JPH0952778A - 吸音材 - Google Patents

吸音材

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JPH0952778A
JPH0952778A JP22704495A JP22704495A JPH0952778A JP H0952778 A JPH0952778 A JP H0952778A JP 22704495 A JP22704495 A JP 22704495A JP 22704495 A JP22704495 A JP 22704495A JP H0952778 A JPH0952778 A JP H0952778A
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敏史 寺村
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清之 中川
Noriki Matsuo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケイ酸カルシウム系吸音材の吸音特性をほと
んど低下させることなく機械的特性をより向上させる。 【解決手段】 ケイ酸カルシウム水和物からなる吸音材
(4)の中に、多数の気孔(5)が連通した連続気孔
(7)をほぼ同一方向に配列させる。この連続気孔は吸
音材の製造過程における反応系にアルミニウムを添加し
て気泡を発生させその気泡の特定の挙動を利用して水平
方向に気泡を配列させることにより作る。この吸音材の
吸音特性は高くなるから、その吸音特性をある程度低く
抑さえれば、その分、吸音材の機械特性を向上させるこ
とが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木・建築分野の
建造物の一部分として利用されるケイ酸カルシウム水和
物系吸音材の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ケイ酸カルシウム水和物系吸
音材は公知である(特開昭52−37403号公報)。
この公知技術によると前記吸音材は、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム塩やノニルフェニールテトラエチ
レンオキサイドエーテル硫酸エステル等の気泡剤を空気
及び水と攪拌して微細な気泡を含有するエマルジョンを
得る工程、そのエマルジョンを吸音材製造用原料と混合
して気泡コンクリ−トスラリーを得る工程、その気泡コ
ンクリ−トスラリーを型枠に注型して成形する工程、及
びその工程で得られたコンクリ−ト多孔体をオートクレ
ーブ養生する工程を経て製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知技術により得
られた吸音材には微小な気泡が連続して存在しているの
で前記吸音材は優れた吸音特性を有するが、その吸音材
をより高い機械的特性、特に圧縮強度が要求される用途
に向けようとすると、なお改良の余地がある。例えば、
前記吸音材を他の建材と複合させて吸音が必要な建物の
室内側に壁材として使用しようとする場合において、吸
音材の圧縮強度が小さいと、その吸音材に何かの拍子に
他の剛体が衝突したとき、吸音材、すなわち壁材の表面
が部分的に引っ込むという問題があるし、その吸音材は
その搬送過程でも破損し易いという問題がある。
【0004】ところが、この種の吸音材においては、吸
音特性をある程度維持しながら、圧縮強度を向上させる
ことが困難である。と言うのは、吸音特性を向上させる
には吸音材中の気孔を多く増やし気泡同士を連続させる
必要があり、気孔を増やすと気孔を形成している吸音材
の構成層である固体組織(マトリックス層)が少なくな
り、必然的に吸音材の圧縮強度が低下するからである。
なお、前記公知技術により、圧縮強度を高めるためにマ
トリックス層を多くすると気孔が少なくなり、その結
果、連続気孔が減少し、吸音特性が低下する。
【0005】そこで、本発明者等は、この問題を解決す
るために鋭意研究した結果、前記の連続気孔の多くが特
定の方向を向いている吸音材を製造するとともに、その
吸音材を使用するとき、前記連続気孔が特定の方向を向
く態様で使用すればよいとの事実を見い出し、本発明を
完成した。従って、本発明の課題は、吸音特性をほとん
ど低下させることなく機械的特性をより向上させること
が可能なケイ酸カルシウム系吸音材を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、ほぼ球形をなす気孔を多数包含する嵩
比重が0.2〜0.5のケイ酸カルシウム水和物からな
り、前記気孔のうち相隣接する複数個の気孔が、部分的
に合体して、それらの間にできた連通孔を介して連続的
に繋がる連続気孔になっているとともに、多数個の前記
連続孔がほぼ同一の方向に配列している吸音材とする。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、前記吸音材の製造方法、構
造及び作用・効果について述べると、まず、本発明に係
る吸音材は、ほぼ球形をなす気孔を多数包含する嵩比重
が0.2〜0.5のケイ酸カルシウム水和物からなって
いる。この吸音材は主として二つの工程、すなわち、ケ
イ酸質原料と石灰質原料とを吸音材製造の主原料とする
水スラリーを発泡材、増粘剤及び界面活性剤の存在下で
型枠の中で発泡と硬化をさせて、半可塑化した硬化物を
得る工程(半可塑物製造工程)と、その工程で得られた
硬化物を高温、高圧下で水蒸気養生する工程(養生工
程)を経て製造される。
【0008】前記ケイ酸質原料としては石英、クリスト
バライト、珪砂、フライアッシュ、スラグ、シリカフュ
ーム等のSiO2 含有化合物の1種又は2種以上が使用
される。また、石灰質原料としては、生石灰、消石灰、
各種のポルトランドセメント等Ca含有化合物の1種又
は2種以上が使用されるが、半可塑物製造工程において
反応系内で発生する気泡の安定性や前記水スラリーが半
可塑化して硬化するまでの硬化時間の短縮等を考慮する
と、ポルトランドセメント、特に、普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメントが好適に使用される。
【0009】さらに、前記製造方法においては、高温・
高圧雰囲気下で水蒸気養生された軽量気泡コンクリ−ト
(ALC)の製造工程で、または本発明に係る吸音材の
製造工程でそれぞれ発生する半可塑物の解砕屑が、前記
気泡の安定化、及びセメントが使用されている場合その
セメントの水和反応の安定化等のために前記したケイ酸
質原料及び石灰質原料の一部として使用することも可能
である。
【0010】解砕屑は、前記ケイ酸質原料と石灰質原料
の固形分の合計量を基準にして30重量%以下、好まし
くは5〜20重量%の範囲で使用される。前記解砕屑の
使用量が30重量%を超えると、通常の製造条件下では
半可塑物の強度が低下して脱型や加工に必要な強度を有
するものにならない。なお、前記工程に解砕屑が使用さ
れる場合は、この原料とセメント以外の石灰質原料を使
用しなくてもよい。この場合、前記固形分を基準にして
1〜5重量部の石膏が併用される。
【0011】さらに、前記半可塑物製造工程において発
泡材としてアルミニウムの金属粉を使用することによ
り、本発明に係る吸音材の中において特定の方向を向い
て配向する連続気孔の形成が可能になる。連続気孔形成
の機構は、必ずしも明確にされていないが、おおよそ次
のように考えられる。
【0012】アルミニウムの金属粉は、前記水スラリー
のアルカリと反応して水素ガスを発生させ、原料の水ス
ラリーが半可塑化してゆく過程(発泡過程)においてこ
の水素ガスが集まって気泡になり水スラリーを押し上げ
る。他方、可塑化しつつある水スラリーには重力が働い
ているから、上昇してくる気泡は水スラリーの重力作用
を受け水平方向に逃げようとする。加えて、前記水スラ
リーが可塑化するにつれてその粘度も上昇するから、や
がて水スラリーの粘性エネルギーが水素ガスの発泡エネ
ルギーより大きくなり、その結果、水スラリーが前記気
泡を押し下げようとする。これらの作用を受けた各気泡
は、水平方向に長い楕円形になりかつその上昇方向と直
交する方向、すなわち水平方向に配列する。
【0013】また、前記方法にはアルミニウムの金属粉
が多量に使用されるから、反応系内において多数の気泡
が発生し、同系の水和反応熱を受けてそれらの気泡がよ
り大きく膨脹するため、水平方向において互いに近接し
て配列した楕円形の気泡は接触し易くなる。その結果、
図1に示すように、その反応系Rにおいて楕円形の気泡
1とそれに近接している側部の気泡2は水平方向に合体
して数珠状気泡3をつくる。この数珠状気泡3は、後述
する連続気孔に変わる重要な要素となる。
【0014】前記反応系内の気泡の連続性と方向性は以
上のように説明できるが、一般に反応系内で気泡同士が
接触した場合、気泡の殻の表面張力が大きいと気泡は合
体して一つの大きな気泡になろうとするので、それを阻
止する必要がある。そこで、本発明に係る前記半可塑物
製造工程においては前記水スラリーに界面活性剤が添加
される。
【0015】この界面活性剤は、水スラリーを機械的作
用、例えば、攪拌により起泡させるために使用するので
はなく、反応系内におけるアルミニウムの化学反応で発
生する気泡と水スラリーとの界面を活性させる目的で使
用される。従って、この目的に合致する界面活性剤であ
ればそれは使用可能であるが、好ましくは、高級アルコ
ールの硫酸エステルが使用される。この場合、反応系が
60〜80℃の温度範囲にあるとき前記反応系に前記界
面活性剤が添加される。さらに、本発明に係る前記反応
系の気泡が移動するときの抵抗を適度に抑制して気泡が
連続して水平方向に並ぶようにするために、反応系に増
粘剤、好ましくは、メチルセルロースが添加される。
【0016】前記原料及び添加剤が用意されたら、ケイ
酸質原料と石灰質原料を水と混合して、シリカ(SiO
2) /酸化カルシウム(CaO)の比にして0.3〜1
の原料の水スラリーを調整し、得られた水スラリーに対
して前記原料の固形分100重量部当たり前記増粘剤を
0.1〜2.0重量部、界面活性剤を1.0〜3.0重
量部及びアルミニウムの金属粉を0.05〜0.2重量
部それぞれ混合して粘度が400〜2500cps.の
混合物とする。そして、その混合物を型枠に打設して発
泡・硬化させる。
【0017】次に、このようにして得られた半可塑物を
切断して所定の大きさと形状を有する成形物、典型的に
はパネル状成形物にして、その成形物をオートクレーブ
に入れて温度150〜200℃、圧力8〜20気圧、好
ましくは9〜12気圧の飽和水蒸気雰囲気下で2〜8時
間養生すると、その半可塑物は、トバモライトで代表さ
れるケイ酸カルシウム水和物に変わり本発明に係る吸音
材になる。なお、半可塑物を切断して成形物にするとき
は、半可塑物に含まれている前記数珠状気泡の配列方向
に対して直交する方向に向かって切断する。そのように
すれば、後述する連続気孔が延びている方向にほぼ直交
するように切断された成形体を得ることが可能になる。
【0018】このようにして得られた吸音材を、その前
駆体である半可塑物が型枠内に存在していたときその型
枠の水平方向と一致する方向に切断して、その切断面を
走査型電子顕微鏡で見ると、図2において模式的に示し
たように、吸音材4は直径が約0.1〜2mmの多数の
気孔5を含んでいることが観察される。そしてそれらの
気孔5のうち相隣接する複数個の気孔同士は、部分的に
合体してそれら気孔5の直径より小さい約0.01〜
1.5mmの直径を有する連通孔6を介して、連続気孔
7になっている。
【0019】すなわち、前記連続気孔7の配向方向Yの
任意位置において該配向方向Y、及びその方向と直交す
る方向Xのそれぞれに向かって本発明に係る吸音材4を
切断し、それらの切断面(任意断面)を前記顕微鏡で写
真撮影してみると、図4及び図5のように、相隣接する
複数個の気孔は、連通孔を介して連続的に繋がって連続
気孔を形成している。
【0020】そして、前記連続気孔の長手方向は、半可
塑物製造工程の型枠において半可塑物が存在した水平の
方向と一致する。これは、図1に示した反応系R内の数
珠状気泡3において相隣接する気泡1、2間に形成され
ていた膜8が前記養生工程で破壊されて、図3に示すよ
うに、その膜の存在していた部分が、気泡1、2の直径
より小さい連通孔6になったことによって、数珠状気泡
が連続気孔7になったものと考えられる。
【0021】なお、前記吸音材の嵩比重(気孔を含む単
位体積当たりの質量)を測定してみると、それは0.2
〜0.5の範囲にある。また、前記写真における気孔の
断面の総面積及び連続気孔の断面の総面積を求めてみる
と、前者の面積(C)は、前記任意断面の面積(A)に
対する面積比(C/A)にして0.4〜0.9の範囲に
あるのに対して、後者の面積(B)は、同じく任意断面
の面積(A)に対する面積比(B/A)にして0.2〜
0.7の範囲にあり、連続気孔に関してこの範囲の面積
比を有する吸音材であれば、前記課題を十分に達成可能
である。
【0022】次に、この吸音材をそのまま又はさらに切
断・切削加工して、建物の壁面又は騒音を発生する機
械、装置等のカバーやケーシングとして使用する。これ
らの使用態様においては、前記連続気孔が向く方向を吸
音させたい音の伝播方向と一致させる。もし、吸音材を
壁面にするのであれば、前者の方向をその壁面に対して
垂直にする。
【0023】すると、吸音材の連続気孔に対して直接又
は連続気孔以外の層であるマトリックス層を介して外部
から伝播してきた音は、その連続気孔の中の長い空気層
に伝達され、125〜2000Hzの広い周波数帯域に
おいて減衰する。さらに、連続気孔の途中には気孔の直
径より小さい連通孔が存在するため、気孔に入った音の
一部が、連通孔を通過できず気孔の壁面に衝突して反射
して再び空気層に入り減衰する。
【0024】この過程までは従来技術と同じであるが、
本発明に係る吸音材においは多数の連続気孔がほぼ同一
方向を向いて配向しているので、その方向から入ってき
た音の減衰効果は連続気孔がランダムに配向している従
来技術に係る吸音材より大きい。
【0025】従って、本発明に係る吸音材が、従来技術
のそれと同じ機械的特性を有するものであれば、特定の
方向から入ってくる音を吸音するための吸音材として使
用する限度において、本発明に係る吸音材の吸音特性を
従来技術より高くすることが可能になり、逆に、吸音特
性を同じにすれば機械的特性を高めることが可能にな
る。
【0026】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例をもって具体的
に説明する。 (半可塑物製造工程)60重量部のケイ砂、ALC製造
工程で発生した2重量部の半可塑物の解砕屑2重量部の
石膏を90重量部の水に混合して水スラリーを調整し
た。この水スラリーに対して、38重量部の早強ポルト
ランドセメント、1重量部のメチルセルロースをそれぞ
れ加えて混合した後、さらに、0.2重量部のアルミニ
ウムの金属粉と2重量部の高級アルコールの硫酸エステ
ルを添加して、吸音材製造用の原料混合物を調合した。
この原料混合物の粘度が700〜800 cps.にな
った時点で、それを型枠(60cm×2000cm×7
0cm)に打設して発泡・硬化させた。
【0027】(養生工程)次に、前記工程で得られた半
可塑物を型枠から取り出して、その半可塑物をそれが型
枠の中にあったときの水平方向に相当する方向に切断し
た。得られた複数枚のパネル状成形体をオートクレーブ
に入れて温度180℃、10気圧の水蒸気雰囲気下で6
時間養生して、本発明の吸音材を得た。そしてその吸音
材の一部分を採取して粉末にし、X線回折法により分析
したら、それはトバモライト及び石英であることが判明
した。
【0028】同様に前記吸音材の嵩比重を測定したら、
その値は0.39であった。また、前記切断面を走査型
電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−T20)で写
真撮影をしたところ、図4に示したようにそれには多数
の気孔が認められるとともに、それら気孔のうち相隣接
する複数個の気孔が部分的に合体し、それら気孔の直径
よりも小さい連通孔を介して連続気孔になっている様子
が認めれた。そして、蟻のシェルエット、数珠の一部分
又は串だんごのような形をした連続気孔はほとんどほぼ
同一方向を向き、前記養生工程における半可塑物の切断
方向から判断して連続気孔の配列方向は、半可塑物製造
工程において水素ガスが気泡となって上昇した方向と直
交していることが判かった。
【0029】次に、前記図4の写真を乾式複写機により
2枚ノンカラーで複写し、そのうちの1枚に写っている
気孔の全部を黒色に染め、他の1枚については連続気孔
だけを前記同様に黒色に染めて修正した。そしてそれら
修正写真を画像解析装置(日本アビオニクス社製TVI
P−4100)を利用して単位断面積(A)当たり黒色
面の面積をそれぞれ気孔の面積(C)及び連続気孔の面
積(B)として求めたら、前者は単位断面の面積(A)
に対する面積比(C/A)にして約0.77であるのに
対して、後者の面積(B)は、同じく単位断面積(A)
に対する面積比(B/A)にして約0.45であった。
【0030】さらに、前記吸音材を10cm×10cm
×10cm塊に切り出して試験体を作り、その試験体に
ついて圧縮試験を行なった(試験装置:インストロン社
製圧縮試験機)ところ、その試験体の圧縮強度は20k
gf/平方cmであった。
【0031】最後に、前記吸音材から直径91.5m
m、厚さ70mmの円柱形の別の試験体を作製し、JI
S A 1406に準拠して前記試験体の垂直入射吸音
率を測定した。その結果を表1に示す。表1から明らか
なように、400〜2000Hzの周波数領域でこの実
施例の試験体は後述する比較例の試験体より高い吸音率
を示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【比較例】比較のために、従来技術に係る市販されてい
るケイ酸カルシウム系吸音材を実施例と同じ形状・大き
さに切り取って試験体を作り、その試験体について前記
と同様の評価をした。また、切断面を実施例と同じよう
に走査型電子顕微鏡で写真撮影した。その結果図5に示
すように、単位面積当たり気孔の数は実施例の約1.2
倍で、気孔の総面積は約70%であった。しかしなが
ら、連続気孔の面積は実施例の約1/5と少なく、しか
もそれには方向性を見出だすことはできなかった。この
比較例の試験体の吸音率は、前記表1に示したように、
125Hz以上400Hz未満の周波数領域で前記実施
例の試験体のそれよりわずかに高かったが、400Hz
以上の領域では実施例の試験体より明らかに低く、圧縮
強度は実施例のそれの49%であった。
【0034】上記実施例及び比較例から次のことが言え
る。吸音特性については、125以上400Hz以下の
周波数領域において比較例が実施例より優れていると言
えるが、400Hz以上の周波数領域の吸音特性及び圧
縮強度については実施例の方が明らかに比較例より優れ
ている。これは気孔の総面積は実施例の方が小さく、気
孔以外の部分、すなわち、マトリックス層は実施例の方
が多くなり、その結果圧縮強度が大きくなるからであ
る。
【0035】また、気孔の総面積が小さいにもかかわら
ず実施例の吸音特性が特定の周波数領域で比較例のそれ
より優れているのは、実施例の吸音材では連続気孔が多
いからである。このことは、実施例の圧縮強度を比較例
のそれと同程度にすれば、実施例の吸音特性をさらに向
上させることができることを意味する。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、ケイ酸
カルシウム系吸音材の吸音特性をほとんど低下させるこ
となく機械的特性をより向上させることができるという
優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸音材の製造工程における反応系
内の気泡の動向を説明する概念図である。
【図2】前記吸音材の一部を破断して示す部分断面図で
ある。
【図3】連続気孔が発生する過程を説明する概念図であ
る。
【図4】実施例で得られた吸音材をその連続気孔が配向
する方向に沿って切断して得た断面を走査型電子顕微鏡
で撮影して示した写真である。
【図5】従来の吸音材を実施例と同様に切断して得た断
面を走査型電子顕微鏡で撮影して示した写真である。
【符号の説明】
1 気泡 2 気泡 3 数珠状気泡 4 吸音材 5 気孔 6 連通孔 7 連続気孔 A 吸音材の断面積 B 連続気孔の断面積 R 反応系

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ球形をなす気孔(5)を多数包含す
    る嵩比重が0.2〜0.5のケイ酸カルシウム水和物か
    らなり、前記気孔のうち相隣接する複数個の気孔が、部
    分的に合体して、それらの間にできた連通孔(6)を介
    して連続的に繋がる連続気孔(7)になっているととも
    に、多数個の前記連続気孔がほぼ同一の方向を向いて配
    列している吸音材。
  2. 【請求項2】 前記方向の任意断面(A)において前記
    連続気孔(7)が占める断面(B)は、面積比(B/
    A)にして0.2〜0.7の範囲にある請求項1記載の
    吸音材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10317534A (ja) * 1997-05-22 1998-12-02 Kenzai Techno Kenkyusho:Kk 吸音パネル
WO2003018274A1 (en) * 2001-08-31 2003-03-06 Rem Koolhaas Panel for architectural design

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