JPH095327A - 金属コロイド結合物質を用いる測定対象物質の検出方法及び該検出方法に用いられるゲル - Google Patents

金属コロイド結合物質を用いる測定対象物質の検出方法及び該検出方法に用いられるゲル

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JPH095327A
JPH095327A JP15783495A JP15783495A JPH095327A JP H095327 A JPH095327 A JP H095327A JP 15783495 A JP15783495 A JP 15783495A JP 15783495 A JP15783495 A JP 15783495A JP H095327 A JPH095327 A JP H095327A
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JP
Japan
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gel
colloid
measured
substance
bonding material
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JP15783495A
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Masahiko Yamazaki
誠彦 山崎
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特異的結合反応を利用し、簡便に、短時間に
感度よく、明瞭に測定対象物質を検出するための方法及
び素材の提供。 【構成】 測定対象物質に特異的に結合可能な特異結合
物質を結合した金属コロイドと測定対象物質とを、ポリ
エチレングリコール、デキストラン又はマルトトリオー
ス重合体から選ばれる少なくとも1種を含有させたゲル
中で拡散により接触させ凝集反応させることを特徴とす
る測定対象物質の検出方法及び該検出方法に用いられる
ゲル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属コロイドを用いる
微量物質の検出方法に関し、更に詳しくはゲル内免疫拡
散法により検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微量物質を検出或いは定量する方
法の一つとして、この微量成分とこれに対して特異的に
結合しうる物質(以下特異結合物質と称す)との特異的
な結合反応を利用する方法が、特に臨床検査の分野など
で広く用いられている。この特異的結合反応を利用する
測定方法の1つとして、ゲル内免疫拡散法が知られてい
る。これは、寒天などのゲルを支持体として、この中を
抗原や抗体を拡散させ免疫複合体を形成させ、沈降線と
して検出する方法である。寒天平板状に複数の穴をあ
け、各々に抗体や抗原を添加し、各々向かい合わせで拡
散し生じた沈降線で定性的に検出するOuchterl
ony法や、一定量の抗体または抗原を含む寒天平板状
に穴をあけ、この中に対応する抗原又は抗体を分注し拡
散させ、穴の回りにリング状に生じる沈降線の面積を測
定することで定量するSingleRadial Im
munodiffusion(以下SRIDと称す)
や、SRIDに電気泳動法を組み合わせて沈降線をロケ
ット状に形成させるImmunoelectrodif
fusionなどがゲル内免疫拡散法の主な方法であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら従来のゲル内免
疫拡散法は、洗浄操作が必要なく比較的簡便であり、か
つ検体の廃液処理の必要がないなど優れている点がある
が、その一方、抗原と抗体の結合反応の結果生じる不溶
性の免疫複合体そのものを沈降線として検出していた
が、このため、反応の時間がかかる、感度が不十分、シ
グナルが不明瞭などの欠点があった。
【0004】本発明は特異的結合反応を利用して、簡便
に、短時間に感度よく、明瞭に測定対象物質を検出する
ための方法及び素材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成によって達成される。
【0006】1) 測定対象物質に特異的に結合可能な
特異結合物質を結合した金属コロイドと測定対象物質と
を、ポリエチレングリコール、デキストラン又はマルト
トリオース重合体から選ばれる少なくとも1種を含有さ
せたゲル中で拡散により接触させ凝集反応させることを
特徴とする測定対象物質の検出方法。
【0007】2) 凝集反応の程度が金属コロイドの色
調の変化で検出されることを特徴とする前記1記載の測
定対象物質の検出方法。
【0008】3) 上記金属コロイドが金コロイド又は
銀コロイドであることを特徴とする前記1記載の測定対
象物質の検出方法。
【0009】4) 前記1、2又は3記載の検出方法に
用いるゲルが、ポリエチレングリコール、デキストラン
又はマルトトリオース重合体から選ばれる少なくとも1
種を含有させたことを特徴とするゲル。
【0010】本発明を更に詳しく説明する。即ち、本発
明の特異結合物質としては、測定対象物質に対し特異的
に結合することが可能であり、かつ金属コロイドと結合
が可能な物質である。
【0011】本発明の測定対象物質と特異結合物質(或
いは特異結合物質と測定対象物質)との組み合わせは、
例えば、抗原と抗体、ある種の糖類とレクチン、ビオチ
ンとアビジン、プロテインAとIgG、ホルモンとレセ
プター、酵素と基質、核酸と相補的な核酸、などが例と
して挙げられる。本発明に使用できる最も典型的な測定
対象物質と特異結合物質の組み合わせは、抗原と抗体或
いは抗体と抗原である。特異結合物質としての抗体は、
ポリクローナル抗体でも良く、モノクローナル抗体であ
っても良い。また、複数の種類の抗体を使用しても良
い。また、抗体のクラスは特に限定されず、IgGであ
ってもIgMであっても使用可能であるし、また、例え
ばFabやFab′やF(ab′)2等の抗体のフラグ
メントであっても良い。
【0012】本発明に使用できる金属コロイドとして
は、従来公知のものはいずれも使用できる。金コロイ
ド、銀コロイド、白金コロイド、水酸化鉄コロイド、鉄
コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、パラジウムコ
ロイド、ロジウムコロイドなどがその例として挙げられ
るが、特に、金コロイドと銀コロイドが好ましい。適当
な粒径において、金コロイドは赤色、銀コロイドは黄色
を示し、本発明において好ましく用いることができる。
【0013】金属コロイドの粒径としては、強い色調が
得られかつゲルを拡散可能な粒径であることが必要であ
る。約1〜500nmが好ましく、より好ましくは3〜
200nmである。特に好ましくは5〜100nmであ
る。
【0014】金属コロイドと特異結合物質との結合は、
従来公知の方法(例えばThe Journal of
Histochemistry and Cytoc
hemistry,Vol.30,No.7,pp69
1−696,1982)に準じて行われる。即ち、免疫
活性物質の等電点付近のpHにて金属コロイドと特異結
合物質の溶液を5分以上混合する。金属コロイドに対し
て十分量の特異結合物質が存在すれば金属コロイドは安
定化される。安定化されたかの確認は、混合溶液に等量
の10%塩化ナトリウム水溶液を加え、金属コロイドの
色調の変化をみる。変化がなければ安定化されている。
金属コロイドへの特異結合物質の結合の量を調整するた
め、一定の特異結合物質を加え、その量が金属コロイド
を安定化するために十分量でない場合においては、その
他の不活性物質、例えば牛血清アルブミンやカゼイン等
の乳蛋白を次いで加えて金属コロイドと結合させること
も可能である。特異結合物質が結合した金属コロイド
は、例えば遠心分離にて未結合の特異結合物質や不活性
物質と分離される。遠心分離にて沈澱として得られる特
異結合物質金属コロイド結合体は適当な緩衝液に分散さ
れ、保存される。保存用の分散液には適当な安定化剤を
添加しても良い。安定化剤としては、例えば、ポリエチ
レングリコールが例として挙げられる。また、上記不活
性物質を共存させても良く、アジ化ソーダのような防腐
剤を添加しても良い。
【0015】本発明で使用できるゲルは、水性液体成分
を含み、系全体にわたる支持構造を持ち、3次元の網目
構造を有するもので、特異結合物質金属コロイド結合体
及び測定対象物質がゲルの網目構造を通じ移動或いは拡
散することが可能なものである。従来ゲル内免疫拡散法
に使われていたゲルも包含される。ゲルの具体的な例と
しては、寒天ゲル、アガロースゲル、ゼラチンやフタル
化ゼラチンのようなゼラチン誘導体のゲル、ポリアクリ
ルアミドやポリビニルアルコールやポリビニルピロリド
ンやポリアクリル酸ナトリウムなどの合成高分子ゲル、
ヒドロキシエチルセルロースやカルボキシメチルセルロ
ースなどのセルロース誘導体のゲル、アルギン酸金属塩
のゲル等が挙げられる。特に寒天ゲルとアガロースゲル
が好ましい。成分の含量や添加剤などを変化させること
により、網目構造を制御し、目的にあった拡散速度を有
するゲルを調製することが可能である。
【0016】本発明で使用できるポリエチレングリコー
ルの平均分子量は1,000〜50,000がよく、よ
り好ましくは2,000〜10,000である。ゲル中
のポリエチレングリコールの濃度は好ましくは0.05
〜5(W/V)%であり、0.5〜2(W/V)%がよ
り好ましい。
【0017】本発明で使用できるデキストランの平均分
子量は10,000〜2,000,000がよく、より
好ましくは100,000〜2,000,000であ
る。ゲル中のデキストランの濃度は好ましくは0.1〜
10(W/V)%であり、2〜7(W/V)%がより好
ましい。デキストランの塩、例えばデキストラン硫酸も
同様な効果を有する。
【0018】本発明で使用できるマルトトリオース重合
体としては、例えば、プルラン、プルランのプルラナー
ゼによる分解産物、デンプンのアミラーゼによる分解産
物、マルトトリオースの化学合成による重合体等が挙げ
られる。その平均分子量は500以上100,000以
下がよく、より好ましくは10,000〜60,000
である。ゲル中のマルトトリオース重合体の濃度は好ま
しくは0.1〜10(W/V)%であり、0.5〜6
(W/V)%がより好ましい。
【0019】ゲル中にポリエチレングリコール、デキス
トラン又はマルトトリオース重合体を添加するには、加
温されたゲル化前の溶液状態でこれら添加剤を含有、共
存させ、次いで冷却させてゲル化させる方法が代表的で
ある。
【0020】ゲル中に特異結合物質金属コロイド結合体
を含有させるには、ゲルが固化する際に金属コロイド結
合リガンドを共存させても良いし、ゲルを調整後に特異
結合物質金属コロイド結合体の溶液を接触させゲル中に
拡散させても良い。寒天ゲル、アガロースゲルやゼラチ
ンゲルの場合は通常、寒天やアガロースやゼラチンを高
温で水溶液中に溶解した後、金属結合リガンドを混和
し、これを冷却させることで、特異結合物質金属コロイ
ド結合体含有コロイドを調整する。混和は特異結合物質
の活性が必要以上に低下しない温度で行う必要がある。
例えば特異結合物質が抗体である場合、50℃以下で混
和することが好ましい。調製した特異結合物質金属コロ
イド結合体含有ゲルは金属コロイドに由来する着色がな
されている。
【0021】ゲル中には、特異結合物質と測定対象物質
との特異的結合反応の際に至適なpHを与えるため、緩
衝液が含有されていても良い。例えば結合反応が抗原抗
体反応であれば、通常の抗原抗体反応に使用できる緩衝
液、例えば燐酸緩衝液、酢酸緩衝液、ほう酸緩衝液、ト
リス緩衝液、グッドの緩衝液などを用いることができ
る。pHは通常の抗原抗体反応が行われるpHの範囲内
であれば問題ない。
【0022】本発明の検出法は以下のごとく行われる。
【0023】得られた特異結合物質金属コロイド結合体
を含有したゲルに測定対象物質を含む検体を添加する。
ゲル上に直接添加しても良いし、ゲルに穴を開け、ここ
に添加しても良い。測定対象物質はゲル中で拡散し、測
定対象物質と特異結合物質物質との間で結合反応が起こ
り、その結果金属コロイドが凝集する。金属コロイドは
凝集により色調が変化することから、ゲルの色調変化を
測定することにより測定対象物質の検出、定量が可能と
なる。
【0024】
【実施例】
実施例1 1−1)試料の調製 a)抗体金コロイド結合体の作成 金コロイド及び銀コロイドはRothの方法(The
Journal ofHistochemistry
and Cytochemistry, Vol.3
0,No.7,pp691−696,1982)にした
がって作成した。金コロイドはOD530nm=2.
0、銀コロイドはOD400nm=2.0の濃度になる
ようpH7.0の0.1M 3−(N−モルホリノ)−
2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(以下MOPSOと
称す)緩衝溶液中に調製した。
【0025】金コロイド及び銀コロイドと抗体への結合
は、同じくRothの方法に準じて行った。
【0026】500μg/mlの濃度に調製したウサギ
抗α1−アンチトリプシン(以下ATと称す)抗体(ア
テンズ・リサーチ社製)溶液1mlをMOPSO緩衝溶
液(100mM,pH7.0)に透析し、これに上記金
コロイドのMOPSO緩衝溶液5mlを加え、混合後5
分間室温に静置した。その後、ポリエチレングリコール
(分子量約2万)溶液を最終濃度0.05%になるよう
に加え、10000×gにて30分間遠心分離し、沈澱
物として抗AT抗体金コロイド結合体を得た。得られた
抗AT抗体金コロイド結合体は530nmの吸光度が
2.0の濃度になるよう、0.05%ポリエチレングリ
コール(分子量約20000)/PBS溶液に希釈し、
4℃で保存した。
【0027】b)ゲルの調製 アガロース(和光純薬工業(株)製:アガロースIII)
50μg及びポリエチレングリコール(分子量600
0:和光純薬工業(株)製)70μgを試験管中のMO
PSO緩衝液5mlに加え、80℃以上に加熱し溶解し
た。これを恒温槽中で45℃に保ち、45℃に暖めたa)
で調製した抗AT抗体金コロイド結合体2mlを加えよ
く混和する。これをガラス板の上に約1mlの厚さにな
るよう一様に広げ、室温に置いて固まらせ、薄赤色の抗
体金コロイド結合体含有ゲルを調製した。なお、比較と
してポリエチレングリコールを加えないゲルも同様に調
製した。
【0028】1−2)ATの検出 1−1)のb)にて調製したゲルに直径2mmの金属管
で穴をあけ、この穴にサンプルを5μlずつ添加した。
なお、サンプルは、1.0mg/mlの濃度でATを溶
解したMOPSO緩衝液と2.2mg/mlのAT濃度
を示す人血清をそれぞれMOPSO緩衝液にて10分の
1希釈したものを用いた。これらのゲルは室温におき、
リングの生成を経時的に目視にて観察した。
【0029】その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から、本発明の試料は、短時間で検出
できることが解る。
【0032】実施例2 2−1)試料の調製 a)抗体銀コロイド結合体の作成 実施例1の1−1)a)に準じて作成した。
【0033】抗体はヒツジ抗CRP抗体(カッペル社
製)を用いた。得られた抗CRP抗体銀コロイド結合体
は400nmの吸光度が2.0になるように希釈し保存
した。
【0034】b)ゲルの調製 a)で調製した抗CRP抗体銀コロイド結合体を用い、
実施例1の1−1)b)に準じて薄黄色の抗CRP抗体
結合銀コロイド含有ゲルを調製した。なお、ゲルへの添
加剤としてはポリエチレングリコールのほかに表2に示
す化合物を用いた。
【0035】2−2)CRPの検出 2−1)のb)にて調製したゲルに、1μl/mlの濃
度でCRPを溶解したダルベコのPBSを10μl点着
した。ゲルの点着部における薄黄色から灰色への変化を
経時的に目視で判定した。
【0036】結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2から、本発明の試料は比較例より短時
間で、効率よく検出できることが解る。
【0039】
【発明の効果】本発明により、特異的結合反応を利用
し、簡便に、短時間に感度よく、明瞭に測定対象物質を
検出するための方法及び素材を提供することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物質に特異的に結合可能な特異
    結合物質を結合した金属コロイドと測定対象物質とを、
    ポリエチレングリコール、デキストラン又はマルトトリ
    オース重合体から選ばれる少なくとも1種を含有させた
    ゲル中で拡散により接触させ凝集反応させることを特徴
    とする測定対象物質の検出方法。
  2. 【請求項2】 凝集反応の程度が金属コロイドの色調の
    変化で検出されることを特徴とする請求項1記載の測定
    対象物質の検出方法。
  3. 【請求項3】 上記金属コロイドが金コロイド又は銀コ
    ロイドであることを特徴とする請求項1記載の測定対象
    物質の検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の検出方法に用
    いるゲルが、ポリエチレングリコール、デキストラン又
    はマルトトリオース重合体から選ばれる少なくとも1種
    を含有させたことを特徴とするゲル。
JP15783495A 1995-06-23 1995-06-23 金属コロイド結合物質を用いる測定対象物質の検出方法及び該検出方法に用いられるゲル Pending JPH095327A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1302912C (zh) * 2005-12-30 2007-03-07 刘建平 新型硅橡胶胶管生产工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1302912C (zh) * 2005-12-30 2007-03-07 刘建平 新型硅橡胶胶管生产工艺

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