、比較的低い結晶性を有す
るポリマーを生成しても、アタック発生率の低い立体規
則性重合体を高収率で得ることのできるオレフィン類重
合用固体触媒成分および触媒を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるオレフィン類重合用固体触媒成分は、
下記 (1)に記載の固体成分(a) の1種または2種以上
と、下記(2) に記載の固体成分(b) の1種または2種以
上とを組み合わせてなることを構成上の特徴とする。 (1) 下記〜の成分を用いて調製される固体成分(a) 一般式;Mg(OR1 2 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基またはアリー
ル基を示す)で表わされるジアルコキシマグネシウムの
1種又は2種以上、 一般式;Ti(OR2 m 4-m (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロゲ
ン元素を示し、mは0または1から3の整数である)で
表わされるチタン化合物の1種又は2種以上、および 芳香族ジカルボン酸ジエステルの1種又は2種以上 (2) 下記〜の成分を用いて調製される固体成分(b) 一般式;Mg(OR1 2 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基またはアリー
ル基を示す)で表わされるジアルコキシマグネシウムの
1種又は2種以上、 一般式;Ti(OR2 m 4-m (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロゲ
ン元素を示し、mは0または1から3の整数である)で
表わされるチタン化合物の1種又は2種以上、 芳香族ジカルボン酸ジエステルの1種又は2種以上 ポリシロキサンの1種又は2種以上、および 一般式;Al(OR3)n 3-n (式中、R3 は炭素数
1〜4のアリール基、Xはハロゲン元素を示し、nは0
≦n≦3の実数である)または一般式;R4 p AlY
3-p (式中、R4 は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水
素原子またはハロゲン元素を示し、pは0<p≦3の実
数である)で表されるアルミニウム化合物群の中から選
択される少なくとも1種以上。
【0014】また、本発明によるオレフィン類重合用触
媒は、上記の固体触媒成分(A)と、下記(B)成分お
よび(C)成分とによって形成されることを構成上の特
徴とする。 (B)一般式;R5 q AlY3-q (式中、R5 は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水素原
子またはハロゲン元素を示し、qは0<q≦3の実数で
ある)で表される有機アルミニウム化合物、および (C)一般式;R6 r Si(OR7 4-r (式中、R6 は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキ
ル基のいずれかで、同一でも異なってもよい。R7 は炭
素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル
基、ビニル基、アリル基、アラルキル基のいずれかで、
同一でも異なってもよい。rは0または1〜3の整数で
ある)で表される有機ケイ素化合物。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の固体触媒成分(A)(以
下「(A)成分」ということがある)を構成する固体成
分(a) を調製する際に用いられる一般式;Mg(O
1 2 (式中、R1 は炭素数1から4のアルキル基ま
たはアリール基を示す)で表わされるジアルコキシマグ
ネシウム(以下「成分」ということがある)として
は、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウ
ム、ジ−n−プロポキシマグネシウム、ジ−iso−プ
ロポキシマグネシウム、ジ−n−ブトキシマグネシウ
ム、ジ−iso−ブトキシマグネシウム、ジフェノキシ
マグネシウム、エトキシメトキシマグネシウム、エトキ
シ−n−プロポキシマグネシウム、n−ブトキシエトキ
シマグネシウム、iso−ブトキシエトキシマグネシウ
ム等の1種または2種以上を挙げることができるが、中
でも、ジエトキシマグネシウムあるいはジ−n−プロポ
キシマグネシウムが好ましく用いられる。
【0016】さらに、上記ジアルコキシマグネシウム
は、顆粒状または粉末状であって、その形状は不定型あ
るいは球状のものが使用し得る。球状のジエトキシマグ
ネシウムを使用した場合、より良好な粒子形状を有し、
かつ狭い粒度分布を有する重合体粉末が得られ、重合操
作時の生成重合体粉末の取扱操作性が向上し、生成重合
体粉末に含まれる微粉が原因して起きる閉塞等のトラブ
ルが解消される。
【0017】上記の球状ジエトキシマグネシウムは、必
ずしも真球である必要はなく、楕円あるいは馬鈴薯状の
形状を呈するものが用いられる。具体的にその粒子の球
形の度合いは、長軸径lと短軸径wの比(l/w)で表
わすと、3以下であり、好ましくは1から2であり、さ
らに好ましくは1から1.5である。
【0018】また、上記ジアルコキシマグネシウムの平
均粒径は、1ミクロンから200ミクロンのものが使用
し得る。好ましくは5ミクロンから150ミクロンであ
る。
【0019】上記球状のジエトキシマグネシウムの場
合、その平均粒径は1ミクロンから100ミクロン、好
ましくは5ミクロンから50ミクロンであり、さらに好
ましくは10ミクロンから40ミクロンである。また、
その粒度については、微粉または粗粉の少ない、粒度分
布のシャープなものを使用することが望ましい。具体的
には、5ミクロン以下の粒子が20%以下、好ましくは
10%以下であり、300ミクロン以上の粒子は10%
以下、好ましくは5%以下である。さらに、その粒度分
布をln(D90/D10)(ここでD90は積算粒度
で90%のところの粒径、D10は積算粒度で10%の
ところの粒径を表わす)で表わすと、5以下であり、好
ましくは4以下である。
【0020】上記ジアルコキシマグネシウムは、固体触
媒成分(A)の調製に、必ずしも出発物質として使用す
る必要はなく、例えば固体触媒成分(A)の調製時に金
属マグネシウムと炭素数1から4の脂肪族1価アルコー
ルを、沃素等の触媒の存在下に反応させて得られたもの
を使用してもよい。
【0021】本発明の固体触媒成分(A)を構成する固
体成分(a) を調製する際に用いられる成分は一般式;
Ti(OR2 m 4-m (式中、R2 は炭素数1から4
のアルキル基、Xはハロゲン元素を示し、mは0または
1から3の整数である。)で表わされるチタン化合物
(以下「成分」ということがある)であり、チタンハ
ライドもしくはアルコキシチタンハライドである。具体
的には、チタンテトラハライドとして、TiCl4 、T
iBr4 、TiI4 、アルコキシチタンハライドとし
て、Ti(OCH3 )Cl3 、Ti(OC2 5 )Cl
3 、Ti(O3 7)Cl3 、Ti(On−C4 9
Cl3 、Ti(OCH3)2 Cl2 、Ti(OC2 5)2
Cl2 、Ti(OC3 7)2 Cl2 、Ti(On−C4
9)2 Cl2、Ti(OCH3)3 Cl、Ti(OC
2 5)3 Cl、Ti(OC3 7)3 Cl、Ti(On−
4 9)3 Cl等が例示される。中でも、チタンテトラ
ハライドが好ましく、特に好ましくはTiCl4 であ
る。これらのチタン化合物は1種もしくは2種以上使用
してもよい。また、これらの成分は、トルエンやキシ
レンのような芳香族炭化水素あるいはヘキサンやヘプタ
ンのような脂肪酸炭化水素等の有機溶媒に溶解し稀釈し
て使用してもよい。また、該成分のチタンハロゲン化
物以外のハロゲン化物として、例えばSiCl4 等のハ
ロゲン化ケイ素化合物、あるいはSOCl2 等を成分
と併用することも可能である。
【0022】本発明の固体触媒成分(A)を構成する固
体成分(a) を調製する際に用いる成分の芳香族ジカル
ボン酸ジエステル(以下「成分」ということがある)
としては、特にフタル酸の炭素数1〜12の直鎖状また
は分岐鎖状のアルキルのジエステルが好適である。この
フタル酸のジエステルの具体例としては、ジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジ−n−プロピルフタレ
ート、ジ−iso−プロピルフタレート、ジ−n−ブチ
ルフタレート、ジ−iso−ブチルフタレート、エチル
メチルフタレート、ブチルエチルフタレート、メチル
(iso−プロピル)フタレート、エチル(n−プロピ
ル)フタレート、エチル(n−ブチル)フタレート、ジ
−n−ペンチルフタレート、ジ−iso−ペンチルフタ
レート、ジヘキシルフタレート、ジ−n−ヘプチルフタ
レート、ジ−n−オクチルフタレート、ビス(2−メチ
ルヘキシル)フタレート、ビス(2−エチルヘキシル)
フタレート、ジ−n−ノニルフタレート、ジ−iso−
デシルフタレート、ビス(2、2−ジメチルヘプチル)
フタレート、n−ブチル(iso−ヘキシル)フタレー
ト、エチル(iso−オクチル)フタレート、n−ブチ
ル(iso−オクチル)フタレート、n−ペンチルヘキ
シルフタレート、n−ペンチル(iso−ヘキシル)フ
タレート、iso−ペンチル(ヘプチル)フタレート、
n−ペンチル(iso−オクチル)フタレート、n−ペ
ンチル(iso−ノニル)フタレート、iso−ペンチ
ル(n−デシル)フタレート、n−ペンチル(ウンデシ
ル)フタレート、iso−ペンチル(iso−ヘキシ
ル)フタレート、n−ヘキシル(iso−オクチル)フ
タレート、n−ヘキシル(iso−ノニル)フタレー
ト、n−ヘキシル(n−デシル)フタレート、n−ヘプ
チル(iso−オクチル)フタレート、n−ヘプチル
(iso−ノニル)フタレート、n−ヘプチル(neo
−デシル)フタレート、iso−オクチル(iso−ノ
ニル)フタレートが例示され、これらの1種もしくは2
種以上が使用される。これらのうち、ジエチルフタレー
ト、ジ−n−ブチルフタレート、ジ−iso−ブチルフ
タレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレートが好
ましく用いられる。
【0023】また、上記成分を2種または3種以上用
いる場合、その組み合わせに特に制限はないが、フタル
酸ジエステルを用いる場合、1つのフタル酸ジエステル
のアルキル基2個の合計炭素数と他の1つのフタル酸ジ
エステルのアルキル基2個の合計炭素数の差が4以上に
なるように選択して組み合わせることが好ましい。その
組み合わせの具体例を示すと以下のようになる。 (1)ジエチルフタレートとジ−n−ブチルフタレート (2)ジエチルフタレートとジ−iso−ブチルフタレー
ト (3)ジエチルフタレートとジ−n−オクチルフタレート (4)ジエチルフタレートとビス(2−エチルヘキシル)
フタレート (5)ジ−n−ブチルフタレートとジ−n−オクチルフタ
レート (6)ジ−n−ブチルフタレートとビス(2−エチルヘキ
シル)フタレート (7)ジエチルフタレートとジ−n−ブチルフタレートと
ビス(2−エチルヘキシル)フタレート (8)ジエチルフタレートとジ−iso−ブチルフタレー
トとビス(2−エチルヘキシル)フタレート 上記のごとく、2種または3種以上の成分を用いる場
合、同時に接触させるよりも、別々に異なる温度条件で
接触させることがより好ましい。
【0024】固体触媒成分(A)を構成する固体成分
(a) の調製に用いる成分は、上記必須成分の他に、他
の電子供与性化合物を併用することもできる。その電子
供与性化合物としては、酸素あるいは窒素を含有する有
機化合物が使用でき、例えばアルコール類、フェノール
類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド
類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニトリル類、
イソシアネート類、アルキルアルコキシシランまたはア
ルコキシシランの有機ケイ素化合物などを挙げることが
できる。
【0025】より具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ドデ
カノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等
のフェノール類、メチルエーテエル、エチルエーテル、
プロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、
ジフェニルエーテル等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢
酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、
安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、
安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘ
キシル、安息香酸フェニル、p−トルイル酸メチル、p
−トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル
等のモノカルボン酸エステル、マレイン酸ジエチル、マ
レイン酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジ
エチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、
アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル等のジ
カルボン酸エステル、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルブチルケトン、アセトンフェノン、ベンゾフェノ
ン等のケトン類、フタル酸ジクロライド、テレフタル酸
ジクロライド等の酸ハライド、アセトアルデヒド、プロ
ピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデ
ヒド等のアルデヒド類、メチルアミン、エチルアミン、
トリブチルアミン、ピペリジン、アニリン、ピリジン等
のアミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニ
トリル等のニトリル類などが例示される。
【0026】また、アルキルアルコキシシランまたはア
ルコキシシランの有機ケイ素化合物としては、トリメチ
ルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリ−
n−プロピルメトキシシラン、トリ−n−プロピルエト
キシシラン、トリ−n−ブチルメトキシシラン、トリ−
iso−ブチルメトキシシラン、トリ−t−ブチルメト
キシシラン、トリ−n−ブチルエトキシシラン、トリシ
クロヘキシルメトキシシラン、トリシクロヘキシルエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ
−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピ
ルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシ
シラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−iso
−ブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシ
シラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、n−ブチル
メチルジメトキシシラン、ビス(2−エチルヘキシル)
ジメトキシシラン、ビス(2−エチルヘキシル)ジエト
キシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシ
クロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメ
トキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シ
クロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシル
メチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメト
キシシラン、シクロヘキシル(iso−プロピル)ジメ
トキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラ
ン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペ
ンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチル
ジエトキシシラン、シクロペンチル(iso−プロピ
ル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ペンチ
ル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ペンチ
ル)ジエトキシシラン、シクロペンチル(iso−ブチ
ル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−プロピ
ル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−プロピ
ル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル(n−ブチル)
ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ブチル)ジエ
トキシシラン、シクロヘキシル(iso−ブチル)ジメ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチル
ジメトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン、
シクロヘキシルジメチルメトキシシラン、シクロヘキシ
ルジメチルエトキシシラン、シクロヘキシルジエチルメ
トキシシラン、シクロヘキシルジエチルエトキシシラ
ン、2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、2−エチ
ルヘキシルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i
so−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピル
トリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、
iso−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメ
トキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、シクロ
ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエト
キシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シク
ロペンチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、2−エチルヘキシル
トリメトキシシラン、2−エチルヘキシルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルシクロペンチルジエトキシシラン等
である。
【0027】次に、本発明の固体触媒成分(A)を構成
する固体成分(b) の調製について説明する。
【0028】本発明の固体触媒成分(A)を構成する固
体成分(b) を調製するのに用いる成分のジアルコキシ
マグネシウムは、上記固体成分(a) の調製に用いた成分
と同じものを使用することができる。
【0029】本発明の固体触媒成分(A)を構成する固
体成分(b) を調製するのに用いる成分のチタン化合物
は、上記固体成分(a) の調製に用いた成分と同じもの
を使用することができる。
【0030】本発明の固体触媒成分(A)を構成する固
体成分(b) を調製するのに用いる成分の芳香族カルボ
ン酸ジエステルは、上記固体成分(a) の調製に用いた成
分と同じものを使用することができる。さらに固体成
分(b) の調製において、該成分を必須成分として、他
の電子供与性化合物も併用してもよい。その電子供与性
化合物としては、酸素あるいは窒素を含有する有機化合
物であり、その具体例としては、例えばアルコール類、
フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸
ハライド類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニト
リル類、イソシアネート類、アルキルアルコキシシラン
またはアルコキシシランの有機ケイ素化合物などが挙げ
られ、より具体的には固体成分(a) の調製の説明で記載
したものと同じものを使用することができる。
【0031】本発明の固体触媒成分(A)を構成する固
体成分(b) を調製するのに用いる成分のポリシロキサ
ン(以下「成分」ということがある)としては、下記
の一般式(化1)表わされるポリシロキサンの1種又は
2種以上である。
【0032】
【化1】
【0033】上記の化1において、xは平均重合度を表
わし、2から30,000であり、R8 からR15の主体
はメチル基であり、ときにはR8 からR15の一部分はフ
ェニル基、水素、高級脂肪酸残基、エポキシ含有基、ポ
リオキシアルキレン基で置換されたものであり、また化
1の化合物はR11及びR12がメチル基の環状ポリシロヘ
キサンを形成しているものを含む。
【0034】該ポリシロキサンは、シリコーンオイルと
も総称され、25℃粘度が2〜10,000センチスト
ークス、好ましくは2〜1,000センチストローク
ス、より好ましくは3〜500セイチストークスを有す
る常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、部分水素化、環状
あるいは変性ポリシロキサンである。
【0035】鎖状ポリシロキサンとしては、ジメチルポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが、部分
水素化ポリシロキサンとして、水素化率10〜80%の
メチルハイドロジェンポリシロキサンが、環状ポリシロ
キサンとして、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン、2,4,6−トリメチルシクロトリ
シロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテト
ラシロキサンが、また変性ポリシロキサンとしては、高
級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキシ基置換ジ
メチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基置換ジメチ
ルシロキサンが例示される。
【0036】各ポリシロキサンの具体例としては、商品
名TSF400、TSF401、TSF404、TSF
4045、TSF410、TSF411、TSF43
3、TSF437、TSF4420、TSF451−5
A、TSF451−10A、TSF451−50A、T
SF451−100、TSF483、TSF484〔以
上、いずれも東芝シリコーン(株)製〕、KF96、K
F96L、KF96H、KF69、KF92、KF96
1、KF965、KF56、KF99、KF94、KF
995、KF105、KF351、HIVAC−F4、
HIVAC−F5〔以上、いずれも信越化学工業(株)
製〕が相当する。
【0037】これらのポリシロキサンは、トルエン、キ
シレン、ヘキサン、ヘプタンのような有機溶媒に溶解し
て使用することもできる。
【0038】本発明の固体触媒成分(A)を構成する固
体成分(b) を調製するために用いる成分のアルミニウ
ム化合物(以下「成分」ということがある)は、下記
の一般式(I)及び(II)で表わされるアルミニウム化合
物群の中から選択される少なくとも1種である。 Al(OR3)n 3-n …(I) 上記一般式(I) において、R3 は炭素数1から4のアル
キル基またはアリール基、Xはハロゲン元素を示し、n
は0≦n≦3の実数である。 R4 p AlX4-p …(II) 上記一般式(II)において、R4 は炭素数1から4のア
ルキル基、Xは水素原子またはハロゲン元素を示し、p
は0≦p≦3の実数である。
【0039】一般式(I) で表わされるアルミニウム化合
物としては、アルミニウムトリハライド、アルコキシア
ルミニウムジハライド、ジアルコキシアルミニウムハラ
イド、トリアルコキシアルミニウムであり、これらの具
体例としては、アルミニウムトリクロライド、アルミニ
ウムトリブロマイド、アルミニウムトリアイオダイド、
ジエトキシアルミニウムクロライド、ジ−iso−プロ
ポキシアルミニウムクロライド、ジブトキシアルミニウ
ムクロライド、エトキシアルミニウムジクロライド、i
so−プロポキシアルミニウムジクロライド、ブトキシ
アルミニウムジクロライド、トリメトキシアルミニウ
ム、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミ
ニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ
ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミ
ニウムなどが挙げられ、中でも好ましい物質は、アルミ
ニウムトリクロライド、ジ−iso−プロポキシアルミ
ニウムクロライド、iso−プロポキシアルミニウムジ
クロライド、トリエトキシアルミニウム、トリ−iso
−プロポキシアルミニウムである。
【0040】一般式(II)で表わされるアルミニウム化
合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキル
ハイドライド、ジアルキルアルミニウムハライド及びア
ルキルアルミニウムジハライドであり、これらの具体例
としては、トリエチルアルミニウム、トリ−iso−ブ
チルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジ−iso−ブチルハイドライド、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、ジ−iso−ブチルアルミニウムク
ロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピル
アルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキ
クロライド、ブチルアルミニウムセスキクロライド等が
挙げられるが、この中でも好ましくは、トリエチルアル
ミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルア
ルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライドである。
【0041】上記成分として、上記一般式(I) 及び一
般式(II) の化合物群から選択される1種もしくは2種
以上を用いることができる。該成分は直接他の成分と
接触させるか、あるいはトルエンまたキシレンのような
芳香族炭化水素あるいはヘキサンまたヘプタンのような
脂肪族炭化水素等の有機溶媒に溶解し、稀釈して使用す
る。
【0042】〔固体成分(a) の調製方法〕本発明の固体
触媒成分(A)を構成する固体成分(a) 、成分、成分
及び成分を接触させることによって調製される。こ
の接触は、有機溶媒の不存在下で処理することも可能で
あるが、操作の容易性を考慮すると該溶媒の存在下で処
理することが好ましい。用いられる有機溶媒としては、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素、オルトジクロルベンゼン、塩化メチ
レン、四塩化炭素、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化
水素などが挙げられるが、中でも沸点が90〜150℃
程度の芳香族炭化水素類、具体的にはトルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンが好ましく用いられる。
【0043】成分を上記のような有機溶媒に懸濁させ
(工程1)、次いで成分と接触させ(工程2)、これ
ら工程1および工程2のいずれかの工程において成分
を接触させる。成分を上記工程の後に生成した固体生
成物とさらに2回以上接触反応させることが触媒活性向
上のために好ましい。その際、上記のような有機溶媒、
特に芳香族炭化水素の存在下に行うことが好ましい。ま
た、この成分の2回目以降の接触反応の前に上記の有
機溶媒、特に芳香族炭化水素で固体生成物を1回以上洗
浄することが好ましい。
【0044】成分は、上記の工程1で添加するか、あ
るいは工程2かあるいは工程1および工程2の両工程で
分割して添加することも、または異なるジエステルを別
々に添加してもよい。さらにまた、成分は上記工程1
および工程2のいずれかの工程で接触させた後、上述し
たように成分との接触反応を2回以上行う工程におい
て再度添加してもよい。
【0045】これら各成分の具体的な添加順序を以下に
示すと、以下のようになる。 1. 成分、及びを同時に接触させる。 2. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させる。 3. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分を接触させる。 4. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分を接触させ、さ
らに成分を接触させる。 5. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させる。 6. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分を接触させる。 7. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分を接触させ、さ
らに成分を接触させる。 8. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分及びを接触さ
せる。 9. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分及びを接触さ
せ、さらに成分を接触させる。 10. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分及びを接触さ
せる。 11. 成分とを予め接触させて得られた固体生成物
に、成分を接触させ、繰り返し成分及びを接触さ
せ、さらに成分を接触させる。
【0046】上記各成分の接触または反応において、成
分を有機溶媒に懸濁させるときの温度には特に制限は
ないが、可及的に40℃以下で行うことが好ましい。そ
の際1分から5時間撹拌しながら懸濁させる。
【0047】成分を上記成分の懸濁液と接触させる
際の温度は、上記の成分の懸濁時と同じでも異なって
もよいが、好ましくは40℃以下、より好ましくは20
℃以下であり、最適には−10℃〜15℃の範囲であ
る。また、成分の懸濁液と成分との接触方法は特に
限定はないが、成分の懸濁液中に成分を滴下する方
法、また成分中に成分の懸濁液を滴下する方法、あ
るいは有機溶媒で希釈した成分中に、成分の懸濁液
を滴下する方法により接触させる。
【0048】上記のように成分を成分の懸濁液と接
触させた後の反応温度は、0〜130℃、好ましくは4
0〜130℃、特に好ましくは70〜120℃である。
該反応時間には特に制限はないが、10分から5時間、
好ましくは30分から3時間の範囲である。
【0049】成分を接触する際の温度にも特に制限は
ないが、通常−10〜130℃の温度域で添加し接触さ
せる。前述したように成分を2種以上併用する場合、
または同種の成分を分割して添加する場合も同じ温度
域で添加し接触させるが、それぞれの添加温度は同じで
も異なってもよい。
【0050】成分、成分及び成分の使用量比は、
調製方法により異なるため一概に規定することはできな
いが、例えば、成分は成分1モル当り、0.5〜1
00モル、好ましくは1〜10モルである。成分の使
用量比は、成分1モル当り通常0.05モル以上であ
り、好ましくは0.05〜1モルの範囲で使用する。
【0051】上記のように各成分を接触した後の固体生
成物は、n−ヘプタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水
素溶媒により十分に洗浄することが好ましい態様とな
る。
【0052】固体成分(a) を調製するための具体例は、
次のとおりである。まず、トルエンのような芳香族炭化
水素溶媒に成分としてジエトキシマグネシウムを−1
0〜30℃で懸濁させ、該懸濁液中に成分として四塩
化チタンを添加する。この際、四塩化チタンの量は成分
を懸濁させた溶媒に対して容量比で1/2以下である
ことが好ましい。ついで、該懸濁液を昇温して40〜1
00℃の温度域で成分としてジブチルフタレートを添
加した後、さらに昇温し、温度域100〜120℃で3
0分から3時間保持して反応させることにより固体生成
物を得る。その後、該固体生成物を40〜130℃の温
度域で1分以上トルエン洗浄した後、さらにトルエンお
よび四塩化チタンを添加して接触させ、ついで昇温する
ことによって100〜120℃の温度域で30分〜3時
間保持して反応させ、得られた固体生成物をヘプタン洗
浄することによって固体成分(a) を得る。
【0053】〔固体成分(b) の調製方法〕本発明の固体
触媒成分(A)を構成する固体成分(b) は、成分、成
分、成分、成分及び成分を接触させることによ
って調製される。この接触は、有機溶媒の不存在下で処
理することも可能であるが、操作の容易性を考慮すると
該溶媒の存在下で処理することが好ましい。用いられる
有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン等の飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、オルトジクロルベ
ンゼン、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロルエタン等
のハロゲン化炭化水素などが挙げられるが、中でも沸点
が90〜150℃程度の芳香族炭化水素類、具体的には
トルエン、キシレン、エチルベンゼンが好ましく用いら
れる。
【0054】本発明の固体成分(b) を調製する際、成分
、成分、成分、成分及び成分の接触順序には
特に制約はなく任意であるが、各成分の接触順序を例示
すると、以下のようになる。 1. 成分、、、及びを同時に接触させる。 2. 成分、、、及びを接触させて得られた固
体生成物に、繰り返し成分を接触させる。 3. 成分、及びを予め接触させて得られた固体生
成物に、成分及びを接触させる。 4. 成分、及びを予め接触させて得られた固体生
成物に、成分及びを接触させ、次いで繰り返し成分
を接触させる。 5. 成分、、及びを予め接触させて得られた固
体生成物に、成分を接触させる。 6. 成分、、及びを予め接触させて得られた固
体生成物に、成分を接触させ、次いで繰り返し成分
を接触させる。 7. 成分、、及びを予め接触させて得られた固
体生成物に、成分を接触させ、次いで繰り返し成分
及びを接触させる。 8. 成分、、、及びを予め接触させて得られ
た固体生成物に、繰り返し成分及びを接触させる。
【0055】上記各成分の接触または反応において、成
分を有機溶媒に懸濁させる際の温度には特に制限はな
いが、可及的に40℃以下で行うことが好ましい。その
際1分から5時間撹拌しながら懸濁させる。
【0056】次いで、成分を上記成分の懸濁液と接
触させるが、その際の温度は上記の成分の懸濁時と同
じでも異なってもよい。しかし、好ましくは40℃以
下、より好ましくは20℃以下であり、特に好ましくは
−10〜15℃の範囲である。また、成分の懸濁液と
成分の接触方法は特に制限はないが、成分の懸濁液
中に成分を滴下する方法、また成分中に成分の懸
濁液を滴下する方法、あるいは有機溶媒で希釈した成分
中に、成分の懸濁液を滴下する方法により接触させ
る。
【0057】上記のように成分を上記成分の懸濁液
と接触させた後に反応を行うが、その際の温度は0〜1
30℃、好ましくは40〜130℃、特に好ましくは7
0〜120℃である。反応時間には特に制約はないが、
10分から5時間、好ましくは30分から3時間であ
る。
【0058】成分を接触の際の温度にも特に制限はな
いが、通常−10〜130℃の温度域で添加し接触させ
る。前述したように成分を2種以上併用する場合、ま
た同種の成分を分割して添加する場合も同じ温度域で
添加し接触させるが、それぞれの添加温度は同じでも異
なっていてもよい。
【0059】上記各成分の接触の順序において、成分
及びの接触順序は任意であるが、成分、、を予
め接触させて得られた固体生成物に接触させることが、
所定の重合体の密度を維持しつつ重合体の微粉含有量を
少なくするために好ましい。また、上記の接触に当た
り、得られた固体生成物に繰り返し成分および/また
は成分を接触させる場合の接触条件は、40〜130
℃の温度域で1分以上、好ましくは10分以上、より好
ましくは30分以上保持する。この際、成分及び成分
をそのまま添加する方法、あるいは前記の不活性有機
溶媒で適宜に希釈して添加する方法があるが、後者の方
法を用いることが好適である。前段の接触・反応によっ
て得られた固体生成物を、前記の不活性有機溶媒で洗浄
した後、繰り返し成分および/または成分と接触処
理することも好ましい態様の一つである。
【0060】各成分の使用量比は、成分1g に対し、
成分は0.1〜200ml、好ましくは0.5〜100
mlであり、成分は0.01〜1.0g 、好ましくは
0.1〜0.5g であり、成分は0.01〜1g 、好
ましくは0.05〜5.0g であり、成分は0.01
〜10g 、好ましくは0.05〜2.0g である。ま
た、不活性有機溶媒の使用量については特に制限はない
が、操作上の問題を考慮すると、成分に対する容量比
で0.1〜10の範囲が好ましい。なお、これらの成分
は接触時に分割して添加したり、1種または2種以上を
選択して用いることも可能である。
【0061】各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水
分等を除去した状況下で、撹拌機を備えた容器中で撹拌
しながら行われる。接触温度は、単に接触させて撹拌混
合する場合や分散あるいは懸濁させて変成処理する場合
には室温付近の比較的低温域であっても差し支えない
が、接触後に反応させて生成物を得る場合には40〜1
30℃の温度域が好ましい。反応時の温度が40℃未満
の場合には、十分な反応が進行せず、結果として調製さ
れた固体触媒成分の性能が不十分となり、130℃を越
えると使用した溶媒の蒸発が顕著になるなどして、反応
のコントロールが不安定となる。なお、反応時間は1分
以上、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以
上である。
【0062】上記のように各成分を接触した後の固体生
成物は、n−ヘプタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水
素溶媒により十分に洗浄することが好ましい態様とな
る。
【0063】固体成分(b) を調製するための具体例を示
すと、以下のようになる。
【0064】(1) トルエンのような芳香族炭化水素溶媒
に成分としてジエトキシマグネシウムを、また成分
としてアルミニウムトリクロライドを温度域−10〜3
0℃で懸濁させ、該懸濁液中に成分として四塩化チタ
ンを添加する。この際、四塩化チタンの量は成分を懸
濁させた溶媒に対して容量比で1/2以下であることが
好ましい。該懸濁液を昇温し、40〜100℃の温度域
で成分としてジブチルフタレートを添加し、さらにジ
エチルフタレートを温度域60〜80℃で添加し、つい
で成分としてジメチルポリシロキサンを添加する。さ
らに昇温し、温度域100〜120℃で30分から3時
間保持して反応させ、固体生成物を得る。該固体生成物
をトルエンに希釈した四塩化チタンで洗浄し、さらにト
ルエンで洗浄する。このときの温度は40〜130℃の
温度域で1分以上である。さらにトルエン及び四塩化チ
タンを該固体生成物に添加・接触し、昇温し、温度域1
00〜120℃で30分から3時間保持し反応させる。
この際、成分としてアルミニウムトリクロライドを再
度添加させることもできる。最後にヘプタンで該固体生
成物を洗浄し、固体成分(b) を得る。
【0065】(2) トルエンのような芳香族炭化水素溶媒
に成分としてジエトキシマグネシウムを温度域−10
〜30℃で懸濁させ、成分として四塩化チタンを添加
する。この際、四塩化チタンの量は成分を懸濁させた
溶媒に対して容量比で1/2以下であることが好まし
い。次いで、成分としてジイソオクチルフタレートを
温度域30〜60℃で該懸濁液に添加し、さらにジエチ
ルフタレートを温度域60〜80℃で添加する。さらに
該懸濁液を昇温し、成分としてジメチルポリシロキサ
ンを温度域80〜100℃で添加し、さらに昇温し、温
度域100〜120℃で30分から3時間保持して反応
させ、固体生成物を得る。該固体生成物をトルエンに希
釈した四塩化チタンで洗浄し、さらにトルエンで洗浄す
る。このときの温度は40〜130℃の温度域で1分以
上である。次に、該固体生成物に成分としてアルミニ
ウムトリクロライドを添加し接触させるが、このとき該
成分を均一に接触させるためにトルエン等の有機溶媒
に溶解させて添加・接触させることが好ましい。さら
に、四塩化チタンを添加し、その後昇温し、温度域10
0〜120℃で30分から3時間保持し反応させ、ヘプ
タンで該固体生成物を洗浄し、固体成分(b) を得る。
【0066】〔固体触媒成分(A)の調製〕本発明の固
体触媒成分(A)は、固体成分(a) と固体成分(b) を用
いて調製されるが、具体的にはこれらを接触混合した後
処理を行うことによって調製される。より具体的にはナ
ウターミキサー、V型混合機、振動ミル、ボールミル、
あるいは撹拌機を具備した槽あるいは反応機等を用いて
行われる。
【0067】この接触混合は有機溶媒の存在下あるいは
不存在下で行われ、用いられる有機溶媒としては、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香
族炭化水素、オルトジクロルベンゼン、塩化メチレン、
四塩化炭素、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素な
どが挙げられる。
【0068】有機溶媒の存在下あるいは不存在下に固体
成分(a) と固体成分(b) を接触混合する場合の温度には
特に制限はないが、通常0〜150℃の範囲であり、好
ましくは0〜120℃で、1分から10時間、好ましく
は5分から5時間接触混合する。この接触混合の際、室
温以上で処理する所謂加熱処理を施すことも好ましい態
様の一つである。この加熱処理により得られた固体触媒
成分(A)をオレフィンの重合に用いた場合、その重合
初期の過度な発熱が抑えられ、結果として微粉が少なく
嵩比重の高い重合体が高収率で得ることができる。この
加熱条件は、通常、50〜150℃、好ましくは80〜
100℃の温度域で、1分から5時間、好ましくは5分
から3時間の処理時間に設定される。
【0069】固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合す
る際の混合比率は、固体成分(a) と固体成分(b) の重量
比(a):(b) =1:99〜99:1となるように混合す
る。該重量比のより好ましい範囲は5:95〜95:5
であり、さらに好ましくは10:90〜90:10の比
率範囲である。
【0070】固体成分(a) と固体成分(b) の混合比率を
前記範囲内で適宜の変動させることにより、調製された
固体触媒成分(A)をオレフィンの重合に用いたとき得
られるポリマーの立体規則性あるいは結晶性をコントロ
ールすることができる。即ち、オレフィン重合体を製造
する際、その目的とするポリマーグレードに要求される
立体規則性あるいは結晶性に適合するように該混合比率
を設定することによって、所望の物性を持つポリマーを
安定的に製造することが可能になる。
【0071】また、上記のように固体成分(a) と固体成
分(b) を接触混合した後、再度固体成分(a) あるいは固
体成分(b) の調製に用いた成分、、及びの少な
くとも1成分を該混合物と接触させて処理することによ
って固体触媒成分(A)を調製することも、所定の立体
規則性あるいは結晶性を持つポリマーを高収率で得るた
めの好ましい態様の一つである。
【0072】以下に、固体成分(a) と固体成分(b) を接
触混合した混合物に、成分、、及びを接触処理
する順序に特に制限はなく任意であるが、その接触順序
を例示すると以下のようになる。
【0073】1. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混
合した混合物に成分を接触させる。 2. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合した混合物
に成分及びを接触させる。 3. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合した混合物
に成分、及びを接触させる。 4. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合した混合物
に成分、、及びを接触させる。 5. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合した混合物
に成分を接触させる。 6. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合した混合物
に成分を接触させたのち、成分を接触させる。 7. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合した混合物
に成分、及びを接触させる。 8. 固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合した混合物
に成分を接触させたのち、成分及びを接触させ
る。
【0074】上記のように固体成分(a) と固体成分(b)
を接触混合した混合物に各成分を接触し処理するときの
温度、接触時間および混合物との量比等の条件は任意で
あって特に制約はなく、上述した固体成分(a) あるいは
固体成分(b) の調製方法と同じ条件を採用することがで
きる。
【0075】固体成分(a) と固体成分(b) を接触混合し
た混合物に、各成分を接触し固体触媒成分(A)を調製
する具体例を示すと、次のようになる。
【0076】トルエンのような芳香族炭化水素に固体成
分(a) と固体成分(b) を(a):(b) の重量比率が1:99
〜99:1の範囲になる割合で、温度域−10〜30℃
で懸濁させ、該懸濁液に成分として四塩化チタンを添
加する。この際、四塩化チタンの量は固体成分(a) と固
体成分(b) を懸濁させた溶媒に対して容量比で1/2以
下であることが好ましい。該懸濁液を昇温し、温度域9
0〜120℃で30分から3時間保持し、固体生成物を
得る。このとき成分としてアルミニウムトリクロライ
ドを添加することもできる。最後にヘプタンで該固体生
成物を洗浄し、固体触媒成分(A)を得る。
【0077】〔オレフィン類重合用触媒の調製と重合〕
上記で得られた本発明の固体触媒成分(A)は、オレフ
ィン類の重合反応に供する際に、以下に述べる(B)成
分および(C)成分と組み合わせて重合触媒として使用
される。
【0078】本発明のオレフィン類重合用触媒を形成す
る際に用いられる有機アルミニウム化合物(B)として
は、一般式;R5 q AlY3-q (式中、R5 は炭素数1
から4のアルキル基、Yは水素、塩素、臭素、ヨウ素の
いずれかであり、qは0<q≦3の実数である)で表さ
れる有機アルミニウム化合物が用いられる。このような
有機アルミニウム化合物(B)としては、トリエチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、トリ−
iso−ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムブ
ロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチ
ルアルミニウムハイドライド等が挙げられ、その1種あ
るいは2種以上が使用できる。好ましくは、トリエチル
アルミニウム、トリ−iso−ブチルアルミニウムであ
る。
【0079】本発明のオレフィン類重合用触媒を形成す
る際に用いられる有機ケイ素化合物(C)としては一般
式;R6 r Si(OR7 4-r (式中、R6 は炭素数1
から12のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル
基、ビニル基、アリル基、アラルキル基のいずれかで、
同一でも異なってもよい。R7 は炭素数1から4のアル
キル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、ア
リル基、アラルキル基のいずれかで、同一でも異なって
もよい。rは0または1〜3の整数である)で表わされ
る有機ケイ素化合物が用いられる。このような有機ケイ
素化合物(C)としては、フェニルアルコキシシラン、
アルキルアルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキ
シシラン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロア
ルキルアルキルアルコキシシラン、アルコキシシランな
どを挙げることができる。
【0080】上記の成分(C)を具体的に例示すると、
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n−プ
ロピルエトキシシラン、トリ−n−ブチルメトキシシラ
ン、トリ−iso−ブチルメトキシシラン、トリ−t−
ブチルメトキシシラン、トリ−n−ブチルエトキシシラ
ン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、トリシクロヘ
キシルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシ
シラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−
n−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル
ジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、
ジ−iso−ブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチル
ジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、
n−ブチルメチルジメトキシシラン、ビス(2−エチル
ヘキシル)ジメトキシシラン、ビス(2−エチルヘキシ
ル)ジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロペ
ンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシ
シラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シク
ロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエ
チルジメトキシシラン、シクロヘキシル(iso−プロ
ピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエト
キシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、
シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチ
ルエチルジエトキシシラン、シクロペンチル(iso−
プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ペ
ンチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ペン
チル)ジエトキシシラン、シクロペンチル(iso−ブ
チル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−プロピ
ル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−プロピ
ル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル(n−ブチル)
ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ブチル)ジエ
トキシシラン、シクロヘキシル(iso−ブチル)ジメ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチル
ジメトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン、
シクロヘキシルジメチルメトキシシラン、シクロヘキシ
ルジメチルエトキシシラン、シクロヘキシルジエチルメ
トキシシラン、シクロヘキシルジエチルエトキシシラ
ン、2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、2−エチ
ルヘキシルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i
so−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピル
トリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、
iso−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメ
トキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、シクロ
ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエト
キシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シク
ロペンチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、2−エチルヘキシル
トリメトキシシラン、2−エチルヘキシルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルシクロペンチルジエトキシシラン、
シクロヘキシルシクロペンチルジプロポキシシラン、3
−メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラ
ン、4−メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキ
シシラン、3、5−ジメチルシクロヘキシルシクロペン
チルジメトキシシラン、3−メチルシクロヘキシルシク
ロヘキシルジメトキシシラン、ビス(3−メチルシクロ
ヘキシル) ジメトキシシラン、4−メチルシクロヘキシ
ルシクロヘキシルジメトキシシラン、ビス(4−メチル
シクロヘキシル)ジメトキシシラン、3,5−ジメチル
シクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、ビス
(3,5−ジメチルシクロヘキシル) ジメトキシシラン
等である。
【0081】上記の中でも、ジ−n−プロピルジメトキ
シシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ
−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−iso−ブチルジ
メトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ
−n−ブチルジエトキシシラン、t−ブチルトリメトキ
シシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシク
ロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジ
メトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラ
ン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘ
キシルエチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジエ
トキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラ
ン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペ
ンチルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシルシクロ
ペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペン
チルジエトキシシラン、3−メチルシクロヘキシルシク
ロペンチルジメトキシシラン、4−メチルシクロヘキシ
ルシクロペンチルジメトキシシラン、3,5−ジメチル
シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシランが好ま
しく用いられ、該有機ケイ素化合物(C)は、1種ある
いは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0082】オレフィン類の重合は、前記した固体触媒
成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)および有機
ケイ素化合物(C)よりなる触媒存在下に、オレフィン
類を重合もしくは共重合する方法で行われる。各成分の
使用量比は、本発明の効果に影響を及ぼすことのない限
り任意であり、特に限定されるものではないが、通常有
機アルミニウム化合物(B)は固体触媒成分(A)中の
チタン原子のモル当たり、モル比で1から1,000、
好ましくは50から500、有機ケイ素化合物(C)
は、成分(B)の1モル当たり、モル比で0.020か
ら2、好ましくは0.01から0.5の範囲で用いられ
る。
【0083】本発明のオレフィン類重合用触媒は固体触
媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)および有
機ケイ素化合物(C)とで構成されるが、重合時の電子
供与体(外部電子供与体)として、上記の有機ケイ素化
合物(C)と併せて酸素あるいは窒素を含有する有機化
合物が使用し得る。その具体例としては、例えばアルコ
ール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケト
ン類、酸ハライド類、アルデヒド類、アミン類、アミド
類、ニトリル類、イソシアネート類、などが挙げられ
る。
【0084】より具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ドデ
カノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等
のフェノール類、メチルエーテエル、エチルエーテル、
プロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、
ジフェニルエーテル等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢
酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、
メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、プロピルベ
ンゾエート、ブチルベンゾエート、オクチルベンゾエー
ト、シクロヘキシルベンゾエート、フェニルベンゾエー
ト、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチル、p
−メトキシエチルベンゾエート、p−エトキシエチルベ
ンゾエート、アニス酸エチル、アニス酸エチル等のモノ
カルボン酸エステル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、
アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン
酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシ
ル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ジノニル、フタル酸ジデシル等のジカルボン酸エステ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケト
ン、アセトンフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類、
フタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド等の
酸ハライド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデ
ヒド類、メチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミ
ン、ピペリジン、アニリン、ピリジン等のアミン類、ア
セトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニト
リル類などを例示することができる。
【0085】本発明の触媒を用いて単独重合あるいは共
重合されるオレフィン類は、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等であり、特にプ
ロピレンの単独重合もしくはプロピレン−エチレンの共
重合に好適である。
【0086】更にまた、上記の固体触媒成分(A)、有
機アルミニウム化合物(B)および有機ケイ素化合物
(C)よりなる触媒を用いて行うオレフィンの重合
(「本重合」とも言う)にあたり、触媒活性、立体規則
性および生成する重合体の粒子性状等を一層改善させる
ためには、重合に先立ち、予備重合を行うのが好まし
い。予備重合の際のモノマーとして、エチレン、プロピ
レンだけではなく、スチレン、ビニルシクロヘキサン等
のモノマーを使用することができる。
【0087】重合は、スラリー重合、液化重合または気
相重合で行われるが、重合時に分子量調節剤として水素
を用いることも可能である。重合温度は200℃以下、
好ましくは100℃以下であり、重合圧力は10MPa 以
下、好ましくは5MPa 以下、より好ましくは2.5MPa
以下である。
【0088】本発明の触媒を用いてオレフィン類、とり
わけプロピレンの重合を行った場合、重合時のパラメー
ターを変更することなく、所望の立体規則性あるいは結
晶を有するポリマーが安定的に、かつ高収率で得られ、
しかもその結晶性のコントロールが極めて容易である。
また、プロピレンをスラリー法による重合に供した際、
比較的低い結晶性を有するポリマーを生成しても、アタ
ック発生率が低い立体規則性重合体が高収率で得られる
という機能を発揮する。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0090】実施例1 〔固体触媒成分(A)の調製〕 (1)固体成分(a) の調製 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量50
0mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g及
びトルエン80mlを装入し、懸濁状態とした。この中に
室温の四塩化チタン20mlを装入し、撹拌しながら90
℃まで昇温しジ−n−ブチルフタレート2.7mlを添加
後、さらに昇温して110℃で2時間反応させた。反応
終了後、上澄み液を除去し、トルエン100mlを用いて
3回洗浄した。その後、トルエン80mlおよび四塩化チ
タン20mlを新たに加え、100℃で2時間撹拌しなが
ら反応させた。ついで、40℃のn−ヘプタン100ml
で8回洗浄し、減圧下で得られた固体物を乾燥し固体成
分(a) を得た。この固体成分中のTi含有量を測定した
ところ、2.5重量%であった。
【0091】(2)固体成分(b) の調製 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量50
0mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g及
びトルエン80mlを装入し、懸濁状態とした。この中に
室温の四塩化チタン20mlを装入し、撹拌しながら50
℃まで昇温して反応させた。ついで、ジ−iso−オク
チルフタレート5.2mlを添加後、さらに昇温し、70
℃でジエチルフタレート0.2mlを添加し、引き続き室
温での粘度が100cst のジメチルポリシロキサン4.
0mlを添加した後、さらに系内の温度を112℃に昇温
して1.5時間反応させた。反応終了後、上澄み液を除
去し、トルエン80ml、四塩化チタン20mlを装入して
110℃の温度で15分間処理した。上澄み液を除去し
た後、さらにトルエン100mlを用いて3回洗浄した。
次に、トルエン80ml中に三塩化アルミニウム0.8g
を溶解させた溶液及び四塩化チタン20mlを加え、10
0℃で2時間撹拌しながら反応させた。その後、40℃
のn−ヘプタン100mlで8回洗浄し、減圧下で得られ
た固体物を乾燥し固体成分(b) を得た。この固体成分中
のTi含有量を測定したところ、2.1重量%であっ
た。また、Al含有量は1.6重量%であった。
【0092】(3)固体成分(a) と固体成分(b) の接触混
合 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量10
0mlの丸底フラスコに、上記で得られた固体成分(a) 1
0g と固体成分(b) 10g (重量比率50:50 )を装入
し、室温で15分撹拌し固体触媒成分(A)を得た。こ
の固体成分中のTi含有量は2.3重量%であり、Al
含有量は0.8重量%であった。
【0093】〔重合触媒の調製および重合〕窒素ガスで
完全に置換された、内容積2リッターの撹拌機付オート
クレーブに、トリエチルアルミニウム1.32mmol、シ
クロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13mmol及び
前記固体触媒成分(A)をチタン原子として0.003
3mmol装入し、重合用触媒を形成した。ついで、オート
クレーブ中に水素ガス1.5l 、液化プロピレン1.4
l を装入し、70℃で1時間重合反応を行った。得られ
た触媒性能ならびに重合体の性状を表1に示した。ま
た、生成重合体のキシレン可溶分(XS)、メルトインデッ
クス(MI)、嵩比重(BD)を併せて表1に示した。
【0094】なお、表1に示した重合体の性状は、重合
反応終了後、生成した重合体の重量を(x) とし、これを
沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した際の不溶解の重合体
の重量を(y) とし、重合活性(Y) 、全結晶性重合体の収
率(HI)は下式により求めた。
【0095】実施例2〜5 固体成分(a) および固体成分(b) を重量比90:10〜
90:10の範囲で表1に示すような比率により混合
し、それ以外の条件は全て実施例1と同様にして実験を
行った。その結果を表1に併載した。
【0096】実施例6 〔固体触媒成分(A)の調製〕 (1)固体成分(a) の調製 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量50
0mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g及
びトルエン80mlを装入し、懸濁状態とした。この中に
室温の四塩化チタン20mlを装入し、撹拌しながら90
℃まで昇温して反応させた。次いで、ジ−n−ブチルフ
タレート2.7mlを添加後、110℃に昇温して2時間
反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、トルエン
100mlを用いて3回洗浄し、固体成分(a) を得た。
【0097】(2)固体成分(b) の調製 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量50
0mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g、
三塩化アルミニウム1.5g 及びトルエン80mlを装入
して懸濁状態とした。この中に室温の四塩化チタン20
mlを装入し、撹拌しながら50℃まで昇温して反応させ
た。次いでジ−iso−オクチルフタレート5.2mlを
添加後、さらに昇温し、70℃でジエチルフタレート
0.2mlを添加し、ついで室温での粘度が100cst の
ジメチルポリシロキサン4.0mlを添加後、さらに系内
の温度を112℃に昇温して1.5時間反応させた。反
応終了後、上澄み液を除去し、トルエン100mlを用い
て3回洗浄し、固体成分(b)を得た。
【0098】(3)固体成分(a) と固体成分(b) の接触混
合処理 窒素ガスで十分に置換され、撹拌機を具備した容量10
0mlの丸底フラスコに、上記で得られた固体成分(a) 及
び固体成分(b) を正味固体重量でそれぞれ10g (重量
比率50:50)さらにトルエンを160mlを装入し懸濁状態
とした。ついで、系内の温度を100℃に昇温して1.
5時間反応させた。その後、40℃のn−ヘプタン10
0mlで8回洗浄し、減圧下で得られた固体物を乾燥し固
体触媒成分(A)を得た。この固体成分中のTi含有量
を測定したところ、2.6重量%であった。またAl含
有量は0.4重量%であった。
【0099】〔重合触媒の調製および重合〕実施例1と
同様に実験を行った。その結果を表1に併載した。
【0100】
【表1】
【0101】実施例7 実施例4で得られた固体触媒成分を用いて、以下のよう
にスラリー重合を実施した。窒素ガスで十分に乾燥し、
ついでプロピレンガスで置換された内容積1800mlの
撹拌装置付きステンレス製オートクレーブに、n−ヘプ
タン700mlを装入し、プロピレンガス雰囲気下に保ち
つつ、トリエチルアルミニウム2.10mmol、シクロヘ
キシルメチルジメトキシシラン0.21mmolおよび前記
固体触媒成分をTiとして0.0053mmol装入し、重
合用触媒を形成した。次いで、0.2MPa のプロピレン
圧をかけ、撹拌を保ちながら20℃で30分間予備的な
重合を行った。その後、80mlの水素を装入し、系内の
プロピレン圧を0.7MPaとして70℃で2時間重合を
継続した。なお、重合が進行するにつれて低下する圧力
は、プロピレンのみを連続的に供給することにより補
い、重合中一定の圧力に保持した。上記重合方法に従
い、プロピレンの重合を行い、生成された重合体をろ別
し、減圧乾燥して固体重合体を得た。得られた触媒性能
および重合体の性状を表2に示した。
【0102】なお、表2に示した接触性能および重合体
の性状は、重合反応終了後、生成された重合体を濾別
し、その濾液を凝縮して重合溶媒に溶存する重合体を
得、その量を(A) 、固体重合体の量を(B) 、また得られ
た固体重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出し、n−
ヘプタンに不溶解の重合体を得、この量を(C) とし、固
体触媒成分当たりの重合活性(Y) 、アタック発生率(AP
P) および全結晶性重合体の収率(t-II)を下式より求め
た。 重合活性=(Y) =[(A)+(B)](g) /固体触媒成分量(g) アタック発生率(APP) =(A)(g)/[(A)+(B)](g) 全結晶性重合体の収率(t-II)=(C)(g)/[(A)+(B)](g) さらに、生成固体重合体の密度(ρ)、メルトインデッ
クス(MI)および嵩比重(BD)を測定したところ、表2に示
すような結果が得られた。
【0103】
【表2】
【0104】
【発明の効果】本発明に係る触媒を用いてオレフィン
類、とりわけプロピレンの重合を行った場合の触媒活性
は十分に高い。その結果、生成重合体中に存在する触媒
残査量を極めて低い量に抑えることができ、従って生成
重合体中の残留塩素量も脱灰工程を全く必要としない程
度にまで低減することができる。また、生成する立体規
則性ポリプロピレンの結晶性は重合反応時のプロセスパ
ラメータを大幅に変化させることなく、安定してコント
ロールすることができ、フイルムやシート用に適した樹
脂を容易に製造することができる。さらに、本発明に係
る触媒の存在下に重合を行なった場合、生成重合体中の
微粉を低減し得るので、微粉ポリマーに起因するプロセ
ス操作上のトラブルを未然に防止することができる。
【0105】また、本触媒によれば、スラリー重合プロ
セスにおける重合溶媒中のアタック発生率を極めて低く
抑えることができるため、ポリマーの後処理工程や重合
溶媒の精製工程の負荷を軽減し、操業上、エネルギー省
力化等コストの低下に大きく寄与する。
【0106】一方、本触媒は重合時における活性の持続
性が優れているために、より安定したプロセスコントロ
ールを可能とするものである。
【0107】また、触媒調製工程は簡略であり、特別な
付加設備を必要としないことから、再現性良く安定した
品質の固体触媒成分を得ることができる。さらには、固
体原料のロスが少ないことや、工業的に安価な原料を利
用できることに加え、洗浄操作時の沈降速度が早いこと
など、低コストで固体触媒成分を製造することができる
という利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオレフィン類重合用触媒の調製工
程を示したフローチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記 (1)に記載の固体成分(a) の1種ま
    たは2種以上と、下記 (2)に記載の固体成分(b) の1種
    または2種以上とを組み合わせてなることを特徴とする
    オレフィン類重合用固体触媒成分。 (1) 下記〜の成分を用いて調製される固体成分(a) 一般式;Mg(OR1 2 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基またはアリー
    ル基を示す)で表わされるジアルコキシマグネシウムの
    1種又は2種以上、 一般式;Ti(OR2 m 4-m (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロゲ
    ン元素を示し、mは0または1から3の整数である)で
    表わされるチタン化合物の1種又は2種以上、および 芳香族ジカルボン酸ジエステルの1種又は2種以上 (2) 下記〜の成分を用いて調製される固体成分(b) 一般式;Mg(OR1 2 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基またはアリー
    ル基を示す)で表わされるジアルコキシマグネシウムの
    1種又は2種以上、 一般式;Ti(OR2 m 4-m (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロゲ
    ン元素を示し、mは0または1から3の整数である)で
    表わされるチタン化合物の1種又は2種以上、 芳香族ジカルボン酸ジエステルの1種又は2種以上 ポリシロキサンの1種又は2種以上、および 一般式;Al(OR3)n 3-n (式中、R3 は炭素数
    1〜4のアリール基、Xはハロゲン元素を示し、nは0
    ≦n≦3の実数である)または一般式;R4 p AlY
    3-p (式中、R4 は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水
    素原子またはハロゲン元素を示し、pは0<p≦3の実
    数である)で表されるアルミニウム化合物群の中から選
    択される少なくとも1種以上。
  2. 【請求項2】 請求項1の固体成分(a) と固体成分(b)
    の重量比が、(a):(b) =1:99〜99:1であるオレ
    フィン類重合用固体触媒成分。
  3. 【請求項3】 下記(A)、(B)及び(C)成分より
    形成されることを特徴とするオレフィン類重合用触媒。 (A)請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成
    分、 (B)一般式;R5 q AlY3-q (式中、R5 は炭素数1〜4のアルキル基、Yは水素原
    子またはハロゲン元素を示し、qは0<q≦3の実数で
    ある)で表される有機アルミニウム化合物、および (C)一般式;R6 r Si(OR7 4-r (式中、R6 は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキ
    ル基のいずれかで、同一でも異なってもよい。R7 は炭
    素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル
    基、ビニル基、アリル基、アラルキル基のいずれかで、
    同一でも異なってもよい。rは0または1〜3の整数で
    ある)で表される有機ケイ素化合物。
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