JPH095807A - 超微粒子分散材料およびその製造方法 - Google Patents

超微粒子分散材料およびその製造方法

Info

Publication number
JPH095807A
JPH095807A JP15468695A JP15468695A JPH095807A JP H095807 A JPH095807 A JP H095807A JP 15468695 A JP15468695 A JP 15468695A JP 15468695 A JP15468695 A JP 15468695A JP H095807 A JPH095807 A JP H095807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrafine particle
amorphous carbon
carbon film
semiconductor
ultrafine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15468695A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Kondo
均 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP15468695A priority Critical patent/JPH095807A/ja
Publication of JPH095807A publication Critical patent/JPH095807A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】充分な量子閉じ込め効果が得られると共に光散
乱による効率の低下を起こさない新規な超微粒子分散材
料及びその製造方法を提供する。 【構成】本発明は、マトリックス中に超微粒子を分散し
た超微粒子分散材料において、マトリックス体が非晶質
炭素膜であることを特徴とする。その製造方法としては
例えば、平行平板型の電極3の片側に基板8を設置し、
対向側を超微粒子となる半導体材料のターゲット2と
し、ガス導入口5から真空チャンバー1内に炭化水素ガ
ス等を供給しながらRF電源7により基板側電極3にR
Fを給電することにより基板8上に非晶質炭素膜を堆積
させ、次いでガス種を希ガスに変えてRF電源6により
半導体ターゲット2にRFを給電することにより基板8
上に半導体超微粒子を堆積させる。そしてこの操作を繰
り返すことによって非晶質炭素膜中に半導体超微粒子が
分散した超微粒子分散膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超微粒子分散材料に関
し、詳しくは、三次元の閉じ込めによる量子サイズ効果
を利用した、特に非線形光学材料として有用な、超微粒
子をマトリックス体中に分散させた超微粒子分散材料お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス中にCdSXSe1-Xなどの微粒子
を分散させた半導体微粒子分散ガラス材料は、量子閉じ
込め効果により、大きな非線形光学効果が期待されてい
る。このような半導体微粒子分散ガラス材料は例えば溶
融法によって作製される。すなわち半導体を含むガラス
を1200℃以上の温度で溶融した後急冷し、さらにガ
ラスの軟化点付近の温度で再熱処理して半導体微粒子を
析出させるのであるが、高温で溶融するために半導体成
分の蒸発や分解が起こりやすく、半導体材料が制限され
る。また熱処理によって微結晶を析出させるので、ガラ
スマトリックス組成も制限され、Na2O−B23−S
iO2や一部のP25系の組成に限られる。さらに半導
体微粒子表面が雰囲気ガスやガラスと反応して酸化など
化学変化を起こす。このためガラスと半導体微粒子との
界面に複合欠陥を作り、緩和の遅い螢光が観測されてい
る。
【0003】上記の問題を解決するためにスパッタリン
グ法による作製が試みられている。すなわちガラス上に
半導体材料を載せた複合ターゲットをArなどの雰囲気
中でRFスパッタリングし、基板上に半導体微粒子が分
散したガラス膜を形成するものである。この方法では半
導体材料やマトリックス組成が自由に選定でき、例えば
マトリックスとして光学的,熱的特性に優れ、誘電率が
上記のガラス等に比べて小さいために閉じ込め効果がよ
り期待できるSiO2 がしばしば用いられる。しかし、
この場合においても半導体微粒子表面が酸化されやすい
という問題は依然として残されている。またスパッタリ
ング法によって作製したSiO2 膜は100nm程度以
上の大きさのグレインからなる場合があり、用いる光の
波長によっては散乱を受け効率が低下するという問題も
ある。
【0004】この問題を解決するために、特開平5−1
50278号公報や特開平5−150276号公報記載
の技術では、半導体微粒子の外側表面を窒化物の非晶質
膜や有機高分子材料で被覆した後にガラス中に分散させ
る方法を提案している。しかし、この方法では装置が複
雑になったり工程が長くなる、あるいは被覆が不完全で
ある場合、効果が発揮されないといった問題がある。ま
た特開平4−204426号公報記載の技術では半導体
微粒子を水素を添加した窒化物あるいは炭化物の非晶質
膜中に分散させているが、このような膜の比誘電率はそ
れほど小さくなく、充分な閉じ込め効果が期待できない
という欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであって、その第1の目的は、充分な量
子閉じ込め効果が得られると共に光散乱による効率の低
下を起こさない新規な超微粒子分散材料を提供すること
にある。本発明の第2の目的は、光吸収を減少し、さら
に効率が向上する上記超微粒子分散材料を提供すること
である。本発明の第3の目的は、さらに効果的に電子及
び正孔を閉じ込めることができる上記超微粒子分散材料
を提供することであり、本発明の第4の目的は、励起子
を閉じ込めることにより、非線形光学効果がより増大す
る上記超微粒子分散材料を提供することである。本発明
の第5の目的は、超微粒子表面の酸化を防止して、超微
粒子とマトリックスとの界面での複合欠陥を減少できる
上記超微粒子分散材料を提供することであり、本発明の
第6の目的は、そのような超微粒子分散材料を作製する
製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、マトリックス中に超微粒子を分
散した超微粒子分散材料において、マトリックス体が非
晶質炭素膜であることを特徴としている。
【0007】請求項2の発明は、上記超微粒子分散材料
において、超微粒子材料の禁制帯幅が非晶質炭素膜の光
学的バンドギャップより小さいことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明は、上記超微粒子分散材料
において、超微粒子の大きさが電子および正孔が量子準
位を形成する大きさ以下であることを特徴としている。
【0009】請求項4の発明は、上記超微粒子分散材料
において、超微粒子材料がI−VII族、(I)2−VI族、
II−VI 族、あるいはそれらの混晶半導体であることを
特徴としている。
【0010】請求項5の発明は、上記超微粒子分散材料
において、非晶質炭素膜が少なくとも水素元素を含むこ
とを特徴としている。
【0011】請求項6の発明は、上記超微粒子分散材料
の製造方法であって、上記非晶質炭素膜の形成が少なく
とも水素原子を含む気体中で行なわれることを特徴とし
ている。
【0012】
【作用】以下、本発明の構成及び作用について詳細に説
明する。本発明のマトリックス中に超微粒子を分散させ
た超微粒子分散材料は、マトリックス体が非晶質炭素膜
である超微粒子分散材料である。本発明における超微粒
子材料はその禁制帯幅が非晶質炭素膜の光学的バンドギ
ャップより小さいことが好ましい。また超微粒子の大き
さは電子および正孔が量子準位を形成する大きさ以下で
あることが好ましい。さらには超微粒子材料がI−VII
族、(I)2−VI族、II−VI 族、あるいはそれらの混晶
半導体から選ばれることが好ましい。また前記構成にお
いて非晶質炭素膜は少なくとも水素元素を含むことが好
ましい。このため非晶質炭素膜の形成は少なくとも水素
原子を含む気体中で行なわれるのが好ましい。
【0013】量子サイズ効果を示す超微粒子分散材料に
望まれるのは、第一にマトリックスの作る深いポテンシ
ャルによって超微粒子中の電子および正孔が三次元的に
効果的に閉じ込められることである。このためにはマト
リックスの比誘電率は小さい方がよい。非晶質炭素膜の
比誘電率は作製条件によって変わるが2〜4程度であ
り、SiO2 と同等かそれ以下である。第二には光の利
用効率が高いことが非線形光学材料として利用する場合
に重要である。スパッタリング法によって作製したSi
2 膜は100nm程度以上の大きさのグレインからな
る場合があり、用いる光の波長によっては散乱を受け効
率が低下する。これに対して非晶質炭素膜は、例えばプ
ラズマCVD法で作製した場合、電子顕微鏡で確認でき
るレベルのグレインは存在せず非常に平坦な膜である。
第三に超微粒子とマトリックスの界面に複合欠陥を作ら
ないこと、すなわち超微粒子表面がマトリックスによっ
て酸化を受けないことが非線形光学材料としての応答速
度の点で重要である。この点に関しても、非晶質炭素膜
は還元性である炭素元素を主体として成り立っているた
め超微粒子表面の酸化防止に効果的である。以上のよう
に非晶質炭素膜をマトリックス体とした超微粒子分散材
料は優れた特性を有する新規な材料である。
【0014】次に、光の利用効率の向上に関してさらに
言えば、用いる光の波長(一般に超微粒子の吸収ピーク
近傍の波長)でのマトリックスの吸収係数が小さいこと
が好ましい。このため超微粒子材料の禁制帯幅は非晶質
炭素膜の光学的バンドギャップより小さいことが好まし
い。非晶質炭素膜の光学的バンドギャップは作製条件に
よって変えることができ、可変範囲は1〜3eV程度で
ある。したがって超微粒子材料としては禁制帯幅が3e
V以下、望ましくは2.5eV以下、より望ましくは2
eV以下の半導体が好ましい。
【0015】量子閉じ込め効果に関してさらに言えば、
超微粒子の大きさが電子および正孔が量子準位を形成す
る大きさ以下であることが好ましく、用いる半導体の種
類によって異なるが、粒子径としては通常、0.5〜5
0nm程度が好ましく、2〜20nm程度がより好まし
い。特に半導体の励起子のボーア半径の2倍以上であっ
て上記の範囲であれば、励起子の閉じ込めが起こるので
なお好ましい。この観点から超微粒子材料としては励起
子のボーア半径が小さい(束縛エネルギーが大きい)も
のが好ましく、I−VII族、(I)2−VI族、II−VI
族、あるいはそれらの混晶半導体から選ばれることが好
ましい。このような材料としてCuCl,CuBr,A
gI,Cu2O,Ag2O,ZnSe,ZnTe,Cd
S,CdSe,CdTe,CdXHg1-XTe等が挙げら
れる。これらの励起子のボーア半径は例えば、CuCl
が0.67nm、Cu2O が0.7nm、CdSeが5
nmであり、同族に属する材料は近い値を示すと考えら
れることから、I−VII族および(I)2−VI族がより好
ましい。また、上述の禁制帯幅の観点を加味するなら
ば、Cu2O(1.8〜2.0eV),Ag2O(1.6
eV),CdSe(1.7eV),CdTe(1.4e
V),CdXHg1-XTe(0.4〜1.4eV)等が好
ましい。
【0016】超微粒子とマトリックス界面の複合欠陥の
減少に関してさらに言えば、非晶質炭素膜が少なくとも
水素元素を含むことで超微粒子表面の還元作用がより増
すので表面の酸化防止に効果的である。また非晶質炭素
膜自体のダングリングボンドを減少させる点でも有用で
ある。膜中水素量は作製条件によって異なるが、10〜
50atm% 程度である。このような非晶質炭素膜の形成
は少なくとも水素原子を含む気体中で行なうのが好まし
い。具体的には炭化水素ガスやアルコール類、ケトン
類、エーテル類、エステル類等を気化したもの、および
それらに水素を添加したもの、あるいは炭酸ガス等に水
素を添加したもの等を原料ガスとし、必要に応じて希ガ
ス等を混合したガス中でのプラズマCVD法やグラファ
イトをターゲットとした水素あるいは水素と希ガスの混
合ガスによるスパッタリング法などによって作製され
る。
【0017】次に本発明の超微粒子分散材料の製造方法
について幾つかの例を挙げて説明する。 (1)図1に本発明の超微粒子分散材料の製造に用いら
れる作製装置の構成例を示す。図中の符号1は真空チャ
ンバー、2は半導体のターゲット、3は基板ホルダー兼
用の対向電極、4はシャッター、5はガス導入口、6は
ターゲット2に高周波(以下、RFと記す)パワーを印
加するためのRF電源、7は対向電極3にRFパワーを
印加するためのRF電源、8は基板である。尚、図示し
ていないが、真空チャンバー1には排気口を介して公知
の真空排気装置が接続されており、ガス導入口5からの
ガス導入に先立ってチャンバー内を高真空状態に排気で
きるようになっている。図1において、平行平板型の電
極3の片側に基板8を設置し、対向側を超微粒子となる
半導体材料のターゲット2とする。ガス導入口5から炭
化水素ガス等を供給しながらRF電源7により基板側電
極3にRFを給電することにより基板8上に非晶質炭素
膜を堆積させる。次いでガス種を希ガスに変えてRF電
源6により半導体ターゲット2にRFを給電することに
より基板8上に半導体超微粒子を堆積させる。この操作
を繰り返すことによって非晶質炭素膜中に半導体超微粒
子が分散した超微粒子分散膜が得られる。
【0018】(2)上記(1)において基板側電極3に
は給電せず、RF電源6により半導体ターゲット2にR
Fを給電し、ガス種および圧力を切替ることによって基
板8上に非晶質炭素膜と半導体超微粒子を交互に堆積さ
せる。 (3)上記(2)において炭化水素ガス等と希ガスを混
合したガス中で、RF電源6により半導体ターゲット2
にRFを給電することによって半導体超微粒子が分散し
た非晶質炭素膜を得る。
【0019】(4)図2に本発明の超微粒子分散材料の
製造に用いられる作製装置の別の構成例を示す。尚、図
中の符号1,2,4,5,6,8は図1と同じ構成部材
であり、符号3’は基板ホルダー、9はマイクロ波導波
管、10は磁石、11はガス導入口である。図2の作製
装置では、真空チャンバー1の基板8とは別の位置にマ
イクロ波プラズマ供給源9〜11を設け、マイクロ波に
よる放電で炭化水素ガス等を分解して基板8上に非晶質
炭素膜を堆積させるものであり、それ以外は上記(1)
と同様のプロセスによって超微粒子分散膜を得る。 (5)上記(4)において非晶質炭素膜と超微粒子の堆
積を同時に行なう。
【0020】(6)図3に本発明の超微粒子分散材料の
製造に用いられる作製装置のさらに別の構成例を示す。
尚、図中の符号1,2,3’,4,5,6,8は図2と
同じ構成部材であり、符号12はグラファイトターゲッ
ト、13はシャッター、14はグラファイトターゲット
にRFパワーを印加するためのRF電源である。図3の
作製装置では、図2のマイクロ波プラズマ供給源の代わ
りにグラファイトターゲット12を設け、水素あるいは
水素と希ガスの混合ガスを供給しながらRF電源14に
よりグラファイトターゲット12にRFを給電すること
により基板8上に非晶質炭素膜を堆積させるものであ
り、それ以外は上記(4)と同様のプロセスによって超
微粒子分散膜を得る。 (7)上記(6)において非晶質炭素膜と超微粒子の堆
積を同時に行なう。
【0021】(8)図4に本発明の超微粒子分散材料の
製造に用いられる作製装置のさらに別の構成例を示す。
尚、図中の符号1,3’,5,8,12,13,14は
図3と同様の構成部材であり、符号15は半導体の小片
である。図4の作製装置では、グラファイト12上に半
導体の小片15を置いた複合ターゲットを用いたもので
あり、水素あるいは水素と希ガスの混合ガスを供給しな
がらRF電源14により上記複合ターゲットにRFを給
電することにより半導体超微粒子が分散した非晶質炭素
膜を得る。
【0022】尚、上記の各方法において基板に直流ある
いは交流のバイアスを加えてもよい。またグラファイト
あるいは半導体ターゲットにRFを給電する代わりにイ
オンガンからターゲットにイオンを照射してもよい。さ
らに半導体超微粒子の形成を真空あるいは不活性ガス中
での半導体原料の加熱(抵抗加熱、電子線加熱、レーザ
ー加熱、誘導加熱等)蒸発によって行なってもよい。ま
た、超微粒子分散膜の膜厚は特に制限はないが、0.1
〜5μm程度が適当である。
【0023】
【実施例】以下に本発明による超微粒子分散材料および
その製造方法の具体的な実施例を示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。 (実施例1)図1に示す装置を用いて以下のように超微
粒子分散膜を作製した。真空チャンバー1内の対向電極
3に石英基板8を設置し、真空チャンバー1内を図示し
ない真空排気装置で高真空状態に排気後、ガス導入口5
からCH4 ガスを供給しチャンバー内の圧力を130P
aに調節した。そしてRF電源6によりCu2O ターゲ
ット2に100WのRFパワーを印加し、5nmの膜厚
の非晶質炭素膜を基板8上に堆積した。次に真空チャン
バー1内を真空排気した後、ガス種をArに切替てチャ
ンバー内を1.3Paの圧力に調節した後、RF電源6
によりCu2Oターゲット2に20WのRFパワーを印
加し、2nmのCu2O 超微粒子を堆積した。この操作
を50回繰返し行ない、石英基板8上に0.35μmの
膜厚の超微粒子分散膜を得た。膜中のCu2O 超微粒子
の粒子径は約2nmであり、X線光電子分光法(XP
S)による分析の結果、CuO特有のピークは観測され
ず、Cu2O のピークがほとんどであった。また、吸収
スペクトルからは励起子による吸収が見られ、禁制帯幅
はバルクの値に比べ、0.2eVブルーシフトしている
ことから、量子ドットが形成されていることが判った。
【0024】(実施例2)図1に示す装置を用いて以下
のように超微粒子分散膜を作製した。真空チャンバー1
内の対向電極3に石英基板8を設置し、真空チャンバー
1内を図示しない真空排気装置で高真空状態に排気後、
ガス導入口5からCH4 ガスを供給しチャンバー内の圧
力を27Paに調節した。そしてRF電源7により電極
3に20WのRFパワーを印加し、4nmの膜厚の非晶
質炭素膜を基板8上に堆積した。次に真空チャンバー1
内を真空排気した後、ガス種をArに切替てチャンバー
内を1.3Paの圧力に調節した後、RF電源6により
Ag2O ターゲット2に20WのRFパワーを印加し、
3nmの膜厚のAg2O 超微粒子を堆積した。この操作
を50回繰返し行ない、石英基板8上に0.35μmの
膜厚の超微粒子分散膜を得た。膜中のAg2O 超微粒子
の粒子径は約3nmであり、XPSによる分析の結果、
AgO特有のピークは観測されず、Ag2O のピークが
ほとんどであった。また、吸収スペクトルからは励起子
による吸収が見られ、禁制帯幅はバルクの値に比べ、
0.3eVブルーシフトしていることから、量子ドット
が形成されていることが判った。
【0025】(実施例3)図3に示す装置を用いて以下
のように超微粒子分散膜を作製した。真空チャンバー1
内の基板ホルダー3’に石英基板8を設置し、真空チャ
ンバー1内を図示しない真空排気装置で高真空状態に排
気後、ガス導入口5から10%H2−Ar混合ガスを供
給しチャンバー内を7Paに調節した。そしてRF電源
6および14によりCdTeターゲット2に40W、グ
ラファイトターゲット12に120WのRFパワーを印
加しつつ、シャッター4および13の制御により5nm
の膜厚のCdTe超微粒子と7.5nmの非晶質炭素膜
を交互に40層堆積し、石英基板8上に0.5μmの膜
厚の超微粒子分散膜を得た。膜中のCdTe超微粒子の
粒子径は約5nmであり、XPSによる分析の結果、酸
化物の形成は認められなかった。また、発光スペクトル
からはバンド端近傍からの発光のみが観測された。禁制
帯幅はバルクの値に比べ、0.2eVブルーシフトして
いることから、量子ドットが形成されていることが判っ
た。
【0026】(実施例4)図4に示す装置を用いて以下
のように超微粒子分散膜を作製した。真空チャンバー1
内の基板ホルダー3’に石英基板8を設置し、真空チャ
ンバー1内を図示しない真空排気装置で高真空状態に排
気後、ガス導入口5から20%H2−He混合ガスを供
給しチャンバー内を7Paに調節した。そしてグラファ
イト12上にAg2O ペレット15を乗せた複合ターゲ
ットにRF電源14により75WのRFパワーを印加す
ることによって、石英基板8上に0.4μmの膜厚の超
微粒子分散膜を得た。膜中のAg2O 超微粒子の粒子径
は約4nmであり、XPSによる分析の結果、AgO特
有のピークは観測されず、Ag2O のピークがほとんど
であった。また、吸収スペクトルからは励起子による吸
収が見られ、禁制帯幅はバルクの値に比べ、0.2eV
ブルーシフトしていることから、量子ドットが形成され
ていることが判った。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の超微粒
子分散材料は、マトリックス体として非晶質炭素膜を用
いたので、充分な量子閉じ込め効果を示すと共に光散乱
が小さいため、光の利用効率を向上することができる。
【0028】請求項2の超微粒子分散材料は、超微粒子
材料の禁制帯幅を非晶質炭素膜の光学的バンドギャップ
より小さくしたので、光吸収が減少し、光の利用効率を
さらに向上することができる。
【0029】請求項3の超微粒子分散材料は、超微粒子
の大きさを電子および正孔が量子準位を形成する大きさ
以下としたので、確実に量子閉じ込め効果が発現でき
る。
【0030】請求項4の超微粒子分散材料は、超微粒子
材料をI−VII族、(I)2−VI族、II−VI 族あるいは
それらの混晶半導体としたので、励起子の閉じ込めが起
こり、非線形光学効果のさらなる増大が期待できる。
【0031】請求項5の超微粒子分散材料は、非晶質炭
素膜が少なくとも水素元素を含むので、超微粒子の表面
酸化が防止でき、超微粒子とマトリックスとの界面での
複合欠陥の減少に効果的である。
【0032】請求項6の超微粒子分散材料の製造方法
は、非晶質炭素膜を少なくとも水素原子を含む気体中で
形成するので、上記の構造を有する超微粒子分散材料を
作製するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超微粒子分散材料の製造に用いられる
作製装置の構成例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の超微粒子分散材料の製造に用いられる
作製装置の別の構成例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の超微粒子分散材料の製造に用いられる
作製装置のさらに別の構成例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の超微粒子分散材料の製造に用いられる
作製装置のさらに別の構成例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 :真空チャンバー 2 :半導体のターゲット 3 :対向電極 3’:基板ホルダー 4 :シャッター 5 :ガス導入口 6 :RF電源 7 :RF電源 8 :基板 9 :マイクロ波導波管 10:磁石 11:ガス導入口 12:グラファイトターゲット 13:シャッター 14:RF電源 15:半導体の小片

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリックス中に超微粒子を分散した超微
    粒子分散材料において、マトリックス体が非晶質炭素膜
    であることを特徴とする超微粒子分散材料。
  2. 【請求項2】超微粒子材料の禁制帯幅が非晶質炭素膜の
    光学的バンドギャップより小さいことを特徴とする請求
    項1記載の超微粒子分散材料。
  3. 【請求項3】超微粒子の大きさが電子および正孔が量子
    準位を形成する大きさ以下であることを特徴とする請求
    項1または2記載の超微粒子分散材料。
  4. 【請求項4】超微粒子材料がI−VII族、(I)2−VI
    族、II−VI 族あるいはそれらの混晶半導体であること
    を特徴とする請求項1,2または3記載の超微粒子分散
    材料。
  5. 【請求項5】非晶質炭素膜が少なくとも水素元素を含む
    ことを特徴とする請求項1,2,3または4記載の超微
    粒子分散材料。
  6. 【請求項6】非晶質炭素膜の形成が少なくとも水素原子
    を含む気体中で行なわれることを特徴とする請求項5に
    記載の超微粒子分散材料の製造方法。
JP15468695A 1995-06-21 1995-06-21 超微粒子分散材料およびその製造方法 Pending JPH095807A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15468695A JPH095807A (ja) 1995-06-21 1995-06-21 超微粒子分散材料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15468695A JPH095807A (ja) 1995-06-21 1995-06-21 超微粒子分散材料およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH095807A true JPH095807A (ja) 1997-01-10

Family

ID=15589713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15468695A Pending JPH095807A (ja) 1995-06-21 1995-06-21 超微粒子分散材料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH095807A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6519842B2 (en) * 1999-12-10 2003-02-18 Ebara Corporation Method for mounting semiconductor device
JP2006143861A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Stanley Electric Co Ltd 発光材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6519842B2 (en) * 1999-12-10 2003-02-18 Ebara Corporation Method for mounting semiconductor device
JP2006143861A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Stanley Electric Co Ltd 発光材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003011100A (ja) ガス流中のナノ粒子の堆積方法、並びに表面修飾方法
Badillo-Ávila et al. Cu2O thin films obtained from sol-gel cuo films using a simple argon/dry-air microwave plasma
JP3358203B2 (ja) 半導体超微粒子の製造方法
JPH095807A (ja) 超微粒子分散材料およびその製造方法
JP2679354B2 (ja) 非線形光学材料およびその製造方法
JPH05224261A (ja) 非線形光学材料及びその製造方法
US8007332B2 (en) Fabrication of a semiconductor nanoparticle embedded insulating film electroluminescence device
JPH05254883A (ja) 超微粒子分散材料の製造方法
CN114959636B (zh) 一种二维过渡金属硫化物及其制备方法和应用
US7732054B2 (en) Method for preparing ZnO nanocrystals directly on silicon substrate
JP2572023B2 (ja) 発光部材
JPH03196643A (ja) 気相成長法
JP3341361B2 (ja) 超微粒子分散材料の製造方法
JPH05134277A (ja) 非線形光学材料の製造方法
US5599609A (en) Nonlinear optical material and method of producing the same
JPH05127206A (ja) 非線形光学材料およびその製造方法
JP2945258B2 (ja) 非線形光学材料の製造方法
CN116994957A (zh) p型氧化碲薄膜制备方法
JPH07318990A (ja) 非線形光学材料及びその製造方法
JPH06167729A (ja) 非線形光学材料およびその製造方法
US8349745B2 (en) Fabrication of a semiconductor nanoparticle embedded insulating film luminescence device
JPH0473720A (ja) 非線形光学材料の製造方法
US7902088B2 (en) High quantum efficiency silicon nanoparticle embedded SiOXNY luminescence device
JP2762910B2 (ja) 発光材料
CN114807869A (zh) 在基材上形成含铋氧化镓系半导体膜的方法、含铋氧化镓系半导体膜及半导体元件