JPH0952237A - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents
発泡成形品の製造方法Info
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- JPH0952237A JPH0952237A JP7227063A JP22706395A JPH0952237A JP H0952237 A JPH0952237 A JP H0952237A JP 7227063 A JP7227063 A JP 7227063A JP 22706395 A JP22706395 A JP 22706395A JP H0952237 A JPH0952237 A JP H0952237A
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- resin film
- foam
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 離型剤を不要にして、離型剤塗布に伴う上述
の数々の不具合を解消することによって、製造工程を簡
略化し、低コストで、しかも、品質安定させることので
きる発泡成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 分割型1の蓋型1bの型面14に樹脂フ
ィルム2を被着し、更に、該樹脂フィルム2上にインサ
ート3をセットし、次いで、キャビティ1内に所定量の
発泡原料Gを注入後、型閉めして、前記インサート3と
一体化する発泡成形を行ない、型開後、前記樹脂フィル
ム2を剥奪する。
の数々の不具合を解消することによって、製造工程を簡
略化し、低コストで、しかも、品質安定させることので
きる発泡成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 分割型1の蓋型1bの型面14に樹脂フ
ィルム2を被着し、更に、該樹脂フィルム2上にインサ
ート3をセットし、次いで、キャビティ1内に所定量の
発泡原料Gを注入後、型閉めして、前記インサート3と
一体化する発泡成形を行ない、型開後、前記樹脂フィル
ム2を剥奪する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インサートと一体
化した発泡体を形成する発泡成形品の製造方法に関す
る。
化した発泡体を形成する発泡成形品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の内装部品を始め、様々な分野
においてインサートと一体化する発泡成形品が登場して
きている。こうしたなかで、従来の発泡成形品(例え
ば、エアバックドア)は、図7〜図11のようにして造
るのが一般的な方法であった。まず、蓋型7bの裏面に
脱型を容易にするために、スプレーガン8等を使って離
型剤9の塗布を行なう(図7)。そして、インサート3
を蓋型7bへセットする一方、キャビティ型7aに表皮
4をセットする(図8,図9)。尚、表皮4がない場合
は、表皮セット工程を除く。続いて、ポリウレタンフォ
ーム原料等の発泡原料GをキャビティC内に注入し(図
10)、型閉め後、発泡成形で表皮4,インサート3と
一体化した発泡体5を形成するのである(図11)。
においてインサートと一体化する発泡成形品が登場して
きている。こうしたなかで、従来の発泡成形品(例え
ば、エアバックドア)は、図7〜図11のようにして造
るのが一般的な方法であった。まず、蓋型7bの裏面に
脱型を容易にするために、スプレーガン8等を使って離
型剤9の塗布を行なう(図7)。そして、インサート3
を蓋型7bへセットする一方、キャビティ型7aに表皮
4をセットする(図8,図9)。尚、表皮4がない場合
は、表皮セット工程を除く。続いて、ポリウレタンフォ
ーム原料等の発泡原料GをキャビティC内に注入し(図
10)、型閉め後、発泡成形で表皮4,インサート3と
一体化した発泡体5を形成するのである(図11)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の発泡
成形品の製造方法は、離型剤塗布を行なっているため、
以下のような問題があった。まず、ヘキサン等の溶剤系
離型剤を使用する場合には、局所排気施設が必要となっ
た。また、繰返し製造に伴ない、離型剤9が発泡型7に
積もるようになり、インサート3のセット位置がバラつ
き、製品寸法が安定し難かった。更に、離型剤9の塗布
ムラにより、脱型不良を誘発させ易かった。その一方
で、離型剤9が製品に付着するため、その拭き取りの手
間を要した。加えて、水溶性離型剤にあっては、ウレタ
ン発泡体5の成形不良を引き起こし、フォーム強度や耐
久性を著しく低下させる問題をかかえていた。そして、
離型剤を使用する場合には、一定の生産量を終える毎に
(具体的には、1回/直程度)、離型剤9を除去する作
業がどうしても必要になっていた。
成形品の製造方法は、離型剤塗布を行なっているため、
以下のような問題があった。まず、ヘキサン等の溶剤系
離型剤を使用する場合には、局所排気施設が必要となっ
た。また、繰返し製造に伴ない、離型剤9が発泡型7に
積もるようになり、インサート3のセット位置がバラつ
き、製品寸法が安定し難かった。更に、離型剤9の塗布
ムラにより、脱型不良を誘発させ易かった。その一方
で、離型剤9が製品に付着するため、その拭き取りの手
間を要した。加えて、水溶性離型剤にあっては、ウレタ
ン発泡体5の成形不良を引き起こし、フォーム強度や耐
久性を著しく低下させる問題をかかえていた。そして、
離型剤を使用する場合には、一定の生産量を終える毎に
(具体的には、1回/直程度)、離型剤9を除去する作
業がどうしても必要になっていた。
【0004】ところで、発泡成形品の製造方法におい
て、被膜を使用する従来技術のひとつに特公平4−71
690号公報の開示発明がある。しかしながら、これは
インサートと発泡体との間に被膜を介在させて発泡成形
を行なう技術であり、その構成を異にしていた。また、
上記被膜は、前記公報の詳細な説明に記載のごとく、真
空成形等で芯材を覆うよう付形したものが通常用いら
れ、樹脂フィルムを単純にそのまま使用できる簡単な製
法ではなかった。更に、いわゆるマスキングテープとし
てインサートに接着して、発泡材料のインサート背面へ
の侵入を効果的に防止する技術手段にとどまっていた。
脱型を容易になすためには、インサートがセットされる
型面にやはり離型剤を塗布しなければならず、そして、
離型剤を使用することになれば上述した問題に直面する
ことに変わりなかった。
て、被膜を使用する従来技術のひとつに特公平4−71
690号公報の開示発明がある。しかしながら、これは
インサートと発泡体との間に被膜を介在させて発泡成形
を行なう技術であり、その構成を異にしていた。また、
上記被膜は、前記公報の詳細な説明に記載のごとく、真
空成形等で芯材を覆うよう付形したものが通常用いら
れ、樹脂フィルムを単純にそのまま使用できる簡単な製
法ではなかった。更に、いわゆるマスキングテープとし
てインサートに接着して、発泡材料のインサート背面へ
の侵入を効果的に防止する技術手段にとどまっていた。
脱型を容易になすためには、インサートがセットされる
型面にやはり離型剤を塗布しなければならず、そして、
離型剤を使用することになれば上述した問題に直面する
ことに変わりなかった。
【0005】本発明は、離型剤を不要にして、離型剤塗
布に伴う上述の数々の不具合を解消することによって、
製造工程を簡略化し、低コストで、しかも、品質安定さ
せることのできる発泡成形品の製造方法を提供すること
を目的とする。
布に伴う上述の数々の不具合を解消することによって、
製造工程を簡略化し、低コストで、しかも、品質安定さ
せることのできる発泡成形品の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の要旨は、分割型の一方の型面に樹脂フィル
ムを被着し、更に、該樹脂フィルム上にインサートをセ
ットし、次いで、キャビティ内に所定量の発泡原料を注
入後、型閉めして、前記インサートと一体化する発泡成
形を行ない、型開後、前記樹脂フィルムを剥奪すること
を特徴とする発泡成形品の製造方法にある。本発明の発
泡成形品の製造方法は、また、分割型の一方の型面の側
方に真空吸引される複数の透孔が形成されたマニホール
ドを備え、該マニホールドの真空引きにより前記樹脂フ
ィルムを型面に被着固定させることを特徴とする。ここ
で、「樹脂フィルムを型面に被着固定させる」とは、樹
脂フィルムが分割型に直接的に固定される必要はなく、
樹脂フィルムが何らかの手段により固定され、その結
果、該樹脂フィルムを型面に被着できれば足りる。本発
明の発泡成形品の製造方法は、また、分割型の一方の型
面に前記樹脂フィルムとインサートをセットするのみな
らず、分割型の他方の型面に表皮をセットして発泡成形
を行ない、表皮及びインサートと一体化した発泡体を形
成することを特徴とする。
め、本発明の要旨は、分割型の一方の型面に樹脂フィル
ムを被着し、更に、該樹脂フィルム上にインサートをセ
ットし、次いで、キャビティ内に所定量の発泡原料を注
入後、型閉めして、前記インサートと一体化する発泡成
形を行ない、型開後、前記樹脂フィルムを剥奪すること
を特徴とする発泡成形品の製造方法にある。本発明の発
泡成形品の製造方法は、また、分割型の一方の型面の側
方に真空吸引される複数の透孔が形成されたマニホール
ドを備え、該マニホールドの真空引きにより前記樹脂フ
ィルムを型面に被着固定させることを特徴とする。ここ
で、「樹脂フィルムを型面に被着固定させる」とは、樹
脂フィルムが分割型に直接的に固定される必要はなく、
樹脂フィルムが何らかの手段により固定され、その結
果、該樹脂フィルムを型面に被着できれば足りる。本発
明の発泡成形品の製造方法は、また、分割型の一方の型
面に前記樹脂フィルムとインサートをセットするのみな
らず、分割型の他方の型面に表皮をセットして発泡成形
を行ない、表皮及びインサートと一体化した発泡体を形
成することを特徴とする。
【0007】本発明の発泡成形品の製造方法によれば、
離型剤の代用品として樹脂フィルムを用いるので、局所
排気施設がいらず、また、水溶性離型剤の使用にみられ
るごとく、発泡体に離型剤が溶け込むといった心配もな
い。そして、この樹脂フィルムは発泡成形過程で発泡成
形品側に付着するので、型面に樹脂フィルムの跡形がな
にも残らず、発泡型に離型剤が積もって品質不良を招く
虞れはない。更に、該樹脂フィルムは発泡成形品から綺
麗に剥ぎ取られるので、不必要なものが製品に入り込む
心配もない。もちろん、従来、一定の生産量を終える毎
に実施しなければならなかった離型剤の除去作業も当然
不要になる。
離型剤の代用品として樹脂フィルムを用いるので、局所
排気施設がいらず、また、水溶性離型剤の使用にみられ
るごとく、発泡体に離型剤が溶け込むといった心配もな
い。そして、この樹脂フィルムは発泡成形過程で発泡成
形品側に付着するので、型面に樹脂フィルムの跡形がな
にも残らず、発泡型に離型剤が積もって品質不良を招く
虞れはない。更に、該樹脂フィルムは発泡成形品から綺
麗に剥ぎ取られるので、不必要なものが製品に入り込む
心配もない。もちろん、従来、一定の生産量を終える毎
に実施しなければならなかった離型剤の除去作業も当然
不要になる。
【0008】また、該マニホールドの複数の透孔からの
真空引きにより前記樹脂フィルムを型面に被着固定させ
ると、特段の接着剤を用いずして、樹脂フィルムの型面
への取付けが円滑に進む。更に、分割型の他方の型面に
表皮をセットして発泡成形を行なえば、表皮,インサー
トとの一体化成形を簡単になし得る。
真空引きにより前記樹脂フィルムを型面に被着固定させ
ると、特段の接着剤を用いずして、樹脂フィルムの型面
への取付けが円滑に進む。更に、分割型の他方の型面に
表皮をセットして発泡成形を行なえば、表皮,インサー
トとの一体化成形を簡単になし得る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳述する。図1〜図6は、本発明に係る発泡成形品の製
造方法の一形態を示し、自動車用エアバックドアを造る
のに適用したものである。図1は蓋型と樹脂フィルムと
インサートとの位置関係を示した斜視図、図2は蓋型へ
樹脂フィルムを被着した状態にある発泡型の縦断面図、
図3は図2の状態から更にインサート及び表皮をセット
した状態にある発泡型の縦断面図、図4は図3の状態か
ら更に発泡原料をキャビティ内に注入した状態にある発
泡型の縦断面図、図5は図4の状態から更に進んで型閉
めし、発泡成形を終えた状態にある発泡型の縦断面図、
図6は型開後、樹脂フィルムを剥奪する状態を示した発
泡型の縦断面図である。
詳述する。図1〜図6は、本発明に係る発泡成形品の製
造方法の一形態を示し、自動車用エアバックドアを造る
のに適用したものである。図1は蓋型と樹脂フィルムと
インサートとの位置関係を示した斜視図、図2は蓋型へ
樹脂フィルムを被着した状態にある発泡型の縦断面図、
図3は図2の状態から更にインサート及び表皮をセット
した状態にある発泡型の縦断面図、図4は図3の状態か
ら更に発泡原料をキャビティ内に注入した状態にある発
泡型の縦断面図、図5は図4の状態から更に進んで型閉
めし、発泡成形を終えた状態にある発泡型の縦断面図、
図6は型開後、樹脂フィルムを剥奪する状態を示した発
泡型の縦断面図である。
【0010】まず、本発明の発泡成形品の製造方法に使
用する発泡型1について説明する。発泡型1はキャビテ
ィ型1aと蓋型1bとの二つの分割型からなり、蓋型1
bには、図1に示すように、角筒形状の分岐管たるマニ
ホールド11が蓋型1bの型面の両サイド(側方)に固
着されている。マニホールド11の型面側には複数の透
孔13が形成され、この透孔13のある型面12は、蓋
型1bに接するところのフランジ面14と面一にある。
そして、マニホールド11端部に接続された配管15は
真空ポンプ(図示せず)へつながり、真空ポンプの真空
引きにより型面12側の各透孔13,13,…周りのエ
アが透孔13から吸込まれ真空吸引される構造である。
透孔13の個数及びその大きさは、樹脂フィルム2を蓋
型1bの型面19に被着固定できるよう適宜選定され
る。蓋型1bの型面19は部分的に隆起部16が形成さ
れ、インサート3をセットし易くしている。蓋型1bの
キャビティ型1aへの型閉じで、発泡成形品Aのキャビ
ティCがつくられる。
用する発泡型1について説明する。発泡型1はキャビテ
ィ型1aと蓋型1bとの二つの分割型からなり、蓋型1
bには、図1に示すように、角筒形状の分岐管たるマニ
ホールド11が蓋型1bの型面の両サイド(側方)に固
着されている。マニホールド11の型面側には複数の透
孔13が形成され、この透孔13のある型面12は、蓋
型1bに接するところのフランジ面14と面一にある。
そして、マニホールド11端部に接続された配管15は
真空ポンプ(図示せず)へつながり、真空ポンプの真空
引きにより型面12側の各透孔13,13,…周りのエ
アが透孔13から吸込まれ真空吸引される構造である。
透孔13の個数及びその大きさは、樹脂フィルム2を蓋
型1bの型面19に被着固定できるよう適宜選定され
る。蓋型1bの型面19は部分的に隆起部16が形成さ
れ、インサート3をセットし易くしている。蓋型1bの
キャビティ型1aへの型閉じで、発泡成形品Aのキャビ
ティCがつくられる。
【0011】発泡成形品の製造方法は、上記発泡型1を
用いて以下の手順で行なわれる。最初に、樹脂フィルム
2を蓋型1bの型面19へ被着する(図2)。型開状態
下、真空ポンプを作動させ、樹脂フィルム2の両側を各
透孔13にあてがい、真空引きする吸引力で蓋型1bへ
樹脂フィルム2を被着固定させる。ここで、図1〜図6
では、樹脂フィルム2を判り易くするため厚めに描いて
いる。樹脂フィルム2は、その両側端末部分21のみを
マニホールド11のフランジ面14に吸着固定して、蓋
型1bの型面19を被着すれば十分であり、樹脂フィル
ム2が覆った面全体にわたって真空引き等で蓋型1bへ
の固定を必要としない。また、この段階では、樹脂フィ
ルム2が蓋型1bの隆起部16の形状に沿って密着して
なくてもよい。尚、本実施形態では、蓋型1bの型面の
上下両サイドにマニホールド11が設けられているが、
図2中、蓋型型面の上方のマニホールド11のみ設け、
このマニホールド11に樹脂フィルム2を固定させ、樹
脂フィルム2を垂れ下げるようにして、インサート3を
蓋型にセットさせることで、必然的に樹脂フィルム2を
型面に被着固定させてもよい。樹脂フィルム2は、ロー
ル状に巻かれたフィルム束等から単に所定大きさに切り
取られたもので、蓋型1bの型面全体を覆える面積を有
し、且つ、端末部分21を蓋型1bからはみ出させてい
る。発泡硬化後、樹脂フィルム2を剥奪する際(後
述)、この端末部分21を手に持って樹脂フィルム2を
製品から剥し易くするためである。
用いて以下の手順で行なわれる。最初に、樹脂フィルム
2を蓋型1bの型面19へ被着する(図2)。型開状態
下、真空ポンプを作動させ、樹脂フィルム2の両側を各
透孔13にあてがい、真空引きする吸引力で蓋型1bへ
樹脂フィルム2を被着固定させる。ここで、図1〜図6
では、樹脂フィルム2を判り易くするため厚めに描いて
いる。樹脂フィルム2は、その両側端末部分21のみを
マニホールド11のフランジ面14に吸着固定して、蓋
型1bの型面19を被着すれば十分であり、樹脂フィル
ム2が覆った面全体にわたって真空引き等で蓋型1bへ
の固定を必要としない。また、この段階では、樹脂フィ
ルム2が蓋型1bの隆起部16の形状に沿って密着して
なくてもよい。尚、本実施形態では、蓋型1bの型面の
上下両サイドにマニホールド11が設けられているが、
図2中、蓋型型面の上方のマニホールド11のみ設け、
このマニホールド11に樹脂フィルム2を固定させ、樹
脂フィルム2を垂れ下げるようにして、インサート3を
蓋型にセットさせることで、必然的に樹脂フィルム2を
型面に被着固定させてもよい。樹脂フィルム2は、ロー
ル状に巻かれたフィルム束等から単に所定大きさに切り
取られたもので、蓋型1bの型面全体を覆える面積を有
し、且つ、端末部分21を蓋型1bからはみ出させてい
る。発泡硬化後、樹脂フィルム2を剥奪する際(後
述)、この端末部分21を手に持って樹脂フィルム2を
製品から剥し易くするためである。
【0012】ところで、樹脂フィルム2は、その種類を
特に限定するものではないが、離型性を有する樹脂フィ
ルム2が好ましい。具体的な材質としては、ポリエチレ
ンベースフィルム,テフロンベースフィルム,シリコー
ン系フィルム等である(ここでは、ポリエチレンフィル
ムを用いる)。樹脂フィルム2の厚みは、0.001m
m〜0.2mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.
005mm〜0.05mmの範囲である(ここでは、樹
脂フィルムの厚みとして0.01mmを採用)。本発明
に使用する樹脂フィルム2は、膜状態であり、付形され
ておらず、樹脂フィルムが蓋型1bの隆起部16に密着
するにはフィルムの曲げ抵抗が無視できるほど小さい方
が望ましく、一方で、あまりにも薄くしすぎると損傷し
やすくなるので、上記範囲が好適とされる。
特に限定するものではないが、離型性を有する樹脂フィ
ルム2が好ましい。具体的な材質としては、ポリエチレ
ンベースフィルム,テフロンベースフィルム,シリコー
ン系フィルム等である(ここでは、ポリエチレンフィル
ムを用いる)。樹脂フィルム2の厚みは、0.001m
m〜0.2mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.
005mm〜0.05mmの範囲である(ここでは、樹
脂フィルムの厚みとして0.01mmを採用)。本発明
に使用する樹脂フィルム2は、膜状態であり、付形され
ておらず、樹脂フィルムが蓋型1bの隆起部16に密着
するにはフィルムの曲げ抵抗が無視できるほど小さい方
が望ましく、一方で、あまりにも薄くしすぎると損傷し
やすくなるので、上記範囲が好適とされる。
【0013】次に、蓋型1bに被着した上記樹脂フィル
ム2上にインサート3をセットする(図3)。インサー
ト3を隆起部16に嵌め込むことで、図2において、隆
起部16周りで弛んだ状態にあった樹脂フィルム2は、
インサート3と蓋型1bとの間に挟まれ、隆起部16に
密着するようになる。二次元材料である樹脂フィルム2
は、曲げ抵抗が極めて小さく、インサート3のセットに
伴ない隆起部16の形状に合わせられる。インサート3
は必要に応じて係止ピン等で蓋型1bに固定される。こ
こで、樹脂フィルム2は皺が寄った状態で蓋型1bに密
着しても、その厚みが0.01mmと薄いため、インサ
ート3位置がズレるといった不具合はない。
ム2上にインサート3をセットする(図3)。インサー
ト3を隆起部16に嵌め込むことで、図2において、隆
起部16周りで弛んだ状態にあった樹脂フィルム2は、
インサート3と蓋型1bとの間に挟まれ、隆起部16に
密着するようになる。二次元材料である樹脂フィルム2
は、曲げ抵抗が極めて小さく、インサート3のセットに
伴ない隆起部16の形状に合わせられる。インサート3
は必要に応じて係止ピン等で蓋型1bに固定される。こ
こで、樹脂フィルム2は皺が寄った状態で蓋型1bに密
着しても、その厚みが0.01mmと薄いため、インサ
ート3位置がズレるといった不具合はない。
【0014】次いで、予め付形された表皮4をキャビテ
ィ型1aの型面17にセットする。尚、表皮4とインサ
ート3のセット手順は、いずれが先でもよく、同時にセ
ットしてもよい。表皮がない製品の場合や後加工で表皮
を被せる場合は、この工程は省略される。
ィ型1aの型面17にセットする。尚、表皮4とインサ
ート3のセット手順は、いずれが先でもよく、同時にセ
ットしてもよい。表皮がない製品の場合や後加工で表皮
を被せる場合は、この工程は省略される。
【0015】しかる後、キャビティ型1aのキャビティ
C内に所定量の発泡原料G(ここでは、ポリウレタンフ
ォーム原料)を注入する(図4)。そして、型閉めし
て、発泡成形を行なう(図5)。発泡成形により樹脂フ
ィルム2側と反対のインサート3面に発泡体5を一体化
させる。インサート3と同様、発泡硬化の段階で、発泡
原料Gの有する付着力で表皮4も一体化される。樹脂フ
ィルム2もインサート3で完全に遮断されているわけで
なく、インサート3の開口部分等で発泡体5側に付着す
ることになる。
C内に所定量の発泡原料G(ここでは、ポリウレタンフ
ォーム原料)を注入する(図4)。そして、型閉めし
て、発泡成形を行なう(図5)。発泡成形により樹脂フ
ィルム2側と反対のインサート3面に発泡体5を一体化
させる。インサート3と同様、発泡硬化の段階で、発泡
原料Gの有する付着力で表皮4も一体化される。樹脂フ
ィルム2もインサート3で完全に遮断されているわけで
なく、インサート3の開口部分等で発泡体5側に付着す
ることになる。
【0016】こうして、発泡硬化を終えた段階で、真空
ポンプを切って、型開する(図6)。そして、製品側に
付着した樹脂フィルム2を手で剥ぎ取る。発泡成形で出
来た発泡成形品Aは、蓋型1bに面する部分を除いて全
周面がキャビティ型1a内で密着し、保持された状態に
あるため、樹脂フィルム2の剥奪が容易になっている。
樹脂フィルム2を剥奪した後、製品を脱型することで、
そのまま所望の発泡成形品Aを得る。その後、表皮4の
延長部分41がトリミング処理されて製品化されること
になる。尚、手間がかかるが、脱型後に樹脂フィルム2
を剥奪しても構わない。
ポンプを切って、型開する(図6)。そして、製品側に
付着した樹脂フィルム2を手で剥ぎ取る。発泡成形で出
来た発泡成形品Aは、蓋型1bに面する部分を除いて全
周面がキャビティ型1a内で密着し、保持された状態に
あるため、樹脂フィルム2の剥奪が容易になっている。
樹脂フィルム2を剥奪した後、製品を脱型することで、
そのまま所望の発泡成形品Aを得る。その後、表皮4の
延長部分41がトリミング処理されて製品化されること
になる。尚、手間がかかるが、脱型後に樹脂フィルム2
を剥奪しても構わない。
【0017】このように構成した発泡成形品の製造方法
は、離型剤9の代わりに樹脂フィルム2を使用している
ので、離型剤塗布等と異なり型面14を汚さず、除去作
業がいらない。もちろん、離型剤使用に伴うインサート
3のセット位置のバラツキや、局所排気施設を工面した
り、水溶性離型剤とウレタン発泡体5との不整合に苦労
したりすることはない。樹脂フィルム2は、離型性に優
れたものを用いているので、型開や樹脂フィルムの剥奪
に係る作業が円滑に進む。更に、マニホールド11の透
孔13等の真空引き等を利用して、樹脂フィルム2を蓋
型1bに被着固定するので、接着剤等を使わず品質が安
定する。樹脂フィルム2は、たとえ皺が寄った状態でセ
ットされてもその厚みが薄いので、インサート3位置が
ズレることはない。そして、剥奪された樹脂フィルム2
は、消耗品としての離型剤9と異なり、傷ついて使えな
くなるまで再使用でき、低コスト化に貢献する。加え
て、実施体験から、離型剤9を塗る手間が約10秒かか
るのに対し、樹脂フィルム2の蓋型1bへの被着固定が
約5秒と作業短縮できるので、前述の除去作業の不要と
併せて、製造工程を簡略化し、作業工数を大幅に削減で
きる長所を有する。
は、離型剤9の代わりに樹脂フィルム2を使用している
ので、離型剤塗布等と異なり型面14を汚さず、除去作
業がいらない。もちろん、離型剤使用に伴うインサート
3のセット位置のバラツキや、局所排気施設を工面した
り、水溶性離型剤とウレタン発泡体5との不整合に苦労
したりすることはない。樹脂フィルム2は、離型性に優
れたものを用いているので、型開や樹脂フィルムの剥奪
に係る作業が円滑に進む。更に、マニホールド11の透
孔13等の真空引き等を利用して、樹脂フィルム2を蓋
型1bに被着固定するので、接着剤等を使わず品質が安
定する。樹脂フィルム2は、たとえ皺が寄った状態でセ
ットされてもその厚みが薄いので、インサート3位置が
ズレることはない。そして、剥奪された樹脂フィルム2
は、消耗品としての離型剤9と異なり、傷ついて使えな
くなるまで再使用でき、低コスト化に貢献する。加え
て、実施体験から、離型剤9を塗る手間が約10秒かか
るのに対し、樹脂フィルム2の蓋型1bへの被着固定が
約5秒と作業短縮できるので、前述の除去作業の不要と
併せて、製造工程を簡略化し、作業工数を大幅に削減で
きる長所を有する。
【0018】尚、本発明においては前記実施の形態に示
すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。発泡型1,樹脂フィルム2,インサー
ト3,表皮4,発泡体5等の形状,大きさ,材質等は用
途に合わせて適宜選択できる。発泡型1は、上型と下型
の組合せ、縦型と横型の組合せとすることができる。更
に、三分割型等であってもよい。樹脂フィルム2の蓋型
への被着固定はマニホールド11による真空吸引による
方法に限定されるものでない。また、フランジ面14部
分に樹脂フィルム2の被着固定手段を設けることができ
る。樹脂フィルム2は蓋型1bに全面固着されるもので
あってもよい。また、ケースとして少ないが、型開時に
樹脂フィルム2が蓋型側に付着する場合があってもよ
い。発泡成形品の対象は、前記エアバックドアに限ら
ず、グラブドア等の車両製品、更に、様々な発泡成形品
(例えばクッション製品)に適用できる。
すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。発泡型1,樹脂フィルム2,インサー
ト3,表皮4,発泡体5等の形状,大きさ,材質等は用
途に合わせて適宜選択できる。発泡型1は、上型と下型
の組合せ、縦型と横型の組合せとすることができる。更
に、三分割型等であってもよい。樹脂フィルム2の蓋型
への被着固定はマニホールド11による真空吸引による
方法に限定されるものでない。また、フランジ面14部
分に樹脂フィルム2の被着固定手段を設けることができ
る。樹脂フィルム2は蓋型1bに全面固着されるもので
あってもよい。また、ケースとして少ないが、型開時に
樹脂フィルム2が蓋型側に付着する場合があってもよ
い。発泡成形品の対象は、前記エアバックドアに限ら
ず、グラブドア等の車両製品、更に、様々な発泡成形品
(例えばクッション製品)に適用できる。
【0019】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の発泡成形品の製
造方法は、離型剤を不要にして、製造工程を簡略化し、
低コストで品質安定を図ることができるなど優れた効果
を発揮する。
造方法は、離型剤を不要にして、製造工程を簡略化し、
低コストで品質安定を図ることができるなど優れた効果
を発揮する。
【図1】実施の一形態で、蓋型と樹脂フィルムとインサ
ートとの位置関係を示した斜視図である。
ートとの位置関係を示した斜視図である。
【図2】蓋型へ樹脂フィルムを被着した状態にある発泡
型の縦断面図である。
型の縦断面図である。
【図3】図2の状態から更にインサート及び表皮をセッ
トした状態にある発泡型の縦断面図である。
トした状態にある発泡型の縦断面図である。
【図4】図3の状態から更に発泡原料をキャビティ内に
注入した状態にある発泡型の縦断面図である。
注入した状態にある発泡型の縦断面図である。
【図5】図4の状態から更に進んで型閉めし、発泡成形
を終えた状態にある発泡型の縦断面図である。
を終えた状態にある発泡型の縦断面図である。
【図6】型開後、樹脂フィルムを剥奪する状態を示した
発泡型の縦断面図である。
発泡型の縦断面図である。
【図7】従来技術のスプレーガンを使って蓋型型面へ離
型剤塗布する状態を示す発泡型の縦断面図である。
型剤塗布する状態を示す発泡型の縦断面図である。
【図8】図7の状態から更に離型剤塗布面にインサート
をセットした発泡型の縦断面図である。
をセットした発泡型の縦断面図である。
【図9】図8の状態から更に表皮をセットした発泡型の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図10】図9の状態から更に発泡原料をキャビティ内
に注入した状態にある発泡型の縦断面図である。
に注入した状態にある発泡型の縦断面図である。
【図11】図10の状態から更に進んで型閉めし、発泡
成形を終えた状態にある発泡型の縦断面図である。
成形を終えた状態にある発泡型の縦断面図である。
1 発泡型(分割型) 11 マニホールド 12 型面 13 透孔 17 型面 19 型面 1a キャビティ型(分割型) 1b 蓋型(分割型) 2 樹脂フィルム 3 インサート A 発泡成形品 G 発泡原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水崎 伸 愛知県安城市今池町三丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内
Claims (3)
- 【請求項1】 分割型の一方の型面に樹脂フィルムを被
着し、更に、該樹脂フィルム上にインサートをセット
し、次いで、キャビティ内に所定量の発泡原料を注入
後、型閉めして、前記インサートと一体化する発泡成形
を行ない、型開後、前記樹脂フィルムを剥奪することを
特徴とする発泡成形品の製造方法。 - 【請求項2】 分割型の一方の型面の側方に真空吸引さ
れる複数の透孔が形成されたマニホールドを備え、該マ
ニホールドの真空引きにより前記樹脂フィルムを型面に
被着固定させる請求項1記載の発泡成形品の製造方法。 - 【請求項3】 分割型の一方の型面に前記樹脂フィルム
とインサートをセットするのみならず、分割型の他方の
型面に表皮をセットして発泡成形を行ない、表皮及びイ
ンサートと一体化した発泡体を形成する請求項1または
2に記載の発泡成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7227063A JPH0952237A (ja) | 1995-08-12 | 1995-08-12 | 発泡成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7227063A JPH0952237A (ja) | 1995-08-12 | 1995-08-12 | 発泡成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0952237A true JPH0952237A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16854955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7227063A Pending JPH0952237A (ja) | 1995-08-12 | 1995-08-12 | 発泡成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0952237A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016203531A (ja) * | 2015-04-24 | 2016-12-08 | 本田技研工業株式会社 | ウレタン発泡成形体製造装置 |
-
1995
- 1995-08-12 JP JP7227063A patent/JPH0952237A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016203531A (ja) * | 2015-04-24 | 2016-12-08 | 本田技研工業株式会社 | ウレタン発泡成形体製造装置 |
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