JPH0957896A - 耐食耐摩耗材料 - Google Patents
耐食耐摩耗材料Info
- Publication number
- JPH0957896A JPH0957896A JP7213299A JP21329995A JPH0957896A JP H0957896 A JPH0957896 A JP H0957896A JP 7213299 A JP7213299 A JP 7213299A JP 21329995 A JP21329995 A JP 21329995A JP H0957896 A JPH0957896 A JP H0957896A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- corrosion
- stainless steel
- clad material
- resistant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面硬さおよび耐食性に優れた耐食耐摩耗材
料を提供する。 【解決手段】 厚さ150mmのSUS420J2の両
面にそれぞれ厚さ15mmのTi合金を熱間圧延して積
層し、さらに0.5mmまで冷間圧延してクラッド材と
する。このクラッド材のTi合金の表面を陽極酸化処理
して前記Ti合金の表層部に酸化Ti層を形成する。
料を提供する。 【解決手段】 厚さ150mmのSUS420J2の両
面にそれぞれ厚さ15mmのTi合金を熱間圧延して積
層し、さらに0.5mmまで冷間圧延してクラッド材と
する。このクラッド材のTi合金の表面を陽極酸化処理
して前記Ti合金の表層部に酸化Ti層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来のステンレス
鋼に比べて耐食性、耐摩耗性を要する医療器具、調理器
具などの用途に用いる耐食耐摩耗材料に関する。
鋼に比べて耐食性、耐摩耗性を要する医療器具、調理器
具などの用途に用いる耐食耐摩耗材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐食性と耐摩耗性とを要求される
医療器具、調理器具などの用途にはJIS SUS42
0J2などのマルテンサイト系ステンレス鋼が使用され
ていた。上記用途のうち、刃物などの寿命を延長するた
めには材料の耐摩耗性を向上することが必要である。
医療器具、調理器具などの用途にはJIS SUS42
0J2などのマルテンサイト系ステンレス鋼が使用され
ていた。上記用途のうち、刃物などの寿命を延長するた
めには材料の耐摩耗性を向上することが必要である。
【0003】マルテンサイト系ステンレス鋼において耐
摩耗性を向上するためには、一般に鋼の炭素含有量を増
して硬さを上げることが行われている。しかし、マルテ
ンサイト系ステンレス鋼においては、炭素含有量を増す
ことによって耐食性が損われるという問題がある。ステ
ンレス鋼の表面にTiを積層してクラッド材とすること
によってステンレス鋼の耐食性を補う試みが行われてい
るが、Tiの硬さは低いため、従来のステンレス鋼/T
iクラッド材は、マルテンサイト系ステンレス鋼が使用
されるような耐摩耗性が要求される用途には適用するこ
とができなかった。
摩耗性を向上するためには、一般に鋼の炭素含有量を増
して硬さを上げることが行われている。しかし、マルテ
ンサイト系ステンレス鋼においては、炭素含有量を増す
ことによって耐食性が損われるという問題がある。ステ
ンレス鋼の表面にTiを積層してクラッド材とすること
によってステンレス鋼の耐食性を補う試みが行われてい
るが、Tiの硬さは低いため、従来のステンレス鋼/T
iクラッド材は、マルテンサイト系ステンレス鋼が使用
されるような耐摩耗性が要求される用途には適用するこ
とができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、マ
ルテンサイト系ステンレス鋼に勝る表面硬さと耐食性と
を有する耐食耐摩耗材料を提供することにある。
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、マ
ルテンサイト系ステンレス鋼に勝る表面硬さと耐食性と
を有する耐食耐摩耗材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の耐食耐摩耗材料は、 (1)ステンレス鋼板の表面にTi合金を積層してなる
クラッド材において、当該クラッド材のTi合金の表層
部に酸化Ti層を形成したことを特徴とする。 (2)ステンレス鋼板の表面にTi合金を積層してなる
クラッド材において、当該クラッド材のTi合金の表面
を陽極酸化処理することによって前記Ti合金の表層部
に酸化Ti層を形成したことを特徴とする。
に、本発明の耐食耐摩耗材料は、 (1)ステンレス鋼板の表面にTi合金を積層してなる
クラッド材において、当該クラッド材のTi合金の表層
部に酸化Ti層を形成したことを特徴とする。 (2)ステンレス鋼板の表面にTi合金を積層してなる
クラッド材において、当該クラッド材のTi合金の表面
を陽極酸化処理することによって前記Ti合金の表層部
に酸化Ti層を形成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の耐食耐摩耗材料において
ステンレス鋼板は、耐摩耗用途に使用するマルテンサイ
ト系ステンレス鋼とする。JISに規定されるSUS4
20J1、SUS420J2、SUS420F、SUS
440Aなどが好ましい材料である。Ti合金は純Ti
であってもよく、また、ステンレス鋼板と積層してクラ
ッド材を製造する際に加える圧延、鍛造などの加工に耐
え得る限りにおいて、前記Ti合金の強度、靭延性を高
めるために添加するAl、V、Sn、Zr、Moなどの
合金元素および不可避的不純物元素を含むものでもよ
い。
ステンレス鋼板は、耐摩耗用途に使用するマルテンサイ
ト系ステンレス鋼とする。JISに規定されるSUS4
20J1、SUS420J2、SUS420F、SUS
440Aなどが好ましい材料である。Ti合金は純Ti
であってもよく、また、ステンレス鋼板と積層してクラ
ッド材を製造する際に加える圧延、鍛造などの加工に耐
え得る限りにおいて、前記Ti合金の強度、靭延性を高
めるために添加するAl、V、Sn、Zr、Moなどの
合金元素および不可避的不純物元素を含むものでもよ
い。
【0007】クラッド材は、熱間圧延、冷間圧延、ある
いは爆着などの従来一般にクラッド材の製造に用いられ
る方法によって、ステンレス鋼の片面あるいは両面にT
i合金を密着して製造する。Ti合金表層部には、酸化
Ti層を形成する。酸化Ti層を形成する方法として
は、酸化雰囲気中での加熱、酸化性酸による化学的方法
も行える。また、陽極酸化法は、緻密で強固な酸化Ti
層を表面に一様に形成することができるので最も好まし
い酸化Ti層の形成方法である。
いは爆着などの従来一般にクラッド材の製造に用いられ
る方法によって、ステンレス鋼の片面あるいは両面にT
i合金を密着して製造する。Ti合金表層部には、酸化
Ti層を形成する。酸化Ti層を形成する方法として
は、酸化雰囲気中での加熱、酸化性酸による化学的方法
も行える。また、陽極酸化法は、緻密で強固な酸化Ti
層を表面に一様に形成することができるので最も好まし
い酸化Ti層の形成方法である。
【0008】
【作用】本発明の耐食耐摩耗材料においてTi合金の表
層部に形成した酸化Ti層は、硬さが高く、本発明の材
料に優れた耐摩耗性を与える。Ti合金は、上記酸化T
i層を形成するとともに、本発明材に優れた耐食性を付
与する。当該Ti合金に含ませる合金元素は本発明の材
料の強度、靭延性を高める。
層部に形成した酸化Ti層は、硬さが高く、本発明の材
料に優れた耐摩耗性を与える。Ti合金は、上記酸化T
i層を形成するとともに、本発明材に優れた耐食性を付
与する。当該Ti合金に含ませる合金元素は本発明の材
料の強度、靭延性を高める。
【0009】ステンレス鋼板は、クラッド材全体として
の強度を高める働きを持つ。本発明の材料においては、
ステンレス鋼板自体は耐摩耗性には直接関与しないの
で、ステンレス鋼板の炭素含有量を低く押えることがで
きる。そのため、ステンレス鋼を単独で耐摩耗材料とし
て用いる場合に比べて、本発明の材料の耐食性は優れて
いる。
の強度を高める働きを持つ。本発明の材料においては、
ステンレス鋼板自体は耐摩耗性には直接関与しないの
で、ステンレス鋼板の炭素含有量を低く押えることがで
きる。そのため、ステンレス鋼を単独で耐摩耗材料とし
て用いる場合に比べて、本発明の材料の耐食性は優れて
いる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。厚
さ150mm×幅300mm×長さ1500mmのSU
S420J2鋼板の両面に厚さ15mm×幅300mm
×長さ1500mmの純Ti(JIS 1種相当)を爆
着し、800℃で熱間圧延して厚さ30mmのクラッド
帯材を作成し、さらに、これに圧下率約50%の冷間圧
延間と800℃における連続焼鈍を繰返して行い、厚さ
0.5mmのクラッド材とした。
さ150mm×幅300mm×長さ1500mmのSU
S420J2鋼板の両面に厚さ15mm×幅300mm
×長さ1500mmの純Ti(JIS 1種相当)を爆
着し、800℃で熱間圧延して厚さ30mmのクラッド
帯材を作成し、さらに、これに圧下率約50%の冷間圧
延間と800℃における連続焼鈍を繰返して行い、厚さ
0.5mmのクラッド材とした。
【0011】このクラッド材を、1%リン酸水溶液中で
160Vで120sec陽極酸化した試作材(実施例
1)を得た。また、前記クラッド材を大気中で750℃
×30min加熱放冷した試作材(実施例2)および前
記クラッド材にニッケルメッキを施した試作材(実施例
3)を得た。比較例として、前記SUS420J2鋼板
を単独に上記同様の工程で厚さ0.5mmの薄板とした
もの(比較例1)、および酸化処理を行わない前記クラ
ッド材(比較例2)を用意した。
160Vで120sec陽極酸化した試作材(実施例
1)を得た。また、前記クラッド材を大気中で750℃
×30min加熱放冷した試作材(実施例2)および前
記クラッド材にニッケルメッキを施した試作材(実施例
3)を得た。比較例として、前記SUS420J2鋼板
を単独に上記同様の工程で厚さ0.5mmの薄板とした
もの(比較例1)、および酸化処理を行わない前記クラ
ッド材(比較例2)を用意した。
【0012】上記実施例1について断面硬さ分布を調べ
た。その結果を図1に示す。また、各実施例および比較
例について表層部の硬さを超微小硬度計(測定荷重0.
1g)で測定した結果を表1に示す。本発明の実施例
は、表層部で高い硬さを示すことが判る。
た。その結果を図1に示す。また、各実施例および比較
例について表層部の硬さを超微小硬度計(測定荷重0.
1g)で測定した結果を表1に示す。本発明の実施例
は、表層部で高い硬さを示すことが判る。
【0013】
【表1】
【0014】上記実施例および比較例について、JIS
Z 2371に準じて塩水噴霧試験を行って、板表面
における錆の発生状況を調べた。その結果を図2に示
す。本発明の実施例は、比較例に比べて板表面における
錆発生率が著しく少なく、腐食環境における腐食損耗が
少ないことを示している。
Z 2371に準じて塩水噴霧試験を行って、板表面
における錆の発生状況を調べた。その結果を図2に示
す。本発明の実施例は、比較例に比べて板表面における
錆発生率が著しく少なく、腐食環境における腐食損耗が
少ないことを示している。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、マルテ
ンサイト系ステンレス鋼に勝る表面硬さと耐食性とを有
する耐食耐摩耗材料を提供することができる。
ンサイト系ステンレス鋼に勝る表面硬さと耐食性とを有
する耐食耐摩耗材料を提供することができる。
【図1】本発明の実施例の断面硬さ分布を示す特性図で
ある。
ある。
【図2】本発明の実施例および比較例の塩水噴霧試験に
おける錆び発生率を示す特性図である。
おける錆び発生率を示す特性図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ステンレス鋼板の表面にTi合金を積層
してなるクラッド材において、当該クラッド材のTi合
金の表層部に酸化Ti層を形成したことを特徴とする耐
食耐摩耗材料。 - 【請求項2】 ステンレス鋼板の表面にTi合金を積層
してなるクラッド材において、当該クラッド材のTi合
金の表面を陽極酸化処理することによって前記Ti合金
の表層部に酸化Ti層を形成したことを特徴とする耐食
耐摩耗材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7213299A JPH0957896A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 耐食耐摩耗材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7213299A JPH0957896A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 耐食耐摩耗材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0957896A true JPH0957896A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16636832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7213299A Pending JPH0957896A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 耐食耐摩耗材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0957896A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002194591A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-10 | Nippon Steel Corp | チタン薄板とその製造方法 |
CN102703954A (zh) * | 2012-06-21 | 2012-10-03 | 哈尔滨工业大学 | TiC颗粒增强钛基复合材料表面微弧氧化陶瓷层的制备方法 |
-
1995
- 1995-08-22 JP JP7213299A patent/JPH0957896A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002194591A (ja) * | 2000-12-21 | 2002-07-10 | Nippon Steel Corp | チタン薄板とその製造方法 |
CN102703954A (zh) * | 2012-06-21 | 2012-10-03 | 哈尔滨工业大学 | TiC颗粒增强钛基复合材料表面微弧氧化陶瓷层的制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2495352B1 (en) | Hot-pressed member and process for producing same | |
KR100779334B1 (ko) | 표면 처리 주석 도금 강판 및 화성 처리액 | |
CN103757666B (zh) | 加工后耐蚀性优异的镀铬不锈钢板 | |
EP2560225A1 (en) | Metal plate for use as solid polymer fuel cell separator | |
EP0149655B1 (en) | Diffusion treated hot-dip aluminum coated steel and method or treating | |
TW201240107A (en) | Steel foil for solar cell substrate, solar cell substrate and solar cell and their manufacturing methods | |
JP5348431B2 (ja) | 熱間プレス部材 | |
JP2991928B2 (ja) | 加工性および耐食性に優れたCrーNi拡散処理鋼板とその製造方法 | |
JP2991929B2 (ja) | 加工性および耐食性に優れたCrーNi拡散処理鋼板とその製造法 | |
JPH0957896A (ja) | 耐食耐摩耗材料 | |
JP5625442B2 (ja) | 耐遅れ破壊性に優れた引張強度1180MPa以上を有する高強度鋼板 | |
JPH10183372A (ja) | 溶接性に優れた黒色Zn−Mg系めっき鋼板及び黒色処理方法 | |
JPH03197693A (ja) | 缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法 | |
US11795560B2 (en) | Hot stamped body | |
US4666794A (en) | Diffusion treated hot-dip aluminum coated steel | |
CN114901851B (zh) | 奥氏体系不锈钢板及其制造方法 | |
JPH11106885A (ja) | 耐熱用溶融めっき鋼板 | |
JP3309234B2 (ja) | 耐食性と加工性に優れたCu基合金めっきステンレス鋼板およびその製造方法 | |
JPH05106084A (ja) | 光沢性と耐食性に優れたクロムめつき鋼板とその製造 法 | |
JPH05230609A (ja) | 溶融アルミニウム系めっきクロム含有鋼板の製造方法 | |
KR20210143841A (ko) | 핫 스탬프 성형체 | |
JP4720036B2 (ja) | マルテンサイト系ステンレス鋼板の酸洗方法 | |
JPH03243789A (ja) | 耐食性,はんだ性,密着性にすぐれたCu系被覆処理Cr含有鋼板 | |
JP2002004084A (ja) | 加工性および耐食性の良好なNiめっき鋼帯およびその製造方法 | |
JPH11335810A (ja) | 抗菌性を有するステンレス鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20070918 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071016 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080304 |