JP2002004084A - 加工性および耐食性の良好なNiめっき鋼帯およびその製造方法 - Google Patents

加工性および耐食性の良好なNiめっき鋼帯およびその製造方法

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JP2002004084A
JP2002004084A JP2000196281A JP2000196281A JP2002004084A JP 2002004084 A JP2002004084 A JP 2002004084A JP 2000196281 A JP2000196281 A JP 2000196281A JP 2000196281 A JP2000196281 A JP 2000196281A JP 2002004084 A JP2002004084 A JP 2002004084A
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Keiji Izumi
圭二 和泉
Masayoshi Tadano
政義 多々納
Eiji Watanabe
栄次 渡辺
Masaru Sato
勝 佐藤
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性および耐食性に優れたNiめっき鋼帯
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 コイル状鋼帯に全硫酸塩浴中で1〜5μ
mのNiめっきを施した後、非酸化性雰囲気中320〜
380℃で15から40時間箱焼鈍し、めっき層中の内
部応力を5kg/m2以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度な加工を受け
た後でも良好な耐食性を有するNiめっき鋼帯およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、Niめっき鋼板は各種家電製
品や電気・電子部品等に使用されてきたが、これらの用
途で加工が一般に軽度であり、高度の加工を要する場合
には、鋼板を加工した後にNiめっきを施していた。こ
れは、Niめっき層が硬くて脆く、高度の加工に追随で
きないためである。しかし、最近になって、省工程やコ
スト削減を目的として、高度の加工が施される部材に
も、予めNiめっきが施されたNiめっき鋼板が使用さ
れるようになってきており、コイル状鋼帯で連続生産し
た安価なNiめっき鋼帯の需要が増大している。
【0003】Niめっき鋼板に高度の加工を施した場
合、鋼板の変形にNiめっき層が追随できなくなり、め
っき層中にクラック(割れ)が発生したり、甚だしい場
合には、めっき層がパウダー状に剥離することがあり、
耐食性が損なわれることがあった。
【0004】Niめっき層の加工性を改善する方法とし
て、例えば特開平6−2104号公報には、Niめっき
層を素地鋼板と合金化させてNi−Fe合金層とする技
術が開示されている。しかし、この方法では、めっき層
中のクラックの発生は抑制できるが、摺動を伴う加工の
場合には、Ni−Fe合金層がパウダー状に剥離し易い
(以下パウダリングと呼称する)という欠点は解消され
ない。
【0005】また、特開昭63−38595号公報に
は、Niめっき鋼板を無酸化性もしくは還元性雰囲気
下、200〜800℃で1分から10時間焼鈍すること
により、Niめっき層の加工性を向上させる技術が開示
されている。しかし、この方法では、めっき層の加工性
はある程度向上するが、高度の加工を行なった場合には
クラックが発生し耐食性が十分ではない。また、この方
法では、高温域で箱焼鈍を行なう際に、Niめっき面同
士が接触していると焼鈍密着を起こすため、コイル状の
鋼帯に適用する場合には、スペーサーを入れる等の密着
防止の処置が必要であり、工程が煩雑になる、という欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上
述した従来の製造方法では解決できなかった、加工時の
Niめっき層のクラックおよびパウダリングの発生のい
ずれをも防止するとともに、焼鈍密着の発生しないNi
めっき鋼帯およびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【発明が解決するための手段】本発明においては、上記
の課題を解決するために、鋼帯の少なくとも片面に、膜
厚が1〜5μmで、内部応力が5kg/mm2以下であ
るNiめっき層を有し、かつ、めっき層/鋼板界面にN
i−Fe合金層が存在しないことを特徴とする加工性お
よび耐食性の良好なNiめっき鋼帯が提供される。
【0008】また、鋼帯の少なくとも片面に、全硫酸塩
浴を用い膜厚が1〜5μmのNiめっきを施した後、非
酸化性雰囲気中320〜380℃で15〜40時間の箱
焼鈍を行うことを特徴とする加工性および耐食性の良好
なNiめっき鋼帯の製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らが検討を行なった結
果、Niめっき層中のクラックの発生には、めっき層中
に存在する内部応力が、パウダリングの発生にはめっき
層/鋼素地界面での合金層の生成がそれぞれ関係するこ
とが判明した。
【0010】Niめっき層中には、電析時に蓄積され
る、一般に電着応力と呼ばれる内部応力が存在し、この
内部応力は、電解電流密度が高いほど大きくなる。加工
時のクラックの発生は、このめっき層中に存在する内部
応力が高いほど大きくなることが分った。すなわち、N
iめっき鋼板に加工を加えると、内部応力による歪みを
開放するためにめっき層にクラックが発生するものと考
えられる。広幅鋼帯に工業的な規模でNiめっきを行な
う場合、生産性の観点から高電流密度で電解を行なうた
め、加工時にクラックが発生し易くなる。
【0011】なお、本発明に規定する内部(電着)応力
σは、厚さ0.3mmで10mm×100mmの面積の
純Cu(純度99.9%)板に膜厚50μmのNiめっ
きを施した際の板の変形量より(図1に示す)、次式に
基づき算出した。
【0012】
【数1】
【0013】めっき層の耐クラック性は、180度nt
曲げ加工時にクラックの発生する限界nt値により評価
した。ここで、180度nt曲げ加工とは、試験片と同
一の板厚の鋼板をn枚挟んで180度曲げ加工を行なう
ことで、例えば、3枚の場合には3t曲げと呼称する。
180度曲げ加工の後、曲げ部を走査電子顕微鏡で観察
し、クラック発生の有無を確認した。Niめっき層の加
工(耐クラック)性としては、高度な加工である5t曲
げでクラックが発生しないものを良好と判断した。
【0014】各種のNiめっき鋼板の加熱処理条件と加
工性の関係を調査した結果、クラック発生の限界曲げ値
を5t以下にするには、加熱によりNiめっき層の内部
応力を5kg/mm2以下に低下すると良いことが判明
した。
【0015】Niめっき層の耐パウダリング性は、めっ
き層/鋼素地界面における合金化の進行により悪化する
ので、本発明のNiめっき鋼帯においては、上記界面に
おいてNi−Fe系合金層が事実上存在しないことが好
ましい。ここで、合金層が事実上存在しないとは、めっ
き層断面の倍率400倍での光学顕微鏡観察において、
合金層が観察されない状態を指す。
【0016】Niめっき層の膜厚は1〜5μmが好まし
い。膜厚が1μm未満では耐食性が不十分であり、5μ
mを超えると耐食性向上の効果が飽和するため、経済的
な観点より好ましくない。
【0017】本発明のNiめっき鋼帯を得るためには、
めっき浴として全硫酸塩浴を用いることが好ましい。全
硫酸塩浴は、不溶性陽極の使用が可能であり、かつ、高
電流密度でのNiめっきが可能であり、鋼帯による連続
生産に好適である。なお、生産性の観点からは、電解電
流密度を1kA/m2以上とすることが好ましい。一般
に使用されているワット浴(硫酸塩+塩化物浴)の場合
には、電極として可溶性陽極を使用するため、電極消耗
に伴う電極交換作業が発生し、鋼帯に連続めっきを行な
う場合には不適である。また、ワット浴の場合、最大電
解電流密度が1kA/m2程度であり、生産性の観点か
らも好ましくない。
【0018】全硫酸塩浴を用い、高電流密度で生成した
Niめっき層中には高い内部応力が存在する。例えば、
電流密度2kA/m2で膜厚3μmのNiめっきを施し
た場合、その内部応力は17kg/mm2であり、限界
曲げ値は14tである。本発明においては、この内部応
力を低減するために、Niめっき鋼帯に加熱処理を行な
う。熱処理の方法としては、低温焼鈍が可能な箱(バッ
チ)焼鈍が好ましい。連続焼鈍は生産性が高いが、短時
間処理のため、内部応力低減には高温にする必要があ
り、Niめっき層/鋼素地界面において合金化反応が生
起し、耐パウダリング性が悪化する。
【0019】加熱処理は、めっき層の酸化による品質低
下を防止するために、非酸化性雰囲気下で行なう。加熱
温度は320〜380℃が好ましい。320℃未満で
は、Niめっき層の内部応力を5kg/mm2以下にす
るのに長時間を要するため、生産性が悪化する。380
℃を超えると、加熱時に焼鈍密着が起こり易くる。
【0020】加熱処理時間は15〜40時間とする。1
5時間未満では、Niめっき層の内部応力を5kg/m
2以下にすることができない。40時間を超えて加熱
処理を行なっても、本発明の効果が飽和し、コスト増大
を招く。これらの条件下で加熱処理を行なった場合、全
範囲においてNiめっき層/鋼素地界面において合金層
の生成は観察されなかった。なお、加熱処理後のNiめ
っき鋼帯には、形状を整えるために、伸び率が0.5%
〜2%程度の、軽度の調質圧延を加えても良い。
【0021】
【実施例1】板厚0.5mmのアルミキルド鋼を原板と
して用い、液温60℃、50g/Lのオルト珪酸ナトリ
ウム溶液中5kA/m2で10秒間電解脱脂を行ない、
浴温30℃、50g/Lの硫酸浴中で酸洗した後、電気
Niめっきに供した。Niめっきの条件は以下の通りで
ある。 浴組成:(硫酸ニッケル300g+硫酸ナトリウム10
0g)/L、 浴温度:60℃、浴pH:3.0〜3.4 電流密度:2kA/m2 本条件により、めっき原板の片面に膜厚0.5〜5μm
のNiめっきを施した後、非酸化性雰囲気(本実施例に
おいては10%程度のH2を含むN2)中で種々の温度お
よび時間加熱し、引続き伸び率1%の調質圧延を行い、
供試材を作成した。なお、予備試験の結果では、加熱温
度が380℃を超えると、焼鈍密着が発生し易くなるこ
とが判明しているので、加熱温度は380℃以下とし
た。
【0022】供試材のめっき層の内部応力、加工性およ
び耐食性を評価した結果を表1に示す。加工性の評価
は、上述した限界t曲げ値が5t以下が「良好」、6〜
10tの場合が「やや劣る」、11t以上が「劣る」と
し、それぞれ○、△および×で表記した。また、耐食性
は、平坦部および加工部につき、それぞれJIS Z2
371に基づく塩水噴霧試験により評価した。塩水噴霧
試験8時間後の赤錆発生率が5%以下が「良好」、5%
超え〜20%以下の場合が「やや劣る」、20%超えが
「劣る」とし、それぞれ○、△および×で表記した。
【0023】
【表1】
【0024】本発明の範囲に属する試験番号1〜10の
供試材は全て、内部応力が5kg/mm2以下であり、
かつ、加工性および平坦部、加工部の耐食性のいずれも
良好であった。
【0025】Niめっき膜厚の薄い試験番号11の場合
には、加工性は良好であるが、平坦部および加工部の耐
食性が不十分であった。また、加熱温度の低い試料番号
12および13、加熱時間の短い試料番号14の場合、
いずれも内部応力が5kg/mm2以下に低下せず、加
工性の改善が不十分なため、加工部の耐食性も劣る結果
となった。
【0026】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明の実施により、
加工性および耐食性に優れたNiめっき鋼板を、鋼帯の
状態で工業的規模で安価に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 内部(電着)応力の測定方法を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勝 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K024 AA03 AB01 BA03 BC01 CA01 DB01 GA04 GA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯の少なくとも片面に、膜厚が1〜5
    μmで、内部応力が5kg/mm2以下であるNiめっ
    き層を有し、かつ、めっき層/鋼板界面にNi−Fe合
    金層が存在しないことを特徴とする加工性および耐食性
    の良好なNiめっき鋼帯。
  2. 【請求項2】 鋼帯の少なくとも片面に、全硫酸塩浴を
    用い膜厚が1〜5μmのNiめっきを施した後、非酸化
    性雰囲気中320〜380℃で15〜40時間の箱焼鈍
    を行うことを特徴とする加工性および耐食性の良好なN
    iめっき鋼帯の製造方法。
JP2000196281A 2000-06-26 2000-06-26 加工性および耐食性の良好なNiめっき鋼帯およびその製造方法 Withdrawn JP2002004084A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020137887A1 (ja) * 2018-12-27 2020-07-02 日本製鉄株式会社 Niめっき鋼板、及びNiめっき鋼板の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020137887A1 (ja) * 2018-12-27 2020-07-02 日本製鉄株式会社 Niめっき鋼板、及びNiめっき鋼板の製造方法
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Effective date: 20070904