JPH0959245A - N−(2−プロペノイル)グアニジン誘導体 - Google Patents

N−(2−プロペノイル)グアニジン誘導体

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JPH0959245A
JPH0959245A JP21786995A JP21786995A JPH0959245A JP H0959245 A JPH0959245 A JP H0959245A JP 21786995 A JP21786995 A JP 21786995A JP 21786995 A JP21786995 A JP 21786995A JP H0959245 A JPH0959245 A JP H0959245A
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JP
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acid
propenoyl
mono
salt
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Withdrawn
Application number
JP21786995A
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English (en)
Inventor
Toshio Okazaki
利夫 岡崎
Kazumi Kikuchi
和美 菊池
Hiroshi Toyoshima
啓 豊島
Masahiro Takanashi
正博 高梨
Isao Yanagisawa
勲 柳沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特異性に優れ副作用の無いNa+/H+交換体
阻害薬の創製。例えば,高血圧,不整脈,狭心症等の予
防・治療剤。 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるN−(2−
プロペノイル)グアニジン誘導体又はその塩。 【化1】 (ただし,式中の記号は以下の意味を有する。 R1:水素原子又はハロゲン原子で置換されてもよい低
級アルキル基 R2,R3,R4:同一又は異なって,水素原子,ハロゲ
ン原子で置換されてもよい低級アルキル基,低級アルコ
キシ基,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,アミノ
基,モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基,低級アルカ
ノイルアミノ基,低級アルカノイルオキシ基,水酸基,
メルカプト基,低級アルキルチオ基,低級アルキルスル
ホニル基等)。上記N−(2−プロペノイル)グアニジ
ン誘導体又はその塩を含有する医薬。上記N−(2−プ
ロペノイル)グアニジン誘導体又はその塩を有効成分と
するNa+/H+交換体阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,医薬,特にNa+
/H+交換体の阻害作用を有するN−(2−プロペノイ
ル)グアニジン誘導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞内で起こる諸反応は,pHによって
影響を受けており,H+濃度勾配はATP合成の原動力
になっている。従って,正確な細胞機能が営まれるため
には細胞内pHが正確に制御されることが必要である。
Na+/H+交換体は細胞内pHの制御を司る機構の一種
であるが,近年,各種生理活性物質による細胞の活性化
に密接に関与していることが明らかとなった。更に,N
+/H+交換体の活性亢進が,ある種の病態の発症や維
持あるいは悪化に係わっていることがわかり注目されて
いる。例えば,虚血再潅流心筋障害及び再潅流不整脈
(Scholtz W. et alBr. J. Pharmacol. 109, 562(199
3)),高血圧(Rosskof D. et al Hypertens.21, 607(1
993)),心肥大(de la Sierra A. et al Circulation
88, 1628(1993)),血管平滑筋増殖(Kranzhofer R. et
al Circ. Res. 73, 246(1993)),糖尿病合併症(Cane
ssa M. et al Hypertens. 11, 823(1993)),エンドセ
リンによる気管支収縮(Battistini B. et al Biochem.
Biophys. Res. Commun., 175,583(1991)),グルタミ
ン酸誘発神経細胞死(Manev H. et al Neuropharmacol.
29, 1103(1990)),骨吸収(Hall T. J. et al Bioche
m. Biophs. Res. Commun. 188, 1097(1992))等,様々
な病態,生理活性との関連が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Na+/H+交換体阻害
薬としては,K+保持性利尿薬の一種であるアミロライ
ドが古くから知られており,アミロライドが抗不整脈作
用を有することも報告されている。(Mol. Pharmacol.
25, 131-136(1984))。しかし,作用の特異性の点で問
題があり,抗不整脈効果を示す一方降圧及び塩分排泄性
作用をも有し,これらが不整脈治療の好ましくない副作
用となっている。
【0004】更にアミロライド誘導体がNa+/H+交換
体阻害活性及び抗不整脈作用を示すことについて報告さ
れている(例えば,J. Membrane Biol. 105, 1-21(198
8))。また最近になって,ベンゾイルグアニジン誘導体
がNa+/H+交換体阻害活性及び抗不整脈作用を有する
ことが報告されている。(例えば,特開平3−1068
58号公報)。しかし,今なお,特異性に優れ副作用の
無いNa+/H+交換体阻害薬の創製が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,下記一般式
(I)で示されるN−(2−プロペノイル)グアニジン
誘導体又はその塩に関する。
【0006】
【化2】
【0007】(ただし,式中の記号は以下の意味を有す
る。 R1:水素原子又はハロゲン原子で置換されてもよい低
級アルキル基 R2,R3,R4:同一又は異なって,水素原子,ハロゲ
ン原子で置換されてもよい低級アルキル基,低級アルケ
ニル基,低級アルキニル基,シクロアルキル基,低級ア
ルコキシ基,低級アルコキシ低級アルコキシ基,低級ア
ルコキシカルボニル基,カルボキシル基,ハロゲン原
子,ニトロ基,シアノ基,アミノ基,モノ若しくはジ低
級アルキルアミノ基,低級アルカノイル基,低級アルカ
ノイルアミノ基,低級アルカノイルオキシ基,水酸基,
メルカプト基,低級アルキルチオ基,低級アルキルスル
ホニル基,アミノスルホニル基,モノ若しくはジ低級ア
ルキルアミノスルホニル基,低級アルキルスルホニルア
ミノ基,低級アルキルスルホニルモノ低級アルキルアミ
ノ基,カルバモイル基又はモノ若しくはジ低級アルキル
アミノカルボニル基) 本発明において,下記一般式(Ia)で示されるN−
(2−プロペノイル)グアニジン誘導体又はその塩が好
ましい。
【0008】
【化3】
【0009】(式中,R2,R3,R4は前記の意味を有
する。) また,本発明によれば,上記N−(2−プロペノイル)
グアニジン誘導体又はその塩を含有することを特徴とす
る医薬が提供される。更に,本発明によれば,上記N−
(2−プロペノイル)グアニジン誘導体又はその塩を有
効成分とすることを特徴とするNa+/H+交換体阻害剤
が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】一般式(I)の化合物をさらに説
明すると,次の通りである。本明細書中,「低級」なる
語は,炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖
を意味する。従って,R1,R2,R3又はR4の「ハロゲ
ン原子で置換されてもよい低級アルキル基」の「低級ア
ルキル基」としては,具体的には例えばメチル基,エチ
ル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブ
チル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペン
チル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,tert−
ペンチル基,1−メチルブチル基,2−メチルブチル
基,1,2−ジメチルプロピル基,ヘキシル基,イソヘ
キシル基,1−メチルペンチル基,2−メチルペンチル
基,3−メチルペンチル基,1,1−ジメチルブチル
基,1,2−ジメチルブチル基,2,2−ジメチルブチ
ル基,1,3−ジメチルブチル基,2,3−ジメチルブ
チル基,3,3−ジメチルブチル基,1−エチルブチル
基,2−エチルブチル基,1,1,2−トリメチルプロ
ピル基,1,2,2−トリメチルプロピル基,1−エチ
ル−1−メチルプロピル基,1−エチル−2−メチルプ
ロピル基等が挙げられる。
【0011】R1,R2,R3又はR4の「ハロゲン原子で
置換されてもよい低級アルキル基」の「ハロゲン原
子」,並びに,R2,R3又はR4の「ハロゲン原子」と
しては,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨード原子
が挙げられる。R1,R2,R3又はR4の「ハロゲン原子
で置換されてもよい低級アルキル基」の「ハロゲン原
子」としては,フッ素原子が好ましい。R2,R3又はR
4の「ハロゲン原子」としては,塩素原子又は臭素原子
が好ましい。
【0012】従って,R1,R2,R3又はR4の「ハロゲ
ン原子で置換されてもよい低級アルキル基」は,トリフ
ルオロメチル基,クロロメチル基,ジクロロメチル基,
クロロフルオロメチル基,クロロフルオロブロモメチル
基,ブロモメチル基,ヨードメチル基,1−フルオロ−
2−ブロモエチル基,1,2−ジクロロエチル基等を包
含する。トリフルオロメチル基が好ましい。
【0013】R2,R3又はR4の「低級アルケニル基」
は炭素数が2〜6個の直鎖又は分岐状のアルケニル基で
あり,具体的にはビニル基,アリル基,1−プロペニル
基,イソプロペニル基,1−ブテニル基,2−ブテニル
基,3−ブテニル基,2−メチル−1−プロペニル基,
2−メチルアリル基,1−メチル−1−プロペニル基,
1−メチルアリル基,1,1−ジメチルビニル基,1−
ペンテニル基,2−ペンテニル基,3−ペンテニル基,
4−ペンテニル基,3−メチル−1−ブテニル基,3−
メチル−2−ブテニル基,3−メチル−3−ブテニル
基,2−メチル−1−ブテニル基,2−メチル−2−ブ
テニル基,2−メチル−3−ブテニル基,1−メチル−
1−ブテニル基,1−メチル−2−ブテニル基,1−メ
チル−3−ブテニル基,1,1−ジメチルアリル基,
1,2−ジメチル−1−プロペニル基,1,2−ジメチ
ル−2−プロペニル基,1−エチル−1−プロペニル
基,1−エチル−2−プロペニル基,1−ヘキセニル
基,2−ヘキセニル基,3−ヘキセニル基,4−ヘキセ
ニル基,5−ヘキセニル基,1,1−ジメチル−1−ブ
テニル基,1,1−ジメチル−2−ブテニル基,1,1
−ジメチル−3−ブテニル基,3,3−ジメチル−1−
ブテニル基,1−メチル−1−ペンテニル基,1−メチ
ル−2−ペンテニル基,1−メチル−3−ペンテニル
基,1−メチル−4−ペンテニル基,4−メチル−1−
ペンテニル基,4−メチル−2−ペンテニル基,4−メ
チル−3−ペンテニル基等を挙げることができる。
【0014】R2,R3又はR4の「低級アルキニル基」
は,炭素数が2〜6個の直鎖又は分岐状のアルキニル基
であって,エチニル基,1−プロピニル基,2−プロピ
ニル基,1−ブチニル基,2−ブチニル基,3−ブチニ
ル基,1−メチル−2−プロピニル基,1−ペンチニル
基,2−ペンチニル基,3−ペンチニル基,4−ペンチ
ニル基,3−メチル−1−ブチニル基,2−メチル−3
−ブチニル基,1−メチル−2−ブチニル基,1−メチ
ル−3−ブチニル基,1,1−ジメチル−2−プロピニ
ル基,1−ヘキシニル基,2−ヘキシニル基,3−ヘキ
シニル基,4−ヘキシニル基,5−ヘキシニル基等を例
示することができる。R2,R3又はR4の「シクロアル
キル基」は,好ましくは炭素数3〜8個のシクロアルキ
ル基であり,例えば,シクロプロピル基,シクロブチル
基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロヘプ
チル基,シクロオクチル基が挙げられる。
【0015】R2,R3又はR4の「低級アルコキシ基」
としては,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イ
ソプロポキシ基,ブトキシ基,イソブトキシ基,sec
−ブトキシ基,tert−ブトキシ基,ペンチルオキシ
(アミルオキシ)基,イソペンチルオキシ基,tert
−ペンチルオキシ基,ネオペンチルオキシ基,2−メチ
ルブトキシ基,1,2−ジメチルプロポキシ基,1−エ
チルプロポキシ基,ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0016】R2,R3又はR4の「低級アルコキシ低級
アルコキシ基」とは,前記「低級アルコキシ基」を置換
基として有する低級アルコキシ基をいい,具体的にはメ
トキシメトキシ基,エトキシメトキシ基,プロポキシメ
トキシ基,イソプロポキシメトキシ基,ブトキシメトキ
シ基,イソブトキシメトキシ基,ペンチルオキシメトキ
シ基,ヘキシルオキシメトキシ基,メトキシエトキシ
基,エトキシエトキシ基,プロポキシエトキシ基等が挙
げられる。
【0017】R2,R3又はR4の「低級アルコキシカル
ボニル基」としては,メトキシカルボニル基,エトキシ
カルボニル基,プロポキシカルボニル基,イソプロポキ
シカルボニル基,ブトキシカルボニル基,イソブトキシ
カルボニル基,ペンチルオキシカルボニル基,ヘキシル
オキシカルボニル基等が挙げられる。
【0018】R2,R3又はR4の「モノ若しくはジ低級
アルキルアミノ基」としては,炭素数1〜6個の直鎖状
又は分枝状のアルキル基を有するアミノ基である。ジ低
級アルキルアミノ基のとき,二つのアルキル基は同一で
もよければ,異なっていてもよい。モノ低級アルキルア
ミノ基としては,例えば,メチルアミノ基,エチルアミ
ノ基,プロピルアミノ基,イソプロピルアミノ基,ブチ
ルアミノ基,イソブチルアミノ基,sec−ブチルアミ
ノ基,tert−ブチルアミノ基,ペンチルアミノ基,
イソペンチルアミノ基,ネオペンチルアミノ基,ter
t−ペンチルアミノ基,1−メチルブチルアミノ基,2
−メチルブチルアミノ基,1,2−ジメチルプロピルア
ミノ基,ヘキシルアミノ基,イソヘキシルアミノ基,1
−メチルペンチルアミノ基,2−メチルペンチルアミノ
基,3−メチルペンチルアミノ基,1,1−ジメチルブ
チルアミノ基,1,2−ジメチルブチルアミノ基,2,
2−ジメチルブチルアミノ基,1,3−ジメチルブチル
アミノ基,2,3−ジメチルブチルアミノ基,3,3−
ジメチルブチルアミノ基,1−エチルブチルアミノ基,
2−エチルブチルアミノ基,1,1,2−トリメチルプ
ロピルアミノ基,1,2,2−トリメチルプロピルアミ
ノ基,1−エチル−1−メチルプロピルアミノ基,1−
エチル−2−メチルプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0019】「ジ低級アルキルアミノ基」としては,例
えば,ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,ジプロピ
ルアミノ基,ジイソプロピルアミノ基,ジブチルアミノ
基,ジイソブチルアミノ基,ジ(sec−ブチル)アミ
ノ基,ジ(tert−ブチル)アミノ基,ジペンチルア
ミノ基,ジイソペンチルアミノ基,ジネオペンチルアミ
ノ基,ジ(tert−ペンチル)アミノ基等が挙げられ
る。また,メチルエチルアミノ基,メチルプロピルアミ
ノ基,メチルイソプロピルアミノ基,メチルブチルアミ
ノ基,メチルイソブチルアミノ基等のメチル低級アルキ
ルアミノ基,エチルプロピルアミノ基,エチルイソプロ
ピルアミノ基,エチルブチルアミノ基,エチルイソブチ
ルアミノ基,エチルsec−ブチルアミノ基等のエチル
低級アルキルアミノ基等が挙げられる。
【0020】R2,R3又はR4の「低級アルカノイル
基」としては,ホルミル基,アセチル基,プロピオニル
基,ブチリル基,イソブチリル基,バレリル基,イソバ
レリル基,ピバロイル基,ヘキサノイル基等が挙げられ
る。
【0021】R2,R3又はR4の「低級アルカノイルア
ミノ基」としては,ホルミルアミノ基,アセチルアミノ
基,プロピオニルアミノ基,ブチリルアミノ基,イソブ
チリルアミノ基,バレリルアミノ基,イソバレリルアミ
ノ基,ピバロイルアミノ基,ヘキサノイルアミノ基,N
−アセチル−N−メチルアミノ基等が挙げられる。
【0022】R2,R3又はR4の「低級アルカノイルオ
キシ基」としては,ホルミルオキシ基,アセトキシ基,
プロピオニルオキシ基,ブチリルオキシ基,イソブチリ
ルオキシ基,バレリルオキシ基,イソバレリルオキシ
基,ピバロイルオキシ基,ヘキサノイルオキシ基等が挙
げられる。
【0023】R2,R3又はR4の「低級アルキルチオ
基」としては,具体的には例えばメチルチオ基,エチル
チオ基,プロピルチオ基,イソプロピルチオ基,ブチル
チオ基,イソブチルチオ基,sec−ブチルチオ基,t
ert−ブチルチオ基,ペンチルチオ基,イソペンチル
チオ基,ネオペンチルチオ基,tert−ペンチルチオ
基,1−メチルブチルチオ基,2−メチルブチルチオ
基,1,2−ジメチルプロピルチオ基,ヘキシルチオ
基,イソヘキシルチオ基,1−メチルペンチルチオ基,
2−メチルペンチルチオ基,3−メチルペンチルチオ
基,1,1−ジメチルブチルチオ基,1,2−ジメチル
ブチルチオ基,2,2−ジメチルブチルチオ基,1,3
−ジメチルブチルチオ基,2,3−ジメチルブチルチオ
基,3,3−ジメチルブチルチオ基,1−エチルブチル
チオ基,2−エチルブチルチオ基,1,1,2−トリメ
チルプロピルチオ基,1,2,2−トリメチルプロピル
チオ基,1−エチル−1−メチルプロピルチオ基,1−
エチル−2−メチルプロピルチオ基等が挙げられる。
【0024】R2,R3又はR4の「低級アルキルスルホ
ニル基」としては,具体的には例えばメチルスルホニル
基,エチルスルホニル基,プロピルスルホニル基,イソ
プロピルスルホニル基,ブチルスルホニル基,イソブチ
ルスルホニル基,sec−ブチルスルホニル基,ter
t−ブチルスルホニル基,ペンチルスルホニル基,イソ
ペンチルスルホニル基,ネオペンチルスルホニル基,t
ert−ペンチルスルホニル基,1−メチルブチルスル
ホニル基,2−メチルブチルスルホニル基,1,2−ジ
メチルプロピルスルホニル基,ヘキシルスルホニル基,
イソヘキシルスルホニル基,1−メチルペンチルスルホ
ニル基,2−メチルペンチルスルホニル基,3−メチル
ペンチルスルホニル基,1,1−ジメチルブチルスルホ
ニル基,1,2−ジメチルブチルスルホニル基,2,2
−ジメチルブチルスルホニル基,1,3−ジメチルブチ
ルスルホニル基,1−エチルブチルスルホニル基,2−
エチルブチルスルホニル基,1,1,2−トリメチルプ
ロピルスルホニル基,1,2,2−トリメチルプロピル
スルホニル基,1−エチル−1−メチルプロピルスルホ
ニル基,1−エチル−2−メチルプロピルスルホニル基
等が挙げられる。
【0025】R2,R3又はR4の「モノ若しくはジ低級
アルキルアミノスルホニル基」とは,アミノスルホニル
基の1つ又は2つの水素原子が低級アルキル基で置換さ
れた基を意味し,一般式−SO2−NRR’で示される
(Rは低級アルキル基,R’は水素原子又は低級アルキ
ル基を意味する。)。ジ低級アルキルアミノスルホニル
基のとき,二つのアルキル基は同一でもよければ,異な
っていてもよい。「モノ低級アルキルアミノスルホニル
基」としては,具体的には例えばN−メチルアミノスル
ホニル基,N−エチルアミノスルホニル基,N−プロピ
ルアミノスルホニル基,N−イソプロピルアミノスルホ
ニル基,N−ブチルアミノスルホニル基,N−イソブチ
ルアミノスルホニル基,N−sec−ブチルアミノスル
ホニル基,N−tert−ブチルアミノスルホニル基,
N−ペンチルアミノスルホニル基,N−ヘキシルアミノ
スルホニル基等が挙げられる。
【0026】「ジ低級アルキルアミノスルホニル基」と
しては,例えば,N,N−ジメチルアミノスルホニル
基,N,N−ジエチルアミノスルホニル基,N,N−ジ
プロピルアミノスルホニル基,N,N−ジイソプロピル
アミノスルホニル基,N,N−ジブチルアミノスルホニ
ル基,N,N−ジイソブチルアミノスルホニル基,N,
N−ジペンチルアミノスルホニル基,N,N−ジイソペ
ンチルアミノスルホニル基,N,N−ジネオペンチルア
ミノスルホニル基,N,N−ジ(tert−ペンチル)
アミノスルホニル基等が挙げられる。また,N−メチル
−N−エチルアミノスルホニル基,N−メチル−N−プ
ロピルアミノスルホニル基,N−メチル−N−イソプロ
ピルアミノスルホニル基,N−メチル−N−ブチルアミ
ノスルホニル基等のN−メチル−N−低級アルキルアミ
ノスルホニル基,N−エチル−N−プロピルアミノスル
ホニル基,N−エチル−N−イソプロピルアミノスルホ
ニル基,N−エチル−N−ブチルアミノスルホニル基等
のN−エチル−N−低級アルキルアミノスルホニル基等
が挙げられる。
【0027】R2,R3又はR4の「低級アルキルスルホ
ニルアミノ基」は,アミノ基の1つの水素原子が低級ア
ルキルスルホニル基で置換された基を意味し,一般式−
NH−SO2−Rで示される(Rは低級アルキル基を意
味する。)。具体的には例えばメチルスルホニルアミノ
基,エチルスルホニルアミノ基,プロピルスルホニルア
ミノ基,イソプロピルスルホニルアミノ基,ブチルスル
ホニルアミノ基,イソブチルスルホニルアミノ基,se
c−ブチルスルホニルアミノ基,ペンチルスルホニルア
ミノ基,ヘキシルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0028】R2,R3又はR4の「低級アルキルスルホ
ニルモノ低級アルキルアミノ基」は,アミノ基の2個の
水素原子がそれぞれ低級アルキルスルホニル基及び低級
アルキル基で置換された基を意味し,一般式−NR−S
2−R’で示される(R及びR’は同一又は異なって
低級アルキル基を意味する。)。「低級アルキルスルホ
ニルモノ低級アルキルアミノ基」としては,具体的には
例えばN−メチルスルホニル−N−メチルアミノ基,N
−エチルスルホニル−N−メチルアミノ基,N−プロピ
ルスルホニル−N−メチルアミノ基,N−イソプロピル
スルホニル−N−メチルアミノ基,N−ブチルスルホニ
ル−N−メチルアミノ基,N−イソブチルスルホニル−
N−メチルアミノ基,N−sec−ブチルスルホニル−
N−メチルアミノ基,N−tert−ブチルスルホニル
−N−メチルアミノ基,N−ペンチルスルホニル−N−
メチルアミノ基,N−ヘキシルスルホニル−N−メチル
アミノ基等のN−低級アルキルスルホニル−N−メチル
アミノ基,N−メチルスルホニル−N−エチルアミノ
基,N−エチルスルホニル−N−エチルアミノ基,N−
プロピルスルホニル−N−エチルアミノ基等のN−低級
アルキルスルホニル−N−エチルアミノ基,N−メチル
スルホニル−N−プロピルアミノ基,N−メチルスルホ
ニル−N−イソプロピルアミノ基,N−メチルスルホニ
ル−N−ブチルアミノ基等が挙げられる。
【0029】「モノ低級アルキルアミノカルボニル基」
は,一般式−C(=O)NHRで示される基であり(R
は低級アルキル基を意味する。),具体的には,N−メ
チルアミノカルボニル基,N−エチルアミノカルボニル
基,N−プロピルアミノカルボニル基,N−イソプロピ
ルアミノカルボニル基,N−ブチルアミノカルボニル
基,N−イソブチルアミノカルボニル基等が挙げられ
る。
【0030】「ジ低級アルキルアミノカルボニル基」
は,一般式−C(=O)NRR’で示される基であり
(R及びR’は同一又は異なって低級アルキル基を意味
する。),具体的には,N,N−ジメチルアミノカルボ
ニル基,N,N−ジエチルアミノカルボニル基,N−メ
チル−N−エチルアミノカルボニル基,N,N−ジプロ
ピルアミノカルボニル基等が挙げられる。
【0031】本発明化合物は,不斉炭素原子を有する場
合があり,不斉炭素原子に基づく異性体が存在しうる。
本発明はこれら光学異性体の混合物や単離されたものを
包含する。
【0032】また,本発明化合物は,酸付加塩を形成す
る場合がある。塩としては,具体的に塩酸,臭化水素
酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸等の無機酸,ギ
酸,酢酸,プロピオン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク
酸,フマル酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,
クエン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,アス
パラギン酸,グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が
挙げられる。
【0033】さらに,本発明は,本発明化合物(I)及
びその塩の各種の溶媒和物や結晶多形の物質をも包含す
る。
【0034】(製造法)本発明化合物及びその塩は,そ
の基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用
し,種々の合成法を適用して製造することができる。
【0035】
【化4】
【0036】(式中,R1,R2,R3及びR4は,前記の
意味を有する。Xは,水酸基,ハロゲン原子,低級アル
コキシ基,アラルキルオキシ基等の求核試薬によって容
易に置換しうる脱離基を示す。) 本発明化合物(I)は,一般式(II)で示される2,
3−ジフェニルプロペン酸又はその反応性誘導体とグア
ニジンとを反応させることにより製造することができ
る。2,3−ジフェニルプロペン酸誘導体(II)が水
酸基,アミノ基等の反応に活性な官能基を有する場合に
は,これらの官能基を予め保護基で保護しておき,本反
応を実施した後に保護基を除去することにより本発明化
合物(I)を得ることができる。
【0037】カルボン酸の反応性誘導体としては,酸ハ
ロゲン化物,酸無水物,活性エステル,低級アルキルエ
ステル,酸アジド等が挙げられる。酸ハロゲン化物とし
ては,酸クロリド,酸ブロミド等が挙げられる。
【0038】酸無水物としては,対称酸無水物又は混合
酸無水物が用いられ,混合酸無水物の具体例としてはク
ロロ炭酸エチル,クロロ炭酸イソブチルのようなクロロ
炭酸アルキルエステルとの混合酸無水物,クロロ炭酸ベ
ンジルのようなクロロ炭酸アラルキルエステルとの混合
酸無水物,クロロ炭酸フェニルのようなクロロ炭酸アリ
ールエステルとの混合酸無水物,イソ吉草酸,ピバリン
酸のようなアルカン酸との混合酸無水物等が挙げられ
る。
【0039】活性エステルとしては,p−ニトロフェニ
ルエステル,N−ヒドロキシスクシンイミドエステル,
ペンタフルオロフェニルエステル,2,4,5−トリク
ロロフェニルエステル,ペンタクロロフェニルエステ
ル,シアノメチルエステル,N−ヒドロキシコハク酸イ
ミドエステル,N−ヒドロキシフタルイミドエステル,
N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
キシイミドエステル,N−ヒドロキシピペリジンエステ
ル,8−ヒドロキシキノリンエステル,2−ヒドロキシ
フェニルエステル,2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロ
フェニルエステル,2−ヒドロキシピリジンエステル,
2−ピリジルチオールエステル,1−ベンゾトリアゾリ
ルエステル等が挙げられる。
【0040】このようなカルボン酸の反応性誘導体は,
通常行われる一般的方法に従って,対応するカルボン酸
から容易に得ることができる。
【0041】酸ハロゲン化物又は酸無水物と反応させる
場合には,塩基又は過剰のグアニジンの存在下,溶媒中
で冷却下ないし室温で行うことができる。塩基として
は,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム等の無機塩基,
又は,トリエチルアミン,トリブチルアミン,ジイソプ
ロピルエチルアミン,N−メチルモルホリン,ピリジ
ン,4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基が挙げら
れる。
【0042】溶媒としては,例えば,ベンゼン,トルエ
ン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒,テトラヒドロ
フラン,1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒,ジク
ロロメタン,クロロホルム,1,2−ジクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素系溶媒,ジメチルホルムアミド,
ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒,ピリジン等の
塩基性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で,又
は2種以上混合して用いられる。溶媒は原料化合物の種
類等に従い適宜選択されるべきである。
【0043】エステル誘導体と反応させる場合には,等
モルないし過剰のグアニジンの存在下,溶媒中で冷却下
ないし室温ないし加熱下で行うことができる。溶媒とし
ては,例えば,テトラヒドロフラン,1,2−ジメトキ
シエタン,1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒,ジ
メチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド
系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で,又は2
種以上混合して用いられる。他のエステルの場合には,
例えば,メタノール,エタノール,イソプロパノール等
のアルコール系溶媒,テトラヒドロフラン,1,2−ジ
メトキシエタン,1,4−ジオキサン等のエーテル系溶
媒,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等の
アミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で,
又は2種以上混合して用いられる。場合によっては,溶
媒留去後,130℃付近にて短時間加熱することもでき
る。
【0044】Xが水酸基の場合には,縮合剤の存在下に
反応させることが好ましい。縮合剤としては,例えば,
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC),ジイソプ
ロピルカルボジイミド(DIPC),1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WS
C),ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロリン化物塩
(BOP),ジフェニルホスホニルアジド(DPP
A),1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール
(CDI)等が挙げられる。場合によっては,N−ヒド
ロキシスクシンイミド(HONSu),1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(HOBt),3−ヒドロキシ−4
−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリ
アジン(HOObt)等の添加剤を加えてもよい。
【0045】溶媒としては,例えば,ベンゼン,トルエ
ン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒,テトラヒドロ
フラン,1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒,ジク
ロロメタン,クロロホルム,1,2−ジクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素系溶媒,ジメチルホルムアミド,
ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒,ピリジン等の
塩基性溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で,又
は2種以上混合して用いられる。
【0046】(原料化合物の製法)上記製造法の原料化
合物となる2,3−ジフェニルプロペン酸又はその反応
性誘導体(II)は,公知の方法で合成することができ
る。例えば,以下の製法により製造できる。
【0047】
【化5】
【0048】(式中,R1,R2,R3,R4及びXは,前
記の意味を有する。Yは,ハロゲン原子で置換してもよ
い低級アルカノイル基,メシル基,トシル基,トリフル
オロメタンスルホニル基を意味し,Zはハロゲン原子を
意味する。) 一般式(III)で示されるフェニル酢酸エステル誘導
体をテトラヒドロフラン等の不活性溶媒中リチウムジイ
ソプロピルアミド(LDA)で冷却下,好ましくは−6
0〜−80℃で反応させ,次いで,一般式(IV)で示
されるベンズアルデヒド誘導体と不活性溶媒中で反応さ
せ,一般式(V)で示される2,3−ジフェニルプロピ
オン酸エステル誘導体を得る。このときに条件を適宜設
定し,直接一般式(II)及び(IX)で示される誘導
体を得ることができる場合もある。
【0049】更に,2,3−ジフェニルプロピオン酸エ
ステル誘導体(V)を塩基の存在下,一般式(VI)で
示される酸ハロゲン化物又は一般式(VII)で示され
る酸無水物と反応させ,水酸基をエステル化して一般式
(VIII)で示される化合物に変換する。このエステ
ル化反応では,無水酢酸,無水トリフルオロ酢酸等の酸
無水物又は酢酸クロリド,トリフルオロ酢酸クロリド,
メタンスルホニルクロリド,トシルクロリド若しくはト
リフルオロメタンスルホニルクロリド等の酸ハロゲン化
物を反応させる。
【0050】一般式(VIII)で示される化合物を塩
基の存在下室温ないし加熱下,酸(YOH)等を脱離
し,一般式(II)及び(IX)で示される2,3−ジ
フェニルプロペン酸誘導体をそれぞれ単一化合物として
又は(II)及び(IX)の混合物として得る。一般式
(II)及び(IX)で示される2,3−ジフェニルプ
ロペン酸誘導体を加水分解することにより,一般式(I
Ia)及び(IXa)で示される2,3−ジフェニルプ
ロペン酸を得ることができる。
【0051】一般式(VIII)で示されるエステル化
合物は,必ずしも単離する必要はなく,一般式(V)で
示されるアルコール化合物より一般式(II)及び(I
X)で示される化合物をそれぞれ単一化合物として又は
(II)及び(IX)の混合物として得ることもでき
る。
【0052】
【化6】
【0053】(式中,R1,R2,R3,R4及びXは,前
記の意味を有する。) ベンズアルデヒド誘導体(IV)とフェニル酢酸誘導体
(X)とを無水酢酸中,トリエチルアミン等の塩基存在
下加熱還流することによっても,原料化合物(IIa)
及び(IXa)を製造することができる(参考文献:Or
g. Synth. Coll. vol IV : 730-731(1963), Org. Synt
h. Coll. vol IV : 777-779(1963))。
【0054】上記各製法により得られた反応生成物は,
遊離化合物,その塩あるいは水和物など各種の溶媒和物
として単離され,精製される。塩は通常の造塩反応に付
すことにより製造できる。単離,精製は,抽出,濃縮,
留去,結晶化,濾過,再結晶,各種クロマトグラフィー
等通常の化学操作を適用して行われる。
【0055】
【発明の効果】本発明化合物は医薬製剤の活性成分とし
て有用である。特に,細胞性ナトリウム−プロトン交互
輸送機構(Na+/H+交換体)の活性阻害作用を有する
ので,Na+/H+交換体が関与する種々の生理活性及び
病態に関連する疾患の予防又は治療に有用である。
【0056】具体的には,細胞性ナトリウム−プロトン
交互輸送機構(Na+/H+交換体)の亢進に起因する疾
患,例えば,高血圧,不整脈,狭心症,心肥大,虚血再
潅流による臓器障害(例えば心臓虚血再潅流時の障害,
外科的処置(例えば臓器移植やPTCA)による障
害),臓器移植時の血流減少による障害,心筋梗塞,心
筋梗塞再発予防(例えば心筋梗塞2次予防,心事故再発
の予防),虚血時の臓器保護及び症状の改善(例えば,
心,脳,腎,胃腸,肺,肝,骨格筋の虚血に伴う障害,
特に脳梗塞に伴う障害,脳卒中後の後遺症として起こる
障害,脳浮腫に伴う障害),細胞増殖性の疾患(例え
ば,動脈硬化,糖尿病合併症(例えば網膜症,腎症な
ど)),癌,血管内膜肥厚(例えば動脈硬化性疾患,動
脈炎,PTCAの術後における血管再狭窄,血管移植時
の血管狭窄),組織・臓器の肥大・肥厚(例えば心臓,
腎臓,前立腺,平滑筋組織等における肥大・肥厚),心
繊維症,肺繊維症,肝繊維症,腎繊維症,腎糸球体硬化
症,移植臓器の保護,浮腫,脳浮腫,慢性心疾患(例え
ば心不全),心筋症,肺塞栓,急性及び慢性腎疾患,脳
梗塞,慢性の脳血行障害(例えば脳卒中),脳神経障
害,ショック(例えばアレルギー性,心臓性,血液量減
少性及び細菌性ショック),炎症性疾患,肺及び気管支
の障害,骨粗鬆症,酸塩基障害の予防・治療剤として有
用である。
【0057】また,本発明化合物はナトリウム−プロト
ン交互輸送機構(Na+/H+交換体)の関与する高血
圧,糖尿病又は動脈硬化症等の診断剤としても使用でき
る。
【0058】本発明化合物の作用は以下の薬理試験によ
って確認された。 ウサギにおける血小板膨潤化反応抑制試験 [原理]血小板に酸を負荷するとH+イオンを細胞外に
排出するためにNa+/H+交換体の活性化が起こる。こ
の場合において,外液にNa+イオンが存在するときに
は,Na+/H+交換体の活性化は同時にNa+イオンを
細胞内に取り込むことになる。Na+イオンの細胞内へ
の流入は浸透圧勾配により水分子を引き込み,結果とし
て血小板が膨潤化する。
【0059】[濃縮血小板血漿(PRP:platelet rich pl
asma)の調製]ウサギをペントバルビタール(30mg
/kg,耳介静脈内注射)で麻酔して背位に固定し,頚
部の皮膚を切開して頚動脈を露出させ,ポリエチレンカ
ニューレ(静脈カテーテル(5Fr),アトム社)を用
いて,あらかじめ抗凝固剤としてACD−A液(acid-c
itrate dextrose, テルモ社)1/10容を入れたプラ
スチック遠沈管の中に採血する。約2kgのウサギから
100ml前後の血液が得られる。よく混合した後,室
温にて1400rpm(350xg),10分間遠心す
る。この上清がPRPであり,100mlの血液から約
20〜40mlが得られる。
【0060】[血小板膨潤化反応によるNa+/H+交換
体活性の測定]血小板膨潤化反応はパーソナルコンピュ
ータ(Vectra 286/12, 横河・ヒューレット・パッカー
ド社)が付随した分光光度計(U−3000,日立製作
所)を用いて,吸光度の変化で検出する。すなわち,酸
負荷としてのプロピオン酸溶液(970μl)の入った
プラスチックキュベットを装着し,これにPRP(14
0μl)を添加して直ちに吸光度を測定する。測定波長
は680nmである。吸光度変化は3〜4分間でプラト
ーに達する指数関数的減少として表れる。試験薬物はD
MSOで10mMに溶解後,プロピオン酸溶液で至適濃
度まで希釈して試験薬物入りプロピオン酸溶液として使
用する。膨潤化反応は外液Na+イオン濃度の減少によ
り,又はNa+/H+交換体阻害作用を有する試験薬物の
濃度の増加により,抑制される。プロピオン酸溶液の組
成は以下の通りである。プロピオン酸ナトリウム,14
0mM;N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−
N’−2−エタンスルホン酸(HEPES),20m
M;グルコース,10mM;塩化カリウム,5mM;塩
化マグネシウム,1mM;塩化カルシウム,1mM;p
H6.7。
【0061】試験薬物によるNa+/H+交換体阻害活性
を質的に評価するために,得られた吸光度変化から単位
時間当たりの変化量を計算し対数表示する。このグラフ
の初期勾配から膨潤化反応の速度定数を求める。この速
度定数は血小板数に依存しないことが確認されている。
最後に試験薬物の各濃度における速度定数をディクソン
プロット(X軸:薬物濃度,Y軸:速度定数の逆数)す
ることにより,薬物固有の抑制定数(Ki値)を算定す
る。
【0062】一般式(I)で示された化合物又はその塩
の1種又は2種以上を有効成分として含有する製薬組成
物は,通常製剤化に用いられる担体や賦形剤,その他添
加剤を用いて調製される。
【0063】本発明化合物(I)又はその塩を主成分と
して含有する薬剤は,当分野において通常用いられてい
る薬剤用担体,賦形剤等を用いて通常使用されている方
法によって調製することができる。投与は錠剤,丸剤,
カプセル剤,顆粒剤,散剤,液剤等による経口投与,又
は,静注,筋注等の注射剤,坐剤,経皮等による非経口
投与のいずれの形態であってもよい。
【0064】本発明による経口投与のための固体組成物
としては,錠剤,散剤,顆粒剤等が用いられる。このよ
うな固体組成物においては,ひとつ又はそれ以上の活性
物質が,少なくともひとつの不活性な希釈剤,例えば乳
糖,マンニトール,ブドウ糖,ヒドロキシプロピルセル
ロース,微結晶セルロース,デンプン,ポリビニルピロ
リドン,メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合され
る。組成物は,常法に従って,不活性な希釈剤以外の添
加剤,例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤
や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤,ラク
トースのような安定化剤,グルタミン酸又はアスパラギ
ン酸のような溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又
は丸剤は必要によりショ糖,ゼラチン,ヒドロキシプロ
ピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質の
フィルムで被膜してもよい。
【0065】経口投与のための液体組成物は,薬剤的に
許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤,シロップ剤,エリ
キシル剤等を含み,一般的に用いられる不活性な希釈
剤,例えば精製水,エタノールを含む。この組成物は不
活性な希釈剤以外に湿潤剤,懸濁剤のような補助剤,甘
味剤,風味剤,芳香剤,防腐剤を含有していてもよい。
【0066】非経口投与のための注射剤としては,無菌
の水性又は非水性の溶液剤,懸濁剤,乳濁剤を含有す
る。水性の溶液剤,懸濁剤としては,例えば注射用蒸留
水及び生理食塩液が含まれる。非水溶性の溶液剤,懸濁
剤としては,例えばプロピレングリコール,ポリエチレ
ングリコール,オリーブ油のような植物油,エタノール
のようなアルコール類,ポリソルベート80等がある。
このような組成物は,さらに防腐剤,湿潤剤,乳化剤,
分散剤,安定化剤(例えば,ラクトース),溶解補助剤
(例えば,グルタミン酸,アスパラギン酸)のような補
助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フ
ィルターを通す濾過,殺菌剤の配合又は照射によって無
菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し,
使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用す
ることもできる。
【0067】1日の投与量は,体重当たり約0.001
から10mg/kgが適当であるが,1日に1回から4
回,約0.01から1mg/kgの投与を行うことが好
ましい。投与量は症状,投与対象の年令,性別等を考慮
して個々の場合に応じて適宜決定される。
【0068】
【実施例】以下,実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明する。なお,実施例において使用される原料化合物の
製造法を参考例として説明する。
【0069】(参考例1)アルゴン気流下,ジイソプロ
ピルアミン3.00ml及びテトラヒドロフラン30m
lの混合物に1.68M n−ブチルリチウムヘキサン
溶液12.7mlを−50℃以下で滴下した後,約70
℃まで温度を下げ30分間撹拌した。この反応液にテト
ラヒドロフラン10ml中のフェニル酢酸エチルエステ
ル3.50gを−70℃で滴下し,更に同温度で30分
間撹拌すると反応液は白濁した。この反応液に更にテト
ラヒドロフラン10ml中のm−メトキシベンズアルデ
ヒド290gを滴下した後,徐々に室温まで戻し終夜撹
拌した。塩化アンモニウム水溶液を加え有機層を分取
し,水層より更にエーテルで抽出した。合わせた有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥後,減圧濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルクロマトフラフィーに付し,酢酸
エチル−n−ヘキサン(3/17 v/v)で溶出する
と,低極性の分画から3−ヒドロキシ−3−(m−メト
キシフェニル)−2−フェニルプロピオン酸エチルエス
テルの鏡像異性体混合物(L)1.14gが,高極性の
分画から3−ヒドロキシ−3−(m−メトキシフェニ
ル)−2−フェニルプロピオン酸エチルエステルの鏡像
異性体混合物(P)2.44gがそれぞれ無色の油状物
として得られた。
【0070】(L)の理化学的性状 質量分析値(EI):300(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.07(3H,t),2.66(1H,d),
3.73(3H,s),3.84(1H,d),3.9
5−4.09(2H,m),5.27(1H,dd),
6.79−6.91(3H,m),7.19−7.34
(6H,m)。
【0071】(P)の理化学的性状 質量分析値(EI):300(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.22(3H,t),3.19(1H,d),
3.67(3H,s),3.85(1H,d),4.1
0−4.27(2H,m),5.14(1H,dd),
6.65−6.72(3H,m),7.07−7.23
(6H,m)。
【0072】(参考例2)参考例1で得た3−ヒドロキ
シ−3−(m−メトキシフェニル)−2−フェニルプロ
ピオン酸エチルエステルの鏡像異性体混合物(P)2.
36g,ピリジン20ml,4−(N,N−ジメチルア
ミノ)ピリジン0.10g及びジクロロメタン40ml
の混合物に氷冷下,無水酢酸4.46mlを加えた後,
室温に戻し終夜撹拌した。溶媒を減圧留去し得られた残
渣に0.5規定塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順
次洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥後,減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製することにより3−アセトキシ−3−(m−メ
トキシフェニル)−2−フェニルプロピオン酸エチルエ
ステルの鏡像異性体混合物2.25gを無色粘稠性油状
物として得た。
【0073】質量分析値(EI):342(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.26(3H,t),2.06(3H,s),
3.64(3H,s),4.01(1H,d),4.1
0−4.26(2H,m),6.21(1H,d),
6.59(1H,t),6.67−6.69(2H,
m),7.06(1H,t),7.14−7.18(5
H,m)。
【0074】(参考例3)参考例2で得た3−アセトキ
シ−3−(m−メトキシフェニル)−2−フェニルプロ
ピオン酸エチルエステルの鏡像異性体混合物2.17
g,1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウン
デセン4.82g及びトルエン20mlの混合物を10
0℃の油浴中で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し得
られた残渣に塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチル
で抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄後,
無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する
ことにより(E)−3−(m−メトキシフェニル)−2
−フェニル−2−プロペン酸エチルエステル1.15g
を無色油状物として得た。
【0075】質量分析値(EI):282(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.29(3H,t),3.47(3H,s),
4.27(2H,q),6.50(1H,s),6.7
2−6.77(2H,m),7.10(1H,t),
7.23−7.39(5H,m)。
【0076】(参考例4)(E)−3−(m−メトキシ
フェニル)−2−フェニル−2−プロペン酸エチルエス
テル1.12g,1規定水酸化ナトリウム水溶液12m
l及びエタノール60mlの混合物を10分間加熱還流
した後,減圧濃縮し得られた残渣を水50mlに溶解し
た。1規定塩酸で強酸性とし酢酸エチルで抽出した。抽
出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮すること
により(E)−3−(m−メトキシフェニル)−2−フ
ェニル−2−プロペン酸1.01gを無色の結晶として
得た。
【0077】質量分析値(EI):254(M+) 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:4.47(3H,s),6.53(1H,s),
6.72(1H,d),6.80(1H,dd),7.
13(1H,t),7.17−7.19(2H,m),
7.34−7.41(3H,m),7.73(1H,
s),12.66(1H,brs) 参考例1と同様にして以下の参考例5の化合物を得た。
【0078】(参考例5) 3−(2−クロロフェニル)−3−ヒドロキシ−2−フ
ェニルプロピオン酸エチルエステル 原料化合物:フェニル酢酸エチルエステル及び2−クロ
ロベンズアルデヒド 質量分析値(m/z):(FAB)305(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.16(3H,t),3.81(1H,d),
4.0−4.3(3H,m),5.57(1H,d
d),7.1−7.6(9H,m) 参考例2と同様にして以下の参考例6の化合物を得た。
【0079】(参考例6) 3−アセトキシ−3−(2−クロロフェニル)−2−フ
ェニルプロピオン酸エチルエステル 原料化合物:3−(2−クロロフェニル)−3−ヒドロ
キシ−2−フェニルプロピオン酸エチルエステル 質量分析値(m/z):(FAB)347(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.24(3H,t),2.04(3H,s),
4.0−4.4(3H,m),6.64(1H,d),
7.0−7.5(9H,m) 参考例3と同様にして以下の参考例7の化合物を得た。
【0080】(参考例7) (E)−3−(2−クロロフェニル)−2−フェニルプ
ロペン酸エチルエステル 原料化合物:3−アセトキシ−3−(2−クロロフェニ
ル)−2−フェニルプロピオン酸エチルエステル 質量分析値(m/z):(GC)286(M+) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:1.32(3H,t),4.31(2H,q),
6.6−7.5(9H,m),8.03(1H,s) 参考例4と同様にして以下の参考例8の化合物を得た。
【0081】(参考例8) (E)−3−(2−クロロフェニル)−2−フェニルプ
ロペン酸 原料化合物:(E)−3−(2−クロロフェニル)−2
−フェニルプロペン酸エチルエステル 質量分析値(m/z):(FAB)259(M++1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,TMS内部標準) δ:6.7−7.5(9H,m),8.20(1H,
s)。
【0082】(実施例1)グアニジン塩酸塩2.03g
をメタノール12mlに溶解した。28%ナトリウムメ
トキシドメタノール溶液4.10gを加え10分間撹拌
した後析出する食塩を濾去し,メタノールを減圧留去し
得られた残渣にN,N−ジメチルホルムアミド12ml
を加え,グアニジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶
液を調製した。一方,(E)−3−(m−メトキシフェ
ニル)−2−フェニル−2−プロペン酸0.90g,
1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール0.5
7g及びN,N−ジメチルホルムアミド12mlの混合
物を50℃の油浴中30分間撹拌した後氷冷し,先に調
製したグアニジンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液
を加え室温に戻し3時間撹拌した。溶媒を減圧留去し得
られた残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を
5規定水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗
浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトゲラフィーに付し
アンモニア水:メタノール:クロロホルム:酢酸エチ
ル:n−ヘキサン(1:5:20:40:16 v/
v)の混合溶媒で溶出することにより粗結晶を得た。粗
結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄しN−[(E)−
3−(m−メトキシフェニル)−2−フェニル−2−プ
ロペノイル]グアニジン0.68gを無色結晶として得
た。
【0083】融点 155−158℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:3.44(3H,s),6.40(1H,s),
6.61(1H,d),6.71(1H,dd),7.
06−7.11(3H,m),7.25−7.35(3
H,m),7.74(1H,s)。
【0084】(実施例2)塩化メチレン15mlに
(E)−2,3−ジフェニルプロペン酸1.25gを加
えた溶液に数滴のN,N−ジメチルホルムアミドを加え
た後,氷冷下オキザリルジクロリド1.44mlを滴下
した。滴下終了後室温で2時間撹拌した後,溶媒を減圧
留去した。残渣は10mlのトルエンを加えて減圧濃縮
した後,N,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解
した。一方,メタノール22mlにグアニジン塩酸塩
3.77gを加えた溶液に28%ナトリウムメチラート
メタノール溶液7.5mlを加え15分間撹拌した後に
析出物を濾過し,濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を
N,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解した後,
氷冷下先に調製した(E)−2,3−ジフェニルプロペ
ン酸クロリドのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴
下した。滴下終了後,室温で15分間撹拌した後,溶媒
を減圧留去し残渣を酢酸エチルで水から抽出した。酢酸
エチル層は,5%水酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩
水で順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥した後,減
圧濃縮した。得られた残渣を28%アンモニア水−メタ
ノール−クロロホルム−酢酸エチル−n−ヘキサン混合
溶媒で洗浄し,417mgのN−[(E)−2,3−ジ
フェニルプロペノイル]グアニジンを得た。
【0085】融点 188−191℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:6.92−6.94(2H,m),7.07−7.
15(5H,m),7.24−7.33(3H,m),
7.77(1H,s) 実施例1と同様にして以下の実施例3の化合物を得た。
【0086】(実施例3) (E)−3−(2−クロロフェニル)−2−フェニルプ
ロペノイルグアニジン 原料化合物:(E)−3−(2−クロロフェニル)−2
−フェニルプロペン酸融点 205−206℃ 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準) δ:6.6−7.5(9H,m),7.85(1H,
s) 以下,表1に実施例1〜3により得られた化合物の化学
構造式を掲記する。
【0087】
【表1】
【0088】以下に化学構造式を掲記する実施例A−1
〜A−30の化合物は,前記実施例若しくは製造法に記
載の方法とほぼ同様にして,又は,それらに当業者に自
明の若干の変法を適用して,容易に製造することができ
る。
【0089】実施例A−1
【0090】
【化7】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/165 ADS A61K 31/165 ADS C07C 317/44 7419−4H C07C 317/44 323/62 7419−4H 323/62 (72)発明者 柳沢 勲 東京都練馬区石神井台2−22−8

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるN−(2−
    プロペノイル)グアニジン誘導体又はその塩。 【化1】 (ただし,式中の記号は以下の意味を有する。 R1:水素原子又はハロゲン原子で置換されてもよい低
    級アルキル基 R2,R3,R4:同一又は異なって,水素原子,ハロゲ
    ン原子で置換されてもよい低級アルキル基,低級アルケ
    ニル基,低級アルキニル基,シクロアルキル基,低級ア
    ルコキシ基,低級アルコキシ低級アルコキシ基,低級ア
    ルコキシカルボニル基,カルボキシル基,ハロゲン原
    子,ニトロ基,シアノ基,アミノ基,モノ若しくはジ低
    級アルキルアミノ基,低級アルカノイル基,低級アルカ
    ノイルアミノ基,低級アルカノイルオキシ基,水酸基,
    メルカプト基,低級アルキルチオ基,低級アルキルスル
    ホニル基,アミノスルホニル基,モノ若しくはジ低級ア
    ルキルアミノスルホニル基,低級アルキルスルホニルア
    ミノ基,低級アルキルスルホニルモノ低級アルキルアミ
    ノ基,カルバモイル基又はモノ若しくはジ低級アルキル
    アミノカルボニル基)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されるN−(2−プロペ
    ノイル)グアニジン誘導体又はその塩を含有することを
    特徴とする医薬。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されるN−(2−プロペ
    ノイル)グアニジン誘導体又はその塩を有効成分とする
    ことを特徴とするNa+/H+交換体阻害剤。
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