JPH095262A - 投影画像又は投影画像及び断層画像を用いた検査装置 - Google Patents

投影画像又は投影画像及び断層画像を用いた検査装置

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JPH095262A
JPH095262A JP7154647A JP15464795A JPH095262A JP H095262 A JPH095262 A JP H095262A JP 7154647 A JP7154647 A JP 7154647A JP 15464795 A JP15464795 A JP 15464795A JP H095262 A JPH095262 A JP H095262A
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Hide Yoshioka
秀 吉岡
Ikuo Suzuki
伊久夫 鈴木
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検物の検査の際、投影画像中又は断層画像
中の被検物位置を容易に一致させ、容易、迅速で、かつ
高精度の検査を行なうことができる投影画像又は投影画
像及び断層画像を用いた検査装置を提供することを目的
とする。 【構成】 第1及び第2の被検物32A,32Bの投影
画像の投影角度θ毎のt軸重心位置を算出する投影画像
重心算出部46A,46Bと、各々の投影画像の投影角
度θ毎の慣性モーメントを算出する投影画像慣性モーメ
ント算出部48A,48Bと、これら投影角度θ毎の重
心位置並びに第1及び第2の被検物32A,32B間の
回転成分を用いて、投影画像中の被検物位置が一致する
ように座標変換する投影画像変換部50A,50Bと、
各々の投影画像間の差分画像を用いて、第1及び第2の
被検物32A,32Bの差異の有無及びその程度を認識
し、良否の判定を行なう判定部54とから構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は投影画像又は投影画像及
び断層画像を用いた検査装置に係り、特にX線CT(Co
mputed tomography ;コンピュータ断層撮影)装置によ
る投影画像又は投影画像及び断層画像を用いて製品の検
査を行なう検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、検査ラインにおいて製品の構造
的欠陥等の検査をする場合、検査対象となる製品と同一
又は類似の正常な製品、即ち正常な状態においては構造
(及び材質)がその製品において求められる精度の範囲
においてほぼ一致する正常な製品を基準とし、両製品の
X線CT装置による断層画像を比較し、その断層画像間
の差分、重ね合わせを行ない、検査対象となる製品の良
否の判定や構造的欠陥等の計測を行なう。
【0003】但し、この製品検査において、両製品の断
層画像を撮る場合、製品がX線CT装置の試料台に任意
に置かれるため、断層画像中の両製品の位置は一致しな
いのが通常である。しかも、常に試料台の一定の位置に
製品を置こうとする試みは、殆どの場合に失敗するか、
失敗しないまでも非常な労力を要する。特に、極く小さ
い製品を高分解能で検査する場合には、殆ど不可能であ
る。
【0004】従って、検査対象となる検査製品と基準と
なる正常製品の断層画像を比較するためには、両製品の
断層画像間の位置合わせを行なう必要がある。そしてこ
の画像間の位置合わせについては、従来から種々の方法
が提案されている。
【0005】例えば、特願昭57−125788号の
「医用画像重ね合わせ方式」においては、オペレータが
異なる種類の医用画像上に各々対応する特定点を入力
し、特定点の位置ずれを最小にする様に画像を重ね合わ
せる処理を対話的に行なう方法が提案されている。
【0006】また、特開昭60−163641号の「画
像間位置合わせ方式」は、各々の再構成画像の輪郭を抽
出した後、各々の輪郭の重心位置及び慣性モーメントを
算出して、画像間の平行移動成分及び回転成分を求め、
これらの位置ずれ量に基づく座標変換により、両画像の
位置合わせを行なう方法である。
【0007】また、特開昭61−95480号の「画像
間位置合わせ方式」は、上記特開昭60−163641
号の機能に加えて、人が対話的に装置機能に介在するこ
とにより、位置合わせ精度を高めようとするものであ
る。
【0008】尚、上記の従来例は、いずれも断層画像の
みを用いて、各々の断層画像中の対象物位置を特定し、
合わせ込もうとするものである。
【0009】更に、CT画像と設計図面画像との縮尺を
合致させ、平行移動成分及び回転成分を一致させる処理
を行なうことにより、CT画像と設計図面画像との位置
合わせを行ない、両画像間の差分をとる方法(特開平3
−115805号の「CT式計測装置」)や、画像の中
心と重心を結ぶ直線を抽出した後、この直線とX軸また
はY軸との傾きを用いて、対象物の回転位置及び回転成
分を決定する方法(特開平6−72771号の「対象物
の回転位置、方向検出装置」)が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の画像間の位置合わせ方法は、いくつかの問題点があ
る。例えば、特願昭57−125788号の「医用画像
重ね合わせ方式」は、特定点の指定等においてオペレー
タが介在するため、人の主観に左右される可能性があ
る。
【0011】また、特開昭60−163641号及び特
開昭61−95480号の「画像間位置合わせ方式」
は、異なる装置で撮影した性質の異なる画像間の位置合
わせを目的とするものであるため、比較する画像の画素
値の意味が異なることから画像情報を輪郭に集約して比
較しているが、こうした方法では、この発明が対象とし
て想定している頭部断層像には有効でも、他の対象物に
ついてまで有効であるかは疑問である。また、各々の画
像情報を極端に削減して大まかに位置合わせを行なうも
のであるため、工業製品を対象とする場合に要求される
ような高精度な位置合わせは困難である。更に、断層画
像の重心及び慣性モーメントを算出するものであるた
め、XY軸に垂直な角度方向以外で内挿処理を伴い、負
荷が重いという問題がある。
【0012】更に、上記従来の画像間の位置合わせ方法
では、再構成画像、即ち断層画像を用いて各々の断層画
像中の対象物位置を特定し、合わせ込もうとするもので
あるため、各々の再構成処理に要する時間及び断層画像
を用いた重心及び慣性モーメントの算出に要する時間に
より、検査時間が長くなる。従って、製品の構造検査に
おいて、その構造欠陥を計測する場合にはともかく、製
品の構造欠陥の有無や違い等の程度を診るだけで、構造
欠陥の大きさを寸法計測等する必要がない場合であれ
ば、より容易、迅速に検査を行なう方法が要請されてい
た。勿論、製品のの構造欠陥を計測する場合において
も、より容易、迅速に検査を行なうことが望ましいのは
いうまでもない。
【0013】そこで本発明は、上記の事情を鑑みてなさ
れたものであり、被検物の検査を行なう際に、投影画像
中の被検物位置又は断層画像中の被検物位置を容易に一
致させることにより、容易、迅速で、かつ高精度の検査
を行なうことができる投影画像又は投影画像及び断層画
像を用いた検査装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る投影画像を
用いた検査装置は、(a)検査対象である第1の被検物
及び基準となる第2の被検物にそれぞれX線を照射し
て、第1の投影画像及び第2の投影画像を得る手段と、
(b)第1の投影画像及び第2の投影画像の特徴量を抽
出する手段と、(c)特徴量を用いて第1の投影画像及
び第2の投影画像を座標変換して、第1の投影画像及び
第2の投影画像中の被検物位置を一致させる手段と、
(d)画像中の被検物位置を一致させた第1の投影画像
及び第2の投影画像を差分又は合成して、第1の投影画
像及び第2の投影画像間の差分画像又は合成画像を得る
手段とを備え、第2の被検物を基準とする第1の被検物
の差異を検査することを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る投影画像を用いた検査
装置は、(a)検査対象である第1の被検物及び基準と
なる第2の被検物にそれぞれX線を照射して、第1の投
影画像及び第2の投影画像を得る手段と、(b)第1の
投影画像及び第2の投影画像の特徴量を抽出する手段
と、(c)特徴量を用いて第1の投影画像及び第2の投
影画像を座標変換して、第1の投影画像及び第2の投影
画像中の被検物位置を一致させる手段と、(d)画像中
の被検物位置を一致させた第1の投影画像及び第2の投
影画像を差分又は合成して、第1の投影画像及び第2の
投影画像間の差分画像又は合成画像を得る手段と、
(e)第1の投影画像及び第2の投影画像間の前記差分
画像又は前記合成画像を再構成処理して、差分再構成画
像又は合成再構成画像を得る手段とを備え、第2の被検
物を基準とする第1の被検物の差異を検査することを特
徴とする。
【0016】尚、これらの投影画像を用いた検査装置に
おいて、第1の投影画像及び第2の投影画像の特徴量
は、投影角度毎の重心及び慣性モーメントである、こと
を特徴とする。
【0017】また、検査対象である第1の被検物及び基
準となる第2の被検物は、正常な状態においては構造及
び材質が所定の精度の範囲において一致する同一又は類
似の被検物である、ことを特徴とする。
【0018】また、第1の投影画像及び第2の投影画像
の投影数は、完全な断層画像を得るために必要な投影数
より少ない、ことを特徴とする。
【0019】更にまた、本発明に係る投影画像及び断層
画像を用いた検査装置は、(a)検査対象である第1の
被検物及び基準となる第2の被検物にそれぞれX線を照
射して、第1の投影画像及び第2の投影画像を得る手段
と、(b)第1の投影画像及び第2の投影画像をそれぞ
れ再構成処理して、第1の断層画像及び第2の断層画像
を得る手段と、(c)第1の投影画像及び第2の投影画
像の特徴量を抽出する手段と、(d)特徴量を用いて第
1の断層画像及び第2の断層画像を座標変換して、第1
の断層画像及び第2の断層画像中の被検物位置を一致さ
せる手段と、(e)画像中の被検物位置を一致させた第
1の断層画像及び第2の断層画像を差分又は合成して、
第1の断層画像及び第2の断層画像間の差分画像又は合
成画像を得る手段とを備え、第2の被検物を基準とする
第1の被検物の差異を検査することを特徴とする。
【0020】また、本発明に係る投影画像及び断層画像
を用いた検査装置は、(a)検査対象である第1の被検
物及び基準となる第2の被検物にそれぞれX線を照射し
て、第1の投影画像及び第2の投影画像を得る手段と、
(b)第1の投影画像及び第2の投影画像の特徴量を抽
出する手段と、(c)特徴量を用いて第1の投影画像及
び第2の投影画像を座標変換して、第1の投影画像及び
第2の投影画像中の被検物位置を一致させる手段と、
(d)画像中の被検物位置を一致させた第1の投影画像
及び第2の投影画像をそれぞれ再構成処理して、画像中
の被検物位置が一致した第1の断層画像及び第2の断層
画像を得る手段と、(e)画像中の被検物位置が一致し
た第1の断層画像及び第2の断層画像を差分又は合成し
て、第1の断層画像及び第2の断層画像間の差分画像又
は合成画像を得る手段と、を備え、第2の被検物を基準
とする第1の被検物の差異を検査することを特徴とす
る。
【0021】尚、これらの投影画像及び断層画像を用い
た検査装置において、第1の投影画像及び第2の投影画
像の特徴量は、投影角度毎の重心及び慣性モーメントで
ある、ことを特徴とする。
【0022】また、検査対象である第1の被検物及び基
準となる第2の被検物は、正常な状態においては構造及
び材質が所定の精度の範囲において一致する同一又は類
似の被検物である、ことを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明に係る投影画像を用いた検査装置は、検
査対象である第1の被検物及び基準となる第2の被検物
にそれぞれX線を照射して、第1の投影画像及び第2の
投影画像を得る。そしてこれら第1の投影画像及び第2
の投影画像の特徴量を抽出し、この抽出した特徴量を用
いて、第1の投影画像及び第2の投影画像中の被検物位
置が一致するように、第1の投影画像及び第2の投影画
像を座標変換するが、この点に本発明の特徴がある。こ
うして第1の投影画像及び第2の投影画像間の位置合わ
せを行なった後、画像中の被検物位置を一致させた第1
の投影画像及び第2の投影画像の差分又は合成を行な
い、投影画像間の差分画像を得る。
【0024】従って、例えば画像中の被検物位置を一致
させた第1の投影画像及び第2の投影画像間の差分画像
を適当なしきい値(スレッシュホルド)を用いて2値化
し、しきい値より大きい画素の数を計数すると、この計
数値が所定の値より小さい場合には検査対象である第1
の被検物は良品であり、所定の値より大きい場合には不
良品であると判定することができる。
【0025】このように本発明に係る投影画像を用いた
検査装置によれば、第1の投影画像及び第2の投影画像
の特徴量を用いて各々の投影画像間の位置合わせを行な
った後、画像中の被検物位置を一致させた第1の投影画
像及び第2の投影画像の差分又は合成を行ない、必要と
する第1の投影画像及び第2の被検物の投影画像間の差
分画像又は合成画像を得ることにより、X線CT装置に
おいては常に付随して得られる第1の投影画像及び第2
の投影画像のみを用い、断層画像を再構成するのに要す
る再構成処理時間が不必要となるため、容易、迅速に検
査を行なうことができる。
【0026】特に、第2の被検物を基準とする第1の被
検物の差異の有無や程度を認識するだけで、その差異の
寸法計測までは必要としない場合に有益であり、その差
異の有無や程度の認識に基づく良否の判定を容易、迅速
に行なうことができる。また、この場合、第1の投影画
像及び第2の投影画像の投影数が、完全な断層画像を得
るために必要な投影数より少なくて済むため、即ち投影
数を削減することが可能となるため、より容易、迅速に
検査を行なうことができる。
【0027】また、本発明に係る投影画像を用いた検査
装置は、検査対象である第1の被検物及び基準となる第
2の被検物にそれぞれX線を照射して、第1の投影画像
及び第2の投影画像を得た後、これら第1の投影画像及
び第2の投影画像の特徴量を抽出し、この抽出した特徴
量を用いて、第1の投影画像及び第2の投影画像中の被
検物位置が一致するように、第1の投影画像及び第2の
投影画像を座標変換する。こうして第1の投影画像及び
第2の投影画像間の位置合わせを行なった後、画像中の
被検物位置を一致させた第1の投影画像及び第2の投影
画像の差分又は合成を行ない、それで得た投影画像間の
差分画像又は合成画像を再構成処理して、差分再構成画
像又は合成再構成画像を得るが、この点に本発明の特徴
がある。
【0028】従って、例えば差分再構成画像を適当なし
きい値を用いて2値化し、しきい値より大きい画素の数
を計数し、この計数値により検査対象である第1の被検
物の良否を判定することができると共に、第1の被検物
の差異を寸法計測して不良品の解析を行なうことができ
る。
【0029】このように本発明に係る投影画像を用いた
検査装置によれば、第1の投影画像及び第2の投影画像
の特徴量を用いて第1の投影画像及び第2の投影画像間
の位置合わせを行なった後、画像中の被検物位置が一致
した各々の投影画像間の差分又は合成を実施して得た第
1の被検物及び第2の被検物の投影画像間の差分画像又
は合成画像を再構成処理することにより、必要とする第
1の被検物及び第2の被検物間の差分再構成画像又は合
成再構成画像を1回の再構成処理によって得ることがで
きるため、第2の被検物を基準とする第1の被検物の差
異の有無や差異の程度の認識に基づく良否の判定だけで
なく、差異の寸法計測による不良品の解析を容易、迅速
に行なうことができる。
【0030】更にまた、本発明に係る投影画像及び断層
画像を用いた検査装置は、検査対象である第1の被検物
及び基準となる第2の被検物にそれぞれX線を照射し
て、第1の投影画像及び第2の投影画像を得た後、これ
ら第1の投影画像及び第2の投影画像をそれぞれ再構成
処理して、第1の断層画像及び第2の断層画像を得る。
そして第1の投影画像及び第2の投影画像の特徴量を抽
出し、この抽出した特徴量を用いて、第1の断層画像及
び第2の断層画像中の被検物位置が一致するように、第
1の断層画像及び第2の断層画像を座標変換するが、こ
の点に本発明の特徴がある。こうして第1の断層画像及
び第2の断層画像間の位置合わせを行なった後、画像中
の被検物位置を一致させた第1の断層画像及び第2の断
層画像の差分又は合成を行なって、断層画像間の差分画
像又は合成画像を得る。
【0031】従って、例えば断層画像間の差分画像を適
当なしきい値を用いて2値化し、しきい値より大きい画
素の数を計数し、この計数値により検査対象である第1
の被検物の良否を判定することができると共に、第1の
被検物の差異を寸法計測して不良品の解析を行なうこと
ができる。
【0032】このように本発明に係る投影画像及び断層
画像を用いた検査装置によれば、第1の投影画像及び第
2の投影画像の特徴量を用いて第1の断層画像及び第2
の断層画像間の位置合わせを行なった後、画像中の被検
物位置が一致した各々の断層画像間の差分又は合成を実
施して、必要とする第1の被検物及び第2の被検物の断
層画像間の差分画像又は合成画像を得ることにより、第
2の被検物を基準とする第1の被検物の差異の有無や差
異の程度の認識に基づく良否の判定だけでなく、差異の
寸法計測による不良品の解析を容易かつ高精度に行なう
ことができる。
【0033】また、本発明に係る投影画像及び断層画像
を用いた検査装置は、検査対象である第1の被検物及び
基準となる第2の被検物にそれぞれX線を照射して、第
1の投影画像及び第2の投影画像を得る。そしてこれら
第1の投影画像及び第2の投影画像の特徴量を抽出し、
この抽出した特徴量を用いて、第1の投影画像及び第2
の投影画像中の被検物位置が一致するように、第1の投
影画像及び第2の投影画像を座標変換する。そして第1
の投影画像及び第2の投影画像間の位置合わせを行なっ
た後、画像中の被検物位置を一致させた第1の投影画像
及び第2の投影画像をそれぞれ再構成処理して、画像中
の被検物位置が一致した第1の断層画像及び第2の断層
画像を得るが、この点に本発明の特徴がある。こうして
画像中の被検物位置が一致した第1の断層画像及び第2
の断層画像を差分又は合成して、断層画像間の差分画像
又は合成画像を得る。
【0034】従って、例えば断層画像間の差分画像を適
当なしきい値を用いて2値化し、しきい値より大きい画
素の数を計数し、この計数値により検査対象である第1
の被検物の良否を判定することができると共に、第1の
被検物の差異を寸法計測して不良品の解析を行なうこと
ができる。
【0035】このように本発明に係る投影画像及び断層
画像を用いた検査装置によれば、第1の投影画像及び第
2の投影画像の特徴量を用いて第1の投影画像及び第2
の投影画像間の位置合わせを行なった後、第1の投影画
像及び第2の投影画像をそれぞれ再構成処理して、画像
中の被検物位置が一致した第1の断層画像及び第2の断
層画像を得ることにより、必要とする第1の被検物及び
第2の被検物の断層画像間の差分画像又は合成画像を得
るため、第2の被検物を基準とする第1の被検物の差異
の有無や差異の程度の認識に基づく良否の判定だけでな
く、差異の寸法計測による不良品の解析を容易かつ高精
度に行なうことができる。
【0036】
【実施例】本発明に係る投影画像又は投影画像及び断層
画像を用いた検査装置の説明に先立って、本発明に係る
投影画像又は投影画像及び断層画像を用いた検査装置の
作用について、図1乃至図5を用いて詳述する。
【0037】先ず、検査対象である第1の被検物及び基
準となる第2の被検物の投影画像を得る手法を説明す
る。
【0038】図1は、X線CT装置を示す簡略図であ
る。
【0039】図1において、X線管10とX線II(Im
age Intensifier ;イメージ・インテンシファイヤ)及
びカメラ等からなる検出器12が相対して設置され、こ
れらの中間には移動可能で回転可能な試料台14が設置
されている。この試料台14上には被検物16が搭載さ
れており、X線管10の放射する2次元のファンビーム
(Fan Beam)X線18の経路に内接する検査視野(再構
成)領域20内に位置するように固定されている。ここ
で、検出器12の並びに添った軸をt軸(投影軸)と
し、検査視野領域20を定義する回転中心を原点Oとす
るX−Y直角座標系がファンビームX線平面をなし、X
−Y平面に垂直なZ軸が試料台14の移動方向及び回転
軸をなす。
【0040】X線管10は、第1のコリメータ22を介
してファンビームX線18を試料台14上の被検物16
に照射する。被検物16を透過したファンビームX線1
8は、第2のコリメータ24及び検出器シールド26を
介して検出器12に入射される。そして検出器12は、
ファンビームX線透過データを測定して、これをLOG
変換しファンビーム投影画像を得る。このファンビーム
投影画像は、試料台14、即ち被検物16を回転するこ
とにより、あらゆる方向から収集される。このようにし
てX線CT装置を用い、被検物16のファンビーム投影
画像を得る。尚、試料台14を回転する代わりに、X線
管10が被検物16の周囲を回るようにしてもよい。
【0041】続いて、ファンビームX線CTで得られた
ファンビーム投影画像を、パラレルビーム(Parallel B
eam )投影画像に変換する。
【0042】図2(a)は、上記図1のX線CT装置を
用いて行なったファンビームX線投影を示す模式図、図
2(b)は、変換すべきパラレルビームX線投影を示す
模式図、図2(c)は、ファンビームX線投影データを
パラレルビームX線投影データに並び換える方法を説明
する模式図である。
【0043】X線管10を、被検物16の周囲のX線管
軌道27上に例えば位置A、B、C、…と回す。例えば
位置AにあるX線管10から検査視野領域20を含んで
a1〜a2〜a3に拡がるファンビームX線18を照射
し、そのファンビームX線投影データは位置aにある検
出器配列28aにより測定する。同様にして、位置Bに
あるX線管10からb1〜b2〜b3に拡がるファンビ
ームX線18を照射し、そのファンビームX線投影デー
タは位置bにある検出器配列28bにより測定し、位置
CにあるX線管10からc1〜c2〜c3に拡がるファ
ンビームX線18を照射し、そのファンビームX線投影
データは位置cにある検出器配列28cにより測定す
る。
【0044】このとき、位置a,b,cにある検出器配
列28a,28b,28cが測定したファンビームX線
投影データにおいて、X線透過経路A−a1,B−b
2,C−c3の投影データを収集することにより、ファ
ンビームX線18を実効的にパラレルビームX線30に
変更され、パラレルビームX線投影データを得ることが
できる。実際には、X線透過経路A−a1,B−b2,
C−c3の間のパラレルビームX線投影データを、ファ
ンビームX線投影データより内挿して求める。
【0045】続いて、図3のように検査対象である第1
の被検物32A及び基準となる第2の被検物32Bのパ
ラレルビームX線投影画像(以下、単に「投影画像」と
いう)を得る。
【0046】図3(a)は、検査視野領域20に任意に
置いた第1の被検物32Aの投影画像を示す模式図、図
3(b)は、検査視野領域20に任意に置いた第2の被
検物32Bの投影画像を示す模式図である。ここで、検
出器28の並びに添った軸をt軸、検査視野領域20を
定義する回転中心を原点OとしてX線透過経路平面をな
す直角座標系をX−Y座標、このX−Y座標のX軸に対
するパラレルビームX線30の投影角度をθとする。
【0047】第1の被検物32Aの投影画像34Aは、
投影角度θ毎に投影データpA (t,θ)で与えられ、
第2の被検物32Bの投影画像34Bは、投影角度θ毎
に投影データpB (t,θ)で与えられる。但し、第1
の被検物32A及び第2の被検物32Bはそれぞれ検査
視野領域20に任意に置かれているため、X−Y座標上
の第1の被検物32Aと第2の被検物32Bの位置は互
いにずれており、各々の投影画像中の被検物位置は一致
していない。従って、第1の被検物32Aと第2の被検
物32Bの各々の投影画像中の被検物位置を一致させる
ため、各々の投影画像の特徴量をそれぞれの投影データ
A (t,θ),pB (t,θ)から導出する必要があ
る。
【0048】次に、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bの投影画像の位置合わせに必要な特徴量について
説明する。
【0049】図4は、X−Y座標上における第1の被検
物32Aと第2の被検物32Bの位置合わせの概要を説
明するための模式図である。
【0050】第1の被検物32A及び第2の被検物32
Bは、図4(a),(b)に示すように、それぞれ検査
視野領域20内に任意に置かれている。この状態から、
図4(c)に示すように、第1の被検物32Aの重心位
置及び第2の被検物32Bの重心位置をそれぞれX−Y
座標の原点Oに平行移動させ、第1の被検物32Aの重
心位置と第2の被検物32Bの重心位置を原点Oに一致
させる。尚、こうした平行移動の代わりに、第1の被検
物32Aの重心位置を第2の被検物32Bの重心位置に
平行移動してもよいし、また逆に、第2の被検物32B
の重心位置を第1の被検物32Aの重心位置に平行移動
してもよい。更に、図4(d)に示すように、第1の被
検物32Aと第2の被検物32Bの一致した重心位置を
中心にして、各々の回転成分αの補正を行なう。こうし
て第1の被検物32Aと第2の被検物32Bとを重ね合
わせることができる。
【0051】即ち、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bとの位置合わせをするための平行移動成分の補正
は、第1の被検物32A及び第2の被検物32Bの各々
の重心位置を求めることによってなされる。また、回転
成分の補正は、第1の被検物32A及び第2の被検物3
2Bの各々の重心位置を通るθ方向の軸のまわりの慣性
モーメントを求めることによってなされる。
【0052】従って、第1の被検物32Aと第2の被検
物32Bの各々の投影画像中の被検物位置を一致させる
ためには、各々の投影画像の特徴量として、投影角度θ
毎の重心及び重心位置を通るθ方向の軸のまわりの慣性
モーメントを用いることが適している。
【0053】次に、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bの各々の投影画像の特徴量として、投影角度θ毎
の重心位置及びその重心位置を通るθ方向の軸のまわり
の慣性モーメントを抽出する方法を説明する。
【0054】第1の被検物32Aと第2の被検物32B
の各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置Cen
troidA (以下、CA と略する),Centroi
B(以下、CB と略する)を、各々の投影データpA
(t,θ),pB (t,θ)から導出すると、次式のよ
うになる。即ち、 CA (θ)=Σt×pA (t,θ)/ΣpA (t,θ) …(1) CB (θ)=Σt×pB (t,θ)/ΣpB (t,θ) …(2) である。
【0055】尚、この投影角度θ毎のt軸重心位置CA
(θ),CB (θ)は、次に述べる慣性モーメントMo
ment(以下、Mと略する)を求める処理に用いる他
に、投影画像間の位置合わせのための平行移動成分の補
正に用いる。また、断層画像間の位置合わせのための平
行移動成分の補正には、断層画像のXY軸に平行な投影
角度のt軸重心位置のみを利用する。
【0056】続いて、第1の被検物32Aと第2の被検
物32Bの各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位
置を通るθ方向の軸のまわりの慣性モーメントM
A (θ),MB (θ)を求める。
【0057】図5はパラレルビームX線30を用いた投
影データ収集を示す模式図であるが、この図5におい
て、検査視野領域内のX−Y座標上にある被検物をf
(X,Y)とすると、被検物f(X,Y)の重心位置を
通るθ方向の軸のまわりの慣性モーメントM(θ)は、 M(θ)=ΣΣ((X sinθ−Y cosθ)−C(θ))2 ×f(X,Y) …(3) となる。ここで、投影データp(t,θ)は、t=X s
inθ−Y cosθにおける被検物f(X,Y)の線積分で
ある。従って、上記(3)式は、 M(θ)=Σ(t−C(θ))2 ×P(t,θ) …(4) となる。
【0058】従って、第1の被検物32Aと第2の被検
物32Bの各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位
置を通るθ方向の軸のまわりの慣性モーメントM
A (θ),MB (θ)は、 MA (θ)=Σ(t−CA (θ))2 ×pA (t,θ) …(5) MB (θ)=Σ(t−CB (θ))2 ×pB (t,θ) …(6) 又は、計算を簡単にする為に、 MA (θ)=Σ|t−CA (θ)|×pA (t,θ) …(7) MB (θ)=Σ|t−CB (θ)|×pB (t,θ) …(8) となる。
【0059】このようにX線CT装置においては常に付
随して得られる投影画像を利用して、第1の被検物32
Aと第2の被検物32Bの各々の重心位置を通るθ方向
の軸のまわりの慣性モーメントMA (θ),MB (θ)
の算出を行なうため、これらの算出は投影画像のθ毎の
1次元データ処理で済む。従って、断層画像の重心及び
慣性モーメントの算出がXY軸に垂直な角度方向以外で
内挿処理を伴い、負荷が重いのと比較すると、より簡単
な計算で容易に得ることができる。
【0060】こうして得られた第1の被検物32Aと第
2の被検物32Bの各々の重心位置を通るθ方向の軸の
まわりの慣性モーメントMA (θ),MB (θ)間で、
相関が最大となるθmを導出する。このθmが、第1の
被検物32Aと第2の被検物32B間の回転成分であ
る。
【0061】次に、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bの各々の投影画像の特徴量、即ち投影角度θ毎の
t軸重心位置CA (θ),CB (θ)及びそのt軸重心
位置CA (θ),CB (θ)を通るθ方向の軸のまわり
の慣性モーメントMA (θ),MB (θ)を用いて、第
1の被検物32Aと第2の被検物32Bの各々の投影画
像中の被検物位置を一致させる方法を説明する。
【0062】先ず、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bの各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置
A (θ),CB (θ)がそれぞれt軸の原点に一致す
るように、各々の投影画像の変換を行なう。尚、この代
わりに、第1の被検物32Aの投影画像の投影角度θ毎
のt軸重心位置CA (θ)が第2の被検物32Bの投影
画像の投影角度θ毎のt軸重心位置CB (θ)に一致す
るように変換してもよいし、また逆に、第2の被検物3
2Bの投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置C
B (θ)が第1の被検物32Aの投影画像の投影角度θ
毎のt軸重心位置CA(θ)に一致するように変換して
もよい。こうして、第1の被検物32Aと第2の被検物
32B間の平行移動成分の補正を行なう。
【0063】続いて、第1の被検物32Aと第2の被検
物32Bの各々の重心位置を通るθ方向の軸のまわりの
慣性モーメントMA (θ),MB (θ)間で相関が最大
となるようにして導出した第1の被検物32Aと第2の
被検物32B間の回転成分θmを用いて、第1の被検物
32Aと第2の被検物32Bの各々の投影画像の投影角
度θがθ軸方向に同一角度となるように、各々の投影画
像の変換を行なう。尚、この代わりに、第1の被検物3
2Aの投影画像の投影角度θが第2の被検物32Bの投
影画像の投影角度θに一致するように変換してもよい
し、また逆に、第2の被検物32Bの投影画像の投影角
度θが第1の被検物32Aの投影画像の投影角度θに一
致するように変換してもよい。こうして、第1の被検物
32Aと第2の被検物32B間の回転成分の補正を行な
う。
【0064】以上のような平行移動成分の補正及び回転
成分の補正により、投影画像上での第1の被検物32A
と第2の被検物32Bの位置を一致させる。即ち、画像
中の被検物位置が一致するように第1の被検物32Aと
第2の被検物32Bの投影画像間の位置合わせを行な
う。従って、第1の被検物32Aと第2の被検物32B
の各々の投影画像間の比較処理が可能となる。
【0065】次に、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bの各々の断層画像中の被検物位置を一致させる方
法を説明する。
【0066】この断層画像間の位置合わせの方法には、
投影画像の特徴量を用いて投影画像中の被検物位置が一
致するように投影画像間の位置合わせを行なった後、こ
れらの投影画像をそれぞれ再構成処理して、画像中の被
検物位置が一致した断層画像を得る方法と、投影画像の
特徴量を用いて、断層画像中の被検物位置が一致するよ
うに断層画像を座標変換して、断層画像中の被検物位置
を一致させる方法とがある。前者の方法は、実質的には
前述の投影画像中の被検物位置を一致させる方法に帰着
するため、ここでは後者の方法について述べる。
【0067】先ず、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bの各々の断層画像のXY軸に平行な投影角度θの
投影画像のt軸重心位置CA (θ),CB (θ)を、そ
れぞれ断層画像のXY軸の重心位置として、断層画像の
原点に一致するように、各々の断層画像の変換を行な
う。尚、この代わりに、第1の被検物32AのXY軸の
重心位置が第2の被検物32BのXY軸の重心位置に一
致するように変換してもよいし、また逆に、第2の被検
物32BのXY軸の重心位置が第1の被検物32AのX
Y軸の重心位置に一致するように変換してもよい。こう
して、第1の被検物32Aと第2の被検物32B間の平
行移動成分の補正を行なう。
【0068】続いて、第1の被検物32Aと第2の被検
物32Bの各々の重心位置を通るθ方向の軸のまわりの
慣性モーメントMA (θ),MB (θ)間での相関が最
大となるようにして導出した第1の被検物32Aと第2
の被検物32B間の回転成分θmを用いて、第1の被検
物32Aと第2の被検物32Bの各々の断層画像がθ軸
方向に同一角度となるように、各々の断層画像の変換を
行なう。尚、この代わりに、第1の被検物32Aの断層
画像の角度が第2の被検物32Bの断層画像の角度に一
致するように変換してもよいし、また逆に、第2の被検
物32Bの断層画像の角度が第1の被検物32Aの断層
画像の角度に一致するように変換してもよい。こうし
て、第1の被検物32Aと第2の被検物32B間の回転
成分の補正を行なう。
【0069】以上のような平行移動成分の補正及び回転
成分の補正により、断層画像上での第1の被検物32A
と第2の被検物32Bの位置を一致させる。即ち、断層
画像中の被検物位置が一致するように第1の被検物32
Aと第2の被検物32Bの断層画像間の位置合わせを行
なう。従って、第1の被検物32Aと第2の被検物32
Bの各々の断層画像間の比較処理が可能となる。
【0070】次に、画像中の被検物位置を一致させた第
1の被検物32Aと第2の被検物32Bの投影画像間の
比較処理又は断層画像間の比較処理を行なうための画像
処理について説明する。尚、画像処理には、画像の合
成、差分、寸法計測、2値化等があるが、ここでは、構
造検査に最も一般的に用いられる画像の差分について述
べる。
【0071】投影画像中の被検物位置を一致させた第1
の被検物32Aと第2の被検物32Bの各々の投影画像
の差分を行なって得た新たに得た投影画像、即ち投影画
像間の差分画像を作成する。そしてこの投影画像間の差
分画像に基づいて、基準となる第2の被検物32Bに対
する検査対象である第1の被検物32Aの差異の程度を
認識することができる。これにより、例えば第1の被検
物32Aの良否の判定を行なうことができる。
【0072】また、投影画像中の被検物位置を一致させ
た第1の被検物32Aと第2の被検物32Bの投影画像
の差分を行なった後、新たに得た投影画像間の差分画像
を再構成処理することにより、第1の被検物32Aと第
2の被検物32B間の差分再構成画像を作成する。この
差分再構成画像に基づいて、基準となる第2の被検物3
2Bに対する検査対象である第1の被検物32Aの差異
の程度を認識して良否の判定を行なうことができると共
に、その差異を寸法計測して不良品の解析を行なうこと
ができる。
【0073】また、断層画像中の被検物位置を一致させ
た第1の被検物32Aと第2の被検物32Bの断層画像
の差分を行なって、第1の被検物32Aと第2の被検物
32Bの断層画像間の差分画像を作成する。この断層画
像間の差分画像に基づき、基準となる第2の被検物32
Bに対する検査対象である第1の被検物32Aの差異の
程度を認識して良否の判定を行なうことができると共
に、その差異を寸法計測して不良品の解析を行なうこと
ができる。
【0074】以下、本発明に係る投影画像又は投影画像
及び断層画像を用いた検査装置の実施例について、図6
乃至図18を用いて説明する。
【0075】(第1の実施例)図6は、本発明の第1の
実施例に係る投影画像を用いた検査装置を示すブロック
図である。
【0076】本実施例に係る投影画像を用いた検査装置
は、正常な状態においては構造及び材質が所定の精度の
範囲において一致する同一又は類似の被検物を対象とし
て、その被検物の良否を比較検査するものである。
【0077】そしてこの投影画像を用いた検査装置は、
検査対象である第1の被検物(検査製品)32A及び基
準となる第2の被検物(正常製品)32Bの各々の投影
画像をそれぞれ取り込む画像入力部40A,40Bと、
画像入力部40A,40Bで取り込んだ第1及び第2の
被検物32A,32Bの各々の投影画像のファンビーム
X線投影データをそれぞれパラレルビームX線投影デー
タに変換するパラレルビーム投影データ変換部42A,
42Bと、パラレルビーム投影データ変換部42A,4
2BでパラレルビームX線投影データに変換された第1
及び第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像をそ
れぞれ保持する投影画像メモリ部44A,44Bと、投
影画像メモリ部44A,44Bに保持する第1及び第2
の被検物32A,32Bの各々の投影画像をそれぞれ読
み出し、各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置
をそれぞれ算出する投影画像重心算出部46A,46B
と、投影画像重心算出部46A,46Bで算出した、第
1及び第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像の
投影角度θ毎の重心位置データをそれぞれ読み出し、各
々の投影画像の投影角度毎の慣性モーメントをそれぞれ
算出する投影画像慣性モーメント算出部48A,48B
と、投影画像重心算出部46A,46B及び投影画像慣
性モーメント算出部48A,48Bで得られた、第1及
び第2の被検物32A,32Bの投影角度θ毎の重心位
置並びに第1及び第2の被検物32A,32B間の回転
成分(角度ずれ)を用いて、投影画像メモリ部44A,
44Bに保持する第1及び第2の被検物32A,32B
の各々の投影画像をそれぞれ座標変換する投影画像変換
部50A,50Bと、投影画像変換部50A,50Bで
画像中の第1及び第2の被検物32A,32Bの位置が
一致するように座標変換した、各々の投影画像間の差分
を実施する投影画像比較部52と、投影画像比較部52
で得られた第1及び第2の被検物32A,32Bの各々
の投影画像の差分画像を用いて、第1及び第2の被検物
32A,32Bの差異、即ち第1の被検物32Aの構造
的欠陥の有無及びその程度を認識し、第1の被検物32
Aの良否の判定を行なう判定部54とから構成されてい
る。
【0078】以下、各構成部の機能について詳述する。
【0079】画像入力部40A,40Bにおいては、上
記図1を用いて説明したように、X線CT装置を用い
て、検査対象である第1の被検物32A及び基準となる
第2の被検物32Bの各々のファンビームX線透過デー
タをそれぞれ測定して、これをLOG変換しファンビー
ム投影画像を得た後、第1及び第2の被検物32A,3
2Bの各々のファンビーム投影画像をそれぞれ取り込
む。尚、このときの第1及び第2の被検物32A,32
Bの各々のファンビーム投影画像の投影数は、X線CT
装置を用いて完全な断層画像を得る場合に必要な投影数
より少なくてよい。
【0080】パラレルビーム投影データ変換部42A,
42Bにおいては、上記図2及び上記図3を用いて説明
したように、画像入力部40A,40Bで取り込んだ第
1及び第2の被検物32A,32Bの各々のファンビー
ム投影画像のファンビームX線投影データをパラレルビ
ームX線投影データ(以下、単に「投影データ」とい
う)pA (t,θ),pB (t,θ)にそれぞれ変換し
て、パラレルビームX線投影画像(以下、単に「投影画
像」という)を得る。尚、投影データが最初からパラレ
ルビームX線投影データである場合は、この変換は不要
である。
【0081】投影画像メモリ部44A,44Bにおいて
は、パラレルビーム投影データ変換部42A,42Bで
投影データpA (t,θ),pB (t,θ)に変換され
た第1及び第2の被検物32A,32Bの各々の投影画
像をそれぞれ保持する。
【0082】尚、この投影画像メモリ部44A,44B
に保持する第1及び第2の被検物32A,32Bの各々
の投影画像をそのまま画像再構成処理を行なうと、それ
ぞれ図7(a),(b)に示すような断層画像となる。
即ち、画像中の第1及び第2の被検物32A,32Bの
位置が一致しない断層画像となる。従って、両者を直ち
に比較検査することはできない。ここで、図7(a)に
示す第1の被検物32Aは、図7(b)に示す第2の被
検物32Bに比較して、枡目の一部が目詰まりをしてい
るものである。本不良(目詰まり)の様に、長さと幅の
比率が異なる場合、本手法の様にある程度の角度方向か
らの測定データを基に比較検査する必要が有る。
【0083】投影画像重心算出部46A,46Bにおい
ては、投影画像メモリ部44A,44Bに保持する第1
及び第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像をそ
れぞれ読み出し、投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位
置CA (θ),CB (θ)をそれぞれ算出する。こうし
て算出した第1及び第2の被検物32A,32Bの各々
の投影画像の投影角度θに対するt軸重心位置C
A (θ),CB (θ)は、図8のグラフに示すように、
サインカーブとして得られる。
【0084】投影画像慣性モーメント算出部48A,4
8Bにおいては、投影画像重心算出部46A,46Bで
算出した、第1及び第2の被検物32A,32Bの各々
の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置CA (θ),
B (θ)をそれぞれ読み出し、各々の投影画像の投影
角度毎の慣性モーメントMA (θ),MB (θ)をそれ
ぞれ算出する。こうして算出した第1及び第2の被検物
32A,32Bの各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸
重心位置を通るθ方向の軸のまわりの慣性モーメントM
A (θ),MB (θ)は、図9のグラフに示すようにな
り、θ方向に一定のずれを有している。
【0085】従って、第1及び第2の被検物32A,3
2Bの各々の投影画像の投影角度θ毎の慣性モーメント
A (θ),MB (θ)を比較(相関計算等)し、その
相関が最大となる角度θmを求めると、この角度θmが
第1及び第2の被検物32A,32B間の回転成分(角
度ずれ)となる。
【0086】図10のグラフは、第2の被検物32Bの
投影画像の慣性モーメントMB (θ)を、第1の被検物
32Aの投影画像の慣性モーメントMA (θ)との相関
が最大になるように、角度θm分だけθ方向にシフトし
たものである。このシフトにより、図10のグラフに示
す第2の被検物32Bの投影画像の慣性モーメントMB
(θ)は、上記図9のグラフに示す第1の被検物32A
の投影画像の慣性モーメントMA (θ)に一致する。
【0087】投影画像変換部50A,50Bにおいて
は、投影画像重心算出部46A,46B及び投影画像慣
性モーメント算出部48A,48Bで得られた、第1及
び第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置CA (θ),CB (θ)並びに
第1及び第2の被検物32A,32B間の回転成分θm
を用いて、第1及び第2の被検物32A,32Bの各々
の投影画像をそれぞれ座標変換する。
【0088】この投影画像の座標変換により、第1及び
第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像中の被検
物位置を一致させるように位置合わせを行なう手順を、
図11及び図12を用いて説明する。ここで、図11
(a)は、第1の被検物32Aの投影画像のt軸補正前
の投影角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)を示す模式
図、図11(b)は、t軸補正後の投影角度θ毎のt軸
重心位置CA (θ)を示す模式図であり、図12(a)
は、投影角度θ毎のt軸重心位置を一致させた第2の被
検物32Bの投影画像のθ軸補正前の慣性モーメントM
B (θ)を示す模式図、図12(b)は、θ軸補正後の
慣性モーメントMB (θ)を示す模式図である。尚、各
図中の短冊は、投影角度θ毎の投影画像p(t,
θ1 ),p(t,θ2 ),…を示すものである。
【0089】投影画像重心算出部46Aで算出した第1
の被検物32Aの投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位
置CA (θ)は、図11(a)中に実線で示すように、
t軸の原点を軸とするサインカーブを描く。これは上記
図8のグラフに対応するものである。従って、投影角度
θ毎の投影画像pA (t,θ1 ),pA (t,θ2 ),
…をt軸方向にシフトさせるt軸補正を行ない、図11
(b)に示すように、第1の被検物32Aの投影画像の
投影角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)をt軸の原点に
一致させる。
【0090】同様に、第2の被検物32Bの投影画像の
t軸補正を行ない、投影画像重心算出部46Bによって
算出した第2の被検物32Bの投影画像の投影角度θ毎
のt軸重心位置CB (θ)をt軸の原点に一致させる。
こうして第1及び第2の被検物32A,32Bの各々の
投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置CA (θ),C
B (θ)をt軸の原点において一致させる。尚、この代
わりに、第1の被検物32Aの投影画像の投影角度θ毎
のt軸重心位置CA (θ)が第2の被検物32Bの投影
画像の投影角度θ毎のt軸重心位置CB (θ)に一致す
るように変換してもよいし、また逆に、第2の被検物3
2Bの投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置C
B (θ)が第1の被検物32Aの投影画像の投影角度θ
毎のt軸重心位置CA (θ)に一致するように変換して
もよい。
【0091】続いて、投影画像慣性モーメント算出部4
8A,48Bで導出した第1及び第2の被検物32A,
32B間の回転成分θmを用いて、図12(a)に示す
第2の被検物32Bの投影角度θ毎の投影画像p
B (t,θ1 ),pB (t,θ2 ),…を、図12
(b)に示すように、回転成分θm分だけθ軸方向にシ
フトさせるθ軸補正を行なう。そしてこのθ軸補正によ
り、第2の被検物32Bの投影画像の投影角度θを第1
の被検物32Aの投影画像の投影角度θに一致させる。
こうして第1及び第2の被検物32A,32Bの各々の
投影画像の投影角度θが、θ軸方向に同一角度となるよ
うにする。尚、この代わりに、第1の被検物32A及び
第2の被検物32Bの各々の投影画像の投影角度θがθ
軸方向に同一角度となるように、各々の投影画像の変換
を行なってもよい。
【0092】このような第1及び第2の被検物32A,
32Bの各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置
A (θ),CB (θ)並びに第1及び第2の被検物3
2A,32B間の回転成分θmを用いた投影画像の座標
変換により、投影画像中の第1及び第2の被検物32
A,32Bの位置を一致させる。
【0093】投影画像比較部52においては、投影画像
変換部50A,50Bで画像中の第1及び第2の被検物
32A,32Bの位置が一致するように座標変換した、
第1及び第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像
間の差分を実施し、投影画像間の差分画像を得る。
【0094】判定部54においては、投影画像比較部5
2で得られた第1及び第2の被検物32A,32Bの投
影画像間の差分画像により、第1及び第2の被検物32
A,32Bの差異、即ち第1の被検物32Aの構造的欠
陥の有無及びその程度を認識する。例えば第1及び第2
の被検物32A,32Bの投影画像間の差分画像を適当
なしきい値を用いて2値化し、収縮及び拡張を行なうこ
とで余分なノイズを除去し、残った差異部分の大きさに
よって構造的欠陥の程度を認識することができる。そし
てその構造的欠陥の程度により、第2の被検物32B
(正常製品)を基準とする第1の被検物32A(検査製
品)の良否の判定を行なう。
【0095】以上、画像入力部40A,40Bから判定
部54に至る処理において得られた画像を、図13に示
す。図13(a1),(b1)は、それぞれ投影画像メ
モリ部44A,44Bに保持する第1及び第2の被検物
32A,32Bの各々の投影画像であり、図13(a
2),(b2)は、それぞれ投影画像変換部50A,5
0Bにおいてt軸変換及びθ軸変換を行なった第1及び
第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像であり、
図13(c)は、投影画像比較部52において第1及び
第2の被検物32A,32Bの投影画像間の差分を実施
した後、その投影画像間の差分画像に2値化処理を施し
た画像である。この図13(c)に示す画像において、
帯状に黒くなっている部分が、第1及び第2の被検物3
2A,32Bの差異部分、即ち第1の被検物32Aの目
詰まり部である。本不良(目詰まり)は、長さと幅の比
率が異なり、単一方向からの測定データのみを用いて正
常・不良の判断を行うと、不良を過少評価する可能性が
ある。本方式は投影画像を用いる事により、この様な誤
りを生じない。
【0096】このように第1の実施例によれば、第1及
び第2の被検物32A,32Bの各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置CA (θ),CB (θ)並びに
第1及び第2の被検物32A,32B間の回転成分θm
を用いて投影画像を座標変換し、第1及び第2の投影画
像間の位置合わせを行なった後、画像中の被検物位置が
一致した各々の投影画像間の差分を実施して、第1及び
第2の被検物32A,32Bの投影画像間の差分画像を
得ることにより、X線CT装置においては常に付随して
得られる第1及び第2の被検物32A,32Bの投影画
像のみを用い、断層画像を再構成するのに要する再構成
処理時間が不必要となるため、また第1及び第2の被検
物32A,32Bの投影画像の投影数が完全な断層画像
を得るために必要な投影数より少なくて済むため、第2
の被検物を基準とする第1の被検物の構造的欠陥の有無
や程度を認識するだけで、構造的欠陥の寸法計測までは
必要としない場合においては、その構造的欠陥の有無や
程度の認識に基づく第1の被検物32Aの良否の判定を
容易、迅速に行なうことができる。
【0097】(第2の実施例)図14は、本発明の第2
の実施例に係る投影画像を用いた検査装置を示すブロッ
ク図である。尚、上記図6に示す投影画像を用いた検査
装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0098】本実施例に係る投影画像を用いた検査装置
も、上記第1の実施例の場合と同様に、同一又は類似の
被検物を対象として、検査対象である第1の被検物の良
否を第2の被検物を基準として比較検査するものであ
る。そしてこの投影画像を用いた検査装置は、画像入力
部40A、40Bと、パラレルビーム投影データ変換部
42A、42Bと、投影画像メモリ部44A、44B
と、投影画像重心算出部46A、46Bと、投影画像慣
性モーメント算出部48A、48Bと、投影画像変換部
50A、50Bと、投影画像比較部52と、投影画像比
較部52で得られた第1及び第2の被検物32A、32
Bの投影画像間の差分画像の再構成処理を行ない、差分
再構成画像を得る画像再構成部56と、画像再構成部5
6で得られた第1及び第2の被検物32A、32Bの差
分再構成画像により、その差異の程度、即ち第1の被検
物32Aの構造的欠陥の程度を計測し、第1の被検物3
2Aの良否の判定、不良品の解析を行なう判定部58と
から構成されている。
【0099】以下、各構成部の機能について詳述する。
但し、画像入力部40A、40Bから投影画像比較部5
2に至る各構成部の機能は、上記第1の実施例の場合と
同様であるため、説明を省略する。
【0100】画像再構成部56においては、投影画像比
較部52で得られた第1及び第2の被検物32A、32
Bの投影画像間の差分画像を新たな投影画像として、こ
の新たな投影画像を再構成処理を行ない、差分再構成画
像の作成を実施する。
【0101】判定部58においては、画像再構成部56
で得られた第1及び第2の被検物32A、32Bの差分
再構成画像を用いて、第1及び第2の被検物32A、3
2Bの差異の程度、即ち第1の被検物32Aの構造的欠
陥の程度を計測し、第1の被検物32Aの良否の判定と
共に不良品の解析を行なう。
【0102】このように第2の実施例によれば、第1及
び第2の被検物32A、32Bの各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)、CB (θ)並びに
第1及び第2の被検物32A、32B間の回転成分θm
を用いて各々の投影画像間の位置合わせを行なった後、
画像中の被検物位置が一致した各々の投影画像間の差分
を実施して得た第1及び第2の被検物32A、32Bの
投影画像間の差分画像を再構成処理して、第1及び第2
の被検物32A、32Bの差分再構成画像を得ることに
より、差分再構成画像を得るのに1回の再構成処理しか
必要としないため、検査対象である第1の被検物32A
の良否の判定だけでなく、その構造的欠陥の寸法計測に
よる不良品の解析を容易、迅速に行なうことができる。
【0103】(第3の実施例)図15は、本発明の第3
の実施例に係る投影画像及び断層画像を用いた検査装置
を示すブロック図である。尚、上記図6に示す投影画像
を用いた検査装置の構成要素と同一の構成要素には同一
の符号を付して説明を省略する。
【0104】本実施例に係る投影画像及び断層画像を用
いた検査装置も、上記第1の実施例の場合と同様に、同
一又は類似の被検物を対象として、検査対象である第1
の被検物の良否を第2の被検物を基準として比較検査す
るものである。そしてこの投影画像を用いた検査装置
は、画像入力部40A、40Bと、パラレルビーム投影
データ変換部42A、42Bと、投影画像メモリ部44
A、44Bと、投影画像重心算出部46A、46Bと、
投影画像慣性モーメント算出部48A、48Bと、投影
画像メモリ部44A、44Bに保持する第1及び第2の
被検物32A、32Bの各々の投影画像をそれぞれ読み
出して、再構成処理を行なう画像再構成部60A、60
Bと、投影画像重心算出部46A、46B及び投影画像
慣性モーメント算出部48A、48Bで得られた、第1
及び第2の被検物32A、32Bの各々の投影画像の投
影角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)、CB (θ)並び
に第1及び第2の被検物32A、32B間の回転成分θ
mを用いて、画像再構成部60A、60Bで得られた第
1及び第2の被検物32A、32Bの各々の断層画像を
それぞれ座標変換する断層画像変換部62A、62B
と、断層画像変換部62A、62Bで画像中の第1及び
第2の被検物32A、32Bの位置が一致するように座
標変換した、各々の断層画像間の差分又は合成を実施す
る断層画像比較部64と、断層画像比較部64で得られ
た第1及び第2の被検物32A、32Bの断層画像間の
差分画像又は合成画像を用いて、第1及び第2の被検物
32A、32Bの差異の大きさ、即ち第1の被検物32
Aの構造的欠陥の大きさを計測し、第1の被検物32A
の良否の判定と共に不良品の解析を行なう判定部66と
から構成されている。
【0105】以下、各構成部の機能について詳述する。
但し、画像入力部40A、40Bから投影画像慣性モー
メント算出部48A、48Bに至る各構成部の機能は、
上記第1の実施例の場合と同様であるため、説明を省略
する。
【0106】画像再構成部60A、60Bにおいては、
投影画像メモリ部44A、44Bに保持する第1及び第
2の被検物32A、32Bの各々の投影画像をそれぞれ
読み出して、再構成処理を行ない、第1及び第2の被検
物32A、32Bの各々の断層画像を得る。尚、これら
の断層画像は、これ以前において投影画像からの再構成
により作成したものでもよい。
【0107】断層画像変換部62A、62Bにおいて
は、投影画像重心算出部46A、46B及び投影画像慣
性モーメント算出部48A、48Bで得られた、第1及
び第2の被検物32A、32Bの各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)、CB (θ)並びに
第1及び第2の被検物32A、32B間の回転成分θm
を用いて、画像再構成部60A、60Bで得られた第1
及び第2の被検物32A、32Bの各々の断層画像をそ
れぞれ座標変換する。
【0108】この断層画像の座標変換により、第1及び
第2の被検物32A、32Bの各々の断層画像中の被検
物位置を一致させるように位置合わせを行なう手順を説
明する。
【0109】先ず、投影画像重心算出部46A、46B
で算出した第1及び第2の被検物32A、32Bの各々
の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)、
B(θ)の内、断層画像の座標X,Y軸に平行な角度
θの重心位置を用いて、断層画像中の第1及び第2の被
検物32A、32Bの重心位置がそれぞれ断層画像の原
点となるように変換する。こうして、第1及び第2の被
検物32A、32Bの各々の断層画像の重心位置を断層
画像の原点において一致させる。尚、この代わりに、第
1の被検物32AのX−Y座標の重心位置が第2の被検
物32BのX−Y座標の重心位置に一致するように変換
してもよいし、また逆に、第2の被検物32BのX−Y
座標の重心位置が第1の被検物32AのX−Y座標の重
心位置に一致するように変換してもよい。
【0110】続いて、投影画像慣性モーメント算出部4
8A、48Bで導出した第1及び第2の被検物32A、
32B間の回転成分θmを用いて、第2の被検物32B
の断層画像の角度が第1の被検物32Aの断層画像の角
度に一致するように、第2の被検物32Bの断層画像を
回転成分θm分だけ回転させる変換を行なう。尚、この
代わりに、第1の被検物32Aと第2の被検物32Bの
各々の断層画像がθ軸方向に同一角度となるように、各
々の断層画像の変換を行なってもよい。
【0111】このような第1及び第2の被検物32A、
32Bの各々の投影画像の投影角度θ毎のt軸重心位置
A (θ)、CB (θ)並びに第1及び第2の被検物3
2A、32B間の回転成分θmを用いた断層画像の座標
変換により、各々の断層画像中の第1及び第2の被検物
32A、32Bの位置を一致させる。
【0112】断層画像比較部64においては、断層画像
変換部62A、62Bで画像中の第1及び第2の被検物
32A、32Bの位置が一致するように座標変換した、
第1及び第2の被検物32A、32Bの各々の断層画像
間の差分又は合成を実施し、断層画像間の差分画像を得
る。
【0113】判定部66においては、断層画像比較部6
4で得られた第1及び第2の被検物32A、32Bの断
層画像間の差分画像又は合成画像を用いて、第1及び第
2の被検物32A、32Bの差異の大きさ、即ち第1の
被検物32Aの構造的欠陥の大きさを計測し、第1の被
検物32Aの良否の判定と共に不良品の解析を行なう。
例えば第1及び第2の被検物32A、32Bの断層画像
間の差分画像を2値化し、収縮及び拡張を行なうことで
余分なノイズを除去し、残った差異部分の大きさ、即ち
第1の被検物32Aの構造的欠陥の大きさを計測するこ
とにより、その構造的欠陥の程度に応じて、第2の被検
物32Bを基準とする第1の被検物32Aの良否の判定
を行なう。
【0114】以上、画像入力部40A、40Bから判定
部66に至る処理において得られた画像を、図16及び
図17に示す。
【0115】図16(a1)、(b1)は、それぞれ画
像再構成部60A、60Bにおいて投影画像から再構成
された第1及び第2の被検物32A、32Bの各々の断
層画像であり、図16(a2)、(b2)は、それぞれ
断層画像変換部62A、62Bにおいて画像中の被検物
位置を一致させるように座標変換を行なった第1及び第
2の被検物32A、32Bの各々の断層画像であり、図
16(c)は、断層画像比較部64において第1及び第
2の被検物32A、32Bの断層画像間の差分を実施し
て得た各々の断層画像間の差分画像である。この図16
(c)に示す画像において、黒くなっている部分が、第
1及び第2の被検物32A、32Bの差異部分、即ち第
1の被検物32Aの目詰まり部である。
【0116】また、図17(a1)、(b1)は、上記
図16(a1)、(b1)と同じく、それぞれ画像再構
成部60A、60Bにおいて投影画像から再構成された
第1及び第2の被検物32A、32Bの各々の断層画像
であり、図17(a2)、(b2)は、上記図16(a
2)、(b2)と同じく、それぞれ断層画像変換部62
A、62Bにおいて画像中の被検物位置を一致させるよ
うに座標変換を行なった第1及び第2の被検物32A、
32Bの各々の断層画像であり、図17(c)は、断層
画像比較部64において第1及び第2の被検物32A、
32Bの断層画像間の合成を実施して得た各々の断層画
像間の合成画像である。
【0117】このように第3の実施例によれば、第1及
び第2の被検物32A、32Bの各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)、CB (θ)並びに
第1及び第2の被検物32A、32B間の回転成分θm
を用いて、第1及び第2の被検物32A、32Bの断層
画像間の位置合わせを行なった後、画像中の被検物位置
が一致した各々の断層画像間の差分又は合成を実施して
第1及び第2の被検物32A、32Bの断層画像間の差
分画像又は合成画像を得ることにより、検査対象である
第1の被検物の良否の判定だけでなく、その構造的欠陥
の寸法計測による不良品の解析を容易かつ高精度に行な
うことができる。
【0118】(第4の実施例)図18は、本発明の第4
の実施例に係る投影画像及び断層画像を用いた検査装置
を示すブロック図である。尚、上記図6に示す投影画像
を用いた検査装置の構成要素と同一の構成要素には同一
の符号を付して説明を省略する。
【0119】本実施例に係る投影画像及び断層画像を用
いた検査装置も、上記第1の実施例の場合と同様に、同
一又は類似の被検物を対象として、検査対象である第1
の被検物の良否を第2の被検物を基準として比較検査す
るものである。そしてこの投影画像を用いた検査装置
は、画像入力部40A、40Bと、パラレルビーム投影
データ変換部42A、42Bと、投影画像メモリ部44
A、44Bと、投影画像重心算出部46A、46Bと、
投影画像慣性モーメント算出部48A、48Bと、投影
画像変換部50A、50Bと、投影画像変換部50A、
50Bで画像中の第1及び第2の被検物32A、32B
の位置が一致するように座標変換した、第1及び第2の
被検物32A、32Bの各々の投影画像の再構成処理を
行なう画像再構成部68A、68Bと、画像再構成部6
8A、68Bで得られた、画像中の被検物位置が一致し
ている第1及び第2の被検物32A、32Bの各々の断
層画像間の差分又は合成を実施する断層画像比較部64
と、判定部66とから構成されている。
【0120】以下、各構成部の機能について詳述する。
但し、画像入力部40A、40Bから投影画像慣性モー
メント算出部48A、48Bに至る各構成部の機能は、
上記第1の実施例の場合と同様であり、断層画像比較部
64及び判定部66の各構成部の機能は、上記第3の実
施例の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0121】画像再構成部68A、68Bにおいては、
投影画像変換部50A、50Bで画像中の第1及び第2
の被検物32A、32Bの位置が一致するように座標変
換した、第1及び第2の被検物32A、32Bの各々の
投影画像の再構成処理を行ない、第1及び第2の被検物
32A、32Bの各々の断層画像を得る。従って、各々
の断層画像中の第1及び第2の被検物32A、32Bの
位置は一致する。
【0122】このように第4の実施例によれば、第1及
び第2の被検物32A、32Bの各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)、CB (θ)並びに
第1及び第2の被検物32A、32B間の回転成分θm
を用いて位置合わせを行なった第1及び第2の投影画像
をそれぞれ再構成処理して、画像中の被検物位置が一致
した第1及び第2の被検物32A、32Bの断層画像を
得た後、各々の断層画像間の差分又は合成を実施して第
1及び第2の被検物32A、32Bの断層画像間の差分
画像又は合成画像を得ることにより、検査対象である第
1の被検物の良否の判定だけでなく、その構造的欠陥の
寸法計測による不良品の解析を容易かつ高精度に行なう
ことができる。
【0123】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る投影画像を用いた検査装置によれば、第1及び第2
の投影画像の特徴量を用いて各々の投影画像間の位置合
わせを行なった後、画像中の被検物位置を一致させた第
1及び第2の投影画像の差分又は合成を行ない、第1及
び第2の被検物の投影画像間の差分画像を得ることによ
り、X線CT装置においては常に付随して得られる第1
及び第2の投影画像のみを用い、断層画像を再構成する
のに要する再構成処理時間が不必要となるため、また第
1及び第2の投影画像の投影数が完全な断層画像を得る
のに必要な投影数より少なくて済むため、第2の被検物
を基準とする第1の被検物の差異の有無や程度の認識に
基づく良否の判定等の検査を容易、迅速に行なうことが
できる。
【0124】また、第1及び第2の投影画像の特徴量を
用いて第1及び第2の投影画像間の位置合わせを行なっ
た後、画像中の被検物位置が一致した各々の投影画像間
の差分又は合成を実施して得た第1及び第2の被検物の
投影画像間の差分画像又は合成画像を再構成処理して、
第1及び第2の被検物間の差分再構成画像又は合成再構
成画像を得ることにより、差分再構成画像又は合成再構
成画像を1回の再構成処理によって得ることができるた
め、第2の被検物を基準とする第1の被検物の良否の判
定等だけでなく、差異の寸法計測による不良品の解析等
の検査を容易、迅速に行なうことができる。
【0125】更にまた、本発明に係る投影画像及び断層
画像を用いた検査装置によれば、第1及び第2の投影画
像の特徴量を用いて第1及び第2の断層画像間の位置合
わせを行なった後、画像中の被検物位置が一致した各々
の断層画像間の差分又は合成を実施して、第1及び第2
の被検物の断層画像間の差分画像又は合成画像を得るこ
とにより、第2の被検物を基準とする第1の被検物の良
否の判定等だけでなく、差異の寸法計測による不良品の
解析等の検査を容易かつ高精度に行なうことができる。
【0126】また、第1及び第2の投影画像の特徴量を
用いて第1及び第2の投影画像間の位置合わせを行なっ
た後、第1及び第2の投影画像をそれぞれ再構成処理し
て、画像中の被検物位置が一致した第1及び第2の断層
画像を得ることにより、第1及び第2の被検物の断層画
像間の差分画像又は合成画像を得るため、第2の被検物
を基準とする第1の被検物の良否の判定等だけでなく、
差異の寸法計測による不良品の解析等の検査を容易かつ
高精度に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線CT装置を示す簡略図である。
【図2】ファンビームX線投影、パラレルビームX線投
影、及びファンビームX線投影データをパラレルビーム
X線投影データに並び換える方法を説明する模式図であ
る。
【図3】検査視野領域に任意に置いた第1及び第2の被
検物の投影画像を示す模式図である。
【図4】X−Y座標上における第1の被検物と第2の被
検物の位置合わせの概要を説明するための模式図であ
る。
【図5】パラレルビームX線を用いた投影データ収集を
示す模式図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る投影画像を用いた
検査装置を示すブロック図である。
【図7】第1及び第2の被検物の各々の投影画像をその
まま画像再構成処理して得た第1及び第2の被検物の断
層画像を示す図である。
【図8】第1及び第2の被検物の各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)、CB (θ)を示す
グラフである。
【図9】第1及び第2の被検物の各々の投影画像の投影
角度θ毎のt軸重心位置を通るθ方向の軸のまわりの慣
性モーメントMA (θ)、MB (θ)を示すグラフであ
る。
【図10】第1及び第2の被検物の間の回転成分θm分
だけθ方向にシフトさせた第2の被検物の投影画像の慣
性モーメントMB (θ)を示すグラフである。
【図11】第1の被検物の投影画像のt軸補正前後の投
影角度θ毎のt軸重心位置CA (θ)を示す模式図であ
る。
【図12】投影角度θ毎のt軸重心位置を一致させた第
2の被検物32Bの投影画像のθ軸補正前後の慣性モー
メントMB (θ)を示す模式図である。
【図13】第1及び第2の被検物の各々の投影画像、t
軸変換及びθ軸変換を行なった第1及び第2の被検物の
各々の投影画像、並びに第1及び第2の被検物の投影画
像間の差分画像に2値化処理を施した画像を示す写真で
ある。
【図14】本発明の第2の実施例に係る投影画像を用い
た検査装置を示すブロック図である。
【図15】本発明の第3の実施例に係る投影画像及び断
層画像を用いた検査装置を示すブロック図である。
【図16】投影画像から再構成された第1及び第2の被
検物の各々の断層画像、画像中の被検物位置を一致させ
るように座標変換を行なった第1及び第2の被検物の各
々の断層画像、並びに第1及び第2の被検物の断層画像
間の差分画像を示す図である。
【図17】投影画像から再構成された第1及び第2の被
検物の各々の断層画像、画像中の被検物位置を一致させ
るように座標変換を行なった第1及び第2の被検物の各
々の断層画像、並びに第1及び第2の被検物の断層画像
間の合成画像を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施例に係る投影画像及び断
層画像を用いた検査装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…X線管、12…検出器、14…試料台、16…被
検物、18…ファンビームX線、20…検査視野領域、
22…第1のコリメータ、24…第2のコリメータ、2
6…検出器シールド、27…X線軌道、28,28a,
28b,28c…検出器配列、30…パラレルビームX
線、32A…検査対象である第1の被検物、32B…基
準となる第2の被検物、34A,34B…投影画像、4
0A,40B…画像入力部、42A,42B…パラレル
ビーム投影データ変換部、44A,44B…投影画像メ
モリ部、46A,46B…投影画像重心算出部、48
A,48B…投影画像慣性モーメント算出部、50A,
50B…投影画像変換部、52…投影画像比較部、54
…判定部、56…画像再構成部、58…判定部、60
A,60B…画像再構成部、62A,62B…断層画像
変換部、64…断層画像比較部、66…判定部、68
A,68B…画像再構成部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象である第1の被検物及び基準と
    なる第2の被検物にそれぞれX線を照射して、第1の投
    影画像及び第2の投影画像を得る手段と、 前記第1の投影画像及び前記第2の投影画像の特徴量を
    抽出する手段と、 前記特徴量を用いて前記第1の投影画像及び前記第2の
    投影画像を座標変換して、前記第1の投影画像及び前記
    第2の投影画像中の被検物位置を一致させる手段と、 画像中の被検物位置を一致させた前記第1の投影画像及
    び前記第2の投影画像を差分又は合成して、前記第1の
    投影画像及び前記第2の投影画像間の差分画像又は合成
    画像を得る手段と、 を備え、前記第2の被検物を基準とする前記第1の被検
    物の差異を検査することを特徴とする投影画像を用いた
    検査装置。
  2. 【請求項2】 検査対象である第1の被検物及び基準と
    なる第2の被検物にそれぞれX線を照射して、第1の投
    影画像及び第2の投影画像を得る手段と、 前記第1の投影画像及び前記第2の投影画像の特徴量を
    抽出する手段と、 前記特徴量を用いて前記第1の投影画像及び前記第2の
    投影画像を座標変換して、前記第1の投影画像及び前記
    第2の投影画像中の被検物位置を一致させる手段と、 画像中の被検物位置を一致させた前記第1の投影画像及
    び前記第2の投影画像を差分又は合成して、前記第1の
    投影画像及び前記第2の投影画像間の差分画像又は合成
    画像を得る手段と、 前記第1の投影画像及び前記第2の投影画像間の前記差
    分画像又は前記合成画像を再構成処理して、差分再構成
    画像又は合成再構成画像を得る手段と、 を備え、前記第2の被検物を基準とする前記第1の被検
    物の差異を検査することを特徴とする投影画像を用いた
    検査装置。
  3. 【請求項3】 検査対象である第1の被検物及び基準と
    なる第2の被検物にそれぞれX線を照射して、第1の投
    影画像及び第2の投影画像を得る手段と、 前記第1の投影画像及び前記第2の投影画像をそれぞれ
    再構成処理して、第1の断層画像及び前記第2の断層画
    像を得る手段と、 前記第1の投影画像及び前記第2の投影画像の特徴量を
    抽出する手段と、 前記特徴量を用いて前記第1の断層画像及び前記第2の
    断層画像を座標変換して、前記第1の断層画像及び前記
    第2の断層画像中の被検物位置を一致させる手段と、 画像中の被検物位置を一致させた前記第1の断層画像及
    び前記第2の断層画像を差分又は合成して、前記第1の
    断層画像及び前記第2の断層画像間の差分画像又は合成
    画像を得る手段と、 を備え、前記第2の被検物を基準とする前記第1の被検
    物の差異を検査することを特徴とする投影画像及び断層
    画像を用いた検査装置。
  4. 【請求項4】 検査対象である第1の被検物及び基準と
    なる第2の被検物にそれぞれX線を照射して、第1の投
    影画像及び第2の投影画像を得る手段と、 前記第1の投影画像及び前記第2の投影画像の特徴量を
    抽出する手段と、 前記特徴量を用いて前記第1の投影画像及び前記第2の
    投影画像を座標変換して、前記第1の投影画像及び前記
    第2の投影画像中の被検物位置を一致させる手段と、 画像中の被検物位置を一致させた前記第1の投影画像及
    び前記第2の投影画像をそれぞれ再構成処理して、画像
    中の被検物位置が一致した第1の断層画像及び第2の断
    層画像を得る手段と、 画像中の被検物位置が一致した前記第1の断層画像及び
    前記第2の断層画像を差分又は合成して、前記第1の断
    層画像及び前記第2の断層画像間の差分画像又は合成画
    像を得る手段と、 を備え、前記第2の被検物を基準とする前記第1の被検
    物の差異を検査することを特徴とする投影画像及び断層
    画像を用いた検査装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の投影画像及び前記第2の投影
    画像の前記特徴量は、投影角度毎の重心及び慣性モーメ
    ントである、ことを特徴とする請求項1又は2記載の投
    影画像を用いた検査装置。
  6. 【請求項6】 前記検査対象である第1の被検物及び前
    記基準となる第2の被検物は、正常な状態においては構
    造及び材質が所定の精度の範囲において一致する同一又
    は類似の被検物である、ことを特徴とする請求項1又は
    2記載の投影画像を用いた検査装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の投影画像及び前記第2の投影
    画像の投影数は、完全な断層画像を得るために必要な投
    影数より少ない、ことを特徴とする請求項1又は2記載
    の投影画像を用いた検査装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の投影画像及び前記第2の投影
    画像の前記特徴量は、投影角度毎の重心及び慣性モーメ
    ントである、ことを特徴とする請求項3又は4記載の投
    影画像及び断層画像を用いた検査装置。
  9. 【請求項9】 前記検査対象である第1の被検物及び前
    記基準となる第2の被検物は、正常な状態においては構
    造及び材質が所定の精度の範囲において一致する同一又
    は類似の被検物である、ことを特徴とする請求項3又は
    4記載の投影画像及び断層画像を用いた検査装置。
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