JPH10317534A - 吸音パネル - Google Patents

吸音パネル

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JPH10317534A
JPH10317534A JP9150334A JP15033497A JPH10317534A JP H10317534 A JPH10317534 A JP H10317534A JP 9150334 A JP9150334 A JP 9150334A JP 15033497 A JP15033497 A JP 15033497A JP H10317534 A JPH10317534 A JP H10317534A
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Toshifumi Teramura
敏史 寺村
Kiyoyuki Nakagawa
清之 中川
Noriki Matsuo
憲樹 松尾
Motohide Kawasaki
基秀 川崎
Tetsumasa Jiyoufu
徹正 上符
Toru Asai
透 浅井
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KENZAI TECHNO KENKYUSHO KK
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KENZAI TECHNO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものより、斜入射吸音率が極めて高
く、従って、高速道路や掘割壁など、自動車のように音
源が移動したり、吸音面への音源からの入射角の範囲が
広い騒音を、吸収する必要がある場所での吸音材とし
て、より適切な性能を発揮する吸音パネルを提供する。 【解決手段】 全容積の30%以上が連続空隙で構成さ
れる吸音パネルにおいて、その吸音面の全面あるいは一
部に溝を有しており、その溝は、その深さおよび幅が連
続的に変化する部分を有する溝である吸音パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速道路、堀割、
トンネル、工場建物、一般ビルなどの壁面、天井面、あ
るいは高架道路、橋梁等の高架構造物の下部等に取付ら
れる吸音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続空隙を有する材料である、木毛セメ
ント板、多孔質セラミックス、気泡コンクリート、骨材
をセメント、樹脂等で結合させた粒子凝集型材料等が、
吸音材として使用されている。また、これらの材料は、
吸音性能を発揮するために全容積の30%以上の連続空
隙を有している。その中で特に、連続気泡を有するコン
クリート材料による吸音パネルは、安価かつ容易に入手
しうる工業材料を原料とし、強度、耐久性、耐火性に富
み、しかも別に基板を必要としない剛体吸音材として使
用されている。
【0003】このコンクリート系の吸音パネルは通常は
吸音面が平面であるが、表面形状を図6に示すように、
単に景観性や意匠性を目的として市松模様状の凹凸82
aに加工したものや、図8に示すように直線状の溝状の
凹凸82cに加工したものがある。さらに、吸音性能の
向上を目的として、円筒状の穴や、角柱状に凹凸加工し
たものもある。
【0004】一方、高速道路、掘割壁などの交通騒音
は、自動車という音源が移動するという点や、吸音壁と
自動車の高さ関係等から、吸音面への音源からの入射角
の範囲は広い。また、使用される環境のほとんどが開空
間である。このことから、従来の評価法である垂直入射
吸音率測定方法および残響室法吸音率の測定方法では十
分な評価ができないと考えられている。そこで上記の用
途での吸音特性を評価する方法として斜入射吸音率測定
方法が採用されている。
【0005】以下、前記斜入射吸音率測定方法について
その測定法を図5を参照して述べる。試験には半無響室
を使用し、その床面に吸音パネル52を20m2 以上設
置する。その上方には、マイクロフォン53とスピーカ
54を図5に示すように、音の入射角度を0度、15
度、30度、45度の4種類とし、また各々の条件で反
射音を測定できるように設置する。なお、スピーカ54
とマイクロフォン53の配置は、剛体面51(図5の場
合は床面)を基準に配置する。
【0006】その距離について言えば、入射角0度以外
の条件では、剛体表面から半径3mの円周上にスピーカ
54とマイクロフォン53を配置し、入射角度0度の条
件では、スピーカ54と剛体面51の距離を3m、マイ
クロフォン53と剛体面51の距離を2.5mとする。
音源としては、スピーカ54より信号圧縮法で用いられ
ている試験音(Time-stretched Pulses )を用い、40
0〜4000Hzの1/3オクターブバンドで測定を行
う。このような方法で、試験体の設置前と設置時におい
て、同一測定配置で観測される反射音成分を各々の波形
から抽出する。
【0007】このようにして、入射角度θの剛壁条件で
得られる反射音のパワースペクトルをPr (f) とし、
試験体設置条件で得られる反射音のパワースペクトルを
Ps(f) とする。ここで、入射角度θに対する試験体
の吸音率を試験体設置前後に失われる音のエネルギー比
によって以下の式のように定義する。
【0008】α (θ) =1−Ps (f) /Pr (f)
【0009】ここで、α (θ) は、斜入射吸音率であ
る。平均斜入射吸音率αR,A の計算は、道路交通騒音の
周波数特性として日本音響学会が提案している平均スペ
クトルにA特性補正をした値と、各試験体の斜入射吸音
率測定結果を用いて求める。表1にその計算方法を示
す。
【0010】
【表1】
【0011】道路交通騒音に対する斜入射吸音率(表1
におけるαR,A (θ) )は以下の式で求める。
【0012】 αR,A (θ) =[Σαi ・10LAi/10/Σ10LAi/10
【0013】各角度で得られた斜入射吸音率αR,A
(θ) の算術平均を算出し、その結果を平均斜入射吸音
率αR,A とする。
【0014】αR,A =[{αR,A (0) +αR,A (π/1
2)+αR,A (π/6) +αR,A (π/4) }/4]
【0015】以上の方法で斜入射吸音測定ならびに算出
を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】今回、以上のような斜
入射吸音率測定法で、従来の吸音パネルを測定してみる
と、吸音パネルが平面な吸音面表面を有する場合は、高
い斜入射吸音率測定値を得ることが難しいことがわかっ
た。また、表面形状を前述のように、市松模様状の凹凸
に加工したものや、直線状の溝状に加工したもの、その
他円筒状の穴や、角柱状に凹凸加工したものでも高い斜
入射吸音率は得られなかった。
【0017】本発明者らは、このような従来の全容積の
30%以上が連続空隙で構成される吸音パネルの表面形
状を工夫することにより、斜入射吸音率の値を極めて高
くすることに成功した。したがって、本発明は、従来の
ものより、斜入射吸音率が極めて高い吸音パネルを提供
するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の内容を詳
細に述べる。本発明の吸音パネルは、連続空隙のパネル
全容積に占める割合が30%以上である吸音パネルにお
いて、そのパネルの吸音面の全面あるいは一部に溝が形
成されており、その溝は、その溝の全長あるいは一部
に、深さおよび幅が連続的に変化する部分を有する溝で
あることを特徴とする吸音パネルである。
【0019】連続空隙はもともとそのパネル全容積に占
める割合が30%未満であると十分な吸音効果を発揮す
ることができない。したがって、連続空隙を有する吸音
パネルは、通常その連続空隙のパネル全容積に占める割
合が30%以上ある。このような吸音パネルにおいて、
その吸音面を本発明のようにすることにより、上記斜入
射吸音率測定方法による斜入射吸音率を増加させること
が可能となる。
【0020】その作用は、明確ではないが次のように考
えられる。同一の連続気泡構造を有する吸音パネルは、
その厚さによって吸音特性が変化する。すなわち、吸音
パネルの厚さが増加すると、吸音帯域(吸音率の高い周
波数帯域)が低周波側にシフトする。本発明のように、
溝の深さが連続的に変化する吸音面では、吸音率の高い
周波数帯域が広い周波数域で連続的に存在することにな
る。
【0021】さらに、溝を有することによって、吸音面
積を増加させる効果もある。また、溝の深さと幅を連続
的に変化させることによって、広角から入射される音を
効率的に吸音でき、吸音面から少なからずも発生する反
射音も、分散することができる。
【0022】このような吸音パネルにおいて、その吸音
面に、前記溝を並行して複数有する吸音パネルとするこ
とにより、溝部分の吸音面全体に占める割合、すなわち
比表面積を増加させることができ、意匠性も優れたもの
になる。この溝は、その長さ方向の位置に対して、その
幅の変化が一定の周期をもって繰り返される溝であり、
溝の幅変化の周期がその隣の溝の幅変化の周期と2分の
1づつずれて配することで比表面積を最高のものとする
ことができる。
【0023】また、吸音面に前記溝が格子状に配されて
いる吸音パネルとすることによっても、溝部分の吸音面
全体に占める割合、すなわち比表面積を増加させること
ができ、意匠性も優れたものになるほか、深さおよび幅
が連続的に変化する部分も増やすことができる。そのう
え、斜入射吸音率の方向による偏りがなくなり、吸音パ
ネルの取付け状態を選ばないようになる。
【0024】溝の形状は、幅の増加・減少と同期して深
さが増加・減少するように加工するのが加工の容易性か
ら好ましい。すなわち、幅が増加するにつれて深さも増
加し、幅が減少するにつれて深さも減少するようにす
る。このように加工するためには、図4(ア)(イ)
(ウ)(エ)に示すように側方から見た場合、先細りの
切り刃を有する回転切削刃を、被加工面に対して相対的
にパネルの厚さ方向及び溝の長さ方向に移動させること
等によって溝加工をすれば良い。
【0025】以上のような吸音パネルにおいて、パネル
厚さが35〜200mmの範囲にあって、溝の最大深さ
がパネル厚さの3分の2から3分の1の範囲、溝の最小
深さが、パネル厚さの4分の1以下であり、また、溝の
最大幅が50〜200mm、最小幅が40mm以下であ
り、さらに、前記溝はその長さ方向の位置に対して、そ
の幅及び深さの値が極小値及び極大値を繰り返す溝であ
り、その深さの極小値をとる位置同士又は極大値をとる
位置同士の間隔が200〜2000mmであることが望
ましい。
【0026】吸音パネルの厚さは、35〜200mmの
範囲のものが使用できる。35mm以下では、溝形成が
困難になり、また低周波数の吸音特性の低下が著しくな
る。一方、200mm以上では、壁厚が大きくなり、実
用的でない。
【0027】溝の最大深さは、パネル厚さの3分の2以
上ではパネル自体の強度が著しく低下し、3分の1以下
では高い斜入射吸音率が得られないので、パネル厚さの
3分の2から3分の1の範囲が好ましい。また、溝の深
さが連続的に変化するようにするために、溝の最小深さ
はパネル厚さの4分の1以下が好ましい。さらに、溝の
最大幅についても、同様に溝の幅が連続的に変化するよ
うにして、高い斜入射吸音率を得るために、溝の最大幅
は50〜200mm、最小幅は40mm以下とすること
が望ましい。
【0028】さらに、前記溝はその長さ方向の位置に対
して、その幅及び深さの値が極小値及び極大値を繰り返
す溝であり、その深さの極小値をとる位置同士又は極大
値をとる位置同士の間隔が200〜2000mmである
ことが好ましい。溝の深さ、幅をこのような分布に設定
することにより、人の可聴周波数帯域の音の大部分を吸
収することができる。
【0029】ここで通常、溝の長さ方向の位置に対し
て、その位置の近傍で溝の深さが最大、最小となる値を
それぞれ溝の深さの極大値、極小値と呼ぶ。ただし、本
明細書においては、その位置の近傍においてその場所が
変わっても深さが変わらない部分が、それに隣接する部
分に対して溝の深さが最大、最小となる場合は、その場
所が変わっても深さが変わらない部分の中央を、それぞ
れ深さの極小値をとる位置又は極大値をとる位置とす
る。
【0030】また、上記吸音パネルのなかで、コンクリ
ート系吸音パネルは、連続的に変化する溝形状の型を施
した型枠に原料を打設したり、切削加工によって溝を形
成したりしやすく、吸音面に溝を形成するのに適してい
る。その中でも、セメント等の水硬性物質およびケイ酸
質物質を主原料とし、アルミニウム等の金属粉末および
界面活性剤により発泡させ、オートクレーブ養生によっ
て製造されたコンクリート系吸音パネルである場合に、
特に吸音効果の向上が大きく見られ、斜入射吸音率が
0.72以上となる。この場合は、連続空隙の割合が9
5%を超えるとパネルとしての強度を保つことが不可能
になるので、通常その連続空隙のパネル全容積に占める
割合が、30%以上95%以下である。その他、コンク
リート系吸音パネルには0.5mm〜8mmの径の天然
砕石、人工骨材、軽骨材等をセメント等の水硬性材料で
結合させてできた多孔質材料等によるものもある。
【0031】
【発明の実施の形態】さらに本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、材質は、全容量の30%以上、好ま
しくは40〜85%が連続気泡・空隙で構成された吸音
パネルであり、この吸音パネルが連続気泡で構成される
コンクリート系吸音パネルの場合には、その気泡径は
0.1mm〜2mmの範囲が好ましい。このコンクリー
ト系吸音パネルの代表的な製造方法を述べる。
【0032】主原料は、セメント等の水硬性粉体と珪石
等のケイ酸質粉体である。これらに、硬化調節材として
石膏を添加する。これらの粉体原料と発泡剤としてアル
ミニウム金属粉末、気泡連結剤として界面活性剤、粘度
調節剤として増粘剤を水と混合撹拌しスラリーとし、型
枠に打設し、発泡・硬化させ、半硬化状態でオートクレ
ーブ養生することによって製造する。
【0033】この製造方法のほかに、起泡剤を使用した
プレフォーム法およびミックスフォーム法による気泡コ
ンクリートにも、また骨材、軽量骨材および繊維質材料
をセメント又は有機質バインダー等で結合して作成する
吸音パネルにも本発明は適用できる。
【0034】上術のように、図4(ア)(イ)(ウ)
(エ)に示すような先細りの切り刃を有する回転切削刃
を、被加工面に対して相対的にパネルの厚さ方向及び溝
の長さ方向に移動させる方法でこのような溝を形成した
吸音パネルの吸音面をその正面から見た場合、溝の中心
線は直線状となるが、意匠性をあげるために、前記回転
切削刃を溝の幅方向にも揺動させる等の方法によって、
その中心線が曲線をなすようなものとしてもよい。さら
に同じ目的で、溝の幅及び深さの変化に、周期性を持た
せても、持たせなくてもよい。
【0035】吸音面の溝形成は、原料スラリーを流し込
む型枠に連続的に変化する溝形状の型を施したものを使
用して成形することも可能であり、また前述のように成
形後に切削加工によって溝を形成することも可能であ
る。気泡コンクリートの場合には、型枠成形では、離型
剤の影響があったり、表面近傍の気泡が潰れたりするの
で、オートクレーブ養生後に切削加工によって溝を形成
する方が好ましい。一方、骨材系吸音パネルでは、養生
後の切削加工が困難であるため、型枠で表面形状を形成
したほうがよい。また、パネルの吸音面にはウレタン系
の塗料を吹き付けても吸音性能はあまり落ちない。その
塗料には、骨材を混入してもよい。
【0036】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を説明す
る。まず、本実施例における、コンクリート系吸音パネ
ルの製造方法について述べる。まず最初に、ケイ酸質原
料として珪石粉末(比表面積3000cm2 /g)、石
灰質原料として早強セメントを、凝結調節材として石膏
を、重量で12:12:1の配合とし、水を上記全粉末
原料重量部に対し0.78部、アルミニウム粉末0.0
012部、界面活性剤0.04部、増粘剤0.002
部、をミキサーで混合し、型枠に流し込んだ。
【0037】なお、流し込み時のスラリー温度を40℃
になるよう温度調整した。型枠内で発泡・半硬化した
後、脱型してピアノ線によりパネル状に切断し、オート
クレーブ養生した。この材料の比重は0.35、気泡平
均径は0.9mmで、表2に示す残響室法吸音率を有し
ていた。なお、比較例も同じ製造方法で作成したコンク
リート系吸音パネルを使用した。
【0038】
【表2】
【0039】以上の工程で製造したコンクリート系吸音
パネル(寸法80mm×500mm×1800mm)の
吸音面を、表面切削加工機で図1,図2,図3に示す形
状に加工した。
【0040】[実施例1]図1に示すパネルは5列の溝
が、その全長においてその深さおよび幅が場所が変わる
につれて常に連続的に、しかも周期的に変化するように
形成されており、波形状をなしている。溝の幅変化の周
期は、その隣の溝の幅変化の周期と2分の1づつずれて
配されており、幅の増加・減少と同期して深さが増加・
減少している。溝の最大幅は110mmで、その場所で
の溝の深さは35mm、溝の最小幅は40mmで、その
場所での溝の深さは9mmである。
【0041】この形状に溝を切削加工したパネルを試料
面積約24.3m2 (4.5m×5.4m)になるよ
う、半無響室に設置し、上記した斜入射吸音率測定方法
によって測定した。結果を実施例1として表3に示す。
【0042】[実施例2]また、図2に示すパネルは、
場所が変わるにつれて深さおよび幅が連続的に変化する
部分と、場所が変わっても深さおよび幅が変わらない部
分の両方を有するが、深さおよび幅は周期的に変化する
ように形成されている。その他の仕様、寸法等は図1と
同じである。このパネルについても、実施例1と同じ斜
入射吸音率測定方法によって測定し、その結果を実施例
2として表3に示す。
【0043】[実施例3]さらに、図3に示すパネル
は、場所が変わるにつれて深さおよび幅が連続的に変化
する部分と、場所が変わっても深さおよび幅が変わらな
い部分の両方を有している。その深さおよび幅は周期的
に変化するように形成されており、その周期はおよそ1
パネルにつき1.4である。このパネルも、その他の仕
様、寸法等は図1と同じである。このパネルについて
も、実施例1と同じ斜入射吸音率測定方法によって測定
し、結果を実施例3として表3に示す。
【0044】
【比較例】
[比較例1]上記実施例と同じ製造方法で作成したコン
クリート系吸音パネル(寸法80mm×500mm×1
800mm)を使用し、平らな吸音面のまま、上記斜入
射吸音率測定を行った。結果を比較例1として表3に示
す。
【0045】[比較例2]上記実施例と同じ製造方法で
作成したコンクリート系吸音パネル(寸法120mm×
500mm×1800mm)を使用し、図6に示すよう
に一部に突出部が残るように、パネル表面を70mm削
って加工した。両端に突出部を残したパネルと、中央部
に突出部を残したパネルを交互に配置して、全体として
市松模様をなすように配置した。その後、上記斜入射吸
音率測定を行い、結果を比較例2として表3に示す。
【0046】[比較例3]上記実施例と同じ製造方法で
作成したコンクリート系吸音パネル(寸法120mm×
500mm×1800mm)を使用し、図7に示すよう
に凹凸がランダムに配置されるようにパネル表面を70
mm削って加工し、上記斜入射吸音率測定を行った。結
果を表3に示す。
【0047】[比較例4]上記実施例と同じ製造方法で
作成したコンクリート系吸音パネル(寸法80mm×5
00mm×1800mm)を使用し、図8に示すように
パネル表面を削って、深さ35mmの直線溝を表面に切
削加工し、上記斜入射吸音率測定を行った。結果を表3
に示す。
【0048】[比較例5]上記実施例と同じ製造方法で
作成したコンクリート系吸音パネル(寸法80mm×5
00mm×1800mm)を使用し、図9に示すように
パネル表面を削って、深さ35mmの深さ及び幅が変化
しない波状の曲線溝を表面に切削加工し、上記斜入射吸
音率測定を行った。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明の吸音パネルは、
従来のものより、斜入射吸音率が極めて高い。従って、
高速道路や掘割壁など、自動車のように音源が移動した
り、吸音面への音源からの入射角の範囲が広い騒音を吸
収する必要がある場所での吸音材として、より適切な性
能を発揮する吸音パネルである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(ア) 本発明の吸音パネルの一実施例を示す
正面図。 (イ) 図1(ア)におけるaa断面図。 (ウ) 図1(ア)におけるbb断面図。
【図2】(ア) 本発明の他の吸音パネルの実施例を示
す正面図。 (イ) 図2(ア)におけるaa断面図。 (ウ) 図2(ア)におけるbb断面図。
【図3】(ア) さらに、本発明の他の吸音パネルの実
施例を示す正面図。 (イ) 図3(ア)におけるaa断面図。 (ウ) 図3(ア)におけるbb断面図。
【図4】(ア)(イ)(ウ)(エ)本発明のパネルの製
造にかかる切削方法を示す図。
【図5】斜入射吸音率測定方法を説明する図。
【図6】(ア) 従来の吸音パネルの一例を示す正面
図。 (イ) 図6(ア)におけるaa断面図。 (ウ) 図6(ア)におけるbb断面図。
【図7】(ア) 従来の吸音パネルの他の例を示す正面
図。 (イ) 図7(ア)のパネルの下面図。 (ウ) 図7(ア)のパネルの側面図。
【図8】(ア) さらに、従来の吸音パネルの第三の例
を示す正面図。 (イ) 図8(ア)のパネルの下面図。 (ウ) 図8(ア)のパネルの側面図。
【図9】(ア) さらに、従来の吸音パネルの第四の例
を示す正面図。 (イ) 図9(ア)のパネルの下面図。
【符号の説明】
1a 吸音パネル 2a 溝状の凹凸 1b 吸音パネル 2b 溝状の凹凸 1c 吸音パネル 2c 溝状の凹凸 31a 吸音パネル 32a 回転切削刃 31b 吸音パネル 32b 回転切削刃 31c 吸音パネル 32c 回転切削刃 31d 吸音パネル 32d 回転切削刃 51 剛体面 52 吸音パネル 53 マイクロフォン 54 スピーカ 81a 吸音パネル 82a 市松模様 81b 吸音パネル 82b ランダムな凹凸 81c 吸音パネル 82c 直線溝 81d 吸音パネル 82d 波状溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 憲樹 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材テクノ研究所 (72)発明者 川崎 基秀 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社 (72)発明者 上符 徹正 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社 (72)発明者 浅井 透 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続空隙のパネル全容積に占める割合が3
    0%以上である吸音パネルにおいて、そのパネルの吸音
    面の全面あるいは一部に溝が形成されており、その溝
    は、その溝の全長あるいは一部に、深さおよび幅が連続
    的に変化する部分を有する溝であることを特徴とする吸
    音パネル。
  2. 【請求項2】吸音面に、前記溝を並行して複数有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の吸音パネル。
  3. 【請求項3】前記溝は、その長さ方向の位置に対して、
    その幅の変化が一定の周期をもって繰り返される溝であ
    り、その溝の幅変化の周期が、その隣の溝の幅変化の周
    期と2分の1周期づつずれて配されていることを特徴と
    する請求項2記載の吸音パネル。
  4. 【請求項4】吸音面に、前記溝が格子状に配されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸音
    パネル。
  5. 【請求項5】パネル厚さが35〜200mmの範囲にあ
    って、溝の最大深さがパネル厚さの3分の2から3分の
    1の範囲、溝の最小深さが、パネル厚さの4分の1以下
    であり、 また、溝の最大幅が50〜200mm、最小幅が40m
    m以下であり、 さらに、前記溝はその長さ方向の位置に対して、その幅
    及び深さの値が極小値及び極大値を繰り返す溝であり、 その深さの極小値をとる位置同士又は極大値をとる位置
    同士の間隔が200〜2000mmであることを特徴と
    する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸音
    パネル。
  6. 【請求項6】前記吸音パネルはコンクリート系吸音パネ
    ルであることを特徴とする請求項1から請求項5のいず
    れか1項に記載の吸音パネル。
  7. 【請求項7】前記吸音パネルは、セメント等の水硬性物
    質、およびケイ酸質物質を主原料とし、 アルミニウム等の金属粉末および界面活性剤により発泡
    させ、 オートクレーブ養生によって製造されたコンクリート系
    吸音パネルであることを特徴とする請求項6記載の吸音
    パネル。
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