JPH0956388A - ピリダジン−3−カルボン酸の製造法とその使用生産菌 - Google Patents
ピリダジン−3−カルボン酸の製造法とその使用生産菌Info
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Abstract
として有用なピリダジン−3−カルボン酸を簡易に、か
つ工業的に有利に製造できる方法を創製する。 【解決手段】 ストレプトミセス属のピリダジン−3−
カルボン酸生産菌を培養してピリダジン−3−カルボン
酸を製造する方法を提供する。また、ピリダジン−3−
カルボン酸を産生できるストレプトミセス・ブルネオグ
リセウスMJ492-77F1株(FERM P-14698)を提供する。
Description
カルボン酸の新規な製造法に関し、またピリダジン−3
−カルボン酸を生産する能力を有する新規な微生物に関
するものである。
よびその誘導体は医薬および農薬の合成用の中間体とし
て、また液晶などの工業製品の製造原料として公知であ
る。また、ピリダジン−3−カルボン酸は抗菌性抗生物
質のアルボサイクリンと併用されると共力剤として作用
してアルボサイクリンの抗菌活性を増強する作用を有す
ることが本発明者らにより見い出されている。
カルボン酸の製造法としては、いくつかの方法が知られ
ている。例えば、次に、それら既知の5種の方法を下記
の反応式を参照して示す。
9)に記載される過マンガン酸カリによる酸化反応よりな
る方法: 「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
エティー(J.Am.Chem.Soc.)」第75巻,2198頁(1948)に記
載されるラネーニッケル触媒の存在下の水素添加反応よ
りなる方法:
947)および「J.Am.Chem.Soc.」21巻,75号,2198頁(19
48)に記載される過マンガン酸カリによる酸化反応より
なる方法: 「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(J.Org.Chem.)」21巻,812頁(1956)に記載されるブチ
ル化工程と過マンガン酸カリによる酸化工程よりなる方
法:
頁(1966)に記載される多段階工程よりなる方法:
3−カルボン酸の製造法は知られていない。
合成法によるピリダジン−3−カルボン酸の製造法は、
用いる合成原料が高価であったり、反応が効率的でなく
収率が悪いとか、反応にともなって望ましくない副生成
物が生成するとかの欠点を有している。
ン酸の化学合成的な製造法における上記の欠点がなく
て、より経済的な方法であって、しかも高純度かつ高収
率にピリダジン−3−カルボン酸を製造できる醗酵的な
製造法を提供し、またそれに用い得る新規な微生物を提
供することにある。
を達成すべく鋭意研究を行った。その結果、土壌から本
発明者らにより分離された放線菌であってMJ492-77F1株
と菌株番号を付した微生物が液体培地中で25〜35℃で培
養するとピリダジン−3−カルボン酸を効率よく生産で
きること及びこの化合物を培養物から効率よく単離でき
ることを見い出した。上記の知見に基づいて本発明は完
成されたものである。
レプトミセス属に属するピリダジン−3−カルボン酸生
産菌を培養し、その培養物よりピリダジン−3−カルボ
ン酸を採取することを特徴とする、ピリダジン−3−カ
ルボン酸の製造法が提供される。
物として、ピリダジン−3−カルボン酸を産生する特性
をもち、かつ後記する菌学的特徴を有するストレプトミ
セス・ブルネオグリセウス(Streptomyces brunneogrise
us)MJ492-77F1菌株が提供される。
ダジン−3−カルボン酸は下記の式(I): で示される化合物である。
物理化学的性質を有する。 (1) 性状:無色針状結晶 (2) 溶解性:水、メタノールに可溶、アセトン、酢酸エ
チル、クロロホルムに不溶である。
254 使用):Rf0.20 n−ブタノール−酢酸−水(3:1:1)で展開して測
定の場合 (4) EIマススペクトル(m/z): 124(M+),11
9,80 (5) 紫外線吸収スペクトル(λmax, nm):245, 300(メ
タノール中) (6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(90MHz 、重水
中):7.98(1H, dd, J=4.9, 8.5, 5-H), 8.28(1H, d, J
=8.6, 4-H) 9.32(1H, d, J=5.1, 6-H) (7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(22.5MHz 、重水
中): 130.2(d, C-5) 131.1(d, C-4) 153.9(d, C-6) 158.2(s, C-3) 171.7(s, C-7)
アルボサイクリンと併用すると、これの抗菌活性を増強
させる作用を有するものであり、このことを次の試験例
1で例証する。
菌を接種し、27℃で14日間培養して良好に胞子を形成さ
せた。胞子が形成された培地に殺菌水を加えて胞子をか
き取り、三重ガーゼでろ過した。得られた胞子懸濁液中
の胞子数がトーマグラス1区中に10個になるよう殺菌水
で希釈して調整した。このように調製された胞子懸濁液
を、ポテト・デキストロース寒天培地(200mlずつ分注し
た培地を加熱溶解後に47℃に冷却)に1mlずつ混釈し、
角型シャーレに流し込み、固化したものを検定用プレー
トとして用いた。
ル溶液と、ピリダジン−3−カルボン酸のメタノール溶
液(2000ppm)とを、それぞれ20μlずつペーパーディス
クに滴下して、しみ込ませ、風乾した。このようにアル
ボサイクリンとピリダジン−3−カルボン酸との両者が
配合、風乾されたペーパーディスクを検定用プレート上
に置き、27℃で3日間培養した。ペーパーディスク周辺
の培地表面に現われた阻止円の直径を測定した。また、
比較のため、アルボサイクリンのみが配合されたペーパ
ーディスクを検定用プレートに置いた場合(コントロー
ル試験)の阻止円の直径を測定した。これと比較する
と、前者の併用試験の場合の阻止円の直径は後者のコン
トロール試験の場合の阻止円の直径よりも著るしく増大
し、かつ輪郭の明瞭な阻止円が認められた。これはピリ
ダジン−3−カルボン酸がアルボサイクリンの抗菌活性
を増強する作用を発揮したことを示す。
ン−3−カルボン酸生産菌の一例には、平成3年5月に
微生物化学研究所において北海道網走の土壌より分離さ
れた放線菌であって、MJ492-77F1の菌株番号を付された
微生物がある。この菌株はストレプトミセス・ブルネオ
グリセウス(Streptomyces brunneogriseus)に属すると
同定された。このMJ492-77F1株の菌学的性状を下記に記
載する。
糸を伸長する。輪生枝および胞子のうは認められない。
成熟した胞子鎖には20〜50個の卵円形の胞子の連鎖を認
め、胞子の大きさは約0.7〜0.8×0.8〜1.1ミクロンであ
った。なお、胞子の表面は平滑である。
・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモ
ニー・マニュアル(Container Corporation ofAmericaの
color harmony manual)を用いた。 (1) シュクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養) 無色〜うす黄色〔3ba,Pearl〕の平坦な発育上に、白
の気菌糸をうっすらと着生し、溶解性色素は茶色味を帯
びる。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地(27℃培養) うす黄〔3ba,Pearl〕〜黄味灰〔3ee,Bisque〜2g
c,Bamboo〕の平坦な発育上に、明るい茶灰〔3fe,Sil
ver Gray〜3ig,Beige Brown〕の気菌糸をうっすらと
着生し、溶解性色素は茶色味を帯びる。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地
5、27℃培養) 無色〜うす黄色〔2fb,Bamboo〕の盛り上がった発育上
に、茶白〔2dc,Natural 〜3dc,Natural〕の気菌糸
を豊富に着生する。溶解性色素は茶色味を帯びる。 (4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、27℃
培養) 無色〜うす黄〔2db,Ivory〕の平坦な発育上に、茶灰
〔3ig,Beige Brown〕の気菌糸をうっすらと着生し、
溶解性色素は茶色味を帯びる。
27℃培養) 無色〜うす黄茶〔3lg,Adobe Brown〕の盛り上がった
発育上に、白〜茶白〔3dc,Natural〕の気菌糸を豊富
に着生する。溶解性色素は暗い茶を呈する。 (6) 栄養寒天培地(27℃培養) 無色の平坦な発育上に、白〜明るい灰〔c, Lt Gray〕の
気菌糸をうっすらと着生し、溶解性色素は茶色を呈す
る。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2、27℃培
養) 無色〜うす黄〔3ca,Pearl Pink〜3ea,Lt Melon Yel
low〕の盛り上がった発育上に、白の気菌糸を着生し、
溶解性色素は茶色味を帯びる。 (8) オートミール寒天培地(ISP−培地3、27℃培
養) 無色〜うす黄〔3ba,Pearl〕の平坦な発育上に、茶灰
〔3ig,Beige Brown〕の気菌糸をうっすらと着生す
る。溶解性色素は茶色味を帯びる。
坦な発育上に、茶灰〔2fe,Covert Gray〜2ih,Dk Co
vert Gray〜3ih,Beige Gray〕の気菌糸をわずかにう
っすらと着生し、溶解性色素は茶色味を帯びる。 (10) ゼラチン穿刺培養 15%単純ゼラチン培地(20℃培養)では、うす黄色の発
育上に、白の気菌糸を着生し、溶解性色素は茶色を呈す
る。グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27℃培養)
の場合、うす黄の発育上に、白の気菌糸を着生し、溶解
性色素は茶色を呈する。 (11) 脱脂牛乳(37℃培養) 発育はうす黄、気菌糸は着生せず、溶解性色素は茶色味
を帯びる。
ースト・エキス 0.2%、ひも寒天3.0%、pH7.0)をもち
いて10℃、20℃、24℃、27℃、30℃、37℃、50℃の各温
度で試験した結果、いずれの温度でも生育する。生育至
適温度は27℃〜30℃付近と思われる。 (2) ゼラチンの液化(15%単純ゼラチン培地、20℃培
養;グルコース・ペプトン・ゼラチン培地、27℃培養) 単純ゼラチン培地においては培養後10日目頃より液化が
認められ、3週間を経過しても完了しなかった。その作
用は弱い方である。グルコース・ペプトン・ゼラチン培
地においては23日間の培養で液化が認められなかった。 (3) スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培地、
ISP−培地4およびスターチ寒天培地、いずれも27℃
培養) いずれの培地においても培養後3日目頃より水解性が認
められ、その作用は強い方である。
乳、37℃培養) 培養後2日目頃より凝固状を呈し、3日目よりペプトン
化が始まった。更にペプトン化は28日間の培養で完了
し、その作用は中等度である。 (5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト・ブ
ロス、ISP−培地1;ペプトン・イースト・鉄寒天培
地、ISP−培地6;チロシン寒天培地、ISP−培地
7;いずれも27℃培養) いずれの培地においても陽性である。 (6) 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天培
地、ISP−培地9、27℃培養) D-グルコース、D-キシロース、L-アラビノース、D-フラ
クトースを利用して発育し、シュクロース、ラムノー
ス、ラフィノースは利用しない。D-マンニトールはおそ
らく利用し、イノシトールはおそらく利用しない。 (7) 硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カリウム含有ペプトン
水、ISP−培地8、27℃培養) 陰性である。
は、その形態上、基生菌糸よりらせん状の気菌糸を伸長
し、輪生枝および胞子のうは認められない。成熟した胞
子鎖には、20〜50個の卵円形の胞子を連鎖し、その表面
は平滑である。種々の培地で、発育はうす黄〜うす黄
茶、気菌糸は白〜茶灰を呈し、溶解性色素は茶色味を帯
びる。生育至適温度は27〜30℃付近である。メラニン様
色素の生成は陽性、蛋白分解力は中等度、スターチの水
解力は強い方である。なお、細胞壁に含まれる2,6−
ジアミノピメリン酸はLL−型であった。
レプトミセス(Streptomyces)属に属すると考えられる。
本MJ492-77F1株はアルボサイクリン(Albocycline,文献
「TheJournal of Antibiotics」A20巻,261−266頁,1
967年)も同時に生産するので、このことより、そのア
ルボサイクリン生産菌を検索した。その結果、ストレプ
トミセス・ブルネオグリセウス(Streptomyces brunneo
griseus)〔文献「TheJournal of Antibiotics」21巻,8
5−90頁,1968年〕およびストレプトミセス・ロゼオク
ロモゲネス亜種アルボサイクリニ(Streptomyces roseo
chromogenessubsp. albocyclini)〔文献「The Journal
of Antibiotics」21巻,85−90頁,1968年〕が未承認菌
株ではあるが近縁の種としてあげられた。そこで、大阪
市の発酵研究所よりこれら2菌株を取り寄せた後、MJ49
2-77F1株と実地に比較検討した。その成績の大要を次の
表1に示す。
ストレプトミセス・ブルネオグリセウスを比較すると、
ISP−7のメラニン様色素の生成およびラフィノース
の利用性を除いて、良く一致した性状を示した。また、
本菌とストレプトミセス・ロゼオクロモゲネス亜種アル
ボサイクリニを比較すると、気菌糸の色調、脱脂牛乳の
凝固およびD-キシロース、シュクロース、ラフィノー
ス、イノシトール、D-マンニトールの利用性が異なって
いた。したがって、MJ492-77F1株はストレプトミセス・
ブルネオグリセウスに最も近縁であると考えられる。そ
こで、MJ492-77F1株をストレプトミセス・ブルネオグリ
セウス(Streptomyces brunneogriseus)MJ492-77F1と
同定した。
工業技術研究所に寄託申請し、平成6年12月12日、FERM
P-14698として受託された。
説明する。本発明の方法では、ピリダジン−3−カルボ
ン酸生産菌を、この菌が利用できる栄養源を含む培地に
接種し、さらに培養に好適な条件下で培養する。
の栄養源として通常使用されるものならば使用し得る。
例えば、炭素源、窒素源、無機塩などの資化できるもの
を栄養源として使用できる。具体的には、ブドウ糖、ガ
ラクトース、グリセリン、麦芽糖、蔗糖、糖蜜、デキス
トリン、澱粉などの炭水化物や、大豆油、落花生油など
の炭素源、ならびにペプトン、肉エキス、綿実粉、大豆
粉、魚粉、酵母エキス、カゼイン、コーン・スティープ
リカー、NZ−アミン、硫酸アンモニウム、硝酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウムなどの窒素源が使用でき、ま
たリン酸第二カリウム、リン酸ナトリウム、食塩、炭酸
カルシウム、硫酸マグネシウム、などの無機塩が使用で
きる。また、必要により微量金属塩、例えば、コバル
ト、鉄、ニッケル、マンガンなどの各種金属の塩類を添
加することができる。
制約されるものではなく、使用するピリダジン−3−カ
ルボン酸生産菌にとっての最適の栄養源の組成及び配合
割合とすればよい。また、上記の栄養源からなる栄養培
地は、培養に先立ち殺菌するのがよい。そして培地のpH
を6〜8の範囲、特にpH6.5〜7.5の範囲に調節するのが
有利である。
グリセリン 20g、デキストリン 20g、酵母エキス 3
g、バクトソイトン(ディフコ社製の大豆ペプトンの商
品名)10g、硫酸アンモニウム 2gおよび炭酸カルシ
ウム 2gを1000mlの蒸留水に溶解後、pH7.4に調整した
液体培地が挙げられる。
カルボン酸生産菌の培養は、一般の放線菌などによる抗
生物質の製造において通常使用されている方法に準じて
行うことができる。そして本発明の方法でも、液体培地
中で好気的条件下に培養することが好適であり、通常、
攪拌及び/または通気しながら行う。
養、振とう培養、通気攪拌を伴う液体培養のいずれも使
用できるが、振とう培養がピリダジン−3−カルボン酸
の大量生産に適している。培養温度は、ピリダジン−3
−カルボン酸の生産菌の生育が実質的に阻害されず、当
該物質を生産し得る範囲であれば、特に制限されるもの
ではなく、使用する生産菌株に応じて適宜選択できる
が、特に好ましいのは25〜35℃の範囲内である。
産菌株などにより異なるが、通常120〜192時間(5〜8
日間)の培養で目的のピリダジン−3−カルボン酸を得
ることができる。このようにして、培養物中に蓄積され
たピリダジン−3−カルボン酸は酸性条件下にn−ブタ
ノールなど適当な水非混和性有機溶媒による溶媒抽出法
や、活性炭、ダイヤイオンHP20などの吸着樹脂あるいは
逆相系シリカゲルを用いた吸脱着または逆相クロマトグ
ラフィー、陽イオンまたは陰イオン交換体を用いたイオ
ン交換あるいはイオン排除クロマトグラフィー、シリカ
ゲルまたはセルロースを担体とした吸着分配クロマトグ
ラフィーを単独またはこれらを組み合わせて使用するこ
とにより、単離精製して採取することができる。
ボン酸は、適当な無機塩基と常法で反応させてアンモニ
ウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩の形態に転
化させることができ、そのような塩の形でも使用しう
る。
て、かつ環境汚染に問題のないピリダジン−3−カルボ
ン酸の工業的に有利な製造法を提供することができる。
に詳細に説明する。実施例1 ピリダジン−3−カルボン酸生産菌であるストレプトミ
セス・ブルネオグリセウス(Streptomyces brunneogrise
us)MJ492-77F1株(FERM P-14698)を液体培地、すなわ
ち、グリセリン 20g、デキストリン 20g、酵母エキス
3g、バクトソイトン 10g、硫酸アンモニウム 2g
および炭酸カルシウム 2gを蒸留水1000mlに溶解後
に、1N−NaOHでpH7.4に調整した液体培地2リットル
(500mlロータリーフラスコ18本に各110mlずつ分注)に植
菌し、振とう培養法により27℃で7日間(168時間)培養
した。
にメタノール1リットル加え、攪拌後、遠心分離により
菌体とろ液に分けた。菌体は500mlのメタノールを加え
て浸漬抽出した。得られた菌体メタノール抽出液と培養
ろ液とを合わせて、その合併した液から減圧下にメタノ
ールを留去し、液量を500mlに濃縮した。
つの酢酸エチルで3回(合計量1500ml)、次いで500mlず
つのn−ブタノールで3回(合計量1500ml)抽出した。
それぞれの有機溶媒抽出液の各々及び水性抽残液画分を
減圧下に濃縮乾固すると、酢酸エチル抽出画分、n−ブ
タノール抽出画分および水溶液抽残画分の3画分を得
た。これら3画分についてピリダジン−3−カルボン酸
の有無を検出する試験を行った。
ルボン酸の検出は、次のように行った。すなわち、抗菌
抗カビ性抗生物質であるアルボサイクリンを各画分に加
え、さらに前記の試験例1に示すようにピリダジン−3
−カルボン酸が共存するとアルボサイクリンのイネ馬鹿
苗病菌に対する抗菌活性が増大することを利用したピリ
ダジン−3−カルボン酸の検出法を指標として行った。
上記の検定法によると、ピリダジン−3−カルボン酸の
活性は水溶液抽残画分にのみ現れた。
ム(4.5cmφ×33cm)に吸着させ、カラムを水洗後に20%
メタノール(1リットル)、40%メタノール(1リット
ル)、60%メタノール(1リットル)で順次溶出した。
ルを合わせてCM−セファデックス(H+)(4.5cmφ×25c
m)のカラムを通過させ、塩基性物質を除去した。素通り
画分を次にDEAE−セファデックス(酢酸型)カラム(3.5c
mφ×21cm)に吸着させ、カラムを水洗後、酢酸の濃度
を10%,20%,30%,40%および50%と順次に上げなが
ら溶出した。その結果、活性物質は、30%酢酸溶出画分
に溶出された。この活性画分を、再度、DEAE−セファデ
ックス(酢酸型)カラム(3cmφ×35cm)に吸着させ、酢
酸濃度を10%から2%ずつ段階的に上げながら溶出を行
うと、活性物質は18%と20%酢酸溶出画分に溶出され
た。これらの活性画分を、n−ブタノール−酢酸−水(1
00:1:1)を展開溶媒系とするシリカゲルカラム(メル
ク社製 No.7734,3cmφ×23cm)で精製することによ
り、ほぼ純粋なピリダジン−3−カルボン酸の290.3mg
を得た。さらに、これをメタノール中で再結晶化すると
ピリダジン−3−カルボン酸が無色針状結晶として268.
9mg得られた。
ピリダジン−3−カルボン酸の標品とNMR,MSなど
の機器分析データおよびシリカゲルTLC上のRf値で
比較することにより行い、ピリダジン−3−カルボン酸
であることが確認できた。
Claims (2)
- 【請求項1】 ストレプトミセス属に属するピリダジン
−3−カルボン酸生産菌を培養し、その培養物よりピリ
ダジン−3−カルボン酸を採取することを特徴とする、
ピリダジン−3−カルボン酸の製造法。 - 【請求項2】 ピリダジン−3−カルボン酸を産生する
特性を持ち、かつ後記する菌学的特徴を有するストレプ
トミセス・ブルネオグリセウス(Streptomyces brunneogri
seus)MJ492-77F1菌株。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7216895A JPH0956388A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | ピリダジン−3−カルボン酸の製造法とその使用生産菌 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7216895A JPH0956388A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | ピリダジン−3−カルボン酸の製造法とその使用生産菌 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0956388A true JPH0956388A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16695604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7216895A Pending JPH0956388A (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | ピリダジン−3−カルボン酸の製造法とその使用生産菌 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0956388A (ja) |
-
1995
- 1995-08-25 JP JP7216895A patent/JPH0956388A/ja active Pending
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