JPH0953552A - スタータ - Google Patents

スタータ

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JPH0953552A
JPH0953552A JP7239885A JP23988595A JPH0953552A JP H0953552 A JPH0953552 A JP H0953552A JP 7239885 A JP7239885 A JP 7239885A JP 23988595 A JP23988595 A JP 23988595A JP H0953552 A JPH0953552 A JP H0953552A
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gear
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志賀  孜
Nobuyuki Hayashi
信行 林
Masanori Omi
正昇 大見
Masami Niimi
正巳 新美
Masahiro Kato
雅浩 加藤
Tsuyoshi Araki
剛志 荒木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ピニオン回転規制機構の耐久性を高めたスター
タの提供する。 【解決手段】ピニオン規制手段230は、ピニオン21
0に当接させつつ、出力軸220の回転により、ピニオ
ン210の回転を防止ししつつ、リングギア100側に
移動させる。また、ピニオン210がリングギア100
に当接した際には、ピニオン規制手段230自身がたわ
んで、ピニオン210を徐々に回動させて、リングギア
100に噛み合わせることで、摩耗粉の発生や歯面の損
傷もなく、かつピニオンのリングギヤへの確実な噛み合
いと、歯部の耐久性向上ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを始動さ
せるスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスタータでは、アメリカ特許第
1,941,698号もしくは第2,342,632号
に示す如く、モータの回転をピニオンを介してリングギ
アに伝えるものが記載されている。前者のものでは、ピ
ニオンの外周部に規制部材を当接させることで、モータ
によるシャフトの回転により、規制部材とピニオンとの
摩擦によって、ピニオンをリングギア側に前進させて、
ピニオンとリングギアを噛み合わせるものが記載されて
いる。また、後者のものでは、ピニオンの歯部に、規制
部材のピンを係合させることで、ピニオンの回転を防止
して、ピニオンをリングギア側に前進させて、ピニオン
とリングギアを噛み合わせている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピニオ
ンをリングギア側に噛み合わせる時に、ピニオンがリン
グギアに噛み合わずに、ピニオンの端面にリングギアが
当接する場合に、従来のものでは、モータのさらなる回
転力により、ピニオンと規制部材との摩擦力に勝って、
ピニオンがわずかに回動して、リングギアにピニオンが
噛み合うが、摩擦力を利用しているために、初期の摩擦
力の設定や、摩耗粉が摺動面に付着して、耐久性に劣る
とという問題点がある。
【0004】また、後者の従来技術においては、リング
ギヤの端面にピニオンが当接する場合に、ピニオンが規
制部材を押し上げるようにして、ピニオンの歯部のピッ
チ分、急に移動することで、ピニオンとリングギアとの
衝突が発生し、ピニオンやリングギヤの歯面を痛めるこ
とになり、ひいては歯欠けや駆動時の異音の発生がある
という問題点がある。
【0005】そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてな
されたもので、ピニオン回転規制機構の耐久性を高めた
スタータの提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に請求項1記載の手段を採用することができる。この手
段によると、ピニオン規制手段は、ピニオンに当接し、
出力軸の回転により、ピニオンをリングギア側に移動さ
せつつ、かつ、ピニオンがリングギアに当接した際に
は、それ自身がたわんで、ピニオンを徐々に回動させ
て、リングギアに噛み合わせることで、摩耗粉の発生や
歯面の損傷もなく、かつピニオンのリングギヤへの確実
な噛み合いと、歯部の耐久性向上ができる。
【0007】また、請求項2の手段によると、ピニオン
がリングギヤと当接した場合、ピニオンとリンギギヤの
両方に噛み合いを容易にするための面取りを設けたもの
でも、噛み合いを開始するためには、ピニオンは約1/
2ピッチ回動しなければならず、面取りがないものでは
それ以上である。この請求項2のスタータは、ピニオン
の回動可能量を少なくとも1/2ピッチ以上とすること
で、ピニオンがリングギヤに噛み合うまで、確実にピニ
オンの回転を規制することができる。
【0008】また、請求項3の手段によると、ピニオン
移動手段が、ピニオンの外周面に形成された軸方向溝部
に係合するので、摩擦により規制するのに比べ、容易に
ピニオンの回転を規制するとができる。また、軸方向溝
がピニオンのギヤ数よりも多いので、容易に軸方向溝に
係合することができる。また、請求項4の手段による
と、ピニオン規制手段は、単にピニオンの回転を規制す
るだけの少ない力で保持されればよいため、マグネット
スイッチにより、伝達手段を介して、ピニオン側に移動
されることができ、マグネットスイッチの配置の自由度
を増すことができる。
【0009】また、請求項5の手段によると、ピニオン
規制手段自身が、ピニオンがリングギアにかみ合った時
の、ピニオンの戻り防止とすることができ、部品点数を
少なくして、かつ組み立てを簡素化することができる。
また、請求項6の手段によると、ピニオン規制手段自身
が、反ピニオン側への移動を付勢する、付勢手段を一体
に有しているので、マグネットスイッチをオフすること
により、自動的に、ピニオン規制手段がピニオンから離
れることになり、部品点数を少なくして、かつ組み立て
を簡素化することができる。
【0010】また、請求項7の手段によると、ピニオン
がリングギアに噛み合うまでは、制限手段により出力軸
の回転をゆっくりさせ、ピニオンをリングギア側にゆっ
くりと移動させるので、ピニオン規制手段自身の剛性を
強くする必要はなく、かつピニオンがリングギアに噛み
合うときの衝撃を少なくすることができ、噛み合いが格
段に向上する。
【0011】また、請求項8の手段によると、ピニオン
とリングギヤの噛み合い動作が完了した後、直ちに、ス
タータモータへの通電の制限を解除して、従来通りのク
ランキングを開始するので、運転者に違和感を与えるこ
となく、クランキングできる。また、請求項9の手段に
よると、ピニオン規制手段の一部を、弾性を有する棒状
の規制部を有することで、規制部が確実にたわむことが
できる。
【0012】また、請求項10の手段によると、ワッシ
ャを回動可能にピニオンの端面に保持することで、ピニ
オンがリングギアよりオーバーランされ、高速回転して
も、ワッシャがピニオンに対して回転自在であるので、
規制部の当接部分の摩耗が少なく、耐久性を高めること
ができる。また、請求項11の手段によると、ワッシャ
をピニオンと同時に熱処理するようにしているので、ワ
ッシャの硬度を所定値以上にするための工程を省略する
ことができる。
【0013】また、請求項12の手段によると、マグネ
ットスイッチのプランジャーの移動によって、弾性部を
変形させつつ、規制部を前記ピニオンに当接させること
で、規制部をピニオンに当接させつつ、かつプランジャ
の戻りの際には、弾性部による弾性力によって、規制部
をピニオンから確実に離すことができる。また、請求項
13の手段によると、仮に、エンジン運転中に、スター
タが操作(誤操作)されて、ピニオン規制手段がピニオ
ンに断続的に当接を繰り返しても、ピニオンの回転を規
制している間、ピニオン規制手段と回転部材との間に所
定の隙間があるので、ピニオン規制手段が回転部材に当
接することはないため、回転部材がピニオン規制手段に
よって直接衝撃を受けることがなく、損傷することがな
い。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明装置スタータを、図
1ないし図15に示す一実施例に基づき説明する。スタ
ータは、エンジンに配設されたリングギヤ100に噛み
合うピニオン200や遊星歯車減速機構300を内包す
るハウジング400と、モータ500と、マグネットス
イッチ600を内包するエンドフレーム700とに大別
される。また、スタータの内部では、ハウジング400
とモータ500との間がモータ隔壁800によって区画
され、モータ500とエンドフレーム700との間がブ
ラシ保持部材900によって区画されている。
【0015】(ピニオン200の説明)図1または図3
に示すように、ピニオン200には、エンジンのリング
ギヤ100に噛合するピニオンギヤ210が形成されて
いる。ピニオンギヤ210の内周面には、出力軸220
に形成されたヘリカルスプライン221に嵌まり合うピ
ニオンヘリカルスプライン211が形成されている。
【0016】ピニオンギヤ210の反リングギヤ側に
は、ピニオンギヤ210の外径寸法よりも大径なフラン
ジ213が環状に形成されている。このフランジ213
の外周には、全周に亘ってピニオンギヤ210の外歯枚
数よりも多い凹凸214が形成されている。この凹凸2
14は、後述するピニオン回転規制部材230の規制爪
231が嵌まり合うためのものである。ワッシャ215
(本発明で言う回転部材)は、ピニオンギヤ210の後
端に形成した円環部216を外周側へ曲げ込むことによ
り、フランジ213の後面において回転自在で、且つ軸
方向へ抜けない構造としている。
【0017】なお、ワッシャ215の外径は、ピニオン
回転規制部材230の規制爪231が、ピニオンギヤ2
10の凹凸214に嵌まりあった時に、規制爪231と
所定の隙間を有するように設定されている。このよう
に、ピニオンギヤ210のフランジ213の後面に、回
転自在なワッシャ215を設けることにより、ピニオン
ギヤ210の後側に後述するピニオン回転規制部材23
0が落ち込んだ際、ピニオン回転規制部材230の規制
爪231の前端がワッシャ215に当たる。このため、
ピニオンギヤ210の回転が直接、ピニオン回転規制部
材230の規制爪231に当たらず、ワッシャ215が
相対回転してピニオンギヤ210がピニオン回転規制部
材230の規制爪231によって磨耗するのを防ぐ。
【0018】一方、ピニオンギヤ210は、圧縮コイル
バネよりなるリターンスプリング240により、常に出
力軸220の後方へ付勢されている。リターンスプリン
グ240は、直接ピニオンギヤ210を付勢するのでは
なく、本実施例では、ハウジング400の開口部410
を開閉する後述するシャッタ420のリング体421を
介してピニオンギヤ210を付勢する。
【0019】また、仮に、エンジン運転中に、スタータ
が操作(誤操作)されて、ピニオン回転規制部材230
の規制爪231がピニオンギヤ210に断続的に当接を
繰り返しても、ピニオンギヤ210の回転を規制してい
る間、規制爪231とワッシャ215との間に所定の隙
間があるので、規制爪231がワッシャ215に当接す
ることはないため、ワッシャ215が規制爪231によ
って直接衝撃を受けることがなく、損傷することがな
い。
【0020】(ピニオン回転規制部材230の説明)ピ
ニオン回転規制部材230は、図2および図3(a),
(b)に示すように、約3/2巻回した板バネ部材で、
そのうち、約3/4巻回は、軸方向の板長の長い高いバ
ネ定数の回転規制部232で、残りの約3/4巻回は、
軸方向の板長の短い低いバネ定数の付勢手段をなす復帰
バネ部233である。
【0021】回転規制部232の一端には、ピニオンギ
ヤ210のフランジ213に形成された多数の凹凸21
4に嵌まり合う軸方向にのびる規制部をなす規制爪23
1が設けられている。この規制爪231は、ピニオンギ
ヤ210の凹凸214に嵌合するとともに、規制爪23
1の剛性を向上するために、軸方向に長く形成されると
ともに、径方向内側に折り曲げられ、断面L字状に形成
されている。(棒状となっている) 回転規制部232は、上下方向へ伸びる直線部235を
備える。この直線部235は、センターブラケット36
0の前面に突出して設けられた2本の支持腕361によ
って上下方向へ摺動自在に支持される。つまり、直線部
235が上下方向へ移動することにより、回転規制部2
32も上下方向へ移動する。
【0022】また、回転規制部232の回転方向の動き
は、2本の支持腕361が規制しており、ピニオン回転
規制部材230と2本の支持腕361は一体でピニオン
規制手段をなす。また、回転規制部232の規制爪23
1の180°反対側の位置には、後述するマグネットス
イッチ600の作動を伝える後述する紐状部材680
(例えば、ワイヤ)の前端の球体601が係合されてい
る。
【0023】復帰バネ部233の端部側は、巻の曲率が
大きく設けられ、復帰バネ部233の一端部236がセ
ンターブラケット360の下部前面に突出して設けられ
た規制棚362の上面に当たっている。ピニオン回転規
制部材230の作動を説明する。紐状部材680は、マ
グネットスイッチ600の作動を規制爪231に伝達す
る伝達手段で、マグネットスイッチ600の作動によっ
て、回転規制部232を下方へ引き、規制爪231と、
ピニオンギヤ210のフランジ213の凹凸214とを
係合させる。その際、復帰バネ部233の一端部236
が、位置の規制のための規制棚362に当接されてお
り、復帰バネ部233がたわむこととなる。規制爪23
1がピニオンギヤ210の凹凸214に係合しているの
で、モータ500のアーマチャシャフト510及び遊星
歯車減速機構300を介して、ピニオンギヤ210を回
転させようとすると、ピニオンギヤ210が出力軸22
0のヘリカルスプライン221に沿って、前進する。ピ
ニオンギヤ210が、リングギヤ100に当接し、ピニ
オンギヤ210の前進が防止されると、出力軸210の
更なる回動力により、ピニオン回転規制部材230自身
がたわんで、ピニオンギヤ210がわずかに回動し、リ
ングギヤ100に噛み合う。そして、ピニオンギヤ21
0が前進すると、規制爪231が凹凸214から外れ、
規制爪231がピニオンギヤ210のフランジ213の
後方に落ち込み、規制爪231の前端がワッシャ215
の後面に当たり、ピニオンギヤ210がエンジンのリン
グギヤ100の回転を受けて後退するのを防ぐ。
【0024】ピニオン回転規制部材230は、ピニオン
の1/2ピッチ以上回動するまでたわめるように設定さ
れる。マグネットスイッチ600の作動が停止し、紐状
部材680が回転規制部232を下方へ引くのを停止す
ると同時に、復帰バネ部233の作用で、回転規制部2
32が元の位置に復帰する。
【0025】このように、ピニオン回転規制部材230
は、1つのバネ部材であるが、ピニオンギヤ210の回
転の規制を行ってピニオンギヤ210を前進させる作用
と、ピニオンギヤ210の後方に落ち込んでピニオンギ
ヤ210の後退を防ぐ作用と、回転規制部232を復帰
させる作用との3つの作用を果たす。つまり、1つの部
品で複数の作用を奏するため、スタータの部品点数を減
らし、且つ組付性を向上させることができる。
【0026】また、ピニオン回転規制部材230は、ピ
ニオンギヤ210に当接し、出力軸220の回転によ
り、ピニオンギヤ210をリングギヤ100側に移動さ
せつつ、ピニオンギヤ210がリングギヤ100に当接
した際には、それ自身がたわんで、ピニオンギヤ210
を若干回動させて、リングギヤに噛み合わせることで、
摩耗粉の発生もなく、かつ部品点数も少なく簡単な構成
にできる。
【0027】また、ピニオン回転規制部材230は、ピ
ニオンギヤ210の凹凸214の凸部が、ピニオンギヤ
210の歯数よりも多いために、容易に凹凸214に係
合することができる。また、ピニオン回転規制部材23
0は、単にピニオンギヤ210の回転を規制するだけの
少ない力で保持されればよいため、マグネットスイッチ
600により、紐状部材680を使用して、ピニオンギ
ヤ210側に移動されることができ、これにより、マグ
ネットスイッチ600の配置の自由度を増すことができ
る。
【0028】また、ピニオン回転規制部材230自身
が、ピニオンギヤ210がリングギヤ100に噛み合っ
た時の、ピニオンギヤ210の戻り防止とすることがで
き、部品点数を少なくして、かつ組み立てを簡素化する
ことができる。さらに、ピニオン回転規制部材230自
身が、反ピニオンギヤへの付勢する、付勢手段をなす復
帰バネ部233を一体に有しているので、マグネットス
イッチ600をオフすることにより、自動的に、ピニオ
ン回転規制部材230がピニオンギヤ210から離れる
ことになり、部品点数を少なくして、かつ組み立てを簡
素化することができる。
【0029】そして、ピニオン回転規制部材230の一
部を弾性を有する棒状の規制部をなす規制爪231を有
することで、ピニオン回転規制部材230自身が確実に
たわむことができる。また、ピニオンギヤ210がリン
グギヤ100に噛み合った後、ピニオン回転規制部材2
30の規制爪231が出力軸220方向に移動して、ワ
ッシャ215が規制爪231と当接しても、ワッシャ2
15がピニオンギヤ210に対して回転自在なので、ピ
ニオンギヤ210がリングギヤ100よりオーバーラン
され、高速回転しても、規制部をなす規制爪231の当
接部分の摩耗が少なく、耐久性を高めることができる。
【0030】(ピニオン係止リング250の説明)ピニ
オン係止リング250は、出力軸220の周囲に形成さ
れた断面矩形の環状溝内に固定されている。このピニオ
ン係止リング250は、断面矩形の鋼材を丸め加工して
形成したもので、両端のそれぞれには、略S字状の凹凸
251(係合手段の一例)が形成され、一方の凸部が他
方の凹部に係合し、他方の凸部が一方の凹部に係合して
いる。
【0031】(遊星歯車減速機構300の説明)遊星歯
車減速機構300は、図1に示すように、後述するモー
タ500の回転数を減速して、モータ500の出力トル
クを増大する減速手段である。遊星歯車減速機構300
は、モータ500のアーマチャシャフト510(後述す
る)の前側外周に形成されたサンギヤ310と、このサ
ンギヤ310に噛合し、このサンギヤ310の周囲で回
転する複数のプラネタリーギヤ320と、このプラネタ
リーギヤ320をサンギヤ310の周囲で回転自在に支
持する出力軸220と一体形成されたプラネットキャリ
ア330と、プラネタリーギヤ320の外周においてプ
ラネタリーギヤ320と噛合する筒状で、かつ樹脂から
なるインターナルギヤ340とからなる。
【0032】(オーバーランニングクラッチ350の説
明)オーバーランニングクラッチ350は、インターナ
ルギヤ340を、一方向のみ(エンジンの回転を受けて
回転する方向のみ)回転可能に支持されている。オーバ
ーランニングクラッチ350は、インターナルギヤ34
0の前側に一体形成された第1の円筒部をなすクラッチ
アウタ351と、遊星歯車減速機構300の前方を覆う
固定側をなすセンターブラケット360の後面に形成さ
れ、クラッチアウタ351の内周と対抗して配置された
第2の円筒部をなす環状のクラッチインナ352と、ク
ラッチアウタ351の内周面に傾斜して形成されたロー
ラ収納部351aに収納されるローラ353とを有して
いる。
【0033】(センターブラケット360の説明)セン
ターブラケット360は、図4ないし図6に示すもの
で、ハウジング400の後側の内部に配置されている。
ハウジング400とセンターブラケット360とは、一
端がハウジング400に係止され、他端がセンターブラ
ケット360に係止されたリングバネ390によって連
結され、オーバーランニングクラッチ350を構成する
クラッチインナ352の受ける回転反力をリングバネ3
90で吸収し、反力が直接ハウジング400に伝わらな
いように設けられている。
【0034】また、センターブラケット360の前面に
は、ピニオン回転規制部材230を保持する2本の支持
腕361と、ピニオン回転規制部材230の下端が搭載
される規制棚362が設けられている。さらに、センタ
ーブラケット360の周囲には、ハウジング400の内
側の凸部(図示しない)と嵌まり合う切欠部363が複
数形成されている。また、センターブラケット360の
下端には、紐状部材680(後述する)を軸方向に挿通
する凹部364が形成されている。
【0035】(プラネットキャリア330の説明)プラ
ネットキャリア330は、後端に、プラネタリーギヤ3
20を支持するために径方向に伸びるフランジ形突出部
331を備える。このフランジ形突出部331には、後
方に伸びるピン332が固定されており、このピン33
2がメタル軸受333を介してプラネタリーギヤ320
を回転自在に支持している。
【0036】また、プラネットキャリア330は、前側
端部がハウジング400の前端内部に固定されたハウジ
ング軸受440と、センターブラケット360の内周の
内側筒部365内に固定されたセンターブラケット軸受
370とによって、回転自在に支持されている。 (ハウジング400の説明)ハウジング400は、ハウ
ジング400の前端内部に固定されたハウジング軸受4
40で出力軸220を軸支するとともに、開口部410
からの雨水等の進入を極力低減するために、開口部41
0の下部においてハウジング400とピニオンギヤ21
0の外径との隙間を極力小さくする遮水壁460を備え
ている。また、ハウジング400の前端の下部には、軸
方向に伸びる2つのスライド溝450が設けられ、この
スライド溝450に後述するシャッタ420が配設され
る。
【0037】(シャッタ420の説明)シャッタ420
は、樹脂製部材(例えばナイロン)からなり、出力軸2
20の周囲に装着され、リターンスプリング240とピ
ニオンギヤ210との間に挟持されるリング体421
と、ハウジング400の開口部410を開閉する遮水部
422とからなる。シャッタ420の作動は、スタータ
が起動してピニオンギヤ210が出力軸220に沿って
前方へ移動すると、リング体421がピニオンギヤ21
0ともに前方へ移動する。すると、リング体421と一
体の遮水部422が前方へ移動し、ハウジング400の
開口部410を開く。スタータの作動が停止してピニオ
ンギヤ210が出力軸220に沿って後方へ移動する
と、リング体421もピニオンギヤ210とともに後方
へ移動する。すると、リング体421と一体の遮水部4
22も後方へ移動し、ハウジング400の開口部410
を閉じる。この結果、開閉手段をなすシャッタ420
は、スタータの非作動時には、リングギヤ100の遠心
力等によって飛散する雨水等が遮水部422によってハ
ウジング400内に進入するのを防ぐ。
【0038】(モータ500の説明)モータ500は、
ヨーク501、モータ隔壁800、後述するブラシ保持
部材900に囲まれて構成される。なお、モータ隔壁8
00は、センターブラケット360との間で遊星歯車減
速機構300を収納するもので、遊星歯車減速機構30
0内の潤滑油がモータ500に進入するのを防ぐ役目も
果たす。
【0039】モータ500は、図1に示すように、アー
マチャシャフト510、このアーマチャシャフト510
に固定されて一体に回転する電機子鉄心520および電
機子コイル530から構成されるアーマチャ540と、
アーマチャ540を回転させる固定磁極550とから構
成され、固定磁極550はヨーク501の内周に固定さ
れる。
【0040】(電機子コイル530の説明)電機子コイ
ル530は、本実施例では複数(例えば25本)の上層
コイルバー531と、この上層コイルバー531と同数
の下層コイルバー532とを用い、それぞれの上層コイ
ルバー531と下層コイルバー532とを径方向に積層
した2層巻コイルを採用する。そして、各上層コイルバ
ー531と各下層コイルバー532とを組み合わせ、各
上層コイルバー531の端部と各下層コイルバー532
の端部とを電気的に接続して環状のコイルを構成してい
る。
【0041】(上層コイルバー531の説明)上層コイ
ルバー531は、図7に示すように、電導性に優れた材
質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行
に伸び、スロット524の外周側に保持される上層コイ
ル辺533と、この上層コイル辺533の両端から内側
に曲折され、アーマチャシャフト510の軸方向に対し
て垂直方向に伸びる2つの上層コイル端534とを備え
る。なお、上層コイル辺533および2つの上層コイル
端534は、冷間鋳造によって一体成形したものであっ
ても、プレスによってコ字状に曲折して形成したもので
あっても、別部品で形成した上層コイル辺533と2つ
の上層コイル端534とを溶接等の接合技術で接合して
形成したものであっても良い。
【0042】(下層コイルバー532の説明)下層コイ
ルバー532は、上層コイルバー531と同様、電導性
に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に
対して平行に伸び、スロット524の内側に保持される
下層コイル辺536と、この下層コイル辺536の両端
から内側に曲折され、シャフト510の軸方向に対して
垂直方向に伸びる2つの下層コイル端537とを備え
る。なお、下層コイル辺536および2つの下層コイル
端537は、上層コイルバー531と同様、冷間鋳造に
よって一体成形したものであっても、プレスによってコ
字状に曲折して形成したものであっても、別部品で形成
した下層コイル辺536と2つの下層コイル端537と
を溶接等の接合技術で接合して形成したものであっても
良い。
【0043】なお、各上層コイル端534と各下層コイ
ル端537との絶縁は、絶縁スペーサ560によって確
保され、各下層コイル端537と電機子鉄心520との
絶縁は、樹脂製(例えばナイロンやフェノール樹脂)の
絶縁リング590によって確保される。 (ヨーク501の説明)ヨーク501は、図8に示すよ
うに、鋼板を丸めて成形した筒状体で、周囲には、軸方
向に伸びる内周に向かって凹んだ複数の凹溝502が形
成されている。この凹溝502は、スルーボルトを配置
するとともに、ヨーク501の内周において固定磁極5
50の位置決めに用いられる。 (固定磁極550の説明)固定磁極550は、本実施例
では永久磁石を用いたもので、図29に示すように、複
数(例えば6つ)の主磁極551と、この主磁極551
の各間に配置される極間磁極552とから構成される。
なお、固定磁極550として永久磁石の代わりに通電に
よって磁力を発生するフィールドコイルを用いても良
い。
【0044】主磁極551は、上述したヨーク501の
凹溝502の内側の両端によって、位置決めがなされ、
各主磁極551の間に極間磁極552を配置した状態
で、固定磁極550の内周に配置される固定スリーブ5
53によって、ヨーク501の内部に固定される。 (マグネットスイッチ600の説明)マグネットスイッ
チ600は、図1、図9および図10に示すように、後
述するブラシ保持体900に保持されて、後述するエン
ドフレーム700内に配置され、アーマチャシャフト5
10に対して略垂直方向になるように固定されている。
【0045】マグネットスイッチ600は、通電によっ
て、プランジャ610を上方へ駆動し、プランジャ61
0と一体に移動する2つの接点(下側可動接点611と
上側可動接点612)を、順次、端子ボルト620の頭
部621および固定接点630の当接部631に当接さ
せるものである。なお、端子ボルト620には、図示さ
れないバッテリケーブルが接続されている。
【0046】マグネットスイッチ600は、磁性体製
(例えば鉄製)の有底筒状のマグネットスイッチカバー
640の内側に構成されている。マグネットスイッチカ
バー640は例えば軟鋼板をカップ状にプレス成形した
もので、マグネットスイッチカバー640の底の中央に
は、プランジャ610を上下方向に移動自在に挿通する
穴641を備える。また、マグネットスイッチカバー6
40の上側開口は、磁性体製(例えば鉄製)のステーシ
ョナリコア642によって塞がれている。
【0047】ステーショナリコア642は、上側の大径
部643と、下側の中径部644と、さらに下側の小径
部645とからなり、大径部643の外周が、マグネッ
トスイッチカバー640の上端を内側へカシメることに
よって、ステーショナリコア642がマグネットスイッ
チカバー640の上側開口内に固定されている。中径部
644の周囲には、吸引コイル650の上端が装着され
ている。ステーショナリコア642の小径部645の外
周には、プランジャ610を下方に付勢する圧縮コイル
バネ660の上端が装着されている。
【0048】吸引コイル650は、通電を受けると磁力
を発生して、プランジャ610を引きつける吸着手段
で、吸引コイル650は、上端がステーショナリコア6
42の中径部644に装着され、プランジャ610を上
下方向に摺動自在に覆うスリーブ651を備える。この
スリーブ651は、非磁性体(例えば銅板、真鍮、ステ
ンレス)の薄板を丸めて加工したもので、このスリーブ
651の上端および下端には、樹脂等よりなる絶縁ワッ
シャ652が設けられている。この2つの絶縁ワッシャ
652の間のスリーブ651の周囲には、薄い樹脂(例
えばセロハン、ナイロンフィルム)や紙などよりなる絶
縁フィルム(図示しない)が巻かれ、さらにその絶縁フ
ィルムの周囲に細いエナメル線を所定回数、巻いて吸引
コイル650が構成されている。
【0049】プランジャ610は、磁性体製金属(例え
ば鉄)で、上側の小径部613と下側の大径部614と
を備える略円柱形状を呈する。小径部613は、圧縮コ
イルバネ660の下端が装着され、比較的軸方向に長い
大径部614は、スリーブ651内において上下方向に
移動可能に保持される。プランジャ610の上側には、
プランジャ610の上方へ伸びるプランジャシャフト6
15が固定されている。このプランジャシャフト615
は、ステーショナリコア642の中央に設けられた貫通
穴から上方に突出している。このプランジャシャフト6
15のステーショナリコア642の上側には、上側可動
接点612がプランジャシャフト615に沿って上下方
向に摺動自在に挿通されている。この上側可動接点61
2は、図9に示すように、プランジャシャフト615の
上端に取り付けられた止め輪616によって、プランジ
ャシャフト615の上端より上方に移動しないように規
制されている。この結果、上側可動接点612は、止め
輪616とステーショナリコア642の間においてプラ
ンジャシャフト615に沿って上下方向に摺動自在とさ
れている。なお、上側可動接点612は、プランジャシ
ャフト615に取り付けられた板バネよりなる接点圧ス
プリング670によって、常に上方へ付勢されている。
【0050】上側可動接点612は、銅など導電性に優
れた金属よりなり、上側可動接点612の両端が上側に
移動した際、固定接点630に設けられた2つの当接部
631に当接する。また、上側可動接点612には、一
対のブラシ910の各リード線911が、カシメや溶接
等によって、電気的、且つ機械的に固定されている。さ
らに、上側可動接点612の溝部には、複数(本実施例
では2つ)の制限手段をなす抵抗体617の端部が、挿
入され、電気的、且つ機械的に固定されている。
【0051】なお、上側可動接点612には、ブラシ9
10の各リード線911が、カシメや溶接等によって電
気的、且つ機械的に固定されているが、上側可動接点6
12とブラシ910の各リード線911とを一体形成し
ても良い。抵抗体617は、スタータの起動初期時に、
モータ500の回転を低速回転させるためのもので、抵
抗値の大きな金属線を複数巻いて構成されている。抵抗
体617の他端には、端子ボルト620の頭部621の
下側に位置する下側可動接点611がカシメ等によって
固定されている。
【0052】下側可動接点611は、銅など導電性に優
れた金属よりなり、マグネットスイッチ600が停止し
て、プランジャ610が下方に位置する際にステーショ
ナリコア642の上面に当接し、抵抗体617がプラン
ジャシャフト615の移動に伴って上方に移動する際、
上側可動接点612が固定接点630の当接部631に
当接する前に、端子ボルト620の頭部621に当接す
るように設けられている。
【0053】プランジャ610の下面には、紐状部材6
80の後端に設けられた球体681を収容する凹部68
2を備える。この凹部682の内周壁には、雌ネジ68
3が形成されている。この雌ネジ683は、凹部682
内に球体681を固定する固定ネジ684が螺合され
る。この固定ネジ684は、雌ネジ683へのねじ込み
量を調節することにより、紐状部材680の長さの調節
も行うものである。なお、紐状部材680の長さ調節
は、プランジャシャフト615が上方へ移動して、下側
可動接点611が端子ボルト620に当接し、かつ、上
側可動接点612が固定接点630の当接部631が当
接しない状態で、ピニオン回転規制部材230の規制爪
231が、ピニオンギヤ210の外周の凹凸214に嵌
まり合うように調整される。なお、雌ネジ683と固定
ネジ684は調整機構をなす。
【0054】このような構成にすれば、マグネットスイ
ッチ600のプランジャ610の移動に対し、紐状部材
680を介して、ピニオン回転規制部材230をピニオ
ンギヤ210側に移動させているので、何らかの原因
で、ピニオン回転規制部材230の規制爪231がピニ
オンギヤ210の後方に落ち込んだまま復帰できなくな
くても、紐状部材680自身のたわみにより、プランジ
ャ610が元の位置に戻り、上側可動接点612が固定
接点630から離れることができ、モータ等の焼損等を
防ぐ。
【0055】また、ピニオン回転規制部材230の規制
爪231を、ピニオンギヤ210に設けた凹凸214に
係合させるのみでよいので、紐状部材680によって、
確実にこの規制爪231を移動させることができる。ま
た、紐状部材680をワイヤとすることで、耐久性を高
めることができる。また、雌ネジ683と固定ネジ68
4からなる調整機構をプランジャ610と紐状部材68
0との間に配置し、固定ネジ684を雌ネジ683にね
じ込むことにより、紐状部材680の長さを容易に調整
することができる。
【0056】さらに、上側可動接点612にブラシ91
0の各リード線910aが直接接続されているため、ブ
ラシ910で発生する発熱をリード線910a、上側可
動接点612、端子ボルト620を介して、この端子ボ
ルト620に接続され、スタータ外部に位置するバッテ
リーケーブルから効率的に放熱がなされ、ブラシ910
の寿命向上が図れる。
【0057】さらに、マグネットスイッチ600のプラ
ンジャシャフト615がモータ軸に対し略垂直方向に配
設されているので、マグネットスイッチ600のプラン
ジャシャフト615を軸方向に配設した場合に比較し
て、スタータの軸方向寸法を短縮することができるとと
もに、紐状部材680を引っ張るのに必要なプランジャ
シャフト615のストロークが小さく設定でき、さらな
るマグネットスイッチ600の小型化が図れる。
【0058】さらに、マグネットスイッチ600は、プ
ランジャシャフト615が、アーマチャシャフト510
に軸方向に対し、直交して配置されているため、マグネ
ットスイッチ600の径方向長のみが、スタータ全体の
軸方向長に加算されるのみで、スタータ全体の体格を大
きくすることもない。さらに、マグネットスイッチ60
0は、エンドフレーム700内に収納されているため、
ハウジング400の開口部410から浸入した水等の被
害を受けにくくなる。
【0059】(エンドフレーム700の説明)エンドフ
レーム700は、図11に示すように、樹脂製(例えば
フェノール樹脂)のマグネットスイッチカバーで、内部
にマグネットスイッチ600を収容する。エンドフレー
ム700の後面には、ブラシ910を前方へ付勢する圧
縮コイルバネ914を保持するバネ保持柱710が、ブ
ラシ910の位置に応じて前方に突出して設けられてい
る。
【0060】さらに、圧縮コイルバネ914は、図1に
示すように、マグネットスイッチ600のプランジャ6
10の軸方向に対し、径方向の外周側に配置されてい
る。端子ボルト620は、エンドフレーム700の内部
から挿入され、エンドフレーム700の後方に突出する
鉄製のボルトで、前側にはエンドフレーム700の内面
に当接する頭部621を備える。そして、エンドフレー
ム700の後方に突出した端子ボルト620にカシメワ
ッシャ622が取りつけられることによって、端子ボル
ト620がエンドフレーム700に固定される。端子ボ
ルト620の前端には、銅よりなる固定接点630がカ
シメによって固定されている。固定接点630は、エン
ドフレーム700の内部上端に位置する1つまたは複数
(本実施例では2つ)の当接部631を備え、この当接
部631の下面は、マグネットスイッチ600の作動に
よって上下する上側可動接点612の上面が当接可能に
設けられている。
【0061】さらに、圧縮コイルバネ914のスプリン
グ長が、マグネットスイッチ600の径方向の長さ分ま
で利用することができ、適正なバネ応力および荷重を設
定することができ、圧縮コイルバネ914の寿命を大幅
に向上することができる。 (ブラシ保持体900の説明)ブラシ保持体900は、
ヨーク501の内部とエンドフレーム700の内部とを
区画してアーマチャシャフト510の後端をブラシ保持
体軸受564を介して回転自在に支持する役目のほか、
ブラシホルダの役目、マグネットスイッチ600を保持
する役目、および紐状部材680を案内する滑車690
を保持する役目を果たす。なお、ブラシ保持体900に
は、紐状部材680が通る図示されない穴部を有してい
る。
【0062】ブラシ保持体900は、アルミニウム等の
熱伝導性の良い金属を鋳造技術によって成形した隔壁
で、図12ないし図14に示すように、ブラシ910を
軸方向に保持するブラシ保持穴911、912を複数
(本実施例では上側に2つ、下側に2つ)備える。上側
のブラシ保持穴911は、プラス電圧を受けるブラシ9
10を保持する穴で、この上側のブラシ保持穴911
は、樹脂製(例えばナイロン、フェノール樹脂)の絶縁
筒913を介してブラシ910を保持する(図13は図
12のAーA断面図であり、図14は図12のBーB断
面図である)。また、下側のブラシ保持穴912は、ア
ース接地されるブラシ910を保持する穴で、この下側
のブラシ保持穴912は、穴の内部で直接ブラシ910
を保持する。
【0063】このように、ブラシ保持体900によっ
て、ブラシ910を保持させることにより、スタータに
独立したブラシホルダを設ける必要がない。このため、
スタータの部品点数を低減し、組付工数を低減すること
ができる。また、ブラシ910は、圧縮コイルバネ91
4によって、前端面が電機子コイル530の後側の上層
コイル端534の後面に付勢される。
【0064】なお、上側のブラシ910のリード線91
0aは、マグネットスイッチ600によって移動する上
側可動接点612に溶接やカシメ等の接合技術で電気
的、且つ機械的に結合されている。また、下側のブラシ
910のリード線910aは、ブラシ保持体900の後
面に形成された凹部920内にカシメられて、電気的、
且つ機械的に結合されている。なお、本実施例では、下
側のブラシ910が1対設けられており、1本のリード
線910aに1対の下側のブラシ910が接合されてお
り、リード線910aの中央がブラシ保持体900の後
面の凹部920内にカシメられている。
【0065】ブラシ保持体900の後面には、マグネッ
トスイッチ600の前面側が当接する2つの台座930
と、マグネットスイッチ600の周囲を抱え込む2本の
固定柱940が形成されている。台座930は、外径が
円筒形状を呈するマグネットスイッチ600と当接する
ために、マグネットスイッチ600の外形形状と一致す
るように設けられている。また、2本の固定柱940
は、マグネットスイッチ600を台座930に当接した
状態で、それぞれの後端を内側にカシメることで、マグ
ネットスイッチ600を保持している。
【0066】ブラシ保持体900の後面の下側には、紐
状部材680の移動方向を、マグネットスイッチ600
の上下方向から軸方向に変換する滑車690を保持する
滑車保持部950が形成されている。 〔実施例の作動〕次に、上記スタータの作動を図15
(a)ないし(c)の電気回路図に従い、説明する。
【0067】乗員によって、キースイッチ10がスター
ト位置に設定されると、バッテリ20から、マグネット
スイッチ600の吸引コイル650に通電される。吸引
コイル650が通電されると、吸引コイル650の発生
する磁力にプランジャ610が引き寄せられ、プランジ
ャ610が下方位置から上方へ上昇する。プランジャ6
10が上昇を開始すると、プランジャシャフト615の
上昇に伴って上側可動接点612および下側可動接点6
11が上昇するとともに、紐状部材680の後端も上方
に上昇する。紐状部材680の後端が上昇すると、紐状
部材680の前端は下方に引かれ、ピニオン回転規制部
材230が下降する。ピニオン回転規制部材230の下
降によって、規制爪231がピニオンギヤ210の外周
の凹凸214に嵌まり合う時点で、下側可動接点611
が端子ボルト620の頭部621に当接する(図15
(a)参照)。この時、規制爪231が凹凸214に嵌
まっているので、ピニオン回転規制部材230はそれ以
上下降できない。また、ピニオン回転規制部材230と
紐状部材680で連結されているプランジャ610も上
昇できず、上側可動接点612は固定接点630の当接
部631に当接しない。端子ボルト620には、バッテ
リ20の電圧が印加されており、端子ボルト620の電
圧が、下側可動接点611→抵抗体617→上側可動接
点612→リード線910aを介して上側のブラシ91
0に伝えられる。つまり、抵抗体617を介した低電圧
が上側のブラシ910を介して電機子コイル530に伝
えられる。そして、下側のブラシ910は、ブラシ保持
体900を介して常にアース接地されているため、各上
層コイルバー531と各下層コイルバー532とを組み
合わせてコイル状に構成された電機子コイル530が低
電圧で通電される。すると、電機子コイル530が比較
的弱い磁力を発生し、この磁力が固定磁極550の磁力
に作用(吸着あるいは反発)して、アーマチャ540が
低速回転する。
【0068】アーマチャシャフト510が回転すると、
遊星歯車減速機構300のプラネタリーギヤ320が、
アーマチャシャフト510の前端のサンギヤ310によ
って回転駆動される。プラネタリーギヤ320がプラネ
ットキャリア330を介してリングギヤ100を回転駆
動する方向の回転トルクをインターナルギヤ340に与
える場合は、オーバーランニングクラッチ350の作動
によって、インターナルギヤ340の回転が規制され
る。つまり、インターナルギヤ340は回転しないた
め、プラネタリーギヤ320の回転によって、プラネッ
トキャリア330が減速回転する。プラネットキャリア
330が回転すると、ピニオンギヤ210も回転しよう
とするが、ピニオンギヤ210はピニオン回転規制部材
230によって回転が規制されているため、ピニオンギ
ヤ210は出力軸220のヘリカルスプライン221に
沿って前進する。
【0069】ピニオンギヤ210の前進に伴い、シャッ
タ420も前進し、ハウジング400の開口部410を
開く。そして、ピニオンギヤ210の前進によって、ピ
ニオンギヤ210がエンジンのリングギヤ100に完全
に噛合し、その後、ピニオン係止リング250に当接す
る。また、ピニオンギヤ210が前進すると、規制爪2
31がピニオンギヤ210の凹凸214から外れ、さら
に、ワッシャ210からも外れ、プランジャ610が再
び上昇を開始し、ピニオン回転規制部材230は下降
し、規制爪231の前端が、ピニオンギヤ210の後面
に設けられたワッシャ215の後側に落ち込む。
【0070】一方、プランジャ610が上昇を開始する
と、プランジャシャフト615の上昇に伴い上側可動接
点612も上昇し、上側可動接点612が固定接点63
0の当接部631に当接する(図15(b)参照)。す
ると、端子ボルト620のバッテリ電圧が、上側可動接
点612→リード線910aを介して直接上側のブラシ
910に伝えられる。つまり、各上層コイルバー531
および各下層コイルバー532よりなる電機子コイル5
30に高い電流が流れ、電機子コイル530が強い磁力
を発生し、アーマチャ540を高速回転する。
【0071】アーマチャシャフト510の回転は、遊星
歯車減速機構300によって減速されて回転トルクが増
大し、プラネットキャリア330を回転駆動する。この
とき、ピニオンギヤ210は、前端がピニオン係止リン
グ250に当接して、プラネットキャリア330と一体
に回転する。そして、ピニオンギヤ210は、エンジン
のリングギヤ100に噛合しているため、ピニオンギヤ
210は、リングギヤ100を回転駆動して、エンジン
の出力軸を回転駆動する。
【0072】次に、エンジンが始動し、エンジンのリン
グギヤ100がピニオンギヤ210の回転よりも速く回
転すると、ヘリカルスプラインの作用によって、ピニオ
ンギヤ210に後退力が生じる。しかるに、ピニオンギ
ヤ210の後方に落ち込んだ回転規制爪231によっ
て、ピニオンギヤ210の後退が阻止され、ピニオンギ
ヤ210の早期離脱を防止して、エンジンを確実に始動
することができる(図15(b)参照)。
【0073】また、エンジンの始動によって、エンジン
のリングギヤ100がピニオンギヤ210の回転よりも
速く回転されると、リングギヤ100の回転によってピ
ニオンギヤ210が回転駆動される。すると、リングギ
ヤ100からピニオンギヤ210に伝えられた回転トル
クは、プラネットキャリア330を介してプラネタリー
ギヤ320を支持するピン332に伝えられる。つま
り、プラネットキャリア330によってプラネタリーギ
ヤ320が駆動される。すると、インターナルギヤ34
0には、エンジン始動時とは逆回転のトルクがかかるた
め、オーバーランニングクラッチ350がリングギヤ1
00の回転を許す。つまり、インターナルギヤ340に
エンジン始動時とは逆回転のトルクがかかると、オーバ
ーランニングクラッチ350のローラ353が、クラッ
チインナ352の凹部355の外側へ離脱し、インター
ナルギヤ340の回転が可能になる。
【0074】つまり、エンジンが始動して、エンジンの
リングギヤ100がピニオンギヤ210を回転駆動する
相対回転は、オーバーランニングクラッチ350で吸収
され、エンジンによってアーマチャ540が回転駆動さ
れることがない。エンジンが始動すると、乗員によって
キースイッチ10がスタート位置から外され、マグネッ
トスイッチ600の吸引コイル650への通電が停止さ
れる。吸引コイル650の通電が停止されると、プラン
ジャ610が圧縮コイルバネ660の作用によって、下
方に戻される。
【0075】すると、上側可動接点612が固定接点6
30の当接部631から離れるとともに、その後下側可
動接点611も端子ボルト620の頭部621から離
れ、上側のブラシ910への通電が停止する。また、プ
ランジャ610が下方に戻されると、ピニオン回転規制
部材230の復帰バネ部236の作用によって、ピニオ
ン回転規制部材230が上方に復帰し、規制爪231が
ピニオンギヤ210の後方から離脱する。すると、ピニ
オンギヤ210は、戻しバネ240の作用によって後方
に戻され、ピニオンギヤ210とエンジンのリングギヤ
100との噛み合いが外れるとともに、ピニオンギヤ2
10の後端が出力軸220のフランジ形突出部222に
当接する。つまり、ピニオンギヤ210が、スタータの
始動前に戻される(図15(c)参照)。
【0076】さらに、プランジャ610が下方に戻され
ることにより、下側可動接点611が、マグネットスイ
ッチ600のステーショナリコア642の上面に当接
し、上側のブラシ910のリード線が、上側可動接点6
12→抵抗体617→下側可動接点611→ステーショ
ナリコア642→マグネットスイッチカバー640→ブ
ラシ保持体900の順に導通する。つまり、上側のブラ
シ910と下側のブラシ910とが、ブラシ保持体90
0を介して短絡する。一方、アーマチャ540の惰性回
転により電機子コイル530には、起電力が生じる。そ
して、この起電力が、上側のブラシ910、ブラシ保持
体900、下側のブラシ910を介して短絡するため、
アーマチャ540の惰性回転に制動力が与えらえる。こ
の結果、アーマチャ540は急速に停止する。
【0077】(実施例の効果)本実施例のスタータは、
ピニオン規制手段をなすピニオン回転規制部材230
は、ピニオン200に当接し、出力軸220の回転によ
り、ピニオンギヤ210をリングギヤ100側に移動さ
せつつ、かつ、ピニオンギヤ210がリングギヤ100
に当接した際には、それ自身がたわんで、ピニオンギヤ
210を徐々に回動させて、リングギヤ100に噛み合
わせることで、摩耗粉や歯面の損傷の発生もなく、かつ
ピニオンのリングギヤへの確実な噛み合いと、歯部の耐
久性の向上できるとともに、部品点数も少ない簡単な構
成にすることができる。
【0078】また、ピニオンギヤ210が1/2ピッチ
以上回動するまで、ピニオン回転規制部材230がピニ
オンギヤ210を規制するので、ピニオンギヤ210を
リングギヤ100に確実に噛み合わすことができる。さ
らに、ピニオン回転規制部材230の規制爪231が、
軸方向溝213に係合するので、容易にピニオンギヤ2
10の回転を規制できる。
【0079】また、軸方向溝213がピニオンギヤ21
0のギヤ数よりも多いため、容易に係合できる。さら
に、ピニオン回転規制部材230は、単にピニオンギヤ
210の回転を規制するだけの少ない力で保持されれば
よいため、マグネットスイッチ600により、紐状部材
680を介して、ピニオンギヤ210側に移動されるこ
とができ、マグネットスイッチ600の配置の自由度を
増すことができる。
【0080】また、ピニオン回転規制部材230の規制
爪231自身が、ピニオンギヤ210がリングギヤ10
0にかみ合った時の、ピニオンギヤ210の戻り防止と
することができ、部品点数を少なくして、かつ組み立て
を簡素化することができる。さらに、ピニオン回転規制
部材230が、反ピニオンギヤ210側への移動を付勢
する、付勢手段をなす復帰バネ部233を一体に有して
いるので、マグネットスイッチ600をオフすることに
より、バネ部233により、ピニオン回転規制部材23
0がピニオンギヤ210から離れることになり、部品点
数を少なくして、かつ組み立てを簡素化することができ
る。
【0081】そして、ピニオンギヤ210がリングギヤ
100に当接するまでは、制限手段をなす抵抗体617
により出力軸220の回転をゆっくりとして、ピニオン
ギヤ210をリングギヤ100側にゆっくりと移動させ
ているので、ピニオン回転規制部材230の剛性を強く
する必要はなく、かつピニオンギヤ210がリングギヤ
100に当接したときの衝撃を少なくすることができ、
噛み合いが格段に向上する。
【0082】さらに、ピニオンギヤ210がリングギヤ
100に噛み合った後、直ちに上側可動接点612が固
定接点630に当接し、アーマチャ540に高い電流が
流れ、従来通りのクランキングを行うので、運転者に違
和感を与えることがない。また、ピニオン回転規制部材
23の一端に軸方向に延びる規制爪231を設けること
で、回転規制部232が確実にたわむことができる。
【0083】また、ワッシャ215を回動可能にピニオ
ンギヤ210の端面に保持することで、ピニオンギヤ2
10がリングギヤ100によりオーバーランされ、高速
回転しても、ワッシャ215がピニオギヤ210に対し
て回転自在であるので、ピニオン回転規制部材230の
規制爪231の当接部分の摩耗が少なく、耐久性を高め
ることができる。
【0084】さらに、ワッシャ215をピニオンギヤ2
10と同時に熱処理するようにしているので、ワッシャ
215の硬度を所定値以上にするための工程を省略する
ことができる。また、マグネットスイッチ600のプラ
ンジャー610の移動によって、付勢手段をなす復帰バ
ネ部233を移動させつつ、規制爪231をピニオンギ
ヤ210側に当接させているので、復帰バネ部233に
よる圧縮力によって、規制爪231をピニオンギヤ21
0側から確実に離すことができる。
【0085】さらに、仮に、スタータが誤操作されて、
ピニオン回転規制部材230の規制爪231がピニオン
ギヤ210に断続的に当接を繰り返しても、ピニオンギ
ヤ210の回転を規制している間、規制爪231とワッ
シャ215との間に所定の隙間があるので、規制爪23
1がワッシャ215に当接することはないため、ワッシ
ャ215が規制爪231によって直接衝撃を受けること
がなく、損傷することがなく、また、ピニオンギヤ21
0がリングギヤ100に噛み合った後、ピニオン回転規
制部材230の規制爪231が出力軸220方向に移動
して、ワッシャ215が規制爪231と当接しても、ワ
ッシャ215がピニオンギヤ210に対して回転自在な
ので、ピニオンギヤ210がリングギヤ100よりオー
バーランされ、高速回転しても、規制部をなす規制爪2
31の当接部分の摩耗が少なく、耐久性を高めることが
できる。
【0086】本実施例では、ピニオン回転規則部材23
0は規制爪231(弾性部)と一体に形成され、この規
制爪231で、ピニオンギヤ210を回転規制し、この
規制爪231自身がたわんで、ピニオンギヤ210がリ
ングギヤ100に確実に噛み合うが、この規制爪231
自身がたわまなくても、この規制爪231以外のピニオ
ン回転規制部材230の一部(例えば、回転規制部23
2等)がたわんでもよい。
【0087】また、ピニオンギヤ210の回転を規制す
る規制爪231をスタータ筐体に径方向に移動可能と
し、かつ規制爪231とは別部材で構成し、ピニオン2
10がリングギヤ100に当接した時に、シャフト51
0の回転により、回転方向にたわむ弾性部材を配設して
もよく、この場合には、規制爪231と弾性部材とで本
発明で言うピニオン規制手段をなす。
【0088】(実施例2)第16図に示す、第2実施例
においては、実施例1におけるマグネットスイッチ60
0を、モータ500と平行に配置したものである。 (実施例3)第3実施例を図17に基づいて説明する。
この実施例3では、ピニオン1が、一方向性クラッチを
備えた構成であり、この一方向性クラッチは、内周に楔
状空間を有するアウタ3と、この楔空間内に配設される
ローラ4及び、ピニオンギヤ2と一体形成されたインナ
5と、このローラ4をインナ5方向に押圧するスプリン
グ(不図示)とから構成されている。半割れワッシャ6
は、2枚であり、アウタ3の径方向よりアウタ3の端面
に組み付けられており、この半割れワッシャ6がカバー
7によって、アウタ3とともに、かしめ固定されてい
る。なお、ローラ4及び、インナ5は、半割れワッシャ
6によって、軸方向の移動規制されている。
【0089】アウタ3の外周には、全周にわたってピニ
オンギヤ2の外歯枚数よりも多い凹凸3aが形成されて
いる。この凹凸3aは、上述した実施例1と同様なピニ
オン回転規制部材230の規制爪231が嵌まり合うた
めのものである。ワッシャ10は、アウタ3の後端に形
成した円環部3bを外周側へ曲げ込むことにより、アウ
タ3の後端面において回転自在で、且つ軸方向へ抜けな
い構造としている。
【0090】なお、アウタ3の内周面には、出力軸22
0に形成されたヘリカルスプライン221に嵌まり合う
アウタヘリカルスプライン211が形成されており、ピ
ニオン1が出力軸220上を摺動するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スタータの実施例1を示す側面断面図で
ある。
【図2】ピニオン回転規制部材の斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は、ピニオン回転規制部材を
ピニオン部に組付けた際の正面図及び一部断面側面図で
ある。
【図4】センターブラケットの後面図である。
【図5】センターブラケットの側面断面図である。
【図6】センターブラケットの正面図である。
【図7】アーマチュアの側面断面図である。
【図8】ヨークの正面図である。
【図9】マグネットスイッチのプランジャーおよび固定
接点の分解斜視図である。
【図10】マグネットスイッチのプランジャーを示す斜
視図である。
【図11】エンドフレームおよびブラシスプリングを示
す断面図である。
【図12】ブラシ保持体を示す正面図である。
【図13】図12のA−A線に沿う断面図である。
【図14】図12のB−B線に沿う断面図である。
【図15】(a)、(b)及び(c)は、ピニオンの作
動状態を示してある、電気回路図である。
【図16】第2の実施例の断面図である。
【図17】第3の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 ピニオン 3a 凹凸部 100 リングギヤ 200 ピニオン 214 凹凸部 215 ワッシャ 220 出力軸 230 ピニオン回転規制部材 231 規制爪 233 復帰バネ部 400 ハウジング 500 モータ部 510 シャフト 600 マグネットスイッチ 610 プランジャー 680 紐状部材をなすワイヤ 682 凹部 684 固定ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 7/116 H02K 7/116 (72)発明者 新美 正巳 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 加藤 雅浩 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 荒木 剛志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタータモータに駆動される出力軸と、 この出力軸に、ヘリカルスプラインによって係合され、
    かつエンジンのリングギアと噛み合うピニオンと、 このピニオンに当接し、かつ回転を規制することで、出
    力軸の回転により、前記ピニオンをリングギア側に移動
    させるピニオン規制手段とを備え、 このピニオン規制手段は、前記ピニオンが前記リングギ
    アに当接した時に、出力軸の回転により、回転方向にた
    わんで、前記ピニオンを回動可能として、前記リングギ
    アに噛み合わせることを特徴とするスタータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスタータにおいて、 前記ピニオンの回動可能量は、少なくともピニオンギア
    の1/2ピッチ以上であることを特徴とするスタータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のスタータにおいて、 前記ピニオン規制手段は、前記ピニオンのギア数よりも
    多い溝数である、前記ピニオンの外周面に形成された軸
    方向溝部に係合されることを特徴とするスタータ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のス
    タータにおいて、 前記スタータモータへの通電を行うマグネットスイッチ
    と、このマグネットスイッチの作動をピニオン規制手段
    に伝達する伝達手段とを有し、前記ピニオン規制手段
    は、前記マグネットスイッチによって、前記ピニオン側
    に移動され、かつ当接されることを特徴とするスター
    タ。
  5. 【請求項5】 請求項4のスタータにおいて、 前記ピニオン規制手段は、前記ピニオンが前記リングギ
    アに噛み合った後に、前記マグネットスイッチにより、
    さらに前記ピニオンのスタータモータ側後方に挿入さ
    れ、前記ピニオンの戻り防止を行うことを特徴とするス
    タータ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のスタータにおいて、 前記ピニオン規制手段は、反ピニオン側への移動を付勢
    する付勢手段を一体に有し、前記マグネットスイッチを
    オフすることにより、前記付勢手段によって、前記ピニ
    オン規制手段が前記ピニオンから離されることを特徴と
    するスタータ。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6のいずれかに記
    載のスタータにおいて、 前記マグネットスイッチは、前記ピニオンが前記リング
    ギアに噛み合うまでは、前記スタータモータへの通電を
    制限する制限手段を有することを特徴とするスタータ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のスタータにおいて、 前記ピニオンが前記リングギヤに噛み合い、前記ピニオ
    ン規制手段が前記ピニオンのスタータモータ側後方に挿
    入された時、前記制限手段を解除することを特徴とする
    スタータ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載のスタータにおいて、 前記ピニオン規制手段は、前記ピニオンの外周面に当接
    する、弾性を有し、軸方向にのびる棒状の規制部と、こ
    の規制部の先端は、前記ピニオンがリングギアにかみ合
    った時に前記ピニオンの端面と当接することを特徴とす
    るスタータ。
  10. 【請求項10】 請求項9のスタータにおいて、 前記ピニオンの端面には、前記規制部の先端が当接す
    る、回動可能なワッシャが設けられていることを特徴と
    するスタータ。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のスタータにおい
    て、 前記ワッシャは、所定の硬度を出すために、前記ピニオ
    ンを熱処理する際に、同時に熱処理されることを特徴と
    するスタータ。
  12. 【請求項12】 請求項6もしくは請求項9のいずれか
    に記載のスタータにおいて、 前記ピニオン規制手段は、前記規制部の一端に設けられ
    た弾性部を有し、 この弾性部の一端を移動規制することで、前記マグネッ
    トスイッチのプランジャーの移動によって、前記弾性部
    を変形させつつ、前記規制部を前記ピニオンに当接させ
    ることを特徴とするスタータ。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のスタータにおいて、 前記ピニオンの前記スタータモータ側端面に前記ピニオ
    ンとともに軸方向に移動するように配設され、かつ前記
    ピニオンに対して回転自在に設けられた回転部材を備
    え、 前記ピニオン規制手段が前記ピニオンに当接し、前記ピ
    ニオンの回転を規制している間、前記回転部材と前記ピ
    ニオン規制部材との間に所定の隙間を有していることを
    特徴とするスタータ。
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