JPH095587A - 光ファイバ素線 - Google Patents

光ファイバ素線

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JPH095587A
JPH095587A JP7153697A JP15369795A JPH095587A JP H095587 A JPH095587 A JP H095587A JP 7153697 A JP7153697 A JP 7153697A JP 15369795 A JP15369795 A JP 15369795A JP H095587 A JPH095587 A JP H095587A
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JP
Japan
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optical fiber
primary coating
bare
coating material
coating layer
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Application number
JP7153697A
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English (en)
Inventor
Keiji Ohashi
圭二 大橋
Akira Murata
暁 村田
Shinji Araki
真治 荒木
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C25/00Surface treatment of fibres or filaments made from glass, minerals or slags
    • C03C25/10Coating
    • C03C25/104Coating to obtain optical fibres
    • C03C25/1065Multiple coatings

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバ裸線と一次被覆材との間の密着力
が適度で、しかも水中に長期間浸漬されても光ファイバ
裸線と一次被覆材との界面が部分的に剥離することがな
く、光ファイバの伝送損失の増加を防止することが可能
な光ファイバ素線の提供。 【構成】 光ファイバ裸線4の外周表面に一次被覆層2
5が形成されてなる光ファイバ素線において、上記光フ
ァイバ裸線4と上記一次被覆層25をなす一次被覆材と
の間の密着力がこれら光ファイバ裸線4と一次被覆材と
の界面の引抜力で90g/mm以上180g/mm以下
である光ファイバ素線20。 【効果】 部分的剥離や部分的膨れに起因して光ファイ
バ素線が側方に曲げられたり、長手方向に不均一なマイ
クロベンドを受けることが低減されるので、光ファイバ
の伝送損失が増加するのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバケーブル内に
収納される光ファイバテープ心線に用いられる光ファイ
バ素線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光ファイバを光ファイバケーブ
ル内に高密度に収納するために、複数本の光ファイバ素
線をテープ状に一体化した光ファイバテープ心線を複数
枚束ねた状態でスペーサのスロットに収納し、さらにこ
のスロットをシース内に収納し、光ファイバケーブルを
構成する方法が行われている。また、この光ファイバケ
ーブルにおいては、シース内の空隙に緩衝材であるジェ
リー(鉱油系粘稠物質)が充填されている。
【0003】図4は、このような光ファイバケーブルに
用いられる光ファイバテープ心線であり、図中符号1
は、光ファイバテープ心線である。この光ファイバテー
プ心線1は、光ファイバ素線2を複数本平行に並べて紫
外線硬化型樹脂からなる一括被覆層3にて被覆してなる
もので、その断面形状は平坦となっている。上記光ファ
イバ素線2は、光ファイバ裸線4の外周表面に紫外線硬
化型樹脂からなる一次被覆層5を形成し、さらにこれの
外周表面に着色紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層6
を形成してなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の光フ
ァイバ素線2にあっては、光ファイバ裸線4と一次被覆
層5との間の密着力が小さいと、光ファイバ裸線4と一
次被覆層5との界面が部分的に剥離し、低温時などにお
いて光ファイバ素線2は側方に曲げられてマイクロベン
ドを受け、光ファイバの伝送損失が増加し易い。また、
上述のケーブル内に破損等により水が侵入したりするな
どの不測の事態が生じた場合に水中に長期間浸漬される
と、光ファイバ裸線4と一次被覆層5との界面が部分的
に剥離し、この剥離した部分に水分が溜り、部分的膨れ
(ブリスタ)が生じることがあった。このような部分的
膨れが光ファイバ素線2にあると、該光ファイバ素線2
は常温時などにおいてもその長手方向に不均一なマイク
ロベンドを受け、光ファイバの伝送損失が大きく増加し
てしまうという不都合があった。一方、光ファイバ裸線
4と一次被覆層5との間の密着力が大き過ぎると、上述
の光ファイバテープ心線1を他の光ファイバと接続する
際、一括被覆層3と二次被覆層6と一次被覆層5を一括
被覆除去して光ファイバ裸線4を口出しするのが困難
で、ストリッパビリティにおいて問題があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、光ファイバ裸線と一次被覆材との間の密着力が適度
で、しかも水中に長期間浸漬されても光ファイバ裸線と
一次被覆材との界面が部分的に剥離することがなく、光
ファイバの伝送損失の増加を防止することが可能な光フ
ァイバ素線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
光ファイバ素線にあっては、光ファイバ裸線の外周表面
が一次被覆材で被覆されてなる光ファイバ素線におい
て、上記光ファイバ裸線と上記一次被覆材との間の密着
力をこれら光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜
力で90g/mm以上180g/mm以下としたことを
特徴とする。請求項2記載の光ファイバ素線にあって
は、上記請求項1記載の光ファイバ素線において、上記
一次被覆材の合成に用いられるモノマー中に、ボロニル
系アクリレート、アクリルアミド、アルコール系アクリ
レートのうちから選択される一種または二種以上の密着
性モノマーが添加されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の光ファイバ素線にあっては、光ファイ
バ裸線と一次被覆材との間の密着力がこれら光ファイバ
裸線と一次被覆材との界面の引抜力で90g/mm以上
180g/mm以下としたことにより、上記光ファイバ
裸線と上記一次被覆材との間の密着力が適度となるの
で、上記光ファイバ裸線と上記一次被覆材との界面が部
分的に剥離することがない。また、この光ファイバ素線
を用いた光ファイバテープ心線を他の光ファイバと接続
する際、一括被覆除去が可能である。さらに、本発明の
光ファイバ素線を用いた光ファイバケーブルの内部に破
損等により水が侵入したりするなどの不測の事態が生じ
た場合に水中に長期間浸漬されても、上記光ファイバ裸
線と上記一次被覆材との界面が部分的に剥離することが
ないので、この剥離した部分に水分が溜ることがなく、
よって部分的膨れが生じることがない。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。本発明者
は、光ファイバ裸線と一次被覆材との間の密着力が適度
で、しかも水中に長期間浸漬されても光ファイバ裸線と
一次被覆材との界面が部分的に剥離することがなく、光
ファイバの伝送損失が増加しないようにするため、特
に、光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜力に着
目し、種々の検討及び実験を重ねた。その結果を図1に
示す。図1は、光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の
引抜力(g/mm)と、60℃の温水中に一ヶ月間浸漬
後の光ファイバのロス増(dB/km)と、一括被覆除
去性との関係を示したグラフであり、図1中実線は光フ
ァイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜力(g/mm)
と、60℃の温水中に一ヶ月間浸漬後の光ファイバのロ
ス増(dB/km)との関係を示すものであり、破線は
光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜力(g/m
m)と、一括被覆除去性との関係を示すものである。
【0009】ここでの引抜力(g/mm)の測定は以下
のようにして行ったものである。まず、各種の光ファイ
バ素線12を用意した。これらの光ファイバ素線12
は、光ファイバ裸線4の外周表面に一次被覆層15を形
成する際、一次被覆材の紫外線硬化型樹脂の合成に用い
るモノマー中に密着性モノマーが添加されたものを使用
し、その際、この密着性モノマーの種類ならびに添加割
合を変更したもの、あるいは密着性モノマーを添加しな
いようにしたものである。ついで、用意した各種の光フ
ァイバ素線12について以下の手順によりそれぞれ引抜
力(g/mm)を測定した。 ここでは、まず、図2に
示すように長さ5cmの光ファイバ素線12の一方の端
面から5mmの位置の一次被覆層15の全周に渡って切
り込み16を入れ、上記端面から切り込み16を入れた
位置までをV溝17が形成されたゴム製シート18を用
いて挟んで固定し、光ファイバ素線12の他端を引張試
験機のチャックに固定し、引張速度10mm/分で光フ
ァイバ裸線4から一次被覆層15を引き抜き、チャック
に接続されているロードセルにより引き抜きにかかる荷
重を測定した。ここで用いたゴム製シート18は、光フ
ァイバ素線の長手方向に沿った長さL1が5mmのもの
であった。ついで、一次被覆層15を1mm引き抜く場
合の荷重を算出し、これを引抜力(g/mm)とした。
【0010】また、光ファイバのロス増は、上述の各種
の光ファイバ素線12をそれぞれ1km束取りし、60
℃の温水中に一ヶ月間浸漬後のロス(dB/km)と温
水中に浸漬前のロス(dB/km)をOTDRを用いて
測定し、温水中に浸漬後と浸漬前のロスの差をロス増
(dB/km)とした。測定の際の測定波長は、1.5
5μmであった。
【0011】また、ここでの一括被覆除去性は、上述の
各種の光ファイバ素線12を同種類ごどに複数本平行に
並べて紫外線硬化型樹脂からなる一括被覆層にて被覆す
ることにより、各種の光ファイバテープ心線を形成し、
ついで、これら光ファイバテープ心線をそれぞれ3m束
取りし、60℃の温水中に1ヶ月間浸漬した後、取り出
し、一括被覆層と一次被覆層15とを一括被覆除去して
光ファイバ裸線4を口出しできるかどうかを調べること
により行った。図1に示したグラフの縦軸において、良
は一括被覆除去できたもの、悪は一括被覆除去ができな
かったものを示す。
【0012】図1の光ファイバ裸線と一次被覆材との界
面の引抜力(g/mm)と、60℃の温水中に一ヶ月間
浸漬後の光ファイバのロス増(dB/km)との関係を
示す実線から、光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の
引抜力(g/mm)が90g/mm以上では、光ファイ
バのロス増(dB/km)がなく、伝送損失の増加を防
止できることが判る。また、図1の光ファイバ裸線と一
次被覆材との界面の引抜力(g/mm)と、一括被覆除
去性との関係を示す破線から、光ファイバ裸線と一次被
覆材との界面の引抜力(g/mm)が180g/mm以
下では一括被覆層と一次被覆層15とを一括被覆除去し
て光ファイバ裸線4を口出しでき、一括被覆除去性が良
好であることが判る。
【0013】従って、光ファイバ裸線の外周表面が一次
被覆材で被覆されてなる光ファイバ素線において、光フ
ァイバ裸線と一次被覆材との間の密着力が光ファイバ裸
線と一次被覆材との界面の引抜力で90g/mm以上1
80g/mm以下とすれば、この光ファイバ素線を用い
た光ファイバテープ心線を他の光ファイバと接続する
際、一括被覆除去が可能であるので、光ファイバ裸線と
一次被覆材との間の密着力が適度であり、水中に長期間
浸漬されても伝送損失の増加を防止できる。
【0014】次に、本発明の光ファイバ素線の一例を説
明する。図3は、本発明の光ファイバ素線の一例を示し
た断面図であり、図3中符号20は実施例の光ファイバ
素線である。図3に示した光ファイバ素線20が、図4
に示した光ファイバ素線2と異なるところは、光ファイ
バ裸線4と一次被覆層25をなす一次被覆材との間の密
着力が光ファイバ裸線4と一次被覆材との界面の引抜力
で90g/mm以上180g/mm以下とした点であ
る。
【0015】また、光ファイバ裸線4と一次被覆材との
界面の引抜力は、好ましくは90g/mm以上〜250
g/mm以下、より好ましくは90g/mm以上〜18
0g/mm以下とされる。引抜力が90g/mm未満で
あると、光ファイバ素線を用いた光ファイバケーブルの
内部に破損等により水が侵入したりするなどの不測の事
態が生じた場合に水中に長期間浸漬されると、光ファイ
バ裸線と一次被覆層との界面が部分的に剥離し、この剥
離した部分に水分が溜り、部分的膨れが生じ、この部分
的膨れに起因して光ファイバ素線がその長手方向に不均
一なマイクロベンドを受け、伝送損失が大きく増加して
しまう。一方、引抜力が180g/mmを超えると、光
ファイバ裸線と一次被覆層との間の密着力が大き過ぎ
て、光ファイバ素線を用いた光ファイバテープ心線を他
の光ファイバと接続する際、一括被覆層と二次被覆層と
一次被覆層を一括被覆除去して光ファイバ裸線を口出し
するのが困難で、ストリッパビリティが悪くなってしま
う。
【0016】光ファイバ裸線4と一次被覆層25をなす
一次被覆材との界面の引抜力を90g/mm以上180
g/mm以下とするには、例えば、光ファイバ裸線4の
外周表面に一次被覆層25を形成する際、一次被覆材の
紫外線硬化型樹脂の合成に用いられるモノマー中に密着
性モノマーが添加されたものを用い、該密着性モノマー
の添加量を調整することによって、引抜力が上記範囲に
なるようにする。ここでの密着性モノマーとしては、ボ
ロニル系アクリレート、アルコール系アクリレート、お
よびアクリルアミドのうちから選択される一種または二
種以上のものが用いられる。一次被覆材の合成に用いら
れるモノマー中の密着性モノマー以外の他のモノマーと
しては、ビニルモノマーやラウリルアクリレートなどが
用いられる。
【0017】例えば、密着性モノマーとしてイソボロニ
ルアクリレートが用られる場合、他のモノマーの種類に
もよるが、一次被覆材の合成に用られるモノマー100
重量%中30〜10重量%程度添加されていることが好
ましい。イソボロニルアクリレートの添加量が10重量
%未満であると密着力が低下し剥離を生じるという不都
合が生じる恐れがあり、一方、30重量%を超えると密
着力が大き過ぎて一括被覆除去性が劣るからである。
【0018】また、密着性モノマーとしてアクリルアミ
ドが用いられる場合、他のモノマーの種類にもよるが、
一次被覆材の合成に用られるモノマー100重量%中2
5〜5重量%程度添加されていることが好ましい。アク
リルアミドの添加量が5重量%未満であると密着力が低
下し剥離を生じるという不都合が生じる恐れがあり、一
方、25重量%を超えると密着力が大き過ぎて一括被覆
除去性が劣るからである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を、実施例および比較例によ
り、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。 (実施例1)まず、ウレタンアクリレート系紫外線硬化
型樹脂の合成に用いられるモノマー100重量%中に密
着性モノマーとしてイソボロニルアクリレートが24重
量%添加されたものを用い、これらのモノマーを重合さ
せることによりウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹
脂液を調製し、この樹脂液を第一コーティングダイスに
満たした。ついで、紡糸炉で溶融紡糸して得られた外径
125μmのシングルモード光ファイバ裸線を先に調製
したウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂液が満た
された第一コーティングダイスに挿通し、外径250μ
mの一次被覆層を形成し、さらに通常のウレタンアクリ
レート系の着色紫外線硬化型樹脂液が満たされた第二の
コーティングダイスに挿通して二次被覆層を形成し、外
径260μmの図3と同様の光ファイバ素線を作製し
た。
【0020】(実施例2)密着性モノマーの添加量を1
9重量%とした以外は上記実施例1と同様にして光ファ
イバ素線を得た。
【0021】(実施例3)密着性モノマーとして下記一
般式(i)で表されるアクリルアミドを用いた以外は上
記実施例1と同様にして光ファイバ素線を得た。 (式中、Rはアルキル基を表す。)
【0022】(実施例4)密着性モノマーの添加量を1
9重量%とした以外は上記実施例3と同様にして光ファ
イバ素線を得た。
【0023】(比較例1)密着性モノマーの添加量を8
重量%とした以外は上記実施例1と同様にして光ファイ
バ素線を得た。
【0024】(比較例2)密着性モノマーの添加量を3
2重量%とした以外は上記実施例3と同様にして光ファ
イバ素線を得た。
【0025】そして、上記実施例1〜4および比較例1
〜2で得られた光ファイバ素線のそれぞれについて光フ
ァイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜力(g/m
m)、温水浸漬後の光ファイバのロス増(dB/km)
と、温水浸漬後の光ファイバ裸線と一次被覆材との界面
の剥離の有無、一括被覆除去性について調べた。その結
果を下記表1に示す。
【0026】ここでの引抜力(g/m)は上述の方法と
同様にして測定した。また、光ファイバのロス(dB/
km)は、実施例1〜4および比較例1〜2で得られた
光ファイバ素線をそれぞれ1km束取りし、60℃の温
水中に一ヶ月間浸漬後のロス(dB/km)をOTDR
を用いて測定した。測定の際の測定波長は、1.55μ
mであった。また、界面の剥離の有無は、実施例1〜4
および比較例1〜2で得られた光ファイバ素線をそれぞ
れ3m束取りし、60℃の温水中に1ヶ月間浸漬した
後、光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の部分的剥離
の有無を調べることにより行った。また、ここでの一括
被覆除去性は、実施例1〜4および比較例1〜2で得ら
れた光ファイバ素線を用いて各種の光ファイバテープ心
線を形成し、ついで、これら光ファイバテープ心線をそ
れぞれ3m束取りし、60℃の温水中に1ヶ月間浸漬し
た後、取り出し、一括被覆層と二次被覆層と一次被覆層
とを一括被覆除去して光ファイバ裸線を口出しできるか
どうかを調べることにより行った。
【0027】
【表1】
【0028】表1中、一括被覆除去性の欄において、○
は一括被覆除去できたもの、×は一括被覆除去ができな
かったものを示す。
【0029】上記表1に示した結果から明らかなよう
に、比較例1の光ファイバ素線は、光ファイバ裸線と一
括被覆層との密着力が小さすぎて、60℃温水中に一ヶ
月浸漬後に光ファイバ裸線と一次被覆層との界面に部分
的剥離が生じており、ロス(伝送損失)が0.35dB
/kmと大きく伝送特性が不良であり、また、比較例2
の光ファイバ素線は、光ファイバ裸線と一括被覆層との
密着力が大きすぎて、この光ファイバ素線を用いた光フ
ァイバテープ心線の一括被覆除去が不可能であることが
わかる。これに比べて実施例1〜4の光ファイバ素線
は、光ファイバ裸線と一次被覆層との間の密着力が適度
で、しかも60℃温水中に一ヶ月浸漬されても光ファイ
バ裸線と一次被覆層との界面に部分的剥離が生じておら
ず、光ファイバのロス(伝送損失)が0.20dB/k
m以下と実用上問題のない値であり、伝送特性が良好で
あることがわかる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
素線は、光ファイバ裸線と一次被覆材との間の密着力が
これら光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜力で
90g/mm以上180g/mm以下としたものである
ので、上記光ファイバ裸線と上記一次被覆材との間の密
着力が適度となり、上記光ファイバ裸線と上記一次被覆
材との界面が部分的に剥離することがなく、また、この
光ファイバ素線を用いた光ファイバテープ心線を他の光
ファイバと接続する際、一括被覆除去が可能で、ストリ
ッパビリティが良好である。さらに、この光ファイバ素
線を用いた光ファイバケーブルの内部に破損等により水
が侵入したりするなどの不測の事態が生じた場合に水中
に長期間浸漬されても、上記光ファイバ裸線と上記一次
被覆材との界面が部分的に剥離することがないので、こ
の剥離した部分に水分が溜ることがなく、よって部分的
膨れが生じることがない。従って、部分的剥離や部分的
膨れに起因して光ファイバ素線が側方に曲げられたり、
長手方向に不均一なマイクロベンドを受けることが低減
されるので、光ファイバの伝送損失が増加するのを防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ファイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜
力(g/mm)と、60℃の温水中に一ヶ月間浸漬後の
光ファイバのロス増(dB/km)と、一括被覆除去性
との関係を示したグラフである。
【図2】 引抜力(g/mm)の測定方法を説明するた
めの図であり、(A)は光ファイバの長手方向に沿った
断面図、(B)は光ファイバの長手方向と直交する方向
に沿った断面図である。
【図3】 本発明の光ファイバ素線の一例を示した断面
図である。
【図4】 従来の光ファイバ素線を用いた光ファイバテ
ープ心線を説明するための断面図である。
【符号の説明】
4・・・光ファイバ裸線、25・・・一次被覆層、6・・・二次
被覆層、20・・・光ファイバ素線。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ裸線の外周表面が一次被覆材
    で被覆されてなる光ファイバ素線において、上記光ファ
    イバ裸線と上記一次被覆材との間の密着力がこれら光フ
    ァイバ裸線と一次被覆材との界面の引抜力で90g/m
    m以上180g/mm以下であることを特徴とする光フ
    ァイバ素線。
  2. 【請求項2】 上記一次被覆材の合成に用いられるモノ
    マー中に、ボロニル系アクリレート、アクリルアミド
    系、アルコール系アクリレートのうちから選択される一
    種または二種以上の密着性モノマーが添加されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ファイバ素線。
JP7153697A 1995-06-20 1995-06-20 光ファイバ素線 Pending JPH095587A (ja)

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