JPH0953635A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents
回転速度検出装置付転がり軸受ユニットInfo
- Publication number
- JPH0953635A JPH0953635A JP20307995A JP20307995A JPH0953635A JP H0953635 A JPH0953635 A JP H0953635A JP 20307995 A JP20307995 A JP 20307995A JP 20307995 A JP20307995 A JP 20307995A JP H0953635 A JPH0953635 A JP H0953635A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fixed
- wheel
- tone wheel
- light
- rolling bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 光を透過する為の透孔18を多数形成すべ
く、トーンホイール21を薄肉金属板で造った場合に
も、このトーンホイール21を内輪部材5に対し確実に
嵌合固定できる様にする。 【構成】 トーンホイール21を構成する薄肉金属板の
一部を180度折り返す事により、円筒状の固定部23
を構成する。この固定部23の端部に第一、第二の折れ
曲がり部24、25を、互いに同一平面上に位置させて
形成する。上記固定部23を内輪部材5に外嵌する際に
は、これら両折れ曲がり部24、25に押し込み治具の
端面を突き当てる。
く、トーンホイール21を薄肉金属板で造った場合に
も、このトーンホイール21を内輪部材5に対し確実に
嵌合固定できる様にする。 【構成】 トーンホイール21を構成する薄肉金属板の
一部を180度折り返す事により、円筒状の固定部23
を構成する。この固定部23の端部に第一、第二の折れ
曲がり部24、25を、互いに同一平面上に位置させて
形成する。上記固定部23を内輪部材5に外嵌する際に
は、これら両折れ曲がり部24、25に押し込み治具の
端面を突き当てる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に回
転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出す
る為に利用する。
付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に回
転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出す
る為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム
(ABS)、或はトラクションコントロールシステム
(TCS)を制御すべく、この車輪の回転速度を検出す
る為の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットとして、
従来から種々の構造のものが知られている。この様な回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットに組み込まれる回
転速度検出装置は何れも、車輪と共に回転するトーンホ
イールと、このトーンホイールの回転速度に比例した周
波数で変化する出力信号を出すセンサとを備える。トー
ンホイール及びセンサの種類に就いては、従来から種々
知られている。
在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム
(ABS)、或はトラクションコントロールシステム
(TCS)を制御すべく、この車輪の回転速度を検出す
る為の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットとして、
従来から種々の構造のものが知られている。この様な回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットに組み込まれる回
転速度検出装置は何れも、車輪と共に回転するトーンホ
イールと、このトーンホイールの回転速度に比例した周
波数で変化する出力信号を出すセンサとを備える。トー
ンホイール及びセンサの種類に就いては、従来から種々
知られている。
【0003】図5は、このうちの特開平3−6458号
公報に記載された構造を示している。回転輪を構成する
ハブ1の外端部(外とは車両への組み付け状態で車両の
幅方向外となる側を言い、図7を除く各図の左)外周面
には、車輪を固定する為のフランジ部2を形成し、第二
の周面である中間部外周面には、回転側軌道面である内
輪軌道3aと段部4とを形成している。又、このハブ1
の外周面には、やはり第二の周面であるその外周面に回
転側軌道面である内輪軌道3bを形成した、やはり回転
輪を構成する内輪部材5を、その外端面を上記段部4に
突き当てた状態で外嵌支持している。
公報に記載された構造を示している。回転輪を構成する
ハブ1の外端部(外とは車両への組み付け状態で車両の
幅方向外となる側を言い、図7を除く各図の左)外周面
には、車輪を固定する為のフランジ部2を形成し、第二
の周面である中間部外周面には、回転側軌道面である内
輪軌道3aと段部4とを形成している。又、このハブ1
の外周面には、やはり第二の周面であるその外周面に回
転側軌道面である内輪軌道3bを形成した、やはり回転
輪を構成する内輪部材5を、その外端面を上記段部4に
突き当てた状態で外嵌支持している。
【0004】又、ハブ1の内周面にはスプライン溝6を
形成している。このスプライン溝6には、図示しない等
速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸を係合させ
て、上記ハブ1を回転駆動自在としている。尚、車両へ
の組み付け状態で上記内輪部材5の内端面(内とは車両
への組み付け状態で車両の幅方向中央となる側を言い、
図7を除く各図の右)は、上記等速ジョイントの肩部に
当接して、ハブ1の外周面からの緩み止めを図られる。
形成している。このスプライン溝6には、図示しない等
速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸を係合させ
て、上記ハブ1を回転駆動自在としている。尚、車両へ
の組み付け状態で上記内輪部材5の内端面(内とは車両
への組み付け状態で車両の幅方向中央となる側を言い、
図7を除く各図の右)は、上記等速ジョイントの肩部に
当接して、ハブ1の外周面からの緩み止めを図られる。
【0005】一方、ハブ1の周囲に配置された、固定輪
である外輪相当部材7の中間部外周面には、この外輪相
当部材7を懸架装置に固定する為の取付部8を設けてい
る。又、第一の周面である、この外輪相当部材7の内周
面には、それぞれが上記各内輪軌道3a、3bに対向す
る、固定側軌道面である外輪軌道9a、9bを形成して
いる。そして、これら各内輪軌道3a、3bと外輪軌道
9a、9bとの間に、それぞれ複数ずつの転動体10、
10を設けて、上記外輪相当部材7の内側でのハブ1の
回転を自在としている。
である外輪相当部材7の中間部外周面には、この外輪相
当部材7を懸架装置に固定する為の取付部8を設けてい
る。又、第一の周面である、この外輪相当部材7の内周
面には、それぞれが上記各内輪軌道3a、3bに対向す
る、固定側軌道面である外輪軌道9a、9bを形成して
いる。そして、これら各内輪軌道3a、3bと外輪軌道
9a、9bとの間に、それぞれ複数ずつの転動体10、
10を設けて、上記外輪相当部材7の内側でのハブ1の
回転を自在としている。
【0006】又、上記外輪相当部材7の両端部内周面
と、ハブ1及び内輪部材5の外周面との間には、シール
リング11、11を装着して、外輪相当部材7の内周面
と上記ハブ1の外周面との間に存在し、上記複数の転動
体10、10を設けた空間の両端開口部を塞いでいる。
と、ハブ1及び内輪部材5の外周面との間には、シール
リング11、11を装着して、外輪相当部材7の内周面
と上記ハブ1の外周面との間に存在し、上記複数の転動
体10、10を設けた空間の両端開口部を塞いでいる。
【0007】上記ハブ1の中間部外周面で、2列に亙っ
て設けられた転動体10、10の間部分には、磁性材に
より円環状に造られたトーンホイール12を外嵌固定し
ている。このトーンホイール12の外周面には歯車状の
凹凸を形成して、円周方向に亙る磁気特性を、交互に、
且つ等ピッチで変化させている。そして、上記外輪相当
部材7を貫通して設けたセンサ13の端面を、上記トー
ンホイール12の外周面に対向させている。このセンサ
13は、永久磁石と、ホール素子或は磁気抵抗素子等の
磁気検出素子とを内蔵して成る。
て設けられた転動体10、10の間部分には、磁性材に
より円環状に造られたトーンホイール12を外嵌固定し
ている。このトーンホイール12の外周面には歯車状の
凹凸を形成して、円周方向に亙る磁気特性を、交互に、
且つ等ピッチで変化させている。そして、上記外輪相当
部材7を貫通して設けたセンサ13の端面を、上記トー
ンホイール12の外周面に対向させている。このセンサ
13は、永久磁石と、ホール素子或は磁気抵抗素子等の
磁気検出素子とを内蔵して成る。
【0008】上述の様に構成される回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットの使用時、ハブ1と共にトーンホイ
ール12が回転すると、このトーンホイール12と対向
するセンサ13内を流れる磁束の密度が変化する。この
結果、このセンサ13を構成する磁気検出素子部分で得
られる信号が、上記ハブ1の回転速度に比例した周波数
で変化する。そこで、上記センサ13の出力信号を図示
しない制御器に入力すれば、上記ハブ1と共に回転する
車輪の回転速度を検出して、ABSやTCSの制御を行
なえる。
転がり軸受ユニットの使用時、ハブ1と共にトーンホイ
ール12が回転すると、このトーンホイール12と対向
するセンサ13内を流れる磁束の密度が変化する。この
結果、このセンサ13を構成する磁気検出素子部分で得
られる信号が、上記ハブ1の回転速度に比例した周波数
で変化する。そこで、上記センサ13の出力信号を図示
しない制御器に入力すれば、上記ハブ1と共に回転する
車輪の回転速度を検出して、ABSやTCSの制御を行
なえる。
【0009】一方、実開平2−101273号公報に
は、図6〜7に示す様な構造の回転速度検出装置付転が
り軸受ユニットが記載されている。この回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットでは、回転輪である内輪14の
外周面に、金属板を断面L字形に折り曲げて全体を円環
状に形成して成るトーンホイール15を外嵌固定してい
る。一方、固定輪である外輪16の内周面には、センサ
17を固定している。このセンサ17は、全体を二又状
に形成され、半導体レーザ、発光ダイオード等の発光器
と、フォトトランジスタ等の受光器とを、上記トーンホ
イール15の外周寄り部分を介して互いに対向させた状
態で設けている。上記トーンホイール15の外周寄り部
分で、上記発光器と受光器との間に位置する部分には複
数の透孔18、18を、間欠的に、且つ互いに等間隔に
設けている。
は、図6〜7に示す様な構造の回転速度検出装置付転が
り軸受ユニットが記載されている。この回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットでは、回転輪である内輪14の
外周面に、金属板を断面L字形に折り曲げて全体を円環
状に形成して成るトーンホイール15を外嵌固定してい
る。一方、固定輪である外輪16の内周面には、センサ
17を固定している。このセンサ17は、全体を二又状
に形成され、半導体レーザ、発光ダイオード等の発光器
と、フォトトランジスタ等の受光器とを、上記トーンホ
イール15の外周寄り部分を介して互いに対向させた状
態で設けている。上記トーンホイール15の外周寄り部
分で、上記発光器と受光器との間に位置する部分には複
数の透孔18、18を、間欠的に、且つ互いに等間隔に
設けている。
【0010】上述の様に構成される回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットの場合、内輪14の回転に伴ってセ
ンサ17の受光器に、間欠的に光が送られる。センサ1
7の受光器に光が送られる時間間隔は、内輪14の回転
速度によって変化する。この為、センサ17からの信号
により、内輪14及びこの内輪14に固定された部材の
回転速度を知る事ができる。
転がり軸受ユニットの場合、内輪14の回転に伴ってセ
ンサ17の受光器に、間欠的に光が送られる。センサ1
7の受光器に光が送られる時間間隔は、内輪14の回転
速度によって変化する。この為、センサ17からの信号
により、内輪14及びこの内輪14に固定された部材の
回転速度を知る事ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する、従来から知られた回転速度検出装置付転がり軸
受ユニットの場合には、自動車の走行速度が或る程度速
ければ良いが、極低速時の検出精度を十分に確保する事
は難しい。この理由は、次の通りである。
用する、従来から知られた回転速度検出装置付転がり軸
受ユニットの場合には、自動車の走行速度が或る程度速
ければ良いが、極低速時の検出精度を十分に確保する事
は難しい。この理由は、次の通りである。
【0012】回転速度検出を確実に行なう為には、セン
サ13の出力を或る程度大きくする必要があるが、図5
に示した従来の第1例の構造でセンサ13の出力を大き
くする為には、このセンサ13内を流れる磁束の密度変
化を大きくしなければならない。センサ13内を流れる
磁束は、トーンホイール12を含んで閉回路を構成する
為、このトーンホイール12とセンサ13の端面との対
向面積を或る程度広くして、トーンホイール12に流れ
る磁束の量を多くする必要がある。そして、この対向面
積を広くする為には、トーンホイール12の外周面に交
互に形成した凹部と凸部との円周方向に亙る長さを或る
程度大きくする必要がある。従って、上記トーンホイー
ル12の外周面に形成する凹凸のピッチをあまり細かく
する事ができない。例えば、図5に示す様な構造でセン
サ13の出力の大きさを十分に実用的なレベルにする為
には、上記凹凸の数を最大でも50程度に抑える必要が
ある。
サ13の出力を或る程度大きくする必要があるが、図5
に示した従来の第1例の構造でセンサ13の出力を大き
くする為には、このセンサ13内を流れる磁束の密度変
化を大きくしなければならない。センサ13内を流れる
磁束は、トーンホイール12を含んで閉回路を構成する
為、このトーンホイール12とセンサ13の端面との対
向面積を或る程度広くして、トーンホイール12に流れ
る磁束の量を多くする必要がある。そして、この対向面
積を広くする為には、トーンホイール12の外周面に交
互に形成した凹部と凸部との円周方向に亙る長さを或る
程度大きくする必要がある。従って、上記トーンホイー
ル12の外周面に形成する凹凸のピッチをあまり細かく
する事ができない。例えば、図5に示す様な構造でセン
サ13の出力の大きさを十分に実用的なレベルにする為
には、上記凹凸の数を最大でも50程度に抑える必要が
ある。
【0013】又、トーンホイールとしては、図5に示す
様な、外周面に歯車状の凹凸を形成したものの他、円環
状に形成された磁性金属板に透孔若しくは切り欠きを形
成したものも従来から知られている。この様なトーンホ
イール内を流れる磁束の量を確保する為には、上記磁性
金属板の板厚を或る程度大きくする必要がある。板厚が
大きな磁性金属板に上記透孔若しくは切り欠きを形成す
るには、打ち抜き加工、或は切削加工によらなければな
らないが、この様な加工方法では、隣り合う透孔若しく
は切り欠きの間隔を極端に短くする事ができない。従っ
て、この様な透孔若しくは切り欠きを有するトーンホイ
ールの場合には、加工上の面からも、これら透孔若しく
は切り欠きの数を50以下に抑える必要がある。
様な、外周面に歯車状の凹凸を形成したものの他、円環
状に形成された磁性金属板に透孔若しくは切り欠きを形
成したものも従来から知られている。この様なトーンホ
イール内を流れる磁束の量を確保する為には、上記磁性
金属板の板厚を或る程度大きくする必要がある。板厚が
大きな磁性金属板に上記透孔若しくは切り欠きを形成す
るには、打ち抜き加工、或は切削加工によらなければな
らないが、この様な加工方法では、隣り合う透孔若しく
は切り欠きの間隔を極端に短くする事ができない。従っ
て、この様な透孔若しくは切り欠きを有するトーンホイ
ールの場合には、加工上の面からも、これら透孔若しく
は切り欠きの数を50以下に抑える必要がある。
【0014】これに対して、自動車が極低速で走行する
場合にも、走行速度を正確に検出する(検出精度を向上
させる)為には、ハブが1回転する間にセンサの出力が
変化する回数を多くする必要がある。例えば、自動車が
歩行速度よりも遥かに遅い速度で動いている場合にもそ
の走行速度を正確に測定する為には、ハブが1回転する
間にセンサの出力が300回若しくはそれ以上変化する
様な回転速度検出装置が必要になる。
場合にも、走行速度を正確に検出する(検出精度を向上
させる)為には、ハブが1回転する間にセンサの出力が
変化する回数を多くする必要がある。例えば、自動車が
歩行速度よりも遥かに遅い速度で動いている場合にもそ
の走行速度を正確に測定する為には、ハブが1回転する
間にセンサの出力が300回若しくはそれ以上変化する
様な回転速度検出装置が必要になる。
【0015】一方、図6〜7に示した従来の第2例の構
造では、トーンホイール15の強度を確保する面から、
このトーンホイール15に形成する透孔18、18の数
を多くする事ができず、低速走行時の測定精度を確保で
きない。即ち、この第2例の構造の場合には、トーンホ
イール15全体を1枚の金属板により形成し、この金属
板を内輪14に外嵌固定している。従って、嵌合固定強
度を確保する必要上、上記金属板として、厚さ寸法が
0.5mm程度以上あるものを使用する必要がある。とこ
ろが、厚さ寸法が0.5mm程度以上ある金属板の場合に
は、加工時の歪みを抑える必要上、上述した様に、隣り
合う透孔若しくは切り欠きの間隔を極端に短くする事が
できない。上記透孔18、18を形成する作業を、プレ
ス加工、或は切削加工によらず、エッチング加工により
行なえば、上記透孔18、18の数を多くできるが、板
厚の大きなトーンホイール15にエッチング加工により
透孔18、18を形成する作業は時間を要し、コスト高
の原因となる為、好ましくない。本発明の回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットは、この様な事情に鑑みて発
明したものである。
造では、トーンホイール15の強度を確保する面から、
このトーンホイール15に形成する透孔18、18の数
を多くする事ができず、低速走行時の測定精度を確保で
きない。即ち、この第2例の構造の場合には、トーンホ
イール15全体を1枚の金属板により形成し、この金属
板を内輪14に外嵌固定している。従って、嵌合固定強
度を確保する必要上、上記金属板として、厚さ寸法が
0.5mm程度以上あるものを使用する必要がある。とこ
ろが、厚さ寸法が0.5mm程度以上ある金属板の場合に
は、加工時の歪みを抑える必要上、上述した様に、隣り
合う透孔若しくは切り欠きの間隔を極端に短くする事が
できない。上記透孔18、18を形成する作業を、プレ
ス加工、或は切削加工によらず、エッチング加工により
行なえば、上記透孔18、18の数を多くできるが、板
厚の大きなトーンホイール15にエッチング加工により
透孔18、18を形成する作業は時間を要し、コスト高
の原因となる為、好ましくない。本発明の回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットは、この様な事情に鑑みて発
明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、前述した従来構造の第2例
の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、第
一の周面に固定側軌道面を有する固定輪と、上記第一の
周面と対向する第二の周面に回転側軌道面を有する回転
輪と、上記固定側軌道面と回転側軌道面との間に転動自
在に設けられた複数の転動体と、トーンホイールと、セ
ンサとを備える。このうちのトーンホイールは、円周方
向に亙って等間隔に配置された複数の光透過部を備え、
上記回転輪に固定される。又、上記センサは、発光器及
び受光器を備えて、上記固定輪に直接或はカバー等他の
部材を介して支持固定される。そして、これら発光器と
受光器とにより、上記トーンホイールの一部で上記光透
過部を両側から挟む。
置付転がり軸受ユニットは、前述した従来構造の第2例
の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、第
一の周面に固定側軌道面を有する固定輪と、上記第一の
周面と対向する第二の周面に回転側軌道面を有する回転
輪と、上記固定側軌道面と回転側軌道面との間に転動自
在に設けられた複数の転動体と、トーンホイールと、セ
ンサとを備える。このうちのトーンホイールは、円周方
向に亙って等間隔に配置された複数の光透過部を備え、
上記回転輪に固定される。又、上記センサは、発光器及
び受光器を備えて、上記固定輪に直接或はカバー等他の
部材を介して支持固定される。そして、これら発光器と
受光器とにより、上記トーンホイールの一部で上記光透
過部を両側から挟む。
【0017】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、上記トーンホイールは、鋼
板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等、エッチン
グ処理が可能で、厚さが0.1〜0.3mm程度の金属薄
板製で全体を円環状に形成されている。このトーンホイ
ールは、固定部と第一、第二の折れ曲がり部とを有す
る。このうちの固定部は、上記金属薄板を180度折り
返す事により円筒状に造られて、上記回転輪の一部に嵌
合固定される。又、上記第一の折れ曲がり部は、この固
定部の一端縁から直径方向片側に直角に折れ曲がって、
上記回転輪の端面に突き当たる。更に、上記第二の折れ
曲がり部は、上記固定部の一端縁から直径方向他側に直
角に折れ曲がっている。上記光透過部を有する被検知部
は、例えばこの第二の折れ曲がり部から連続して、円輪
状若しくは円筒状に形成されている。そして、これら第
一、第二の折れ曲がり部をほぼ同一平面上に位置させて
いる。尚、設置スペースが許せば、上記被検知部を上記
第一の折れ曲がり部から連続させても良い。
軸受ユニットに於いては、上記トーンホイールは、鋼
板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等、エッチン
グ処理が可能で、厚さが0.1〜0.3mm程度の金属薄
板製で全体を円環状に形成されている。このトーンホイ
ールは、固定部と第一、第二の折れ曲がり部とを有す
る。このうちの固定部は、上記金属薄板を180度折り
返す事により円筒状に造られて、上記回転輪の一部に嵌
合固定される。又、上記第一の折れ曲がり部は、この固
定部の一端縁から直径方向片側に直角に折れ曲がって、
上記回転輪の端面に突き当たる。更に、上記第二の折れ
曲がり部は、上記固定部の一端縁から直径方向他側に直
角に折れ曲がっている。上記光透過部を有する被検知部
は、例えばこの第二の折れ曲がり部から連続して、円輪
状若しくは円筒状に形成されている。そして、これら第
一、第二の折れ曲がり部をほぼ同一平面上に位置させて
いる。尚、設置スペースが許せば、上記被検知部を上記
第一の折れ曲がり部から連続させても良い。
【0018】
【作用】上述の様に構成される本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットの場合には、回転輪と共にトー
ンホイールが回転すると、このトーンホイールに形成し
た複数の光透過部が、センサを構成する発光器と受光器
との間を通過する。この為、受光器の検出信号が上記回
転輪の回転速度に比例した周波数で変化する。受光器の
検出信号は、上記発光器と受光器との間に光透過部が存
在する場合と、隣り合う光透過部の間の遮光部が存在す
る場合とで急激に変化する為、上記検出信号の判定は容
易であり、回転速度検出を確実に行なえる。
置付転がり軸受ユニットの場合には、回転輪と共にトー
ンホイールが回転すると、このトーンホイールに形成し
た複数の光透過部が、センサを構成する発光器と受光器
との間を通過する。この為、受光器の検出信号が上記回
転輪の回転速度に比例した周波数で変化する。受光器の
検出信号は、上記発光器と受光器との間に光透過部が存
在する場合と、隣り合う光透過部の間の遮光部が存在す
る場合とで急激に変化する為、上記検出信号の判定は容
易であり、回転速度検出を確実に行なえる。
【0019】又、上記トーンホイールは金属薄板により
造られているので、上記光透過部をエッチング処理によ
り形成する事が容易になる。この為、この光透過部のピ
ッチを細かくして、低速時に於ける回転速度検出の精度
を十分に高くできる。又、トーンホイールは回転輪の一
部に、円筒状の固定部により嵌合固定するが、この固定
部は上記金属薄板を180度折り返す事で形成している
為、十分な強度を有する。この為、0.1〜0.3mm程
度と言った、薄肉の材料によりトーンホイールを造った
場合でも、回転輪に対するこのトーンホイールの嵌合強
度を十分に確保できる。更に、上記固定部を回転輪に嵌
合固定する際には、上記トーンホイールを軸方向に押圧
する必要があるが、この押圧作業は、ほぼ同一平面上に
位置する第一、第二の折れ曲がり部に押圧治具の端面を
突き当てる事で、容易に行なえる。
造られているので、上記光透過部をエッチング処理によ
り形成する事が容易になる。この為、この光透過部のピ
ッチを細かくして、低速時に於ける回転速度検出の精度
を十分に高くできる。又、トーンホイールは回転輪の一
部に、円筒状の固定部により嵌合固定するが、この固定
部は上記金属薄板を180度折り返す事で形成している
為、十分な強度を有する。この為、0.1〜0.3mm程
度と言った、薄肉の材料によりトーンホイールを造った
場合でも、回転輪に対するこのトーンホイールの嵌合強
度を十分に確保できる。更に、上記固定部を回転輪に嵌
合固定する際には、上記トーンホイールを軸方向に押圧
する必要があるが、この押圧作業は、ほぼ同一平面上に
位置する第一、第二の折れ曲がり部に押圧治具の端面を
突き当てる事で、容易に行なえる。
【0020】
【実施例】図1は本発明の第一実施例を示している。回
転輪を構成するハブ1aの外端部外周面には、車輪を固
定する為のフランジ部2を形成し、第二の周面である中
間部外周面には、回転側軌道面である内輪軌道3aと段
部4とを形成している。又、このハブ1aの外周面に
は、やはり第二の周面であるその外周面に回転側軌道面
である内輪軌道3bを形成した、やはり回転輪を構成す
る内輪部材5を、その外端面を上記段部4に突き当てた
状態で外嵌支持している。尚、上記内輪軌道3aは、ハ
ブ1aの外周面に直接形成する代りに、ハブ1aとは別
体の内輪部材(図示せず)に形成し、この内輪部材と上
記内輪部材5とを、ハブ1aに外嵌固定する場合もあ
る。
転輪を構成するハブ1aの外端部外周面には、車輪を固
定する為のフランジ部2を形成し、第二の周面である中
間部外周面には、回転側軌道面である内輪軌道3aと段
部4とを形成している。又、このハブ1aの外周面に
は、やはり第二の周面であるその外周面に回転側軌道面
である内輪軌道3bを形成した、やはり回転輪を構成す
る内輪部材5を、その外端面を上記段部4に突き当てた
状態で外嵌支持している。尚、上記内輪軌道3aは、ハ
ブ1aの外周面に直接形成する代りに、ハブ1aとは別
体の内輪部材(図示せず)に形成し、この内輪部材と上
記内輪部材5とを、ハブ1aに外嵌固定する場合もあ
る。
【0021】又、ハブ1aの内端寄り部分には雄ねじ部
19を形成している。そして、この雄ねじ部19に螺合
し更に緊締したナット20により、上記内輪部材5をハ
ブ1aの外周面の所定部分に固定している。ハブ1aの
周囲に配置された、固定輪である外輪相当部材7の中間
部外周面には、この外輪相当部材7を懸架装置に固定す
る為の取付部8を設けている。又、第一の周面である、
この外輪相当部材7の内周面には、それぞれが上記各内
輪軌道3a、3bに対向する、固定側軌道面である外輪
軌道9a、9bを形成している。そして、これら各内輪
軌道3a、3bと外輪軌道9a、9bとの間に、それぞ
れ複数ずつの転動体10、10を設けて、上記外輪相当
部材7の内側でのハブ1aの回転を自在としている。
尚、図示の例では、転動体10、10として玉を使用し
ているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの
場合には、転動体としてテーパころを使用する事もあ
る。
19を形成している。そして、この雄ねじ部19に螺合
し更に緊締したナット20により、上記内輪部材5をハ
ブ1aの外周面の所定部分に固定している。ハブ1aの
周囲に配置された、固定輪である外輪相当部材7の中間
部外周面には、この外輪相当部材7を懸架装置に固定す
る為の取付部8を設けている。又、第一の周面である、
この外輪相当部材7の内周面には、それぞれが上記各内
輪軌道3a、3bに対向する、固定側軌道面である外輪
軌道9a、9bを形成している。そして、これら各内輪
軌道3a、3bと外輪軌道9a、9bとの間に、それぞ
れ複数ずつの転動体10、10を設けて、上記外輪相当
部材7の内側でのハブ1aの回転を自在としている。
尚、図示の例では、転動体10、10として玉を使用し
ているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの
場合には、転動体としてテーパころを使用する事もあ
る。
【0022】又、上記外輪相当部材7の両端部内周面
と、ハブ1a及び上記内輪部材5に外嵌固定したトーン
ホイール21の基端部外周面との間には、シールリング
11a、11bを装着している。そして、これら両シー
ルリング11a、11bにより、外輪相当部材7の内周
面と上記ハブ1aの外周面との間に存在し、上記複数の
転動体10、10を設けた空間の両端開口部を塞いでい
る。特に、上記外輪相当部材7の内端部内周面と上記ト
ーンホイール21の外端部外周面との間に設けたシール
リング11bは、上記転動体10、10設置部分に存在
するグリースが、このトーンホイール21及び後述する
センサを包埋した合成樹脂30部分に入り込む事を防止
する。
と、ハブ1a及び上記内輪部材5に外嵌固定したトーン
ホイール21の基端部外周面との間には、シールリング
11a、11bを装着している。そして、これら両シー
ルリング11a、11bにより、外輪相当部材7の内周
面と上記ハブ1aの外周面との間に存在し、上記複数の
転動体10、10を設けた空間の両端開口部を塞いでい
る。特に、上記外輪相当部材7の内端部内周面と上記ト
ーンホイール21の外端部外周面との間に設けたシール
リング11bは、上記転動体10、10設置部分に存在
するグリースが、このトーンホイール21及び後述する
センサを包埋した合成樹脂30部分に入り込む事を防止
する。
【0023】上記内輪部材5の内端部には、上記トーン
ホイール21の基部を外嵌固定している。このトーンホ
イール21は、例えば厚さが0.1〜0.3mm程度の薄
肉鋼板により全体を円環状に形成されている。このトー
ンホイール21は、円筒状の固定部23と、この固定部
23の内端縁から直径方向内方に直角に折れ曲がった第
一の折れ曲がり部24と、この固定部23の内端縁から
直径方向外方に直角に折れ曲がった第二の折れ曲がり部
25と、この第二の折れ曲がり部25の外周縁から内方
に直角に折れ曲がった被検知部26とを有する。そし
て、この被検知部26の先端部(内端部)に多数(例え
ば100〜300若しくはそれ以上)の透孔18を、円
周方向に亙って等間隔で形成している。これら多数の透
孔18を形成する作業はエッチング処理により行なう
が、トーンホイール21は0.1〜0.3mm程度と、厚
さ寸法が小さい薄肉鋼板により造られているので、この
エッチング処理に要する時間が徒に長くなる事はない。
従って、このトーンホイール21の製作費が嵩む事はな
い。
ホイール21の基部を外嵌固定している。このトーンホ
イール21は、例えば厚さが0.1〜0.3mm程度の薄
肉鋼板により全体を円環状に形成されている。このトー
ンホイール21は、円筒状の固定部23と、この固定部
23の内端縁から直径方向内方に直角に折れ曲がった第
一の折れ曲がり部24と、この固定部23の内端縁から
直径方向外方に直角に折れ曲がった第二の折れ曲がり部
25と、この第二の折れ曲がり部25の外周縁から内方
に直角に折れ曲がった被検知部26とを有する。そし
て、この被検知部26の先端部(内端部)に多数(例え
ば100〜300若しくはそれ以上)の透孔18を、円
周方向に亙って等間隔で形成している。これら多数の透
孔18を形成する作業はエッチング処理により行なう
が、トーンホイール21は0.1〜0.3mm程度と、厚
さ寸法が小さい薄肉鋼板により造られているので、この
エッチング処理に要する時間が徒に長くなる事はない。
従って、このトーンホイール21の製作費が嵩む事はな
い。
【0024】上記固定部23は、上記薄肉鋼板を大きな
曲率で180度折り返す事により、この薄肉鋼板2枚分
の厚さ寸法を有する円筒状に造られている。この固定部
23は、前記内輪部材5の内端部に外嵌する事で、上記
トーンホイール21をこの内輪部材5に固定する。この
様に固定部23を内輪部材5の内端部に外嵌した状態
で、上記第一の折れ曲がり部24はこの内輪部材5の内
端面に突き当たる。従って、この内輪部材5に対する上
記トーンホイール21の位置が、一義的に規制される。
又、上記固定部23と前記被検知部26とを連続させる
第二の折れ曲がり部25は、上記第一の折れ曲がり部2
4と同一平面上に位置している。
曲率で180度折り返す事により、この薄肉鋼板2枚分
の厚さ寸法を有する円筒状に造られている。この固定部
23は、前記内輪部材5の内端部に外嵌する事で、上記
トーンホイール21をこの内輪部材5に固定する。この
様に固定部23を内輪部材5の内端部に外嵌した状態
で、上記第一の折れ曲がり部24はこの内輪部材5の内
端面に突き当たる。従って、この内輪部材5に対する上
記トーンホイール21の位置が、一義的に規制される。
又、上記固定部23と前記被検知部26とを連続させる
第二の折れ曲がり部25は、上記第一の折れ曲がり部2
4と同一平面上に位置している。
【0025】上述の様なトーンホイール21は、上記内
輪部材5の内端部に円筒状の固定部23を外嵌する事に
より固定するが、この固定部23は上記薄肉鋼板を18
0度折り返す事で形成している為、十分な強度を有す
る。この為、0.1〜0.3mm程度と言った、薄肉の材
料によりトーンホイール21を造った場合でも、内輪部
材5に対するこのトーンホイール21の嵌合強度を十分
に確保できる。更に、上記固定部23を内輪部材5に嵌
合固定する際には、上記トーンホイール21を軸方向に
押圧する必要があるが、この押圧作業は、同一平面上に
位置する第一、第二の折れ曲がり部24、25の内側面
に押圧治具(図示せず)の端面を突き当てる事で、容易
に行なえる。
輪部材5の内端部に円筒状の固定部23を外嵌する事に
より固定するが、この固定部23は上記薄肉鋼板を18
0度折り返す事で形成している為、十分な強度を有す
る。この為、0.1〜0.3mm程度と言った、薄肉の材
料によりトーンホイール21を造った場合でも、内輪部
材5に対するこのトーンホイール21の嵌合強度を十分
に確保できる。更に、上記固定部23を内輪部材5に嵌
合固定する際には、上記トーンホイール21を軸方向に
押圧する必要があるが、この押圧作業は、同一平面上に
位置する第一、第二の折れ曲がり部24、25の内側面
に押圧治具(図示せず)の端面を突き当てる事で、容易
に行なえる。
【0026】一方、外輪相当部材7の内端開口部は、ス
テンレス鋼板、アルミニウム合金板等の金属板を絞り加
工する等により有底円筒状に造られた、カバー27で塞
いでいる。そして、このカバー27を構成する底板部2
8の一部に設けた保持部29内に、センサを包埋した合
成樹脂30を保持固定している。この合成樹脂30の一
部は二又状に形成して1対の突出部31a、31bと
し、これら両突出部31a、31bを、上記トーンホイ
ール21の先端部の直径方向両側に位置させている。そ
して、例えば直径方向内側の突出部31aに、半導体レ
ーザ、発光ダイオード等の発光器を、直径方向外側の突
出部31bにフォトトランジスタ等の受光器を、それぞ
れ包埋している。発光器の照射部と受光器の受光部とは
互いに対向させて、互いの間に前記被検知部26に形成
した透孔18が進入自在としている。又、上記カバー2
7外にはコネクタ32を設け、上記発光器への通電と上
記受光器の検出信号の取り出しとを自在にしている。
テンレス鋼板、アルミニウム合金板等の金属板を絞り加
工する等により有底円筒状に造られた、カバー27で塞
いでいる。そして、このカバー27を構成する底板部2
8の一部に設けた保持部29内に、センサを包埋した合
成樹脂30を保持固定している。この合成樹脂30の一
部は二又状に形成して1対の突出部31a、31bと
し、これら両突出部31a、31bを、上記トーンホイ
ール21の先端部の直径方向両側に位置させている。そ
して、例えば直径方向内側の突出部31aに、半導体レ
ーザ、発光ダイオード等の発光器を、直径方向外側の突
出部31bにフォトトランジスタ等の受光器を、それぞ
れ包埋している。発光器の照射部と受光器の受光部とは
互いに対向させて、互いの間に前記被検知部26に形成
した透孔18が進入自在としている。又、上記カバー2
7外にはコネクタ32を設け、上記発光器への通電と上
記受光器の検出信号の取り出しとを自在にしている。
【0027】上述の様に構成される本発明の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットの場合には、ハブ1aと共
にトーンホイール21が回転すると、このトーンホイー
ル21の被検知部26に形成した複数の透孔18が、セ
ンサを構成する発光器と受光器との間を通過する。この
為、受光器の検出信号が上記回転輪の回転速度に比例し
た周波数で変化する。受光器の検出信号は、上記発光器
と受光器との間に透孔18が存在する場合と、隣り合う
透孔18の間の不透過部が存在する場合とで急激に変化
する。この為、上記検出信号の判定は容易であり、受光
器から送り出される検出信号に基づいて、回転速度検出
を確実に行なえる。尚、受光器からの検出信号に基づく
回転速度測定は、単位時間当りの信号の変化回数(周波
数)により行なっても、或は変化の周期により行なって
も良い。
出装置付転がり軸受ユニットの場合には、ハブ1aと共
にトーンホイール21が回転すると、このトーンホイー
ル21の被検知部26に形成した複数の透孔18が、セ
ンサを構成する発光器と受光器との間を通過する。この
為、受光器の検出信号が上記回転輪の回転速度に比例し
た周波数で変化する。受光器の検出信号は、上記発光器
と受光器との間に透孔18が存在する場合と、隣り合う
透孔18の間の不透過部が存在する場合とで急激に変化
する。この為、上記検出信号の判定は容易であり、受光
器から送り出される検出信号に基づいて、回転速度検出
を確実に行なえる。尚、受光器からの検出信号に基づく
回転速度測定は、単位時間当りの信号の変化回数(周波
数)により行なっても、或は変化の周期により行なって
も良い。
【0028】尚、本発明の回転速度検出装置付転がり軸
受ユニットの場合には、図5に示した従来構造と異な
り、センサとトーンホイール21との間で磁束を流す必
要がない。この為、センサとトーンホイール21との距
離を上記従来構造の場合(0.5mm程度)より大きくし
ても、測定結果に影響を及ぼしにくい。従って、組立精
度を特に高くする必要がなくなって、組立作業の簡略化
が可能になる。例えば、発光器として、光が殆ど拡散せ
ず、しかも極く細い光束を照射できる半導体レーザを組
み込んだものを使用すれば、発光器及び受光器とトーン
ホイール21との距離をより大きくできる。この距離を
大きくする事により、組立作業時に極薄のトーンホイー
ル21の端縁に、これら発光器及び受光器を包埋した前
記合成樹脂30を突き当てる可能性をなくし、このトー
ンホイール21を傷める事を有効に防止できる。
受ユニットの場合には、図5に示した従来構造と異な
り、センサとトーンホイール21との間で磁束を流す必
要がない。この為、センサとトーンホイール21との距
離を上記従来構造の場合(0.5mm程度)より大きくし
ても、測定結果に影響を及ぼしにくい。従って、組立精
度を特に高くする必要がなくなって、組立作業の簡略化
が可能になる。例えば、発光器として、光が殆ど拡散せ
ず、しかも極く細い光束を照射できる半導体レーザを組
み込んだものを使用すれば、発光器及び受光器とトーン
ホイール21との距離をより大きくできる。この距離を
大きくする事により、組立作業時に極薄のトーンホイー
ル21の端縁に、これら発光器及び受光器を包埋した前
記合成樹脂30を突き当てる可能性をなくし、このトー
ンホイール21を傷める事を有効に防止できる。
【0029】又、発光器として、半導体レーザに比較し
て安価な発光ダイオードを使用した場合でも、合成樹脂
30に包埋されてセンサを構成する発光器と受光器との
間に、図3〜4に示す様な遮光板33を設ける事で、セ
ンサとトーンホイール21との距離を大きくできる。即
ち、発光器34として安価な発光ダイオードを使用した
場合には、光が拡散する。この為、前記被検知部26の
透孔18の間隔を狭くし、各透孔18の円周方向に亙る
幅寸法が受光器35の受光部分に比べて小さくなると、
単に発光器34と受光器35とをトーンホイール21を
介して対向させただけでは、トーンホイール21の回転
に伴って受光器35への光の到達が断接されなくなる。
即ち、この状態では、上記受光部分に常に何れかの透孔
18が対向する状態となり、しかも当該透孔18に発光
器34からの光が当たる事になる。この様な状態では、
上記トーンホイール21の回転に伴って受光器35の出
力が十分に変化しなくなって、車輪の回転速度検出を行
なえなくなる。
て安価な発光ダイオードを使用した場合でも、合成樹脂
30に包埋されてセンサを構成する発光器と受光器との
間に、図3〜4に示す様な遮光板33を設ける事で、セ
ンサとトーンホイール21との距離を大きくできる。即
ち、発光器34として安価な発光ダイオードを使用した
場合には、光が拡散する。この為、前記被検知部26の
透孔18の間隔を狭くし、各透孔18の円周方向に亙る
幅寸法が受光器35の受光部分に比べて小さくなると、
単に発光器34と受光器35とをトーンホイール21を
介して対向させただけでは、トーンホイール21の回転
に伴って受光器35への光の到達が断接されなくなる。
即ち、この状態では、上記受光部分に常に何れかの透孔
18が対向する状態となり、しかも当該透孔18に発光
器34からの光が当たる事になる。この様な状態では、
上記トーンホイール21の回転に伴って受光器35の出
力が十分に変化しなくなって、車輪の回転速度検出を行
なえなくなる。
【0030】これに対して、図3〜4に示す様な遮光板
33を設ければ、上述の様に、トーンホイール21の被
検知部26に形成する透孔18の間隔を狭くしても、ト
ーンホイール21の回転に伴って受光器35への光の到
達を断接できる。この遮光板33は、金属板等の光を通
さない板材により、断面コ字形に造られている。そし
て、この遮光板33を構成する、互いに平行な1対の板
部36、36で互いに整合する位置には、それぞれスリ
ット状の透孔37、37を、上記透孔18と等ピッチで
形成している。回転速度検出装置の組立時には、これら
各透孔37、37を、上記透孔18に対向する位置に配
置する。
33を設ければ、上述の様に、トーンホイール21の被
検知部26に形成する透孔18の間隔を狭くしても、ト
ーンホイール21の回転に伴って受光器35への光の到
達を断接できる。この遮光板33は、金属板等の光を通
さない板材により、断面コ字形に造られている。そし
て、この遮光板33を構成する、互いに平行な1対の板
部36、36で互いに整合する位置には、それぞれスリ
ット状の透孔37、37を、上記透孔18と等ピッチで
形成している。回転速度検出装置の組立時には、これら
各透孔37、37を、上記透孔18に対向する位置に配
置する。
【0031】この様な遮光板33を設けた場合、上記発
光器34から出た光は、一方(図3の下方)の板部36
に形成した透孔37、37を通過した後、トーンホイー
ル21の被検知部26に形成した透孔18を通過し、更
に他方(図3の上方)の板部36に形成した透孔37、
37を通過してから、上記受光器35に達する。上記1
対の板部36、36とトーンホイール21の両側面との
間の隙間は狭く、この隙間部分で光が拡散する度合いは
極く僅かである。従って、受光器35の受光部分に常に
光が当たる事がなくなり、受光器35の出力を十分に変
化させて、発光器34として安価な発光ダイオードを使
用しても、車輪の回転速度検出を確実に行なえる様にな
る。
光器34から出た光は、一方(図3の下方)の板部36
に形成した透孔37、37を通過した後、トーンホイー
ル21の被検知部26に形成した透孔18を通過し、更
に他方(図3の上方)の板部36に形成した透孔37、
37を通過してから、上記受光器35に達する。上記1
対の板部36、36とトーンホイール21の両側面との
間の隙間は狭く、この隙間部分で光が拡散する度合いは
極く僅かである。従って、受光器35の受光部分に常に
光が当たる事がなくなり、受光器35の出力を十分に変
化させて、発光器34として安価な発光ダイオードを使
用しても、車輪の回転速度検出を確実に行なえる様にな
る。
【0032】尚、図示の実施例は、被駆動輪(FR車の
前輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユニッ
トに本発明を適用した構造を示している。但し、本発明
は、この様な被駆動輪に限らず、図5に示す様な駆動輪
(FR車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)を支
持する為の転がり軸受ユニットにも適用できる。更に、
内輪側が固定で外輪側が回転する転がり軸受ユニットに
も適用できる。
前輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユニッ
トに本発明を適用した構造を示している。但し、本発明
は、この様な被駆動輪に限らず、図5に示す様な駆動輪
(FR車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)を支
持する為の転がり軸受ユニットにも適用できる。更に、
内輪側が固定で外輪側が回転する転がり軸受ユニットに
も適用できる。
【0033】
【発明の効果】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットは、以上に述べた通り構成され作用するので、
極低速時にも走行速度を確実に検出できて、ABSやT
CSをより的確に制御する事が可能になる。更に、例え
ば右車輪と左車輪との速度差を正確に測定する事が可能
になるので、自動車の進行方向の変更や測定距離を正確
に測定する事が可能になり、正確な自立走行式のナビゲ
ーションシステムの実現に寄与できる。
ユニットは、以上に述べた通り構成され作用するので、
極低速時にも走行速度を確実に検出できて、ABSやT
CSをより的確に制御する事が可能になる。更に、例え
ば右車輪と左車輪との速度差を正確に測定する事が可能
になるので、自動車の進行方向の変更や測定距離を正確
に測定する事が可能になり、正確な自立走行式のナビゲ
ーションシステムの実現に寄与できる。
【図1】本発明の第一実施例を示す断面図。
【図2】内輪とトーンホイールとを取り出して示す断面
図。
図。
【図3】センサの1例を示す部分断面図。
【図4】このセンサに組み込む遮光板の斜視図。
【図5】従来構造の第1例を示す断面図。
【図6】同第2例を示す断面図。
【図7】トーンホイールとセンサとを図6の右方から見
た図。
た図。
1、1a ハブ 2 フランジ部 3a、3b 内輪軌道 4 段部 5 内輪部材 6 スプライン溝 7 外輪相当部材 8 取付部 9a、9b 外輪軌道 10 転動体 11、11a、11b シールリング 12 トーンホイール 13 センサ 14 内輪 15 トーンホイール 16 外輪 17 センサ 18 透孔 19 雄ねじ部 20 ナット 21 トーンホイール 23 固定部 24 第一の折れ曲がり部 25 第二の折れ曲がり部 26 被検知部 27 カバー 28 底板部 29 保持部 30 合成樹脂 31a、31b 突出部 32 コネクタ 33 遮光板 34 発光器 35 受光器 36 板部 37 透孔
Claims (1)
- 【請求項1】 第一の周面に固定側軌道面を有する固定
輪と、上記第一の周面と対向する第二の周面に回転側軌
道面を有する回転輪と、上記固定側軌道面と回転側軌道
面との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、円周
方向に亙って等間隔に配置された複数の光透過部を備
え、上記回転輪に固定されたトーンホイールと、発光器
及び受光器を備えて上記固定輪に固定され、これら発光
器と受光器とにより、上記トーンホイールの一部で上記
光透過部を両側から挟むセンサとを備えた回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記トーンホイー
ルは、金属薄板製で全体を円環状に形成されており、こ
の金属薄板を180度折り返す事により円筒状に造られ
て、上記回転輪の一部に嵌合固定される固定部と、この
固定部の一端縁から直径方向片側に直角に折れ曲がっ
て、上記回転輪の端面に突き当たる第一の折れ曲がり部
と、上記固定部の一端縁から直径方向他側に直角に折れ
曲がった第二の折れ曲がり部とを備え、これら第一、第
二の折れ曲がり部をほぼ同一平面上に位置させた事を特
徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20307995A JPH0953635A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
US08/585,194 US5678933A (en) | 1995-01-20 | 1996-01-11 | Speed sensing rolling bearing unit |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20307995A JPH0953635A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0953635A true JPH0953635A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16468017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20307995A Pending JPH0953635A (ja) | 1995-01-20 | 1995-08-09 | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0953635A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011189771A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Ntn Corp | 車輪用軸受装置 |
JP2013100855A (ja) * | 2011-11-08 | 2013-05-23 | Nsk Ltd | センサホルダ付従動輪ハブユニット軸受 |
-
1995
- 1995-08-09 JP JP20307995A patent/JPH0953635A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011189771A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Ntn Corp | 車輪用軸受装置 |
JP2013100855A (ja) * | 2011-11-08 | 2013-05-23 | Nsk Ltd | センサホルダ付従動輪ハブユニット軸受 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4864231A (en) | Bearing assembly having a wheel speed sensor | |
JP3231185B2 (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP2000289405A (ja) | エンコーダ付組み合わせシールリング | |
JP2002340922A (ja) | 車輪用回転検出装置 | |
JPH05215757A (ja) | 回転数検出装置を持つ車輪軸受装置 | |
US6564635B2 (en) | Bearing assembly with integral sensor for sensing rotation | |
JPH11118816A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JPH0953635A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP2009186303A (ja) | センサ付車輪用軸受 | |
JPH0949853A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JPH11201979A (ja) | 車両の車輪回転速度検出装置 | |
JPH08220120A (ja) | 車輪回転速度検出装置の取付構造およびピックアップセンサ | |
JP2004333436A (ja) | 回転速度検出装置及び回転速度検出センサ付転がり軸受 | |
JPH09101318A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JPS63176761A (ja) | 自動車のホイ−ル用軸受ユニツト | |
JPH1048230A (ja) | 軸受組立体 | |
JPH0953634A (ja) | 回転速度検出機能を備えた転がり軸受ユニット | |
JP4218275B2 (ja) | 車軸用転がり軸受の製造方法 | |
JPH0953633A (ja) | 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット | |
JP2008232621A (ja) | 軸受の荷重測定装置 | |
JP3491394B2 (ja) | トーンホイール付転がり軸受ユニット | |
JP3022486B2 (ja) | 回転速度検出装置付き車両回転体 | |
JPH08278318A (ja) | 車輪支持軸受用回転センサ | |
JP2600996Y2 (ja) | 回転速度検出装置付半浮動式車軸用軸受ユニット | |
JP2689623B2 (ja) | 回転速度検出用転がり軸受ユニット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040213 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040727 |